JP6347554B2 - 合成開口処理を伴うセンサ、そのセンサの処理方法、および、プログラム - Google Patents

合成開口処理を伴うセンサ、そのセンサの処理方法、および、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、合成開口処理を伴うセンサ、そのセンサの処理方法、および、プログラムに関する。
人工衛星、飛行機等の飛翔体に搭載され、地形観測等を行うレーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このレーダ装置は、電磁波を送信し、目標物からの反射電磁波を受信し、送信電磁波および受信された反射電磁波との物理的関係に基づいて合成開口処理などにより、目標物のSAR(Synthetic Aperture Radar)画像等を生成する。
また、地表に固定された装置により、異なる時間に取得されたSAR画像から物体の形状や位置、それらの変化などを推定する地上設置型レーダ装置が知られている。
特開平5−288843号公報
ところで、異なる時間に取得された複数のSAR画像の位相差から、目標物としての物体の変位を推定する場合、大気状態の変動などの影響により測定精度が低下する場合がある。
このため、大気状態などによる影響を容易に補正することができる合成開口処理を伴うセンサと信号処理手法が望まれている。
また、例えば、大気状態の変動などの影響を補正する際に、複数回のスキャン(複数回の走査)により、異なる時間に観測して得られた多数のSAR画像を準備し、その多数のSAR画像内で、変動の小さい安定した点(画素)を探し、その安定した点を基に補正を行う装置ならびに処理手法では、長時間に亘る複数の計測データを利用して、多数のSAR画像を取得することを要し、この多数のSAR画像を得るために時間が掛かる、またデータの即時性がない、などの問題がある。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、合成開口処理を伴うセンサならびに信号処理手法(処理方法)であって、簡単な構成で、短時間に、単一のSAR画像内で、画素値の変動の小さい安定した点(画素)を容易に抽出すること、高精度に大気補正処理を施したSAR画像を生成すること、そのセンサの処理方法を提供すること、および、プログラムを提供すること、などを目的とする。
本発明の合成開口処理を伴うセンサは、測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、又は音波を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、該反射散乱体の形状、変位の少なくとも一方を測定する合成開口処理を伴うセンサであって、アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部と、前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから、前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、第2の計測データを生成する、又は、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成するリサンプル処理部と、前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成するSAR処理部と、前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する干渉画像生成部と、前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS:Coherent Scatterer)を抽出する抽出部と、を有することを特徴とする。
本発明のセンサの処理方法は、測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、又は波を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、該反射散乱体の形状、変位の少なくとも一方を測定する合成開口処理を伴うセンサの処理方法であって、前記センサは、アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部を有し、前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、第2の計測データを生成する、又は、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成する第1のステップと、前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成する第2のステップと、前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する第3のステップと、前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS)を抽出する第4のステップと、を有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、コンピュータを、測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、又は波を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、前記アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部、前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、第2の計測データを生成する、又は、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成するリサンプル処理部、前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成するSAR処理部、前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する干渉画像生成部、前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS)を抽出する抽出部、として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で、短時間に、一回の測定で取得したSAR画像内で変動の小さい安定した点(画素)を容易に抽出することが可能な合成開口処理を伴うセンサを提供することができる。
また、本発明によれば、簡単な構成で、高精度に大気補正処理を施したSAR画像を生成することが可能な合成開口処理を伴うセンサを提供することができる。
また、本発明によれば、上記本発明に係る合成開口処理を伴うセンサの信号処理方法(処理方法)を提供することができる。
また、本発明によれば、コンピュータに、上記本発明に係る合成開口処理を伴うセンサの機能を実現することができるプログラムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサの一例を示す全体構成図。 本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサの制御部の一例を示す機能ブロック図。 本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサの大気補正用CS処理部の一例を示す機能ブロック図。 本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサの動作の一例を示すフローチャート。 リサンプリング処理の動作の一例を示す図、(a)は所定数ごとのリサンプリング処理の一例を示す図、(b)はランダムなリサンプリング処理の一例を示す図。 大気によるSAR画像の位相への影響の一例を説明するための図。 大気によるSAR画像の位相への影響の一例を説明するための図、(a)は温度の時間変化の一例を示す図、(b)は湿度の時間変化の一例を示す図、(c)は算出した位相の時間変化の一例を示す図。 