以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のアースドリル機1の側面を示した側面図である。なお、図1に示す矢印Xは、アースドリル機1の垂直方向を示しており、その垂直方向は、後述するケリーバ15が上下動作する方向である。また、本実施形態のアースドリル機1は、掘削作業を行なうものであり、具体的には、縦穴を掘削すると共にその縦穴の下部に任意の大きさの空間を掘削するものである。
図1に示すように、アースドリル機1は、主に、走行可能な下部本体11と、その下部本体11に対して旋回可能な上部旋回体12と、その上部旋回体12に対して起立した状態で取り付けられるブーム13と、そのブーム13に設けられたフロントフレーム部14と、ブーム13の上部(図1上方の端部、矢印X方向上方端部)に吊設される棒状のケリーバ15と、そのケリーバ15を回転駆動させると共にフロントフレーム部14に連結されるケリーバ駆動装置16と、そのケリーバ駆動装置16の下方に連結され油を供給する油圧ホースh15,h16(図3参照)の巻き取り又は巻き出しを行なうホースリール17と、そのホースリール17が搭載されたホースリール台18と、ケリーバ15の下方先端(図1下方先端、矢印X方向下方先端)に連結され、ケリーバ15の回転に伴って回転動作を行なう拡底バケット19と、その拡底バケット19側とケリーバ駆動装置16側とにおいて油を供給するロータリージョイント20とを有して構成されている。なお、後述するが、ホースリール17は、油圧ホースh15,h16のそれぞれに対応して、ホースリール17a,17bの2つがホースリール台18に搭載されている。また、拡底バケット19の説明については、図2を参照して後述する。
ロータリージョイント20は、拡底バケット19に設けられた油圧シリンダ23a,23b(図2参照)に油圧を供給するために設けられている。ロータリージョイント20は、ホースリール台18に固定された非回転の外筒と、その外筒の内部に回転自在に嵌合される内筒とで構成されており、外筒と内筒との間に溝状の流路が形成されている。なお、内筒の回転は、ケリーバ15がケリーバ駆動装置16により回転されることに伴って回転する。
次に、図2を参照して、拡底バケット19の構成について説明する。図2は、拡底バケット19の概略を示した図であり、図2(a)は、拡底バケット19の底面図であり、図2(b)は、図2(a)の矢印IIb視における拡底バケット19が拡径した状態を示した側面図であり、図2(c)は、図2(a)の矢印IIc視における拡底バケット19が縮径した状態を示した側面図である。
また、以下の説明では、掘削翼22a,22bが最大に拡径された場合の拡底バケット19の最大径をRmaxと示し、掘削翼22a,22bが最小に縮径された場合の拡底バケット19の最小径をRminと示す。また、図2(b)のフレーム25a,25b及び図2(c)のフレーム25bは、一点鎖線で概略的に示す。
図2(a)に示すように、拡底バケット19は、主に、支点21を中心として開閉される複数枚(本実施形態では2枚)の掘削翼22a,22bと、その掘削翼22a,22bをそれぞれ動作させる油圧シリンダ23a,23b(図2(c)参照)と、その油圧シリンダ23a,23bの伸縮に伴って上下動作(図2(a)紙面垂直方向への動作)するベース24と、そのベース24と掘削翼22a,22bとをそれぞれ連結するフレーム25a,25bとを有して構成されている。
図2(b)に示すように、拡底バケット19が最大径Rmaxまで拡径されると、油圧シリンダ23a,23b(油圧シリンダ23bは図示せず)が伸びた状態となり、ベース24が下方に位置している。ベース24が下方に位置すると、フレーム25a,25bが掘削翼22a,22bを外方向に押し出すことで拡径動作が行なわれる。
また、図2(c)に示すように、拡底バケット19が最小形Rminまで縮径されると、油圧シリンダ23a,23bが縮んだ状態となり、ベース部材24が上方に位置している。ベース部材24が上方に位置すると、フレーム25a,25bが掘削翼22a,22b(掘削翼22bは図示せず)を内方向に引き込むことで縮径動作が行なわれる。
ここで、アースドリル機1によって行なわれる掘削作業について簡単に説明する。掘削作業は、まず、ケリーバ15の先端を掘削ドリル(図示せず)に付け替えて縦穴を掘削する。所望の深さの縦穴が掘削できたら、ケリーバ15の先端に拡底バケット19を取り付けて縦穴の下部に任意の大きさの空間を掘削する。拡底バケット19は、掘削開始時に最大径Rmaxでの掘削を行えないので、掘削翼22a,22bを徐々に広げていき、複数回に分けて、任意の大きさの空間を縦穴下部に形成する。よって、拡底バケット19は、縦穴下部に任意の大きさの空間を形成するために、複数回上下動作が行われる。そして、油圧ホースh15,h16(図3参照)は、拡底バケット19の上下動作に伴い、ホースリール17により巻き取り又は巻き出しが繰り返し行われる。さらに、ロータリージョイント20より拡底バケット19側は回転動作するので、油圧ホースh15,h16も拡底バケット19の回転動作に伴って回転する。なお、掘削中は、縦穴の側面の崩れなどを防止する目的で、掘削穴内にベントナイトと呼ばれる水溶液が充填される。
次に、図3を参照して、油圧シリンダ23a,23bへ油を供給する油圧回路、及び、拡底バケット19の拡径動作または縮径動作を切り換える電気回路について説明する。図3は、アースドリル機1の油圧回路および電気回路を示した回路図である。なお、図3において、矢印Q1,Q2は、油の流れ方向を示している。また、Q1,Q2は、油の流量を示しており、流量Q1,Q2の説明は、図5を参照して後述する。
まず、油圧回路の構成について説明する。油圧シリンダ23a,23bやその他の油圧を駆動源とする装置に供給される油は、上部旋回体12(図1参照)に設けられたタンク31内に貯留されている。タンク31内に貯留されている油は、ストレーナ32により吸い上げられ、そのストレーナ32により吸い上げられた油が油圧ポンプ33a,33b,33cにより各装置に送り出される。
油圧ポンプ33aにより送り出された油は、電磁ソレノイド34に供給され、油圧ポンプ33bにより送り出された油は、パイロットソレノイド35に供給され、油圧ポンプ33cにより送り出された油は、ホースリールモータ36a,36bに供給される。
また、油圧回路内には、電磁ソレノイド34やパイロットソレノイド35、ホースリールモータ36a,36bの破損を防止するために油圧を調整する複数のリリーフ弁37a〜37dが設けられている。また、ホースリールモータ36a,36bに油を供給する流路には、ストップ弁38が設けられているが、これは、ホースリール17a,17bの巻き出しなどを手動で行なう場合に油圧の循環回路を構成するためのものである。即ち、ストップ弁38は、通常時は流路を閉鎖し、ホースリールモータ36a,36bに油を供給すると共に、手動時は流路を開放して油圧ホースh11,h12を連通させる油の循環流路を形成するものである。
電磁ソレノイド34の入力側には、油圧ポンプ33aから油が供給される流路を形成する油圧ホースh1と、タンク31に油を戻す流路を形成する油圧ホースh2とが接続されており、電磁ソレノイド35の出力側には、パイロットソレノイド35の切り換えを行なう入力部までの流路を形成する油圧ホースh3,h4が接続されている。
パイロットソレノイド35の入力側には、油圧ポンプ33bから油が供給される流路を形成する油圧ホースh5と、油圧ホースh2とが接続されており、パイロットソレノイド35の出力側には、ロータリージョイント20に接続される2つの流路を形成する油圧ホースh6,h7と、油圧ホースh2とが接続されている。
