JP2013506109A - 熱エネルギー貯蔵材料を利用した熱伝達システム - Google Patents

熱エネルギー貯蔵材料を利用した熱伝達システム Download PDF

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Abstract

毛細管ポンプ式ループを介する、貯蔵熱エネルギーと熱受容体との間の向上した熱伝達。デバイス、システム、および方法は、ある温度で固相から液相に転移する熱エネルギー貯蔵材料と、複数の毛細管を有する構造とを用いる。

Description

(優先権の主張)
本出願は、(Soukhojakらによって2009年9月25日に出願された)米国仮特許出願第61/245,767号の出願日の利益を主張するものである。その文献の内容は参照によりその全体が本明細書に援用される。
本発明は、毛細管ポンプ式ループを介する、貯蔵熱エネルギーと熱受容体との間の向上した熱伝達に関する。
産業界では、一般に、より都合の良いときに利用できるように効率的に廃熱を捕捉および貯蔵する新しい手法を積極的に探している。さらに、狭い空間にエネルギーを貯蔵しようとすると、単位重量および単位体積当たりに高いエネルギー容量を貯蔵できる新しい材料の開発が必要になる。躍進的な技術を適用できる領域には、輸送、太陽エネルギー、工業生産プロセス、ならびに公営および/または民営の建築物の暖房が含まれる。
輸送業界に関しては、内燃機関が非効率的に動作することがよく知られている。こうした非効率性の原因には、排気、冷却、放射熱、およびシステムによる機械損失によって失われる熱が含まれる。内燃機関(内燃機関)に供給される燃料エネルギーの30%超がエンジン排気を介して環境中に失われると推定されている。
最適でない温度で燃焼が起き、低温の潤滑油の粘度が高いせいで、内燃機関が摩擦に対して余分な仕事を実行する必要があるので、「低温始動」中に内燃機関は、事実上低い効率で動作するか、より多くの排出物質を生成するか、またはその両方が起きることがよく知られている。この問題はハイブリッド電気自動車ではさらに重要である。ハイブリッド電気自動車では、内燃機関が間欠的に動作し、それにより、低温始動状態が延長され、かつ/または車両が1回動作する間に低温始動状態が複数回起きる。この問題の解決を助けるために、相手先商標製品製造会社(OEM)は効率的な廃熱の貯蔵および放出を可能にする解決策を探している。基本的な考えは、通常の車両の動作中に廃熱を回収および貯蔵し、次いで、この熱を後から制御しながら放出し、それにより、低温始動状態の期間および頻度を低減するかたまたは最小限に抑え、最終的に内燃機関の効率を改善するか、排出を低減するか、またはその両方を行うことである。
実際的な解決策にするためには、熱エネルギー貯蔵システムに関するエネルギー密度および熱出力密度の要件は極めて高い。本出願人は、以前、1)2009年2月20日出願の米国特許出願第12/389,416号「Thermal Energy Storage Materials」、および2)2009年2月20日出願の米国特許出願第12/389,598号「Heat Storage Devices」を出願している。これらの過去の出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
従来技術では排気熱回収デバイスが知られている。しかし、そのデバイスは、低温始動の直後またはその前でも低温始動状態を緩和するのに望ましい蓄熱性能を(6時間超の)長期にわたっては提供していない。したがって、自動車排気熱回収システムにおいて、高エネルギー密度、高出力密度、長期保温時間、およびオンデマンド熱伝達の単純な機構の前例のない組合せを提供できるシステムが必要である。
本発明の一態様のデバイスは、温度約50℃超で固相から液相に転移する熱エネルギー貯蔵材料と、毛細管構造とを含む、蓄熱デバイスである。
本発明の別の態様は、作動流体用の少なくとも1つの入口および1つの出口、ならびに第2の流体用の少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口をそれぞれ有する、1つまたは複数の容器と;少なくとも第1の外面を有する容器に相変化材料を収容する1つまたは複数のカプセルと;容器を通る作動流体の流れのための第1の流路であって、カプセルの第1の外面によって少なくとも部分的に画定される第1の流路と;第1の流路を通して作動流体をポンプ輸送できる複数の毛細管を有する毛細管構造であって、第1の流路を部分的に充填し、カプセルの第1の外面と少なくとも部分的に接触しており、そのため、一方の端部で作動流体と接触すると、作動流体が毛細管中に引き込まれ、第1の流路の第2の部分には毛細管構造がない、毛細管構造と;容器を通る第2の流体の流れのための第2の流路とを備え、第1の流路が作動流体区画内にあり、第2の流路が熱伝達流体区画内にあり、相変化材料が相変化材料区画内にあり;相変化材料が作動流体区画および熱伝達流体区画と熱伝達しており;蓄熱デバイスである、デバイスである。
本発明の別の態様は、熱を貯蔵および伝達するシステムであって、本明細書で説明するような蓄熱デバイスと、少なくとも第1の入口および少なくとも第1の出口ならびに作動流体用の第1の流路を有するコンデンサとを含み、その蓄熱デバイスがコンデンサと流体接続しており、このシステムがコンデンサの第1の流路および蓄熱デバイスの第1の流路を含む毛細管ポンプ式ループを備える、システムである。
本発明のさらに別の態様は、熱エネルギー貯蔵材料および毛細管構造を含むような本明細書で説明する蓄熱デバイスを通して作動流体を循環させるステップを含む、熱を排出する方法である。
本発明は、内燃機関の低温始動状態を緩和するために使用することができ、乗員の快適な暖房および/またはフロントガラスのデフロストのために、必要な場合に、追加の定常状態の冷却材により加熱する。本発明の他の産業上の適用例には、冷却システム、ランキンサイクル熱機関、熱電発生器など、他の発電適用例、または他のものなどが含まれてもよい。
本発明の他の態様では、本発明を、ハイブリッド電気自動車、プラグイン式ハイブリッド電気自動車、航続距離延長型電気自動車、または純電気自動車の電気化学バッテリのウォームアップ;電気のみによる推進ができる車両の快適な暖房;吸着または吸収冷凍サイクルを用いた自動車の空気調和;熱機関、例えばランキンサイクルを用いた定常状態排気熱回収;ならびに産業用および住宅用の蓄熱のために使用することもできる。
以下の詳細な説明において、本発明の実施形態の非限定的な例によって、言及する複数の図面を参照しながら本発明をさらに説明する。同様の参照番号は図面のうちの複数の図を通して同様の部品を指す。
蓄熱デバイスの主な構成要素の一部を示す概略図である。 例示的な蓄熱デバイスの断面図である。この断面は、熱エネルギー貯蔵材料および蒸発器を収容する、3つのチャンバ(排ガス、相変化材料、および作動流体)、2つの流れ(排ガスおよび作動流体)から構成される蓄熱デバイスの内部構造を示す。 例示的な蓄熱デバイスの別の断面図である。 蓄熱デバイスおよびコンデンサを含む熱エネルギー貯蔵システムの主な構成要素の一部を示す概略図である。
以下の詳細な説明では、本発明の特定の実施形態を、その好ましい実施形態に関連して説明する。しかし、以下の説明が本技法の特定の実施形態または特定の使用に特有である限り、以下の説明は単に例示的であることが意図され、単に例示的な実施形態を簡潔に説明しているに過ぎない。したがって、本発明は、以下で説明する特定の実施形態に限定されるものではないが、むしろ、本発明は、添付の特許請求の真の範囲内に包含される全ての代替形態、改変形態、および等価物を含む。
本明細書の教示から分かるように、本発明は、熱を急速に貯蔵できるか、急速に除去できるか、またはその両方を可能にするように、熱の貯蔵および排出の用途および特に高出力密度を必要とする用途の場合に、熱エネルギー貯蔵材料(通常「相変化材料」と呼ばれるものも含む)のパッケージ化および収容に対して、予想以上に効率的で特有な手法を提供する。本明細書の熱エネルギー貯蔵システムは、非常に高い出力密度の性能を有し、蓄熱デバイス1リットル当たり少なくとも約10kWの割合でシステム内の蓄熱デバイスから(相変化材料に続く)熱を除去するために使用することができる。本明細書の教示は、腐食、周期的な熱負荷による熱に誘発される歪み、またはその両方による故障の影響を受けにくい、比較的頑強な構造における熱エネルギー貯蔵材料のパッケージ化および収容を企図し、こうした構造およびそれを組み込んだシステムが占有する全体積に関して比較的高い貯蔵および排出性能も生み出す。本明細書の教示はまた、作動流体用の蓄熱デバイスの流路も企図し、その流路は、複数の毛細管を有する毛細管構造を部分的に含む。毛細管構造を用いて、作動流体を少なくとも部分的にポンプ輸送することができる。本明細書の毛細管構造の利点の1つは、予想外に大きくて速い熱の貯蔵および排出性能を有する比較的コンパクトな組立体が可能なことである。そのシステムは、毛細管のポンプ機能以外にポンプを使用せずに、作動流体をポンプ輸送可能とすることができる。理解されるように、本明細書の教示により、複数のカプセル式構造に熱エネルギー貯蔵材料の別々の量をパッケージ化する様式が企図される。これらの教示により、蓄熱デバイス内で使用するこうしたカプセル式の構造の組立体が企図されている。このような構造、デバイス、および/またはシステムの結果として可能になるかまたはより効率的になったいくつかの適用例も、教示の一部として企図される。
(蓄熱デバイス)