SAR画像の一例を示す図、(a)は大気補正なしのすべての受信データにより生成したSAR画像の一例を示す図であり、(b)はリサンプリング処理およびSAR処理により生成されたSAR画像(サブ画像Sa1)の一例を示す図、(c)は残りのデータを基にリサンプリング処理およびSAR処理により生成されたSAR画像(サブ画像Sa2)の一例を示す図、(d)はコヒーレンス画像(干渉画像)の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサの効果の一例を示す図、(a)は1スキャンでの全ての受信データにより生成したSAR画像の一例を示す図、(b)は本発明の一実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサのリサンプリング処理、SAR処理、複素コヒーレント処理によるコヒーレント画像(干渉画像)の一例を示す図、(c)は(b)で得られた複素コヒーレント画像で値閾値以下のピクセルを取り除いた一例を示す図。 大気補正処理の一例を説明するための図、(a)は本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサにより算出された干渉点CSにおける位相差をプロットして、大気補正処理に関する係数を算出する動作の一例を示す図、(b)は大気補正された干渉点CSにおける位相差の一例を示す図、(c)は比較例による傾きの算出方法の一例を示す図、(d)は比較例による大気補正後の干渉点CSにおける位相差の一例を示す図。 本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサの効果の一例を説明するための図、(a)は大気補正前の位相差画像の一例を示す図、(b)は本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサによる位相差画像の一例を示す図、(c)は第1比較例に係る位相差画像の一例を示す図。 三面反射鏡の推定変位の一例を示す図。
本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサの一例を、図面を参照しながら説明する。
<全体構成図>
図1は、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100の一例を示す全体構成図である。
合成開口処理を伴うセンサ100は、測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナ(アンテナ部10)により、電波や音波等を照射し、反射散乱体Sで反射した反射波をアンテナ(アンテナ部10)で受信し、受信データに基づいて、その反射散乱体Sの形状、変位等を測定する。
本実施形態では、SAR画像(Synthetic Aperture Radar)から物体の範囲、形状、位置などを算出する地表設置型合成開口レーダ装置(GB−SAR)に、本発明に係る合成開口処理を伴うセンサ100を適用した例を説明する。
図1に示したように、合成開口処理を伴うセンサ100は、アンテナ部10と、アンテナ駆動制御部16と、送受信部20と、制御装置30と、などを有する。
アンテナ部10は、測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動可能に構成されている。アンテナ部10は、電波、音波等を照射し、反射散乱体Sで反射した反射波を受信可能に構成されている。
詳細には、アンテナ部10は、送信アンテナ11と、受信アンテナ12と、移動ステージ13と、ガイドレール部14と、駆動モータ15と、などを有する。
送信アンテナ11は、電波や音波等を反射散乱体Sに照射可能に構成されている。
受信アンテナ12は、反射散乱体Sで反射した反射波を受信可能に構成されている。
本実施形態では、送信アンテナ11および受信アンテナ12はホーン型に形成されている。
移動ステージ13(可動部材)は、ガイドレール部14に沿って移動自在に構成されており、移動ステージ13には送信アンテナ11、および、受信アンテナ12が固定されている。
ガイドレール部14は、各アンテナを備えた移動ステージ13の移動経路に沿って配置されている。図1に示した例では、ガイドレール部14は、長手方向が水平に配置され、ガイドレール上の移動ステージ13が水平方向に移動自在となるように、
駆動モータ15は、ガイドレール部14および/または移動ステージ13に設けられ、制御装置30およびアンテナ駆動制御部16の制御により、移動ステージ13をガイドレール部14に沿って移動可能に構成されている。
アンテナ駆動制御部16は、駆動モータ15に接続され、制御装置30の制御により、駆動モータ15に駆動信号を出力することで、駆動モータ15を駆動する。アンテナ駆動制御部16は、制御装置30の制御により駆動モータ15を駆動することで、各アンテナ11,12を、適宜、連続移動可能に所定位置に移動、または、所定位置に移動させて所定位置で固定させることができる。
また、アンテナ駆動制御部16は、駆動モータ15の制御時に、アンテナの位置情報を含む信号を制御装置30に送信するように構成されていてもよい。
尚、アンテナ位置を検出する位置検出センサを、移動ステージ13またはガイドレール部14に設け、その位置検出センサが、アンテナ位置情報を含む信号を制御装置30に送信するように構成されていてもよい。
送受信部20は、制御装置30の制御により、送信アンテナ11から高周波の電磁波を放射させる。また、送受信部20は、受信アンテナ12で反射散乱体Sからの反射波などを受信した場合、その受信した信号に応じた受信データを生成して制御装置30に出力する。
本実施形態では、送受信部20としては、ベクトルネットワークアナライザ(VNA)などを採用することができる。このベクトルネットワークアナライザは、アンテナを含む高周波回路の通過電力および反射電力の周波数特性を測定可能であり、アンテナの電力の強度と位相を同時に測定可能に構成されている。
<制御装置30>
制御装置30は、アンテナ部10、アンテナ駆動制御部16、送受信部20などを統括的に制御する。
制御装置30は、制御部31(CPU)と、インタフェース32(I/F)と、記憶部33と、表示部34と、入力部35と、計時部36と、などを有する。制御部31、インタフェース32、記憶部33、表示部34、入力部35、および、計時部36は、通信路37(バス)によりデータ通信可能に接続されている。
制御部31は、制御装置30の各構成要素やアンテナ部10、アンテナ駆動制御部16、送受信部20などを統括的に制御することで、本発明に係る機能を実現する。
インタフェース32(I/F)には、アンテナ駆動制御部16、送受信部20などが接続されている。
記憶部33は、RAM、ROM、大容量記憶装置などの記憶装置で構成されており、本発明の機能を実現するためのプログラム(PRG)、アンテナ部10で受信した受信データなどを記憶している。記憶部33は、制御部31(CPU)の作業用領域として用いられる。制御部31は、記憶部33に記憶されているデータを必要に応じて読み出す。また、制御部31は、必要に応じて記憶部33に所定のデータを書き込む。
また、記憶部33は、アンテナの移動範囲内で、そのアンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した反射波に対応した複数の受信データを記憶する。
表示部34は、制御部31の制御により、本発明に係る画像、例えば、SAR画像、干渉画像(コヒーレント画像)、情報などを表示する。
入力部35は、キーボード、タッチパネル、マウス、などの操作入力装置であり、操作者の操作に応じた信号を制御部31に出力する。
計時部36は、時刻を計時する計時回路で構成され、時刻情報などの計時情報を制御部31に出力する。制御部31は、時刻情報などの計時情報に基づいて、送受信、モータ駆動などの本発明に係る所定の処理を行う。
<機能ブロック>
図2は、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100の制御部31の機能ブロック図である。
制御部31は、プログラム(PRG)を実行することにより、図2に示したように、本発明に係る機能を、コンピュータとしての制御装置30または合成開口処理を行うセンサ100に実現する。
