JP2017089931A - 冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な装置構成で、簡便かつ効率的に繰り返し利用可能な冷却装置を提供する。
【解決手段】蓄熱材を収容した反応室、蓄熱材の吸熱反応によって生じ得る凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室、および凝縮性成分が反応室と凝縮蒸発室との間を移動可能なように反応室と凝縮蒸発室とを連絡する連絡部を備えるデバイスと、連絡部に設けられたバルブと、反応室に熱的に結合された選択吸収膜とを含んで成り、バルブが閉状態から開状態にされたときに、凝縮蒸発室が冷却機能を発揮し、選択吸収膜にて太陽光から得られる熱が反応室に供給された後にバルブが開状態から閉状態にされる、冷却装置。
【選択図】図1
【解決手段】蓄熱材を収容した反応室、蓄熱材の吸熱反応によって生じ得る凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室、および凝縮性成分が反応室と凝縮蒸発室との間を移動可能なように反応室と凝縮蒸発室とを連絡する連絡部を備えるデバイスと、連絡部に設けられたバルブと、反応室に熱的に結合された選択吸収膜とを含んで成り、バルブが閉状態から開状態にされたときに、凝縮蒸発室が冷却機能を発揮し、選択吸収膜にて太陽光から得られる熱が反応室に供給された後にバルブが開状態から閉状態にされる、冷却装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷却装置に関し、より詳細には繰り返し利用可能な冷却装置に関する。
従来、例えば一般的な冷蔵庫や空気調和機(エアコンディショナー)などとして、熱媒体を蒸発、圧縮、凝縮、膨張させるサイクルを繰り返す冷却装置がよく知られている。また、特許文献1には、エンジンによって駆動される圧縮式冷凍機と、エンジンの排気ガスを熱源として動作するケミカルヒートポンプとを備えるハイブリッド冷凍車が記載されている。
熱媒体を蒸発、圧縮、凝縮、膨張させるサイクルを繰り返す従来の一般的な冷却装置は、圧縮機を要するため、装置構成が複雑であり、軽量化/小型化に適さないという難点がある。また、特許文献1に記載のハイブリッド冷凍車は、圧縮機を要するため、従来の一般的な冷却装置と同様の難点があるうえに、エンジン稼働時に排気熱によって蓄熱材(反応材)を加熱して再生しているため、高温の排気熱を生じる装置にしか利用できない。
他方、圧縮機を要しない冷却装置として、特許文献2では、電子機器において発熱部品の温度上昇を抑制するためにケミカルヒートポンプデバイスを用いることが提案されている。特許文献2に記載のケミカルヒートポンプデバイスは、発熱部品が発熱したときに、蓄熱材が反応して発熱部品から熱を奪って蓄熱し、これにより、発熱部品の温度上昇を抑制するものである。かかるケミカルヒートポンプデバイスは電子機器内に組み込まれ、蓄熱材は、発熱部品が発熱したときにのみ受動的に再生され得るが、より汎用性が高い冷却装置を実現するには、蓄熱材の再生を能動的に行って、より効率的に繰り返し利用できるようにすることが望ましい。
本願発明は、簡単な装置構成で、簡便かつ効率的に繰り返し利用可能な冷却装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの要旨によれば、
蓄熱材を収容した反応室、蓄熱材の吸熱反応によって生じ得る凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室、および凝縮性成分が反応室と凝縮蒸発室との間を移動可能なように反応室と凝縮蒸発室とを連絡する連絡部を備えるデバイスと、
