JP6628586B2 - 裏込め材浸入防止構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シールド掘削機のテール部における裏込め材浸入防止構造に関する。
シールド掘削機のテール部に設けられたテールシールは、裏込め材が浸入するのを防止するように構成されており、以前より種々のものが存在していた(たとえば特許文献1,2参照)。
特許文献1のテールシール構造は、シールド掘削機のスキンプレートのテール部内側に、内側保護板と外側保護板とに挟まれるようにワイヤブラシを設け、ワイヤブラシ内部に発泡樹脂を注入するとともに、発泡樹脂と外側保護板との間に非透水性膜を設ける構成になっている。
特許文献2のグラウト注入装置は、裏込め材用流路に設けられた圧力検知器でテールボイド部の圧力(裏込め材圧力)を検知するとともに、グリス用流路に設けられた圧力検知器でグリス圧力を検知し、グリス圧力が裏込め材用流路の圧力よりも高く保たれるように、制御装置で裏込め材用ポンプとグリス用ポンプを作動させる構成になっている。このような構造によって、テールシールの反転や破損を防止することができる。
特開平11−50794号公報 実開平2−78694号公報
特許文献1のテールシール構造では、ワイヤブラシ内の止水性および耐久性を高めることができるものの、セグメントとワイヤブラシとの隙間から裏込め材が浸入するのを防止するのは困難であった。裏込め材がスキンプレートの内側に浸入すると、裏込め材が固化した後に、セグメントが変形したり破損したりする虞があった。
特許文献2の裏込め材浸入防止構造では、裏込め材供給用の圧力検知器が、裏込め材用ポンプと裏込め材注入用パイプの分岐ヘッダとの間に設けられ、グリス注入用の圧力検知器が、グリス用ポンプとグリス注入用パイプの分岐ヘッダとの間に設けられている。さらに、一つのグリス注入用ポンプで複数のグリス注入用パイプにグリスを供給している。かかる裏込め材浸入防止構造では、注入流路が切り替わるまで、その場所のグリス圧力を計測することができない。また、一ヶ所注入している間に他のグリス圧力が低下しても、優先的にグリスを注入して圧力を高めることができない。よって、グリスを順番に注入していく間に、圧力が逆転している箇所から裏込め材が浸入してしまう虞があった。
このような観点から、本発明は、裏込め材がスキンプレートの内側に浸入することを防止できる裏込め材浸入防止構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明は、シールド掘削機のスキンプレート内側に設けられた少なくとも3列以上のテールシールと、前後に隣り合うテールシール間のグリース充填空間にグリースを供給するグリース供給手段と、前記スキンプレートの後方に裏込め材を供給する裏込め材供給手段と、前記裏込め材の裏込め圧を測定する裏込め圧測定手段と、前記グリース供給手段と前記裏込め材供給手段と前記裏込め圧測定手段とに接続された制御装置とを備えた裏込め材浸入防止構造である。前記グリース供給手段は、複数の前記グリース充填空間のうち最後尾に位置する後端グリース充填空間に前記グリースを供給する後端グリース供給装置と、前記後端グリース充填空間よりも前方に位置する前方グリース充填空間に前記グリースを供給する前方グリース供給装置とを備えている。前記後端グリース供給装置は、前記後端グリース充填空間に前記グリースを供給するための後端用ポンプと、前記後端用ポンプと前記後端グリース充填空間とを接続する後端用供給路と、前記後端用供給路の前記後端グリース充填空間側に設けられた複数の後端用注入口と、前記複数の後端用注入口にそれぞれ設けられた複数の注入圧測定手段とを備えている。前記前方グリース供給装置は、前記前方グリース充填空間に前記グリースを供給するための前方用ポンプと、前記前方用ポンプと前記前方グリース充填空間とを接続する前方用供給路と、前記前方用供給路の前記前方グリース充填空間側に設けられた複数の前方用注入口と、前記複数の前方用注入口にそれぞれ設けられた複数の注入圧測定手段とを備えている。