詳細には、制御部31は、SAR処理部311と、補正用CS処理部312と、補正処理部313と、などを有する。
アンテナ部10で反射散乱体Sからの反射波(電波など)を受信した場合、受信信号に応じた受信データが記憶部33に記憶される。
また、記憶部33には、受信データ、アンテナ駆動制御部16から出力されたアンテナ位置情報、時刻情報(計時情報)、などが関連付けられて記憶されている。
SAR処理部311は、記憶部33に記憶された受信データにSAR(Synthetic Aperture Radar)処理を行い、SAR画像を生成する。SAR処理は、SAR生データ(受信データ)に対して、FFT演算、複素乗算、逆FFT演算、などの所定のアルゴリズムを用いて、レンジ圧縮処理、アジマス圧縮処理、レンジマイグレーション補正処理などの所定の処理を行うことで、SAR画像を生成する。尚、このSAR処理は、公知技術であるので詳細な説明を省略する。
補正用CS処理部312は、記憶部33に記憶された受信データに基づいて、SAR画像の画素のうち、位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS:Coherent Scatterer)を抽出し、その抽出された干渉点CSに基づいて大気補正用のCSを生成して、補正処理部313に出力する。
補正処理部313は、大気補正用干渉点(大気補正用CS)に基づいて、複数の反射波に対応した複数の受信データに応じて生成したSAR画像に、大気補正処理を施す。
また、補正処理部313は、大気補正処理により補正された画像(3次元画像や2次元画像など)を出力する。制御部31は、補正された画像を表示部34に表示させる処理を行う。
<補正用CS処理部312>
図3は、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100の補正用CS処理部312の機能ブロック図である。
本実施形態では、補正用CS処理部312は、リサンプル処理部321と、SAR処理部322と、複素コヒーレンス処理部323(干渉画像生成部)と、閾値決定部324と、CS抽出部325と、大気補正用CS生成部326と、などを有する。
尚、補正用CS処理部312は、リサンプル処理部331と、SAR処理部332と、複素コヒーレンス処理部333と、閾値決定部334と、CS抽出部335と、を有するが、各処理部331〜335は、上記各処理部321〜325により兼用してもよく、この場合には省略することができる。
リサンプル処理部321は、反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、又は、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成する。
SAR処理部322は、第1の計測データ、および、第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像(サブ画像Sa1)及び第2の複素SAR画像(サブ画像Sa2)を生成する。
複素コヒーレンス処理部323(干渉画像生成部)は、第1の複素SAR画像(サブ画像Sa1)と第2の複素SAR画像(サブ画像Sa2)との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する。
詳細には、複素コヒーレンス(複素相関)γは、例えば数式(1)に示したように算出される。詳細には、分子は、第1の複素SAR画像(サブ画像Sa1)中の注目画素を含む局所領域の画素値S1(振幅情報および位相情報を含む)と、第2の複素SAR画像(サブ画像Sa2)中の注目画素を含む局所領域の画素値S2 *の積のアンサンブル平均である。*は複素共役を示す。
分母は、第1の複素SAR画像(サブ画像Sa1)中の注目画素を含む局所領域の画素値S1の絶対値の2乗のアンサンブル平均と、第2の複素SAR画像(サブ画像Sa2)中の注目画素を含む局所領域の画素値S2の絶対値の2乗のアンサンブル平均との積に平方根演算を施した値である。
複素コヒーレンス処理部323は、数式(1)に示した複素コヒーレンス演算を、注目画素を含む局所領域の各画素に施すことにより干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する。
注目画素の複素コヒーレンスγは、2つの画像間で、注目画素を含む局所領域の変化が小さいほど、大きく「1」に近い値となり、変化が大きい場合、「0」に近い値となることが知られている。
Figure 0006347554
閾値決定部324は、例えば、干渉画像(コヒーレンス画像)の各画素に基づいて、CS検出に用いられる閾値を決定する。詳細には、干渉画像中の干渉点CSの個数が所定個数となるように閾値を設定してもよいし、干渉画像の各画素の画素値の分布に基づいて設定してもよい。
CS抽出部325は、干渉画像に基づいて、少なくとも位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(干渉散乱点:CS)を抽出する。詳細には、CS抽出部325は、規定した閾値(例えば、0.99など)以上の画素値の画素を、干渉点(干渉散乱点:CS)として抽出する。
処理部331〜335それぞれは、上記各処理部321〜325それぞれと略同じ機能を有するので、説明を省略する。
大気補正用CS生成部326(大気補正用干渉点生成部)は、CS抽出部325で生成された複数の第1のCS(第1の走査による第1の受信データに基づいて生成された複数の第1の干渉点CSと、CS抽出部335で生成された第2の干渉点CS(第1の走査時と異なる時間に走査された、第2の走査による第2の受信データに基づいて生成された複数の第2の干渉点と、に基づいて大気補正用のCSを生成する。複数の第1の干渉点CSを第1の干渉点CS群ともいう。複数の第2の干渉点CSを第2の干渉点CS群ともいう。
詳細には、大気補正用CS生成部326は、複数の第1の干渉点CSと複数の第2の干渉点CSから、共通の干渉点CSを抽出し、その共通の干渉点CSを大気補正用干渉点CSとする。
そして、図2に示したように、制御部31の補正処理部313は、大気補正用CS生成部326(大気補正用干渉点生成部)により生成された大気補正用CSに基づいて、受信データに基づいて生成されたSAR画像に対いて大気補正処理を行い、補正されたSAR画像などを出力する。
<合成開口処理を伴うセンサ100の動作の一例>
図4は、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100の動作の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、例えば、中心周波数17.2GHzで150MHzのバンド幅の電磁波を送信アンテナ11から反射散乱体Sに照射して、反射波を受信アンテナ12により受信する。送信アンテナ11および受信アンテナ12のスキャンスピードは、例えば、4分間で2m程度であり、5mmごとにデータ収集を行う。以下、図4を参照しながら、本発明の一実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100の動作の一例を説明する。
ステップST10において、制御部31は、アンテナ部10による送受信処理を行う。詳細には、制御部31は、アンテナ部10、送受信部20、アンテナ駆動制御部16を制御することで、測定対象である反射散乱体Sに対して相対的に移動する送信アンテナ11により、電波、音波等を照射する。また、制御部31は、反射散乱体Sで反射した反射波を受信アンテナ12で受信し、その受信信号に応じた受信データを記憶部33に記憶させる。
図5は、リサンプリング処理の動作の一例を示す図である。図5(a)は所定数ごとのリサンプリング処理の一例を示す図であり、図5(b)はランダムなリサンプリング処理の一例を示す図である。
ステップST11において、データのリサンプル処理を行う。詳細には、制御部31のリサンプル処理部321は、反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、複数の受信データから、直接、又は、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成する。この際、リサンプル処理部321は、第1の計測データ中の受信データの個数と、第2の計測データ中の受信データの個数が、略同じとなるようにリサンプリングを行う。
