JPH08333991A - シールド掘進機におけるテールシール部への充填材供給装置 - Google Patents

シールド掘進機におけるテールシール部への充填材供給装置

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JPH08333991A
JPH08333991A JP8106470A JP10647096A JPH08333991A JP H08333991 A JPH08333991 A JP H08333991A JP 8106470 A JP8106470 A JP 8106470A JP 10647096 A JP10647096 A JP 10647096A JP H08333991 A JPH08333991 A JP H08333991A
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JP
Japan
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filler
tail
seal
shield machine
seal chamber
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Application number
JP8106470A
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English (en)
Inventor
Masao Fukada
昌生 深田
Yoshihisa Yamamoto
善久 山本
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テールシールへの充填材の供給を確実にしか
も均等に行うと共に、十分な機内作業スペースを確保で
きるシールド掘進機における充填材供給装置を提供す
る。 【解決手段】 シールド掘進機1のテールシールド9に
設置された複数のテールシール間に設けられたシール室
S1,S2 へのグリース供給装置において、給脂ポンプ1
2と、各シール室へグリースを注入して給脂が一巡した
後、所定の時間停止して再び同一サイクルを行うよう電
磁操作式のボールバルブ16に作動信号を出力するコン
トローラ20と、テールシールド9内部に設置された大
径のループ状主配管14と、このループ状主配管から分
岐しテールシールのシール室S1,S2 に接続する主配管
よりも小断面の複数の分岐配管15と、この分岐配管に
設置されたボールバルブ16と、ボールバルブ16の下
流側に設けた手動切換弁から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シールド掘進機に
おけるテールシールへの充填材供給装置に係わり、特に
は、充填材供給が確実にしかも均等に行われると共に、
十分な機内作業スペースを確保できる充填材供給装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機において、スキンプレー
トとセグメント間をテールシールで形成されるシール室
への充填材供給は、たとえば繊維状の添加物を含むグリ
ースを封入して止水および磨耗低減作用を得るために、
シールド掘進機の発進当初は、グリースを補充注入しな
がら掘進し、数メートル乃至数十メートル間隔でグリー
スの補充をつづける。
【0003】従来の充填材供給装置の注入システムとし
て、例えば、図12に示す第4の従来技術については、
シールド掘進機1の後方を移動する台車P上に設置した
供給ポンプWからの充填材をシールド掘進機側へ送り、
圧力発信器を備えたリザーバ(圧力ヘッダ)Rにため込
み、そのリザーバRから前段シール室の注入孔F1 〜F
4 および後段シール室の注入孔R1 〜R4 に設けた注入
ポンプWを接続し、それぞれ独立にテールシール間のシ
ール室に充填材を注入するように構成されている。この
設備で充填材は供給ポンプWからリザーバRへ送られる
が、リザーバRに設けた圧力発信器によってリザーバ内
グリース圧力を検出し、設定圧力範囲内で供給ポンプの
運転・停止を制御する。さらに、注入ポンプWは、一定
の時間間隔でF1 〜F4 およびR1 〜R4 間を順次運転
・停止を行い、F1 からR4 までを一巡して充填材が供
給される。各注入ポンプWには、圧力スィッチが備えら
れ地山の土圧、水圧によって設定された圧力によって一
定間隔以前の時点でも次の工程へ進むことも可能であ
