JP6479868B2 - 裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システム - Google Patents

裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システム Download PDF

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本発明は、土圧式シールド掘進機、泥水式シールド掘進機などを用いる各種のシールド工法やシールド型TBM(トンネル・ボーリング・マシン)を用いるTBM工法において、シールド掘進機(シールド型TBMを含む。以下、同じ。)の掘進と同時に、シールド掘進機により掘削された掘削坑とシールド掘進機のテールプレート筒内で組み立てられ掘削坑に覆工されたセグメントとの間に生ずるテールボイドに、裏込め注入システムを用いて、裏込め材を注入充填し、シールド掘進機がセグメント1リング分を掘進する毎に、シールド掘進機を停止し、裏込め材のテールボイドへの注入を停止して、シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、テールボイドに既に充填された裏込め材を保持して、掘削坑の変形や周辺地盤の沈下を防止するのに使用する裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システムに関する。
一般に、土圧式シールド掘進機、泥水式シールド掘進機などを用いる各種のシールド工法やシールド型TBM(トンネル・ボーリング・マシン)を用いるTBM工法では、例えば特許文献1、2に記載されているように、シールド掘進機の掘進と同時に、シールド掘進機のテールプレート外周部に設けた裏込め注入管により、掘削坑とセグメントとの間から、あるいはシールド掘進機のテールプレート内部に設けた裏込め注入管により、セグメントのグラウトホールから、テールボイドへ裏込め材が注入、充填される。これは一般に同時裏込め注入と称される。
この場合、裏込め材としてはA液、B液の2液混合方式が多く採用されている。この2液混合方式で用いるA液は、例えば、セメントやスラグ石灰系の主材、粘土鉱物骨材、安定剤、水により構成される。このA液はいずれ固化する性質を有している。B液は水ガラスを主成分とする凝固硬化剤である。A液とB液とは裏込め注入管に別系統で供給され、裏込め注入管の吐出口の手前で混合され、混合後直ちに凝固(ゲル化)して地下水などにより希釈されるのを防止する。なお、裏込め材のA液はセメント等の硬化材を含むので、時間の経過によりやがて固化される。
また、この場合、裏込め注入圧力の設定圧は、一般的に、土圧式シールド掘進機の場合、切羽泥土圧に、泥水式シールド掘進機の場合、切羽泥水圧に、それぞれ余裕圧を付加した大きさとする例が多い。シールド掘進機の掘進が進むと裏込め注入抵抗が段々高くなるので、徐々に注入圧が高まるケースもある。このようにシールド掘進機の掘進と同時に、テールボイドに裏込め材を注入して圧力を保持することにより、掘削坑の変形や地盤の沈下を抑えることができる。すなわち、シールド掘進機の掘進中は、シールド掘進機により形成された掘削坑がテールボイドに加圧注入された裏込め材により支持されることになる。このときの掘削坑は受働土圧的状態にあると言える。つまり、掘削坑は裏込め材の内圧が作用して保持される、と言うことができる。
図8に従来のシールド掘進機の作業フローと裏込め注入の作業フローを示している。
図8に示すように、シールド掘進機の掘進中(掘進(1)のとき)は、同時に裏込め注入(裏込め注入(1))を行う。シールド掘進機がセグメント1リング分の掘進を終了するとシールド掘進機を停止し、シールド掘進機(テールプレート筒)内で次のセグメントの組み立てを行う(セグメント組立(1))。セグメントの組み立ての間は、裏込め注入もまた停止し、このセグメントの組み立てが終了するまでに、裏込め注入管のA液管をA液供給ラインとともに洗浄する(洗浄(1))。このセグメントの組み立て(セグメント組立(1))が終了すると、シールド掘進機を掘進させ(掘進(2))、同時に裏込め注入(裏込め注入(2))を行う。シールド掘進機がセグメント1リング分の掘進を終了するとシールド掘進機を停止し、シールド掘進機内で次のセグメントを組み立てる(セグメント組立(2))。セグメントの組み立ての間は、裏込め注入もまた停止し、このセグメントの組み立てが終了するまでに、裏込め注入管のA液管をA液供給ラインとともに洗浄する(洗浄(2))。かかる作業を繰り返し行う。
特開平9−132996号公報(特に、段落0002−段落0005) 特開平6− 42293号公報(特に、段落0002−段落0006)
しかしながら、従来の同時裏込め注入では、シールド掘進機がセグメント1リング分を掘進すると、掘進を停止して、シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立て、このセグメントの組み立ての間、裏込め注入ポンプを停止して裏込め材のテールボイドへの注入を停止するため、テールボイドに既に充填された裏込め材に注入圧力がなくなり、裏込め材の圧力がしばしば前述の切羽圧力よりも低くなる。これは計測結果にも示されている。このように裏込め材の注入による加圧状態がなくなるため、土圧や地下水圧がテールボイドの裏込め材に作用する。このときの掘削坑は主働土圧的状態にあると言える。つまり、テールボイドに裏込め材が充満しているが、掘削坑が積極的に加圧されていないので、掘削坑はそれ自身の保持力により支持されている、と言うことができる。このため、地盤が軟弱であれば、地盤の沈下する原因となる。また、裏込め材が地盤へ漏れ、あるいは裏込め材の圧縮も考えられ、これが地盤の変形や沈下の一因ともなっている。
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種の裏込め注入において、シールド掘進機を停止してシールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間でも、テールボイドの裏込め材にシールド掘進機の掘進中と略同様の圧力を付加して、テールボイドに充填した裏込め材を確実に保持することができ、シールド掘進機停止中の掘削坑の変形や周辺地盤の沈下を防止することのできる裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システムを提供すること、を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明(1)は、
シールド掘進機の掘進と同時に、前記シールド掘進機により掘削された掘削坑と前記シールド掘進機内で組み立てられ、前記掘削坑に覆工されたセグメントとの間に生ずるテールボイドに、裏込め注入管及び前記裏込め注入管に裏込め材又はその主材を供給する少なくとも1つの供給ラインからなる裏込め注入システムを用いて裏込め材を注入充填し、前記シールド掘進機の掘進毎に、前記シールド掘進機を停止して、前記シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、テールボイドに既に充填された裏込め材の圧力を保持する方法であって、
前記裏込め注入システムの裏込め材又はその主材の供給ラインに、裏込め材を任意の圧力で裏込め材又はその主材の供給ラインに供給可能な圧力保持装置を設け、
前記圧力保持装置により、裏込め材又はその主材により所定の圧力を前記裏込め材又はその主材の供給ラインに加え、裏込め材又はその主材を圧力媒体として所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、テールボイドに既に充填された裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させて、テールボイドの裏込め材を保持する、
ことを要旨とする。
上記目的を達成するために、本発明(2)は、
上記発明(1)の裏込め材保持方法に用いる裏込め注入システムであって、
少なくとも一対の裏込め注入ラインを備え、
前記各裏込め注入ラインは、
裏込め材をテールボイドに注入充填するための裏込め注入管と、
前記裏込め注入管に接続され、裏込め材又はその主材を前記裏込め注入管に供給する裏込め材又はその主材の供給装置及び配管からなる裏込め材又はその主材の供給ラインと、
前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管に切換バルブを介して接続され、前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管から裏込め材又はその主材を取り込み所定の圧力で加圧して前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管に供給する圧力保持装置と、
