JP6347613B2 - 成形用包装材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ノートパソコン用、携帯電話用、車載用、定置型のリチウムイオン二次電池のケースとして好適に用いられ、また食品の包装材、医薬品の包装材として好適に用いられる成形用包装材の製造方法およびその関連技術に関する。
上記の包装材、例えば二次電池ケース用包装材は、内容物の化学変化を防止するために、酸素や水分のバリア性に優れている金属箔を使用したラミネート包装材が、従来から広く用いられている。前記ラミネート包装材としては、耐熱性樹脂フィルムからなる外層、水蒸気バリア層としてのアルミニウム箔からなる中間層、内容物のポリマー電解質を密封するためのポリオレフィンフィルムからなる内層が順に積層一体化されてなるラミネート包装材が用いられている(特許文献1〜6参照)。
これらのラミネート包装材は電池要素を収容するために、冷間で深絞り成形を行う事が一般的である。その成形形状は様々であるが、近年、エネルギー密度向上するためにより深い成形、シャープな成形が要求されるようになっている。
特許第3567229号公報 特開2000−123800号公報 特開2011−096552号公報 特許第4380728号公報 特開2011−119269号公報 特開2011−138793号公報
成形して使用するラミネート包装材において問題になるのが、外側の耐熱性樹脂層とアルミニウム箔間の剥離である。ラミネート包装材は金属箔と内外の樹脂層とを貼り合わせる接着剤の改良が進み、成形後に剥離が発生することは少なくなってきている。
しかしながら、ラミネート包装材を成形して容器形状とし、電池要素を挿入して、ラミネート包装材の内側層であるポリオレフィンフィルム層同士をヒートシールして密封する際にヒートシール温度(約190℃)によって外側の耐熱性樹脂層と金属箔層とが剥離することがあった。
本発明は、上述した背景技術に鑑み、ヒートシールによる耐熱性樹脂層の剥離が耐熱性樹脂層と接着剤層との間で発生していることに着目し、耐熱性樹脂層と接着剤層との密着性を高める得る包装材の製造方法およびその関連技術を提供するものである。
即ち、本発明は、下記[1]〜[9]に記載の構成を有する。
[1]外側から、耐熱性樹脂層、第1接着剤層、金属箔層、第2接着剤層、熱融着性樹脂層がこの順に積層された成形用包装材を製造する工程において、
前記耐熱性樹脂層に第1接着剤層を構成する接着剤組成物を塗布し、該接着剤組成物を乾燥させた後に金属箔層と貼り合わせる工程を含むことを特徴とする成形用包装材の製造方法。
[2]前記金属箔層は少なくとも一方の面に化成皮膜を有する前項1に記載の成形用包装材の製造方法。
[3]前記熱融着性樹脂層がポリプロピレン系樹脂からなる前項1または2に記載の成形用包装材の製造方法。
[4]前記耐熱性樹脂層が2軸延伸ポリアミドフィルムまたは2軸延伸ポリエステルフィルムを含む前項1〜3のうちのいずれか1項に記載の成形用包装材の製造方法。
[5]前記耐熱性樹脂層が2軸延伸ポリアミドフィルムと2軸延伸ポリエステルフィルムとが貼り合わされたフィルムからなる前項4に記載の成形用包装材の製造方法。
[6]前記金属箔層はアルミニウム箔からなる前項1〜5のうちのいずれか1項に記載の成形用包装材の製造方法。
[7]前項1〜6のうちのいずれか1項に記載の方法で製造されたことを特徴とする成形用包装材。
[8]前項7に記載の成形用包装材を絞り成形または張り出し成形してなることを特徴とする成形ケース。
[9]電池ケースとして用いられる前項8に記載の成形ケース。
[1]に記載の発明では、耐熱性樹脂層と金属箔層とを貼り合わせる第1接着剤層を耐熱性樹脂層に接着剤組成物を塗布して形成するので、耐熱性樹脂層が接着剤組成物に含まれる溶剤によって膨潤して接着剤との馴染みが良くなり、その後の乾燥によってアンカー効果が得られる。このアンカー効果によって耐熱性樹脂層と第1接着剤層との間に高い密着性が得られ、深い成形を行ってもヒートシール時に耐熱性樹脂層が剥離することのない成形用包装材を製造できる。
[2]に記載の発明によれば、高耐食性の成形用包装材を製造できる。
[3]に記載の発明によれば、耐薬品性およびヒートシール性に優れた成形用包装材を製造できる。
[4]に記載の発明によれば、成形性および強度に優れた成形用包装材を製造できる。
[5]に記載の発明によれば、特に成形性および強度に優れた成形用包装材を製造できる。
[6]に記載の発明によれば、アルミニウム箔をバリア層として、上記の効果を奏する成形用包材を製造できる。
[7]に記載の発明によれば、成形用包装材において耐熱性樹脂層の剥離が抑制される。ひいては、深い成形が可能となる。
[8]に記載の発明によれば、深い成形が行われたものであっても、ヒートシール時に耐熱性樹脂層が剥離することのない成形ケースとなし得る。
[9]に記載の発明によれば、深い成形が行われたものであっても、ヒートシール時に耐熱性樹脂層が剥離することのない電池ケースとなし得る。