上記で論述したように、熱エネルギー貯蔵システムは蓄熱デバイス(すなわち、熱エネルギー貯蔵デバイス)を含み、その蓄熱デバイスは熱エネルギーを貯蔵することができる。したがって、蓄熱デバイスは、熱(廃熱または他のものなど)を受容し、熱を貯蔵し、後から熱を排出することができ、そのため、その熱を1つまたは複数の物体を加熱するために使用することができる。好ましくは、蓄熱デバイスは、急速に熱を排出することができる。熱の排出中には、蓄熱デバイスは、作動流体を液相から気相に少なくとも部分的に変換する蒸発器として機能することができる。したがって、蓄熱デバイスは、作動流体を収容する作動流体区画(区画は1つまたは複数の流路を含むことができる)と、作動流体区画に(例えば、作動流体区画の一方の面または一方の端部に)接続された、(例えば、液体状態の)作動流体を受容するための1つまたは複数の作動流体入口と、(例えば、ガス態の)作動流体を追い出すための1つまたは複数の作動流体出口とを含み、そのため、作動流体は、1つまたは複数の作動流体入口から流入し、作動流体区画の1つまたは複数の流路を通って1つまたは複数の作動流体出口から流出する。好ましくは、流路の少なくとも一部分(例えば、各流路の一部分)は、作動流体を吸い上げ可能な(複数の毛細管を有する構造などの)毛細管構造を含む。蓄熱デバイスの作動流体区画を、毛細管ポンプ式ループの一部分とすることができ、毛細管構造は、そのループを通して作動流体を少なくとも部分的にポンプ輸送するために使用することができる。
本発明の様々な態様では、蓄熱デバイスは、比較的軽量、比較的小型、またはその両方であってよい。したがって、蓄熱容量密度(すなわち、蓄熱デバイスに貯蔵できる最大熱量を蓄熱デバイスの体積によって割ったもの)を比較的高くすることができ、蓄熱容量と質量の比(すなわち、蓄熱デバイスに貯蔵できる熱量と蓄熱デバイスの質量の比)を、比較的高くすることができる。これらの効率を実現するためには、蓄熱デバイスは、軽量の材料(熱エネルギー貯蔵材料、封入材、容器の材料、毛細管構造の材料など)を用いることができる。
蓄熱デバイスの大部分は、好ましくは、熱を効率的に貯蔵できる1つまたは複数の熱エネルギー貯蔵材料(好ましくは1つまたは複数の相変化材料)を含む。蓄熱デバイスが、作動流体がデバイスから流動し熱を急速に伝達するのに十分に大きい作動流体区画と、熱エネルギー貯蔵材料と熱接触すると共に熱伝達流体がデバイスを通って流動しデバイスに熱を効率的に伝達するのに十分に大きい熱伝達流体区画とを有する場合は、蓄熱デバイス内の熱エネルギー貯蔵材料の濃度を最大にすることができる。1つまたは複数の熱エネルギー貯蔵材料の体積は、蓄熱デバイスの容器の全体積を基準に約10体積%超、好ましくは約20体積%超、より好ましくは約30体積%超、さらに好ましくは約40体積%超、最も好ましくは約50体積%超でよい。
蓄熱デバイスは、熱エネルギー貯蔵材料と1つまたは複数の流体とが互いに分離するように十分な数の区画を有することができる。蓄熱デバイスは、区画を2つ以上(好ましくは3つ以上)有することができる。その区画を用いて、i)熱エネルギー貯蔵材料、ii)熱エネルギー貯蔵材料をチャージする(例えば、加熱する)(例えば、相変化材料をチャージする)ための(熱伝達流体などの)第1の流体、およびiii)熱エネルギー貯蔵材料(例えば、相変化材料)を排出する(例えば、冷却する)ための(作動流体などの)第2の流体のうちの1つまたは全てを分離する(例えば、事実上または全面的に隔離する)ことができる。したがって、蓄熱デバイスは、熱エネルギー貯蔵材料用の熱エネルギー貯蔵材料区画(例えば、相変化材料用の相変化材料区画)と、第1の流体用の区画(例えば、熱伝達流体区画)と、第2の流体用の区画(例えば、作動流体区画)とを含むことができる。熱エネルギー貯蔵材料区画は、熱伝達流体区画、作動流体区画、または好ましくはその両方と熱伝達することができる。熱エネルギー貯蔵材料区画が、熱伝達流体区画、作動流体区画、またはその両方と1つまたは複数の壁を共有できることが理解されよう。例えば、熱エネルギー貯蔵材料をカプセル内に貯蔵することができ、そのカプセルは、熱伝達流体区画を少なくとも部分的に画定する第1の面と、作動流体区画を少なくとも部分的に画定する第2の面とを有する。そのデバイスは、第1の流体用の1つまたは複数の入口および1つまたは複数の出口を有することができ、それらは両方とも第1の流体用の区画に取り付けられており、そのため、第1の流体(例えば、熱伝達流体)が、入口を通って流動しデバイス中に浸入し、第1の流体用の区画に流入して、熱エネルギーを熱エネルギー貯蔵材料に(例えば、相変化材料に)に与え、出口を通ってデバイスを出ることができる。同様に、そのデバイスは、第2の流体用の1つまたは複数の入口および1つまたは複数の出口を有し、第2の流体用の区画に取り付けられてよく、そのため、第2の流体(例えば、作動流体)は、入口を通って流動し、デバイスに浸入し、第2の流体用の区画に流入して熱エネルギー貯蔵材料から(例えば、相変化材料から)熱エネルギーを除去し、出口を通ってデバイスから出ることができる。
(毛細管構造)
上記に説明したように、蓄熱デバイスは、毛細管を複数収容する毛細管構造を含む。好ましくは、作動流体区画は毛細管構造を含む。通常、毛細管内への流体の吸い上げは、毛細管の半径が小さくなるにつれて増大する。毛細管構造は、毛細管構造が作動流体をポンプ輸送できるように、半径が十分に小さい十分な数の毛細管を有するどんな構造でもよい。蓄熱デバイス(例えば、熱エネルギー貯蔵材料)の温度が、作動流体の圧力が約1気圧超のときの温度であるとき、コンデンサの温度が、作動流体の圧力が約1気圧未満のときの温度であるとき、または好ましくはその両方であるときに、毛細管構造は作動流体をポンプ輸送することができる。作動流体をポンプ輸送するために毛細管構造を用いることができる。好ましくは、毛細管構造は、作動流体をポンプ輸送する唯一の手段として用いられる。したがって、毛細管ポンプ以外にポンプがない作動流体ループを有するシステムに蓄熱デバイスを使用できることが企図される。
毛細管構造は、物体間の隙間が多孔質構造を形成するように複数の物体を一緒にまとめることによって、多孔質構造を有する1つまたは複数の物体から構成することができる。蓄熱デバイスの(例えば、蓄熱デバイスの蒸発器の)毛細管構造(例えば、ウィック構造)は、1つもしくは複数の繊維もしくはフィラメント、1つもしくは複数の溝、または孔のサイズが概して小さい1つもしくは複数の他の多孔質の構造を収容することができ、そのため、毛細管構造は、引力、蒸発器とコンデンサとの間の気体圧力差、またはその両方を克服するのに十分に大きい毛細管圧力を作動流体に生み出すことができる。毛細管構造は、当技術分野で知られた任意の毛細管構造(例えば、電子デバイスを冷却するための、ヒートパイプおよび毛細管ポンプ式ループで使用されるものなど)でよい。例えば、巻き付けたスクリーン、焼結金属、または軸方向の溝など、単純で均質の毛細管構造を用いることができる。使用できる他の毛細管構造には、スラブ、ペデスタル形通路、螺旋通路、トンネル状通路、様々な溝幅の軸方向の溝、2重壁の通路、単一の溝、チャネルウィックなどが含まれる。上記の構造はどれも、2つのブリスタパックの平坦な面の間に形成できるような概して層状の構造に構成することができる。
毛細管構造の孔サイズは、引力を克服するか、蒸発器とコンデンサとの間の気体圧力差を克服するか、またはその両方のために十分に小さい。毛細管構造の孔サイズは、液体の作動流体が毛細管に浸入できるように十分に高い。毛細管の圧力は、通常、孔の半径に反比例する。毛細管構造の平均孔半径は、約2mm未満、好ましくは約1mm未満、より好ましくは約400μm未満、さらに好ましくは約100μm未満、さらに好ましくは約30μm未満、さらに好ましくは約20μm、最も好ましくは約10μm未満でよい。
作動流体区画内に位置する毛細管構造は、引力、蒸発器とコンデンサとの間の気体圧力差、またはその両方を克服するために、作動流体区画の十分な体積を占めるものである。毛細管構造は、蓄熱デバイスの作動流体区画の1体積%超、好ましくは約5体積%超、より好ましくは約10体積%超、最も好ましくは約25体積%超を占めることができる。毛細管構造は、蓄熱デバイスの作動流体区画の約95体積%未満、好ましくは約90体積%未満、より好ましくは約85体積%未満、最も好ましくは約75体積%未満を占めることができる。蓄熱デバイスの作動流体区画の残りの体積には、好ましくは、毛細管構造がない。
(熱エネルギー貯蔵材料区画)
上記に説明したように、熱エネルギー貯蔵材料は、好ましくは、蓄熱デバイスの1つまたは複数の区画に隔離されている。典型的には、熱エネルギー貯蔵材料は、(例えば、熱エネルギー貯蔵材料が内部に供給されている区画の材料と比較すると)熱拡散率が比較的低い。好ましくは、1つまたは複数の区画の形状および/またはサイズは、熱エネルギーを熱エネルギー貯蔵材料の内外に急速に伝達できるように選択される。したがって、蓄熱デバイスは、熱伝達を向上させる1つまたは複数の手段を用いることができる。例えば、1つまたは複数の熱エネルギー貯蔵材料は、(例えば、他の1つまたは複数の寸法と比較して)比較的小さい少なくとも1つの寸法を有することができ、熱エネルギー貯蔵材料は、複数の区画内に貯蔵することができ、1つまたは複数の区画の内部は、熱伝導体(例えば、フィン、ワイヤ、メッシュなど)またはそれらの任意の組合せを有することができる。例えば、熱エネルギー貯蔵材料を、少なくとも約5、10、15、または20個の区画内に貯蔵することができる。
熱エネルギー貯蔵材料は、好ましくは、個別に隔離した複数の(カプセルなどの)セル内にあり、それらのセルは、複数のセルの全表面積が比較的大きいか、セル表面からセル中心までの距離が比較的短いか、またはその両方である。複数のセル(例えば、カプセル)を、1つまたは複数のセル層に配置することができる。例えば、蓄熱デバイスは、複数の層のセル(例えば、カプセル)を含むことができる。各セル層は、単一のセルまたは複数のセルを収容することができる。1層のセル(例えば、1層のカプセル)は比較的厚さが薄いか、表面積と体積の比が比較的大きいか、またはその両方であり、そのため、セルの内部から熱を急速に除去できることが理解されよう。セルは、層内で任意の配置にすることができる。例えば、セルは、同じサイズおよび形状のものでもよく、様々なサイズおよび形状を有してもよく、繰り返しパターン(例えば、1、2、またはそれより多いセルを収容するパターン)に配置されてもよく、概して繰り返さないパターンに配置されてもよい。本発明の好ましい態様では、セルは、各カプセル層においてある配列(例えば、1次元の配列、2次元の配列、または放射状の配列)のカプセルとして配置される。
