JP6347322B2 - シールドマシンのテールシール注入システム - Google Patents

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本発明は、例えば急曲施工を行う場合に適用されるシールドマシンのテールシール注入システムに関する。
シールドマシンを用いてトンネルを構築するにあたっては、先端に配置されたカッターヘッドを回転させることで前方地山を掘削する一方、後端近傍に装備されたエレクタでセグメントを組み立てては該セグメントから反力をとる形でシールドマシンを前進させるとともに、組み立てられたセグメントの外周面と地山との間に生じた隙間、いわゆるテールボイドに、地山の沈下防止、トンネル内への漏水防止等を目的として裏込め材を充填する。
一方、スキンプレートのテール部内面には、先端がセグメントの外周面上に当接するように、テールブラシが円環状に多重配置されているとともに、該テールブラシのうち、前後に配置されたテールブラシに挟まれた環状空間には、テールシールと呼ばれる止水材が注入されるようになっており、かかる構成によれば、注入されたテールシールがテールブラシ間に保持されるため、上述した裏込め材をはじめ、地山中の地下水が、テール部内面とセグメント外周面との隙間、いわゆるテールクリアランスを介してシールドマシン内に浸入するのを防止することができる。
ここで、テールクリアランスは、典型的には周方向に沿って均等に形成されるとともに、その場合、テールシールも均等に注入されるが、急曲施工を行う場合など、シールドマシンの機軸が、組み立てられたセグメントの中心、すなわちトンネル軸線から偏心することがある。
この場合、テールクリアランスが周方向に沿って不均等になるが、かかる状況でテールシールを均等に注入すると、テールシールの粘性が高いことと相俟って、テールクリアランスが大きくなった箇所では、テールシールの注入量が不足して止水機能が低下し、テールクリアランスが小さくなった箇所では、テールシールの圧力が過大になってセグメントが破損するといった懸念が生じる。
そのため、膨張収縮自在なウレタン樹脂をテールブラシ間に配置し、該ウレタン樹脂をテールシールの圧力変動に追従させる構成や(特許文献1)、テールボイドにおける裏込め材や地下水の圧力値を用いて、テールシールの注入圧を制御する構成(特許文献2)が提案されている。
特開平8−270390号公報 特開平9−125881号公報
しかしながら、特許文献1記載の方法では、劣化等によってウレタン樹脂の変形性能が予定通りに発揮されない懸念があり、特許文献2記載の方法では、例えば裏込め材の充填量が局所的あるいは一時的に不足しているに過ぎない場合であっても、テールシールの注入圧が下方制御され、その結果、テールクリアランスが大きくなっているにもかかわらず、テールシールの注入量が不足し、いずれにしろ、裏込め材や地下水がテールクリアランスを介してシールドマシン内に浸入する事態を招くという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、テールクリアランスが周方向に沿って不均等になった場合、それに応じた量のテールシールを確実に注入することが可能なシールドマシンのテールシール注入システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るシールドマシンのテールシール注入システムは請求項1に記載したように、シールドマシンを構成するスキンプレートのテール部内面と該シールドマシンで組み立てられたセグメントの外周面との間に拡がる環状空間に注入されるテールシールを圧送する注入ポンプと、該注入ポンプの送出側に一端が連通接続され他端が前記テール部に設けられた吐出孔に連通接続された配管手段とを備え、前記吐出孔を前記テール部の周方向に沿ってかつ前記環状空間に連通するように複数設置したシールドマシンのテールシール注入システムにおいて、
前記配管手段のうち、前記各吐出孔に個別に連通する流路に開閉弁をそれぞれ設けるとともに、前記複数の吐出孔のうち、前記テール部内面と前記セグメントの外周面との対向距離であるテールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の値よりも大きい角度位置に設けられた吐出孔からはテールシールが追加吐出され、前記テールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の値以下の角度位置に設けられた吐出孔からはテールシールが追加吐出されないように、前記各開閉弁及び前記注入ポンプのうち、少なくともいずれかを駆動制御自在な制御手段を備えたものである。