詳細には、例えば、図5(a)に示したように、1スキャン(走査)により、401個の測定点(データ取得位置)で計測した場合、奇数番目(1,3,5,・・・,401)の測定点(O印)それぞれで得られた複数の受信データと、偶数番目(2,4,6,・・・,400)の測定点(X印)それぞれで得られた複数の受信データとに分割する、リサンプリング処理を行う。
これにより、データ取得位置(測定点)の奇数番目(1,3,5,・・・,401)の受信データにより第1の計測データを生成し、データ取得位置(測定点)の偶数番目(2,4,6,・・・,400)の受信データにより第2の計測データを生成する。
また、図5(b)に示したように、ランダムにリサンプリングを行ってもよい。詳細には、所定数毎リサンプルを行うのではなく、規定範囲内のランダムな数ごとにリサンプルを行う。ランダムにリサンプリングにより第1及び第2の計測データを生成する場合であっても、第1の計測データ中の受信データの個数と、第2の計測データ中の受信データの個数が、略同じとなるようにリサンプリングを行う。
ステップST13において、SAR処理を行う。詳細には、制御部31のSAR処理部322は、第1の計測データ、および、第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像(サブ画像Sa1)及び第2の複素SAR画像(サブ画像Sa2)を生成する。
ステップST15において、複素コヒーレンス算出処理を行う。詳細には、制御部31の干渉画像生成部(複素コヒーレンス処理部323)は、第1の複素SAR画像(サブ画像Sa1)と第2の複素SAR画像(サブ画像Sa2)との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する。
ステップST17において、閾値を設定する。詳細には、制御部31の閾値決定部324は、例えば、干渉画像(コヒーレンス画像)の各画素に基づいて、CS検出に用いられる閾値を決定する。
ステップST19において、CS抽出処理を行う。詳細には、制御部31のCS抽出部325は、干渉画像(コヒーレンス画像)に基づいて、少なくとも位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS:Coherent Scatterer)を抽出する。
上述したように、注目画素の複素コヒーレンスγは、2つの画像間で、注目画素を含む局所領域の変化が小さいほど、大きく「1」に近い値となり、変化が大きい場合、「0」に近い値となる。このため、CS抽出部325は、閾値として、0.99など1に近い値に設定され、それ以上の複素コヒーレンスγを示す画素をCSとして抽出する。
尚、閾値として、下限値0.997、上限値0.99995などのように、上限値及び下限値を設けてその範囲内の画素をCSとして抽出することで、干渉度の低い地点および処理によって発生した異常に高い干渉を示す点を除去することができる。
上述したように、制御部31は、ステップST11〜ステップST19の処理により、第1のスキャン(第1の走査)により取得された第1の受信データに基づいて第1の干渉点(CS)を生成する。
同様に、制御部31は、アンテナ(送信アンテナ11および受信アンテナ12)の移動範囲内で、第1の走査と走査時間の異なる第2の走査により取得された第2の受信データに基づいて、ステップST21〜ステップST29の処理により、第2の干渉点(CS)を生成する。ステップST21〜ステップST29の処理は、ステップST11〜ステップST19の処理と略同様であるので、説明を省略する。
ステップST31において、大気補正用のCS生成処理を行う。詳細には、制御部31の大気補正用CS生成部326(大気補正用干渉点生成部)は、ステップST11〜ステップST19の処理により生成された第1の干渉点(干渉散乱点:CS)、および、ステップST21〜ステップST29の処理により生成された第2の干渉点(干渉散乱点:CS)とに基づいて、アンテナ(送信アンテナ11、受信アンテナ12)と反射散乱体Sとの間の大気の屈折率の揺らぎを補正するための大気補正用干渉点(大気補正用CS)を生成する。
詳細には、大気補正用CS生成部326(大気補正用干渉点生成部)は、複数の第1の干渉点CSと、複数の第2の干渉点CSとが得られた場合、共通の干渉点CSを、大気補正用干渉点(大気補正用CS)とする。
そして、図2に示したように、制御部31の補正処理部313は、補正用CS処理部312により生成された大気補正用CSに基づいて、受信データやSAR画像に対して大気補正処理を行う。こうすることで、制御部31は、大気による屈折率の揺らぎなどを考慮して大気補正を施したSAR画像を容易に生成することができる。補正処理部313の詳細な動作は後述する。
<大気による影響>
次に、大気による屈折率の揺らぎ(変化)による電磁波の位相への影響に関して説明する。
図6は、大気によるSAR画像の位相への影響の一例を説明するための図である。
合成開口処理を伴うセンサ100は、例えば、大気を介して、周波数17.2GHz程度の電磁波を送信アンテナ11から観測対象体である反射散乱体Sに照射し、反射散乱体Sにより後方散乱された電波を受信アンテナ12で受信し、その受信信号に基づいて、SAR画像を生成する。
図6に示したように、電磁波がr方向に進む場合、位置rと位置r+drとの間の位相差dψは、電磁波の周波数fc〔Hz〕、電磁波の速度c〔m/sec〕、大気の屈折率n(r,t)、波数kを用いて、数式(2)により示される。
Figure 0006347554
例えば、大気中の位置によらず、気圧が均一であり、温度、湿度が均一であるとした場合、空気中を伝搬している電磁波の位相は、数式(3)に示すことができる。すなわち、数式(4)に示したように、位相差Δψは、距離rに関して比例する関係がある。つまり、位相差のずれは、且つ、時間t1と時間t2の間の屈折率の変化α(数式5)と、アンテナと反射散乱との間の距離(詳細には往復距離r)により規定される。この場合、SAR画像内で屈折率が均一であるとする。
Figure 0006347554
Figure 0006347554
Figure 0006347554
図7は、大気によるSAR画像の位相への影響の一例を説明するための図である。詳細には、図7(a)は温度の時間変化の一例を示す図であり、図7(b)は湿度の時間変化の一例を示す図、図7(c)は算出した位相の時間変化の一例を示す図である。図7(a)の縦軸に温度を示し、図7(b)の縦軸に湿度を示し、図7(c)に位相のずれの推定値を示し、図7(a)〜図7(c)の横軸に時間を示す。
屈折率n2は、例えば、気圧P、水蒸気分圧e、温度Tを用いて、数式6に示すことができる。ここで、気圧Pは、海面気圧1013hPaを仮定して推定し、水蒸気分圧eは、温度、相対湿度から推定した。
Figure 0006347554
屈折率n1は、温度−0.2℃、湿度81.57%、高度355mでの値(固定値)とした。
図7(a)、図7(b)に示したように、所定期間、例えば、約11日間の温度および湿度が変化した場合、距離450mにおける位相のずれの推定値Δψは、図7(c)に示したように、大きく変動することが推定される。
本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、上述したように大気の屈折率の変化による位相差のずれを補正することで、高精度に反射散乱体Sの位置測定、変位測定などを行うことができる。
図8は、SAR画像の一例を示す図である。詳細には図8(a)は大気補正なしのすべての受信データにより生成したSAR画像の一例を示す図であり、図8(b)はリサンプリング処理およびSAR処理により生成されたSAR画像(サブ画像Sa1)の一例を示す図であり、図8(c)は残りのデータを基にリサンプリング処理およびSAR処理により生成されたSAR画像(サブ画像Sa2)の一例を示す図であり、図8(d)はコヒーレンス画像(干渉画像)の一例を示す図である。図8において、縦軸にスラントレンジ〔m〕を示し、横軸にアジマスレンジ〔m〕を示す。
本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、図8(b)、図8(c)に示したように、リサンプリング処理およびSAR処理により、サブ画像Sa1、サブ画像Sa2を生成し、そのサブ画像Sa1、サブ画像Sa2の複素コヒーレンスを算出することにより、図8(d)に示したような、コヒーレンス画像(干渉画像)を生成することができる。
