JP6350661B2 - 多孔質体および蓄熱デバイス - Google Patents

多孔質体および蓄熱デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP6350661B2
JP6350661B2 JP2016532484A JP2016532484A JP6350661B2 JP 6350661 B2 JP6350661 B2 JP 6350661B2 JP 2016532484 A JP2016532484 A JP 2016532484A JP 2016532484 A JP2016532484 A JP 2016532484A JP 6350661 B2 JP6350661 B2 JP 6350661B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
heat
storage device
porous body
storage material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016532484A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016006339A1 (ja
Inventor
坂本 禎章
禎章 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Publication of JPWO2016006339A1 publication Critical patent/JPWO2016006339A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6350661B2 publication Critical patent/JP6350661B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K5/00Heat-transfer, heat-exchange or heat-storage materials, e.g. refrigerants; Materials for the production of heat or cold by chemical reactions other than by combustion
    • C09K5/08Materials not undergoing a change of physical state when used
    • C09K5/14Solid materials, e.g. powdery or granular
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K7/00Constructional details common to different types of electric apparatus
    • H05K7/20Modifications to facilitate cooling, ventilating, or heating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

本発明は、多孔質体およびそれを有して成る蓄熱デバイスに関する。
近年の電子機器の性能向上を背景に、熱源となるCPU(中央処理装置)、パワーアンプ、FET(電界効果トランジスタ)、IC(集積回路)、ボルテージレギュレータなどの電子部品の数が増加し、投入されるエネルギーの増加も重なって、発熱の問題が顕著化している。特に、スマートフォンやタブレット型端末のようなモバイル機器では、この熱により、電池の容量が劣化するという問題がある。したがって、機器の内部の温度を、より高度に制御することが求められている。
上記のような熱源から生じた熱の制御は、既存の熱マネジメントソリューションである冷却ファン、ヒートパイプ、ヒートシンク、サーマルシート、ペルチェ素子などにより行われており、例えば、特許文献1には、ヒートシンクとファンまたはペルチェ素子を組み合わせた冷却装置が記載されている(特許文献1を参照)。
しかしながら、上記のようなヒートシンクとファンまたはペルチェ素子を組み合わせた冷却装置は、構造が比較的複雑であることに加え、機器が大きくなり、特にスマートフォンやタブレット型端末等の薄型の機器には使用しにくい。特に、スマートフォンやタブレット型端末などでは、電子機器の筺体(外部筐体)が密閉されており、冷却ファンで気流を起こして外部へ排気することはできないので不向きである。さらには、機器を駆動するために追加の電力を要するので、より高い放熱能力を得るためには電子機器の電力消費量が更に増すこととなり、好ましくない。そもそも、この方法は、エネルギー損失である発熱に対して、エネルギー投入により放熱するというものであり、効率的でない。
したがって、スマートフォンやタブレット型端末等の薄型の機器では、現状、温度の制御は、筺体を介する放熱による手段しかなく、熱源と筺体をサーマルシートなどで熱結合し熱を逃がしている。