なお、油圧ホースh6,h7の内、油圧ホースh6は、拡底バケット19の掘削翼22a,22bを拡径動作させる場合に油圧がかけられ、油圧ホースh7は、拡底バケット19の掘削翼22a,22bを縮径動作させる場合に油圧がかけられる。
また、油圧ホースh6には、パイロットソレノイド35とロータリージョイント20との間に、油圧モータ71が設けられ、油圧ホースh7には、パイロットソレノイド35とロータリージョイント20との間に、油圧モータ72が設けられている。この油圧モータ71,72は、油圧ホースh6,h7に油が流れると、その油の流れ方向に回転するものである。
また、油圧モータ71には、流量検出器73が設けられ、油圧モータ72には流量検出器74が設けられている。流量検出器73,74は、油圧モータ71,72の回転数に応じた値をそれぞれ出力するものであり、油圧モータ71,72が1回転する毎に1パルスの信号を出力する。
よって、後述する演算器51では、流量検出器73,74から出力される信号から供給された油の流量および排出された油の流量を算出できる。さらに、2つの流量検出器73,74から出力される信号に基づいて、油圧ホースh6,h7を流れる油の方向を検出することもできる。なお、流量の検出方向および油の流れる方向の検出方法については、後述する油漏れ検出処理(図5及び図8参照)において説明する。
また、油圧ポンプ33cとロータリージョイント20との間は、油圧ホースh8により接続されており、タンク31とロータリージョイント20との間は、油圧ホースh9により接続されている。さらに、ロータリージョイント20は、上述したように、外筒と内筒とを有し、油圧ホースを非連結状態で連通させるので、多少の油漏れが生じる。そのロータリージョイント20から漏れ出す油は、油圧ホースh10によりタンク31に戻される。
ロータリージョイント20より拡底バケット19側には、4つの油圧ホースh11〜h14が接続されている。油圧ホースh11は、油圧ホースh9と連通しており、ホースリールモータ36a,36bに油を送る流路を形成し、油圧ホースh12は、油圧ホースh10と連通しており、ホースリールモータ36a,36bからの油をタンク31に戻す流路を形成する。
また、油圧ホースh13は、油圧ホースh6と連通しており、スイベルジョイント42aを介してホースリール17aに接続され、油圧ホースh14は、油圧ホースh7と連通しており、スイベルジョイント42bを介してホースリール17bに接続されている。なお、スイベルジョイント42a,42bは、ロータリージョイント20と同様に、非連結状態で油圧ホースを連通させるジョイントである。
また、ホースリール17aと油圧シリンダ23a,23bとの間は、油圧ホースh15により接続されており、油圧ホースh15は、油圧シリンダ23a,23bを伸長させる場合に油が供給される第1供給室23a1,23b1に接続されている。ホースリール17bと油圧シリンダ23a,23bとの間は、油圧ホースh16により接続されており、油圧ホースh16は、油圧シリンダ23a,23bを縮小させる場合に油が供給される第2供給室23a2,23b2に接続されている。なお、油圧シリンダ23a,23bが伸縮した状態の説明は、図4を参照して後述する。
よって、油圧ホースh15は、ケリーバ15の上下動作に伴って、ホースリールモータ36aの駆動力によりホースリール17aが回転し巻き取り又は巻き出しが行なわれる。また、油圧ホースh16は、ケリーバ15の上下動作に伴って、ホースリールモータ36bの駆動力によりホースリール17bが回転し巻き取り又は巻き出しが行なわれる。
次に、電気回路の構成について説明する。油圧シリンダ23a,23bを伸縮動作させるための電気回路は、主に、所定の処理を行なう演算器51と、その演算器51からの指示により切り換えられるリレー52と、表示を行なうランプ53と、音声を出力するブザー54と、操作者により操作される切換スイッチ55と、ランプ53及びブザー54、電磁ソレノイド34に電源を供給する電源装置56とを有して構成されている。
演算器51は、その内部を図示しないが、演算処理装置であるCPUや、CPUにより実行される制御プログラムやその実行の際に参照される固定値データ(例えば、後述する面積A,Bの値など)が記憶されるROM(記憶手段)、制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するRAM(例えば、後述する比率pなど)を有して構成されている。
演算器51には、流量検出器73,74が接続され、油圧ホースh6,h7を流れる流量に関する信号が入力される。また、演算器51は、リレー52に接続され、演算器51からの指示によりリレー52を切り換えることができる。
リレー52は、切換スイッチ55に電源装置56を接続するラインと、ランプ53及びブザー54に電源装置56を接続するラインとを切り換えるスイッチであり、オフの状態で切換スイッチ55と電源装置56とを接続し、オンの状態でランプ53及びブザー54と電源装置56とを接続する。
切換スイッチ55は、電磁ソレノイド34のオン/オフを切り換えるスイッチであり、拡径側に接続すると、油圧ホースh3に油が流れることにより、油圧ホースh6に油が流れて、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1(図4(a)参照),23b1に油が供給される。一方、切換スイッチ55を縮径側に接続すると、油圧ホースh4に油が流れることにより、油圧ホースh7に油が流れて、油圧シリンダ23a,23bの第2供給室23a2(図4参照(b)参照),23b2に油が供給される。
次に、図4を参照して、油圧シリンダ23a,23bの伸縮動作について説明する。図4は、油圧シリンダ23aが伸縮した状態を示した図であり、図4(a)は、油圧シリンダ23aの伸長時(拡底バケット19の拡径時)の状態を示した図であり、図4(b)は、油圧シリンダ23aの縮小時(拡底バケット19の縮径時)の状態を示した図である。なお、図4(a)及び図4(b)では、油圧シリンダ23aのみを図示したが、油圧シリンダ23bも同様に伸縮動作を行う。また、図4(a)及び図4(b)に示す矢印Yは、油圧シリンダ23aの伸縮方向を示している。
なお、第1供給室23a1の油圧シリンダ23aの伸縮方向Yに直交する平面の面積(ピストン面積)はAで示されており、第2供給室23a2の油圧シリンダ23aの伸縮方向Yに直交する平面の面積はBで示されており、シリンダ軸23a3の油圧シリンダ23aの伸縮方向Yに直交する平面の面積はCで示されている。また、第2供給室23a2の面積Bは、第1供給室23a1の面積Aからシリンダ軸23a3の面積Cを減算したものと同等になる(面積B=面積A−面積Cの関係)。さらに、本実施形態の面積A及び面積Bは、第1及び第2供給室23a1,23a2やシリンダ軸23a3の凹凸などを考慮して定められた値である。
図4(a)に示すように、油圧シリンダ23aの第1供給室23a1の伸縮方向Yに直交する平面の面積はAであり、油圧シリンダ23aが最大に伸びた状態(即ち、拡底バケット19が最大径Rmaxとなった状態)では、距離Laだけ下方に押された状態となる。なお、油圧シリンダ23aを距離La分移動させるには、距離Laに面積Aを乗算した流量の油を第1供給室23a1に供給する必要がある。即ち、本実施形態では、油圧シリンダ23a,23b(図3参照)を2本有しているので、La×2×Aの流量を第1供給室23a1,23b1に供給した場合に、距離Laに対応して拡底バケット19の掘削翼22a,22bが拡径される。