連絡部に設けられたバルブと、
反応室に熱的に結合された選択吸収膜と
を含んで成り、バルブが閉状態から開状態にされたときに、凝縮蒸発室が冷却機能を発揮し、選択吸収膜にて太陽光から得られる熱が反応室に供給された後にバルブが開状態から閉状態にされる、冷却装置が提供される。
蓄熱材を収容した反応室、蓄熱材の吸熱反応によって生じ得る凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室、および凝縮性成分が反応室と凝縮蒸発室との間を移動可能なように反応室と凝縮蒸発室とを連絡する連絡部を備えるデバイスと、
連絡部に設けられたバルブと、
反応室に熱的に結合された選択吸収膜と
を含んで成り、バルブが閉状態から開状態にされたときに、凝縮蒸発室が冷却機能を発揮し、選択吸収膜にて太陽光から得られる熱が反応室に供給された後にバルブが開状態から閉状態にされる、冷却装置が提供される。
かかる本発明の冷却装置は、単にバルブを操作して閉状態から開状態にするだけで、凝縮蒸発室が冷却機能を発揮することができ、更に、選択吸収膜により自然エネルギーである太陽光から得られる熱を反応室に供給できるので、別途、熱の供給源を要することなく、蓄熱材を蓄熱させ、再生することができ、これにより、簡便かつ効率的に繰り返し利用(またはリユース)することができる。かかる本発明の冷却装置は、圧縮機を要しないので、装置構成が簡単で、軽量化および/または小型化に適する。
本発明の1つの態様において、冷却装置は、バルブが閉状態から開状態にされたときに、更に、反応室が加熱機能を発揮し得る。かかる態様によれば、冷却と加熱の双方の機能を有する冷却加熱装置が提供される。
本発明の1つの態様において、冷却装置は、バルブの開閉を制御する制御部を更に含んでいてよい。かかる態様において、冷却装置は、その周囲の温度を検知する温度センサを更に含んでいてよく、制御部は、温度センサにより検知された温度に基づいてバルブの開閉を制御するものであってよい。
本発明によれば、簡単な装置構成で、簡便かつ効率的に繰り返し利用可能な冷却装置が提供される。
以下、本発明の1つの実施形態における冷却装置について図面を参照しながら詳述するが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
図1に模式的に示すように、本実施形態における冷却装置20は、任意の対象物を冷却(および場合により加熱)するためのデバイス3と、バルブ5と、選択吸収膜7とを有し、更に必要に応じて制御部11と、温度センサ13とを有していてよい。
デバイス3は、蓄熱材を収容した反応室3a、蓄熱材の吸熱反応によって生じ得る凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室3b、および凝縮性成分が反応室3aと凝縮蒸発室3bとの間を移動可能なように反応室3aと凝縮蒸発室3bとを連絡する連絡部3cを備える。かかる構成を有するデバイス3は、ヒートポンプ(後述する化学蓄熱材を使用した場合はケミカルヒートポンプ)として理解され得る。蓄熱材の示す反応(物理変化も含む)は、ヒートポンプによる熱の移動の駆動源として理解され得、凝縮性成分は、ヒートポンプの作動媒体として理解され得る。デバイス3については、冷却装置の製造方法および使用方法に関連して、より詳細に後述する。
デバイス3は、デバイス3の内外で熱の出入りが可能なように、少なくとも選択吸収膜7と熱的に結合される反応室部分および冷却機能を発揮する凝縮蒸発室部分において、熱伝導性材料から構成され得る。熱伝導性材料には、任意の適切な熱伝導性材料を使用してよく、例えば金属(銅、合金、ステンレス鋼など)、酸化物(アルミナなど)、窒化物(窒化アルミニウムなど)、カーボンなどの熱の良導体を使用できる。