また、本発明に係るシールドマシンのテールシール注入システムは、前記各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍で前記テールクリアランスをそれぞれ計測するように構成された距離センサーを備えるとともに、前記制御手段を、前記距離センサーから出力される計測値から、テールシールが注入されるべき前記環状空間の体積が、前記各吐出孔ごとに目標注入量として算出され、該目標注入量が、前記テールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の規定注入量を上回っている場合には、その注入量が前記目標注入量から差し引かれてなる吐出孔ごとの追加注入量として算出されるように構成するとともに、該追加注入量が、対応する吐出孔から吐出されるように構成したものである。
また、本発明に係るシールドマシンのテールシール注入システムは、前記各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍で前記環状空間における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサーを備えるとともに、前記制御手段を、テールシールが前記追加注入量だけ吐出されているとき、前記圧力センサーで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が停止され、テールシールが前記追加注入量だけ吐出された後、前記圧力値が所定の下限値を下回っている場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が継続されるように構成したものである。
また、本発明に係るシールドマシンのテールシール注入システムは、前記各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍で前記環状空間における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサーを備えるとともに、前記制御手段を、テールシールが追加吐出されているとき、前記圧力センサーで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合にその計測位置に対応する吐出孔からの追加吐出が停止されるように構成したものである。
本発明に係るシールドマシンのテールシール注入システムにおいては、シールドマシンを構成するスキンプレートのテール部内面と該シールドマシンで組み立てられたセグメントの外周面との間に拡がる環状空間に、該テール部の周方向に沿ってかつ環状空間に連通するように複数設置された吐出孔を介してテールシールを注入することにより、テールクリアランスを介したシールドマシン内への裏込め材や地下水の浸入を防止するが、テールシールを吐出するにあたっては、複数の吐出孔のうち、テールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の値よりも大きい角度位置に設けられた吐出孔からはテールシールが追加吐出され、テールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の値以下の角度位置に設けられた吐出孔からはテールシールが追加吐出されないように、各開閉弁及び注入ポンプのうち、少なくともいずれかを制御手段で駆動制御する。
このようにすると、テールクリアランスが大きい角度位置では、追加吐出によってより多くの量のテールシールが、対応する吐出孔から吐出され、テールクリアランスが小さい角度位置では、テールシールが、対応する吐出孔から追加吐出されないため、テールシールは、テールクリアランスが不均等になっている場合であっても、環状空間にくまなく注入されることとなり、かくしてテールクリアランスが大きい角度位置でテールシールの注入量が不足して止水機能が低下する事態や、テールシールの圧力が過大になってセグメントが破損する事態を未然に回避することが可能となる。
スキンプレートのテール部内面には、先端がセグメントの外周面上に当接するように、テールブラシが円環状に多重配置されているが、上述の環状空間は、該テールブラシのうち、前後に配置されたテールブラシに挟まれた空間として形成される構成が典型例となる。
テールシールは、シールドマシンのテール部におけるシーリング材として用いられているものから適宜選択すればよい。
吐出孔を周方向に沿ってどの程度の間隔で配置するかは任意であり、例えばシールドマシンの規模に応じて適宜決定することができるし、かかる吐出孔の環状配置を一重配置とするか多重配置とするかは、テールブラシの多重構成に合わせればよく、例えば、テールブラシを三重配置とする場合には、それらの間に環状配置する形で二重配置とすればよい。