特開2010−223497号公報 特開平10−89799号公報 特開2008−111592号公報
上記のような筺体を介する放熱は、筺体の表面積が限られていることから、限界がある。したがって、各熱源の温度を測定し、温度が所定の温度以上になった場合に、CPUなどのパフォーマンスを制限する(発熱自体を抑制する)ことで対応している。即ち、筺体の温度上昇が、CPU等のパフォーマンスの妨げになっていることがある。当然、このような筐体を介した放熱、換言すれば機器全体への伝熱による放熱においては、バッテリーにも熱が伝わることになり、電池容量の経時的な低下に繋がっているともいえる。
本発明者は、蓄熱材の化学反応や吸脱着現象等を利用して熱を蓄熱および移動させる技術、即ち、ケミカルヒートポンプに着目した。ケミカルヒートポンプは、現在、化学プラントや発電所における排熱利用の目的で用いられたり、家庭の給湯・暖房システムや冷凍車などに用いられている比較的大型の装置である(例えば、特許文献2〜3を参照のこと)。かかる従来のケミカルヒートポンプは、電子機器に比して寸法が大きすぎるため、発熱部品の温度上昇を抑制するのにそのまま適用することはできない。そして、従来のケミカルヒートポンプを単に小型化しただけでは、発熱部品の温度上昇を抑制するのに十分な冷却効率を得ることができない。
電子機器に適用するケミカルヒートポンプの冷却効率を高める手段の1つとして、蓄熱材の吸熱・放熱の効率を低下させる原因となる、凝集性成分(例えば、水)以外の気体を、ケミカルヒートポンプの筐体内から排除することが考えられる。この気体の排除は、ケミカルヒートポンプの筐体を減圧下で気密封止することにより達成することができる。この際、蓄熱材が細かい粉状であると、ケミカルヒートポンプの筐体内で舞い上がり気体と一緒に外部に吸い出される虞があるため、蓄熱材を有機樹脂と混合して造粒することにより、舞い上がりを防止する。しかしながら、このように樹脂と混合して造粒すると、蓄熱材粒子の一部が樹脂に覆われて、その箇所では凝集性成分と蓄熱材との反応が妨げられ、吸熱・発熱の機能が失われてしまう。また、上記のように造粒した粒子においては、樹脂の占める体積分率が比較的大きく、ケミカルヒートポンプに含まれる蓄熱材の体積が小さくなり、全体としての蓄熱量が小さくなるという問題が生じる。
本発明は、舞い上がりが抑制され、蓄熱量が大きな蓄熱材料(多孔質体)、およびかかる蓄熱材料を用いた冷却効率に優れた蓄熱デバイスを提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解消すべく鋭意検討した結果、蓄熱材と樹脂とを造粒するのではなく、蓄熱材とガラス材料とを複合体化して多孔質体を得ることにより、上記の問題を解決できることを見出し、本発明に至った。
本発明の第1の要旨によれば、蓄熱材とガラス材料との複合体である多孔質体が提供される。
本発明の第2の要旨によれば、上記多孔質体を収容した反応室と、
蓄熱材の吸熱によって生じる凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室と
を有して成る蓄熱デバイスが提供される。
本発明の第3の要旨によれば、上記蓄熱デバイスを有して成る電子部品が提供される。
本発明の第4の要旨によれば、上記蓄熱デバイスまたは上記電子部品を有して成る電子機器が提供される。
本発明によれば、蓄熱材とガラス材料とを複合体化することにより、舞い上がりが防止され、蓄熱量が大きな多孔質体が提供される。また、かかる多孔質体を用いることにより、冷却効率に優れた蓄熱デバイスが提供される。
本発明において、「冷却」とは、発熱部品等の冷却対象の物質から吸熱する(熱を奪う)ことを意味し、冷却対象の物質の温度を低下させる必要はなく、冷却対象の物質の温度上昇を、本発明の蓄熱デバイスを適用しなかった場合に比べて抑制するものであればよい。よって、本明細書において、「温度上昇の抑制」と同様の意味で、「冷却」との用語を使用することがある。
本発明において、「多孔質体」とは、外部空間と連続する空隙を有する3次元網目状構造を有する固体を意味する。
本発明において用いられる蓄熱材は、発熱体が発する熱を吸熱するものであれば特に限定されず、任意の適切な蓄熱性材料を使用することができる。かかる蓄熱材としては、例えば、化学反応によって吸熱反応を示す化学蓄熱材、および吸着または吸収反応によって吸熱反応を示す吸着・吸収蓄熱材が挙げられる。化学蓄熱材としては、例えば、硫酸カルシウム、塩化カルシウムなどの水和物、およびカルシウム、マグネシウムなどの水酸化物等が挙げられる。また、吸着・吸収蓄熱材としては、例えば、ゼオライト、シリカゲル、メソポーラスシリカ、活性炭等が挙げられる。
好ましい蓄熱材は、ゼオライト、シリカゲル、メソポーラスシリカおよび活性炭から成る群から選択される少なくとも1種の蓄熱材である。より好ましい蓄熱材は、ゼオライトである。
ゼオライトとは、いわゆるゼオライト構造、即ち、SiO四面体およびAlO四面体が頂点酸素を共有し3次元に連なった網目状構造を基本骨格として有する結晶性含水アルミノケイ酸塩を言う。ゼオライトは、通常、下記の一般式で表され得る。