一方、図4(b)に示すように、油圧シリンダ23aの第2供給室23a2の伸縮方向Yに直交する平面の面積はBであり、油圧シリンダ23aが最も伸びた状態から油圧シリンダ23aが最も縮んだ状態(即ち、拡底バケット19が最大径Rminとなった状態)では、距離Lbだけ上方に押された状態となる。なお、油圧シリンダ23aを距離Lb分移動させるには、距離Lbに面積Bを乗算した流量の油を第2供給室23a2に供給する必要があり、油圧シリンダ23a,23bの伸長時と同様に、Lb×2×Bの流量を第2供給室23a2,23b2に供給した場合に、距離Lbに対応して拡底バケット19の掘削翼22a,22bが縮径される。
以上、説明したように、操作者により切換スイッチ55が操作されて、電磁ソレノイド34がオン/オフされると、パイロットソレノイド35が切り換わり、油圧シリンダ23a,23bに油が供給される。その結果、油圧シリンダ23a,23bが伸縮動作して、拡底バケット19の掘削翼22a,22bが拡径動作または縮径動作する。
次に、図5を参照して、本実施形態のアースドリル機1において、油圧ホースh13,14,h15,h16が破損して油が漏れだした場合に、その油漏れを検出する方法について説明する。図5は、本実施形態の演算器51により実行される油漏れ検出処理を示したフローチャートである。なお、図5に示す油漏れ検出処理は、流量検出器73,74からの入力があった場合に開始され、流量検出器73,74からの信号が所定範囲外となった場合および油漏れが検出された場合に終了するように構成されている。
なお、本実施形態では、拡底バケット19側と、ケリーバ駆動装置16側との間の油圧ホースh6,h7,h13,h14の連通をロータリージョイント20を介して行なっており、そのロータリージョイント20からは少量の油が漏れ出すので、油圧ホースh6,h7を流れる油の流量と、油圧シリンダ23a,23bに供給または排出される油の流量とが異なる。よって、油漏れ検出処理では、ロータリージョイントから漏れ出す油のリーク量よりも多くの油が漏れだした場合を油漏れと検出するように構成されている。
油漏れ検出処理が実行されると、まず、流量検出器73から入力された信号の回数から拡径側検出流量Q1を算出する(S101)。図3に示すように、拡径側検出流量Q1は、油圧ホースh6を矢印Q1方向に流れる油の流量を算出している。
S101の処理で、拡径側検出流量Q1が算出されると、流量検出器74から入力された信号の回数から縮径側検出流量Q2を算出する(S102)。図3に示すように、縮径側検出流量Q2は、油圧ホースh7を矢印Q2方向に流れる油の流量を算出している。
S102の処理で、縮径側検出流量Q2が算出されると、その縮径側検出流量Q2及びS101の処理で算出された拡径側検出流量Q1と、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1の面積A及び第2供給室23a2,23b2の面積Bとから比率pを算出する(S103、p=Q1×B/Q2×A)。
ここで、比率pの算出方法について説明する。ロータリージョイント20などからの油のリークが無く全ての油が油圧シリンダ23a,23bに供給される場合には、拡径側検出流量Q1及び縮径側検出流量Q2と、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1の面積A及び第2供給室23a2,23b2の面積Bとの関係は、「Q1:Q2=A:B」の関係が成り立つ。この「Q1:Q2=A:B」の関係から、「Q1×B=Q2×A」となり、この「Q1×B=Q2×A」に基づいて比率pが算出される。よって、比率p(=Q1×B/Q2×A)は、油のリークがない場合には、1になる。
なお、比率pは、油圧ホースh6を流れる油の流量と、油圧ホースh7を流れる油の流量との比率としても良い。即ち、第1供給室23a1,23b1に供給される供給流量と、第2供給室23a2,23b2から排出される排出流量との比率、又は、第2供給室23a2,23b2に供給される供給流量と、第1供給室23a1,23b1から排出される排出流量との比率としても良く、その時の比率pは油のリークが無い場合に、A/BまたはB/Aとなる。
S103の処理で、拡径側検出流量Q1×面積Bと、縮径側検出流量Q2×面積Aとの比率pが算出されると、その比率pが0.8より大きく且つ、1.2より小さいか否かが判断される(S104)。上述したように、比率pは、油の漏れ出し(リーク)が無い場合には、値が1となるので、所定範囲外となった場合に油が漏れ出していると判断することができる。即ち、S104の処理で、比率pが所定範囲内であるか否かを判断することで、油圧ホースh6,h7,h13,h14が破損して油が漏れ出しているか否かを判断している。
なお、ロータリージョイント20からは若干の油が漏れ出す場合があるが、その油のリーク量は、拡径側検出流量Q1及び縮径側検出流量Q2に比べて、極端に小さな値となる。よって、所定範囲の値を設定する際には、リーク量を考慮しなくても良い。
S104の処理で、拡径側検出流量Q1×面積Bと、縮径側検出流量Q2×面積Aとの比率pが0.8より大きく且つ、1.2より小さいと判断されると(S104:Yes)、油圧ホースh13〜h16から油が漏れ出していないと判断でき、次に、流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以上ないか否かを判断する(S105)。
流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以上ない場合は(S105:Yes)、拡底バケット19の掘削翼22a,22bの拡径動作または縮径動作が停止したことになるので、そのまま本処理を終了する。一方、流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以内であれば(S105:No)、拡底バケット19の掘削翼22a,22bは拡径動作または縮径動作を継続中であるので、S101の処理へ移行する。
一方、S104の処理で、拡径側検出流量Q1×面積Bと、縮径側検出流量Q2×面積Aとの比率pが0.8以下であるか、又は、1.2以上である場合には(S104:No)、油圧ホースh13〜h16から油が漏れ出していると判断し、拡底バケット19の動作を停止させるために、リレー52をオンする指示を出力し、リレー52をランプ53及びブザー54側に切り換え(S106)、その後、本処理を終了する。なお、本実施形態では、ランプ53及びブザー54は、油漏れが検出されたことを報知するものである。
ここで、S104の処理がNoとなる場合(即ち、油漏れが発生していると判断された場合)について説明する。
まず、操作者によって切換スイッチ55が拡径側に切り換えられ、油圧シリンダ23a,23bが伸長する場合には、図3に示すように、油圧ホースh6,h13,h15を油が流れ、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1に油が供給される。一方、油圧シリンダ23a,23bの第2供給室23a2,23b2からは油が排出され、その排出された油が油圧ホースh16,h14,h7を流れ、タンク31に戻る。
この状態で、油圧ホースh13,h15が破損して油が漏れ出すと、流量検出器73では、その漏れ出した分の油を多く検出するので、拡径側検出流量Q1の値が大きくなる。一方、油圧ホースh16,h14が破損して油が漏れ出すと、流量検出器74では、その漏れ出した分の油を少なく検出するので、縮径側検出流量Q2の値が小さくなる。その結果、Q1×B/Q2×Aの関係から算出される比率pは、油圧シリンダ23a,23bが伸長する場合に油漏れが発生すると、徐々に大きな値となる。その漏れ出した油量が、漏れがない状態の1.2倍以上(p≧1.2)に達したら、油漏れと判断している。