テールボイドに充填された裏込め材の圧力を計測する圧力計と、
前記圧力計で計測された圧力に基づいて、前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記裏込め材又はその主材の供給装置及び前記切換バルブ、前記圧力保持装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記裏込め注入管はシールド掘進機の外周面に設置され、
前記シールド掘進機の掘進と同時に、裏込め材をテールボイドに注入充填し、
前記シールド掘進機を停止し前記シールド掘進機内でセグメントを組み立てる間、前記圧力保持装置により裏込め材又はその主材を所定の圧力で前記裏込め材又はその主材の供給ラインに供給し、所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、テールボイドに既に充填された裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させる、
ことを要旨とする。
上記目的を達成するために、本発明(3)は、
上記発明(1)の裏込め材保持方法に用いる裏込め注入システムであって、
少なくとも一対の裏込め注入ラインを備え、
前記各裏込め注入ラインは、
裏込め材をテールボイドに注入充填するための裏込め注入管と、
前記裏込め注入管に接続され、裏込め材又はその主材を前記裏込め注入管に供給する裏込め材又はその主材の供給装置及び配管からなる裏込め材供給ラインと、
前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管に切換バルブを介して接続され、前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管から裏込め材を取り込み裏込め材又はその主材を所定の圧力で加圧して前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管に供給する圧力保持装置と、
テールボイドに充填された裏込め材の圧力を計測する圧力計と、
を備え、
前記裏込め注入管はシールドトンネルの内部に配置され、
前記シールド掘進機の掘進と同時に、裏込め材をセグメントに設けられたグラウトホールを通じてテールボイドに注入充填し、
前記シールド掘進機を停止し前記シールド掘進機内でセグメントを組み立てる間、前記圧力保持装置により裏込め材又はその主材を所定の圧力で前記裏込め材又はその主材の供給ラインに供給し、所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、テールボイドに既に充填された裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させる、
ことを要旨とする。
また、上記目的を達成するために、本発明(4)は、
シールド掘進機の掘進と同時に、前記シールド掘進機により掘削された掘削坑と前記シールド掘進機内で組み立てられ、前記掘削坑に覆工されたセグメントとの間に生ずるテールボイドに、裏込め注入管及び前記裏込め注入管に主材・硬化剤・洗浄剤を供給する供給ラインからなる裏込め注入システムを用いて裏込め材を注入充填し、前記シールド掘進機がセグメントを掘進した後に、前記シールド掘進機を停止し、前記シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、前記テールボイドの既に充填された前記裏込め材の圧力を保持する方法であって、
前記裏込め注入システムの前記主材の供給ラインに、前記主材を貯留可能でかつ前記主材を任意の圧力で前記主材の供給ラインに供給可能な圧力保持装置を設け、
前記圧力保持装置により、貯留した前記主材により所定の圧力を前記主材の供給ラインに加え、前記裏込め材又は前記主材を圧力媒体として所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、前記テールボイドに充填した前記裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させて、前記テールボイドの前記裏込め材を保持する、
ことを要旨とする。
この場合、シールド掘進機に、少なくとも一対の裏込め注入システムを装備し、
前記シールド掘進機の掘進と同時に、一方の裏込め注入システムにより前記テールボイドに裏込め材を注入充填し、当該一方の裏込め注入システムによる前記裏込め材の注入中、他方の裏込め注入システムにおいて洗浄液の供給ラインから洗浄液を前記裏込め注入管を通して主材の供給ラインに供給し、前記シールド掘進機が掘進を停止して前記シールド掘進機内で新たなセグメントの組み立てを終えるまでに前記裏込め供給管とともに前記主材の供給ラインを洗浄するステップ1と、
前記シールド掘進機が掘進を停止して前記シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、前記一方の裏込め注入システムにおいて前記圧力保持装置により貯留した前記主材を所定の圧力で前記主材の供給ラインに供給し、前記裏込め材又は前記主材のみを所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、前記テールボイドに充填した前記裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させるステップ2と、
前記シールド掘進機の次の掘進と同時に、前記他方の裏込め注入システムにより前記テールボイドに前記裏込め材を注入充填し、当該他方の裏込め注入システムによる前記裏込め材の注入中、前記一方の裏込め注入システムにおいて前記洗浄液の供給ラインから前記洗浄液を前記裏込め注入管を通して前記主材の供給ラインに供給し、前記シールド掘進機が次の掘進を停止して前記シールド掘進機内で新たなセグメントの組み立てを終えるまでに前記裏込め注入管とともに前記主材の供給ラインを洗浄するステップ3と、
前記シールド掘進機が前記次の掘進を停止して前記シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、前記他方の裏込め注入システムにおいて前記圧力保持装置により貯留した前記主材を所定の圧力で前記主材の供給ラインに供給し、前記裏込め材又は前記主材のみを所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、前記テールボイドに充填した前記裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させるステップ4と、
を、順次、繰り返し行うことが好ましい。
また、この場合、シールド掘進機に、少なくとも一対の裏込め注入システムを装備し、
前記シールド掘進機の掘進と同時に、一方の裏込め注入システムにより前記テールボイドに裏込め材を注入充填し、当該一方の裏込め注入システムによる前記裏込め材の注入中、他方の裏込め注入システムにおいて洗浄液の供給ラインから洗浄液を裏込め注入管を通して前記主材の供給ラインに供給し、前記一方の裏込め注入システムによる前記裏込め材の注入を終えるまでに前記裏込め注入管とともに前記主材の供給ラインを洗浄するステップ1と、
前記シールド掘進機が掘進を停止して前記シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、前記他方の裏込め注入システムにおいて前記圧力保持装置により貯留した前記主材を所定の圧力で前記主材の供給ラインに供給し、前記裏込め材又は前記主材のみを所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、前記テールボイドに充填した前記裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させ、前記一方の裏込め注入システムにおいて前記洗浄液の供給ラインから前記洗浄液を前記裏込め注入管を通して前記主材の供給ラインに供給し、前記シールド掘進機が掘進を停止して前記シールド掘進機内で新たなセグメントの組み立てを終えるまでに前記裏込め注入管とともに前記主材の供給ラインを洗浄するステップ2と、
前記シールド掘進機の次の掘進と同時に、前記一方の裏込め注入システムにより前記テールボイドに前記裏込め材を注入充填し、当該一方の裏込め注入システムによる前記裏込め材の注入中、前記他方の裏込め注入システムにおいて前記洗浄液の供給ラインから前記洗浄液を前記裏込め注入管を通して前記主材の供給ラインに供給し、前記シールド掘進機が掘進を停止して前記シールド掘進機内で新たなセグメントの組み立てを始めるまでに前記裏込め注入管とともに前記主材の供給ラインを洗浄するステップ3と、