(M,M 1/2(AlSi2(m+n))・xHO (n≧m)
は、Li、Na、K等の1価のカチオンであり、Mは、Ca2+、Mg2+、Ba2+等の2価のカチオンである。
なかでも、本発明に好適に利用され得るゼオライトとしては、A型ゼオライト(LTA)、X型ゼオライト(FAU)、Y型ゼオライト(FAU)、ベータ型ゼオライト(BEA)、AlPO-5(AFI)などである。
シリカゲルは、コロイド状シリカの三次元構造体であり、細孔径が数nm〜数十nm、比表面積は5〜1000m/gと多孔体特性を広範囲に制御できる。また、シリカゲルの一次粒子表面はシラノールに覆われており、シラノールの影響で極性分子(水など)を選択的に吸着する。
メソポーラスシリカは、二酸化ケイ素を材質として均一で規則的な細孔を持つ物質で、細孔径は約2〜10nmのものを言う。
活性炭は、「細孔を有する多孔質の炭素質物質」で、大きな比表面積と吸着能力を持つ物質を言う。その基本骨格は炭素原子が120°の角度で結ばれた二次元格子の平面構造である。この二次元格子が不規則に積層して結晶格子を形成し、この結晶格子がランダムにつながったものが活性炭であり、結晶格子間の空隙が活性炭細孔であり、細孔に水が吸着する。
なお、蓄熱性材料が上記水和物、水酸化物、ゼオライト等である場合、凝縮性成分は水であるが、蓄熱性材料によっては、凝縮性成分は水に限定されず、アンモニア等、気液変態が可能なものであればよい。
本発明に用いられるガラス材料は、特に限定されないが、軟化点が低いガラスが好ましい。
ガラス材料の軟化点は、蓄熱材が化学的な変質を実質的に起こさない温度範囲であることが好ましく、具体的には、500℃以下が好ましく、400℃以下がより好ましく、300℃以下がさらに好ましい。ガラス材料の軟化点をこのような温度範囲とすることにより、蓄熱材およびガラス材料の混合物を複合体化する際に、蓄熱材の性質が変化することを抑制することができる。尚、ガラス材料の軟化点の下限は、本発明の多孔質体(蓄熱デバイス)が設置される環境の温度よりも高ければよく、例えば150℃以上、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上であればよい。なお、ガラス材料の軟化点は、示差熱分析法(DTA)により測定することができる。
ガラス材料の例としては、特に限定されないが、Bi−B−O系ガラス、V−P−O系ガラス、Sn−P−O系ガラス、V−Te−O系ガラス等が挙げられる。
蓄熱材とガラス材料の混合比は、特に限定されないが、重量比で、好ましくは60:40〜98:2の範囲であり、より好ましくは80:20〜95:5の範囲であり、より好ましくは90:10〜95:5の範囲である。即ち、蓄熱材とガラス材料の合計に対するガラス材料の割合が、2〜40重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることがより好ましく、5〜10重量%であることがさらにより好ましい。蓄熱材とガラス材料の合計に対するガラス材料の割合を、40重量%以下とすることにより、多孔質体中の蓄熱材の割合が増えるので、多孔質体の吸熱量を大きくすることができる。また、ガラス材料の割合を2重量%以上とすることにより、蓄熱材の粒子同士の結合をより強固にすることができ、多孔質体の強度をより高めることができる。
本発明の多孔質体中の蓄熱材は、50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上の体積分率を有する。蓄熱材の体積分率を50%以上とすることにより、多孔質体の吸熱量を大きくすることができる。ここに、体積分率とは、焼結体の見かけ体積(即ち、焼結体内部の空隙も含めた体積)の内、ある物質(ここでは、セラミック材料)が占める体積の割合を意味する。
本発明の多孔質体は、50〜90%の相対密度、好ましくは60〜80%の相対密度を有する。多孔質体の相対密度を50%以上とすることにより、多孔質体中に含まれる蓄熱材の量がより増大し、多孔質体全体としての吸熱量がより大きくなる。また、多孔質体の相対密度を90%以下とすることにより、十分な量の細孔を形成することが可能になり、蓄熱材と凝集性成分との接触面積をより大きくすることができるので、蓄熱量がより大きくなる。
ここに、相対密度とは、多孔質体において構成成分(例えば、多孔質体が蓄熱材およびガラス材料からなる場合は、蓄熱材およびガラス材料)が占める空間の割合を意味する。換言すれば、相対密度とは、多孔質体中の空隙部(細孔部)を除く部分の割合を意味する。相対密度は、原料の密度およびその割合、ならびに得られた多孔質体の密度から計算することができる。例えば、蓄熱材Aおよびガラス材料Bから多孔質体Cを得た場合、下記式により相対密度を求めることができる。なお、焼結体Cの見かけ密度は、焼結体の見かけ体積(即ち、焼結体内部の空隙も含めた体積)と、その重量から計算することができる。例えば、焼結体が直方体である場合、焼結体の縦、横、厚みの寸法と重さから計算することができる。

