JP2002327597A - 推進工法における滑材注入方法および装置 - Google Patents

推進工法における滑材注入方法および装置

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JP2002327597A
JP2002327597A JP2001132544A JP2001132544A JP2002327597A JP 2002327597 A JP2002327597 A JP 2002327597A JP 2001132544 A JP2001132544 A JP 2001132544A JP 2001132544 A JP2001132544 A JP 2001132544A JP 2002327597 A JP2002327597 A JP 2002327597A
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pipe
lubricant
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Nobuhiko Kimura
信彦 木村
Takeetsu Shibano
健悦 柴野
Mitsunobu Nakamura
光伸 中村
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Kidoh Construction Co Ltd
Original Assignee
Kidoh Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2液混合型の滑材を、作業条件や環境条件の
違いにかかわらず、常に適切な状態で注入でき、滑材が
有する機能を十分に発揮できるようにする。 【解決手段】 2液混合型の滑材の主材と副材とを、別
々の供給経路40、56で滑材注入口80の近傍まで供
給し、Y字管60などで合流させ、スタティックミキサ
70を通過させて均一に混合し、混合滑材を、混合配管
82などから滑材注入口80を経て、先導体10および
/または埋設管20と埋設孔すなわち地盤Eとの間に注
入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、推進工法における
滑材注入方法および滑材注入装置に関し、詳しくは、市
街地における下水道施工などに利用され、地盤を開削す
ることなく先導体と埋設管とを地盤内に推進させて埋設
管を敷設していく推進工法において、推進作業を容易に
するために先導体および埋設管と埋設孔との間に滑材を
注入する方法と、そのために使用する滑材の注入装置と
を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】推進工法において、先導体および埋設管
列を地盤内で推進させる際に、先導体および埋設管列と
埋設孔すなわち地盤との間に生じる摩擦抵抗を軽減させ
るために、先導体および埋設管列と埋設孔との間に滑材
を注入する技術が知られている。埋設管列と地盤との摩
擦抵抗を軽減できれば、施工に必要な推進力を低減する
ことができ、施工能率の向上および施工コストの削減が
果たせる。
【0003】滑材として、膨潤状態のベントナイトを含
有するA液と、滑材の粘性や摩擦抵抗を調整するB液と
を混合して使用する2液混合型の滑材が知られている。
2液混合型の滑材は、1液型の滑材に比べて、推進施工
中における摩擦抵抗が低く推進力の低減効果が大きいと
ともに、施工後の粘度を超高粘度にできたり圧縮強度を
大きくできたりするので、幅広い土質条件に対しても地
山を安定的に保持することができるという利点がある。
例えば、本件特許出願人が先に特許出願している特願平
11−294271号に開示された技術がある。市販製
品として「アルティークレイ」(商品名:機動建設工業
株式会社製)が知られている。
【0004】このような2液混合型滑材は、別々に製造
されたり施工現場まで搬送されてきたりしたA、B液