前記シールド掘進機が前記次の掘進を停止して前記シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、前記他方の裏込め注入システムにおいて前記圧力保持装置により貯留した前記主材を所定の圧力で前記主材の供給ラインに供給し、前記裏込め材又は前記主材のみを所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、前記テールボイドに充填した前記裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させ、前記一方の裏込め注入システムにおいて前記洗浄液の供給ラインから前記洗浄液を前記裏込め注入管を通して前記主材の供給ラインに供給し、前記シールド掘進機のさらに次の掘進までに前記裏込め注入管とともに前記主材の供給ラインを洗浄するステップ4とを、順次、繰り返し行うものとしてよい。
さらに、上記目的を達成するために、本発明(5)は、
上記裏込め材保持方法に用いる裏込め注入システムであって、
少なくとも一対の裏込め注入ラインを備え、
前記各裏込め注入ラインは、
先端に吐出口を有する注入管、前記注入管に前記吐出口に近接して接続される主材管、前記主材管に前記注入管の前記吐出口に近接して逆止弁を介して接続される硬化剤管、前記注入管に前記吐出口に近接して接続される洗浄液管、前記注入管内に装着され、前記注入管の前記吐出口を開くとともに前記注入管と前記洗浄液管との接続部を閉じ、反対に前記注入管の前記吐出口を閉じるとともに前記注入管と前記洗浄液管との接続部を開くピストン及びピストン駆動装置とを有してなる裏込め注入管と、
前記裏込め注入管の前記主材管に接続され、主材を前記裏込め注入管に供給する主材供給装置及び配管からなる主材供給ライン、及び前記主材供給ラインの前記配管に切換バルブを介して接続され、前記主材供給ラインの前記配管から主材を取り込み貯留し、貯留した主材を所定の圧力で加圧して前記主材供給ラインの前記配管に供給する圧力保持装置と、
前記裏込め注入管の前記硬化剤管に接続され、硬化剤を前記裏込め注入管に供給する硬化剤供給装置及び配管からなる硬化剤供給ラインと、
前記裏込め注入管の前記洗浄液管に接続され、洗浄液を前記裏込め注入管に供給する洗浄液供給装置及び配管からなる洗浄液供給ラインと、
テールボイドに充填された裏込め材の圧力を計測する圧力計と、
前記圧力計で計測された圧力に基づいて、前記主材供給ラインの前記主材供給装置及び前記切換バルブ、前記圧力保持装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記裏込め注入管はシールド掘進機の外周面に設置され、
前記シールド掘進機の掘進と同時に、主材及び硬化剤からなる裏込め材を掘削坑の内壁面とセグメントの外周面との間のテールボイドに注入充填し、
前記シールド掘進機を停止し前記シールド掘進機内でセグメントを組み立てる間、前記圧力保持装置により貯留した前記主材を所定の圧力で前記主材供給ラインに供給し、前記裏込め材又は前記主材を所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、前記テールボイドに充填した前記裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させる、
ことを要旨とする。
この場合、圧力保持装置は、主材及び圧縮空気を貯留するための耐圧容器と、前記圧縮空気を供給する空気圧縮機と、前記耐圧容器と前記空気圧縮機との間に接続され、前記空気圧縮機から前記耐圧容器へ圧縮空気を送る配管と、前記配管に接続され、前記圧縮空気の圧力を制御する圧力制御バルブとを有し、前記耐圧容器内に貯留する主材を所定の圧力で加圧して供給するものとすることが好ましい。
また、この場合、圧力保持装置は、主材を貯留するための耐圧容器と、前記耐圧容器内に配置され、前記耐圧容器内の主材を加圧するピストン、及び前記ピストンを圧力を調整可能に駆動するジャッキとを有し、前記耐圧容器内に貯留する主材を所定の圧力で加圧して供給するものとしてもよい。
さらに、上記目的を達成するために、本発明(6)は、
上記裏込め材保持方法に用いる裏込め注入システムであって、
少なくとも一対の裏込め注入ラインを備え、
前記各裏込め注入ラインは、
先端に吐出口を有する注入管、前記注入管に連接される主材管、前記主材管に前記注入管に近接して逆止弁を介して接続される硬化剤管、前記主材管に前記注入管に近接して接続される洗浄液管、前記注入管に装着され、前記注入管と前記主材管との接続部を開くとともに前記主材管と前記洗浄液管との接続部を閉じ、反対に前記注入管と前記主材管との接続部を閉じるとともに前記主材管と前記洗浄液管との接続部を開く三方コックとを有してなる裏込め注入管と、
前記裏込め注入管の前記主材管に接続され、主材を前記裏込め注入管に供給する主材供給装置及び配管からなる主材供給ライン、及び前記主材供給ラインの前記配管に切換バルブを介して接続され、前記主材供給ラインの前記配管から主材を取り込み貯留し、貯留した主材を所定の圧力で加圧して前記主材供給ラインの前記配管に供給する圧力保持装置と、
前記裏込め注入管の前記硬化剤管に接続され、硬化剤を前記裏込め注入管に供給する硬化剤供給装置及び配管からなる硬化剤供給ラインと、
前記裏込め注入管の前記洗浄液管に接続され、洗浄液を前記裏込め注入管に供給する洗浄液供給装置及び配管からなる洗浄液供給ラインと、
テールボイドに充填された裏込め材の圧力を計測する圧力計と、
を備え、
前記裏込め注入管はシールド掘進機の内部に配置され、
前記シールド掘進機の掘進と同時に、主材及び硬化剤からなる裏込め材をセグメントに設けられたグラウトホールを通じてテールボイドに注入充填し、
前記シールド掘進機を停止し前記シールド掘進機内でセグメントを組み立てる間、前記圧力保持装置により貯留した前記主材を所定の圧力で前記主材供給ラインに供給し、前記裏込め材又は前記主材を所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、前記テールボイドに充填した前記裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させる、
ことを要旨とする。
この場合、圧力保持装置は、主材及び圧縮空気を貯留するための耐圧容器と、前記圧縮空気を供給する空気圧縮機と、前記耐圧容器と前記空気圧縮機との間に接続され、前記空気圧縮機から前記耐圧容器へ圧縮空気を送る配管と、前記配管に接続され、前記圧縮空気の圧力を制御する圧力制御バルブとを有し、前記耐圧容器内に貯留する主材を所定の圧力で加圧して供給するものとすることが好ましい。
また、この場合、圧力保持装置は、主材を貯留するための耐圧容器と、前記耐圧容器内に配置され、前記耐圧容器内の主材を加圧するピストン、及び前記ピストンを圧力を調整可能に駆動するジャッキとを有し、前記耐圧容器内に貯留する主材を所定の圧力で加圧して供給するものとしてもよい。
本発明(1)−(3)の裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システムによれば、シールド掘進機の掘進と同時に、シールド掘進機により掘削された掘削坑とシールド掘進機内で組み立てられ掘削坑に覆工されたセグメントとの間に生ずるテールボイドに、裏込め注入管及び裏込め注入管に裏込め材又はその主材を供給する少なくとも1つの供給ラインからなる裏込め注入システムを用いて、裏込め材又はその主材を注入充填し、シールド掘進機の掘進毎に、シールド掘進機を停止し、シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、裏込め注入システムの裏込め材又はその主材の供給ラインに設けた圧力保持装置により、貯留した裏込め材又はその主材を所定の圧力で裏込め材又はその主材の供給ラインに加えることにより、テールボイドに既に充填した裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させて、テールボイドの裏込め材を保持するので、シールド掘進機を停止してシールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間でも、テールボイドの裏込め材にシールド掘進機の掘進中と略同様の圧力を付加して、テールボイドに充填した裏込め材を確実に保持することができ、シールド掘進機停止中の掘削坑の変形や周辺地盤の沈下を防止することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