本発明の一実施形態にかかる成形用包装材の断面図である。 図1の成形用包装材を成形して作製した電池ケースの斜視図である。 図2Aの電池ケースに蓋体を組み合わせた状態を示す断面図である。 本発明の成形用包装材の製造工程を示す模式図である。 二液硬化型接着剤の架橋反応を示す説明図である。
[成形用包装材の構造]
図1に、本発明の一実施形態である成形用包装材(1)を示す。この成形用包装材(1)は、リチウムイオン2次電池ケース用包材として用いられるものである。即ち、前記成形用包装材(1)は、深絞り成形または張り出し成形等の成形に供されて図2Aの電池ケース(20)として用いられるものである。
成形用包装材(1)は、両面に化成皮膜(11a)(11b)が形成された金属箔層(4)の上面に第1接着剤層(5)を介して耐熱性樹脂層(外側層)(2)が積層一体化されるとともに、前記金属箔層(4)の下面に第2接着剤層(6)を介して熱融着性樹脂層(内側層)(3)が積層一体化されている。
前記電池ケース(2)は側壁(21a)および底壁(21b)からなる四角形凹状のケース本体(21)を有し、このケース本体(21)の開口周縁から外方にフランジ(22)が延出形成された立体形状のケースである。図2Bに示されているように、前記電池ケース(20)は、図示されない電池要素を装填し電極を引き出した状態で同じく成形用包装材(1)からなる蓋体(25)によって上面開口部を閉塞し、フランジ(22)と蓋体(25)の縁部(26)とがヒートシールされる。
[成形用包装材の製造方法]
深絞り成形等の成形により電池ケース(20)に成形された成形用包装材(1)は、外側層である耐熱性樹脂層(2)が内側層である熱融着性樹脂層(3)よりも伸ばされているため、耐熱性樹脂層(2)に熱融着性樹脂層(3)よりも強い収縮しようとする力が働いている。ヒートシール時に耐熱性樹脂層(2)と金属箔層(4)との間で発生する剥離は、耐熱性樹脂層(2)に強い収縮力が働いているためであると考えられる。また、成形前の包装材のラミネート強度が同程度であってもヒートシールの層間剥離にばらつきが生じることから、数値に表れにくい極僅かなラミネート強度差が層間剥離の発生に影響を及ぼしていると考えられる。
本発明は、上述した現状分析に鑑みて、耐熱性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)との密着性を高めることによってヒートシール時の耐熱性樹脂層(2)の剥離を抑制するようにしたものである。
樹脂層と金属箔層との貼り合わせにおいて、一方の層に液状の接着剤を塗布して乾燥させた後に他方の層を積層する方法は所謂ドライラミネート法と称されて従来より行われているが、本発明は、耐熱性樹脂層(2)と金属箔層(4)との貼り合わせに従来とは異なる条件を適用したドライラミネート法によって高い密着性を得ている。
以下に、図1〜3を参照しつつ、耐熱性樹脂層と金属箔層の貼り合わせ方法を含む成形用包装材の製造方法について詳述する。
なお、例示する成形用包装材(1)は図1に示す構造であり、金属箔層(4)は両面に化成皮膜(11a)(11b)を有している。
第1接着剤層(5)を構成する接着剤組成物(5a)は、接着剤成分に溶剤を加えて粘性が調節されて液状に調製されている。この接着剤組成物(5a)を耐熱性樹脂層(2)の一方の面にロール(31)にて塗布する。続いて、乾燥機(32)において塗布した接着剤組成物(5a)を乾燥させて溶剤を蒸発させ、耐熱性樹脂層(2)に第1接着剤層(5)を積層させ一次積層体(40)とする。一次積層体(40)の第1接着剤層(5)と金属箔層(4)と重ね合わせて圧着する。この工程により、耐熱性樹脂層(2)と金属箔層(4)とが第1接着剤層(5)によって貼り合わされた2次積層体(41)が作製される。
上記工程において、溶剤を含む接着剤組成物(5a)は耐熱性樹脂層(2)に濡れやすいので、耐熱性樹脂層(2)は溶剤によって瞬間的に膨潤して接着剤との馴染みが良くなり、その後の乾燥によってアンカー効果が得られる。このアンカー効果によって耐熱性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)との間に高い密着性が得られる。このようにして形成された2次積層体(41)における耐熱性樹脂層(2)と第1接着剤層(5)との密着性は、金属箔層(4)に第1接着剤層(5)を形成して耐熱性樹脂層(2)を貼り合わせて作製した積層体よりも高くなる。従って、耐熱性樹脂層(2)と金属箔層(4)とは第1接着剤層(5)を介して高い密着性で貼り合わされる。
なお、耐熱性樹脂層(2)に接着剤組成物(5a)を塗布した上で、金属箔層(4)にも塗布してもよい。
前記熱融着性樹脂層(3)と金属箔層(4)の貼り合わせ方法は限定されないが、耐熱性樹脂層(2)と金属箔層と(4)の貼り合わせと同じくドライラミネート法を推奨できる。接着剤組成物を塗布する層に限定はなく、熱融着性樹脂層(3)または金属箔層(4)、あるいは両方に塗布し、乾燥後に貼り合わせる。