を、施工現場の地上に設置されたミキサ装置などで混合
してから使用される。混合液を、ポンプで供給配管に圧
送する。供給配管は、出発立坑に開口する埋設管列の後
端から埋設管列の内部を通過して、先導体や埋設管の外
面に開口する滑材注入口まで敷設されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記した2液混合型滑
材は、推進工法の施工条件や作業の進行状況などによっ
て、摩擦抵抗の低減機能や地山の保持機能などにバラツ
キが生じることがある。
【0006】2液混合型滑材は、A、B液を混合すると
互いに反応を起こしたり相互作用を生じたりすること
で、粘性や摩擦抵抗などの性状が変化する。混合直後
は、比較的に粘性が低く摩擦抵抗も小さな状態であり、
供給配管による搬送や滑材注入口から地盤への注入がス
ムーズに行えるようになっている。地盤注入後に、経時
的に混合滑材の粘度が高くなり、圧縮強度も高くなるこ
とで、埋設管列の周囲における地山の保持等の機能を果
たすことができる。
【0007】ところが、混合してから地盤に注入される
までの時間がかかると、注入作業中に粘度が高くなって
しまい、注入圧力を高めないと、スムーズに注入し難く
なることがある。注入時の粘性が高すぎると、埋設管列
と地盤との間の隙間を十分に埋めるように拡がることが
できない。注入後に埋設管列を推進させている間に粘性
が高まり過ぎると、推進抵抗が増えてしまう。これとは
逆に、混合滑材の粘性がいつまでも高くならないと、混
合滑材が地盤内に拡がって埋設管列の周辺から逃げ出し
てしまい、地山の保持や埋設管列の保護を果たすことが
できない。
【0008】混合滑材における粘性や摩擦抵抗などの性
状は、混合作業の条件や混合後の経過時間、環境温度な
どの様々な要因に影響されるので、注入作業の作業性が
良好で、しかも、注入後の機能が十分に発揮できるよう
にするには、混合および注入の作業管理を適切に行う必
要がある。
【0009】しかし、推進工法では、先導体が地盤を移
動しながら、その後方に埋設管を順次継ぎ足していくの
で、作業の進行と共に埋設管列の長さが延びて行く。そ
のため、地上に設置されたA、B液の混合装置から滑材
注入口までの供給配管の全長が延び、混合滑材を調製し
てから注入されるまでの時間も長くかかるようになる。
供給配管内を長い距離にわたって移送されているうち
に、混合滑材の粘度が上昇してしまうことが起こる。
【0010】近年普及している長距離推進工法では、推
進開始時点と終了時点とで、混合滑材の移送距離および
移送時間の差は極めて大きくなる。さらに、先導体およ
び埋設管列の長さ方向で複数位置に滑剤注入口を設置し
て、複数の滑剤注入口に滑材を注入する工法では、滑材
注入口の位置によって、混合滑材の移送距離および移送
時間が違ってしまい、全ての滑材注入口に適切な性状の
混合滑材を供給することは困難である。
【0011】本発明の課題は、前記したような2液混合
型の滑材を、作業条件や環境条件の違いにかかわらず、
常に適切な状態で注入でき、滑材が有する機能を十分に
発揮できるようにすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる推進工法
における滑材注入方法は、先導体と先導体の後方に連結
された埋設管とを地盤内に推進させて、先導体で形成さ
れた埋設孔に埋設管を敷設していく推進工法において、
先導体および/または埋設管と埋設孔との間に、主材と
副材とを混合して用いる2液混合型の滑材を注入する方
法であって、前記主材と副材とを、別々の供給経路を経
て、前記先導体および/または埋設管の内部で、前記先
導体および/または埋設管の外面に設けられた滑材注入
口の近傍まで供給する工程(a)と、別々の供給経路で供
給された主材と副材とを合流させる工程(b)と、前記主
材と副材との合流物を、スタティックミキサを通過させ
て、主材と副材とを均一に混合する工程(c)と、前記主
材と副材とが均一に混合された混合滑材を、前記滑材注