蓄熱デバイスは、複数のカプセル層を含むことができ、1つまたは複数の対の隣接するカプセル層の間に空間がある。空間を作動流体区画の一部分として、または熱伝達流体区画の一部分として使用することができる。カプセル層は、片面に空間を有するか、対向する2つの面に空間を有するか、空間を有しないか、またはそれらの任意の組合せでよい。例えば、カプセルの全ての対の隣接する層の間に空間があってよい。好ましくは、カプセルの全ての対の隣接する層の間に空間があり、その空間は、交互に作動流体区画および熱伝達流体区画になっている。
カプセル層は、弓形の面と、概して平坦な対向する面とを有することができる。概して弓形の面は、熱伝達流体のために特に魅力的なことがあり、弓形の通路は、熱伝達流体からカプセルへの熱の流れを増大させることができる。概して平坦な面は、毛細管構造を配置するのに特に魅力的なことがある(毛細管構造の厚さは、作動流体区画の一部分の両側にある2つのカプセル層の間の離隔距離を決めることができる)。両方とも概して平坦な面を有する層、または両方とも弓形の対向する面を有する層を用いることもできる。蓄熱デバイスには、部分的にまたは事実上全面的に互いに入れ子になる隣接する2つのカプセル層を用いることもできる。
カプセルのサイズおよび形状を、カプセル内に収容された相変化材料との間の熱伝達を最大にするように選択することができる。カプセルの平均厚さ(例えば、カプセル層)を比較的薄くすることができ、そのため、カプセルの中心から急速に熱を逃がすことができる。カプセルの平均厚さは、約100mm未満、好ましくは約30mm未満、より好ましくは約10mm未満、さらに好ましくは約5mm未満、最も好ましくは約3mm未満でよい。カプセルの平均厚さは、約0.1mm超、好ましくは約0.5mm超、より好ましくは約0.8mm超、最も好ましくは1.0mm超でよい。
カプセルは、好ましくは、表面積と体積の比が比較的大きく、そのため、作動流体との接触面積、熱伝達流体との接触面積、またはその両方が比較的大きくなる。例えば、カプセルは、作動流体区画との接触を最大にする面を有することができるか、カプセルと作動流体区画との間の熱伝達を最大にする形状を有することができるか、またはその両方が可能である。作動流体区画と相変化材料区画との間のインターフェースの全表面積と、蓄熱デバイス内の熱エネルギー貯蔵材料の全体積の比は、約0.02mm−1超、好ましくは約0.05mm−1超、より好ましくは約0.1mm−1超、さらに好ましくは約0.2mm−1超、最も好ましくは約0.3mm−1超でよい。
熱エネルギー貯蔵材料区画は、ブリスタパックまたはブリスタパック積層体の形態でよい。例えば、複数の独立したカプセルを形成するように互いにシールされた、エンボス加工された金属層と平坦な金属層との間に熱エネルギー貯蔵材料を封入することができる。限定されるものではないが、蓄熱デバイスは、2009年2月20日出願の米国特許出願第12/389,598号「Heat Storage Devices」に記載されている、カプセルまたはカプセルの構成(例えば、ブリスタパックまたはブリスタパック積層体)を用いることができる。
(作動流体区画および熱伝達流体区画)
上記で論述したように、蓄熱デバイスは、好ましくは、熱エネルギー貯蔵材料区画と熱伝達した、作動流体区画と、熱伝達流体区画とを含む。
熱伝達流体区画の厚さは、流路中を通る熱伝達流体の所望の流れを促進し、相変化材料への熱の伝達を最大にするように選択される。熱伝達流体区画層の平均厚さは、約20mm未満、好ましくは約10mm未満、より好ましくは約5mm未満、さらに好ましくは約3mm未満、最も好ましくは約2mm未満でよい。熱伝達流体から熱エネルギー貯蔵材料に熱が貯蔵される場合の速度が重要でないときはより厚いものを使用することができる。熱伝達流体区画の層の平均厚さは、熱エネルギー貯蔵材料デバイス内の熱伝達流体の圧力降下が低くなるように十分に厚くなければならない。好ましくは、蓄熱デバイスの熱伝達流体入口と熱伝達流体出口との間の圧力降下は、約95%未満、より好ましくは約50%未満である。熱伝達流体区画層の平均厚さは、約0.1mm超、好ましくは約0.2mm超、より好ましくは約0.4mm超、最も好ましくは約0.6mm超でよい。
作動流体区画の厚さは、流路を通る作動流体の所望の流れを促進し、相変化材料からの熱の伝達を最大にするように選択される。作動流体区画の層の平均厚さは、約20mm未満、好ましくは約10mm未満、より好ましくは約5mm未満、さらに好ましくは約3mm未満、最も好ましくは約2mm未満でよい。作動流体区画の層の平均厚さは、約0.1mm超、好ましくは約0.2mm超、より好ましくは約0.4mm超、最も好ましくは約0.6mm超でよい。
隣接するカプセル層の間の空間を、作動流体、熱伝達流体、またはその両方のために使用することができる。例えば、熱伝達流体区画の少なくとも一部分(例えば、1つの層)を、隣接する2つのカプセル層の間に挟むことができる。作動流体区画の少なくとも一部分(例えば、1つの層)を、隣接する2つのカプセル層の間に挟むことができ、作動流体区画の平均厚さは、2つのカプセル層の離隔距離(例えば、平均距離)によって画定することができる。カプセル層は、カプセル層の一方の面に作動流体区画層と、対向する面に熱伝達流体区画とを有することができる。
作動流体は、液体として蓄熱デバイスに流入し、熱エネルギー貯蔵材料(例えば、相変化材料)に貯蔵された熱エネルギーによって加熱され、蒸発し、蒸気として蓄熱から出るように選択することができる。したがって、作動流体出口の高さが作動流体入口の高さよりも高いことが好ましい。
既に説明したように、作動流体区画の一部は、典型的には、液体を区画中に吸い上げるための毛細管構造を有する領域と、作動流体(例えば、気体状作動流体)用の毛細管構造がない領域とを含む。例えば、作動流体区画の単一の層内には、毛細管構造を収容する1つまたは複数の領域(柱状の領域など)と、毛細管構造がない1つまたは複数の領域(柱状の領域など)があってよい。
熱エネルギー貯蔵材料区画の表面(例えば、熱エネルギー貯蔵材料を収容するカプセル層の外面)は、概して、熱伝達流体区画の少なくとも一部分を画定することができる。同様に、熱エネルギー貯蔵材料区画の第2の面(例えば、熱エネルギー貯蔵材料を収容するカプセル層の第2の外面)は、概して、作動流体区画の少なくとも一部分を画定することができる。1つまたは複数の追加の材料(例えば、1つまたは複数の追加の層)は、カプセル層が作動流体区画、熱伝達区画、または好ましくはその両方と熱伝達する場合は、カプセル層を作動流体区画から、熱伝達流体区画から、またはその両方から分離することができることが理解されよう。
(熱エネルギー貯蔵材料)
限定されるものではないが、蓄熱デバイスに関する適切な熱エネルギー貯蔵材料は、顕熱、潜熱、または好ましくはその両方として比較的高い熱エネルギー密度をとることができる材料を含む。熱エネルギー貯蔵材料は、好ましくは、蓄熱デバイスの動作温度範囲と適合している。例えば、熱エネルギー貯蔵材料は、好ましくは、蓄熱デバイスの動作温度が低いときは固体であるか、蓄熱デバイスの動作温度が最大のときは少なくとも部分的に液体(例えば、全面的に液体)であるか、蓄熱デバイスの動作温度が最大のときは(例えば、少なくとも約1,000時間、好ましくは少なくとも約10,000時間にわたって)あまり劣化もしくは分解しないか、またはこれらの任意の組合せとなる。熱エネルギー貯蔵材料は、液相温度、例えば、融解温度約30℃超、好ましくは約50℃超、より好ましくは約80℃超、さらに好ましくは約110℃超、最も好ましくは約140℃超を有することができる。熱エネルギー貯蔵材料は、液相温度が約400℃未満、好ましくは約350℃未満、より好ましくは約290℃未満、さらに好ましくは約250℃未満、最も好ましくは約200℃未満でよい。熱エネルギー貯蔵材料の融解熱密度は、約0.1MJ/リットル超、好ましくは約0.2MJ/l超、より好ましくは約0.4MJ/リットル超、最も好ましくは約0.6MJ/リットル超でよい。熱エネルギー貯蔵材料の密度は約5g/cm未満、好ましくは約4g/cm未満、より好ましくは約3.5g/cm未満、最も好ましくは約3g/cm未満でよい。
熱伝達デバイスに用いることができる適切な熱エネルギー貯蔵材料の他の例には、2009年2月20日出願の米国特許出願第12/389,416号「Thermal Energy Storage Materials」、および2009年2月20日出願の米国特許出願第12/389,598号「Heat Storage Devices」に記載されている熱エネルギー貯蔵材料が含まれる。
熱エネルギー貯蔵材料は、少なくとも1つの第1の金属含有材料、より好ましくは、少なくとも1つの第1の金属含有材料と少なくとも1つの第2の金属含有材料の組合せを含むことができる(あるいは、さらに、それらから本質的に構成されるかまたはそれらから構成される)。第1の金属含有材料、第2の金属含有材料、またはその両方が、事実上純金属、事実上純金属および1つまたは複数の追加の合金化材料(例えば、1つまたは複数の他の金属)を含有するような合金、金属間化合物、金属化合物(例えば、塩、酸化物、もしくはその他のもの)、またはそれらの任意の組合せでよい。好ましい一手法は、金属化合物の一部として1つまたは複数の金属含有材料を用いることであり、より好ましい手法は、少なくとも2つの金属化合物の混合物を用いることである。一例として、適切な金属化合物を、酸化物、水酸化物、窒素および酸素を含む化合物(例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、またはその両方)、ハロゲン化合物、またはそれらの任意の組合せから選択することができる。特に好ましい金属化合物の1つには、少なくとも1つの硝酸塩化合物、少なくとも1つの亜硝酸塩化合物、またはそれらの組合せが含まれる。3成分、4成分、または他の複数成分の材料システムを利用することもできる。熱エネルギー貯蔵材料は、本明細書では、共晶する2つ以上材料の混合物でよい。特に好ましい熱エネルギー貯蔵材料は、リチウム塩などのリチウム含有化合物を含む。熱エネルギー貯蔵材料は、リチウムを含有する少なくとも1つの化合物を含む2つ以上の化合物(例えば、2つ以上の塩)の混合物でよい。