また、金属箔層(4)に対して耐熱性樹脂層(2)および熱融着性樹脂層(3)を貼り合わせる順序も限定されない。例えば、耐熱性樹脂層(2)への第1接着剤層(5)の積層と熱融着性樹脂層(3)への第2接着剤層(6)の積層を同時進行させておき、これらを金属箔層(4)に逐次貼り合わせることによって図1の構造の成形用包装材を製造できる。また、図3に示すように、耐熱性樹脂層(2)と金属箔層(4)とを貼り合わせた2次積層体(41)を巻き取りロール(33)に巻き取り、別のラインで前記2次積層体(41)に熱融着性樹脂層(3)を貼り合わせることもできる。
なお、接着剤組成物の塗布手法は限定されず、グラビアコート法、リバースロールコート法、リップロールコート法等を例示できる。
[成形用包装材の構成材料]
以下に成形用包装材を構成する各層の材料について詳述する。
(耐熱性樹脂層)
外側層である耐熱性樹脂層(2)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、前記耐熱性樹脂層(2)としては、成形性および強度の点で、二軸延伸ポリアミドィルムまたは二軸延伸ポリエステルフィルム、あるいはこれらを含む複層フィルムが特に好ましく、さらに二軸延伸ポリアミドィルムと二軸延伸ポリエステルフィルムとが張り合わされた複層フィルムを用いることが好ましい。前記ポリアミドフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。また、二軸延伸ポリエステルフィルムとしては、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられる。
ヒートシール時の耐熱性樹脂層(2)の剥離を抑制するには、耐熱性樹脂層(2)表面の滑り性を向上させ、成形用金型との摺動性を高めることによって包装材の成形性を高めることによって、成形によって収縮力を低減することも有効である。具体的には、耐熱性樹脂層(2)の表面の動摩擦係数が0.5以下であることが好ましく、さらに0.3以下が好ましい。
耐熱性樹脂層(2)表面の動摩擦係数を下げる手段としては、耐熱性樹脂層(2)を滑剤および/または固体微粒子を含有する樹脂組成物で形成する方法がある。滑剤および固体微粒子を混合することにより、成形用金型との密着が防止されるとともに摺動性が高まるので、包装材の成形性が向上する。そして、成形時に発生する収縮力が低減して耐熱性樹脂層(2)の剥離を抑制できる。また、成形用包装材(1)の成形性が高まることによって、側壁の高い深いケースを成形することができる。
前記滑剤としては、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド等の脂肪酸アミドを推奨できる。これらの脂肪酸アミドは1種類または複数種を混合して使用できる。樹脂組成物中の脂肪酸アミドの含有率は500〜5000ppmの範囲が好ましい。滑剤含有率が500ppm未満では滑り性向上効果が少なく、ひいては成形性向上効果も少ない。一方、5000ppmを添加すれば十分な滑り性が得られるので、5000ppmを超える添加を必要としない。過剰量の滑剤添加は、耐熱性樹脂層(2)の機械強度低下の原因となるが、5000ppm以下であればそのような懸念はない。樹脂組成物中の好ましい滑剤含有率は800〜3000ppmであり、さらに好ましくは1000ppm〜2000ppmである。
前記固体微粒子は、耐熱性樹脂層(2)の表面に微細な凹凸を形成することによって滑り性を高めて動摩擦係数を下げる効果がある。前記固体微粒子としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリカを推奨できる。これらの固体微粒子は1種類または複数種を混合して使用できる。樹脂組成物中の固体微粒子含有率は0.05〜1質量%の範囲にすることが好ましく、0.1〜0.5質量%の範囲にすることがより好ましい。また、前記固体微粒子の平均粒径は、0.5μm〜10μmの範囲であることが好ましく、1〜5μmの範囲にすることがより好ましい。
前記耐熱性樹脂層(2)の厚さは、9μm〜50μmであるのが好ましい。前記好適下限値以上に設定することで包装材として十分な強度を確保できるとともに、前記好適上限値以下に設定することで成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
(熱融着性樹脂層)
内側層である熱融着性樹脂層(3)は、リチウムイオン二次電池等で用いられる腐食性の強い電解液などに対しても優れた耐薬品性を具備させるとともに、包材にヒートシール性を付与する役割を担うものである。
前記熱融着性樹脂層(3)としては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂未延伸フィルム層であるのが好ましい。前記熱可塑性樹脂未延伸フィルム層は、特に限定されるものではないが、耐薬品性およびヒートシール性の点で、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマーからなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる未延伸フィルムにより構成されるのが好ましい。
