JPH05311985A - 土圧シールド掘進工法 - Google Patents

土圧シールド掘進工法

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JPH05311985A
JPH05311985A JP11635192A JP11635192A JPH05311985A JP H05311985 A JPH05311985 A JP H05311985A JP 11635192 A JP11635192 A JP 11635192A JP 11635192 A JP11635192 A JP 11635192A JP H05311985 A JPH05311985 A JP H05311985A
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吉也 羽生田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベントナイト等の作泥土材を用いることなく
簡易な設備で土圧室及びスクリューコンベア内の掘削ず
りに流動性及び止水性を付与して容易にトンネル掘進を
行うことのできるとともに、排出土砂の圧送・処理を容
易に行うことのできる土圧シールド掘進工法を提供す
る。 【構成】 シールドカッター12の後方に土圧室16を
隔成したシールド掘進機10を用いて土砂を掘削する工
法において、メチルセルロースを水に溶いた添加材をコ
ンプレッサー24からの圧縮空気とともに発泡器28に
送って気泡状にし、これを土圧室16内に注入して掘削
土砂に混ぜながら掘進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は土圧シールド掘進工法に
関し、特に、滞水した砂質あるいは砂礫のような地盤に
適した土圧シールド掘進工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より地下トンネルを構築する工法と
して、シールド掘進機を用いた土圧シールド掘進工法が
知られいる。ここでシールド掘進機は、これの前面のシ
ールドカッターの後方に土圧室を隔成し、土圧室内に充
満した掘削土砂の土圧によって切羽の土圧に対抗させる
とともに、土圧室内に一端が開口するスクリューコンベ
アによって掘削ずりを排出するものである。そして、か
かる土圧シールド掘進工法では、特に滞水した砂質地盤
あるいは砂礫地盤を掘進する場合には、切羽の掘削から
排土に至るまでの一連した工程において、スクリューコ
ンベア内での止水効果があまり期待できず、水の流出が
切羽の崩壊を誘起したり、また、それを防止するため排
土口に取付けたバルブなどで水を絞ろうとすると土圧室
内でアーチング現象を生じて排土不能となり、カッター
ヘッドのトルク不足を来たすなどの問題点があった。
【0003】そこで、このような現象を排除し、施工性
を向上させるため、従来より砂質地盤あるいは砂礫地盤
については、ベントナイトその他の作泥土材を土圧室内
に注入し、砂質あるいは砂礫などの掘削ずりの流動性を
図ると同時に止水性を高めて掘進し、掘削ずりを圧送す
るような方法が取られている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、かか
る従来の土圧シールド掘進工法において作泥土材を添加
して掘削ずりの流動性および止水性を高める方法では、
その機能を保持するため多量の作泥土材を必要とし、し
たがって作泥土材作成用の設備が大規模となるととも
に、排出される掘削土砂の一次、二次処理が必要となる
という問題があった。そこで、本発明は上記問題点を鑑
みてなされたもので、その目的は、ベントナイト等の作
泥土材を用いることなく簡易な設備で土圧室及びスクリ
ューコンベア内の掘削ずりに流動性及び止水性を付与し
て容易にトンネル掘進およびその掘削ずりの輸送を行う
ことができるとともに、排出土砂の処理を容易に行なう
ことのできる土圧シールド掘進工法を提供せんとする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本発明は、シールドカッターの後方に土圧室を隔
成したシールド掘進機を用いて土砂を掘削する工法にお
いて、水溶性高分子を水に溶かした後撹拌等の外力を加
えて気泡状にした流体を前記土圧室に注入し、前記シー
ルドカッターによる掘削ずりと混合攪拌しつつ切羽面を
掘削するよう構成したものである。
【0006】ここで、水溶性高分子とは、水に溶けて粘
稠性を呈する、例えば水溶性のセルロースエーテルで、