本実施形態に必須ではないが、デバイス3は、反応室3aと凝縮蒸発室3bとの間において可能な限り熱的に隔離されていることが好ましい。例えば、反応室3aと凝縮蒸発室3bが熱伝導性材料から構成される場合、連絡部3cの少なくとも一部が、熱伝導率の比較的低い材料から構成されていてよい。
デバイス3の連絡部3cに、バルブ5が設けられる。バルブ5は、任意の適切なバルブを使用してよい。例えば、バルブ5は、手動で操作されるいずれのバルブであっても、制御部11によりその開閉状態(開度)を制御可能な電磁弁や電動弁などであってもよい。
デバイス3の反応室3aに、選択吸収膜7が熱的に結合するように設けられる。なお、本発明において、反応室3aと選択吸収膜7が「熱的に結合する」とは、選択吸収膜7から反応室3aの内側へ(より詳細には蓄熱材に)熱を供給可能なように構成することを意味する。熱的な結合は、例えば、直接的な接触による熱伝導でもよいし、熱媒または熱伝導性部材を利用した間接的な接触による熱伝導であってもよい。
本実施形態の冷却装置20は、後述する動作モードにおいて、バルブ5が閉状態から開状態にされたときに、凝縮蒸発室3bが冷却機能を発揮し、更に場合により、反応室3aが加熱機能を発揮し得る。反応室3aが加熱機能を発揮する場合、冷却装置20は冷却加熱装置として理解される。そして、後述する再生モードにおいて、選択吸収膜7にて太陽光から得られる熱が反応室3aに供給された後、バルブ5が開状態から閉状態にされる。動作モードを実施した後、再生モードを実施する前の期間において、バルブ5は開状態のままであっても、一旦、閉状態にされていてもよい。
本実施形態において必須ではないが、冷却装置20は、バルブ5の開閉を制御する制御部11を更に含んでいてよい。冷却装置20は、その周囲の温度(例えば凝縮蒸発室の周囲雰囲気または凝縮蒸発室に熱的に結合され得るように接触または近接して位置する冷却対象物の温度)を検知する温度センサ13を更に含んでいてよく、制御部11は、温度センサ13により検知された温度に基づいてバルブの開閉を制御するものであってよい。
次に、本実施形態の冷却装置20の製造方法について例示的に説明するが、これに限定されるものではない。
まず、デバイス3を作製するため、蓄熱材(または蓄熱性材料)を準備する。
デバイス3に用いる蓄熱材は、吸熱反応によって凝縮性成分を可逆的に生じ得るものであればよい。かかる蓄熱材には、上記吸熱反応が化学反応である化学蓄熱材や、上記吸熱反応が吸着または吸収反応である吸着・吸収蓄熱材が含まれる。凝縮性成分は、冷却装置に所望される使用温度範囲において凝縮可能であればよく、蓄熱材に応じて選択され得、好ましくは水である。蓄熱材が、吸熱反応によって凝縮性成分を可逆的に生じ得る温度は、他の条件(例えばデバイス内の圧力)によって異なり得る。
より具体的には、化学蓄熱材としては、無機化合物の水和物および無機水酸化物などが使用され得る。より詳細には、アルカリ土類金属化合物の水和物およびアルカリ土類金属の水酸化物、例えば硫酸カルシウムや塩化カルシウムなどの水和物、カルシウムやマグネシウムの水酸化物などが挙げられる。また、水和物を形成可能な無機化合物(これは無機化合物の水和物の前駆体として理解される)、例えば酸化カルシウムも使用可能である。
また例えば、塩化カルシウムの水和物は、以下の吸熱反応を示す。
式中、nは水和する分子数、具体的には1、2、4、6であり得、Q2は、30〜50kJ/mol程度であることが知られており、これは、可逆反応である。
しかしながら、化学蓄熱材は、上記の例に限定されず、任意の適切な化学蓄熱材を使用してよい(例えば、アンモニアを発生し得るものであってもよい)。化学蓄熱材は、化学反応を利用して、大きい蓄熱容量を得ることができ、幅広い温度範囲で蓄熱が可能である。また、化学蓄熱材は、反応速度が比較的大きく、吸熱または発熱のタイミング制御を比較的行い易く、よって、バルブ5の開閉を所望のタイミングで実施するのに適する。