一方、操作者によって切換スイッチ55が縮径側に切り換えられ、油圧シリンダ23a,23bが縮小する場合には、図3に示すように、油圧ホースh7,h14,h16を油が流れ、油圧シリンダ23a,23bの第2供給室23a2,23b2に油が供給される。一方、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1からは油が排出され、その排出された油が油圧ホースh15,h13,h6を流れ、タンク31に戻る。
この状態で、油圧ホースh14,h16が破損して油が漏れ出すと、流量検出器74では、その漏れ出した分の油を多く検出するので、縮径側検出流量Q2の値が大きくなる。一方、油圧ホースh15,h13が破損して油が漏れ出すと、流量検出器73では、その漏れ出した分の油を少なく検出するので、拡径側検出流量Q1の値が小さくなる。その結果、Q1×B/Q2×Aの関係から算出される比率pは、油圧シリンダ23a,23bが縮小する場合に油漏れが発生すると、徐々に小さな値となる。その漏れ出した油量が、漏れがない状態の0.8倍以下(p≦0.8)となったら、油漏れと判断している。
以上説明したように、油圧ホースh6,h7を流れる油の流量の比率pが、所定範囲(0.8〜1.2)内であれば、油漏れが発生していないと判断し、所定範囲外であれば、油漏れが発生していると判断し、油漏れが発生していると判断されると、リレー52を切り換えて油の供給を停止すると共にランプ53及びブザー54により報知を行っている。よって、操作者に対して油の漏れ出しを認識させることができるので、必要以上の油が漏れ出すことを抑制することができる。
また、拡底バケット19の掘削翼22a,22bが動作している際に流れる油の流量Q1,Q2に基づいて、油漏れの発生を検出しているので、拡底バケット19の掘削翼22a,22bの動作中に油漏れを検出することができる。さらに、油圧ホースh6,h7を流れる油の検出流量Q1,Q2に基づいて油漏れの発生を検出しているので、タンク31に複数のセンサを設けて必要最低限以上の油が漏れ出すことを検出する場合に比較して、少量の油が漏れ出した場合に、早期に油漏れの発生を検出することができる。
次に、図6を参照して、第2実施形態のアースドリル機100について説明する。前述した第1実施形態のアースドリル機1は、油圧ホースh6を流れる拡径側検出流量Q1×面積Bと、油圧ホースh7を流れる縮径側検出流量Q2×面積Aとの比率pを算出し、その比率pが所定範囲内であるか否かによって油漏れの発生を検出するものとした。これに代えて、第2実施形態のアースドリル機100は、油圧ホースh6を流れる拡径側検出流量Q1から油圧シリンダ23a,23bが伸縮する仮想の拡径側ストローク量Laを算出し、油圧ホースh7を流れる縮径側検出流量Q2から油圧シリンダ23a,23bが伸縮する仮想の縮径側ストローク量Lbを算出し、その拡径側ストローク量Laと縮径側ストローク量Lbとの比率pが所定範囲内であるか否かによって油漏れの発生を検出するものとした。なお、第1実施形態と同一部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6は、第2実施形態の演算器51により実行される油漏れ検出処理を示したフローチャートである。第2実施形態の演算器51により油漏れ検出処理が実行されると、流量検出器73から入力された信号の回数から拡径側検出流量Q1を算出し(S201)、その算出された拡径側検出流量Q1の全てが、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1に対して供給または排出された場合に、油圧シリンダ23a,23bが移動する仮想の拡径側ストローク量La(第1移動量)を算出する(S202)。仮想の拡径側ストロークLaの算出は、拡径側検出流量Q1と、第1供給室23a1,23b1の面積Aとから算出され、本実施形態では、油圧シリンダ23a,23bが2本あるので、拡径側検出流量Q1を2本の面積2Aで除算して算出される(La=Q1/2A)。
S202の処理で、拡径側ストローク量Laが算出されると、次に、流量検出器74から入力された信号の回数から縮径側検出流量Q2を算出し(S203)、その算出された縮径側検出流量Q2の全てが、油圧シリンダ23a,23bの第2供給室23a1,23b2に対して供給または排出された場合に、油圧シリンダ23a,23bが移動する仮想の縮径側ストローク量Lb(第2移動量)を算出する(S204)。仮想の縮径側ストロークLbの算出は、拡径側ストローク量Laと同様に、縮径側検出流量Q2を2本の面積2Bで除算して算出される(Lb=Q2/2B)。
そして、S205の処理では、S202の処理で算出された拡径側ストローク量Laと、S204の処理で算出された縮径側ストローク量Lbとの比率pを算出し(S205、p=La/Lb)、その算出された比率pが、0.8より大きく且つ1.2より小さな値であるか否かが判断される(S206)。
S206以降の処理は、第1実施形態のS104以降の処理と同様であり、比率pが0.8より大きく且つ、1.2より小さいと判断されると(S206:Yes)、流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以上ないか否かを判断し(S207)、流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以上ない場合は(S207:Yes)、そのまま本処理を終了し、流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以内であれば(S207:No)、S201の処理へ移行する。一方、S206の処理で、比率pが0.8以下であるか、又は、1.2以上である場合には(S206:No)、油漏れが発生していると判断し、リレー52をオンする指示を出力し、リレー52をランプ53及びブザー54側に切り換え(S208)、その後、本処理を終了する。
以上説明したように、第2実施形態のアースドリル機100では、流量検出器73,74の値に基づいて算出された検出流量Q1,Q2と、第1供給室23a1,23b1及び第2供給室23a2,23b2の面積A,Bとに基づいて、油圧シリンダ23a,23bが移動する仮想のストローク量La,Lbを算出し、そのストローク量La,Lbの比率pが所定範囲内(0.8〜1.2)であるか否かによって、油漏れが発生しているかを検出している。よって、第1実施形態に対して、検出流量Q1×面積Bと検出流量Q2×面積Aとの比率pを基準とするか、ストローク量La,Lbの比率pを基準とするかの違いとなるので、第1実施形態と同様の効果を奏する。即ち、操作者に対して油の漏れ出しを認識させることができるので、必要以上の油が漏れ出すことを抑制することができるし、拡底バケット19の掘削翼22a,22bの動作中に油漏れの発生を検出することができるし、少量の油漏れの発生を早期検出することができる。
次に、図7及び図8を参照して、第3実施形態のアースドリル機200について説明する。前述した第1実施形態のアースドリル機1は、油圧ホースh6を流れる拡径側検出流量Q1×面積Bと、油圧ホースh7を流れる縮径側検出流量Q2×面積Aとの比率pを算出し、その比率pが所定範囲内であるか否かによって油漏れが発生しているかを判断するものとした。これに代えて、第3実施形態のアースドリル機200は、油圧ホースh6,h7を流れる検出流量Q1,Q2から算出される仮想的なストローク量La,Lbと、油圧シリンダ23a,23bが実際に移動した実ストローク量Lxとの比率pを算出し、その比率pが所定範囲内であるか否かによって油漏れが発生しているかを判断するものとした。なお、第1実施形態と同一部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7は、第3実施形態のアースドリル機200の油圧回路および電気回路を示した回路図である。図8は、第3実施形態の演算器51により実行される油漏れ検出処理を示したフローチャートである。