吐出孔からテールシールを追加吐出するかどうかは、その吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍におけるテールクリアランスを計測し、その値が、周方向に沿って均等である場合の値よりも大きいかどうかを判定する必要があるが、テールクリアランスを計測するにあたっては、作業員による手動計測か、距離センサーを用いた自動計測かは問わない。手動計測は、例えば2m程度の小径シールドトンネルを構築する場合に適し、自動計測は、それを上回る中径あるいは大径シールドトンネルを構築する場合に適する。ちなみに、手動計測の場合は、計測された値を制御手段の入力部を介して該制御手段に入力すればよいし、自動計測の場合は、距離センサーをその計測値がデータとして自動取得されるように制御手段に接続しておけばよい。
吐出孔からのテールシールの吐出動作をどのタイミングで停止するかは任意であるが、例えば、各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍で環状空間における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサーを備えるとともに、上述の制御手段を、テールシールが追加吐出されているとき、圧力センサーで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合にその計測位置に対応する吐出孔からの追加吐出が停止されるように構成したならば、テールシールの圧力が過大になってセグメントが破損するといった事態を未然に回避しつつ、テールクリアランスにおける止水機能の低下を確実に防止することができる。
上述した圧力の上限値は、セグメントやテールブラシを健全に維持できるという観点で適宜設定することが可能である。
また、各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍でテールクリアランスをそれぞれ計測するように構成された距離センサーを備えるとともに、上述の制御手段を、距離センサーから出力される計測値から、テールシールが注入されるべき環状空間の体積が、各吐出孔ごとに目標注入量として算出され、該目標注入量が、テールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の規定注入量を上回っている場合には、その注入量が目標注入量から差し引かれてなる吐出孔ごとの追加注入量として算出されるように構成するとともに、該追加注入量が、対応する吐出孔から吐出されるように構成したならば、圧力監視を行わずとも、テールクリアランスの大きさに応じた量のテールシールを確実に追加注入することが可能となる。
なお、かかる場合においても、圧力監視を行うことは可能であり、具体的には、各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍で環状空間における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサーを備えるとともに、上述の制御手段を、テールシールが追加注入量だけ吐出されているとき、圧力センサーで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が停止され、テールシールが追加注入量だけ吐出された後、圧力値が所定の下限値を下回っている場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が継続されるように構成することができる。
かかる構成によれば、追加注入量を算出した後の状態変化による不測の事態にも適切に対応することが可能となる。
本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1の全体ブロック図。 吐出孔13a〜13h、距離センサー8a〜8h及び圧力センサー9a〜9hの配置状況を示した図であり、(a)は0゜、90゜、180゜及び270゜における縦断面詳細図、(b)は45゜、135゜、225゜及び315゜における縦断面詳細図。 本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1を用いてテールシールを追加注入する手順を示したフローチャート。 周方向に沿ってテールクリアランスδdが不均等になっている様子を示した横断面図。 追加注入量を算出する際の考え方を示した説明図。
以下、本発明に係るシールドマシンのテールシール注入システムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システムを示した全体ブロック図である。同図に示すように、本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1は、テールシール2が貯留された貯留タンク3と、該貯留タンクに連通接続された注入ポンプ4と、該注入ポンプの送出側に一端が連通接続された配管手段としての配管5a〜5hと、該各配管の流路にそれぞれ設けられた開閉弁6a〜6hと、注入ポンプ4及び開閉弁6a〜6hを駆動制御する制御部7とを備える。