相対密度(%)=D/(P×D+P×D)×100
:蓄熱材Aの密度
:ガラス材料Bの密度
:多孔質体Cの見かけ密度
:蓄熱材Aの重量割合
:ガラス材料Bの重量割合
ただし、P+P=1
本発明の多孔質体は、蓄熱材、ガラス材料および樹脂を混合し、得られた混合物を熱処理することにより得ることができる。
用いられる樹脂は、熱処理により除去できるものであれば特に限定されず、例えば、ビニルアルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、プロピレンカーボネート系樹脂が挙げられる。
樹脂の混合量は、混合物全体(即ち、蓄熱材、ガラス材料および樹脂から成る場合にはそれらの合計)に対し、好ましくは10〜50体積%、より好ましくは20〜40体積%である。
熱処理の温度は、ガラス材料の軟化点以上、蓄熱材が実質的に変質しない温度以下、かつ樹脂の分解温度以上である。例えば、熱処理の温度は、300℃〜600℃の範囲であり得る。
熱処理は、大気中で行うことができるが、これに限定されず、樹脂が分解(または蒸発)し得る雰囲気であればよい。
熱処理の時間は、樹脂を十分に除去できる時間であれば特に限定されず、例えば0.1〜5時間であり得る。
上記のように、蓄熱材、ガラス材料および樹脂の混合物を熱処理することにより、混合物中の樹脂が除去され、樹脂が存在していた部分に細孔が形成される。同時に、ガラス材料が軟化し、軟化したガラスは、蓄熱材の粒子間を接続し、冷却後固化して、蓄熱材の粒子を機械的に連結し、蓄熱材粒子を固定する。このように得られた本発明の多孔質体は、ガラス材料の量を、樹脂との造粒に必要な樹脂の量よりも少なくできるため、蓄熱材の体積分率を大きくすることができ、蓄熱量を大きくすることができる。また、ガラス材料により蓄熱材粒子間が連結されているので、取り扱いに必要な程度以上の強度を有する。
本発明の多孔質体の形状は、特に限定されず、任意の形状とすることができ、例えば、ヒートポンプの筐体の形状に合わせた形状とすることができる。
本発明は、上記多孔質体を含む蓄熱デバイスを提供する。
本発明の蓄熱デバイスは、本発明の多孔質体を収容した反応室を筐体内に備えるものであればよい。
好ましくは、本発明の蓄熱デバイスは、本発明の多孔質体を収容した反応室と、蓄熱材の吸熱によって生じる凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室とを有して成る。さらに好ましくは、凝縮性成分が反応室と凝縮蒸発室との間を移動可能なように反応室と凝縮蒸発室とを連絡する連絡部を有して成る。本発明を限定する趣旨ではないが、かかる構成を有するデバイスは、いわゆるヒートポンプとして理解され得る。
本発明は、本発明の蓄熱デバイスを有する電子部品および電子機器をも提供する。
電子部品としては、特に限定するものではないが、例えば、中央処理装置(CPU)、パワーマネージメントIC(PMIC)、パワーアンプ(PA)、トランシーバーIC、ボルテージレギュレータ(VR)などの集積回路(IC)、発光ダイオード(LED)、白熱電球、半導体レーザーなどの発光素子、電界効果トランジスタ(FET)などの熱源となり得る部品、および、その他の部品、例えば、基板、ヒートシンク、筐体等の電子機器に一般的に用いられる部品が挙げられる。
電子機器としては、特に限定するものではないが、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、ラップトップ型パソコン、携帯型ゲーム機、携帯型音楽プレーヤー、デジタルカメラ等のモバイル型電子機器等が挙げられる。
本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
実施例1
蓄熱材として、ゼオライト粉末(密度:2g/cc D50:10μm)、ガラス材料として、ガラス粉末(組成:Sn−P−O 密度:3g/cc D50:10μm)、樹脂として、ビニルアルコール系樹脂を用い、これらを水と混合してスラリー化し、ドクターブレード法でキャリアフィルム上にシート状に成形した。ゼオライト/ガラス材料/樹脂/水の混合比率は、重量比で、95/5/10/100とした。得られたシートを積層し、プレス圧着して、所定サイズ(50mm×50mm)にカットした。これを400℃で空気中で熱処理し、樹脂を除去して多孔質体を得た。熱処理前のシートの外形寸法と、熱処理後の多孔質体の外形寸法はほぼ同じであった。気孔率は30%であった。
比較例1
蓄熱材として、実施例1と同じゼオライト粉末、実施例1と同じビニルアルコール系樹脂(密度:1g/cc)および水を混合してスラリー化したものを、造粒乾燥して、平均粒径200μmの造粒粉を得た。この造粒サイズは、気密封止の際に舞いが生じにくい大きさである。ゼオライト/樹脂/水の混合比率は、重量比で、100/10/80とした。
・蓄熱デバイスの製造
上記で得られた実施例1の多孔質体を、多孔質体と同じ内寸を有する蓄熱デバイスの筐体の反応室に格納し、蓋をレーザー溶接して気密封止した。一方、比較例1の造粒粉を、上記と同様の寸法を有する反応室に格納した。筺体の反応室の面に接するように板状のヒーターを接触させ、ヒーターの反対面に熱電対を固定した。ヒーターを1Wで加熱して、加熱開始から100℃に達するまでの時間を比較した。
実施例1の多孔質体では1200秒であったのに対し、比較例1の造粒粉では550秒であった。
上記の結果から、実施例1の多孔質体は、比較例1の造粒粉よりも、温度の上昇を緩和することができることが確認された。これは、ゼオライトの体積分率の違いが大きく影響しているものと考えられる。実施例1の多孔質体に関しては、多孔質体における(即ち、反応室体積に対する)ゼオライトの体積分率は67%である。一方、比較例1の造粒粉に関しては、粒子中での体積分率は57%であり、これを球とみなし最密に充填された(充填率76%)と仮定して、反応室体積に対するゼオライトの体積分率は43%である。このように本発明の多孔質体は、ゼオライトの体積分率を大きくすることができるので、蓄熱量が大きくなったと考えられる。さらに、比較例1の造粒粉では、ゼオライト粒子が樹脂で覆われているため、水分子を脱着できない粒子が比較的多く存在し得る。一方、実施例1の多孔質体では、ゼオライト粒子の周囲にはガラスが少量存在し得るが、樹脂を除去してできた空間(細孔)が多く存在するため、水分子を脱着できないゼオライト粒子は比較的少なくなる。以上のような理由から、ヒーターの熱の吸収に差が出ていると考えられる。
本発明は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、ラップトップ型パソコン、携帯型ゲーム機、携帯型音楽プレイヤー、デジタルカメラなどのモバイル型電子機器において、発熱部品の温度上昇を抑制するために好適に利用され得るが、これに限定されるものではない。