入口から、先導体および/または埋設管と埋設孔との間
に注入する工程(d)とを含む。
【0013】〔推進工法〕基本的な使用装置、作業手順
などは通常の推進工法と同様でよい。
【0014】先導体には、地盤を掘削する掘削ビットを
備えた掘削盤、先導体の前面に泥水を供給する泥水供給
機構、掘削された土砂や泥水を排出する排出機構、先導
体の推進方向を変える方向修正ジャッキ、先導体の位置
を埋設管列の後方から測量するレーザ測量機構、その他
の必要な機構装置を備えておくことができる。先導体
は、地盤を圧密して拡幅する圧密コーンを備えたもので
もよい。
【0015】埋設管は、施工目的に合わせて、各種の材
料からなるものが用いられる。例えば、鋼管、コンクリ
ート管、ヒューム管、FRP管、塩ビ管などがある。埋
設管は直管のほか曲管を用いることもできる。
【0016】先導体および埋設管の推進は、埋設管列の
最後尾に元押しジャッキなどで推力を加えて推進させた
り、先導体から埋設管列の内部を通って最後尾まで配置
された推力伝達軸に元押しジャッキで推力を加えて推進
させたりすればよい。
【0017】〔滑材〕通常の推進工法に使用されている
2液混合型滑材と同様の材料あるいは形態のものが用い
られる。本明細書では、滑材を構成する2液を、主材お
よび副材と名づけるが、A液とB液、第1液と第2液、
主材と添加剤などと呼ぶ場合もある。
【0018】主材は、滑材の主要な機能を果たす成分を
含む。主要成分は、ベントナイトなどの粘土材料や増粘
機能のある高分子材料などである。主材は、これら主要
成分を水に分散あるいは溶解させたスラリー状の液体で
ある。粘土材料の分散性や流動性を向上させたりする添
加剤を配合しておくこともできる。主材は、単独では、
比較的に粘性や摩擦抵抗が低く、しかも、調製後の経時
によっても性状に大きな変化を生じない安定したものが
好ましい。主材だけでは、目的とする滑材の機能が発揮
できない。
【0019】副材は、主材に添加することで、主材と副
材とからなる混合滑材に必要な機能を発現させる成分で
ある。粘度調整材や増粘材、ゲル化剤などが用いられ
る。
【0020】主材に副材を混合すると、主材と副材との
反応あるいは相互作用で、混合滑材の粘度や摩擦抵抗、
圧縮強度などが変化する。混合割合や環境条件、混合後
の経過時間によって、混合滑材の性状は違ってくる。
【0021】混合滑材における主材と副材との混合比
は、施工条件や要求性能によっても適宜の範囲に設定さ
れる。主材と副材との混合比は、推進作業あるいは注入
作業の段階毎に、それぞれに適切な混合比に調整するこ
とができる。注入作業の初期などには、主材だけを注入
する場合もある。
【0022】主材および副材は、推進工法の施工現場
で、それぞれの原材料を混合したり水で希釈したりして
製造することができる。予め製造工場などで主材および
副材をそれぞれ調製しておき、完成された状態の主材お
よび副材を推進工法の施工現場に搬入することもでき
る。
【0023】〔滑材注入装置〕基本的には、通常の推進
工法における滑材注入装置と同様の機構装置を組み合わ
せて構成できる。
【0024】<滑材注入口>先導体および/または埋設
管(以下では、「先導体等」と総称する場合がある)の
外面に開口し、滑材を先導体等の外面と地盤との隙間に
注入する機能を果たす。
【0025】滑材注入口は、先導体または先頭の埋設管
に設けることができる。さらに、後方の埋設管にも設置
できる。1個所において、周方向の複数位置に配置する
ことができる。推進距離が短い場合などは、先導体のみ
に設けておけばよいが、推進距離が延び、埋設管列の全
長が長くなる場合には、先導体から一定の距離だけ後方
の埋設管にも滑材注入口を設けることが好ましい。後方
側の滑材注入口は、先導体等と地盤との間に注入された
活材が経時的に地盤に吸収されたりして減少した量の補
充できる程度に滑材を供給できればよい。軸方向におけ
る滑材注入口同士の間隔は、埋設管の口径や施工条件に
よっても異なるが、通常、10〜15m程度に設定する