図7に示すように、第3実施形態のアースドリル機200には、演算器51に破損ホース表示器84が接続されている。この破損ホース表示器84は、破損している油圧ホースを操作者に認識させる表示を行うものであり、本第3実施形態では、2つのランプで構成されている。2つのランプは、拡径バケット19の掘削翼22a,22bが拡径動作する場合に油が供給される拡径側の油圧ホースh13,h15が破損した場合に点灯するものと、掘削翼22a,22bが縮径動作する場合に油が供給される縮径側の油圧ホースh14,h16が破損した場合に点灯するものでる。
また、第3実施形態のアースドリル機200には、油圧シリンダ23a,23bが移動した距離を検出するストローク量検出器83が設けられている。このストローク量検出器83は、油圧シリンダ23a,23bとベース24(図2参照)との間に配置される。また、ストローク量検出器83は、送信機81に電気的に接続され、その送信機81から受信機82に信号が送信され、その受信機82から演算器51へ油圧シリンダ23a,23bが移動した距離に関する信号が入力される。
なお、本実施形態では、ストローク量検出器83は、公知のワイヤー式のポテンシオメータが用いられており、油圧シリンダ23a,23bの最も縮径した状態(拡底バケット19の掘削翼22a,22bが最小径Rminの状態)から移動した距離に対応した値が出力される。
また、ストローク量検出器83は、その他に、フレーム25a,25b(図2参照)と掘削翼22a,22bとの連結部において回転する部材の回転角を検出するポテンシオメータで構成するものとしても良い。さらに、ストローク量検出器83は、油圧シリンダ23a,23bが伸縮する径路の近傍に複数の近接センサなどの検出器を設ける構成としても良い。即ち、油圧シリンダ23a,23bが移動した距離を計測可能な検出器であれば、その検出器は如何なるもので構成しても良い。
次に、図8に示す第3実施形態の油漏れ検出処理について説明する。油漏れ検出処理が実行されると、流量検出器73から入力された信号の回数から拡径側検出流量Q1を算出し(S301)、その算出された拡径側検出流量Q1の全てが、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1に対して供給または排出された場合に、油圧シリンダ23a,23bが移動する仮想の拡径側ストローク量La(第1移動量)を算出する(S302)。仮想の拡径側ストロークLaの算出は、拡径側検出流量Q1と、第1供給室23a1,23b1の面積Aとから算出され、本実施形態では、油圧シリンダ23a,23bが2本あるので、拡径側検出流量Q1を2本の面積2Aで除算して算出される(La=Q1/2A)。
S302の処理で、拡径側ストローク量Laが算出されると、次に、流量検出器74から入力された信号の回数から縮径側検出流量Q2を算出し(S303)、その算出された縮径側検出流量Q2の全てが、油圧シリンダ23a,23bの第2供給室23a1,23b2に対して供給または排出された場合に、油圧シリンダ23a,23bが移動する仮想の縮径側ストローク量Lb(第2移動量)を算出する(S304)。仮想の縮径側ストロークLbの算出は、拡径側ストローク量Laと同様に、縮径側検出流量Q2を2本の面積2Bで除算して算出される(Lb=Q2/2B)。
S304の処理で、縮径側ストローク量Lbが算出されると、次に、ストローク量検出器83の値から油圧シリンダ23a,23bが実際に移動した実ストローク量Lxを算出する(S305)。S305の処理は、拡底バケット19の掘削翼22a,22bが停止している状態から油圧シリンダ23a,23bが伸縮し、その油圧シリンダ23a,23bが実際に移動した距離を算出するものである。
S305の処理で、実ストローク量Lxが算出されると、S302の処理で算出された拡径側ストローク量Laが縮径側ストローク量Lbより大きな値であるか否かが判断される(S306)。一般的に、油圧ホースh6,h7は、拡底バケット19の掘削翼22a,22bを動作させる動作側のときは加圧され、非動作側のときは動作側より減圧された状態となる。そのため、ロータリージョイント20から漏れ出す油のリーク量も、動作側が多くなり、非動作側が少なくなる。よって、動作側の油圧ホースの流量から算出されるストローク量の方が大きくなり、非動作側の油圧ホースの流量から算出されるストローク量が小さくなる。S306の処理では、上記関係から油の流れる方向を検出することができる。
S306の処理で、拡径側ストローク量Laが縮径側ストローク量Lbより大きいと判断されると(S306:Yes)、油圧ホースh6が動作側となるので、拡径動作と判断され、S302の処理で算出された拡径側ストローク量LaとS305の処理で算出された実ストローク量Lxとの比率p1(p1=La/Lx)を算出すると共に、実ストローク量LxとS304の処理で算出された縮径側ストローク量Lbとの比率p2(p2=Lx/Lb)を算出する(S307)。
一方、S306の処理で、拡径側ストローク量Laが縮径側ストローク量Lbより小さいと判断されると(S306:No)、油圧ホースh7が動作側となるので、縮径動作であると判断され、S304の処理で算出された縮径側ストローク量LbとS305の処理で算出された実ストローク量Lxとの比率p3(p3=Lb/Lx)を算出すると共に、実ストローク量LxとS302の処理で算出された拡径側ストローク量Laとの比率p4(p4=Lx/Lb)を算出する(S308)。
S309の処理では、拡径側ストローク量La又は縮径側ストローク量Lbと実ストローク量Lxとの比率pi(i=1〜4)が、1.1より小さな値であるか否かが判断される(S309)。S309の処理では、iの値を1〜4に変更し、比率p1〜p4の全てを1.1より小さな値であるか否かを判断している。そして、比率p1〜p4の全てが1.1より小さな値の場合にYesと判断され、1つでも1.1以上であればNoと判断される。
なお、S309の処理では、比率piと比較する数値が、第1実施形態の1.2より小さな値に設定されている。これは、第3実施形態では、油圧シリンダ23a,23bが実際に移動した距離に基づいて比率piを算出しているため、検出誤差および算出誤差が小さくなるからである。よって、比率piと比較される値を1.1とすることで、より少量の油漏れを検出することができると共に、拡径側の油圧ホースhh13,15又は縮径側の油圧ホースh14,h16のどちらのホースが破損したかを検出することができる。
S309の処理で、比率p1〜p4の全てが1.1より小さいと判断されると(S309:Yes)、流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以上ないか否かを判断し(S310)、流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以上ない場合は(S310:Yes)、そのまま本処理を終了し、流量検出器73,74からの信号の入力が所定時間以内であれば(S310:No)、S301の処理へ移行する。