一方、図2(a)、(b)に示すように、シールドマシン(図示せず)を構成するスキンプレート11のテール部12内面には、該シールドマシンで組み立てられたセグメント14の外周面に先端が当接するように、テールブラシ15,16,17が円環状に多重配置してあるとともに、該テールブラシのうち、前後配置されたテールブラシ15,16の間にはそれらに挟まれるように環状空間18が、同じく前後配置されたテールブラシ16,17の間にはそれらに挟まれるように環状空間19がそれぞれ形成してある。
また、テール部12の内面には図2(a)に示すように、環状空間18に連通するように該テール部の周方向に沿って吐出孔13a〜13dを設けてあるとともに、該各吐出孔には配管5a〜5dの他端がそれぞれ連通接続してあり、上述したテールシール2は、注入ポンプ4で圧送された後、配管5a〜5dを経て吐出孔13a〜13dからそれぞれ吐出され環状空間18に注入されるようになっている。
同様にテール部12の内面には図2(b)に示すように、環状空間19に連通するように該テール部の周方向に沿って吐出孔13e〜13hを設けてあり、該各吐出孔には配管5e〜5hの他端がそれぞれ連通接続してあり、上述したテールシール2は、注入ポンプ4で圧送された後、配管5e〜5hを経て吐出孔13e〜13hからそれぞれ吐出され環状空間19に注入されるようになっている。
ここで、吐出孔13a〜13hのうち、吐出孔13a〜13dは図2(c)に示すように、シールドマシンの機軸に沿って後方を見た横断面において、0゜、90゜、180゜及び270゜に相当する角度位置にそれぞれ設けてあり、吐出孔13e〜13hは、45゜、135゜、225゜及び315゜に相当する角度位置にそれぞれ設けてある。
制御部7は、テール部12の内面とセグメント14の外周面との対向距離であるテールクリアランスδdが周方向に沿って均等である場合の値をδd0としたとき、吐出孔13a〜13hのうち、テールクリアランスδdがδd0よりも大きい角度位置に設けられた吐出孔からはテールシール2が追加吐出され、テールクリアランスδdがδd0以下の角度位置に設けられた吐出孔からはテールシール2が追加吐出されないように、各開閉弁6a〜6h及び注入ポンプ4を駆動制御するようになっている。
本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1は図2(a)に示すように、吐出孔13a〜13dが設けられた角度位置、すなわち0゜、90゜、180゜及び270゜に相当する角度位置でテールクリアランスδdをそれぞれ計測するように構成された距離センサー8a〜8dを備えるとともに、同図(b)に示すように、吐出孔13e〜13hが設けられた角度位置、すなわち45゜、135゜、225゜及び315゜に相当する角度位置でテールクリアランスδdをそれぞれ計測するように構成された距離センサー8e〜8hを備えており、制御部7は、距離センサー8a〜8hから出力される計測値δdから、テールシール2が注入されるべき環状空間18,19の体積を、各吐出孔13a〜13hごとに目標注入量として算出し、該目標注入量が、テールクリアランスが周方向に沿って均等である場合、すなわちδd0であるときの規定注入量を上回っている場合には、その規定注入量を目標注入量から差し引いてなる吐出孔ごとの追加注入量として算出するようになっているとともに、該追加注入量が、対応する吐出孔から吐出されるように、各開閉弁6a〜6h及び注入ポンプ4を駆動制御するように構成してある。
吐出孔13a〜13dごとの目標注入量は、それらが90゜ごとに設けてあることから、それぞれが分担される範囲を全周の4分の1とすると、例えば次式、
目標注入量=環状空間18の体積/4
≒δd・L1・T/4
1;テールブラシ15,16の設置間隔
T;テール部12の内面周長
で算出することができる。
同様に、吐出孔13e〜13hごとの目標注入量は、それらが90゜ごとに設けてあることから、それぞれが分担される範囲を全周の4分の1とすると、例えば次式、
目標注入量=環状空間19の体積/4
≒δd・L2・T/4
2;テールブラシ16,17の設置間隔
で算出することができる。
一方、吐出孔13a〜13dごとの規定注入量は、次式、
規定注入量≒δd0・L1・T/4
で算出することが可能であり、吐出孔13e〜13hごとの規定注入量は、次式、
規定注入量≒δd0・L2・T/4
で算出することが可能である。
また、上述のように目標注入量及び規定注入量を算出した場合、吐出孔13a〜13dごとの追加注入量は、次式、
追加注入量≒(δd−δd0)・L1・T/4 ;δd>δd0
=0 ;δd≦δd0
で算出することが可能であり、吐出孔13e〜13hごとの追加注入量は、次式、
追加注入量≒(δd−δd0)・L2・T/4 ;δd>δd0
=0 ;δd≦δd0
で算出することが可能である。