蓄熱デバイスの出力が比較的高いか、蓄熱デバイスの全体積が比較的小さいか、またはその両方になるように、蓄熱デバイスの体積の大部分を熱エネルギー貯蔵材料によって占有することができる。例えば、蓄熱デバイスの作動流体区画の体積と熱エネルギー貯蔵材料(例えば、相変化材料)の体積の比は、約20:1未満(好ましくは約10:1未満、より好ましくは約5:1未満、さらに好ましくは約2:1未満、最も好ましくは約1:1未満)でよいか、蓄熱デバイスの熱伝達流体区画の体積と熱エネルギー貯蔵材料(例えば、相変化材料)の体積の比は、約20:1未満(好ましくは約10:1未満)、より好ましくは約5:1未満、さらに好ましくは約2:1未満、最も好ましくは約1:1未満)でよいか、またはその両方でよい。
蓄熱デバイスは、加熱される物体(内燃機関または車両の運転席など)を所望の温度まで加熱できるように、十分な量の熱エネルギー貯蔵材料を収容することができる。例えば、蓄熱デバイスは、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも約20℃、より好ましくは少なくとも約30℃、最も好ましくは少なくとも約40℃だけ内燃機関の温度を上昇させるように、十分な量の熱エネルギー貯蔵材料を収容することができる。
(カプセルの形成)
熱エネルギー貯蔵材料のカプセルは、熱エネルギー貯蔵材料を封入する任意の方法を用いて形成することができる。限定されるものではないが、そのプロセスは、以下のうちの1つまたはそれらの任意の組合せを用いることができる。シートにパターンを画定するように薄い材料シート(例えば、フォイル)をエンボス加工するかまたは別法で変形するステップ、エンボス加工したシートの窪みを熱エネルギー貯蔵材料で充填するステップ、エンボス加工したシートを第2のシート(例えば、概して平坦なシート)でカバーするステップ、または2つのシートを貼付するステップ。カプセルを形成するプロセスには、2009年2月20日出願の米国特許出願第12/389,598号「Heat Storage Devices」に記載されたプロセスを用いることができる。
熱エネルギー貯蔵材料を封入するための適切なシートには、好ましくはシートが漏出なしに熱エネルギー貯蔵材料を収容できるように、耐久性があるか、腐食抵抗性があるか、またはその両方である、薄い金属シート(例えば、金属フォイル)が含まれる。金属シートは、1年超の、好ましくは5年超の繰り返し熱サイクル車両環境で機能することが可能であってよい。限定されるものではないが、利用できる例示的な金属シートは、少なくとも1つの層の真鍮、銅、アルミニウム、鉄ニッケル系合金、青銅、チタン、ステンレス鋼などの金属シートを含む。そのシートは、概して貴金属でもよく、酸化物層(例えば、自然酸化物層または表面に形成できる酸化物層)を有する金属を含むものでもよい。そうでない場合は、金属シートは、動作中に熱エネルギー貯蔵材料に接触する事実上不活性の外面を有することができる。例示的な一金属シートはアルミニウムフォイルであり、そのアルミニウムフォイルは、アルミニウム層またはアルミニウム含有合金(例えば、アルミニウム50重量%超、好ましくはアルミニウム90重量%超を含有するアルミニウム合金)の層を含む。別の例示的な金属シートはステンレス鋼である。適切なステンレス鋼には、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライトステンレス鋼、またはマルテンサイト系ステンレス鋼が含まれる。限定されるものではないが、ステンレス鋼は、濃度約10重量%超、好ましくは約13重量%超、より好ましくは約15重量%超、最も好ましくは約17重量%超のクロムを含むことができる。ステンレス鋼は、濃度約0.30重量%未満、好ましくは約0.15重量%未満、より好ましくは約0.12重量%未満、最も好ましくは約0.10重量%未満の炭素を含むことができる。例えば、ステンレス鋼304(SAE呼称)は、クロム19重量%および炭素約0.08重量%を含有する。適切なステンレス鋼は、316(SAE呼称)など、モリブデンを含有するステンレス鋼も含む。
シートを形成するとき、カプセルを熱エネルギー貯蔵材料で充填するとき、カプセルを使用する間、またはそれらの任意の組合せのときに、穴またはひび割れが形成されないように、金属シートの厚さは十分に厚い。輸送などの用途のために、金属シートは、好ましくは、比較的薄く、そのため、蓄熱デバイスの重さが金属シートによって大幅に増加されることがない。金属シートの適切な厚さは、約10μm超、好ましくは約20μm超、より好ましくは約50μm超でよい。金属フォイルの厚さは、約3mm未満、好ましくは1mm未満、より好ましくは0.5mm未満(例えば、約0.25mm未満)でよい。
(熱エネルギー貯蔵システム)
熱エネルギー貯蔵システムでは、蓄熱デバイスを利用することができる。熱エネルギー貯蔵材料システムを、3つの段階、つまりチャージ段階、貯蔵段階、および排出段階を含む動作サイクルに使用することができる。
熱エネルギー貯蔵システムは、好ましくは、蓄熱デバイス内の相変化材料を加熱する手段を含み、その結果、蓄熱デバイスが、作動流体の全ての成分を合わせた蒸気圧が1気圧を超えるのに十分な温度であり、作動流体が流動できるように作動流体バルブが開いているときに、作動流体は、a)毛細管構造によってポンプ輸送され、b)少なくとも部分的に蒸発し、c)コンデンサに少なくとも部分的に輸送され、コンデンサ内で少なくとも部分的に凝縮して、蓄熱デバイスから熱が除去される。
本発明の熱エネルギーシステムは、本明細書で説明したような蓄熱デバイスと、コンデンサ(例えば、作動流体用の入口および作動流体用の出口を有するコンデンサ)と、コンデンサの作動流体入口を蓄熱デバイスの作動流体出口に接続する蒸気ライン(例えば、蒸気管)と、コンデンサの作動流体出口を蓄熱デバイスの作動流体入口に接続する作動流体液体ライン(例えば、液体管)とを含むことができる。本明細書に上記で説明したように、作動流体区画は、好ましくは、毛細管構造を含む。したがって、熱エネルギー貯蔵システムは毛細管ポンプ式ループを収容し、その毛細管ポンプ式ループは、蓄熱デバイス内の作動流体区画と、コンデンサ内の作動流体区画と、作動流体蒸気ラインと、作動流体液体ラインとを含むことができる。コンデンサは、作動流体から熱を除去し、そのため、作動流体を部分的にまたは好ましくは全面的に凝縮することができる。蒸気ラインは、蓄熱デバイスからコンデンサに流動するときに漏出することなく作動流体(例えば、気相の作動流体)を収容することができる。作動流体液体ラインは、コンデンサから蓄熱デバイスに流動するときに漏出することなく作動流体(例えば、液相の作動流体)を収容することができる。
熱エネルギー貯蔵システムは、流体が毛細管ポンプによってポンプ輸送されているときに液体ラインが作動流体で充填されるように、過多の作動流体を貯蔵できる作動流体リザーバを含むこともできる。作動流体リザーバの充填レベルは、蓄熱デバイスの作動流体入口よりも高さが高いか、コンデンサの作動流体入口の高さよりも低いか、またはその両方である。毛細管ポンプ式ループは、作動流体液体ラインのバルブなど、1つまたは複数のバルブを有することができる。作動流体液体ラインのバルブを使用して、蓄熱デバイスがチャージするとき、蓄熱デバイスが熱を貯蔵するとき、またはその両方のときに、作動流体が毛細管ポンプ式ループ中を循環するのを防止することができる。そのバルブは、(例えば、内燃機関を加熱するために)蓄熱デバイスから熱を排出することが望ましいときには開くことができる。
熱エネルギー貯蔵システムは、熱伝達流体をそれぞれ蓄熱デバイスの内外に流動させるための、熱伝達流体入口ライン(管、パイプなどでよい)と、熱伝達流体出口ラインとを含むことができる。熱伝達流体入口ラインおよび熱伝達流体出口ラインは、漏出もひび割れもなく、(例えば、流動する間に)熱伝達流体を収容することができる。例えば、熱伝達流体ラインは、好ましくは、熱伝達流体の圧力で漏出することもひび割れすることもない。熱エネルギー貯蔵システムは、蓄熱デバイスの妨げのない外側を漏出することなく流動できるように、熱伝達流体を収容できる熱伝達流体バイパスラインを有することもできる。蓄熱デバイス内の熱エネルギー貯蔵材料がその最大公称温度以上であるか、または熱伝達流体の温度が熱エネルギー貯蔵材料の分解を生じることができる臨界温度を超えるときに、熱伝達バイパスラインを用いることができる。熱エネルギー貯蔵システムは、切換えバルブ(例えば、バイパスバルブ)などのバルブを含むこともでき、そのバルブは、蓄熱デバイスを通って流動する熱伝達流体の量、およびバイパスラインを通って流動する熱伝達流体の量を制御できる。(例えば、蓄熱デバイスが完全にチャージされたときに、または熱伝達流体の温度が蓄熱デバイス内の熱エネルギー貯蔵材料の温度未満であるときに、)熱伝達流体の一部または全部をバイパスラインに進路変更するために、切換えバルブを用いることができる。切換えバルブにより、以下の条件の1つまたは任意の組合せ(例えば、全て)に合うときには、熱伝達流体の一部または好ましくは全てが蓄熱デバイスに流入可能でよい。蓄熱デバイス内の熱エネルギー貯蔵材料の温度が熱伝達流体の温度未満であるか、蓄熱デバイスが完全にはチャージされないか、または熱伝達流体の温度が蓄熱デバイスの最大公称温度未満である。
蓄熱デバイスを加熱するのに使用される熱伝達流体は、流体が低温のときに(例えば、凝固することなく)蓄熱デバイスを通って流動するように、任意の液体または気体でよい。例えば、熱伝達流体は、圧力約1気圧、温度約25℃、好ましくは約0℃、より好ましくは−20℃、最も好ましくは約−40℃で液体または気体でよい。限定されるものではないが、蓄熱デバイスを加熱する好ましい熱伝達流体は、エンジン(例えば、内燃機関)からの排ガスなどの排ガスである。