る。このような注入にもかかわらず水や土砂の漏れが特
定位置で発生した場合は、漏れ箇所の注入ポンプを連続
運転して集中的に充填材を注入することで漏れを抑える
ことができる。なお、図9〜図11に示す第1〜第3の
従来技術については説明を省略する。
【0004】第5の従来技術として図13に示す、「実
開平1−90899」について説明する。 「シリンダ状の弁ハウジング52にその周方向に所定の
間隔を隔てて設けられ、配管と通路にそれぞれ接続され
てシール材を吐出するための吐出口53と、弁ハウジン
グ52内にその内周壁に摺接して回動し、吐出口53を
開閉するロッド状の弁体54内にその長手方向に沿って
形成され、昇圧されて給送されるシール材を弁体54内
に導くためのシール材供給室55から径方向外方に貫通
すべく弁体54に形成され、この弁体54が回動するこ
とにより吐出口53にこれらを順次開放して供給室55
からシール材を吐出口53に分配するための分配通路5
6と、弁体54を回動させるための弁体駆動手段57と
を備えたシール材の分配装置51」が記載されている。
【0005】第6の従来技術として図14に示す、「実
開平3−65796」について説明する。 「スキンプレート61のテール部61aの内周に、前後
のテールパッキン62間のグリス室65に連通路64を
介して開口し、かつ前端が自動開閉弁70付き分岐管6
9を介して環状の分配管68に連通したグリス注入路7
3をテール部61aの円周方向に沿って所定間隔を置い
て複数設け、前記分配管68にグリスポンプ72に接続
されたグリス供給管73を接続したシールド掘進機のテ
ールシールのグリス自動注入装置」が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、テールシール間
のシール室に供給される充填材は、止水グリースが鉱物
性グリース中にパルプ繊維等を混入したものが使用され
ているため、通常の鉱物性グリースと比べて粘性が高く
稠度は260〜290である。従って、管路抵抗が高く
なるため、グリースが低圧大容量型の供給ポンプから大
径管を経てリザーバに供給され、リザーバからは小径管
を経て小容量型の注入ポンプでグリースが各テールシー
ル段間室に供給される。このように、高粘性のグリース
を高圧で注入する以上、どうしても2段ポンプ方式を採
用せざるを得ない。かかる場合に多数(8〜12台)の
ポンプを使用することになり、狭いスペース内ではポン
プの据え付け面積が大きく取れない。また、設備費のア
ップにつながり問題のひとつである。さらに、図7,図
8,図9に示すように、注入ポンプWから供給される充
填材は、スキンプレートに設けられた溝や小孔或いはス
キンプレプレートの外周面に取り付けた半円状のカバー
で保護された注入パイプを通じてテールシール間のシー
ル室に供給されるがスキンプレートの強度上の制限があ
ってあまり通路断面を大きくできないのでスムーズに充
填材が流れないことがある。
【0007】図13に示す第5の従来技術では、シール
材を弁体54内に導くためのシール材供給室5、および
シール材を吐出口53に分配するための分配通路56
と、弁体54を回動させるための弁体駆動手段57とを
備えたシール材の分配装置51を必要とすると共に、吐
出口53の下流にはシール部にシール材を供給するため
の配管を必要とし、また図14に示す第6の従来技術で
は、グリスポンプ72と自動開閉弁70付き分岐管69
とを接続する環状の分配管68、およびグリス注入路7
3が必要とするため、これらの配管はグリスの粘性が高
いことから大径にする必要があり、シールド機内の作業
空間が狭くなり、掘削作業性、保守点検作業性を損ねる
問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前記従
来の技術における欠点を解決するために、本願の第1の
発明に係るシールド掘進機におけるテールシール部への
充填材供給装置は、シールド掘進機のスキンプレートに
設置された複数のテールシール間で形成されるシール室
への充填材供給装置において、供給ポンプと、コントロ
ーラと、スキンプレート内部に設置された大径のループ
状主配管と、該ループ状主配管から分岐し、テールシー
ル間のシール室と接続する該主配管よりも小断面の複数
の分岐配管と、該分岐配管に設置された電磁開閉弁とか
ら構成することを特徴とする。
【0009】第1の発明によれば、供給ポンプにより大
径のループ状主配管に供給された充填材は、このループ
状主配管から分岐する複数の分岐配管を経た後、この分