前記複数の後端用注入口は、複数のグループに分けられており、前記後端用供給路は、前記後端用ポンプから延びる出発流路から分岐して前記各グループに繋がる複数の分岐流路を備えている。前記前方用供給路は、前記前方用ポンプから延びる出発流路から分岐して前記複数の前方用注入口に繋がる通常流路と、当該通常流路から分岐して前記後端用注入口の前記グループの一つに繋がるバックアップ流路とを備えている。前記制御装置は、前記裏込め圧測定手段で測定された前記裏込め圧より大きい設定圧力と、前記複数の前記注入圧測定手段で測定された前記後端グリース充填空間への前記グリースの注入圧とを比較し、前記後端グリース充填空間への前記グリースの注入圧が前記設定圧力より低下した際に、前記前方用ポンプで圧送した前記グリースを、前記バックアップ流路を介して前記後端グリース充填空間へ供給させる。
本発明者らは、後端グリース充填空間が、一段のテールシールを介して裏込め材と隣り合っていることから、常に後端グリース充填空間のグリース圧力を裏込圧よりも高く保持することが重要であることに着目した。そして、請求項1に係る発明は、後端グリース充填空間へのグリースの供給を、前方用ポンプを用いても行えるように構成したことを特徴としている。
請求項1に係る構成において各後端用注入口からのグリースの注入圧をそれぞれ測定すると、どの位置のグリースの圧力が低下したかが分かる。さらに、ある後端用注入口のグリースの注入圧が低下したときに、各流路の切替えを行うことで、後端用注入口のグループごとに後端用ポンプまたは前方用ポンプからグリースを供給することができる。これによって、各ポンプが受け持つ後端用注入口の数を少なくできるので、低下した注入圧を、短時間で所定の圧力に戻すことができ、ひいては、裏込め材がスキンプレートの内側に浸入することを防止できる。
また、本発明に係る裏込め材浸入防止構造において、前記制御装置は、前記前方用ポンプを用いて前記後端グリース充填空間にグリースを供給する際に、前記前方グリース充填空間への前記グリースの供給を停止させるものが好ましい。このような構成によれば、後端用注入口のグリースの注入圧が低下したときに、より一層短時間で低下した注入圧を所定の圧力に戻すことができる。
さらに、本発明に係る裏込め材浸入防止構造において、前記前方用ポンプを用いて前記後端グリース充填空間にグリースを供給する際に、前記前方用ポンプと前記後端用ポンプとは、前記後端用注入口の複数の前記グループのうち、異なるグループを優先順位の第1位としているものが好ましい。
また、本発明に係る裏込め材浸入防止構造において、前記後端用ポンプおよび前記前方用ポンプ用の予備ポンプをさらに備えており、前記予備ポンプは、前記後端用供給路および前記前方用供給路に接続されているものが好ましい。このような構成によれば、グリースの供給を停止することなく、グリースの貯留ドラムの交換やポンプのメンテナンスを行うことができる。
本発明によれば、裏込め材がスキンプレートの内側に浸入することを防止することができる。
本発明の実施形態に係る裏込め材浸入防止構造のグリース供給手段のテールグリースダイヤグラムである。 本発明の実施形態に係る裏込め材浸入防止構造のテールシールとグリース充填空間を示した断面図である。 本発明の実施形態に係る裏込め材浸入防止構造のグリース供給手段の後端用注入口の配置位置を示した後面図である。 本発明の実施形態に係る裏込め材浸入防止構造のグリース供給手段のテールグリース系統図を示した図であって通常時の状態を示している。 本発明の実施形態に係る裏込め材浸入防止構造のグリース供給手段のテールグリース系統図を示した図であって注入圧低下時の状態を示している。 本発明の実施形態に係る裏込め材浸入防止構造のグリース供給手段のテールグリース注入管選択画面を示した図である。
以下、本発明の実施形態に係る裏込め材浸入防止構造を、添付した図面を参照しながら説明する。裏込 め材浸入防止構造は、テールシール内に裏込め材が浸入して固化することによって発生するセグメントの破損やテールグリースの止水効果の低下を防止するためのものである。まず、図1乃至図3を参照しながら裏込め材浸入防止構造1の構成を説明する。