前記熱融着性樹脂層(3)もまた、表面の動摩擦係数が0.5以下、さらには0.3以下であることが好ましい。内側層である熱融着性樹脂層(3)は外側層である耐熱性樹脂層(2)のようなヒートシール時の剥離が問題となることはないが、表面の滑り性を高めることで包装材の成形性を向上させることができ、ひいては側壁の高い深いケースの成形が可能となる。
前記熱融着性樹脂層(3)表面の動摩擦係数を0.5以下とする手法は上述した耐熱性樹脂層(2)と同じく、滑剤および/または固体微粒子を含有する樹脂組成物で層を構成することである。滑剤および固体微粒子の種類および含有率も耐熱性樹脂層用樹脂組成物に準じる。
前記熱融着性樹脂層(3)の厚さは、20μm〜80μmに設定されるのが好ましい。20μm以上とすることでピンホールの発生を十分に防止できるとともに、80μm以下に設定することで樹脂使用量を低減できてコスト低減を図り得る。中でも、前記熱融着性樹脂層(3)厚さは30μm〜50μmに設定されるのが特に好ましい。なお、前記熱融着性樹脂層(3)は、単層であってもよいし、複層であってもよい。
(金属箔層)
前記金属箔層(4)は、成形用包装材(1)に酸素や水分の侵入を阻止するガスバリア性を付与する役割を担うものである。前記金属箔層(4)としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられ、アルミニウム箔が一般的に用いられる。前記金属箔層(4)の厚さは、20μm〜100μmであるのが好ましい。20μm以上であることで金属箔を製造する際の圧延時のピンホール発生を防止できるとともに、100μm以下であることで張り出し成形時や絞り成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることができる。
成形用包装材(1)の外側層および内側層は樹脂からなる層(2)(3)であり、これらの樹脂層には極微量ではあるが、ケースの外部からは光、酸素、液体が入り込むおそれがあり、内部からは内容物(電池の電解液、食品、医薬品等がしみ込むおそれがある。これらの侵入物が金属箔層(4)に到達すると金属箔層(4)の腐食原因となる。本発明の好ましい成形用包装材(1)の態様として、金属箔層(4)の表面に耐食性の高い化成皮膜(11a)(11b)を形成することを推奨する。
化成皮膜(11a)(11b)は金属箔表面に化成処理を施すことによって形成される皮膜であり、例えば、金属箔にクロメート処理、ジルコニウム化合物を用いたノンクロム型化成処理を施すことによって形成することができる。例えば、クロメート処理の場合は、脱脂処理を行った金属箔の表面に下記1)〜3)のいずれかの水溶液を塗工した後乾燥する。
1)リン酸、クロム酸およびフッ化物の金属塩の混合物からなる水溶液
2)リン酸、クロム酸、フッ化物金属塩および非金属塩の混合物からなる水溶液
3)アクリル系樹脂または/およびフェノール系樹脂と、リン酸と、クロム酸と、フッ化物金属塩との混合物からなる水溶液
前記化成皮膜(11)(12)はクロム付着量として0.1〜50mg/mが好ましく、特に2〜20mg/mが好ましい。かかる厚さまたはクロム付着量の化成皮膜によって高耐食性の成形用包装材となし得る。
なお、図1の成形用包装材(1)は金属箔層(4)の両面に化成皮膜(11a)(11b)を形成した例であるが、どちらか一方の面に化成皮膜を有する包装材も本発明に含まれる。
(第1接着剤層)
前記第1接着剤層(5)は、金属箔層(4)と外側層である耐熱性樹脂層(2)との接合を担う層であり、例えば、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂を含む接着剤を用いることが好ましい。前記二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂接着剤として、水を添加した水添加接着剤を用いることが好ましい。
以下に、前記水添加接着剤、およびこの接着剤を用いた耐熱性樹脂層(2)と金属箔層(4)の貼り合わせについて詳述する。
<水添加工程>
主剤としてのポリエステル樹脂と、硬化剤としての多官能イソシアネート化合物と、溶剤と、を含む二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂接着剤として、水を添加した水添加接着剤を調製する。この時、水添加接着剤における水の含有率が2500ppm〜15000ppmの範囲になるように水を添加する。
前記水添加接着剤を調製するに際し、配合順序としては、特に限定されるものではないが、例えば、次のような配合手順を採用することができる。
1)溶剤と水とを混合して撹拌することによって混合液を得た後に、該混合液に、ポリエステル樹脂(主剤)と多官能イソシアネート化合物(硬化剤)を同時に添加して撹拌することにより、水添加接着剤を得る。
2)溶剤と水とを混合して撹拌することによって第1混合液を得た後に、該第1混合液と、ポリエステル樹脂(主剤)とを混合して撹拌することによって第2混合液を得、次いで前記第2混合液と、多官能イソシアネート化合物(硬化剤)とを混合して撹拌することにより、水添加接着剤を得る。