岐配管に設置された電磁開閉弁をコントローラにより順
に設定間隔時間ごとに開閉制御することにより各シール
室に自動注入される。前記ループ状主配管はこれから分
岐する複数の分岐配管より大径の大断面を有しているた
め、供給ポンプより吐出した充填材のリザーバとして作
用し、一部のシール室に比較的多くの漏れが生じた場合
でも、主配管内の圧力低下を最小限に防止できる。従っ
て、リザーバ、注入ポンプを等を廃止することにより、
狭いトンネル掘進機内で注入ポンプと原動機の据え付け
スペースを有効に活用できる。また複数の分岐配管より
も大径の主配管内における充填材の圧力変動が抑制され
るため、安定した充填材の供給ができると共に、ループ
状の主配管から分岐する複数の分岐配管に至る流路抵抗
が均等になるため、シール室へ供給する充填材の制御精
度を向上できる。
【0010】本願の第2の発明に係るシールド掘進機に
おけるテールシール部への充填材供給装置は、第1の発
明において更に電磁開閉弁の下流部は複数の支管に分岐
され、それぞれの支管に手動切換弁を介装することを特
徴とする。
【0011】第2の発明によれば、電磁開閉弁の下流部
で分岐する複数の支管に介装された手動切換弁を調節す
ることにより、同一電磁開閉弁によりその下流部で分岐
する複数の支管に接続されたシール室へ異なった量の充
填材が自動注入される。従って、電磁開閉弁の数を増や
すことなく、電磁開閉弁の数より多くのシール室へ充填
材の自動注入が可能となると共に、各シール室に充填材
を自動注入する際に、電磁開閉弁の下流部で分岐する複
数の支管に接続された一部のシール室部分に漏水が発生
した場合には、手動切換弁により漏水の発生した部分の
シール室に集中的に充填材を自動注入できる。
【0012】本願の第3の発明に係るシールド掘進機に
おけるテールシール部への充填材供給装置は、第1の発
明においてコントローラはテールシール間のシール室へ
の充填材供給が一巡した後、所定の時間休止後再び同一
サイクルを行うよう電磁開閉弁に作動信号を出力するこ
とを特徴とする。
【0013】第3の発明によれば、コントローラはテー
ルシール間のシール室への充填材供給が一巡した後は、
シール室の圧力が低下し始める所定時間後に再び同一サ
イクルを行えば、シール室の圧力は常にシールに必要な
所定値に維持される。従って、テールシール部の確実な
シールが可能となると共に、供給ポンプの動力消費量、
および充填材の供給量を必要最小限度に抑えることがで
きる。
【0014】本願の第4の発明に係るシールド掘進機に
おけるテールシール部への充填材供給装置は、第3の発
明においてテールシールの上方のシール室への給脂時間
を下方のシール室への給脂時間よりも長くしたことを特
徴とする。
【0015】第4の発明によれば、テールシールのシー
ル室に供給された充填材は自重により上方から下方へ移
動し、上方シール室の圧力が低下し易くなるため、上方
シール室への給脂時間を下方のシール室より長くして、
全シール室の圧力が均等に維持されるように制御するこ
とにより、テールシール部の確実なシールが可能とな
る。
【0016】本願の第5の発明に係るシールド掘進機に
おけるテールシール部への充填材供給装置は、第1の発
明においてテールシール間の所望のシール室のみに充填
材を供給するために、充填材を供給するシール室その給
脂時間との所定サイクルを指定する操作盤を設置するこ
とを特徴とする。
【0017】第5の発明によれば、テールシール間に環
状に形成されたシール室は、円周上で一様に充填材を必
要とするとは限らず作業条件によっては他より多くの充
填材を必要とする部分が発生することがある。このよう
に予め分かっている所望のシール室のみに充填材を供給
するために、充填材を供給するシール室とその給脂時間
との所定サイクルを指定する操作盤を設置して必要に応
じて使用すれば、シール室へ充填材を有効に供給するこ
とができる。
【0018】本願の第6の発明に係るシールド掘進機に
おけるテールシール部への充填材供給装置は、シールド
掘進機のテールシール間のシール室に設置された複数の
テールシール間に形成されるシール室への充填材供給装
置において、スキンプレート外周部に溝付き平板状の充
填材注入部材をシールド掘進機の軸方向に溶着し、この
溝と前記スキンプレートの外周面により充填材供給路を
形成したことを特徴とする。
【0019】第6の発明によれば、充填材はスキンプレ
ートの外周面に形成された充填材注入路を経由してテー
ルシール間のシール室へ供給される。従って、溝とスキ