Claims (11)

  1. 蓄熱材とガラス材料との複合体である多孔質体を収容した反応室と、
    蓄熱材の吸熱によって生じる凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室と
    を有して成る蓄熱デバイス。
  2. ガラス材料が、軟化点が500℃以下である低融点ガラスであることを特徴とする、請求項1に記載の蓄熱デバイス
  3. ガラス材料が、Bi−B−O系ガラス、V−P−O系ガラス、Sn−P−O系ガラス、V−Te−O系ガラスであることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の蓄熱デバイス
  4. 蓄熱材が、ゼオライト、シリカゲル、メソポーラスシリカおよび活性炭から成る群から選択される少なくとも1種の蓄熱材であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱デバイス
  5. 蓄熱材がゼオライトであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の蓄熱デバイス
  6. 蓄熱材とガラス材料の重量比が、60:40〜98:2であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱デバイス
  7. 蓄熱材とガラス材料の重量比が、80:20〜95:5であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の蓄熱デバイス
  8. 多孔質体の相対密度が50〜90%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の蓄熱デバイス
  9. 蓄熱材の多孔質体における体積分率が60〜80%であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の蓄熱デバイス
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の蓄熱デバイスを有して成る電子部品。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の蓄熱デバイスまたは請求項10に記載の電子部品を有して成る電子機器。
JP2016532484A 2014-07-11 2015-05-25 多孔質体および蓄熱デバイス Active JP6350661B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014143223 2014-07-11
JP2014143223 2014-07-11
PCT/JP2015/064949 WO2016006339A1 (ja) 2014-07-11 2015-05-25 多孔質体および蓄熱デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016006339A1 JPWO2016006339A1 (ja) 2017-04-27
JP6350661B2 true JP6350661B2 (ja) 2018-07-04