熱エネルギー貯蔵システムのコンデンサは、作動流体から別の流体に熱エネルギーを伝達できる熱交換器でよい。例えば、作動流体から熱伝達流体に熱を伝達するコンデンサを用いることができる。コンデンサ内(例えば、熱交換器内)において伝達される熱は、好ましくは、作動流体の蒸発熱を含む。熱エネルギー貯蔵システムは、熱交換器に熱伝達流体を供給するための低温ラインと、熱交換器から熱伝達流体を除去するためのヒートラインとを含むことができる。低温ラインおよびヒートラインは、好ましくは、ループを通って流れるときに熱交換器の熱伝達流体を漏出なしに収容することができる。低温ラインおよびヒートラインは、熱伝達流体ループの一部でよい。熱伝達流体ループを、加熱される物体に接続することができる。限定されるものではないが、加熱される物体は、内燃機関、車両運転席、オイルリザーバ、またはそれらの任意の組合せでよい。熱伝達流体ループに使用される熱伝達流体は、液体または気体でよい。好ましくは、熱伝達流体は、使用中にその温度に曝露されることがある最低動作温度(例えば、最低周囲温度)で流動することができる。蓄熱デバイスの加熱に用いられるどの熱伝達流体でも熱交換器に用いることもできる。好ましくは、熱交換器の熱伝達流体は液体である。例えば、当技術分野で知られた任意のエンジン冷却材を熱伝達流体として用いることができる。特に好ましい熱伝達流体はグリコールおよび水の混合物である。
上記に説明したように、熱エネルギー貯蔵システムは、蓄熱デバイス内の相変化材料を加熱する手段を含む。蓄熱デバイス(例えば、蓄熱デバイス内の相変化材料)が作動流体の全ての成分を合わせた蒸気圧が約1気圧を超えるのに十分な温度であり、作動流体が流動できるように作動流体バルブが開いているときに、作動流体は、a)毛細管構造によってポンプ輸送され、b)少なくとも部分的に蒸発し、c)少なくとも部分的にコンデンサに輸送され、d)コンデンサ内で少なくとも部分的に凝縮して、蓄熱デバイスから熱を除去する。
(作動流体)
適切な作動流体(例えば、毛細管ポンプ式ループ用の作動流体)は、以下の特徴の1つまたは任意の組合せを有する、純物質および混合物を含む。熱エネルギー貯蔵システムの最高温度における良好な化学的安定性、低粘度(例えば、約100mPa・s未満)、毛細管構造の良好な濡れ(例えば、良好なウィックの濡れ)、毛細管ポンプ式ループの材料(容器の材料、熱エネルギー貯蔵材料を封入するのに用いられる材料、蒸気および液体ラインの材料など)との化学的適合性(例えば、作動流体がその材料の腐食をあまり引き起こさない)、蒸発器およびコンデンサ温度の両方に伝導される温度依存性の蒸気圧、高体積蒸発潜熱(すなわち、融解潜熱の生成、および約25℃のときのジュール/リットル単位の作動流体密度)、またはコンデンサの熱伝達流体の凝固点以下の凝固点(例えば、不凍液の凝固点以下の凝固点、約−40℃以下の凝固点、またはその両方)。例えば、作動流体の平衡状態は、温度−40℃、圧力1気圧で、少なくとも90%が液体でよい。
作動流体の蒸気圧は、作動流体をポンプ輸送するのに十分な蒸気の流れが生成されるように蒸発器内で十分に高くすべきである。好ましくは、作動流体の蒸気圧は、蒸発器からコンデンサにワットで測定される所望の熱出力を運ぶのに十分な蒸気の流れが生成されるように蒸発器内で十分に高くすべきである。蒸発器内の作動流体の蒸気圧は、好ましくは、毛細管ポンプ式ループが漏出も破裂もしないように十分に低い。
毛細管構造に対する作動流体の濡れは、毛細管構造の材料上の作動流体の接触角を特徴とすることができる。好ましくは、その接触角は、約80度未満、より好ましくは約70度未満、さらに好ましくは約60度未満、最も好ましくは約55度未満である。
作動流体は、好ましくは、中程度の圧力、温度約90℃未満で凝縮する。例えば、作動流体は、約90℃で、圧力約2MPa未満、好ましくは約0.8MPa未満、より好ましくは約0.3MPa未満、さらに好ましくは約0.2MPa未満、最も好ましくは約0.1MPa未満で凝縮することができる。
作動流体は、好ましくは、非常に低い温度で流動することができる。例えば、作動流体を非常に低い周囲温度に曝露することができ、好ましくは、作動流体は温度約0℃、好ましくは約−10℃、より好ましくは約−25℃、さらに好ましくは約−40℃、最も好ましくは約−60℃で、コンデンサから蓄熱デバイスに流動することができる。作動流体は、好ましくは、蓄熱デバイスが完全にチャージされたときの温度では気体状態である。例えば、作動流体の沸点は、1気圧のときには、蓄熱デバイス内の熱エネルギー貯蔵材料相転移温度よりも低く、好ましくは、熱エネルギー貯蔵材料の相転移温度よりも少なくとも20℃低く、より好ましくは、熱エネルギー貯蔵材料の相転移温度よりも少なくとも40℃低くてよい。本発明の様々な態様では、1気圧のときの作動流体の沸点(または作動流体の全ての成分を合わせた蒸気圧が1気圧に等しいときの温度)が、(例えば、作動流体が周囲条件で液体になるように)約30℃超、好ましくは約35℃超、より好ましくは約50℃超、さらに好ましくは約60℃超、最も好ましくは約70℃超であることが望ましいことがある(でよい)。本発明の様々な態様では、作動流体が1気圧のときの沸点(または作動流体の全ての成分を合わせた蒸気圧が1気圧に等しいときの温度)は、約180℃未満、好ましくは約150℃未満、より好ましくは約120℃未満、最も好ましくは約95℃未満でよい。
作動流体は、熱エネルギー貯蔵材料がその液相温度以上のときに蓄熱デバイス内で部分的にまたは完全に蒸発できる任意の流体でよい。限定されるものではないが、例示的な作動流体は、1つもしくは複数のアルコール、1つもしくは複数のケトン、1つもしくは複数の炭化水素、フッ化炭化水素、ハイドロフルオロカーボン(例えば、当技術分野で知られたハイドロフルオロカーボンの自動車用冷媒など、当技術分野で知られたハイドロフルオロカーボン冷媒)、水、アンモニア、またはそれらの任意の組合せを含むことができるか、あるいはそれらから本質的に構成されてよい。
特に好ましい作動流体は、水およびアンモニアを含むかまたは事実上それらから構成される。例えば、作動流体の水とアンモニアとの複合濃度は、作動流体である水およびアンモニアの全重量を基準に少なくとも約80重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%、最も好ましくは少なくとも約95重量%でよい。アンモニア濃度は、作動流体の沸点を水の沸点より低く(例えば、水の沸点よりも少なくとも10℃低く)維持するのに十分なものにすることができる。アンモニア濃度は、作動流体の全重量を基準に約2重量%超、好ましくは約10重量%超、より好ましくは約15重量%超、最も好ましくは約18重量%超でよい。アンモニア濃度は、作動流体の全重量を基準に約80重量%未満、好ましくは約60重量%未満、より好ましくは約40重量%未満、最も好ましくは約30重量%未満でよい。作動流体の水の濃度は、作動流体の全重量を基準に約20重量%超、好ましくは約40重量%超、より好ましくは約60重量%超、最も好ましくは約70重量%超でよい。作動流体の水の濃度は、作動流体の全重量を基準に約98重量%未満、好ましくは約95重量%未満、より好ましくは約90重量%未満、さらに好ましくは約85重量%未満、最も好ましくは約82重量%未満でよい。例えば、アンモニア約21重量%および水約79重量%の溶液は、液相点が約−40℃であり、沸点域の上限が1気圧で約100℃未満である。この溶液を、室温で非圧力容器に(例えば、液体として)貯蔵することができる。
好ましくは、作動流体は全ての成分を合わせた蒸気圧が、約0℃から約250℃までのある温度で1気圧に等しい。
作動流体は、熱エネルギーを蓄熱デバイスから効率的に伝達することができ、そのため、(例えば、熱を除去するために作動流体ではない熱伝達流体を使用するデバイスと比較すると)蓄熱デバイスから熱量を除去するのに必要な作動流体の量は比較的少ない。好ましくは、作動流体によって伝達される熱の大部分は、蒸発熱の形態で伝達される。作動流体の体積、作動流体の流量、またはその両方は、作動流体ではない熱伝達流体を用い初期出力が同じシステムと比較すると、熱エネルギー貯蔵において比較的小さくてよい。蓄熱デバイス容器1リットル当たりの作動流体の流量(すなわち、蓄熱デバイスに流入する液体状態の作動流体)は、約5リットル/分未満、好ましくは約2リットル/分未満、より好ましくは約1リットル/分未満、さらに好ましくは約0.5リットル/分未満、最も好ましくは約0.1リットル/分未満でよい。システム内の作動流体の体積(例えば、システム内または毛細管ポンプ式ループ内の)と蓄熱デバイス容器全体積(すなわち、容器内の体積)の比(またはさらには、システム内の作動流体の体積と、蓄熱デバイス内の熱エネルギー貯蔵材料の体積の比)は、約20未満、好ましくは約10未満、より好ましくは約4未満、さらに好ましくは約2未満、最も好ましくは約1未満でよい。
上記に説明したように、作動流体は、熱エネルギーの一部を蒸発熱の形態で伝達することができる。作動流体は、好ましくは、蒸発熱が高く、そのため、伝達できる熱量が高い。蓄熱デバイスの適切な作動流体は、蒸発熱が約200kJ/モル超、好ましくは約500kJ/モル超、より好ましくは約750kJ/モル超、さらに好ましくは約1,000kJ/モル超、最も好ましくは約1,200kJ/モル超でよい。
作動流体の温度が0℃未満でよい適用例では、作動流体は、好ましくは、(例えば、作動流体が凍結せず、破裂を起こさず、または凍結も破裂もしないように)水ではない。
作動流体と接触する材料は作動流体による腐食に抵抗できることが理解されよう。例えば、作動流体(例えば、作動流体蒸気ラインの内部、作動流体液体ラインの内部、蓄熱デバイスの作動流体区画の表面、作動流体バルブの内面、コンデンサ内の作動流体区画の表面、作動流体リザーバの内面など)と接触できる、蓄熱デバイスまたは熱エネルギー貯蔵システムの任意の1つまたは全ての面は、ステンレス鋼から作製されてよい。
本明細書で説明する熱エネルギー貯蔵システムに用いられる作動流体または熱伝達流体はいずれも追加のパッケージを含むことができることが理解されよう。例えば、追加のパッケージは、安定剤、腐食抑制剤、潤滑油、極圧添加剤、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。
(熱エネルギー貯蔵システムの動作)