また、 本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1は図2(a)に示すように、吐出孔13a〜13dが設けられた角度位置、すなわち0゜、90゜、180゜及び270゜に相当する角度位置で環状空間18における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサー9a〜9dを備えるとともに、同図(b)に示すように、吐出孔13e〜13hが設けられた角度位置、すなわち45゜、135゜、225゜及び315゜に相当する角度位置で環状空間19における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサー9e〜9hを備えており、制御部7は、テールシール2が追加注入量だけ吐出されているとき、圧力センサー9a〜9hで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が停止され、テールシール2が追加注入量だけ吐出された後、圧力値が所定の下限値を下回っている場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が継続されるように、各開閉弁6a〜6h及び注入ポンプ4を駆動制御するように構成してある。なお、圧力センサー9a〜9hは図2(a),(b)に示したように、対応する配管5a〜5hにそれぞれ設置すればよい。
図3は、本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1を用いてテールシール2を環状空間18,19に注入する手順を示したフローチャートである。同図に示すように、シールドマシンの発進時においては、シールドマシンの機軸がシールドトンネルのトンネル軸線と一致しており、テール部12内面とセグメント14の外周面とのテールクリアランスδdは、図4(a)に示すように、周方向に沿って均等であってどの角度位置でもδd0であるため、テールシール2を規定注入量だけ注入する(ステップ101)。
規定注入量は、吐出孔13a〜13dについては、次式、
規定注入量≒δd0・L1・T/4
で算出し、吐出孔13e〜13hについては、次式、
規定注入量≒δd0・L2・T/4
で算出すればよい。
このように規定注入量のテールシール2を各吐出孔13a〜13hから吐出して環状空間18,19に注入したならば、かかる状態でシールドマシンによる掘進を行いつつ、距離センサー8a〜8hでテール部12内面とセグメント14の外周面とのテールクリアランスδdを吐出孔13a〜13hが設けられた計8ヶ所の角度位置でそれぞれ計測しながら、テールクリアランスδd0を上回る箇所がないかどうかを監視する(ステップ102)。
次に、例えば急曲箇所に差し掛かったためにいずれかの角度位置でδdがδd0を上回ったとき(ステップ102,YES)、例えば図4(b)に示すように、シールドトンネルに対し、シールドマシンが270゜方向(同図では下方)に偏心し、90゜の角度位置を最大として、45゜、90゜及び135゜の位置でδdがδd0を上回ったとき、90゜の角度位置に設けられた吐出孔13bから吐出されるテールシール2の吐出量を、追加注入量として算出するとともに、45゜及び135゜の角度位置に設けられた吐出孔13e,13fから吐出されるテールシール2の吐出量を、追加注入量として算出する(ステップ103)。
追加注入量は、吐出孔13a〜13dや吐出孔13e〜13hがそれぞれ90゜ごとに設けてあることから、それぞれが分担される範囲を図5に示すように全周の4分の1と考え、吐出孔13bから吐出される追加注入量は次式、
追加注入量≒(δd−δd0)・L1・T/4
によって算出し、吐出孔13e,13fから吐出される追加注入量は次式、
追加注入量≒(δd−δd0)・L2・T/4
によって算出するようにすればよい。
次に、算出された追加注入量だけテールシール2が吐出孔13bから吐出されるように、制御部7で注入ポンプ4及び開閉弁6bを駆動制御するとともに、同じく算出された追加注入量だけテールシール2が吐出孔13e,13fから吐出されるように、制御部7で注入ポンプ4及び開閉弁6e,6fを駆動制御する(ステップ104)。
なお、0゜と180゜の角度位置では、δdがδd0に等しいため、テールシール2の追加吐出は行わず、δdがδd0を下回る225゜,270゜及び315゜の角度位置でもテールシール2の追加吐出は行わない。
上述した手順を計8ヶ所の角度位置で順次行うとともに(ステップ105)、これらを掘削工事が終了するまで繰り返し行う(ステップ106)。
ここで、上述した手順でテールシール2を追加注入しながら、環状空間18,19における圧力を圧力センサー9a〜9hで監視し、例えば45゜の角度位置に設けた圧力センサー9eが上限値を上回る圧力値を計測したとき、その計測位置に対応する吐出孔、すなわち吐出孔13eからの吐出が停止するように、開閉弁6e及び注入ポンプ4を駆動制御する。