本発明(4)−(6)の裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システムによれば、シールド掘進機の掘進と同時に、シールド掘進機により掘削された掘削坑とシールド掘進機内で組み立てられ掘削坑に覆工されたセグメントとの間に生ずるテールボイドに、裏込め注入管及び裏込め注入管に主材・硬化剤・洗浄剤を供給する供給ラインからなる裏込め注入システムを用いて、主材及び硬化剤を混合してなる裏込め材を注入充填し、シールド掘進機がセグメント1リング分を掘進する毎に、シールド掘進機を停止し、裏込め材のテールボイドへの注入を停止して、シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、裏込め注入システムの主材の供給ラインに設けた圧力保持装置により、貯留した主材を所定の圧力で主材の供給ラインに供給し、裏込め材又は主材を圧力媒体として所定の圧力で裏込め注入管に向けて送給することにより、テールボイドに充填した裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させて、テールボイドの裏込め材を保持するので、シールド掘進機を停止してシールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間でも、テールボイドの裏込め材にシールド掘進機の掘進中と略同様の圧力を付加して、テールボイドに充填した裏込め材を確実に保持することができ、シールド掘進機停止中の掘削坑の変形や周辺地盤の沈下を防止することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態による裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システムを示す図((a)は側面断面図、(b)は(a)のP−P線及びQ−Q線断面図) 同方法及び同システムを模式的に示す図 同方法の同システムを用いた具体例を示す図 同方法の同システムを用いた具体例を示す図 同方法及び同システムにおいてC液供給ラインから供給されるC液(洗浄剤)によりA液供給ラインを洗浄する状態を示す図 同方法及び同システムに用いる圧力保持装置の変更例を示す図 本発明の第2の実施の形態による裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システムの一部を模式的に示す図 従来のシールド掘進機の作業フローと裏込め注入の作業フローを示す図
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1、図2に裏込め材保持方法を示している。
図1、図2に示すように、この裏込め材保持方法は、シールド掘進機Mの掘進と同時に、シールド掘進機Mにより掘削された掘削坑Tとシールド掘進機M内で組み立てられ掘削坑Tに覆工されたセグメントSとの間に生ずるテールボイドCに、裏込め注入管1A及び裏込め注入管1Aに主材(以下、A液という。)・硬化剤(以下、B液という。)・洗浄剤(以下、C液という。)を供給する供給ライン2、3、4からなる裏込め注入システムを用いて、A液及びB液を混合してなる裏込め材BFを注入充填し、シールド掘進機MがセグメントS1リング分を掘進する毎に、シールド掘進機Mを停止し、裏込め材BFのテールボイドCへの注入を停止して、シールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間、テールボイドCの既に充填された裏込め材BFを保持するもので、この方法では、特に、裏込め注入システムのA液の供給ライン2に、A液を貯留可能でかつA液を任意の圧力でA液の供給ライン2に供給可能な圧力保持装置5を設け、この圧力保持装置5により、貯留したA液により所定の圧力をA液の供給ライン2に加え、裏込め材BF又はA液を圧力媒体として所定の圧力で裏込め注入管1Aに向けて送給することにより、テールボイドCに充填した裏込め材BFに対し持続的に所定の圧力を作用させて、テールボイドCの裏込め材BFを保持するようにした。
なお、ここでA液は、例えば、セメントやスラグ石灰系の主材、粘土鉱物骨材、安定剤、水からなる。このA液はいずれ固化する性質を有する。また、このA液に遅延剤を用いることもできる。B液は水ガラスを主成分とする凝固硬化剤である。
図1、図2にこの裏込め材保持方法に用いる裏込め注入システムを併せて示している。
図1、図2に示すように、この裏込め注入システムは、上記裏込め材保持方法に用いるもので、このシステムでは、特に、少なくとも一対(2系統)の裏込め注入ラインを備える。なお、ここで、一方のラインを甲ライン、他方のラインを乙ラインと称することにする。また、甲ライン、乙ラインは共に同じ構成を採るので、図2中に甲(乙)ラインと記して、甲ラインのみを例示している。
甲、乙各ラインは、裏込め注入管1Aと、裏込め注入管1Aに接続され、A液を裏込め注入管1Aに供給するA液供給ライン2、及びA液供給ライン2に並列的に接続され、A液供給ライン2からA液を取り込み貯留し、貯留したA液を所定の圧力で加圧してA液供給ライン2に供給する圧力保持装置5と、裏込め注入管1Aに接続され、B液を裏込め注入管1Aに供給するB液供給ライン3と、裏込め注入管1Aに接続され、C液を裏込め注入管1Aに供給するC液供給ラインと、テールボイドCに充填された裏込め材BFの圧力を計測する圧力計6Aと、圧力計6Aで計測された圧力に基づいて、A液供給ライン2、圧力保持装置5を制御する制御装置7とを備えて構成される。
図2に示すように、甲、乙各ラインにおいて、裏込め注入管1Aは、先端に吐出口10を有する注入管11と、注入管11の周面先端側に吐出口10に近接して接続される主材管12(以下、A液管12という。)と、A液管12の周面先端側に注入管11の吐出口10に近接して逆止弁131を介して接続される硬化剤管13(以下、B液管13という。)と、注入管11の周面先端側に吐出口10に近接して接続される洗浄液管14(以下、C液管14という。)と、注入管11内に装着され、注入管11の吐出口10を開くとともに注入管11とC液管14との接続部を閉じ、反対に注入管11の吐出口10を閉じるとともに注入管11とC液管14との接続部を開く前後に所定の間隔をおいて連結された前、後のピストン15F、15R、及び後ピストン15Rに作動連結され、これらのピストン15F、15Rを前進後退駆動するピストン駆動装置15Dとを有してなる。この場合、ピストン駆動装置15Dにジャッキが用いられる(以下、ピストン駆動装置15をジャッキ15という。)。
図2に示すように、甲、乙各ラインにおいて、A液供給ライン2は、裏込め注入管1AのA液管12に接続され、A液を裏込め注入管1Aに供給するA液供給装置21及び配管211、212からなる。この場合、A液供給装置21として、A液を貯留するA液貯留タンク(図示省略)と、A液貯留タンクからA液を送るA液ポンプが使用される(以下、A液供給装置21を単にA液ポンプ21という。)。
また、圧力保持装置5は、A液及び圧縮空気を貯留するための耐圧容器51と、圧縮空気を供給する空気圧縮機52と、耐圧容器51と空気圧縮機52との間に接続され、空気圧縮機52から耐圧容器51へ圧縮空気を送る配管53と、配管53に接続され、圧縮空気の圧力を制御する圧力制御装置(レギュレーター)54とを有してなる。この圧力保持装置5は、耐圧容器51がA液供給ライン2の配管211、212の中間(途中)に導入側、導出側、2系統の切換バルブ221、222、配管231、232を介して接続され、A液ポンプ21からA液供給ライン(配管211)へ送り出されるA液をA液供給ライン2に接続された導入側の切換えバルブ221を介して導入側の配管231から耐圧容器51に取り込み貯留可能に、耐圧容器51に貯留したA液を空気圧縮機52により送り出された圧縮空気の所定の圧力(高圧の圧縮空気)で加圧して、A液供給ライン(配管211、212間)に導出側の切換えバルブ222を介して接続された導出側の配管232からA液供給ライン(配管212)に裏込め注入管1Aに向けて供給可能にしてある。
なお、これらA液ポンプ21、圧力保持装置5は後述する制御装置7とともに、シールド掘進機M内に後方設備として設置される(図1参照)。
図2に示すように、甲、乙各ラインにおいて、B液供給ライン3は、裏込め注入管1AのB液管13に接続され、B液を裏込め注入管1Aに供給するB液供給装置及び配管からなる。この場合、B液供給装置に、B液を貯留するB液貯留タンク(図示省略)と、B液貯留タンクからB液を送るB液送給ポンプ(図示省略)が使用される。
図2に示すように、甲、乙各ラインにおいて、C液供給ライン4は、裏込め注入管1AのC液管14に接続され、C液を裏込め注入管1Aに供給するC液供給装置及び配管からなる。この場合、C液供給装置に、C液を貯留するC液貯留タンク(図示省略)と、C液貯留タンクからC液を送るC液送給ポンプ(図示省略)が使用される。
図2に示すように、甲、乙各ラインにおいて、圧力計6Aは、テールボイドCに充填された裏込め材BFの圧力を計測するためのもので、この場合、シールド掘進機MのテールプレートMtの後端部に取り付けられる。