図1に示すように、かかる裏込め材浸入防止構造1は、テールシール10(図2参照)とグリース供給手段20と裏込め材供給手段50(図3参照)と裏込め圧測定手段51(図3参照)と制御装置(図示せず)とを備えている。
図2に示すように、テールシール10は、シールド掘削機2のスキンプレート3内側に少なくとも3列以上(本実施形態では4列)設けられている。テールシール10は、スキンプレート3の内周面に沿って環状に形成されている。テールシール10は、内側後方に延出するワイヤブラシ11等を備えた公知のものである。4列のテールシール10,10・・は、シールド掘削機2の掘削方向前後に沿って所定の間隔をあけて配置されている。前後に隣り合うテールシール10,10間にグリース充填空間12が形成されている。グリース充填空間12は、前後のテールシール10,10とスキンプレート3とセグメント4とで囲われている。本実施形態では、4列のテールシール10,10・・によって、3列のグリース充填空間12が形成されている。複数のグリース充填空間12のうち最後尾に位置する後端グリース充填空間は、以下「後室12R」と称する場合がある。後端グリース充填空間よりも前方に位置する前方グリース充填空間は、本実施形態では2つ形成されており、後室12R寄りのグリース充填空間12を「中室12M」、前方のグリース充填空間12を「前室12F」と称する場合がある。
図1に示すように、グリース供給手段20は、各グリース充填空間12(図2参照)にテールグリースを供給するものである。グリース供給手段20は、後端グリース充填空間にグリースを供給する後端グリース供給装置21と、前方グリース充填空間にグリースを供給する前方グリース供給装置22,23とを備えている。本実施形態では、後端グリース供給装置21は、後室12R(図2参照)にグリースを供給する後室用グリース供給装置(以下、符号「21」を付する)にて構成されている。前方グリース供給装置22,23は、中室12M(図2参照)にグリースを供給する中室用グリース供給装置(以下、符号「22」を付する)と、前室12F(図2参照)にグリースを供給する前室用グリース供給装置(以下、符号「23」を付する)とで構成されている。
後室用グリース供給装置21は、後室用の第一ポンプ(後端用ポンプ)24Rと、後室用供給路(後端用供給路)25Rと、複数の後室用注入口(後端用注入口)26R,26R・・と、複数の注入圧測定手段27R,27R・・とを備えている。
第一ポンプ24Rは、後室用供給路(後端用供給路)25Rを介して複数の後室用注入口26Rに接続されている。第一ポンプ24Rは、テールグリースを圧送して、後室用注入口26Rから後室12R(図2参照)内に供給する。第一ポンプ24Rは、グリースポンプ本体24aと、グリースの貯留ドラム24bと、エアコンプレッサ24cとを備えている。
後室用注入口26Rは、スキンプレート3の内周面の後室12Rに接する部分に形成されており、後室12Rに向かって開口している。後室用注入口26Rは、本実施形態では18箇所設けられており、スキンプレート3の円周方向に沿って所定の角度ピッチ(20度ピッチ)で均等に配置されている(図3中、四角で示した部分のスキンプレート3の内側に配置されている)。本実施形態では、18個の後室用注入口26Rは、6個ずつで3つのグループGa,Gb,Gc(円周方向に120度ずつ)に分けられている。
後室用注入口26Rは、円周方向の全周に渡って設けられていればよく、個数は18に限定されるものではない。また、グループを3つに分けたのは、グリース充填空間12が、後室12Rと中室12Mと前室12Fの3つに分けられ、それぞれにポンプが設けられているからである。つまり、グループの数は、ポンプの数に対応している。グリース充填空間12が、さらに多数設けられ、ポンプの個数が増えていれば、ポンプの個数に合わせて後室用注入口26Rをグループ分けするとよい。例えば、グリース充填空間12が4つに分けられ、ポンプが4つ設けられている場合には、後室用注入口26Rは、円周方向に90度ずつの4つのグループに分けるとよい。