本願発明者は、センサ100のレーダ照射範囲内に三面反射鏡を設置した(固定)。図8(d)において矢印で示す画素は、その三面反射鏡の設置位置に対応している。このため、画像内で干渉散乱点CSを容易に得ることができることが分かる。
図9は、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100の効果の一例を示す図である。詳細には、図9(a)は1スキャンでの全ての受信データにより生成したSAR画像の一例を示す図、図9(b)は本発明の一実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100のリサンプリング処理、SAR処理、複素コヒーレント処理によるコヒーレント画像(干渉画像)の一例を示す図、図9(c)は(b)の複素コヒーレンと画像の値が閾値以下のピクセルを取り除いた一例を示す図である。図9において、縦軸にスラントレンジ〔m〕を示し、横軸にアジマスレンジ〔m〕を示す。
図9(a)に示したように、1スキャンでの全ての受信データにより生成したSAR画像と比較して、図9(b)に示したように、本発明の一実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100によるリサンプリング処理、SAR処理、および、複素コヒーレント処理により得られるコヒーレント画像(干渉画像)では、リサンプルにより虚像が発生する場合がある。詳細には、例えば、リサンプリングによるサンプリング間隔が、計測用電磁波の波長で規定される長さよりも小さい場合に、虚像が発生することがある。
この場合、制御部31は、全データSAR画像の各画素それぞれに関し、振幅が下位1%の画素を記憶部33に記憶する。そして、制御部31は、コヒーレント画像(干渉画像)中の画素であって、記憶部33に記憶された上記画素に対応する位置の画素の画素値を0とすることで、コヒーレント画像(干渉画像)の虚像を抑制する。
このように、簡単な処理により、リサンプリング処理により虚像が生じた場合であっても、上記処理を行うことで、コヒーレント画像(干渉画像)の虚像を容易に抑制することができる。
そして、制御部31のCS抽出部325は、規定した閾値(例えば、0.99など)以上の画素値の画素を、干渉点(干渉散乱点:CS)として抽出する。
また、制御部31は、第1の走査による第1の受信データに基づいて生成された複数の第1の干渉点CSと、第2の走査による第2の受信データに基づいて生成された複数の第2の干渉点CSとに基づいて、共通の干渉点CSを抽出し、その抽出した干渉点CSを大気補正用干渉点CSとする。
図10は、大気補正処理の一例を説明するための図である。詳細には、図10(a)は本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100により算出された大気補正用干渉点CSにおける位相差をプロットして、大気補正処理に関する係数を算出する動作の一例を示す図、図10(b)は大気補正処理された干渉点CSにおける位相差の一例を示す図、図10(c)は比較例による傾きの算出方法の一例を示す図、図10(d)は比較例による大気補正後の干渉点CSにおける位相差の一例を示す図である。図10において、縦軸に位相差を示し、横軸に送信アンテナから反射散乱体を経由して受信アンテナまでの距離を示す。
制御部31の補正処理部313は、大気補正用CS生成部326(大気補正用干渉点生成部)により生成された大気補正用干渉点CSに基づいて、大気の屈折率の変化に応じた値αを決定する。
詳細には、補正処理部313は、大気補正用CS生成部326(大気補正用干渉点生成部)により生成された大気補正用干渉点CSにおける位相差を図10(a)に示したようにプロットし、そのプロットされた大気補正用干渉点CSの位相差とレーダからの距離に基づいて、最小二乗法などにより回帰直線を決定し、その回帰直線の傾き、および、数式4により規定される直線の傾きに基づいて、大気の屈折率の変化に応じた係数(傾きα〔deg/m〕)を決定する。
そして、補正処理部313は、この大気の屈折率の変化に応じた値(傾きα)に基づいて、数式4により規定される直線の傾きが0となるように、画像の各画素の値を補正する処理を行う。具体的には、補正処理部313は、距離rが大きくなるほど、大きい補正値にて各画素の画素値を補正する。
例えば、図10(b)に示したように、大気補正処理後の大気補正用干渉点CSにおける位相差は、距離に依存しないように回帰直線の傾きが略0となる。
第1の比較例として、複数の走査(スキャン)により得られた複数のSAR画像間において、SAR画像の各ピクセルにおける振幅の標準偏差と平均値の比を計算することで、安定な点CSを検知する装置(第1比較例に係る装置)によれば、図10(c)に示したように、安定な点CSにおける位相差をプロットすることで、回帰直線の傾きαを得ることができ、この傾きαに基づいて、同様な大気補正処理を行うことができる(図10(d)参照)。第1比較例に係る装置の場合、複数のSAR画像が必要であり、振幅情報のみを考慮している。また、第1比較例に係る装置では、上記傾きαを得るために、例えば、約10回以上などの複数の走査(スキャン)を行うことを要する。
本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、1回目のスキャンで複数の第1の干渉点CSを抽出し、2回目のスキャンで複数の第2の干渉点CSを抽出し、これにより複数の大気補正用干渉点CSを生成し、この複数の大気補正用干渉点CSに基づいて、短時間に、上述した大気の屈折率の変化に応じた傾きαを算出することができ、その傾きαに基づいて、短時間に、SAR画像に大気補正処理を行うことができる。
また、図10(a)、図10(c)に示したように、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100により算出した傾きαは、比較例に係る装置により算出された傾きと略同じである。このため、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、短時間に、高精度に、大気補正処理を行うことが可能である。
図11は、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100の効果の一例を説明するための図である。詳細には、図11(a)は大気補正前の位相差画像の一例を示す図、図11(b)は本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100による位相差画像の一例を示す図、図11(c)は第1比較例に係る位相差画像の一例を示す図である。図11において、縦軸にスラントレンジ〔m〕を示し、横軸にアジマスレンジ〔m〕を示す。
図11(a)に示した大気補正前の位相差画像と比較して、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100による位相差画像は、図11(b)に示したように、大気状態の変化による影響を良好に補正していることが分かる。
また、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100によれば、図11(c)に示した第1比較例に係る位相差画像と略同様な位相差画像を、簡単な処理により、短時間で得ることができる。
図12は、三面反射鏡の推定変位の一例を示す図である。
本願発明者は、本発明に係る合成開口処理を伴うセンサ100の効果を確認するために、レーダ照射領域内に三面反射鏡を設置して、送信アンテナから三面反射鏡を経由して受信アンテナまでの距離をずらしながら、上述した電磁波による計測を行った。図12において、横軸に三面反射鏡の実際の変位を示し、縦軸に推定変位を示す。
図12において、四角印は大気補正なしの場合の推定変位を示し、直線は対角線を示し、斜め四角印は、第1比較例に係る装置により大気補正した場合の推定変位を示し(dispersion index)、O印は本発明に係る合成開口処理を伴うセンサ100により大気補正した場合の推定変位を示す。