図2に示すように、甲、乙各ラインにおいて、制御装置7は、A液供給ライン2の特に、A液ポンプ21、及び導入側、導出側の各切換バルブ221、222、圧力保持装置5の特に、空気圧縮器52、圧力制御装置54を制御するためのもので、これら各部と信号線L1−L5を介して電気的に接続され、圧力計6Aで計測された圧力に基づいて、A液供給ライン2の特に、A液ポンプ21、及び導入側、導出側の各切換バルブ221、222、圧力保持装置5の特に、空気圧縮器52、圧力制御装置54をコントロールする。
このような構成からなる甲、乙ラインを備える裏込め注入システムは、図1に示すように、シールド掘進機Mに装備され、各裏込め注入管1AがテールプレートMt外周面の後部に吐出口10を後方に向けてシールド掘進機M軸線方向と平行に設置される。
このようにしてシールド掘進機Mの掘進と同時に、各裏込め注入管1Aにより、A液及びB液からなる裏込め材BFを掘削坑Tの内壁面とセグメントSの外周面との間からテールボイドCに注入充填し、シールド掘進機MがセグメントS1リング分を掘進する毎に、シールド掘進機Mを停止し、裏込め材BFのテールボイドCへの注入を停止して、シールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間、甲ライン又は乙ラインのA液供給ライン2に設けた圧力保持装置5により、貯留したA液を所定の圧力でA液供給ライン2に供給し、裏込め材BF又はA液を圧力媒体として所定の圧力で裏込め注入管1Aに向けて送給することにより、テールボイドCに既に充填した裏込め材BFに対し持続的に所定の圧力を作用させて、テールボイドCの裏込め材BFを保持する。
図1、図2の裏込め材保持方法についてこの裏込め注入システムを用いた具体例を図3、図4に示している。なお、この裏込め材保持方法はシールド掘進機による掘進と並行して裏込め注入する所謂同時裏込め注入方式の作業フローの中に組み入れて実行する。
(具体例1)
この方法では、シールド掘進機Mに甲、乙ラインを装備し、各裏込め注入管1Aをテールプレート外周面の後端に吐出口を後方に向けて設置して(図1参照)、次のステップ1−4を、順次、繰り返し行う。
(ステップ1)
まず、シールド掘進機Mの掘進(掘進(1))と同時に、甲ラインによりテールボイドCに裏込め材BFを注入充填する(裏込め注入(1))。
この場合、図2に示すように、A液供給ライン2でA液を供給し、B液供給ライン3でB液を供給して、これらA液、B液を別系統で裏込め注入管1Aへ送り、吐出口10手前の、A液管12とB液管13との接続部近傍で混合して、裏込め材BFとして吐出口10から吐出し、テールボイドCへ注入充填する。また、この場合、テールボイドC内で圧力計6Aにより裏込め材BFの圧力が計測され、その計測値が信号線L1を経由して制御装置7へ伝送される。裏込め材BFの充填圧は予め適切な所定の圧力が設定されており、適切な充填圧として、例えば、地盤土圧+地下水圧+余裕圧あるいは地下水圧+余裕圧などに設定されることが好ましい。但し、地盤などの条件によって設定圧は異なる。A液ポンプ21は制御装置7によりこの所定の圧力を保持するように制御され、A液ポンプ21により裏込め材BFの充填圧が所定の圧力に保持される。
この甲ラインによる裏込め材BFの注入中、乙ラインにおいてC液供給ライン4からC液を裏込め注入管1A(A液管12)を通してA液供給ライン2に供給し、シールド掘進機Mが掘進を停止してシールド掘進機M内で新たなセグメントSの組み立てを終えるまでに裏込め注入管1A(A液管12)とともにA液供給ライン2を洗浄する(洗浄(1))。
(ステップ2)
次いで、シールド掘進機Mが掘進を停止してシールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間(セグメント組立(1))、甲ラインにおいて圧力保持装置5により貯留したA液を所定の圧力でA液供給ライン2に供給し、裏込め材BF又はA液のみを所定の圧力で裏込め注入管1Aに向けて送給することにより、テールボイドCに充填した裏込め材BFに対し持続的に所定の圧力を作用させる(裏込め材加圧(1))。
この場合、図2に示すように、甲ラインにおいて、まず、B液供給ライン3を閉じてB液の供給を停止する。次に、導出側の切換バルブ222の切換えにより、A液供給ライン2の配管212と圧力保持装置5の導出側の配管232との間を閉止するとともに、A液供給ライン2の配管211と配管212との間を開通し、導入側の切換バルブ221の切換えにより、A液供給ライン2の配管211の配管212方向を閉止するとともに、A液供給ライン2の配管211と圧力保持装置5の導入側の配管231との間を開通して、A液ポンプ21を駆動し、A液を導入側の配管231を介して耐圧容器51に適量貯留する。続いて、空気圧縮機52を駆動し、配管53を経て、耐圧容器51に圧縮空気を所定の圧力で溜め、耐圧容器51内に貯留されたA液を加圧する。次いで、導入側の切換バルブ221の切換えにより、A液供給ライン2の配管211と圧力保持装置5の導入側の配管231との間を閉止するとともにA液供給ライン2の配管211の配管212方向を開通し、導出側の切換えバルブ222により、A液供給ライン2の配管212と圧力保持装置5の導出側の配管232との間を開通するとともに、A液供給ライン2の配管212と配管211との間を閉止し、耐圧容器51からA液のみを導出側の配管232を経由してA液供給ラインの配管212に供給し、裏込め材BF又はA液のみを所定の圧力で裏込め注入管1AのA液管12に向けて送給することにより、裏込め注入管1Aの吐出口10よりテールボイドC内の裏込め材Bfに所定の圧力を付与する。
また、この場合、テールボイドC内の裏込め材BFの圧力は圧力計6Aにより計測され、その計測値が信号線L1を経由して制御装置7へ伝送される。裏込め材BFの圧力は、少なくとも切羽が安定できる泥土圧力あるいは泥水圧力に余裕圧力を加味した所定の圧力に保持する必要があり、所定の圧力は地盤土圧+水圧+余裕圧あるいは切羽泥土圧、あるいは切羽泥水圧+余裕圧、あるいは地下水圧程度など土質など地盤の条件やシールド工法の形式により適切な値に設定し、最大でもシールド掘進機Mの掘進停止時(つまり、1リング分の掘進終了時)に付加していた裏込め注入圧に保持することが好ましい。そこで、圧力保持装置5の圧縮空気の圧力、すなわち、空気圧縮機52から耐圧容器51に供給された圧縮空気の圧力を、圧力制御装置54を使って、地盤土圧+水圧+余裕圧あるいは切羽泥土圧、あるいは切羽泥水圧+余裕圧、あるいは地下水圧など地盤条件やシールド形式により適切な値に調整して、A液を押圧し、このA液を加圧媒体としてA液供給ライン2を経由して裏込め注入管1Aの吐出口10より裏込め材BFを加圧する。また、この圧力保持装置5では、特に図示していないが、耐圧容器51内に液位計あるいはレベル計あるいは液面用レベル計が設置されており、耐圧容器51のA液が減少して、これが液位計あるいはレベル計あるいは液面用レベル計により検知され、A液を補給すべきレベルと計測されると、制御装置7の制御により、A液ポンプ21が駆動され、A液がA液供給ライン2の配管211、導入側の切換バルブ221、導入側の配管231を経て、耐圧容器51に補給される。そして、耐圧容器51内のA液の液面が上昇し圧縮空気が上昇すると、圧力制御装置54が開いて過剰圧力を逃がし、A液が所定の圧力に保たれる。このようにして耐圧容器51内のA液を導出側の配管232を経由してA液供給ラインの配管212に裏込め注入管1Aに向けて供給し、裏込め注入管1Aの吐出口10より裏込め材BFを所定の圧力で加圧する。なお、A液は加圧媒体とするので、裏込め材BFに容易に混入することはなく、万一裏込め材BFに混入しても、A液には本来固化材が配合されているので、裏込め材BFの強度を損なうことはほとんどない。また、B液供給ライン3には、裏込め注入管1AのB液管13の逆止弁131により、A液やC液が浸入することはない。
このように甲ラインのA液供給ライン2で、テールボイドC内の裏込め材BFをA液により所定の圧力で持続的に加圧することにより、裏込め材BFの圧力を所定の圧力に維持する。裏込め材BFは地盤に応力を与えながら次第に凝結し、固化していく。これにより、掘削坑の変形や周辺地盤の沈下を可及的に少なくすることができる。
(ステップ3)
続いて、シールド掘進機Mの次の掘進(掘進(2))と同時に、乙ラインによりテールボイドCに裏込め材BFを注入充填し(裏込め注入(2))、この乙ラインによる裏込め材BFの注入中、甲ラインにおいてC液供給ライン4からC液を裏込め注入管1A(C液管14、A液管12)を通してA液供給ライン2に供給し、シールド掘進機Mが次の掘進を停止してシールド掘進機M内で新たなセグメントSの組み立てを終えるまでに裏込め注入管1A(A液管12)とともにA液供給ライン2を洗浄する(洗浄(2))。