好ましくは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース等を使用する。
【0007】また、前記水溶性高分子を気泡状にするに
は、例えばこれを水に溶いた液体を圧縮空気とともに発
泡器に送って起泡させるか、大気中の空気を液体撹拌時
に巻き込んで行なう。
【0008】そして、本発明の土圧シールド掘進工法で
は、前記水溶性高分子に高吸水性樹脂を混合し、この混
合物を気泡状にして前記土圧室に注入してもよい。
【0009】また、前記気泡状の流体と混合して形成さ
れる掘削ずりは、ピストン式ポンプで圧送することによ
り輸送排出することが好ましい。
【0010】
【作用】本発明の土圧シールド掘進工法では、土圧室内
の掘削ずりにメチルセルロース等の水溶性高分子を気泡
状にしたものを注入混合する。水溶性高分子は、水に溶
解して粘稠性を呈し、この液体は土中の金属イオンに比
較的強いため分解しにくく、また、ミキサ攪拌で容易に
泡立つ程の発泡機能がある。そして、界面活性材等の起
泡剤を使用した場合に比して、できる泡の発泡倍率は低
いが、粘着性や比重が大きいため、特に、滞水砂礫地盤
での損失を少なくする。さらに、圧密された粘性土によ
り吸水されて消泡が発生したとしても、粘稠性は残るた
め、掘削土砂の止水性や流動性を保持することができ
る。また、ノニオン系の材料を用いれば塩基性容量の大
きな洪積粘性土においても化学的に安定した添加材を形
成する。
【0011】また、水溶性高分子に高吸水性樹脂を混合
し、この混合物を気泡状にして注入すれば、粘稠液とし
ての水溶性高分子に高吸収性樹脂のゲルと微少空気粒が
分散したコロイド状態を形成し、この3者が重量などの
外力による分離傾向を相互に防止しあう。そして、掘削
土砂内の粘稠液中で、ゲルの沈降と空気粒の浮上とが均
衡して比較的安定したコロイド系が保たれ、さらに、粘
稠液の分離をグリース様に入ったゲルが阻止し、ゲルも
粘稠液や圧縮性の空気粒付着などで、土中の金属イオン
や機械的な摩擦による劣化から保護される。したがっ
て、これらの作用により掘削土砂の流動性や止水機能を
さらに改善する。
【0012】なお、前記気泡状の添加材は、次段階で掘
削ずりを坑外に輸送するにも好都合である。すなわち、
1.5〜2.0程度の適切な発泡倍率で土圧室内に加え
た場合、シールドのスクリューコンベアで引き出される
際、あるいはピストン式ポンプで吸い込まれる際に、気
泡状の添加材は内部の空気の一部を放出して発泡倍率1
〜1.5倍程度の非圧縮状態に転移するからである。ま
た、気泡剤が加えられていないので、外力により自然消
泡しやすい。
【0013】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について添付図
面を参照して詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の土圧シールド掘進工法の
一実施例を示す概略説明図である。本実施例の土圧シー
ルド掘進工法は、シールド掘進機本体10の前頭部に設
けられたシールドカッター12と、シールドカッター1
2の後方には、隔壁14によって仕切られた土圧室16
内に先端部を侵入して配設されたスクリューコンベア1
8と、このスクリューコンベア18の後部下方に配設さ
れ、複数の隔室を有する回転式の土砂排出装置19を備
えたシールド掘進機を用いて土砂を掘削する際に適用さ
れる。
【0015】ここで、シールド掘進機本体10は、推進
ジャッキ20によって推進され、上記シールドカッター
12を回転駆動して掘削された土砂は、カッタースリッ
トを介して土圧室16内に流入し、土圧室16内を充満
するようになっている。
【0016】そして、土圧室16には、水溶性高分子で
あるメチルセルロースを供給するための注入経路22が
接続されている。すなわち、注入経路22は、発泡器2
8により形成された気泡状のメチルセルロースを流量計
30を介して土圧室16内に注入するものである。そし
て、発泡器28には、タンク40内において水に溶いた
メチルセルロースを添加剤として給送するためのメチル
セルロース供給パイプ31と、コンプレッサー24と接
続する圧縮空気供給パイプ32と、高吸収性樹脂を給送
するための高吸収性樹脂搬送パイプ33とが接続し、各
パイプ31、32、33に取付けたバルブA,B,Cに
より調整された所定量のメチルセルロース、圧縮空気及
び高吸収性樹脂が発泡器28により混合されて気泡状と
なり、これが土圧室16に送られる。
【0017】そして、本実施例の土圧シールド掘進工法
によるトンンネル掘削は、以下のようにしておこなわれ