ことができる。
【0026】<貯留手段>主材および副材をそれぞれ別
個に貯留しておくタンクや槽などが使用される。貯留手
段は、推進する先導体や埋設管列の内部に設置したり、
出発立坑の内部に設置したり、地表に設置したりでき
る。通常、主材の使用量は多く、大きなタンクなどが必
要になるので、主材の貯留手段は地表に設置するのが好
ましい。比較的に使用量が少ない副材の貯留手段は、先
導体や埋設管列の内部に設置しておくこともできる。貯
留手段は、滑材注入口に近い場所に設置したほうが、移
送距離が短くなる。
【0027】貯留手段には、主材または副材の成分が沈
殿したり偏在したりしないように撹拌する撹拌装置を備
えておくことができる。撹拌装置は、主材または副材を
調合するのにも使用できる。
【0028】〔主材および副材の供給〕貯留手段から滑
材注入口に至る供給経路を設ける。通常の液材供給手段
である、鋼管などの配管材や合成樹脂製のフレキシブル
ホースなどが利用される。複数の管材料を組み合わせる
こともできる。
【0029】貯留手段が地表や出発立坑に設置される場
合、埋設管列の後端から埋設管の内部にかけて供給経路
を設置する。埋設管列は、埋設管を順次継ぎ足していく
ので、埋設管を継ぎ足す毎に、供給経路を構成する配管
材やホースを延ばすことになる。供給経路の構成部材と
して、継ぎ足し容易な構造を備えたものが好ましい。
【0030】滑材注入口が複数個所に設けられる場合、
滑材注入口毎に別の供給経路を設けても良いし、供給経
路の一部を兼用させることもできる。
【0031】主材と副材は別々の貯留手段から供給し
て、滑材注入口では主材と副材との混合滑材を注入する
ので、供給経路の途中で、主材の供給経路と副材の供給
経路とを合流させる。合流位置は、滑材注入口に近いほ
うが、合流位置から滑材注入口までの間で、主材と副材
との反応や相互作用による高粘度化などが生じ難い。但
し、合流位置から滑材注入口までの経路途中にスタティ
ックミキサを配置して、主材と副材との均一混合が達成
できるようにしておく。合流部には、Y字管やT字管な
ど、通常の液材における合流手段が用いられる。
【0032】供給経路には、必要に応じて、開閉弁や切
替弁、圧力調整弁、逆止弁、ドレイン弁などの弁類、圧
力計や流量計などの計器類、圧力緩衝器(アキュムレー
タ)その他、通常の配管系に設けられる配管機器を設け
ておくことができる。
【0033】〔供給装置〕貯留手段から供給経路を経て
滑材注入口への、主材および副材の供給を制御するに
は、ポンプなどを備えた供給装置が用いられる。
【0034】供給装置には、電気モータなどで駆動さ
れ、主材および副材を送り出すポンプと、ポンプの駆動
開始・停止、吐出量などの運転状態を制御する制御機
器、ポンプなどの運転状態を監視する計器やセンサなど
を備えておくことができる。供給装置の動作を作業員が
指令するための操作盤を備えておくことができる。
【0035】主材と副材とで、供給装置の一部を共用す
ることができる。例えば、操作盤は、作業員が操作し易
い地表などに設置しておき、主材と副材との両方の供給
作業を制御することができる。
【0036】滑材注入装置の各機器類の作動を制御した
り監視したりするために、コンピュータを含む制御装
置、および、制御装置と他の機器類との間で情報交換す
る有線または無線の通信制御線を設けておくことができ
る。
【0037】〔スタティックミキサ〕供給経路の途中
で、主材と副材との合流部と滑材注入口との間に設けら
れる。
【0038】通常の液材処理技術で採用されているスタ
ティックミキサと同様の構造を有するものが使用でき
る。
【0039】スタティックミキサの基本的な構造は、筒
状の本体内に板材を捻ったような撹拌片あるいは撹拌エ
レメントと呼ばれる部品が配置されている。筒状本体内
を通過する流体が、撹拌片によって、流れる方向を変え
られたり、分割されたり、合流されたりすることで、撹
拌混合されることになる。機械的な駆動機構が必要ない
ため、外形がコンパクトであるとともに保守管理の手間