熱エネルギー貯蔵システムは、複数の動作段階を有し、それらの動作段階は、蓄熱デバイス外部からの熱が熱エネルギー貯蔵材料に供給されるチャージ段階と、その熱の少なくとも一部が熱エネルギー貯蔵材料に貯蔵される貯蔵段階と、その熱の少なくとも一部が熱エネルギー貯蔵材料から除去される排出段階とを含む。
1.チャージ段階
蓄熱デバイスの温度(が最大公称温度未満であり、熱伝達流体(例えば、排ガス))が熱エネルギー貯蔵材料の温度を超える温度を有するときにチャージ段階を開始することができる。チャージ段階中には、熱エネルギー貯蔵材料(例えば、相変化材料)をチャージするステップが、熱伝達流体から熱エネルギー貯蔵材料に熱を伝達するステップを含むことができる。チャージ段階中には、作動流体用の排出バルブは、好ましくは閉じている。蒸発器(すなわち、蓄熱デバイスの作動流体区画)内の液体の作動流体の残渣があればそれが、ボイルオフし、コンデンサに入り、コンデンサ内で液体になり、リザーバに入ることができる。熱エネルギー貯蔵システムが完全にチャージされているとき、または排気が局所の相変化材料の過熱を引き起こすのに十分に熱く、その結果相変化材料を分解させることができるときは、(図1に示すバルブによって作動するバイパスなどの)排ガスバイパスを使用して蓄熱デバイスの過熱を防止することができる。温度センサが、好ましくは、排気バイパスバルブを作動させることによる過熱を防止するために、相変化材料の近くに埋め込まれている。相変化材料の過熱を防止するために、好ましくは、他の制御方法を使用することができる。
2.貯蔵段階
内燃機関が停止しているとき、例えば、車両が停止しているときは、排出バルブは閉じたままである。熱エネルギー貯蔵システム内に貯蔵される熱は、ゆっくりと環境中に失われる。したがって、好ましくは、本発明では何らかの形態の断熱を使用する。システムの断熱が良いほど、貯蔵時間が長くなる。
蓄熱デバイスによる熱損失を防止する既知の任意の形態の断熱を利用することができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第6,889,751号に開示されているような任意の断熱を用いることができる。蓄熱デバイスは、好ましくは、1つまたは複数の面で断熱されるように断熱した容器である。好ましくは、周囲または外部に露出した一部または全部の表面が、隣接した断熱材を有する。断熱性材料は、対流熱損失を低減し、放射熱損失を低減し、伝導熱損失を低減し、またはそれらの任意の組合せを低減することによって機能することができる。好ましくは比較的熱伝導が低い断熱材料または断熱構造を使用することで、好ましくは断熱することができる。離間した対向する壁の間の隙間を使用することで断熱することができる。その隙間は、空気空隙など、気体状媒体によって占有されてよく、あるいは、場合によっては、(例えば、デュワー瓶を使用することによって)真空にされた空間、熱伝導率が低い材料もしくは構造、熱放射率が低い材料もしくは構造、対流が低い材料もしくは構造、またはそれらの任意の組合せでもよい。限定されるものではないが、断熱には、セラミック断熱(石英断熱またはガラス断熱など)、ポリマー断熱、またはそれらの任意の組合せが含まれてよい。断熱は、繊維形態、フォーム形態、高密度層、コーティング、またはそれらの任意の組合せでよい。断熱は、織物材料、不織材料、またはそれらの組合せの形態でよい。熱伝達デバイスを、デュワー瓶、より具体的には、内部貯蔵空洞を画定するように構成された概して対向する壁と、大気圧未満に真空引きされているそれらの対向する壁の間の壁の空洞とを含む、ベッセル容器を用いて断熱することができる。それらの壁はさらに、放射熱損失を最小限に抑えるために反射性の表面コーティング(例えば、鏡面)を利用することができる。
好ましくは、システムの周りに真空断熱が用いられる。より好ましくは、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許第6,889,751号に開示されているような真空断熱が用いられる。
3.排出段階
熱エネルギー貯蔵システムに貯蔵された熱を、加熱する物体に伝達する必要があるときは、必要な排出力(例えば、ワット(W)の単位で)に応じて所望の程度になるまで排出バルブを開く。リザーバに貯蔵された液体の作動流体は、重力で押しやられて蒸発器に入り、ウィックを濡らし、毛細管圧力によって上に押しやられてウィックに沿って流れ、相変化材料から流れる熱で蒸発する。蒸気は、ウィック間の隙間に沿って流れ、次いでコンデンサに入り、そのコンデンサでは、蒸発潜熱および顕熱の両方として貯蔵された熱を冷却材へ放出し、コンデンサと低温の内燃機関および/または空気加熱器コアとの間を循環する。高出力で排出する間には、蒸発器内の蒸気圧は、コンデンサ内の圧力を事実上超えることができる。この圧力差により、液体を蒸発器の外に液体ラインに沿って押し出そうとする。論理に縛られることなしに、毛細管構造(例えば、ウィック)の孔を充填する液体の微細なメニスカスによって形成される毛細管圧力が、この圧力を維持するものであり、蒸発器中への液体の「ポンプ輸送」を維持すると考えられる。毛細管圧力は、ウィックの孔のサイズに反比例する(ヤングラプラスの等式)。蒸気は、その圧力を解放するためには、蒸気ラインを通してコンデンサに流入する以外に選択肢はない。これにより、毛細管ポンプ式ループ内の循環的な流れパターンが確立される。所望の熱量が毛細管ポンプ式ループによって伝達されたときに、排出バルブが閉じる。
排出段階中には、本発明のデバイスおよびシステムは、比較的高い出力(単位はワット)、比較的高い出力密度(例えば、単位はワット/リットル(蓄熱デバイス))、またはその両方を有することができる。出力、出力密度、またはその両方が、毛細管構造を有しないことを除いて同一のデバイスまたはシステムよりも高い(例えば、少なくとも20%高く、より好ましくは少なくとも約100%高い)。例えば、デバイス、システム、またはその両方の平均出力密度は、蓄熱デバイスの断熱体積の全内部体積(例えば、熱エネルギー貯蔵材料区画、熱伝達流体区画、および作動流体区画の体積の合計)に基づいて、少なくとも約1kW/リットル、好ましくは少なくとも約10kW/リットル、より好ましくは少なくとも約25kW/リットル、さらに好ましくは少なくとも約30kW/リットル、最も好ましくは少なくとも約50kW/リットルでよく、出力は初期の排出動作(例えば、排出動作の最初の30、60、または120秒)にわたって平均が取られ、その排出動作は、例えば、バルブが蓄熱デバイスの第1の流路を通る作動流体の流れを可能にするように開いているとき、さらに相変化材料の大部分(例えば、少なくとも50体積%、または少なくとも75体積%)が排出動作の開始時に(例えばバルブを開いたときに)液体状態のときに開始する。
本発明の熱エネルギー貯蔵システムは、熱エネルギー貯蔵材料を同時にチャージおよび排出することによって(すなわち、チャージ段階および排出段階の両方を同時に実行することによって)、「組合せ」モードで(例えば、定常状態モードとして)動作することもできると理解されたい。動作の組合せモードでは、作動流体の排出バルブは両方とも開いており、熱伝達流体(例えば、高温の排ガス)は蓄熱デバイスを通って流動する。動作の「組合せ」モードにより、排ガスから熱受容体に熱の連続した(例えば、不変の)流れを確立することができる。他の従来技術の定常状態の排気熱回収デバイスに対する本システムの一利点は、(都市の交通では非常に一般的である)排気の流れの熱出力の変動を平均化し、本質的に排ガスと熱受容体との間の熱バッファとして働く相変化材料の大型の蓄熱容量を使用してより安定した熱出力を受容体に運ぶ能力である。熱の流れの平均化は、排気熱、例えばランキンサイクル熱機関(ターボスチーマとしても知られる)、吸収もしくは吸着サイクル冷凍システム、または単に運転席の空気加熱器によって動力を供給されるデバイスの最適な動作を確実にする際に非常に利益がある場合がある。
熱エネルギー貯蔵システムは、熱エネルギー貯蔵システムから環境への熱損失を最小限に抑える1つまたは複数の手段を用いることができる。熱損失を最小限に抑える例示的な手段には、熱エネルギー貯蔵システム(例えば、蓄熱デバイス、ライン、蒸発器、またはそれらの任意の組合せ)の1つもしくは複数の構成要素の断熱、熱伝導率の低い材料の使用、放射熱損失もしくは熱の流動距離を低減する形状および/もしくはコーティングの使用、またはそれらの任意の組合せが含まれる。
限定されるものではないが、2009年2月20日出願の米国特許出願第12/389,598「Heat Storage Devices」に開示された断熱手段を用いることができる。
一例として、蓄熱デバイスは、真空(例えば、高真空)ジャケット断熱を用いることができ、任意選択で、真空ジャケット内壁と外壁との間の放射熱伝達を遅らせる薄い内部放射スクリーンを有する。放射熱伝達率は、概して、熱流路に沿った放射スクリーン間の真空間隙の数に反比例する。この手法は、2重のデュワー瓶に似ている。したがって、断熱は、1、2、または3以上の真空間隙を用いることができる。
蓄熱デバイスは、周囲への熱損失を低減するかたまたは最小限に抑えるために、熱伝導率が比較的低い1つまたは複数の材料を用いることができる。例えば、蓄熱デバイスは、熱伝導率が低炭素鋼(例えば、A36等級)の熱伝導率の50%未満、好ましくは低炭素鋼の熱伝導率の30%未満、より好ましくは低炭素鋼の熱伝導率の20%未満、最も好ましくは低炭素鋼の熱伝導率の10%未満の1つまたは複数の材料を用いることができる。使用できる例示的な低熱伝導率の材料には、限定されるものではないが、ステンレス鋼、チタン合金、シリカベースのガラス、またはそれらの任意の組合せが含まれる。例えば、低熱伝導率の材料は、蓄熱デバイスの入口および出口をコンデンサ、熱源(例えば、排気パイプ)、またはその両方に接続するライン(例えば、管)を用いることができる。