図12に示したように、本発明に係る合成開口処理を伴うセンサ100により大気補正した場合の推定変位は、比較例に係る装置による推定変位と略同程度の精度で、短時間に変位を推定することが可能であることが分かる。
<サブルック法>
本発明に係る合成開口処理を伴うセンサ100では、サブルック法により干渉点CSを検知している。
サブルック法によるCSの検知は、1枚のSAR画像を所定の分割処理で分割して複数のサブ画像を生成し、その複数のサブ画像に基づいて、1枚のSAR画像内で、位相情報などが安定した点CSを抽出する。この場合、振幅と、位相に基づいて、複素コヒーレンスの演算を行う。また、サブルックCSでは、複素コヒーレンスの演算を行う場合、空間平均を計算する。
<第2比較例>
次に、第2比較例に係る装置を説明する。
第2比較例に係る装置は、サブルック法により干渉点CS求めるが、詳細な処理が、本発明に係るセンサ100と異なる。
具体的には、第2比較例に係る装置は、一枚のSAR画像をフーリエ変換し、そのフーリエ変換により得られたスペクトルを、所定の方法で2つに分割して、第1のスペクトル及び第2のスペクトルを生成し、その第1のスペクトルを基に第1のSAR画像(第1のサブ画像)を再構成する処理を行い、第2のスペクトルを基に第2のSAR画像(第2のサブ画像)を再構成する処理を行う。そして、その2つのサブ画像間で複素コヒーレンスを計算し、画像内で、位相情報などが安定した干渉点(干渉散乱点:CS)を検知する。
上記第2比較例に係る装置において、スペクトルの分割方法としては、例えば、アジマスサブルックと、レンジスペクトルで分割するレンジサブルックなどを挙げることができる。アジマスサブルックではターゲットの方位入射角依存性を有し、レンジサブルック法では周波数依存性を有する。
しかしながら、第2比較例に係る装置では、上述したように、スペクトルを2つに分割した後、それぞれを再構成して第1のサブ画像および第2のサブ画像を生成するので、空間分解能が劣化してしまうという問題点がある。
また、地表設置型合成開口レーダ装置(GB−SAR)では、衛星SARと比較して、レーダの観測対象範囲に対する見込角が大きい。詳細には、例えば、一般的な衛星SARの見込角が0.14−2度であり、GB−SARの見込角は、数10度程度である。
衛星SARの場合、波数領域において見かけ上長方形状にスペクトルが生じ、GB−SARの場合、波数領域において円弧状にスペクトルが生じる。
このため、GB−SARの場合、波数領域において円弧状のスペクトルに対してスペクトル分割処理を施すことを要し、衛星SARの場合と比較して煩雑な処理となる。
<本発明に係る合成開口処理を伴うセンサ100の効果>
本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、上述したように、アンテナ部10を所定間隔毎に移動させて、電波を目標体である反射散乱体Sに照射し、反射散乱体Sからの反射波を受信し、各データ取得位置での受信データを、データ取得位置に対して所定数毎にリサンプルし、SAR処理を施すことにより、例えば2つのサブ画像(複素SAR画像を取得し、2つのサブ画像間で複素コヒーレンスを算出して干渉画像を生成し、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(干渉散乱点:CS)を抽出する。
上記リサンプリング処理により生成された2つのデータは、互いに非常に近い時間に得られたデータであり、周波数依存性や入射角依存性が小さいので、SAR画像内で、時間的により定常的な散乱体(干渉散乱点:CS)を容易に検知することができる。
また、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、上述したように、一スキャン(一走査)で、各データ取得位置で得られた複数の受信データを所定数毎にリサンプリングを行い、2つのサブ画像(SAR画像)を生成しているので、例えばフーリエ変換後のスペクトルを2つに分解する方法と比較して、空間分解能が高い状態で維持される。
また、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、フーリエ変換などの煩雑な処理を行うことなく、簡単な処理により、短時間に、高精度に干渉点(干渉散乱点:CS)を容易に得ることができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、測定対象である反射散乱体Sに対して相対的に移動するアンテナ(アンテナ部10)により、電波、音波等を照射し、反射散乱体Sで反射した反射波をアンテナ(アンテナ部10)で受信して、その反射散乱体Sの形状、変位等を測定する。詳細には、合成開口処理を伴うセンサ100は、アンテナ(アンテナ部10)の移動範囲内で、そのアンテナ(アンテナ部10)の移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部33と、反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、複数の受信データから第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、又は、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成するリサンプル処理部321と、第1の計測データ、および、第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成するSAR処理部322と、第1の複素SAR画像と第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する干渉画像生成部(複素コヒーレンス処理部323)と、干渉画像に基づいて、少なくとも位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS:Coherent Scatterer)を抽出するCS抽出部325と、を有する。
このように、上記本発明の実施形態では、アンテナ(アンテナ部10)による1スキャン(1走査)で取得した、反射波に対応した複数の受信データに対して上記リサンプリング処理およびSAR処理を施すことにより、2つのサブ画像Sa1,Sa2を生成し、そのサブ画像Sa1,Sa2間の複素コヒーレンスを算出することで干渉画像(コヒーレンス画像)を生成し、その干渉画像中の画素のうち、少なくとも位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS:Coherent Scatterer)をCS抽出部325により抽出することで、簡単な構成で、短時間に、干渉点(干渉散乱点:CS)を容易に抽出することが可能な、合成開口処理を伴うセンサ100を提供することができる。
例えば、比較例として、複数回のスキャン(走査)により得られた複数のSAR画像(振幅情報を含み、位相情報を含まないSAR画像)に基づいて画素値の安定点を検出する装置(第1比較例)では、位相情報を考慮することなく、複数のSAR画像中の振幅情報により安定点を取得している。
本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100では、上述したように、アンテナ(アンテナ部10)による1スキャン(1走査)で取得した、反射波に対応した複数の受信データに対して上記リサンプリング処理およびSAR処理を施すことにより、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像(サブ画像Sa1)及び第2の複素SAR画像(サブ画像Sa2)を生成しており、リサンプリング処理による各画像の情報量は、複数の受信データで得られるSAR画像の情報量と比較して略1/2であるが、振幅情報と位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像の複素コヒーレント処理を施すことにより得られた干渉画像に基づいて、干渉点(干渉散乱点:CS)を抽出するので、つまり、振幅情報と位相情報を考慮して高精度に干渉点CSを抽出することができる。
また、上述したように、リサンプリング処理により得られた第1の計測データおよび第2の計測データは、非常に近い時間に得られたデータであり、このデータは周波数依存性や入射角依存性がないので、SAR画像内で、時間的に定常的な散乱体としての挙動を示す干渉点(干渉散乱点:CS)を容易に検知することができる合成開口処理を伴うセンサ100を提供することができる。