一方、テールシール2が追加注入量だけ吐出された後、例えば90゜の角度位置に設けた圧力センサー9bが下限値を下回る圧力値を計測したとき、その計測位置に対応する吐出孔、すなわち吐出孔13bからの吐出が継続されるように、開閉弁6b及び注入ポンプ4を駆動制御する。
以上説明したように、本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1によれば、テールクリアランスδdが大きい角度位置では、追加吐出によってより多くの量のテールシール2が、対応する吐出孔から吐出され、テールクリアランスδdが小さい角度位置では、テールシール2が、対応する吐出孔から追加吐出されないため、テールシール2は、テールクリアランスδdが不均等になっている場合であっても、環状空間18,19にくまなく注入されることとなり、かくしてテールクリアランスが大きい角度位置でテールシールの注入量が不足して止水機能が低下する事態や、テールシールの圧力が過大になってセグメントが破損する事態を未然に回避することが可能となる。
また、本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1によれば、吐出孔13a〜13hが設けられた角度位置でテールクリアランスδdをそれぞれ計測するように構成された距離センサー8a〜8hを備えるとともに、該距離センサーから出力される計測値δdから、テールシール2が注入されるべき環状空間18,19の体積を、各吐出孔13a〜13hごとに目標注入量として制御部7で算出し、該目標注入量がδd0であるときの規定注入量を上回っている場合には、その規定注入量を目標注入量から差し引いてなる吐出孔ごとの追加注入量として制御部7で算出するとともに、該追加注入量が、対応する吐出孔から吐出されるように、制御部7で各開閉弁6a〜6h及び注入ポンプ4を駆動制御するように構成したので、テールクリアランスの大きさに応じた量のテールシールを確実に追加注入することが可能となる。
また、本実施形態に係るシールドマシンのテールシール注入システム1によれば、吐出孔13a〜13hが設けられた角度位置で環状空間18あるいは環状空間19における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサー9a〜9hを備えるとともに、テールシール2が追加注入量だけ吐出されているとき、圧力センサー9a〜9hで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が停止され、テールシール2が追加注入量だけ吐出された後、圧力値が所定の下限値を下回っている場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が継続されるように、制御部7で各開閉弁6a〜6h及び注入ポンプ4を駆動制御するようにしたので、圧力上昇に起因する不測の事態を回避することができるとともに、テールシール2の注入をより確実に行うことが可能となる。
本実施形態では、テールクリアランスが周方向に沿って不均等になった場合におけるテールシールの追加吐出及び追加注入についてもっぱら説明したが、テールボイドへの逸散によるテールシールの不足分については、上述した不均等が生じるか否かにかかわらず、随時補充するようにすればよい。
また、本実施形態では、テールクリアランスδdを自動計測しその計測結果を制御部7で直接利用できるようにするため、吐出孔13a〜13hが設けられた角度位置でテールクリアランスδdをそれぞれ計測する距離センサー8a〜8hを備えるようにしたが、シールドトンネルが小径である場合など、設備を簡略化したい場合には、距離センサー13a〜13hを省略してもかまわない。かかる場合には、作業員による手動計測でテールクリアランスを計測するとともに、それらの計測値を制御部7に入力するようにすればよい。
また、本実施形態では、吐出孔13a〜13hが設けられた角度位置で環状空間18あるいは環状空間19における圧力をそれぞれ計測する圧力センサー9a〜9hを備えるようにしたが、圧力上昇に起因する不測の事態が起きる懸念がないのであれば、これらの圧力センサーを省略してもかまわない。
また、本実施形態では、吐出孔13a〜13hのうち、テールクリアランスδdがδd0よりも大きい角度位置に設けられた吐出孔からはテールシール2が追加吐出され、テールクリアランスδdがδd0以下の角度位置に設けられた吐出孔からはテールシール2が追加吐出されないように、各開閉弁6a〜6h及び注入ポンプ4の両方を駆動制御するようにしたが、各開閉弁6a〜6hの開閉状態を操作することで上述の吐出動作と非吐出動作を切り替えるようにしてもよいし、かかる動作の切り替えを注入ポンプ4の操作で行ってもかまわない。