吸着・吸収蓄熱材としては、例えばゼオライト、シリカゲル、メソポーラスシリカ、活性炭など(以下、「ゼオライト等」とも言う)が挙げられる。かかる吸着・吸収蓄熱材は、化学蓄熱材と比べて、取り扱いが容易であり、構成を簡素化できる(例えば、腐食防止を考慮しなくてよい)という効果を奏し得る。
これらゼオライト等は、いずれも、例えば水を可逆的に吸着および脱着することが可能であり、水の脱着の際に吸熱現象を示す。
式中、Zは、ゼオライト等の組成を代表して表したものであり、その組成に応じてxは種々の値をとり得る。Q4は、具体的な組成にもよるが、例えば、ゼオライトで約30〜80kJ/molであり得る。
ゼオライトとは、いわゆるゼオライト構造、即ち、SiO4四面体およびAlO4四面体が頂点酸素を共有し3次元に連なった網目状構造を基本骨格として有する結晶性含水アルミノケイ酸塩を言う。ゼオライトは、通常、下記の一般式で表され得る。
(M1,M2 1/2)m(AlmSinO2(m+n))・xH2O (n≧m)
M1は、Li+、Na+、K+等の1価のカチオンであり、M2は、Ca2+、Mg2+、Ba2+等の2価のカチオンである。
(M1,M2 1/2)m(AlmSinO2(m+n))・xH2O (n≧m)
M1は、Li+、Na+、K+等の1価のカチオンであり、M2は、Ca2+、Mg2+、Ba2+等の2価のカチオンである。
なかでも、本発明に好適に利用され得るゼオライトとしては、A型ゼオライト(LTA)、X型ゼオライト(FAU)、Y型ゼオライト(FAU)、ベータ型ゼオライト(BEA)、AlPO-5(AFI)などである。
シリカゲルは、コロイド状シリカの三次元構造体であり、細孔径が数nm〜数十nm、比表面積は5〜1000m2/gと多孔体特性を広範囲に制御できる。また、シリカゲルの一次粒子表面はシラノールに覆われており、シラノールの影響で極性分子(水など)を選択的に吸着する。
メソポーラスシリカは、二酸化ケイ素を材質として均一で規則的な細孔を持つ物質で、細孔径は約2〜10nmのものを言う。
活性炭は、「細孔を有する多孔質の炭素質物質」で、大きな比表面積と吸着能力を持つ物質を言う。その基本骨格は炭素原子が120°の角度で結ばれた二次元格子の平面構造である。この二次元格子が不規則に積層して結晶格子を形成し、この結晶格子がランダムにつながったものが活性炭であり、結晶格子間の空隙が活性炭細孔であり、細孔に水が吸着する。
蓄熱材には、上述した化学蓄熱材および吸着・吸収蓄熱材等からなる群から選択される少なくとも1種を使用してよい。
反応室3a、凝縮蒸発室3b、連絡部3cから成るデバイス3のパーツ(例えば筐体と蓋等)を所定の材料(例えば金属等の熱伝導性材料)から作製し、減圧下(例えば1Pa程度)にて、反応室3aに上記で準備した蓄熱材を入れ、適宜、凝縮性成分の拡散を防止するために凝縮蒸発室3bを(例えば液体窒素等で)十分に冷却しながら、凝縮蒸発室3bに凝縮性成分を入れて、連絡部3cにバルブ5を設置しつつ、デバイス3のパーツを密閉する。