一方、S309の処理で、比率p1〜p4の値が1つでも1.1以上である場合には(S309:No)、拡径時に油が供給される拡径側の油圧ホースh13,h15が破損しているか、縮径時に油が供給される縮径側の油圧ホースh14,h16が破損しているかを判断するために、比率p1,p4が1.1より小さな値であるか否かをそれぞれ判断する(S310、S311)。
S310の処理では、比率p1が1.1より小さな値であるか否かを判断し、S311の処理では、比率p4が1.1より小さな値であるか否かを判断し、比率p1が1.1以上である場合(S310:No)、又は、比率p4が1.1以上である場合には(S310:Yes、S311:No)、拡径側の油圧ホースh13,h15が破損していることになり、その旨を報知するために、破損ホース表示器84により表示し(S312)、S314の処理へ移行する。
一方、比率p1及び比率p4が1.1より小さな値であれば(S310:Yes、S311:Yes)、比率p2又は比率p3のどちらかが1.1以上となっており、縮径側の油圧ホースh14,h16が破損していることになり、その旨を報知するために、破損ホース表示器84により表示し(S313)、S314の処理へ移行する。
なお、S310,S311の処理では、比率p1,p4に代えて、比率p2,p3が1.1より小さな値であるか否かを判断し、S312の処理とS313の処理とを入れ替える構成としても良い。さらに、比率p1〜p4の全てに対して1.1より小さい値であるか否かを判断するものとしても良い。
S314の処理では、リレー52をオンする指示を出力し、リレー52をランプ53及びブザー54側に切り換え(S311)、その後、本処理を終了する。
ここで、S311の処理がNoとなる場合(即ち、油漏れが発生している場合)と判断される場合について説明する。
まず、操作者によって切換スイッチ55が拡径側に切り換えられ、油圧シリンダ23a,23bが伸長する場合について説明する。図7に示すように、油圧ホースh6,h13,h15を通り、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1に油が供給され、油圧シリンダ23a,23bの第2供給室23a2,23b2から油が排出されて油圧ホースh16,h14,h7を通り、タンク31に戻される。
この状態で、油圧ホースh13,h15が破損して油が漏れ出すと、流量検出器73では、その漏れた分の油を多く検出するので、拡径側検出流量Q1の値が大きくなる。その結果、拡径側ストローク量Laの値は大きくなり、比率p1が徐々に大きくなる。そして、漏れ出した油が漏れがない状態の1.1倍以上(p1≧1.1)に達したら、拡径側の油圧ホースh13,h15から油漏れが発生していると判断する。また、油圧ホースh14,h16が破損して油が漏れ出すと、流量検出器74では、その漏れた分の油を少なく検出するので、縮径側検出流量Q2の値が小さくなる。その結果、縮径側ストローク量Lbの値は小さくなり、比率p2が徐々に大きくなる。そして、漏れ出した油が漏れがない状態の1.1倍以上(p2≧1.1)に達したら、縮径側の油圧ホースh14,h16から油漏れが発生していると判断する。
一方、操作者によって切換スイッチ55が縮径側に切り換えられ、油圧シリンダ23a,23bが縮小する場合について説明する。図7に示すように、油圧ホースh7,h14,h16を通り、油圧シリンダ23a,23bの第2供給室23a2,23b2に油が供給され、油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1から油が排出されて油圧ホースh15,h13,h6を通り、タンク31に戻される。
この状態で、油圧ホースh14,h16が破損して油が漏れ出すと、流量検出器74では、その漏れた分の油を多く検出するので、縮径側検出流量Q2の値が大きくなる。その結果、縮径側ストローク量Lbの値は大きくなり、比率p3が徐々に大きくなる。そして、漏れ出した油が漏れがない状態の1.1倍以上(p3≧1.1)に達したら、縮径側の油圧ホースh14,h16から油漏れが発生していると判断する。また、油圧ホースh13,h15が破損して油が漏れ出すと、流量検出器73では、その漏れた分の油を少なく検出するので、拡径側検出流量Q1の値が小さくなる。その結果、拡径側ストローク量Laの値は小さくなり、比率p4が徐々に大きくなる。そして、漏れ出した油が漏れがない状態の1.1倍以上(p4≧1.1)に達したら、拡径側の油圧ホースh13,h15から油漏れが発生していると判断する。
以上説明したように、第3実施形態のアースドリル機200では、油圧シリンダ23a,23bが実際に移動した距離に基づいて比率piを算出しているため、検出誤差および算出誤差が小さくすることができる。よって、比率piと比較される数値を1に近づけることができるので、より少量の油漏れを検出することができる。また、破損して油漏れが発生している油圧ホースを判断し、破損ホース表示器84により表示するので、操作者に破損しているホースを認識させることができる。その結果、油圧ホースの交換などを効率良く行うことができる。
次に、図9を参照して、第4実施形態のアースドリル機300について説明する。前述した第1実施形態のアースドリル機1は、ロータリージョイント20よりタンク31側(ケリーバ駆動装置16側)の油圧ホースh6,h7に2台の流量検出器73,74をそれぞれ設け、その流量検出器73,74からの信号を直接演算器51に入力するものとした。これに代えて、第4実施例のアースドリル機300は、ロータリージョイント20より拡底バケット19側の油圧ホースh13,h14に流量検出器73,74をそれぞれ設け、その流量検出器73,74からの信号を無線通信システムにより演算器51に入力するものとした。なお、第1実施形態と同一部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図9は、第4実施形態のアースドリル機300の油圧回路および電気回路を示した回路図である。
図9に示すように、第4実施形態の油圧回路には、ロータリージョイント20とホースリール17aとの間であって、拡底バケット19の掘削翼22a,22bを拡径する場合に油圧シリンダ23a,23bの第1供給室23a1,23b1に油を供給する油圧ホースh13に油圧モータ71が設けられ、拡底バケット19の掘削翼22a,22bを縮径する場合に油圧シリンダ23a,23bの第2供給室23a2,23b2に油を供給する油圧ホースh14に油圧モータ72が設けられている。なお、油圧ホースh13,h14は、ロータリージョイント20とスイベルジョイント42a,42bとの間を接続する油圧ホースであり、ホースリール17a,17bにより巻き取り又は巻き出しが行われない。
油圧モータ71には、流量検出器73が取り付けられ、油圧モータ72には、流量検出器74が取り付けられている。そして、流量検出器73,74は、ホースリール台18上に設けられた送信機81に電気的に接続されている。また、演算器51には、受信機82が接続されている。よって、流量検出器73,74からの信号は、送信機81及び受信機82を介して、演算器51に入力される。
以上説明したように、第4実施形態のアースドリル機300では、流量検出器73,74がロータリージョイント20より拡底バケット19側に設けられている。よって、ロータリージョイント20からの油のリーク量を考慮しなくても良いので、比率pと比較される範囲を狭く(例えば、0.9<p<1.1)することができる。よって、より少量の油漏れを検出することができる。