熱通路の距離を延長する1つまたは複数の(例えば、さらには全ての)接続ラインの形状(例えば、管またはパイプ)を選択することによって、熱損失を低減させることができる。例えば、ラインの形状には、滑らかな(例えば、円筒形の)壁の代わりに壁の薄い蛇腹を用いることができる。ラインは、湾曲してよく(例えば、事実上湾曲した中心線を有してよく)、そのため、蓄熱デバイスと、熱エネルギー貯蔵システムのうちの断熱されていない部分との間の直接の「見通し線」の放射熱伝達が、大幅に低減されるか、またはなくなりさえする。したがって、その形状を、ラインの水圧耐力を事実上増大させることなくラインの放射状開口を縮小するように選択することができる。さらに、ラインの1つまたは複数の面を、間接的放射熱損失を低減できるコーティングでコーティングすることができる。こうしたコーティングは、シルバなど、概して反射性のコーティングである。
本発明の好ましい実施形態では、システムは以下の特徴を有する。カプセル材のシートの厚さは0.01〜2mmである。相変化材料のカプセルのサイズは0.5〜100mmである。カプセル間の流体の隙間は0.1〜10mmである。ブリスタパックの寸法は熱交換器の寸法に応じて変わり、その熱交換器の寸法は用途に応じて大きく変わる。単一のカプセル寸法と同程度に小さくするか、または大型ビルの暖房および空気調和のために数メートル程度にすることができる。
エンジンの排ガスからのエネルギーを貯蔵する熱エネルギー貯蔵システムを、運搬用車両(例えば、自動車両)に用いることができる。エンジンが排ガスを発生させるときは、バイパスバルブは、蓄熱デバイスをチャージするように蓄熱デバイスを通るか、または蓄熱デバイスの過熱を防止するようにバイパスラインを通る気体の流れを方向付けることができる。エンジンが停止しているとき、例えば、車両が停止している期間に、蓄熱デバイスに貯蔵された熱の大部分を(例えば、蓄熱デバイスを囲繞する真空断熱によって)長期間保持することができる。好ましくは、蓄熱デバイスの熱エネルギー貯蔵材料の少なくとも50%が、車両が周囲温度約−40℃で16時間停車した後で液体状態のままである。エンジンが事実上冷却する(例えば、エンジンと周囲との温度差が約20℃未満になるように)十分に長い時間(例えば、少なくとも2または3時間)車両が停止している場合は、(エンジン冷却材などの)熱伝達流体を、作動流体用のコンデンサを含む熱交換器を通して流すことによって間接的に、蓄熱デバイスに貯蔵された熱を低温のエンジンまたは他の熱受容体に排出することができる。作動流体は、作動流体が蒸発する蓄熱デバイス内部の毛細管構造を使用して毛細管ポンプ式ループ内を循環する。作動流体からの熱は、熱交換器内のエンジン冷却材に伝達される。蓄熱デバイスを用いることによって、そうでなければ廃棄された熱を、前の行程の間に捕捉して、低温始動を緩和し、かつ/または即座に運転席を暖めることができる。
作動流体を使用する熱の伝達は、作動流体バルブ(すなわち、排出バルブ)を開くことによって開始することができる。追加の液体ラインを介してループに接続されたシール済みの作動流体リザーバは、事実上圧力変化なしでループ内の作動流体の液体の体積の変化を吸収するように働く。蓄熱デバイスから十分なまたは全ての有用な熱が伝達されると、排出バルブを閉じることができる。蓄熱デバイス内の残りの作動流体は、(例えば、蓄熱デバイス内の残りの熱から、または蓄熱デバイスがチャージを開始するときに)蒸発し、次いで、コンデンサ内で凝縮することができる。蓄熱デバイスから作動流体を排出するにつれて、作動流体レベルの液体レベルが変化してもよい(例えば、上昇する)。
蓄熱デバイスは、直交流形(すなわち、作動流体に関する流れの方向、および排ガスの流れに関して垂直の流れの方向を有する)熱交換器でよい。動作中は、蓄熱デバイスは、3つのチャンバを含むことができ、そのチャンバは、1)排ガス、2)停滞した相変化材料(例えば、ブリスタパックなどのカプセルの内部)、および3)作動流体によって占有されている。3つ全てのチャンバは、適切な材料、好ましくはステンレス鋼から作製された薄い壁によって分離状態に維持される。排ガスは、ブリスタ内の相変化材料のカプセルの表面(例えば、湾曲した表面)の間を流動することができ、作動流体は、排ガスの流れの方向に概して垂直な方向に、ブリスタ内の相変化材料のカプセルの異なる表面(例えば、平坦な面)の間を流動することができる。そのチャンバに入る液体の作動流体は、好ましくは、毛細管構造(例えば、金属製ウィック)を濡らし、毛細管の内側に形成された作動流体の液体のメニスカスに作用する毛細管の力によって、重力と蒸気圧を複合した力にぶつかって輸送される。この流れは、ブリスタ内の相変化材料から引き出された熱を用いた液体の連続する蒸発によって維持される。作動流体の蒸気は、毛細管構造から離れ、蒸気チャネルを介してデバイスの上部に逃げ、そのチャネルは、ブリスタ内の相変化材料のカプセルの表面(例えば、平坦な面)の間に押し込んだ毛細管構造のカラム間に互いに入り込ませることができる。作動流体の蒸気は、コンデンサに流入し、そのコンデンサ内で蒸発熱および顕熱を低温の冷却材に伝達し、再度液体になって蓄熱デバイスに戻る。その作動流体は、液体の作動流体が部分的に浸透する毛細管構造(例えば、金属製ウィック)内に存在する毛細管力によってのみポンプ輸送されてループを循環し続ける。毛細管構造の全てのカラムを共通の多孔質のベースに接続することができる。こうした多孔質のベースを用いて、デバイスの底部に入る液体の作動流体を異なるカラムに分配することができる。
さらに、本発明を追加の要素/構成要素/ステップと組み合わせて使用することができる。例えば、空気調和のための吸収または吸着サイクル冷凍システムは、低温の冷却材の代わりにまたはそれに加えて熱受容体として使用することができる(例えば、コンデンサは、空調機の流体ループ内を循環する冷媒のための蒸発器として働くこともできる)。別の適用例では、熱機関、例えば、ランキンサイクルを使用した定常状態廃熱回収システムを、同じまたは異なる毛細管ポンプ式ループの作動流体を使用し、(例えば、タービンより上流の高い蒸気圧を克服するために)機械的な力を生成するタービンを蓄熱デバイスとコンデンサとの間で蒸気ラインに追加し、かつ/またはコンデンサと蓄熱デバイスとの間で液体ラインに液体ポンプを追加するように構築することができる。上記のタービンは、排ガスの廃熱から捕捉した一部を有用な機械的または電気的な仕事に変換することができ、したがって、車両の燃料効率が全体的に改善される。
本発明は、様々な改変形態および代替形態が可能であり、上記で説明した例示的な実施形態は単なる一例として示している。しかし、本発明は本明細書で開示される特定の実施形態に限定されるものではないことをやはり理解されたい。実際に、本発明の本技法は、以下の添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に包含される全ての改変形態、等価物、および代替形態をカバーするものである。
図1は、独創的な蓄熱デバイスを含む本発明の熱エネルギー貯蔵蓄熱デバイスである。図1に示すように、蓄熱デバイス10は容器12を含むことができ、その容器12は、作動流体入口14と、作動流体出口16と、熱伝達流体入口18と、熱伝達流体出口20とを有する。蓄熱デバイスの体積は、約1リットルであり、熱エネルギー貯蔵材料が蓄熱デバイスの約60体積%超を占有する。
図2Aは、図1の蓄熱デバイス10の例示的な断面(すなわち、図1に示すような断面)である。蓄熱デバイスはカプセル層32を含み、隣接する各カプセル層の間に空間がある。カプセル層32はそれぞれ、弓形の面34と、概して平坦な対向面36とを有する。熱伝達流体区画26の少なくとも一部分(例えば、1つの層)は、2つのカプセル層の間に挟まれている。作動流体区画22の一部分(例えば、1つの層)は、隣接する2つのカプセル層の間に挟まれており、2つのカプセル層の離隔距離(例えば、平均距離)によって画定される作動流体区画の平均厚さは約1mmである。カプセル層は、概して、カプセル層の一方の面に作動流体区画22の層を有し、反対側の面に熱伝達流体区画26の層を有する。熱伝達流体区画の層の平均厚さは約1mmである。
図1、図2A、および図2Bに示すように、蓄熱デバイスは、蓄熱デバイスの作動流体区画中に作動流体を流入させる入口14と、蓄熱デバイスから作動流体を流出させる出口16とを有する。出口は、入口よりも高さが高く、そのため、作動流体の流れは、概して垂直の成分を含む。作動流体は、水約79重量%およびアンモニア約21重量%の混合物である。作動流体は、熱エネルギー貯蔵材料30と熱接触している。作動流体区画の少なくとも一部は、毛細管構造を形成する金属製ウィックの5mmのストリップを含む。図2Aの断面に、作動流体区画22の領域を示し、その作動流体区画の全ての層が金属製ウィックを有する。ウィックの5mmのストリップの間には、図2Bの断面に示すような金属製ウィックがない10mm幅の部分がある。図2Aに示すように、毛細管構造(すなわち、金属製ウィック)は、作動流体区画の長さにわたって延在することができる。毛細管構造の一部分は、相変化材料を収容する各カプセルと熱接触している(例えば、毛細管構造は、概して平坦な外面のうちの各カプセルの隣の部分と接触している)。
本発明の熱エネルギーシステムを図3に示す。熱エネルギー貯蔵システム50は、蓄熱デバイスと、作動流体54用の入口56および作動流体用の出口58を有するコンデンサ52と、コンデンサ52の作動流体出口58を蓄熱デバイスの作動流体入口に接続する管の作動流体入口56を接続する蒸気管60とを含む。熱エネルギー貯蔵システムは、毛細管ポンプ式ループを収容し、その毛細管ポンプ式ループは、蓄熱デバイス内の作動流体区画と、コンデンサ内の作動流体区画と、作動流体蒸気管と、作動流体液体管とを含む。熱エネルギー貯蔵システムは、作動流体リザーバ74も含む。作動流体リザーバの充填レベルは、蓄熱デバイスの作動流体入口よりも高さが高く、コンデンサ58の作動流体入口の高さよりも低い。毛細管ポンプ式ループは、作動流体液体管62内にバルブ72を有することができる。そのバルブを用いて、蓄熱デバイスがチャージしているとき、および蓄熱デバイスが熱を貯蔵するときに、作動流体が毛細管ポンプ式ループ内を循環するのを防止する。バルブは、蓄熱デバイスから熱を排出することが望ましいときは開いている。