また、本実施形態では、距離センサー8a〜8hから出力される計測値δdから、各吐出孔13a〜13hごとに追加注入量を制御部7で算出するとともに、該追加注入量が、対応する吐出孔から吐出されるように、制御部7で各開閉弁6a〜6h及び注入ポンプ4を駆動制御するようにしたが、追加注入量だけ吐出することで吐出動作を終了するのではなく、圧力センサー9a〜9hによる計測値を用いて吐出動作を終了するようにしてもかまわない。
すなわち、吐出孔13a〜13hが設けられた角度位置でテールクリアランスδdを距離センサー8a〜8hでそれぞれ計測しつつ、δdがδd0を上回った場合には、その角度位置に設けられた吐出孔からテールシール2を吐出するが、その吐出中において、対応する圧力センサーで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合、上述の吐出孔からの吐出が停止されるように、制御部7で、対応する開閉弁及び注入ポンプ4を駆動制御する。
かかる構成においても、上述の実施形態と同様、テールシールの圧力が過大になってセグメントが破損するといった事態を未然に回避しつつ、テールクリアランスにおける止水機能の低下を確実に防止することができる。
1 シールドマシンのテールシール注入システム
2 テールシール
4 注入ポンプ
5a〜5h 配管(配管手段)
6a〜6h 開閉弁
7 制御部(制御手段)
8a〜8h 距離センサー
9a〜9h 圧力センサー
11 スキンプレート
12 テール部
13a〜13h 吐出孔
14 セグメント
18,19 環状空間

Claims (4)

  1. シールドマシンを構成するスキンプレートのテール部内面と該シールドマシンで組み立てられたセグメントの外周面との間に拡がる環状空間に注入されるテールシールを圧送する注入ポンプと、該注入ポンプの送出側に一端が連通接続され他端が前記テール部に設けられた吐出孔に連通接続された配管手段とを備え、前記吐出孔を前記テール部の周方向に沿ってかつ前記環状空間に連通するように複数設置したシールドマシンのテールシール注入システムにおいて、
    前記配管手段のうち、前記各吐出孔に個別に連通する流路に開閉弁をそれぞれ設けるとともに、前記複数の吐出孔のうち、前記テール部内面と前記セグメントの外周面との対向距離であるテールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の値よりも大きい角度位置に設けられた吐出孔からはテールシールが追加吐出され、前記テールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の値以下の角度位置に設けられた吐出孔からはテールシールが追加吐出されないように、前記各開閉弁及び前記注入ポンプのうち、少なくともいずれかを駆動制御自在な制御手段を備えたことを特徴とするシールドマシンのテールシール注入システム。
  2. 前記各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍で前記テールクリアランスをそれぞれ計測するように構成された距離センサーを備えるとともに、前記制御手段を、前記距離センサーから出力される計測値から、テールシールが注入されるべき前記環状空間の体積が、前記各吐出孔ごとに目標注入量として算出され、該目標注入量が、前記テールクリアランスが周方向に沿って均等である場合の規定注入量を上回っている場合には、その注入量が前記目標注入量から差し引かれてなる吐出孔ごとの追加注入量として算出されるように構成するとともに、該追加注入量が、対応する吐出孔から吐出されるように構成した請求項1記載のシールドマシンのテールシール注入システム。
  3. 前記各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍で前記環状空間における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサーを備えるとともに、前記制御手段を、テールシールが前記追加注入量だけ吐出されているとき、前記圧力センサーで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が停止され、テールシールが前記追加注入量だけ吐出された後、前記圧力値が所定の下限値を下回っている場合にその計測位置に対応する吐出孔からの吐出が継続されるように構成した請求項2記載のシールドマシンのテールシール注入システム。
  4. 前記各吐出孔が設けられた角度位置又はその近傍で前記環状空間における圧力をそれぞれ計測するように構成された圧力センサーを備えるとともに、前記制御手段を、テールシールが追加吐出されているとき、前記圧力センサーで計測された圧力値が所定の上限値を上回った場合にその計測位置に対応する吐出孔からの追加吐出が停止されるように構成した請求項1記載のシールドマシンのテールシール注入システム。
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