もかからない。その撹拌混合の原理から、特に、粘性の
高い流体や駆動機構に詰まらせ易い流体などの撹拌混合
に適している。
【0040】スタティックミキサの材料や構造などの仕
様は、主材および副材の特性や混合滑材の要求性能、注
入量などの注入条件、その他の使用条件に合わせて設定
することができる。通常は、混合滑材の最大流量に適合
する配管径を呼び寸法とする市販のスタティックミキサ
が使用できる。撹拌混合を確実に行うために、スタティ
ックミキサを直列に複数台連結して使用することもでき
る。
【0041】〔滑材注入作業〕基本的には、通常の推進
工法における滑材注入作業と同様に行われる。
【0042】先導体等が推進を開始する時点あるいはそ
れよりも少し前の段階から、滑材注入を開始する。滑材
注入の初期段階では、副材は供給せずに主材だけを供給
して、副材を含まない主材だけを注入すれば、滑材がス
ムーズに注入され易い。その後、副材の供給を開始し
て、所定の混合比の混合滑材が注入されるようにすれ
ば、混合滑材による摩擦抵抗の低減や地山の保持などの
機能が十分に発揮できるようになる。先導体等が推進を
終了した時点で滑材注入を終了すればよいが、推進終了
に少し遅れて滑材注入を終了してもよい。滑材注入の終
期には、主材だけを注入するようにすれば、配管内部や
滑材注入口に高粘度の混合滑材が滞留したままになった
り詰まったりすることが防止できる。
【0043】先導体等の推進が停止して、次の埋設管を
継ぎ足す作業などを行っている間は、滑材注入は行わな
くてもよいが、注入した滑材の漏れや地盤への吸収を補
うために滑材注入を行うこともできる。
【0044】
【発明の実施形態】図1に示す実施形態は、推進工法の
全体構成および滑材注入装置を表している。
【0045】〔推進工法〕地盤Eに掘削された出発立坑
Hの側壁から、先導体10および先導体10の後方に連
結された埋設管20を、出発立坑Hに設置された元押し
ジャッキ(図示せず)などで地盤E内に推進させてい
く。先導体10は、先端に掘削盤12を備え、掘削盤1
2を回転させることで、前面に備えた掘削ビットが地盤
を掘削して地盤に埋設孔を形成していく。
【0046】埋設管20列の最後尾に1本の新たな埋設
管20を連結したあと、元押しジャッキで先導体10お
よび埋設管20列を推進させて、最後尾の埋設管20が
所定の長さまで埋設孔に挿入されるまでは、先導体10
および埋設管20列の推進を連続して行う。この間は、
先導体10によって埋設孔が延ばされ、先導体10およ
び埋設管20列が埋設孔の内壁に対して摺動しながら推
進されていく。
【0047】このように、埋設管20を一本分だけ推進
させる作業の開始から終了までを、1単位の推進工程と
する。この1推進工程の間、先導体10および埋設管2
0列と埋設孔との間に滑材を供給する。但し、埋設管列
の最後尾に新たな埋設管20を複数本連結してから、ま
とめて複数本分の推進作業を連続して行う場合があり、
この場合にも、推進の開始から終了までを1推進工程と
する。
【0048】〔滑材注入装置〕地上には、主材供給装置
30が設置されている。埋設管列または先導体10の内
部には、副材供給装置50が設置されている。地上に設
置された注入操作盤32と、主材供給装置30および副
材供給装置50とは、通信制御ケーブルで連結されてい
る。注入操作盤32で滑材注入作業の全体を制御したり
監視したりする。
【0049】主材供給装置30には、主材供給ポンプ3
2を備え、主材供給ポンプ32の吐出側には、可撓性ホ
ースなどからなる主材供給路40が接続されている。主
材供給ポンプ32はインバータ制御によって回転数すな
わち供給量を制御できる。主材供給ポンプ32の吐出側
の主材供給路40には、アキュムレータ39、圧力セン
サ37、電磁流量計38が設けられている。図示を省略
しているが、主材供給ポンプ32の吸引側には、主材の
貯留タンクや主材製造用のミキサ装置なども設置されて
いる。
【0050】主材供給路40は、出発立坑Hから埋設管