やはり図3を参照すると、熱エネルギー貯蔵システムは、蓄熱デバイスの内外に熱伝達流体を流動させる熱伝達流体入口ライン64および熱伝達流体出口ライン66を含む。熱エネルギー貯蔵システムは熱伝達流体バイパスライン68も有する。熱エネルギー貯蔵システムは、(例えば、蓄熱デバイスが完全にチャージされているとき、または熱伝達流体の温度が蓄熱デバイス内の熱エネルギー貯蔵材料の温度未満のときに)熱伝達流体の一部または全部をバイパスライン68に進路変更する切換えバルブ(例えば、バイパスバルブ)70も含む。
熱エネルギー貯蔵システムのコンデンサ52は、熱交換器である。熱エネルギー貯蔵システムは、熱交換器中に熱伝達流体を供給する低温ライン80と、熱交換器から熱伝達流体を除去するヒートライン78とを含む。低温ライン80およびヒートライン78は熱伝達流体ループ84の一部である。熱伝達流体ループは、エンジン冷却材を収容し、内燃機関76に接続され、蓄熱デバイスに貯蔵されたエネルギーで内燃機関を加熱するために使用される。
10 蓄熱デバイス
12 容器
14 作動流体入口
16 作動流体出口
18 熱伝達流体入口
20 熱伝達流体出口
22 作動流体区画
26 熱伝達流体区画
32 カプセル層
34 弓形の面
36 平坦な対向面
50 熱エネルギー貯蔵システム
52 コンデンサ
54 作動流体
56 作動流体入口
58 作動流体出口
60 蒸気管
62 作動流体液体管
64 熱伝達流体入口ライン
66 熱伝達流体出口ライン
68 熱伝達流体バイパスライン
70 切換えバルブ
72 バルブ
74 作動流体リザーバ
76 内燃機関
78 ヒートライン
80 低温ライン
84 熱伝達流体ループ

Claims (38)

  1. i)ある温度で固相から液相に転移する熱エネルギー貯蔵材料と、
    ii)複数の毛細管を有する毛細管構造とを含む、デバイスであって、
    前記デバイスは蓄熱デバイスである、デバイス。
  2. 前記熱エネルギー貯蔵材料が、温度約50℃超で固相から液相に転移する、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記熱エネルギー貯蔵材料が、温度約90℃から約300℃で固相から液相に転移する、請求項2に記載のデバイス。
  4. 前記熱エネルギー貯蔵材料が、1つまたは複数の熱エネルギー貯蔵材料区画に封入され、前記デバイスが、前記熱エネルギー貯蔵材料と熱接触する作動流体区画を含む、請求項1から3のいずれかに記載のデバイス。
  5. 前記熱エネルギー貯蔵材料が複数のカプセルに封入される、請求項1から4のいずれかに記載のデバイス。
  6. 前記カプセルが、作動流体区画との接触を最大にする面を有し、前記作動流体区画との間の熱伝達を最大にする形状を有する、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記熱エネルギー貯蔵材料が複数のカプセルに封入され、前記カプセルが弓形の面および平坦な面を有する、請求項1から6のいずれかに記載のデバイス。
  8. i)作動流体用の少なくとも1つの入口および1つの出口、ならびに第2の流体用の少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口をそれぞれ有する、1つまたは複数の容器と、
    ii)少なくとも第1の外面を有し、前記容器に前記熱エネルギー貯蔵材料を収容する1つまたは複数のカプセルであって、前記熱エネルギー貯蔵材料が相変化材料である、カプセルと、
    iii)前記容器を通る前記作動流体の流れのための第1の流路であって、前記カプセルの前記第1の外面によって少なくとも部分的に画定される、第1の流路と、
    iv)前記第1の流路を通して作動流体をポンプ輸送できる複数の毛細管を有する毛細管構造であって、当該毛細管構造が、前記第1の流路を部分的に充填し、前記カプセルの前記第1の外面と少なくとも部分的に接触し、そのため、一方の端部で作動流体と接触すると、前記作動流体が前記毛細管に引き込まれ、毛細管がない第2の部分を前記第1の流路に有する、毛細管構造と、
    v)前記容器を通る第2の流体の流れのための第2の流路と、を備えるデバイスであって、
    前記第1の流路が作動流体区画内にあり、前記第2の流路が熱伝達流体区画内にあり、前記相変化材料が相変化材料区画内にあり、
    前記相変化材料が、前記作動流体区画および前記熱伝達流体区画と熱伝達しており、
    前記デバイスが蓄熱デバイスである、請求項1から7のいずれかに記載のデバイス。
  9. 前記複数の毛細管が、孔の直径が約200μm未満の毛細管を含む、請求項8に記載のデバイス。
  10. 前記カプセルが第2の外面を含み、前記第2の外面が、前記第2の流路を少なくとも部分的に画定する、請求項9に記載のデバイス。
  11. 前記第2の流体が排ガスである、請求項9または10に記載のデバイス。
  12. 前記作動流体の全ての成分を合わせた蒸気圧が温度約0℃から約250℃では1気圧に等しい、請求項9から11のいずれかに記載のデバイス。
  13. 前記相変化材料の固相から液相に転移する温度が、約50℃超(例えば、約90℃から約300℃)である、請求項9から12のいずれかに記載のデバイス。
  14. 前記容器が、少なくとも部分的に断熱される、請求項9から13のいずれかに記載のデバイス。
  15. 前記システムがカプセルを複数含む、請求項9から14のいずれかに記載のデバイス。
  16. 熱を貯蔵および伝達するシステムであって、
    a)請求項1から15のいずれかに記載の蓄熱デバイスと、
    b)少なくとも第1の入口および少なくとも第1の出口ならびに前記作動流体用の第1の流路を有するコンデンサとを含み、
    前記蓄熱デバイスが前記コンデンサと流体接続しており、前記システムが前記コンデンサの前記第1の流路および前記蓄熱デバイスの前記第1の流路を含む毛細管ポンプ式ループを備える、システム。
  17. 前記作動流体を含む、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記作動流体の全ての成分を合わせた蒸気圧が、温度約35℃超のときに1気圧に等しい、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記作動流体が、1つもしくは複数のアルコール、1つもしくは複数のケトン、1つもしくは複数の炭化水素、フッ化炭化水素、ハイドロフルオロカーボン、水、アンモニア、またはそれらの任意の組合せを含む、請求項16から18のいずれかに記載のシステム。
  20. 前記作動流体がアンモニアおよび水の溶液を含む、請求項19に記載のシステム。
  21. 前記作動流体の平衡状態が、温度−40℃かつ圧力1気圧のときに少なくとも90%が液体である、請求項16から20のいずれかに記載のシステム。
  22. 前記蓄熱デバイスから前記コンデンサへの前記作動流体の流れを制御するために作動流体バルブを含む、請求項16から21のいずれかに記載のシステム。
  23. 前記蓄熱デバイスの出口と前記コンデンサの入口とを接続する蒸気管を含む、請求項16から22のいずれかに記載のシステム。
  24. 前記蒸気管が少なくとも部分的に断熱されている、請求項16に記載のシステム。
  25. 前記コンデンサの出口と前記蓄熱デバイスの入口とを接続する液体管を含む、請求項16から24のいずれかに記載のシステム。
  26. 前記コンデンサを少なくとも部分的に充填する作動流体を含む、請求項16から25のいずれかに記載のシステム。
  27. 前記蓄熱デバイス内の前記相変化材料を加熱する手段を含み、その結果、前記蓄熱デバイスが前記作動流体の全ての成分を合わせた蒸気圧が1気圧を超えるのに十分な温度であり、前記作動流体が流動できるように前記バルブが開いているときに、前記作動流体が、
    a)前記毛細管構造によってポンプ輸送され、
    b)少なくとも部分的に蒸発し、
    c)前記コンデンサに少なくとも部分的に輸送され、
    d)前記コンデンサ内で少なくとも部分的に凝縮し、
    その結果、前記蓄熱デバイスから熱が除去される、請求項16から26のいずれかに記載のシステム。
  28. 前記蓄熱デバイスへの前記第2の流体の流れを制御するための第2のバルブを含む、請求項16から27のいずれかに記載のシステム。
  29. リザーバを含み、前記リザーバが作動流体を収容する、請求項16から28のいずれかに記載のシステム。
  30. 前記毛細管ポンプ以外に前記作動流体をポンプ輸送するポンプを有しない、請求項16から29のいずれかに記載のシステム。
  31. 前記コンデンサが、前記作動流体から前記熱伝達流体に熱を伝達できるように、前記コンデンサを通して熱伝達流体を輸送するための、第2の流路、第2の入口、および第2の出口を含む、請求項16から30のいずれかに記載のシステム。
  32. 自動車の構成要素を加熱するために使用される、請求項16から31のいずれかに記載のシステム。
  33. 内燃機関と熱伝達している、請求項16から32のいずれかに記載のシステム。
  34. 前記作動流体の体積と前記相変化材料の体積の比は、約20:1未満である、請求項16から33のいずれかに記載のシステム。
  35. 前記熱交換器を通る前記第1の流路の約5%から約95%が前記毛細管構造を含む、請求項16から34のいずれかに記載のシステム。
  36. 前記第2の流路を通る前記排ガスの流れを制御するバルブをさらに備える、請求項16から35のいずれかに記載のシステム。
  37. 前記システムの平均出力密度が、前記デバイスの前記断熱した(内部)体積1リットル当たり少なくとも約1kWであり、これは動作の最初の30秒にわたって平均が取られたものであり、その動作が、バルブが前記蓄熱デバイスの前記第1の流路を通る前記作動流体の流れを可能にするように開いているときに開始し、前記相変化材料の少なくとも50体積%が、前記バルブが開いているときに液体状態である、請求項16から36のいずれかに記載のシステム。
  38. 請求項1から15のいずれかに記載の蓄熱デバイスを通して作動流体を循環させるステップを含む、熱を排出する方法。
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