また、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、上述したように、1スキャン(1走査)で、各データ取得位置で得られた複数の受信データを所定数毎にリサンプリングを行い、2つのサブ画像(SAR画像)を生成しているので、例えばフーリエ変換後のスペクトルを2つに分解する装置(第2比較例)と比較して、空間分解能が高い状態で維持され、高精度に干渉点(干渉散乱点:CS)を容易に生成することができる。
また、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、上述したように、フーリエ変換などの煩雑な処理を行うことなく、簡単な処理により、短時間に、高精度に干渉点(干渉散乱点:CS)を容易に生成することができる。
また、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、アンテナ(アンテナ部10)の移動範囲内で、アンテナ(アンテナ部10)の第1の走査により取得された第1の受信データに基づいて生成された第1の干渉点CS(複数の第1の干渉点を含む第1の干渉点群)、及び、アンテナ(アンテナ部10)の移動範囲内で、第1の走査と走査時間の異なる第2の走査により取得された第2の受信データに基づいて生成された第2の干渉点CS(複数の第2の干渉点を含む第2の干渉点群)に応じて、アンテナ(アンテナ部10)と反射散乱体Sとの間の大気の屈折率の揺らぎを補正するための大気補正用干渉点(大気補正用CS)を生成する大気補正用CS生成部326(大気補正用干渉点生成部)を有する。
このように、上記第1の走査により得られた干渉点CSと、第2の走査により得られた干渉点CSに基づいて、大気補正用干渉点(大気補正用CS)を容易に生成することができる。
また、処理部321,322,323,324,325と、処理部331,332,333,334,335とを兼用することで、簡単な構成で、本発明に係る機能を容易に実現することができる。
また、大気補正用CS生成部326(大気補正用干渉点生成部)で生成した大気補正用干渉点(大気補正用CS)に基づいて、複数の反射波に対応した複数の受信データに応じて生成したSAR画像に、大気補正処理を施す補正処理部313を有する。
また、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100は、抽出部325が、干渉画像中の画素のうち、規定された閾値に基づいて干渉点(干渉散乱点:CS)を抽出する。この閾値は、例えば、閾値決定部が、干渉画像中の干渉点の個数が所定個数となるように設定してもよいし、干渉画像の各画素の画素値の分布に基づいて設定してもよい。こうすることで、上記閾値に基づいて干渉点(干渉散乱点:CS)を簡単に抽出することができる。
また、本発明の実施形態に係る合成開口処理を伴うセンサ100の処理方法は、反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、又は、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成する第1のステップ(ST11)と、第1の計測データ、および、第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成する第2のステップ(ST13)と、第1の複素SAR画像と第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する第3のステップと(ST15)と、干渉画像に基づいて、少なくとも位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS)を抽出する第4のステップ(ST19)と、を有するので、短時間に、SAR画像内で、変動の小さい安定した点(画素)を容易に抽出することができる。
また、本発明の実施形態に係るプログラム(PRG)は、上述したように、コンピュータ(制御装置30)を、上記記憶部33、リサンプル処理部321、SAR処理部322、干渉画像生成部(複素コヒーレンス処理部323)、抽出部(CS抽出部325)、として機能させる。このプログラム(PRG)をコンピュータで実行することにより、本発明に係る機能をコンピュータに容易に実現することができる。このプログラムは、記憶媒体に読み出し可能に記録されていてもよいし、通信ネットワークなどの通信路を介してコンピュータ間で送受信可能となるように構成されていてもよい。
<変形例>
尚、本発明は、この形態に限られるものではなく、種々の例えば、人工衛星、飛行機等の飛翔体に搭載されて、電波により地形観測等を行うレーダ装置に、本発明に係る合成開口処理を伴うセンサを適用してもよい。
また、水中を伝わる音波を利用し、水中の目標物である反射散乱体Sに音波を放射して、反射散乱体Sで反射した反射波をアンテナ(アンテナ部10)で受信し、その受信データに基づいて、その反射散乱体Sの形状、変位等を測定してもよい。
また、地面などの固体や液体中を伝わる波を利用したセンサに、本発明に係る合成開口処理を伴うセンサ100を適用してもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載される。
[付記1]
測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、音波等を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、該反射散乱体の形状、変位等を測定する合成開口処理を伴うセンサであって、
アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部と、
前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから、直接、又は、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成するリサンプル処理部と、
前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成するSAR処理部と、
前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する干渉画像生成部と、
前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS:Coherent Scatterer)を抽出する抽出部と、を有することを特徴とする
合成開口処理を伴うセンサ。
[付記2]
アンテナの移動範囲内で、前記アンテナの第1の走査により取得された第1の受信データに基づいて生成された第1の干渉点(CS)、及び、前記アンテナの移動範囲内で、前記第1の走査と走査時間の異なる第2の走査により取得された第2の受信データに基づいて生成された第2の干渉点(CS)に応じて、前記アンテナと前記反射散乱体との間の大気の屈折率の揺らぎを補正するための大気補正用干渉点(大気補正用CS)を生成する大気補正用干渉点生成部を有することを特徴とする付記1に記載の合成開口処理を伴うセンサ。
[付記3]
前記大気補正用干渉点生成部で生成した大気補正用干渉点(大気補正用CS)に基づいて、前記複数の反射波に対応した複数の受信データに応じて生成したSAR画像に、大気補正処理を施す補正処理部を有することを特徴とする付記2に記載の合成開口処理を伴うセンサ。
[付記4]
前記抽出部は、前記干渉画像中の画素のうち、規定された閾値に基づいて前記干渉点を抽出することを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載の合成開口処理を伴うセンサ。
[付記5]
測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、音波等を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、該反射散乱体の形状、変位等を測定する合成開口処理を伴うセンサの処理方法であって、
前記センサは、アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部を有し、