この場合、図2に示すように、甲ラインを洗浄するため、甲ラインから乙ラインに切り替え、この乙ラインを動かしてテールボイドCの裏込め材BFに所定の圧力をかけ、裏込め材BFを保持する。この甲ラインの洗浄では、ジャッキ15Dを駆動して、図5に示すように、前ピストン15F、後ピストン15Rを押し出し、前ピストン15Fを吐出口10まで、後ピストン15Rを注入管11とC液管14との接続部近くまでスライドさせて、前ピストン15Fで吐出口10を閉じ、後ピストン15Rで注入管11とC液管14との接続部を開き、併せて、まず、導入側、導出側の各切換バルブ221、222をA液ポンプ21方向に切り換えて、A液供給ライン2の配管212と配管211との間を開通する。そして、掘削坑内に設置されたC液ポンプを駆動し、C液をC液供給ライン4に送り、裏込め注入管1A(C液管14、A液管12)を通してA液供給ライン2をA液ポンプ21まで逆送し、裏込め注入管1A(A液管12)、各配管212、211、A液ポンプ21を洗浄する。続いて、導入側、導出側の各切換バルブ221、222を圧力保持装置5方向に切り換えて、A液供給ライン2の配管212と圧力保持装置5の導出側の配管232、A液供給ライン2の配管211と圧力保持装置5の導入側の配管231をそれぞれ開通する。そして、再びC液ポンプを駆動し、C液をC液供給ライン4に送り、裏込め注入管1A(C液管14、A液管12)を通してA液供給ライン2を耐圧容器51まで逆送し、裏込め注入管1A(A液管12)、各配管212、232、211、231、耐圧容器51を洗浄する。
(ステップ4)
そして、シールド掘進機Mが再び掘進を停止してシールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間(セグメント組立(2))、乙ラインにおいて圧力保持装置5により貯留したA液を所定の圧力でA液供給ライン2に供給し、裏込め材BF又はA液のみを所定の圧力で裏込め注入管1Aに向けて送給することにより、テールボイドCに充填した裏込め材BFに対し持続的に所定の圧力を作用させる(裏込め材加圧(2))。
このようにして裏込め注入された裏込め材BFを常に所定の圧力又はそれ以上に加圧する。
以上のステップ1−4の繰り返しにより、シールド掘進機Mの掘進中は、シールド掘進機Mにより形成された掘削坑が、裏込め注入システム(裏込め注入管1A)によりテールボイドCに加圧注入された裏込め材BFにより支持され、また、シールド掘進機Mの停止中、つまり、裏込め材BFのテールボイドCへの注入を停止して、シールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間は、裏込め注入システムのA液供給ライン2に設けた圧力保持装置5により、貯留したA液が所定の圧力(シールド掘進機Mの掘進中の裏込め材BFの注入圧)でA液供給ライン2に裏込め注入管1Aに向けて供給され、その結果、裏込め注入管1Aの吐出口10から裏込め材BF又はA液が圧力媒体としてテールボイドCに既に充填された裏込め材BFに対して持続的に所定の圧力で作用し、テールボイドCの裏込め材BFはシールド掘進機Mの掘進中と略同様の圧力が付加されて保持され、掘削坑はテールボイドCの既に充填され所定の圧力で保持された裏込め材BFにより支持される。
なお、透水性の大きな地盤の場合、A液(主材)のみでは、A液が地盤へ容易に浸透することがあるので、このような場合、A液にB液(硬化剤)を少量添加してA液を若干ゲル化させてもよく、このようにすることで、A液の地盤への漏出を防止することができる。
(具体例2)
この方法では、シールド掘進機Mに甲、乙ラインを装備し、各裏込め注入管1AをテールプレートMt外周面の後端に吐出口10を後方に向けて設置して(図1参照)、図4に示す次のステップ1−4を、順次、繰り返し行う。
(ステップ1)
まず、シールド掘進機Mの掘進(掘進(1))と同時に、甲ラインによりテールボイドCに裏込め材BFを注入充填し(裏込め注入(1))、この甲ラインによる裏込め材BFの注入中、乙ラインにおいてC液供給ライン4からC液を裏込め注入管1A(C液管14、A液管12)を通してA液供給ライン2に供給し、甲ラインによる裏込め材BFの注入を終えるまでに裏込め注入管1A(A液管12)とともにA液供給ライン2を洗浄する(洗浄(1))。
(ステップ2)
次いで、シールド掘進機Mが掘進を停止してシールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間(セグメント組立(1))、乙ラインにおいて圧力保持装置5により貯留したA液を所定の圧力でA液供給ライン2に供給し、裏込め材BF又はA液を所定の圧力で裏込め注入管1Aに向けて送給することにより、テールボイドCに充填した裏込め材BFに対し持続的に所定の圧力を作用させ(裏込め材加圧(1))、甲ラインにおいてC液供給ライン4からC液を裏込め注入管1A(C液管14、A液管12)を通してA液供給ライン2に供給し、シールド掘進機Mが掘進を停止してシールド掘進機M内で新たなセグメントSの組み立てを終えるまでに裏込め注入管1A(A液管12)とともにA液供給ライン2を洗浄する(洗浄(1))。
(ステップ3)
続いて、シールド掘進機Mの次の掘進(掘進(2))と同時に、甲ラインによりテールボイドCに裏込め材BFを注入充填し(裏込め注入(2))、この甲ラインによる裏込め材BFの注入中、乙ラインにおいてC液供給ライン4からC液を裏込め注入管1A(C液管14、A液管12)を通してA液供給ライン2に供給し、シールド掘進機Mが掘進を停止してシールド掘進機M内で新たなセグメントSの組み立てを始めるまでに裏込め注入管1A(A液管12)とともにA液供給ライン2を洗浄する(洗浄(2))。
(ステップ4)
そして、シールド掘進機Mが掘進を停止してシールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間(セグメント組立(2))、乙ラインにおいて圧力保持装置5により貯留したA液を所定の圧力でA液供給ライン2に供給し、裏込め材BF又はA液を所定の圧力で裏込め注入管1Aに向けて送給することにより、テールボイドCに充填した裏込め材BFに対し持続的に所定の圧力を作用させ(裏込め材加圧(2))、甲ラインにおいてC液供給ライン4からC液を裏込め注入管1A(C液管14、A液管12)を通してA液供給ライン2に供給し、シールド掘進機Mのさらに次の掘進までに裏込め注入管1A(A液管12)とともにA液供給ライン2を洗浄する(洗浄(3))。
このようにして裏込め注入された裏込め材BFを常に所定の圧力又はそれ以上に加圧する。
このようにしても上記(段落0021の)方法と同様の作用効果を実現することができる。
以上説明したように、この裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システムによれば、シールド掘進機Mの掘進と同時に、シールド掘進機Mにより掘削された掘削坑とシールド掘進機M内で組み立てられ掘削坑に覆工されたセグメントSとの間に生ずるテールボイドCに、裏込め注入管1A及び裏込め注入管1AにA液・B液・C液を供給する供給ライン2、3、4からなる裏込め注入システムを用いて、A液及びB液を混合してなる裏込め材BFを注入充填し、シールド掘進機MがセグメントS1リング分を掘進する毎に、シールド掘進機Mを停止し、裏込め材BFのテールボイドCへの注入を停止して、シールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間、裏込め注入システムのA液供給ライン2に設けた圧力保持装置5により、貯留したA液を所定の圧力でA液供給ライン2に供給し、裏込め材BF又はA液を圧力媒体として所定の圧力で裏込め注入管1Aに向けて送給することにより、テールボイドCに充填した裏込め材BFに対し持続的に所定の圧力を作用させて、テールボイドCの裏込め材BFを保持するので、シールド掘進機Mを停止してシールド掘進機M内で新たにセグメントSを組み立てる間でも、テールボイドCに既に充填した裏込め材BFにシールド掘進機Mの掘進中と略同様の圧力を静的に付加して、テールボイドCの裏込め材BFを確実に保持することができる。これにより、掘削坑の壁面に裏込め材BFによる内圧を作用させることができ、シールド掘進機M停止中の掘削坑の変形や周辺地盤の沈下を防止することができる。
なお、この実施の形態では、圧力保持装置5を、耐圧容器51に貯留したA液を空気圧縮機52から送る圧縮空気により加圧して供給する形式としたが、耐圧容器に貯留したA液をジャッキにより駆動するピストンで加圧して供給する形式にしてもよい。
図6にその一例を示している。