Family

ID=55063981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016532484A Active JP6350661B2 (ja) 2014-07-11 2015-05-25 多孔質体および蓄熱デバイス

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6350661B2 (ja)
WO (1) WO2016006339A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6551514B2 (ja) * 2015-03-26 2019-07-31 株式会社村田製作所 シート型ヒートパイプ
KR102094412B1 (ko) * 2018-09-28 2020-03-27 한국에너지기술연구원 허니컴 구조의 열화학 열 저장재 및 그 제조 방법

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2025893B2 (de) * 1970-05-27 1979-12-06 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Glasfaserverstärkte Zeolith-Granulate
JPS605534B2 (ja) * 1980-11-19 1985-02-12 日本化学工業株式会社 無機ガラス質発泡体の製造法
DE3600628A1 (de) * 1986-01-11 1987-07-16 Degussa Zeolithformkoerper
JPH05293371A (ja) * 1992-04-20 1993-11-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 吸着剤組成物およびその製造方法
JPH0640783A (ja) * 1992-07-21 1994-02-15 Ngk Spark Plug Co Ltd 絶縁基板及びその製造方法
JP2004075711A (ja) * 2002-08-09 2004-03-11 Panahome Corp 潜熱蓄熱材およびその製造方法
JP2004351244A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Merutekku:Kk ガラス発泡体に触媒剤を積層してなる触媒体及びその触媒体の製造方法
JP2008169265A (ja) * 2007-01-10 2008-07-24 Kaneka Corp 電気絶縁性高熱伝導性熱可塑性樹脂組成物及び高熱伝導性成形体
JP5356305B2 (ja) * 2010-04-07 2013-12-04 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 絶縁層を有する高熱伝導性基板ならびに該絶縁層形成用材料
JP2012096963A (ja) * 2010-11-02 2012-05-24 Neive:Kk 多孔質ガラス焼結体及びその製造方法
CN104584705A (zh) * 2012-08-03 2015-04-29 株式会社村田制作所 电子设备
WO2014068628A1 (ja) * 2012-10-29 2014-05-08 株式会社 日立製作所 蓄熱システム、発電システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2016006339A1 (ja) 2017-04-27
WO2016006339A1 (ja) 2016-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6369997B2 (ja) 電子機器
US10544994B2 (en) Sheet-shaped heat pipe
JP7213401B2 (ja) 複合材料及びその製造方法
JP6350661B2 (ja) 多孔質体および蓄熱デバイス
US8753552B2 (en) Heat sink and manufacturing method of porous graphite
US20210098678A1 (en) Flexible thermoelectric device
US10420252B2 (en) Electronic apparatus
Zhu et al. Synthesis of Y 3 Al 5 O 12: Eu 2+ Phosphor by a Facile Hydrogen Iodide‐AssistedSol–Gel Method
Li et al. Advanced material design and engineering for water‐based evaporative cooling
CN111978679A (zh) 一种结晶水合盐相变材料及其制备方法
JP6372126B2 (ja) 熱輸送装置
WO2015079770A1 (ja) 蓄熱デバイス
KR102156851B1 (ko) Pcm을 이용한 공조용 열교환기
JP2007239904A (ja) 情報機器
JP2014197649A (ja) 3次元実装型半導体装置、樹脂組成物及びその製造方法
JP2015098582A (ja) 化学蓄熱材及び化学蓄熱材形成用組成物
JP6052216B2 (ja) 熱輸送装置
KR101710077B1 (ko) 금속 나노입자를 포함하는 열전도성 수분흡착제 및 그의 제조방법
CN107994297B (zh) 一种智能散热材料、电池散热防爆装置及其制作方法
JP2017089931A (ja) 冷却装置
WO2016006337A1 (ja) 酸化バナジウムを含有する焼結体
Kumar et al. A mini review on paraffin‐graphene and related hybrid phase change materials for building energy applications
CN216291914U (zh) 电子装置
CN115732811A (zh) 一种复合散热膜、制备方法及其应用
JPS6389463A (ja) 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171024

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180521

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6350661

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150