次に、図10を参照して、第5実施形態のアースドリル機400について説明する。前述した第1実施形態のアースドリル機1は、切換スイッチ55、ランプ53或いはブザー54がリレー52を介して電源装置56に接続される構成とした。これに代えて、第5実施例のアースドリル機400では、切換スイッチ55が常に電源装置457に接続され、リレー452がランプ53或いはブザー54のオン/オフのみを切り換えるように構成した。なお、第1実施形態と同一部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図10は、第5実施形態のアースドリル機400の油圧回路および電気回路を示した回路図である。
図10に示すように、第5実施形態の電気回路には、演算器51からの指示により切り換えられるリレー452と、切換スイッチ55を介して電磁ソレノイド34に電源を供給する電源装置457とが設けられている。
電源装置457には、切換スイッチ55が常に接続されているので、切換スイッチ55の切り替えに応じて電磁ソレノイド34に電力を供給することができる。よって、電磁ソレノイド34の出力は、切換スイッチ55の切り替えにのみ連動する。また、パイロットソレノイド35の切り替えは、電磁ソレノイド34の切り替えに応じて行われる。その結果、パイロットソレノイド35の切り替えを切換スイッチ55によって行うことができる。
リレー452は、流量検出器73,74から出力される信号を基に油漏れを検出する演算器51によって接続が切り替えられる切り替えスイッチであり、電源装置56と、ランプ53及びブザー54との間に接続されている。
上述のように構成される第5実施形態のアースドリル機400では、演算器51が油漏れを検知した場合には、演算器51の指示によりランプ53が点灯または点滅され、ブザー54から音声が出力される。その結果、アースドリル機400を操作する操作者が油漏れに気付くことができる。油漏れに気付いた操作者は、切換スイッチ55を拡径側と縮径側の中間の位置に移動させパイロットソレノイド35から油圧ホースh15又は油圧ホースh16への油の供給を停止させることもできる。
例えば、第1実施の形態では、演算器51が油漏れを検知した場合に、切換スイッチ55への電力の供給が遮断される構成とした。その場合、演算器51が判断すると同時にパイロットソレノイド35からの油の送出が停止されるので、油の漏れの低減を図ることができる。
しかしながら、上述した構成では、パイロットソレノイド35からの油の送出が停止されるので、掘削翼22a,22bは、パイロットソレノイド35からの油の送出が停止された時に位置していた開度に固定される。
その場合、操作者は、油が掘削中の孔の中に漏れ出ないように油圧ホースh15又は油圧ホースh16をそれぞれスイベルジョイント42a,42bから取り外すことでパイロットソレノイド35への接続を解除することができる。そして、油圧ホースh15及び油圧ホースh16中の油を別の油タンクに油を回収する。よって、油圧ホースh15及び油圧ホースh16中から回収した油を廃棄する必要がある。
また、操作者は、掘削翼22a,22bが掘削中の孔の側面へ噛み込まないようにするために、拡底バケット19を掘削時と反対方向(図3(a)紙面に向かって左周り方向)に回転させて拡底バケット19を引き上げる必要がある。
ここで、第5実施形態のアースドリル機400では、切換スイッチ55が常に電源装置457に接続され、油漏れを検知した演算器51の指示によりランプ53が点灯または点滅され、ブザー54から音声が出力されるので、操作者が油漏れの状況に応じて柔軟に対応することができる。その結果、廃棄される油の量を低減することができる。
即ち、例えば、油圧ホースh15が破損し油が漏れ出した場合には、操作者は、その油圧ホースh15をパイロットソレノイド35から切り離して油圧ホースh15中の油を別の油タンクに取り出し、パイロットソレノイド35により油圧ホースh16に油を供給して掘削翼22a,22bを縮径させてから拡底バケット19を引き上げることができる。
この場合、油圧ホースh15の中の油のみを別の油タンクに取り出すので、油圧ホースh16の中に残っている油の分、取り出される油の量を少なくすることができる。ここで、取り出した油は、廃棄する必要があるので、取り出される油の量が少ない分、廃棄する油の量を少なくすることができる。
また、例えば、油圧ホースh16が破損し油が漏れ出した場合には、操作者は、パイロットソレノイド35により油圧ホースh16に油を供給しつつ拡底バケット19を掘削時と反対方向(図3(a)紙面に向かって左周り方向)に回転させることで、掘削翼22a,22bが掘削中の孔の側面へ噛み込まないようにしながら拡底バケット19を引き上げることができる。
即ち、油圧ホースh15又は油圧ホースh16をパイロットソレノイド35から切り離すことを省略して、拡底バケット19を引き上げることができるのである。この場合、油圧ホースh16の中の油は漏れ出すが、油圧ホースh15の中の油は漏れ出ない。よって、油圧ホースh15中の油を再利用することができる。
以上説明したように、第5実施形態のアースドリル機400では、演算器51が油漏れを検知した場合には、演算器51の指示によりランプ53が点灯または点滅され、ブザー54から音声が出力されるので、操作者は、油漏れに気が付き、油圧ホースh15又は油圧ホースh16のどちらに油漏れが発生したかに応じて柔軟に対応することができる。その結果、廃棄される油の量を低減することができる。
次に、図11を参照して、第6実施形態のアースドリル機500について説明する。前述した第4実施形態のアースドリル機400は、切換スイッチ55には常に電源装置457が接続され、リレー452はランプ53或いはブザー54のオン/オフのみを切り換えるスイッチとする構成とした。これに代えて、第6実施例のアースドリル機500は、リレー552を介して拡径側の拡径ソレノイド34aの電力供給の切り替えと、ランプ53及びブザー54への電力供給の切り替えとを行う構成とした。なお、第4実施形態と同一部分には、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図11は、第6実施形態のアースドリル機500の油圧回路および電気回路を示した回路図である。
まず、電磁ソレノイド34の詳細な構成について説明する。なお、繰り返しとなるがこの電磁ソレノイド34は、第1実施の形態から第5実施の形態にて使用されているものと同一のものである。
図11に示すように、電磁ソレノイド34は、拡径ソレノイド34aと縮径ソレノイド34bとを主に備えている。拡径ソレノイド34aは、油圧ホースh6へ油を送出するための電磁式ソレノイドバルブであり、電力が供給されることで弁を開放して油圧ホースh6へ油を送出する。また、縮径ソレノイド34bは、油圧ホースh7へ油を送出するための電磁式ソレノイドバルブであり、電力が供給されることで弁を開放して油圧ホースh7へ油を送出する。
図11に示すように、第6実施形態の電気回路には、演算器51からの指示により切り換えられるスイッチであるリレー552が設けられている。リレー552は、2系統のON/OFF(端子間の接続/端子間の開放)を切り替えることができるものである。それら2系統の内の一方は、電源装置56とランプ53及びブザー54とを接続するものであり、他方は、電源装置457と電磁ソレノイド34の拡径側の拡径ソレノイド34aとを接続するものである。なお、リレー552の2系統の内の一方がONの場合、他方は0FFとなり、他方がONの場合、一方はOFFとなる。
また、拡径ソレノイド34aは、電力線L3を介してリレー552に接続されており、縮径ソレノイド34bは、電力線L2を介して切換スイッチ55に接続されており、切換スイッチ55は、電力線L1を介してリレー552に接続されている。そして、電力線L1と電力線L3との接続は、リレー552によって切り替えられる。