反応室3aに対して、任意の適切なタイミングで、選択吸収膜7が熱的に結合するように配置する。選択吸収膜7は、太陽光をよく吸収すると共に放射熱損失を小さくしたものであり、具体的には、可視〜近赤外領域(波長約300nm〜2.5μm)、特に可視領域(波長約300〜800nm)において吸収率が高く、赤外〜遠赤外領域(波長約3.0〜20μm)において放射率が低い膜であればよい。かかる選択吸収膜は、既知の選択吸収膜(例えば特公平1−52470号公報に記載されるようなもの)であってよく、また、市販で入手可能(例えばBlueTech社より商品名「エタプラス(eta plus)」で販売されている)である。特に限定されるものではないが、選択吸収膜は、金属(例えばアルミニウム、銅、ステンレス鋼)などの基材上に、少なくとも太陽光の吸収層をPVDなどの真空メッキ法、電解処理法、化成処理法などの任意の適切な方法で形成した膜であり得る。吸収層は、例えばクロム系材料(酸化クロム、ブラッククロム)やニッケル系材料(酸化ニッケル、ブラックニッケル)などの単層または積層体であってよいが、これらに限定されない。吸収層は、赤外線反射層の上、反射防止層および/または誘電体層(例えば酸化スズ、酸化ケイ素などの層)の下に配置されていてもよい。
次に、上記で得られた密閉したデバイス3のバルブ5を開状態として、反応室3a(より詳細には蓄熱材)に任意の方法で熱を供給し、反応室3a内の蓄熱材に取り込まれて(より詳細には、化学反応および/または吸着・吸収等されて)いる凝縮性成分を、蓄熱材から脱離させて、凝縮蒸発室3bに移動させて凝縮させる。凝縮性成分が蓄熱材から十分に脱離し、反応室3aから凝縮蒸発室3bへ十分に移動したら、バルブ5を閉状態にし、反応室3aへの熱供給を終了する。これにより、凝縮性成分が平衡状態に比較して反応室3aより凝縮蒸発室3bにリッチに存在した非平衡状態にてバルブ5が閉状態とされたデバイス3を得ることができる。
なお、本発明において、「平衡状態」とは、反応室と凝縮蒸発室との間で、凝縮性成分が移動可能であっても(または連絡部のバルブを開状態にしても)、見かけ上、実質的に移動せず、従って、デバイスの内外で熱の出入りが見かけ上、実質的に生じない状態を言い、「非平衡状態」とは、かかる平衡状態にないことを意味する。
必要に応じて、上記で得たバルブ5付きのデバイス3を、図1に示すように制御部11および温度センサ13と接続して組み立てる。制御部11および温度センサ13には、市販のものを使用してよい。
次に、本実施形態の冷却装置20の使用方法について説明する。
冷却装置20のデバイス3は、未使用の状態において、上述のように反応室3aと凝縮蒸発室3bとの間で非平衡状態に維持するようにバルブ5が閉じた状態とされている。
(動作モード)
動作モードにおいて、単にバルブ5を閉状態から開状態にすることにより、冷却装置20が冷却機能および場合により加熱機能を発揮するように動作する。例えばバルブ5を手動で操作してバルブ5が閉状態から開状態にしてもよく、あるいは、温度センサ13で検知される温度(例えば凝縮蒸発室3aの周囲雰囲気または冷却対象物の温度)が所定の上限閾値を上回ったとき、または、予め設定した所定の時間が経過したとき等に制御部11によりバルブ5を操作して閉状態から開状態にしてもよい。
動作モードにおいて、単にバルブ5を閉状態から開状態にすることにより、冷却装置20が冷却機能および場合により加熱機能を発揮するように動作する。例えばバルブ5を手動で操作してバルブ5が閉状態から開状態にしてもよく、あるいは、温度センサ13で検知される温度(例えば凝縮蒸発室3aの周囲雰囲気または冷却対象物の温度)が所定の上限閾値を上回ったとき、または、予め設定した所定の時間が経過したとき等に制御部11によりバルブ5を操作して閉状態から開状態にしてもよい。
バルブ5が閉状態から開状態にされたとき、デバイス3は反応室3aと凝縮蒸発室3bとの間で非平衡状態から平衡状態に向かってシフトする。ここで、非平衡状態は、凝縮性成分が平衡状態に比較して反応室3aより凝縮蒸発室3bにリッチに存在している状態であり、バルブ5が閉状態から開状態にされると、気体状態の凝縮性成分が凝縮蒸発室3bから連絡部3cを通って反応室3aへと移動し、反応室3aの蓄熱材による吸熱反応の逆反応が進行し(より詳細には、吸熱反応の速度が逆反応の速度を下回り)、凝縮性成分が蓄熱材に取り込まれ、このため、凝縮蒸発室3bで凝縮性成分の蒸発が進行する(より詳細には、凝縮性成分の蒸発速度が凝縮速度を上回る)。