ンプレートの外周面で形成される充填材注入路として、
その断面の高さを低く形成したので、地山からの土砂、
水の侵入および外部の土砂、薬液注入による固結部から
外力を受けても充分に耐え得る強度とすることができ
る。またこの平板状部材の先端にテーパ部をつけ硬化肉
盛りを施すと、シールド掘進時の掘進抵抗が軽減できる
と共に、土砂等による摩耗も防止できる。
【0020】本願の第7の発明に係るシールド掘進機に
おけるテールシール部への充填材供給装置は、シールド
掘進機のテールシール間のシール室に設置された複数の
テールシール間に形成されるシール室への充填材供給装
置において、供給ポンプからシール室へ至る充填材供給
路の途中を後方デッキ部材またはシールド本体の支柱部
材の各中空部により形成したことを特徴とする。
【0021】第7の発明によれば、シールド掘進機内ス
ペースを有効に利用できると共に、後方デッキ部材、ま
たはシールド本体の支柱部材の各中空部の大きな空間
が、充填材のリザーバとして利用できるため、シール室
の一部に比較的多くの漏れが生じた場合でもリザーバ内
の圧力低下が最小限に防止される。従って、従来のよう
な太い充填材の供給管を廃止でき、シールド掘進機内ス
ペースを有効に利用することにより、掘進作業性、およ
び保守作業性が向上するためトンネル掘進のための費用
を大幅に低減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1〜図
8により説明する。図1は本発明を実施するための装置
の構成をシールド掘進機1の断面図と共に示した図で、
シールド掘進機1の前端部には、カッタドラム駆動ギヤ
ー5を介して、カッタドラム駆動モータ4により駆動さ
れるカッタドラム3が回転可能に装着されており、カッ
タドラム3の前端にはカッタヘッド2が固定されてい
る。また、シールド掘進機1に固定されたシールドジャ
ッキ6は、ストロークセンサ7により1セグメント24
幅だけ推進したことを検出すると、推進を停止してシー
ルドジャッキ6を収縮することにより形成された、1セ
グメント24幅のスペースにセグメント24を巻立て
る。
【0023】図1においてシールド掘進機1のテールシ
ールド9部を示すY部分の詳細は、図3のように、テー
ルシールド9の後端部には、鋼線の束を主体としたブラ
シシールからなる3段のテールシール10a,10b,
10cがボルト11により固定されている。この3段の
テールシール10a,10b,10cとセグメント24
の外周面とで形成される前方、後方二つのシール室S1,
S2 には、たとえば繊維入りグリースのような充填材が
注入され、地下水がシールド掘進機1内に浸入しないよ
うに所定圧が与えられる。テールシールド9の外周部に
溶接された、溝付平板状部材8の溝部8aと前方シール
室S1 とを連通する注入孔9cは円周等間隔で4箇所(
図2のF1 〜F4), 溝部8bと後方シール室S2 とを
連通する注入孔9dも円周等間隔で4箇所(図2のR1
〜R4 )がテールシールド9に同位相で開孔されてい
る。また、シールド掘進機1内に設置された供給ポンプ
12は、大径の供給管13、ループ状主配管14、この
ループ状主配管14から分岐し、テールシールド9の内
周に設けられている注入孔9a,9bと接続する複数の
分岐配管15は、主配管14よりも小断面に形成され、
分岐配管15に設置された電磁開閉弁として、電磁操作
式のボールバルブ16、このボールバルブ16からの分
岐管17に介設される手動切換弁18、溝付平板状部材
8の溝部8a,8bを経て充填材が、前方および後方シ
ール室S1,S2 に供給される。
【0024】図2はグリース供給制御装置の構成例を示
す図で、供給ポンプ12の二次側には圧力スィッチ21
が設けられていて、充填材の注入圧力を検出する。充填
材の注入をシーケンシャルに行うために、コントローラ
20によりボールバルブ16の開閉時間を調整してい
る。
【0025】前方シール室S1 用のボールバルブ16は
F1 〜F4 、後方シール室S2 用のボールバルブ16は
R1 〜R4 のように、各箇所に取り付けられており、台
車Pに搭載される制御盤19のスィッチによる選択指令
で前方シール室S1 、後方シール室S2 の充填材注入箇
所を決定することができる。ボールバルブ16の下流側
に設けた手動切換弁18はシール室への充填材の注入量
を適宜調整するために用いられる。
【0026】図4はシール室の詳細を示す図で、長手方
向に2つの溝8a,8bが設けられた長尺の溝付平板状