る。
【0018】まず、シールド掘進機をこれの後方に組立
てたセグメント42に反力を取り、推進ジャッキ20に
よって切羽側に向けて推進し、シールドカッター12を
駆動して土砂を掘削し、掘削土砂を土圧室16内に取り
込む。
【0019】そして、これと同時に気泡状のメチルセル
ロースを前記注入経路22を介して土圧室内に注入し、
これを掘削土砂と混合攪拌する。
【0020】メチルセルロースは、パルプを原料とする
ノニオン系の材料であり、水に溶かすと粘稠性を呈する
とともに、発泡器28において圧縮空気と混合されて気
泡状となり、さらに土圧室16内における攪拌によって
も発泡する。
【0021】そして、土圧室16内において掘削土砂と
混合攪拌される気泡状のメチルセルロースは、掘削土砂
の流動性を高め、スクリューコンベア18による土砂の
排出をスムーズに行なわせる。また、気泡状のメチルセ
ルロースにより掘削土砂は、土砂の間隙を気泡で埋めた
状態としてその不透水を高めて止水性を向上し、これに
よって、切羽から土圧室内への地下水の流入を防止する
とともに、スクリューコンベア18による土砂排出時の
土圧室内の圧力の低下を防止する。
【0022】ここで、スクリューコンベア18によって
後方に送られ、土砂排出装置19、ピストン式ポンプ3
4、圧送パイプ35等を介して外部に排出される排出土
砂には、圧送後、セルラーゼなどの酵素剤と塩化カルシ
ウムを添加し、排出土砂の粘性を低下してこれを処理す
る。また、圧送後にセメント、生石灰等の固化剤を混合
して排出土砂を固化処理してこれを場外に搬出すること
もできる。したがって、これらの方法により排出土砂を
容易に処理することができる。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の土圧シール
ド掘進工法によれば、水溶性高分子を気泡状にしたもの
を土圧室に注入し、シールドカッターによる掘削ずりと
混合攪拌しつつ切羽面を掘削するので、ベントナイト等
の作泥土材を用いることなく、簡易な設備を用いて、気
泡状の水溶性高分子により土圧室及びスクリューコンベ
ア内の掘削ずりに流動性及び止水性を付与して容易にト
ンネル掘進を行うことができる。また、作泥土材を使用
しないので、排出土砂の処理を容易に行なうことができ
る。
【0024】さらに、水溶性高分子に高吸水性樹脂を混
合すれば、粘稠液としての水溶性高分子に高吸収性樹脂
のゲルと微少空気粒が分散した安定したコロイド状態を
形成し、これによって掘削土砂の流動性や止水機能をさ
らに改善することができる。
【0025】さらにまた、ピストン式ポンプを用いれ
ば、これらの掘削ずりを容易に輸送排出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土圧シールド掘進工法の一実施例を示
す概略説明図である。
【符号の説明】
10 シールド掘進機本体 12 シールドカッター 16 土圧室 18 スクリューコンベア 22 注入経路 28 発泡器 31 メチルセルロース供給パイプ 32 圧縮空気供給パイプ 33 高吸収性樹脂搬送パイプ 34 ピストン式ポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールドカッターの後方に土圧室を隔成
    したシールド掘進機を用いて土砂を掘削する工法におい
    て、水溶性高分子を水に溶かした後撹拌等の外力を加え
    て気泡状にした流体を前記土圧室に注入し、前記シール
    ドカッターによる掘削ずりと混合攪拌しつつ切羽面を掘
    削することを特徴とする土圧シールド掘進工法。
  2. 【請求項2】 前記流体に高吸水性樹脂を混合し、この
    気泡状の混合流体を前記土圧室に注入することを特徴と
    する請求項1に記載の土圧シールド掘進工法。
  3. 【請求項3】 前記気泡状の流体と混合して形成される
    掘削ずりを、ピストン式ポンプで圧送することにより輸
    送排出することを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の土圧シールド掘進工法。
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JP2000220377A (ja) * 1999-02-02 2000-08-08 Penta Ocean Constr Co Ltd 泥土圧式シールド工法排出土の再利用化方法

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