20の内部を経て先導体10の位置付近まで設置され
る。埋設管20の内部では、先導体10の前進および埋
設管20列の延長にしたがって、鋼管などからなる配管
材を順次継ぎ足すことで、主材供給路40を延ばしてい
く。
【0051】副材供給装置50は、副材貯留タンク52
を備える。貯留タンク52には液面計を備え、副材の貯
留量が確認できる。貯留タンク52には、1区間の推進
作業における滑材供給に必要な量の副材が貯留できる。
貯留タンク52には副材供給ポンプ54および副材供給
配管56が接続されている。副材配給配管56は途中で
2方向に分岐されている。副材供給ポンプ54も、イン
バータ制御による流量調整ができる。副材供給ポンプ5
4で供給する副材の量は少なく吐出圧力も低くて済むの
で、比較的小型低容量のポンプが使用できる。
【0052】滑材注入口80が、先導体10の後部外面
と、埋設管列の後端近くに連結された埋設管20の外面
とに設けられている。図示は省略しているが、それぞれ
の位置で、周方向に等間隔で複数の滑材注入口80が設
けられている。
【0053】副材供給配管56のうち、分岐された一方
の先端は、Y字をなす合流管60を経て主材供給配管4
0と合流している。合流個所は、先導体10に近い滑材
注入口80の近傍である。分岐された副材供給配管56
の他方の先端は、埋設管列の後端側に配置された滑材注
入口80の近くで、主材供給配管40から分岐された配
管42と、前記同様のY字をなす合流管60で合流して
いる。図示を省略するが、各合流管60の上流側で、主
材供給配管40および副材供給配管56にはそれぞれ、
逆止弁が設けられ、他方の液体が逆流してこないように
している。合流管60の下流側にも逆止弁を設けてお
く。
【0054】それぞれの合流管60の下流側にはスタテ
ィックミキサ70が接続されている。スタティックミキ
サ70の下流側は混合配管82を経てそれぞれ、滑材注
入口80に接続されている。
【0055】図示を省略するが、合流管70に対して、
主材供給配管40の上流側と、混合配管82の下流側と
にはそれぞれ、圧力センサが装着され、合流管70およ
びスタティックミキサ70の作動状態を監視している。
圧力センサの検知情報は、前記した通信制御ケーブル3
6を介して注入操作盤34に送られる。
【0056】先導体10側の混合配管82には、電動弁
84が装着されている。図示を省略しているが、埋設管
20の後端側の混合配管82にも同様の電動弁が取り付
けられる。電動弁84は副材供給装置50と同様に、通
信制御ケーブル36を介して注入操作盤34で作動制御
される。
【0057】〔スタティックミキサ〕図2に示すよう
に、スタティックミキサ70は、全体が主材供給配管4
0や混合配管82と同じ口径の筒状をなしている。
【0058】スタティックミキサ70の筒状本体72の
内部には、板片を捻った形状をなす混合片74が収容さ
れている。図2(b)に示すように、混合片74の各位置
における断面は線状であり、混合片74の両側を流体が
流れるようになっている。スタティックミキサ70の長
さ方向にそって、混合片74の断面軸が徐々に旋回して
いたり断続的に変化したりしているので、スタティック
ミキサ70を流れる流体は、混合片74に沿って流れな
がら方向を変えられたり分流されたり合流されたりして
撹拌されることになる。
【0059】合流管60で合流された主材Aと副材B
は、スタティックミキサ70を流れながら、互いに撹拌
混合される。スタティックミキサ70を出て混合配管8
2に入る流れは、主材Aと副材Bとが均一に混合された
混合滑材A+Bとなる。
【0060】主材Aと副材Bが合流し混合されること
で、主材Aに対する副材Bの反応や相互作用が開始され
る。
【0061】〔滑材注入作業〕推進作業の進行に合わせ
て、適切な時期に滑材の注入を行う。先導体10および
埋設管列が、地盤E内を推進している間は、滑材を注入
して、地盤Eから受ける摩擦抵抗を低減する。推進作業
を中断して、埋設管列の後端に新たな埋設管20を継ぎ