後室用供給路(後端用供給路)25Rは、出発流路25R1と、3つの中間分岐流路25R2a,25R2b,25R2cと、18個の到達分岐流路25R3,25R3・・とを備えている。
出発流路25R1は、第一ポンプ24Rから延在している。出発流路25R1には、圧力発信機28と開閉弁29が設置されている。圧力発信機28は、第一ポンプ24Rの吐出圧を検知して、その吐出圧の値を制御装置(図示せず)に発信する。開閉弁29は、圧力発信機28の下流側に設けられていて、テールグリースの供給のオン・オフを行う。
中間分岐流路25R2a,25R2b,25R2cは、出発流路25R1から3つのグループGa,Gb,Gcに向かってそれぞれ分岐している。各中間分岐流路25R2a,25R2b,25R2cには、開閉弁30と圧力計31がそれぞれ設置されている。開閉弁30は、各流路の使用状態(閉塞、開放)の切替えを行う。圧力計31は、開閉弁30の下流側に設けられていて、流路内の圧力を計測する。
グループGaに分岐された中間分岐流路25R2aからは、グループGaの6つの後室用注入口26R,26R・・に繋がる6つの到達分岐流路25R3,25R3・・が分岐している。グループGbに分岐された中間分岐流路25R2bからは、グループGbの6つの後室用注入口26R,26R・・に繋がる6つの到達分岐流路25R3,25R3・・が分岐している。グループGcに分岐された中間分岐流路25R2cからは、グループGcの6つの後室用注入口26R,26R・・に繋がる6つの到達分岐流路25R3,25R3・・が分岐している。
各到達分岐流路25R3には、開閉弁32と圧力発信機(注入圧測定手段27R)が設けられている。開閉弁32は、各後室用注入口26Rからのテールグリースの供給・停止の切替えを行う。注入圧測定手段27Rは、後室用注入口26Rの近傍の到達分岐流路25R3に設置されている。テールシール10の後室12R内には圧力計が設けられないため、注入圧測定手段27Rが後室用注入口26Rの注入圧力(後室用注入口26Rの近傍の管内圧力)を計測することで、後室12R内のテールグリースの圧力を計測する役目を果たす。注入圧測定手段27Rは、到達分岐流路25R3の先端側流路(後室用注入口26Rと開閉弁32との間の部分)内の圧力を検知して、その圧力値を図示しない制御装置に発信する。なお、開閉弁32が開いているときは、先端側流路内の圧力と、到達分岐流路25R3の基端側流路内の圧力は同じである。
中間分岐流路25R2aと中間分岐流路25R2bとの間には、グループGaとグループGbの流路を繋ぐ連結流路25R4が設けられている。中間分岐流路25R2bと中間分岐流路25R2cとの間には、グループGbとグループGcの流路を繋ぐ連結流路25R4が設けられている。各連結流路25R4には、開閉弁33が設けられている。開閉弁33は、連結流路25R4の開閉を行う。連結流路25R4の開閉弁33は、通常、閉じられている。開閉弁33の開閉は手動にて行う。
中室用グリース供給装置22は、中室用の第二ポンプ(前方用ポンプ)24Mと、中室用供給路(前方用供給路)25Mと、複数の中室用注入口(前方用注入口)26Mと、複数の注入圧測定手段27Mとを備えている。
第二ポンプ24Mは、中室用供給路25Mを介して複数の中室用注入口26Mに接続されている。第二ポンプ24Mは、テールグリースを圧送して、中室用注入口26Mから中室12M内に供給する。第二ポンプ24Mは、第一ポンプ24Rと同等の構成である。
中室用注入口26Mは、スキンプレート3の内周面の中室12Mに接する部分に形成されており、中室12Mに向かって開口している。中室用注入口26Mは、本実施形態では18箇所設けられており、スキンプレート3の円周方向に沿って所定の角度ピッチ(20度ピッチ)で均等に配置されている。中室用注入口26Mは、図3中、丸で示した部分のスキンプレート3の内側に配置されており、後室用注入口26Rと位相がずれた位置に設けられている。