リレー552は、演算機51からの指示がない場合には、電力線L1と電力線L3とを接続することで、電源装置457と電磁ソレノイド34の拡径側の拡径ソレノイド34aとに接続される切換スイッチ55とを電気的に接続し、ランプ53及びブザー54と電源装置56とを電気的に開放する。
そして、演算機51からの指示によりリレー552が切り替えられると、電力線L1と電力線L3との接続を開放することで、電源装置457に接続される切換スイッチ55と、電磁ソレノイド34の拡径側の拡径ソレノイド34aとが電気的に開放され、ランプ53及びブザー54と電源装置56とが電気的に接続される。
上述したように、演算機51からの指示によりリレー552が切り替えられて、拡径ソレノイド34aへの電力の供給が停止されることでパイロットソレノイド35から油圧ホースh6への油の送出が停止されるので、パイロットソレノイド35から油圧ホースh6へ油が送出されることで拡底バケット19の掘削翼22a,22bが拡径動作している場合には、拡底バケット19の掘削翼22a,22bの拡径動作を停止させることができる。また、パイロットソレノイド35から油圧ホースh7へ油が送出されることで拡底バケット19の掘削翼22a,22bが縮径動作している場合には、拡底バケット19の掘削翼22a,22bの縮径動作を継続させることができる。
このように、油圧ホースh6への油の送出が演算機51からの指示により停止されるので、拡底バケット19の掘削翼22a,22bの動作時に、油圧ホースh6から必要以上に多量の油が漏れ出すことを防止することができる。
また、油圧ホースh7への油の送出は停止されないので、操作者が切換スイッチ55を操作して、縮径ソレノイド34bへの電力の供給を切り替えることで油圧ホースh7への油の送出および停止を選択することができる。よって、操作者が油漏れの状況に応じて柔軟に対応することができる。その結果、廃棄される油の量を低減することができる。
即ち、例えば、拡底バケット19が拡径動作している場合において、拡径動作時に油が供給される油圧ホースh6が破損して油が漏れ出し、その油漏れを検知した演算機51からの指示により拡底バケット19の拡径動作が停止された場合には、操作者は、その油圧ホースh6をパイロットソレノイド35から切り離して油圧ホースh6の中の油を別の油タンクに取り出し、パイロットソレノイド35により油圧ホースh7に油を供給して掘削翼22a,22bを縮径させてから拡底バケット19を引き上げることができる。
この場合、油圧ホースh6の中の油のみを別の油タンクに取り出すので、油圧ホースh7の中に残っている油の分、取り出される油の量を少なくすることができる。ここで、取り出した油は、廃棄する必要があるので、取り出される油の量が少ない分、廃棄する油の量を少なくすることができる。
また、例えば、拡底バケット19が縮径動作している場合において、縮径動作時に油が供給される油圧ホースh7が破損して油が漏れ出し、その油漏れを検知した演算機51からの指示により拡底バケット19の縮径動作が継続された場合には、操作者は、拡底バケット19を掘削時と反対方向(図3(a)紙面に向かって左周り方向)に回転させることで、掘削翼22a,22bが掘削中の孔の側面へ噛み込まないようにしながら拡底バケット19を引き上げることができる。
即ち、油圧ホースh7をパイロットソレノイド35から切り離すことを省略して、拡底バケット19を引き上げることができるのである。この場合、油圧ホースh7の中の油は漏れ出すが、油圧ホースh6の中の油は漏れ出さない。よって、油圧ホースh6の中の油を再利用することができる。
このように、油圧ホースh6への油の送出が演算機51からの指示により停止されるので、拡底バケット19の掘削翼22a,22bの動作時に、油圧ホースh6から必要以上に多量の油が漏れ出すことを防止することができると共に油圧ホースh6,H7のどちらに油漏れが発生したかに応じて操作者の作業を変えることで廃棄される油の量を低減することができる。
以上、複数の実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態では、切換スイッチ55を拡径側または縮径側に切り換えることで、電磁ソレノイド34の出力が切り換えられ、その電磁ソレノイド34の出力の切り換えに応じてパイロットソレノイド35の出力が切り換えられるものとしたが、アースドリル機1,100,200,300,400,500に設けられた図示しないCPUからの指示によりパイロットソレノイド35の出力を切り換えるように構成としても良い。
また、上記各実施形態では、油漏れの発生が検出された場合には、ランプ53およびブザー54にて外部に示唆する構成としたが、ランプ53のみ、または、ブザー54のみで外部に示唆する構成としても良い。ランプのみの場合は、周囲に騒音を出すことなく、操作者が油漏れを知ることができる。また、ブザー54のみの場合は、操作盤上にランプ53を設ける必要がないので、操作盤を簡素化して操作性を向上させることができる。
また、上記第6実施形態では、2系統のON/OFFを切り替えることができるリレー552を備える構成としたが、その内の1系統を別体のリレーにて切り替える構成としても良い。この場合、グランド(接地)を別の場所に設けることができるので、電磁ソレノイド34と、ランプ53及びブザー54とに流れる電流値が異なる場合であってもグランド(接地)のドリフト(電位の変動)の発生を抑制することができる。よって、電磁ソレノイド34と、ランプ53及びブザー54とに規格(使用時に流れる電流値)が異なるものを使用することができる。その結果、アースドリル機500の設計の自由度を向上させることができる。
また、上記各実施形態では、比率pと比較される所定範囲を、0.8〜1.2の範囲または1.1以下としたが、所定範囲は、ロータリージョイント20からのリーク量や、流量検出器73,74が取り付けられた位置、油圧ホースの径など、各種条件に応じて適宜変更可能である。
また、リーク量を検出する流量検出器を備え、流量検出器73,74により検出される値に加算して、拡径側検出流量Q1及び縮径側検出流量Q2を算出するものとしても良い。この構成とすれば、検出流量の変化を正確に検出することができるので、所定範囲を更に狭い範囲とすることができる。
また、上記各実施形態では、リレー52の切り替えにより電源装置56への接続が切り替えられるランプ53及びブザー54を備える構成としたが、ランプ53及びブザー54を省略して構成しても良い。
この場合、ランプ53及びブザー54を省略したので、部品点数を削減して、アースドリル機1,100,200,300,400,500の製品コストを削減することができる。また、ランプ53が省略される分、操作盤を簡素化して操作性を向上させることができる。
ここで、本実施形態において、請求項1の第1算出手段としては図5のS103の処理および図6のS205の処理、図8のS307,S308の処理が該当し、請求項1記載の判断手段としては図5のS104の処理および図6のS206の処理、図8のS309の処理が該当し、請求項1の報知手段および請求項2の停止手段としては、図5のS106の処理および図6のS208の処理、図8のS310の処理が該当し、請求項4の第1移動量算出手段としては図6のS202の処理が該当し、請求項4の第2移動量算出手段としては図6のS204の処理が該当し、請求項5の第1移動量算出手段としては図8のS302の処理が該当し、請求項5の第2移動量算出手段としては図8のS304の処理が該当し、請求項6の動作方向判断手段としては図8のS306の処理が該当する。