凝縮蒸発室3bで凝縮性成分が蒸発する際に、凝縮蒸発室3bの壁部(熱伝導性材料から構成される部分)が露出している周囲雰囲気または該壁部が熱的に結合され得る冷却対象物(図示せず)から熱が奪われて凝縮蒸発室3bへ移動し、これにより、周囲雰囲気または冷却対象物が冷却される。この結果、凝縮蒸発室3bが冷却機能を発揮して、周囲雰囲気または冷却対象物の温度を低下させ得る。
また、反応室3aで蓄熱材による吸熱反応の逆反応が進行する際に、反応室3aの壁部(熱伝導性材料から構成される部分)が露出している周囲雰囲気または該壁部が熱的に結合され得る加熱対象物(図示せず)へ熱が伝導されて加熱されてもよい。この結果、反応室3aが加熱機能を発揮して、周囲雰囲気または加熱対象物の温度を上昇させ得る。しかしながら、反応室3aが加熱機能を発揮することは本発明に必須ではなく、反応室3aの選択吸収膜7と熱的に結合されている部分を除く部分は、断熱性の材料から構成されていてよく、この結果、反応室3aが加熱機能を発揮しなくなっていてもよい。
動作モードを積極的に終了または中断させたい場合、換言すれば、冷却機能および場合により加熱機能を停止または中断させたい場合には、バルブ5を開状態から閉状態に戻してもよい。例えばバルブ5を手動で操作して開状態から閉状態に戻してもよく、あるいは、温度センサ13で検知される温度(例えば凝縮蒸発室3aの周囲雰囲気または冷却対象物の温度)が所定の下限閾値を下回ったとき、または、予め設定した所定の時間が経過したとき等に制御部11によりバルブ5を操作して開状態から閉状態に戻してもよい。
しかしながら、このことは必須ではなく、バルブ5を開状態のまま維持してよい。バルブ5を開状態のまま維持すると、デバイス3は実質的に平衡状態に達して、冷却機能および場合により加熱機能は自然に停止され得る。
(再生モード)
動作モードを実施した後、再び動作モードを実施するに先立って、再生モードにおいて、デバイス3の蓄熱材を再生させる。具体的には、バルブ5を開状態として、選択吸収膜7に太陽光を照射して、選択吸収膜7にて太陽光から得られる熱を反応室3a(より詳細には蓄熱材)に供給し、反応室3a内の蓄熱材に取り込まれている凝縮性成分を、蓄熱材から脱離させて、凝縮蒸発室3bに移動させて凝縮させる。凝縮性成分が蓄熱材から十分に脱離し、反応室3aから凝縮蒸発室3bへ十分に移動したら、バルブ5を閉状態にすると共に、選択吸収膜7への太陽光照射を停止して反応室3aへの熱供給を終了する。これにより、太陽光によって蓄熱材を再び蓄熱させること、すなわち再生することができ、凝縮性成分が平衡状態に比較して反応室3aより凝縮蒸発室3bにリッチに存在した非平衡状態にてバルブ5が閉状態とされたデバイス3を再び得ることができる。
動作モードを実施した後、再び動作モードを実施するに先立って、再生モードにおいて、デバイス3の蓄熱材を再生させる。具体的には、バルブ5を開状態として、選択吸収膜7に太陽光を照射して、選択吸収膜7にて太陽光から得られる熱を反応室3a(より詳細には蓄熱材)に供給し、反応室3a内の蓄熱材に取り込まれている凝縮性成分を、蓄熱材から脱離させて、凝縮蒸発室3bに移動させて凝縮させる。凝縮性成分が蓄熱材から十分に脱離し、反応室3aから凝縮蒸発室3bへ十分に移動したら、バルブ5を閉状態にすると共に、選択吸収膜7への太陽光照射を停止して反応室3aへの熱供給を終了する。これにより、太陽光によって蓄熱材を再び蓄熱させること、すなわち再生することができ、凝縮性成分が平衡状態に比較して反応室3aより凝縮蒸発室3bにリッチに存在した非平衡状態にてバルブ5が閉状態とされたデバイス3を再び得ることができる。