前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから、直接、又は、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成する第1のステップと、
前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成する第2のステップと、
前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する第3のステップと、
前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS)を抽出する第4のステップと、を有することを特徴とする合成開口処理を伴うセンサの処理方法。
[付記6]
コンピュータを、
測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、音波等を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、前記アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部、
前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから、直接、又は、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成するリサンプル処理部、
前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成するSAR処理部、
前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像(コヒーレンス画像)を生成する干渉画像生成部、
前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点(CS)を抽出する抽出部、として機能させることを特徴とする
プログラム。
10 アンテナ部
11 送信アンテナ
12 受信アンテナ
13 移動ステージ
14 ガイドレール部
15 駆動モータ
16 アンテナ駆動制御部
20 送受信部
30 制御装置
31 制御部(CPU)
32 インタフェース(I/F)
33 記憶部
34 表示部
35 入力部
36 計時部
37 通信路
100 センサ(合成開口処理を伴うセンサ)
311 SAR処理部
312 補正用CS処理部
313 補正処理部
321 リサンプル処理部
322 SAR処理部
323 複素コヒーレンス処理部(干渉画像生成部)
324 閾値決定部
325 CS抽出部
326 大気補正用CS生成部(大気補正用干渉点生成部)
331 リサンプル処理部
332 SAR処理部
333 複素コヒーレンス処理部
334 閾値決定部
335 CS抽出部

Claims (5)

  1. 測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、又は波を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、該反射散乱体の形状、変位の少なくとも一方を測定する合成開口処理を伴うセンサであって、
    アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部と、
    前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、第2の計測データを生成する、又は、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成するリサンプル処理部と、
    前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成するSAR処理部と、
    前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像を生成する干渉画像生成部と、
    前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点を抽出する抽出部と、を有することを特徴とする
    合成開口処理を伴うセンサ。
  2. アンテナの移動範囲内で、前記アンテナの第1の走査により取得された第1の受信データに基づいて生成された第1の干渉点、及び、前記アンテナの移動範囲内で、前記第1の走査と走査時間の異なる第2の走査により取得された第2の受信データに基づいて生成された第2の干渉点に応じて、前記アンテナと前記反射散乱体との間の大気の屈折率の揺らぎを補正するための大気補正用干渉点を生成する大気補正用干渉点生成部を有することを特徴とする請求項1に記載の合成開口処理を伴うセンサ。
  3. 前記大気補正用干渉点生成部で生成した大気補正用干渉点に基づいて、前記複数の反射波に対応した複数の受信データに応じて生成したSAR画像に、大気補正処理を施す補正処理部を有することを特徴とする請求項2に記載の合成開口処理を伴うセンサ。
  4. 測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、又は波を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、該反射散乱体の形状、変位の少なくとも一方を測定する合成開口処理を伴うセンサの処理方法であって、
    前記センサは、アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部を有し、
    前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから、前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、第2の計測データを生成する、又は、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成する第1のステップと、
    前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成する第2のステップと、
    前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像を生成する第3のステップと、
    前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点を抽出する第4のステップと、を有することを特徴とする合成開口処理を伴うセンサの処理方法。
  5. コンピュータを、
    測定対象である反射散乱体に対して相対的に移動するアンテナにより、電波、又は波を照射し、前記反射散乱体で反射した反射波をアンテナで受信して、前記アンテナの移動範囲内で、該アンテナの移動方向に沿って複数のデータ取得位置それぞれで順次取得した前記反射波に対応した複数の受信データを記憶する記憶部、
    前記反射波に対応した複数の受信データから、所定数ごとに又はランダムにリサンプル処理を施すことにより第1の計測データを生成し、且つ、前記複数の受信データから、前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、直接、第2の計測データを生成する、又は、前記複数の受信データから前記第1の計測データを除いたデータに基づいて、所定数ごとに若しくはランダムにリサンプル処理を施すことにより、第2の計測データを生成するリサンプル処理部、
    前記第1の計測データ、および、前記第2の計測データそれぞれにSAR処理を施して、振幅情報及び位相情報を含む第1の複素SAR画像及び第2の複素SAR画像を生成するSAR処理部、
    前記第1の複素SAR画像と前記第2の複素SAR画像との複素コヒーレンスを演算により算出して干渉画像を生成する干渉画像生成部、
    前記干渉画像に基づいて、少なくとも前記位相情報の変動が小さい安定した画素である干渉点を抽出する抽出部、として機能させることを特徴とする
    プログラム。
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