3)溶剤と水とを混合して撹拌することによって第1混合液を得た後に、該第1混合液と、多官能イソシアネート化合物(硬化剤)とを混合して撹拌することによって第2混合液を得、次いで前記第2混合液と、ポリエステル樹脂(主剤)とを混合して撹拌することにより、水添加接着剤を得る。
4)溶剤と水とを混合して撹拌することによって第1混合液を得る一方、ポリエステル樹脂(主剤)と多官能イソシアネート化合物(硬化剤)とを混合して撹拌することによって第2混合液を得、該第1混合液と前記第2混合液とを混合して撹拌することにより、水添加接着剤を得る。
上記1)〜4)の配合手順のように、溶剤と水とを混合して撹拌することによって得た混合液に、他の成分(主剤、硬化剤)を混合するのが好ましく、この場合には、水を溶剤に均一に分散させた状態において水と硬化剤(多官能イソシアネート化合物)が混合されるので、水添加接着剤の使用可能時間(ポットライフ)をより延長させることができる利点がある。
これらの中でも、2)の配合手順を採用するのが好ましく、この場合には、他の3成分が混合された後に、硬化剤(多官能イソシアネート化合物)が混合されるので、水添加接着剤の使用可能時間(ポットライフ)をより一層延長させることができる。
前記水添加接着剤における水の含有率が2500ppm〜15000ppmの範囲になるように水を添加することが重要である。2500ppm未満では、得られた成形用包装材は、高温環境において耐熱性樹脂層2が剥離してしまう。また、15000ppmを超えると、水の含有率が多くなり過ぎて水添加接着剤に白濁を生じ、その結果、得られる成形用包装材1は、白濁や色むらが生じて外観不良となる。
中でも、前記水添加接着剤における水の含有率が4000ppm〜8000ppmの範囲になるように水を添加するのが好ましい。
前記水添加接着剤(ポリエステル樹脂と、多官能イソシアネート化合物と、溶剤と、水とを含む二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂接着剤)を構成するポリエステル樹脂(主剤)としては、ジカルボン酸およびジアルコールを原料とする共重合体(ポリエステルポリオール)等が挙げられる。本発明では、原料のジカルボン酸およびジアルコールの種類および組成を適宜選択することによって接着強度および成形性を高めて深い成形を行った時の層間剥離を抑制することができる。
前記ジカルボン酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸として、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等を例示できる。また、芳香族ジカルボン酸として、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を例示できる。これらのジカルボン酸を用いることにより、接着強度が高くかつ成形性の良い硬化樹脂(第1接着剤層(5))を生成し、成形性が良く側壁の高いケースへの成形が可能であり、かつ金属箔層(4)と耐熱性樹脂層(2)との層間剥離を防止できる成形用包装材となし得る。
前記ジアルコールとして、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等を例示できる。
前記ポリエステル樹脂としては、数平均分子量(Mn)が8000〜25000の範囲であり、重量平均分子量(Mw)が15000〜50000の範囲であり、且つこれらの比率(Mw/Mn)が1.3〜2.5であるポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。数平均分子量(Mn)が8000以上であり、重量平均分子量(Mw)が15000以上であることで、適性な塗膜強度と耐熱性が得られ、数平均分子量(Mn)が25000以下であり、重量平均分子量(Mw)が50000以下であることで、硬くなり過ぎずに適性な塗膜伸びが得られる。また、これらの比率(Mw/Mn)が1.3〜2.5であることで、接着剤塗布適性と接着性能のバランスを保つことができる。前記ポリエステル樹脂の特に好ましい数平均分子量(Mn)は10000〜23000であり、特に好ましい重量平均分子量(Mw)は20000〜40000であり、特に好ましい比率(Mw/Mn)は1.5〜2.3である。
前記ポリエステル樹脂の分子量は、多官能性であるイソシアネートで鎖伸長することで調整することができる。即ち、主剤中のポリエステル成分をNCOで連結すると末端が水酸基のポリマーが生成され、イソシアネート基とポリエステルの水酸基との当量比の調整によりポリエステル樹脂の分子量を調整することができる。本発明においては、これらの当量比(NCO/OH)が0.1〜10となるように連結したものを用いることが好ましい。また、他の分子量調整方法として、ジカルボン酸とジアルコールの共重合反応の反応条件(温度、時間、モノマー組成)の変更を挙げることができる。
更に、接着主剤(ポリエステル樹脂)の添加剤として、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂を添加しても良い。