部材8がスキンプレート9の外周面に溝が対向するよう
にして溶接されている。この2つの角溝8a,8bがテ
ールシールド9の外周面とで形成される通路がF1 〜F
4 ,R1 〜R4 での注入孔9a,9bと注入孔9c、9
d間の注入路となる。したがって、高さ(h)が低く断
面積が確保できる注入路が形成される。図3に示される
ように、溝付平板状部材8の掘進方向側の先端部8cに
は硬化肉盛り層8cがテーパ状に施されている。
【0027】シールドジャッキ6に取り付けられたスト
ロークセンサ7のジャツキストローク量を表す信号がコ
ントローラ20に伝送され、この出力信号と電源の入力
により充填材供給ポンプ12の始動・停止ならびにボー
ルバルプ16の開閉操作が制御される。
【0028】次に、本実施例の作動について説明する。
基本的には水洩れや土砂の噴発、流出がない場合は自動
操作が選択される。制御盤19の始動スイッチを押釦す
ると供給ポンプ側12が始動する。ボールバルプ16は
電磁操作により一定の時間間隔で順次開閉していく。開
閉順序は、例えば図5に示すように、F1 →F2 →F3
→F4 →R1 →R2→R3 →R4 またはF1 →R2 →F2
→R3 →F4 →R4 のように自由に設定できるように
なっている。ボールバルプ16開放時間はコントローラ
20内のタイマにより適宜に設定されるが、最初のF1
〜R4 はt1 間隔でボールバルプ16を順に開いて充填
材をシール室S1 ,S2 に注入し、t2 間をボールバル
プ16を閉めて注入を停止した後に同一時間間隔t1 で
F1 〜R4 の注入を繰り返すことにより、全周に略均等
に充填材が行き渡るようにする。また、上方のシール室
は重力により早く落下するためボールバルブが下方のボ
ールバルブよりも注入時間を長くすることもある。
【0029】一定時間間隔でシーケンシャルサイクル運
転中、充填材注入圧が地山の土圧、水圧によって設定値
に達すると、一定時間間隔t1 内でも供給ポンプ12の
二次側に設けた圧力スィッチ21による信号がコントロ
ーラ20に伝送され、コントローラ20内のタイマが作
動して次工程のボールバルプ16を開く。
【0030】水洩れや土砂の噴発、流出がF2 ,R2 部
分に発見された場合には、図6に示すように、手動に切
換えてそれまでのシーケンシャルサイクル運転を中止し
て、水洩れ、土砂の落下箇所のシール室(F2 ,R2 部
分)へ集中的に充填材を注入すべく手動切換弁18を開
き続け大量の充填材を注入して止水措置や土砂の落下を
防止する。テールシール間のシール室への充填材注入路
として、スキンプレートの外周部に長尺の溝付き平板状
部材を掘進機の軸方向に溶着し、この溝と前記のスキン
プレートの外周面で形成される充填材注入路としたこと
により上記の問題点を解決するものである。
【0031】テールシールのシール室に設置された複数
のテールシール間に形成されるシール室への充填材注入
路として、スキンプレートの外周部に長尺の溝付き平板
状部材が掘進機の軸方向に溶着され、この溝と前記スキ
ンプレートの外周面で形成される充填材注入路としたこ
とによって、高さが低い断面積の確保できる充填材注入
路が形成されるので地山からの土砂、水の侵入および外
部の土砂、薬液注入による固結部から外力を受けても充
分に耐え得る強度とすることになった。また、この平板
状部材の先端にテーパ部をつけ、硬化肉盛りを施すとシ
ールド掘進時の貫入抵抗が軽減できると共に土砂等によ
る磨耗も防止できる。
【0032】図7において、シールド本体1a内周に固
定されたリングガータ26には、中空部を有する角材に
より井桁状に形成した支柱27が固定されている。また
この支柱27の後方にはやはり中空部を有する角材によ
り構成された後部デッキ25の前端部が固定されてい
る。そして供給ポンプ12の吐出部は供給管13を介し
て、後部デッキ25の中空部後端に接続されており、後
部デッキ25および支柱27の中空部は充填材供給路の
一部を形成している。また支柱27の中空部からは図8
に示すような構成により、手動切換弁18を介して図3
および図4に示すような平板状部材8の溝部8a,8b
に配管されている。このように後部デッキ25と支柱2
7とを構成する部材の各中空部により、大断面を有する
供給管の一部を形成すると共に、別に設置すべき供給管
を省略することにより機内の作業空間を拡大している。
【0033】図7に示すシールド掘進機によるときは、
供給ポンプ12から吐出された充填材は、供給管13を
介して中空の角材により構成される後部デッキ25の中