図1に示すように、中室用供給路25Mは、出発流路25M1と、中間流路25M2と、複数の到達分岐流路25M3,25M3・・とを備えている。
出発流路25M1は、第二ポンプ24Mから延在している。出発流路25M1には、圧力発信機28と開閉弁29が設置されている。圧力発信機28は、第二ポンプ24Mの吐出圧を検知して、その吐出圧の値を制御装置に発信する。開閉弁29は、圧力発信機28の下流側に設けられていて、テールグリースの供給のオン・オフを行う。
中間流路25M2は、出発流路25M1から各到達分岐流路25M3に向かって延在している。中間流路25M2には、開閉弁30が設置されている。中間流路25M2からは、18箇所の中室用注入口26M,26M・・に繋がる18個の到達分岐流路25M3,25M3・・が分岐している。各到達分岐流路25M3には、開閉弁32と圧力発信機(注入圧測定手段27M)が設けられている。開閉弁32は、各中室用注入口26Mからのテールグリースの供給・停止の切替えを行う。注入圧測定手段27Mは、中室用注入口26Mの近傍の到達分岐流路25M3に設置されている。テールシール10の中室12M内には圧力計が設けられないため、注入圧測定手段27Mが中室用注入口26Mの注入圧力(中室用注入口26Mの近傍の管内圧力)を計測することで、中室12M内のテールグリースの圧力を計測する役目を果たす。注入圧測定手段27Mは、到達分岐流路25M3の先端側流路(中室用注入口26Mと開閉弁32との間の部分)内の圧力を検知して、その圧力値を制御装置に発信する。なお、開閉弁32が開いているときは、先端側流路内の圧力と、到達分岐流路25M3の基端側流路内の圧力は同じである。
中間流路25M2には、後室用グリース供給装置21のグループGbの中間分岐流路25R2bに繋がるバックアップ流路35Mが接続されている。バックアップ流路35Mは、後室用注入口26Rの注入圧力が低下した際に、テールグリースを第二ポンプ24MからグループGbの後室用注入口26Rに供給するためのものである。なお、連結流路25R4の開閉弁33を手動にて開くことで、第二ポンプ24MからのテールグリースをグループGaおよびGcの後室用注入口26Rに供給することもできる。バックアップ流路35Mには、開閉弁34と圧力計31が設置されている。開閉弁34は、中間流路25M2の開閉弁30と合わせて、バックアップ流路35Mと中間流路25M2の使用状態の切替えを行う。圧力計31は、開閉弁34の下流側に設けられていて、流路内の圧力を計測する。
前室用グリース供給装置23は、前室用の第三ポンプ(前方用ポンプ)24Fと、前室用供給路(前方用供給路)25Fと、複数の前室用注入口(前方用注入口)26Fと、複数の注入圧測定手段27Fとを備えている。
第三ポンプ24Fは、前室用供給路25Fを介して複数の前室用注入口26Fに接続されている。第三ポンプ24Fは、テールグリースを圧送して、前室用注入口26Fから前室12F内に供給する。第三ポンプ24Fは、第一ポンプ24Rと同等の構成である。
前室用注入口26Fは、スキンプレート3の内周面の前室12Fに接する部分に形成されており、前室12Fに向かって開口している。前室用注入口26Fは、本実施形態では18箇所設けられており、スキンプレート3の円周方向に沿って所定の角度ピッチ(20度ピッチ)で均等に配置されている。前室用注入口26Fは、図3中、三角で示した部分のスキンプレート3の内側に配置されており、後室用注入口26Rおよび中室用注入口26Mと位相がずれた位置に設けられている。
図1に示すように、前室用供給路25Fは、出発流路25F1と、中間流路25F2と、複数の到達分岐流路25F3,25F3・・とを備えている。
出発流路25F1は、第三ポンプ24Fから延在している。出発流路25F1には、圧力発信機28と開閉弁29が設置されている。圧力発信機28は、第三ポンプ24Fの吐出圧を検知して、その吐出圧の値を制御装置に発信する。開閉弁29は、圧力発信機28の下流側に設けられていて、テールグリースの供給のオン・オフを行う。