前記水添加接着剤(二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂)を構成する多官能イソシアネート化合物(硬化剤)としては、例えば、芳香族系、脂肪族系、脂環族系等の各種多官能イソシアネート化合物を使用できる。具体例としては、脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、脂環族系のイソホロンジイソシアネート(IPDI)、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることもできる。なお、前記「多官能イソシアネート化合物」の語は、2官能以上のイソシアネート基を有している化合物を意味する。
前記水添加接着剤(二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂)において、主剤と硬化剤との配合割合は、ポリエステルポリオールの水酸基(OH)1モルに対してイソシアネート官能基(NCO)2〜25モルの割合で配合されていることが好ましい。これらのモル比(NCO)/(OH)が2未満でイソシアネート官能基(NCO)が少なくなると、十分な硬化反応が行われなくなる結果、十分な接着強度が得られなくなるおそれがある。一方、(NCO)/(OH)が25を超えてイソシアネート官能基(NCO)が多くなると、ポリオール以外の官能基との反応が進み過ぎて硬化塗膜(第1接着剤層5)が硬くなりすぎて適性な伸びが得られなくなるおそれがあるし、水添加接着剤のポットライフも短くなる。特に好ましいポリエステルポリオール水酸基とイソシアネート官能基のモル比(NCO)/(OH)は、3〜15である。
前記水添加接着剤を構成する溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル等のエステル系有機溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤、ジエチルエーテル等のエーテル系有機溶剤などが挙げられる。前記水添加接着剤における溶剤の含有率は、50質量%〜90質量%に設定するのが好ましい。50質量%以上とすることで接着剤の粘度を抑制することができて接着剤を平滑に塗布することができ、均一な接着剤層を形成できると共に、90質量%以下とすることで接着剤の固形分塗布量が十分になるので良好な接着強度を確保できる。中でも、前記水添加接着剤における溶剤の含有率は、60質量%〜80質量%に設定するのが特に好ましい。
前記水添加接着剤を用いて図3に参照されるドライラミネート法によって耐熱性樹脂層と金属箔とを貼り合わせる。
<接着剤塗布工程>
耐熱性樹脂層(2)の表面に、前記水添加工程で得られた水添加接着剤(ポリエステル樹脂と、多官能イソシアネート化合物と、溶剤と、水とを含む二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂接着剤)を塗布する。塗布手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、グラビアコート法、リバースロールコート法、リップロールコート法等が挙げられる。
後の乾燥工程、ラミネート工程等を経て得られる成形用包装材(1)における第1接着剤層(5)の厚さ(硬化後の厚さ)が、0.1μm〜10μmの範囲になるように、前記水添加接着剤の塗布量を調整するのが好ましい。
<乾燥工程>
次に、前記接着剤塗布工程で塗布した水添加接着剤を乾燥させる。この乾燥工程において、塗布された接着剤中の溶剤を蒸発(揮発)させる。乾燥手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱風加熱による乾燥、遠赤外線ヒーター加熱による乾燥等が挙げられる。
<ラミネート工程>
前記乾燥工程の後に、前記耐熱性樹脂層(2)と前記金属箔(10)とを前記水添加接着剤を介して貼り合わせることによって、積層体を得る。
前記水添加接着剤を耐熱性樹脂フィルムの一方の表面に塗布した場合には、この耐熱性樹脂層(2)の接着剤塗布面に金属箔(10)を重ね合わせて、耐熱性樹脂層(2)と金属箔(10)とを貼り合わせる。
(接着剤の架橋反応について)
図4は、水添加接着剤(ポリエステル樹脂と、多官能イソシアネート化合物と、溶剤と、水とを含む二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂接着剤)の架橋反応(硬化反応)を模式的に示したものである。
(P)は長鎖ポリエステルがジイソシアネートで鎖伸長されたNCO末端のプレポリマーである。このプレポリマー(P)の架橋反応においては架橋すると同時に分岐が生じるが、水が鎖伸長剤として反応に参加すると考えられ、水の存在によって鎖の分岐が促進される。硬化樹脂は、鎖の架橋密度が増大するほど引き締まった網状構造となり、強度および耐熱性に優れた硬化樹脂(第1接着剤層)が形成される。本発明では、二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂接着剤として、水を添加してなる水添加接着剤を使用し、且つ水添加接着剤における水の含有率を2500ppm〜15000ppmの範囲に設定することにより、鎖の分岐を促進して架橋密度の高い硬化樹脂(第1接着剤層)を形成する。架橋密度の高い硬化樹脂(第1接着剤層)は強度および耐熱性が優れているので、かかる層で接合された耐熱性樹脂フィルムと金属箔とは接着強度が高く、層間剥離が防止される。また、このような接着層を有する成形用包装材は、深い成形や過酷な環境下での使用に対しても剥離し難いものとなる。