図6に示すように、この圧力保持装置5は、A液を貯留するための耐圧容器51と、耐圧容器51内に配置され、耐圧容器51内のA液を加圧するピストン55、及びピストン55を圧力を調整可能に駆動するジャッキ56とを有し、耐圧容器51内に貯留するA液をピストン55により所定の圧力で加圧して供給するようになっている。
この場合、ピストン55は、ピストン55の外周面と耐圧容器51の内周面が密閉された状態で、耐圧容器51内に滑動可能に配置される。ジャッキ56は油圧式で、オイルを貯留するオイルタンク570及びオイルをジャッキ56へ供給する油圧ポンプ571と、油圧ポンプ571とジャッキ56とを接続する2系統の配管572、573と、一方の配管572上に介設され、ジャッキ56に作用する圧力変動を吸収して一定圧に調圧する定圧弁574と、定圧弁574とオイルタンク570とを接続する配管575とを有する。このようにしてジャッキ56を駆動しピストン55で耐圧容器51内に貯留されるA液を所定の圧力で加圧して、耐圧容器51からA液を、導出側の配管232を経由してA液供給ライン2へ裏込め注入管1Aに向けて供給する。また、耐圧容器51内のA液は既述のとおりA液タンク21により供給されるが、このときにA液の供給量が耐圧容器51から裏込め注入管1Aに向けて加圧供給するA液の量よりも多いと、耐圧容器51の内圧が上がってピストン55が押し上げられ、その力がジャッキ56の作動ストロークを縮小させて、配管572内部の油圧を上昇させる。これにより定圧弁574が働き、定圧弁574から上昇分のオイルが逃がされ、配管575を経て、オイルタンク570に戻される。この一連の作用により、耐圧容器51内のA液の圧力が一定に保持される。したがって、A液は耐圧容器51から所定の圧力で押し出され、配管232、212を経由して、裏込め注入管1Aに向けて供給され、所定の圧力がテールボイドC内の裏込め材BFへ作用する。
このようにしても前述した圧力保持装置と同様の作用効果を得ることができる。
また、この圧力保持装置5には、特に図示しないが、回転容積式偏心ねじポンプ(商品名:モーノポンプ)のごとき加圧保持ポンプを用いることもできる。このようなポンプは、圧力保持機構を装備しており、この場合は、圧力保持装置は不要である。このようにしても前述した圧力保持装置と同様の作用効果を得ることができる。
また、この実施の形態では、各裏込め注入管をテールプレート外周面の後端に吐出口を後方に向けて設置し、裏込め材を掘削坑の内壁面とセグメントの外周面との間からテールボイドに注入充填し、また、圧力保持装置により、A液を所定の圧力でA液供給ラインに供給し、裏込め材又はA液を圧力媒体としてテールボイドに充填した裏込め材に対し所定の圧力を作用させるようにしたが、各裏込め注入管をシールドトンネルの内部に配置して、裏込め材を掘削坑の内壁面に沿って覆工されたセグメントに設けられたグラウトホールを通じてテールボイドに注入充填し、圧力保持装置により、A液を所定の圧力でA液供給ラインに供給し、裏込め材又はA液を圧力媒体としてテールボイドに充填した裏込め材に対し所定の圧力を作用させるようにしてもよい。
図7にその一例を示している。
この場合、甲、乙各ラインは、裏込め注入管1Bと、裏込め注入管1Bに接続され、A液を裏込め注入管1Bに供給するA液供給ライン2(図2参照)、及びA液供給ライン2に並列的に接続され、A液供給ライン2からA液を取り込み貯留し、貯留したA液を所定の圧力で加圧してA液供給ライン2に供給する圧力保持装置5(図2参照)と、裏込め注入管1Bに接続され、B液を裏込め注入管1Bに供給するB液供給ライン3(図2参照)と、裏込め注入管1Bに接続され、C液を裏込め注入管1Bに供給するC液供給ライン4(図2参照)と、テールボイドCに充填された裏込め材BFの圧力を計測する圧力計6Bとを備えて構成される。
なお、セグメントSのグラウトホールHは、グラウトホール管H1と逆止弁H2とにより構成され、セグメントSに適数設けられ、裏込め注入管1Bが螺接されるようになっている。
甲、乙各ラインにおいて、裏込め注入管1Bは、先端に吐出口160を有する注入管16、注入管16に連接されるA液管17、A液管17に注入管16に近接して逆止弁181を介して接続されるB液管18、A液管17に注入管16に近接して接続されるC液管19、注入管16に装着され、注入管16とA液管17との接続部を開くとともにA液管17とC液管19との接続部を閉じ、反対に注入管16とA液管17との接続部を閉じるとともにA液管17とC液管19との接続部を開く三方コック20とを有してなる。
甲、乙各ラインにおいて、A液供給ライン2は、特に図示しないが、既述のとおり、裏込め注入管1BのA液管17に接続され、A液を裏込め注入管1Bに供給するA液供給装置及び配管からなる。
圧力保持装置5は、特に図示しないが、既述のとおり、A液供給ライン2の配管211、212間に導入側、導出側の切換バルブ221、222を介して接続され、A液供給ライン2の配管212からA液を取り込み貯留し、貯留したA液を所定の圧力で加圧してA液供給ラインの配管212に供給する。
甲、乙各ラインにおいて、B液供給ライン3は、特に図示しないが、既述のとおり、裏込め注入管1BのB液管18に接続され、B液を裏込め注入管1Bに供給するB液供給装置及び配管からなる。
甲、乙各ラインにおいて、C液供給ライン4は、特に図示しないが、既述のとおり、裏込め注入管1BのC液管19に接続され、C液を裏込め注入管1Bに供給するC液供給装置及び配管からなる。
甲、乙各ラインにおいて、圧力計6Bは、テールボイドCに充填された裏込め材BFの圧力を計測するためのもので、この場合、裏込め注入管1Bの注入管16(注入管16をグラウトホールHに挿着したときのグラウトホールHの直前の位置)に装着される。
このような構成からなる甲、乙ラインを備える裏込め注入システムは、シールドトンネルの内部に装備される。
このようにしてシールド掘進機Mの掘進と同時に、各裏込め注入管1Bにより、A液及びB液からなる裏込め材をセグメントSに設けられたグラウトホールHを通じてテールボイドCに注入充填し、シールド掘進機Mを停止しシールド掘進機M内でセグメントを組み立てる間、圧力保持装置5により貯留したA液を所定の圧力でA液供給ライン2に供給し、裏込め材BF又はA液を所定の圧力で裏込め注入管1Bに向けて送給することにより、テールボイドCに充填した裏込め材BFに対し持続的に所定の圧力を作用させる。
この場合、裏込め材BFをテールボイドCへ注入するときは、裏込め注入管1Bの注入管16をセグメントSのグラウトホールHに挿着する。そして、三方コック20の吐出口160方向を開き、C液管19方向を閉じて、裏込め注入管1BのA液管17にA液を圧入し、同時にB液管18にB液を供給して混合し、吐出口160よりグラウトホールHを通じてテールボイドCへ加圧注入する。
また、シールド掘進機Mの掘進を停止して、テールボイドCに既に充填した裏込め材BFに圧力を付加するときは、B液の供給を停止してから、圧力保持装置5により耐圧容器51内のA液をA液供給ライン2に加圧供給して裏込め注入管1Bの吐出口160よりテールボイドCの裏込め材BFに静的に圧力を付与する。
A液供給ラテン2を洗浄するときは、三方コック20のC液管19方向を開き、吐出口160方向を閉じて、C液供給ライン4からC液を供給して、A液供給ライン2及び耐圧容器51を洗浄する。
このようにしても前述の裏込め材保持方法及びシステムと同様の作用効果を奏することができる。
なお、この方法及びシステムは、前述した方法及びシステムと組み合わせて用いることができる。図1を参照すると、シールド掘進機Mの掘進中、前述のシステムを用いて、シールド掘進機MのテールプレートMtに設置された裏込め注入管1AからテールボイドCへ裏込め材BFを注入し、シールド掘進機MがセグメントS1リング分を掘進した後、セグメントSを組み立てる間、テールボイドCに充填された裏込め材BFに対して、図7に示す方法及びシステムを用いて圧力を付加することができる。この場合、図7に示すシステムからB液管18を省略することができる。このように図7に示す方法及びシステムをテールボイドCに充填された裏込め材BFに対して加圧付加専用として使用することもできる。この場合、複数のセグメントホールHから裏込め材BFを加圧してもよいことは勿論である。
また、この方法及びシステムは、複数の小断面シールドを近接して掘進し、隣り合うトンネルの裏込め部分の一部を切削し一体化して大断面トンネルを築造する場合にも、適用することができ、この方法及びシステムを用いることで、裏込め部分の接合部の品質や止水性の向上を図ることができ、より好適である。
また、これまでの説明では、主材(A液)と硬化剤(B液)を混合して充填する2液型の裏込め注入方法及びシステムについて説明したが、この種の裏込め注入方法及びシステムにおいては、一液型の裏込め材(硬化剤が不要な場合があり、この場合、主材のみ、又は主材と硬化剤を混合したもの)を用いることがあり、このような1液型の裏込め注入方法及びシステムにも同様に適用できることは勿論である。