空部を経由して、シールド本体1aのリングガータ26
に固定され、やはり中空の角材により構成される支柱2
7の中空部および手動切換弁18を経由して、図3およ
び図4に詳細を示すような平板状部材8の溝部8a,8
bに供給された後、前方、後方の各シール室S1 ,S2
に供給される。前記後部デッキ25および支柱27の各
中空部では大断面となり大きな空間が確保されるため、
充填材のリザーバとして利用できる。従ってシール室の
一部に比較的多くの漏れが生じた場合でもリザーバ内の
充填材の圧力低下を最小限に防止できる。しかも別に設
置すべき充填材の供給管を省略できるため、シールド掘
進機内における作業空間が拡大されて作業し易くなるた
め、トンネル掘進のための作業効率を大幅に向上でき
る。なお後部デッキ25または支柱27に圧力スイッチ
21aを設置して、この信号をコントローラ20に出力
することにより、充填材の圧力を所定の範囲内に保持す
るように供給ポンプ12を自動運転すれば、シール室へ
安定した充填材の供給を行うことができる。本実施例に
おいては図3および図4に示すようなシール室S1 およ
びS2 の圧力を4〜5kg/cm2 とするためには、後
部デッキ25に200mm角の角材を4本、トンネル軸
線方向に4〜5m使用することにより、供給ポンプ12
の圧力を30〜40kg/cm2 とすることができ、全
供給管13に2”管を使用する場合に比べて5kg/c
2 の圧力を低減することができた。
【0034】図8について支柱27の中空部から図3お
よび図4に示すような平板状部材8の溝部8a,8bへ
の配管構造を説明する。図8(A)はシールド本体1a
に固定されたリングガータ16の縦断面がL字型の場合
を示す第1の構造例で、支柱27の中空部とシールド本
体1aに形成された注入孔9a,9bとは配管30によ
り接続されている。なお本配管構造では手動切換弁18
は省略してある。この構成によれば、支柱27の中空部
に供給された充填材は配管30を介して注入孔9a,9
b、および溝部8a,8bからシール室S1 およびS2
に供給される。
【0035】図8((B)はシールド本体1aに固定さ
れたL字型縦断面のリングガータ16に補助板26aに
よりリングガータ16の中空部を形成して、この中空部
を充填材の供給路として利用する場合を示す第2の構造
例であり、リングガータ16の円周部には複数個の連通
孔27aが形成してある。なお本配管構造では手動切換
弁18は省略してある。この構成によれば、支柱27の
中空部に供給された充填材は連通孔27aからリングガ
ータ16の中空部を介して、注入孔9a,9b、および
溝部8a,8bからシール室S1 およびS2 に供給され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すシールド掘進機の縦断面
を示す図である。
【図2】本実施例の給脂システムの概要説明図である。
【図3】図1のY部詳細を示す図である。
【図4】図3の平板状部材の横断面を示す図である。
【図5】自動給脂システムにおける各電磁操作式ボール
バルブのタイムチャートを示す図である。
【図6】漏水箇所の手動給脂時のタイムチャートを示す
図である。
【図7】供給管の一部を後部デッキと支柱で置換した本
発明の実施例を示す図で、(A)はシールド掘進機の縦
断面、(B)は後部デッキと支柱部分の詳細図である。
【図8】図7の支柱から平板状部材に至る供給管の詳細
図で、(A)第1例を示す図、(B)は第2例を示す図
である。
【図9】第1の従来技術における充填材注入路構造を示
す図である。
【図10】第2の従来技術におけるスキンプレートに小
径の充填材注入路を設けた構造を示す図である。
【図11】第3の従来技術におけるスキンプレートに四
角状の充填材注入路を設けた構造を示す図である。
【図12】第4の従来技術における給脂システムの概要
説明図である。
【図13】第5の従来技術を示す図で、(A)はシール
材の分配装置全体を示す縦断面図、(B)は(A)のB
−B断面図で分配装置の詳細を示す図である。
【図14】第6の従来技術を示す図で、(A)はシール
ド掘進機の縦断面、(B)は(A)のV矢視図である。
【符号の説明】
1…シールド掘進機、2…カッタヘッド、3…カッタド
ラム、4…カッタドラム駆動モータ、5…カッタドラム
駆動ギヤー、6…シールドジャッキ、7…ストロークセ
ンサ、8…溝付平板状部材、9…テールシールド、1
0,10a,10b,10c…テールシール、24…セ