(第2接着剤層)
前記第2接着剤層(6)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤等により形成された接着剤層が挙げられる。中でも、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤を用いるのが好ましく、この場合には、包装材1の耐電解液性および水蒸気バリア性を向上させることができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに限定されるものではない。
図1に示した積層構造の成形用包装材(1)を作製した。
〈実施例1〉
耐熱性樹脂層(2)として、ポリアミドに平均粒径2μmのシリカを500ppm含有させた樹脂組成物を厚さ25μmに形成した二軸延伸ポリアミドフィルムを使用した。
金属箔層(4)として、A8079からなる厚さ40μmのアルミニウム箔の両面に、ポリアクリル酸、三価クロム化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布し、150℃で乾燥を行って化成皮膜(11a)(11b)を形成して用いた。この化成皮膜(11a)(11b)によるクロム付着量は片面につき5mg/mである。
熱融着性樹脂層(3)として、エチレン含量が4%のランダムポリプロピレンに平均粒径2μmのアクリルビーズを2000ppm、およびエルカ酸アミドを1500ppmを含有させた樹脂組成物を厚さ40μmに形成したポリプロピレン系樹脂フィルムを使用した。
第1接着剤層(5)として、主剤としてのポリエステル樹脂と、硬化剤としての多官能イソシアネート化合物と、溶剤と、を含む二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂接着剤に水を添加した水添加接着剤を用いた。前記ポリエステル樹脂はジカルボン酸としてのイソフタル酸70モル%、アゼライン酸30モル%とジアルコールとしてのエチレングリコール20モル%、ヘキサンジオール45モル%、ネオペンチルグリコール35モル%とを1:1の等モル量(割合)で反応させて得られてた重合体(Mn:14000、Mw:35000)であり、多官能イソシアネート化合物は、トリレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンとのアダクト体(NCO含有率13%、固形分75質量%)であり、溶剤は酢酸エチルである。塗布用の接着剤組成物は、主剤(ポリエステル樹脂)と硬化剤(多官能イソシアネート化合物)とをポリエステルポリオールの水酸基(OH)1モルに対してイソシアネート官能基(NCO)9モルの割合で混合し、さらに溶剤含有率が70質量%、水含粒率が 3000ppmとなるように調製したものである。
第2接着剤層(6)は、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(融点80℃、水酸基価13mg/KOH)15質量部に、有機溶剤(メチルシクロヘキサン:メチルエチルケトン=8:2(質量比)の混合溶媒)85質量部に溶解させた溶液に対し、ヘキサンメチレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンとのアダクト体を1.5重量部、有機溶剤(メチルシクロヘキサン:メチルエチルケトン=8:2(質量比)の混合溶媒)30質量部を添加した二液硬化型ポリオレフィン系接着剤を使用した。
図3に参照されるように、前記耐熱性樹脂層(2)の一方の面に、第1接着剤層(5)形成用の水添加接着剤(5a)を塗布し、乾燥させて一次積層体(40)とした。続いて、前記一次積層体(40)第1接着剤層(5)側の面に化成皮膜(11a)(11b)を有する金属箔層(4)を重ねて圧着し、二次積層体(41)とした。
一方で前記熱融着性樹脂層(3)に第2接着剤層(6)用の接着剤組成物を塗布して乾燥させ、第2接着剤層(6)に上記の二次積層体(41)の金属箔層(4)を重ねて圧着させて、図1の層構造に形成した。さらに、得られた積層体を50℃で7日間放置して、第1接着剤層(5)および第2接着剤層(6)を硬化させて成形用包装材(1)を得た。硬化後の第1接着剤層(5)の厚さは4μmであり、第2接着剤層(6)の厚さは2.5μmであった。
〈実施例2〉
耐熱性樹脂層(2)として、二軸延伸ポリエステルフィルムと延伸ポリアミドフィルムとを実施例1で使用した第1接着剤層と同じ二液硬化型ポリエステルウレタン接着剤で貼り合わせた厚さ31μmの複層フィルム(ポリエステルフィルム/ポリアミドフィルムの厚さが12μm/25μm)を用い、ポリアミドフィルム側の面を金属箔層(4)との貼り合わせ面とした。