足す作業の際には、滑材注入作業は行わなくてもよい。
通常は、推進作業を開始する少し前から滑材注入作業を
開始し、推進終了の少し後で滑材注入を停止する。
【0062】滑材注入時には、注入操作盤34で各機器
装置を作動制御する。主材供給ポンプ32を作動させて
主材供給配管40に主材を送り込む。副材供給装置50
では、副材供給ポンプ54を作動させて副材供給配管5
6に副材を送り込む。
【0063】滑材注入口80につながる混合配管82の
電動弁84を開くと、合流管60で合流した主材と副材
とが、スタディックミキサ70で均一に混合され、混合
滑材として、滑材注入口80から、先導体10および埋
設管20の外周と地盤Eとの隙間に充填されていく。そ
の結果、先導体10および埋設管20と地盤Eとの間の
摩擦抵抗が少なくなり、先導体10および埋設管20が
スムーズに推進されることになる。
【0064】主材供給ポンプ32と副材供給ポンプ54
との吐出量または吐出圧力を制御することで、混合滑材
における主材と副材との混合割合を調整することができ
る。例えば、滑剤注入の初期には、主材だけを供給した
り主材の割合を多くしたりして、滑剤注入がスムーズに
いくようにし、そこから徐々に副材の割合を増やして、
粘性の高い混合滑材で、地山の保持を確実に行えるよう
にすることができる。滑材注入の最後の段階では、主材
だけを注入するようにすると、混合配管82や滑材注入
口80に、粘性の高い混合滑材が付着したままになった
り詰まってしまったりするのを防ぐことができる。副材
が含まれない主材だけであれば、高粘度化や固化は起こ
り難い。
【0065】主材供給ポンプ32と副材供給ポンプ54
との吐出量を、同じ割合で増減すれば、主材と副材との
混合比率は変えることなく、混合滑材全体の注入量を変
えることができる。地盤の土質や推進速度などの施工条
件に合わせて、混合滑材の注入量と、混合滑材に占める
主材と副材との混合比を経時的に細かく調整することも
できる。
【0066】図1に示す2個所の滑材注入口80のう
ち、埋設管20の後端側の滑材注入口80は、先導体1
0側の滑材注入口80から地盤E側に注入された混合滑
材が、地盤Eに吸収されてしまって埋設管20の外周で
滑材の不足が生じたときに、滑材の不足分を補充する役
目が果たせる。したがって、先導体10側の滑材注入口
80による滑材注入だけで推進作業が良好に実行できる
場合には、後方側の滑材注入口80は使用しなくても良
い。また、必要に応じて、後方側の滑材注入口80につ
ながる混合配管82に設けた電動弁を、間欠的に開閉し
たり、開閉量を調整したりして、滑材の補充を行うこと
ができる。
【0067】
【発明の効果】本発明にかかる滑材注入方法および装置
では、主材と副材とからなる2液混合型の滑材を先導体
や埋設管の外面の滑材注入口から地盤側に注入する際
に、主材と副材とを別々に、滑材注入口の近くまで供給
し、そこで主材と副材とを、スタティックミキサを用い
て混合し、得られた混合滑材を滑材注入口から注入す
る。
【0068】先導体や埋設管の内部への主材の搬送を、
高粘度化や流動性の低下が生じる前の状態で行えるの
で、取り扱いが容易である。長距離推進で長大な埋設管
列を通過させて供給しても、供給途中で高粘度になって
移送が困難になる問題が生じない。
【0069】主材と副材とを混合して、直ちに注入を行
うことができるので、注入後における混合滑材の粘性や
圧縮強度の発現などの特性を正確に制御することができ
る。混合滑材を調製してからの時間経過や環境条件の違
いによる、滑材機能のバラツキや機能低下の問題が解消
できる。
【0070】そして、先導体または埋設管内での主材と
副材との混合を、それぞれの供給経路の合流とスタティ
ックミキサとを利用して行うので、スペースの余裕がな
く、大掛かりな装置機器が搬入できず、作業者の操作や
管理も困難な先導体または埋設管の内部空間であって
も、確実かつ効率的な混合作業を行うことができる。
【0071】その結果、従来は2液混合型の滑材が使用
困難であった、小口径管や長距離推進工法についても、