選択吸収膜7への太陽光の照射は、例えば、選択吸収膜7の受光面のカバーを取り外して太陽光に曝すことによって実施してよい。カバーの取り外しおよび取り付けは、手動で行っても、機械的および/または電気的に行ってもよい。
再生モードを実施した後、再び動作モードを実施でき、これにより、本実施形態の冷却装置20は繰り返し利用することができる。
本実施形態の冷却装置によれば、単にバルブを操作して閉状態から開状態にするだけで、凝縮蒸発室が冷却機能を発揮することができ、更に、選択吸収膜により太陽光から得られる熱を反応室に供給できるので、自然エネルギーを利用して蓄熱材を再生することができる。かかる本実施形態の冷却装置は、簡便かつ効率的に繰り返し利用(またはリユース)することができる。本実施形態の冷却装置は、上述したデバイス、バルブ等の部材から構成され、装置構成が簡単で、軽量化および/または小型化に適する。
本発明の冷却装置は、選択吸収膜で太陽光を受けることができる限り、任意の冷却および/または加熱用途に使用され得る。
3 デバイス
3a 反応室
3b 凝縮蒸発室
3c 連絡部
5 バルブ
7 選択吸収膜
11 制御部
13 温度センサ
20 冷却装置
3a 反応室
3b 凝縮蒸発室
3c 連絡部
5 バルブ
7 選択吸収膜
11 制御部
13 温度センサ
20 冷却装置
Claims (5)
- 蓄熱材を収容した反応室、蓄熱材の吸熱反応によって生じ得る凝縮性成分を凝縮または蒸発させるための凝縮蒸発室、および凝縮性成分が反応室と凝縮蒸発室との間を移動可能なように反応室と凝縮蒸発室とを連絡する連絡部を備えるデバイスと、
連絡部に設けられたバルブと、
反応室に熱的に結合された選択吸収膜と
を含んで成り、バルブが閉状態から開状態にされたときに、凝縮蒸発室が冷却機能を発揮し、選択吸収膜にて太陽光から得られる熱が反応室に供給された後にバルブが開状態から閉状態にされる、冷却装置。 - バルブが閉状態から開状態にされたときに、更に、反応室が加熱機能を発揮する、請求項1に記載の冷却装置。
- バルブの開閉を制御する制御部を更に含む、請求項1または2に記載の冷却装置。
- 冷却装置の周囲の温度を検知する温度センサを更に含み、制御部は、温度センサにより検知された温度に基づいてバルブの開閉を制御する、請求項3に記載の冷却装置。
- 凝縮性成分が水である、請求項1〜4のいずれかに記載の冷却装置。
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---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021196129A (ja) * | 2020-06-16 | 2021-12-27 | 株式会社豊田中央研究所 | 吸着式ヒートポンプシステム及び冷熱生成方法 |
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2015
- 2015-11-05 JP JP2015217403A patent/JP2017089931A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021196129A (ja) * | 2020-06-16 | 2021-12-27 | 株式会社豊田中央研究所 | 吸着式ヒートポンプシステム及び冷熱生成方法 |
JP7173098B2 (ja) | 2020-06-16 | 2022-11-16 | 株式会社豊田中央研究所 | 冷熱生成方法 |
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