熱融着性樹脂層(3)として、エチレン含量が5%のランダムポリプロピレンに平均粒径2μmのシリカを2000ppm、およびエルカ酸アミドを1000ppmを含有させた樹脂組成物を厚さ40μmに成形したポリプロピレン系樹脂フィルムを使用した。
上記の材料以外は実施例1と同じ材料および工程で成形用包装材(1)を作製した。
〈比較例1〉
熱融着性樹脂層(3)として、エチレン含量が4%のランダムポリプロピレンからなる、厚さ40μmのポリプロピレン系樹脂フィルムを用いた。その他の材料は実施例1と同じである。
そして、第1接着剤層(5)用の樹脂組成物を金属箔層(4)に塗布して金属箔層(4)と第1接着剤層(5)を積層させた後に耐熱性樹脂層(2)を貼り合わせたことを以外は実施例1と同じ工程で成形用包装材(1)を作製した。
〈比較例2〉
実施例1と同じ材料を用い、第1接着剤層(5)用の樹脂組成物を金属箔層(4)に塗布して金属箔層(4)と第1接着剤層(5)を積層させた後に耐熱性樹脂層(2)を貼り合わせたことを以外は実施例1と同じ工程で成形用包装材(1)を作製した。
作製した各成形用包装材について下記の方法で評価し、その結果を表1に示す。
〈表面の動摩擦係数〉
JIS K7125に準じた方法により、耐熱性樹脂層(2)の表面および熱融着性樹脂層(3)の表面の動摩擦係数を測定した。
〈ヒートシール試験〉
作製した成形用包装材(1)を120mm×80mmに切断して成形用素材とした。ダイス肩R:1mmのダイスと、長辺53mm×短辺33mm、コーナーR:2mm、肩R:1.5mmのポンチとからなる成形高さフリーのストレート金型を用い、内側の熱融着性樹脂層(3)パンチと接触させる態様で張り出し一段成形を行い、側壁(21a)の高さ(成形深さ)が5mmの電池ケース(20)を作製した(図2A参照)。また、同じ成形用包装材を電池ケース(20)と同寸の長方形に切断して蓋体(25)とした。
図2Bに参照されるように、電池ケース(20)と蓋体(25)とを熱融着性樹脂層(3)同士が接触する方向に組み合わせ、フランジ(22)を190℃に加熱した幅5mmのシートシールバーを用い、0.1MPaの圧力を付与してヒートシールした。
上記のヒートシール試験を各例につき20組の電池ケース(20)と蓋体(25)に対して行い、ヒートシール後の電池ケース(20)について発生した耐熱性樹脂層の剥離状態をマイクロスコープで観察し、剥離部分の面積を測定した。観察した剥離部分の合計面積をその電池ケースの剥離面積とした。表1に、20サンプルにおける剥離面積の最小値および最大値を示す。また、20サンプルの剥離面積の平均値を求めた。
そして、剥離面積の平均値が10mm未満を「○」、10mm以上15mm未満を「△」、15mm以上を「×」と判定した。
Figure 0006347613
表1より、耐熱性樹脂層に接着剤を塗布して金属箔層と貼り合わせることによりヒートシールによる耐熱性樹脂層の剥離を低減できることを確認した。
本発明に係る成形用包装材は、ノートパソコン用、携帯電話用、車載用、定置型のリチウムイオンポリマー二次電池等の電池のケースとして好適に用いられ、これ以外にも、食品の包装材、医薬品の包装材として好適であるが、特にこれらの用途に限定されるものではない。中でも、電池ケース用として特に好適である。
1…成形用包装材
2…耐熱性樹脂層
3…融着性樹脂層
4…金属箔層
5…第1接着剤層
5a…接着剤組成物
6…第2接着剤層
11a、11b…化成皮膜
20…電池ケース(成形ケース)

Claims (6)

  1. 外側から、耐熱性樹脂層、第1接着剤層、金属箔層、第2接着剤層、熱融着性樹脂層がこの順に積層された成形用包装材を製造する工程において、
    前記耐熱性樹脂層に第1接着剤層を構成する接着剤組成物を塗布し、該接着剤組成物を乾燥させた後に金属箔層と貼り合わせる工程を含み、
    前記第1接着剤層の接着剤組成物が、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステルウレタン樹脂を含み、さらに2500ppm〜15000ppmの水を含んでいることを特徴とする成形用包装材の製造方法。
  2. 前記金属箔層は少なくとも一方の面に化成皮膜を有する請求項1に記載の成形用包装材の製造方法。
  3. 前記熱融着性樹脂層がポリプロピレン系樹脂からなる請求項1または2に記載の成形用包装材の製造方法。
  4. 前記耐熱性樹脂層が2軸延伸ポリアミドフィルムまたは2軸延伸ポリエステルフィルムを含む請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の成形用包装材の製造方法。
  5. 前記耐熱性樹脂層が2軸延伸ポリアミドフィルムと2軸延伸ポリエステルフィルムとが貼り合わされたフィルムからなる請求項4に記載の成形用包装材の製造方法。
  6. 前記金属箔層はアルミニウム箔からなる請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の成形用包装材の製造方法。
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