適切な滑材注入作業を作業性良く実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す滑材注入装置の全体
構成図
【図2】 スタティックミキサ付近の一部断面図(a)と
横断面図(b)
【符号の説明】
10 先導体 20 埋設管 30 主材供給装置 34 注入操作盤 40 主材供給配管 50 副材供給装置 52 副材貯留タンク 56 副材供給配管 60 合流管 70 スタティックミキサ 80 滑材注入口 82 混合配管 E 地盤 H 出発立坑
フロントページの続き (72)発明者 柴野 健悦 大阪府河内長野市三日市町1146−2 (72)発明者 中村 光伸 兵庫県尼崎市浜田町2丁目79 Fターム(参考) 2D054 AC18 FA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先導体と先導体の後方に連結された埋設管
    とを地盤内に推進させて、先導体で形成された埋設孔に
    埋設管を敷設していく推進工法において、先導体および
    /または埋設管と埋設孔との間に、主材と副材とを混合
    して用いる2液混合型の滑材を注入する方法であって、 前記主材と副材とを、別々の供給経路を経て、前記先導
    体および/または埋設管の内部で、前記先導体および/
    または埋設管の外面に設けられた滑材注入口の近傍まで
    供給する工程(a)と、 別々の供給経路で供給された前記主材と副材とを合流さ
    せる工程(b)と、 前記主材と副材との合流物を、スタティックミキサを通
    過させて、主材と副材とを均一に混合する工程(c)と、 前記主材と副材とが均一に混合された混合滑材を、前記
    滑材注入口から、先導体および/または埋設管と埋設孔
    との間に注入する工程(d)とを含む滑材注入方法。
  2. 【請求項2】前記工程(a)が、前記主材は、地上に設置
    された供給源から埋設管列の後端を経て埋設管列の内部
    を通過し前記滑材注入口の近傍に至る配管路で供給し、
    前記副材は、埋設管列の内部に設置された貯液部から前
    記滑材注入口の近傍に至る配管路で供給する請求項1に
    記載の滑材注入方法。
  3. 【請求項3】前記工程(a)が、前記主材と副材との供給
    量比を一定に維持して、主材と副材との合計供給量を、
    前記先導体および埋設管列の推進速度に合わせて制御す
    る請求項1または2に記載の滑材注入方法。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載の滑剤注入方法に
    使用される装置であって、 前記先導体および/または埋設管の外面に設けられた滑
    材注入口と、 地上に設置された前記主材の供給源と、 前記供給源から前記埋設管列の後端を経て埋設管列の内
    部を通過し前記滑材注入口の近傍に至る主材配管路と、 埋設管列の内部に設置された副材の貯液部と、 前記副材貯液部から前記滑材注入口の近傍に至る副材配
    管路と、 前記主材配管路と副材配管路とを合流させ、前記滑材注
    入口に至る合流配管路と、 前記合流配管路の途中に装着され、前記主材と副材とを
    均一に混合するスタティックミキサとを備える滑材注入
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007132873A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Nippon Soda Co Ltd 分析方法、分離方法、ミキサ、及び分析装置
JP2018135662A (ja) * 2017-02-21 2018-08-30 日本シビックコンサルタント株式会社 裏込め材保持方法及びこれに用いる裏込め注入システム

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