2液型の場合、主材のA液は、例えば硬化発現材であるセメント、カルメントと骨材と起泡材、硬化遅延剤と水などからなるモルタルが採用されるが、セメント、骨材、AE剤、遅延剤、流動化剤などからなるコンクリートを採用することができる。この場合には、適切な径を有する供給管や、注入ポンプなどを設備する必要があることは勿論のことである。
1液型裏込め材の場合、砂モルタルやエアグラウト、繊維モルタル、スラグ石灰系モルタルやコンクリートなどを用いることができる。充填されるモルタルやコンクリートの種類、配合、強度などは、トンネルの用途や断面や充填厚さなどにより適切に設計される。ここで裏込め材がコンクリートの場合、強度や厚さなどを適切に設計することで、トンネル本体とすることや、セグメントと一体化して、合成構造とすることもできる。この場合、貯留しないで混練り装置(ミキサー)から直接ポンプに供給することもある。
さらに、以上の説明において、シールド掘進機Mには既述のとおりシールド型TBMを含んでおり、シールド型TBMを用いて掘進作業とセグメント組立作業を繰り返しトンネルを築造するTBM工法においても、この裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システムを同様に適用することができる。この場合、シールド型TBMの掘進時は、このTBMとセグメントの直径方向に形成されるテールボイド(円環状間隙)に、裏込め注入システムを用いて、裏込め材を圧入充填することができ、セグメントの組立作業などでTBMの掘進を停止する間は、テールボイドに既に充填した裏込め材に対して、圧力保持装置を用いて、裏込め材又はA液を加圧媒体として持続的に所定の圧力を作用させることができる。このようにしてテールボイドに充填した裏込め材を確実に保持して、TBM停止中の掘削坑の変形や周辺地盤の沈下を防止することができる。
なお、本発明における裏込め材とは、実施例で説明したように、セグメントの外周面の間隙にモルタルを充填固化せしめ、これがセグメントに地盤の応力を適切に伝達するとともに、地盤の地下水の侵入を防止する機能も有するものを意味する。そして、比較的強度の高い、例えばコンクリートなどの固結材を、厚く形成された間隙に充填し固結せしめ、それ自身で地盤を支持するとともに、セグメントを内型枠として利用する覆工方法にも採用される。
M シールド掘進機
Mt テールプレート
T 掘削坑
S セグメント
C テールボイド
BF 裏込め材
1A 裏込め注入管
10 吐出口
11 注入管
12 A液管(主材管)
13 B液管(硬化剤管)
131 逆止弁
14 C液管(洗浄剤管)
15F 前ピストン
15R 後ピストン
15D ジャッキ(ピストン駆動装置)
1B 裏込め注入管
160 吐出口
16 注入管
17 A液管(主材管)
18 B液管(硬化剤管)
181 逆止弁
19 C液管(洗浄剤管)
20 三方コック
2 A液供給ライン(主材の供給ライン)
21 A液供給装置(A液ポンプ)
211 配管
212 配管
221 導入側の切換えバルブ
222 導出側の切換えバルブ
231 導入側の配管
232 導出側の配管
3 B液供給ライン(硬化剤の供給ライン)
4 C液供給ライン(洗浄剤の供給ライン)
5 圧力保持装置
51 耐圧容器
52 空気圧縮機
53 配管
54 圧力制御装置(レギュレーター)
55 ピストン
56 ジャッキ
570 オイルタンク
571 油圧ポンプ
572 配管
573 配管
574 定圧弁
575 配管
6A 圧力計
6B 圧力計
7 制御装置
L1 信号線
L2 信号線
L3 信号線
L4 信号線
L5 信号線

Claims (3)

  1. シールド掘進機の掘進と同時に、前記シールド掘進機により掘削された掘削坑と前記シールド掘進機内で組み立てられ、前記掘削坑に覆工されたセグメントとの間に生ずるテールボイドに、裏込め注入管及び前記裏込め注入管に裏込め材又はその主材を供給する少なくとも1つの供給ラインからなる裏込め注入システムを用いて裏込め材を注入充填し、前記シールド掘進機の掘進毎に、前記シールド掘進機を停止して、前記シールド掘進機内で新たにセグメントを組み立てる間、テールボイドに既に充填された裏込め材の圧力を保持する方法であって、
    前記裏込め注入システムの裏込め材又はその主材の供給ラインに、裏込め材を任意の圧力で裏込め材又はその主材の供給ラインに供給可能な圧力保持装置を設け、
    前記圧力保持装置により、裏込め材又はその主材により所定の圧力を前記裏込め材又はその主材の供給ラインに加え、裏込め材又はその主材を圧力媒体として所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、テールボイドに既に充填された裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させて、テールボイドの裏込め材を保持する、
    ことを特徴とする裏込め材保持方法。
  2. 請求項1に記載の裏込め材保持方法に用いる裏込め注入システムであって、
    少なくとも一対の裏込め注入ラインを備え、
    前記各裏込め注入ラインは、
    裏込め材をテールボイドに注入充填するための裏込め注入管と、
    前記裏込め注入管に接続され、裏込め材又はその主材を前記裏込め注入管に供給する裏込め材又はその主材の供給装置及び配管からなる裏込め材又はその主材の供給ラインと、
    前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管に切換バルブを介して接続され、前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管から裏込め材又はその主材を取り込み所定の圧力で加圧して前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管に供給する圧力保持装置と、
    テールボイドに充填された裏込め材の圧力を計測する圧力計と、
    前記圧力計で計測された圧力に基づいて、前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記裏込め材又はその主材の供給装置及び前記切換バルブ、前記圧力保持装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記裏込め注入管はシールド掘進機の外周面に設置され、
    前記シールド掘進機の掘進と同時に、裏込め材をテールボイドに注入充填し、
    前記シールド掘進機を停止し前記シールド掘進機内でセグメントを組み立てる間、前記圧力保持装置により裏込め材又はその主材を所定の圧力で前記裏込め材又はその主材の供給ラインに供給し、所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、テールボイドに既に充填された裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させる、
    ことを特徴とする裏込め注入システム。
  3. 請求項1に記載の裏込め材保持方法に用いる裏込め注入システムであって、
    少なくとも一対の裏込め注入ラインを備え、
    前記各裏込め注入ラインは、
    裏込め材をテールボイドに注入充填するための裏込め注入管と、
    前記裏込め注入管に接続され、裏込め材又はその主材を前記裏込め注入管に供給する裏込め材又はその主材の供給装置及び配管からなる裏込め材供給ラインと、
    前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管に切換バルブを介して接続され、前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管から裏込め材を取り込み裏込め材又はその主材を所定の圧力で加圧して前記裏込め材又はその主材の供給ラインの前記配管に供給する圧力保持装置と、
    テールボイドに充填された裏込め材の圧力を計測する圧力計と、
    を備え、
    前記裏込め注入管はシールドトンネルの内部に配置され、
    前記シールド掘進機の掘進と同時に、裏込め材をセグメントに設けられたグラウトホールを通じてテールボイドに注入充填し、
    前記シールド掘進機を停止し前記シールド掘進機内でセグメントを組み立てる間、前記圧力保持装置により裏込め材又はその主材を所定の圧力で前記裏込め材又はその主材の供給ラインに供給し、所定の圧力で前記裏込め注入管に向けて送給することにより、テールボイドに既に充填された裏込め材に対し持続的に所定の圧力を作用させる、
    ことを特徴とする裏込め注入システム。
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