グメント、S1 ,S2 …前方および後方シール室、12
…供給ポンプ、13…供給管、14…ループ状主配管、
15…分岐配管、16…ボールバルブ、18…手動切換
弁、19…制御盤、20…コントローラ、21,21a
…圧力スィッチ、25…後部デッキ、26…後部デッ
キ、27…支柱、28…圧力計。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機のスキンプレートに設置
    された複数のテールシール間で形成されるシール室への
    充填材供給装置において、供給ポンプと、コントローラ
    と、スキンプレート内部に設置された大径のループ状主
    配管と、該ループ状主配管から分岐し、テールシール間
    のシール室と接続する該主配管よりも小断面の複数の分
    岐配管と、該分岐配管に設置された電磁開閉弁とから構
    成されるシールド掘進機におけるテールシール部への充
    填材供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、更に前記電磁開閉弁
    の下流部は複数の支管に分岐され、それぞれの支管に手
    動切換弁を介装していることを特徴とするシールド掘進
    機におけるテールシール部への充填材供給装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、コントローラはテー
    ルシール間のシール室への充填材供給が一巡した後、所
    定の時間休止後再び同一サイクルを行うよう前記電磁開
    閉弁に作動信号を出力することを特徴とするシールド掘
    進機におけるテールシール部への充填材供給装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、テールシールの上方
    のシール室への給脂時間を下方のシール室への給脂時間
    よりも長くしたことを特徴とするシールド掘進機におけ
    るテールシール部への充填材供給装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、テールシール間の所
    望のシール室のみに充填材を供給するために、充填材を
    供給するシール室その給脂時間との所定サイクルを指定
    する操作盤を設置することを特徴とするシールド掘進機
    におけるテールシール部への充填材供給装置。
  6. 【請求項6】 シールド掘進機のテールシール間のシー
    ル室に設置された複数のテールシール間に形成されるシ
    ール室への充填材供給装置において、スキンプレート外
    周部に溝付き平板状の充填材注入部材をシールド掘進機
    の軸方向に溶着し、この溝と前記スキンプレートの外周
    面により充填材供給路を形成したことを特徴とするシー
    ルド掘進機におけるテールシール部への充填材供給装
    置。
  7. 【請求項7】 シールド掘進機のテールシール間のシー
    ル室に設置された複数のテールシール間に形成されるシ
    ール室への充填材供給装置において、供給ポンプからシ
    ール室へ至る充填材供給路の途中を後方デッキ部材また
    はシールド本体の支柱部材の各中空部により形成したこ
    とを特徴とするシールド掘進機におけるテールシール部
    への充填材供給装置。
JP8106470A 1995-04-04 1996-04-04 シールド掘進機におけるテールシール部への充填材供給装置 Pending JPH08333991A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015086536A (ja) * 2013-10-29 2015-05-07 株式会社奥村組 シールド掘進機
JP2015218520A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 株式会社大林組 シールドマシンのテールシール注入システム
JP2017101487A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 大成建設株式会社 裏込め材浸入防止構造
JP2020117907A (ja) * 2019-01-22 2020-08-06 大成建設株式会社 グリース供給装置およびグリース供給方法

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