中間流路25F2は、出発流路25F1から各到達分岐流路25F3に向かって延在している。中間流路25F2には、開閉弁30が設置されている。中間流路25F2からは、18箇所の前室用注入口26F,26F・・に繋がる18個の到達分岐流路25F3,25F3・・が分岐している。各到達分岐流路25F3には、開閉弁32と圧力発信機(注入圧測定手段27F)が設けられている。開閉弁32は、各前室用注入口26Fからのテールグリースの供給・停止の切替えを行う。注入圧測定手段27Fは、前室用注入口26Fの近傍の到達分岐流路25F3に設置されている。テールシール10の前室12F内には圧力計が設けられないため、注入圧測定手段27Fが前室用注入口26Fの注入圧力(前室用注入口26Fの近傍の管内圧力)を計測することで、前室12F内のテールグリースの圧力を計測する役目を果たす。注入圧測定手段27Fは、到達分岐流路25F3の先端側流路(前室用注入口26Fと開閉弁32との間の部分)内の圧力を検知して、その圧力値を制御装置に発信する。なお、開閉弁32が開いているときは、先端側流路内の圧力と、到達分岐流路25F3の基端側流路内の圧力は同じである。
中間流路25F2には、後室用グリース供給装置21のグループGcの中間分岐流路25R2cに繋がるバックアップ流路35Fが接続されている。バックアップ流路35Fは、後室用注入口26Rの注入圧力が低下した際に、テールグリースを第三ポンプ24FからグループGcの後室用注入口26Rに供給するためのものである。なお、連結流路25R4を開くことで、第三ポンプ24FからのテールグリースをグループGaおよびGbの後室用注入口26Rに供給することもできる。バックアップ流路35Fには、開閉弁34と圧力計31が設置されている。開閉弁34は、中間流路25F2の開閉弁30と合わせて、バックアップ流路35Fと中間流路25F2の使用状態の切替えを行う。圧力計31は、開閉弁34の下流側に設けられていて、流路内の圧力を計測する。
なお、各出発流路25R1,25M1,25F1には、予備流路36を介して予備ポンプ37が接続されている。予備ポンプ37は、第一乃至第三ポンプ24R,24M,24Fのグリースがなくなり貯留ドラム24bを交換する際や、第一乃至第三ポンプ24R,24M,24Fが故障してメンテナンスを行う際などの、第一乃至第三ポンプ24R,24M,24Fのいずれかが停止する必要があるときに稼働する予備のポンプである。予備ポンプ37は、第一ポンプ24Rと同等の構成である。予備ポンプ37は、各出発流路25R1,25M1,25F1に分岐して繋がっており、各分岐流路には、開閉弁38と圧力発信機28が設けられている。開閉弁38は、通常閉じられており、第一乃至第三ポンプ24R,24M,24Fの貯留ドラム24bの交換時、あるいは第一乃至第三ポンプ24R,24M,24Fのいずれかが故障してメンテナンスを行う際に、該当するポンプに繋がる分岐流路の開閉弁38が開かれる。
図3に示すように、裏込め材供給手段50は、シールド掘削機2のスキンプレート3の後方に裏込め材を供給するものである。裏込め材供給手段50は、裏込め材を圧送するポンプ(図示せず)と、供給路(図示せず)と、複数の裏込め材供給口52とを備えている。
裏込め材供給口52は、スキンプレート3の後端に形成されており、後方に向かって開口している。裏込め材は、裏込め材供給口52を通じて、セグメント4と地山との隙間に供給される。裏込め材供給口52は、本実施形態では12箇所設けられており、スキンプレート3の円周方向に沿って所定の角度ピッチ(30度ピッチ)で均等に配置されている。
裏込め圧測定手段51は、裏込め材供給口52ごとに隣接して設けられた土圧計にて構成されている。土圧計には、計測した圧力値を制御装置に発信する発信装置(図示せず)が接続されている。裏込め圧測定手段51も、12箇所設けられており、スキンプレート3の円周方向に沿って所定の角度ピッチ(30度ピッチ)で均等に配置されている。以上のように、複数の裏込め圧測定手段51,51・・を、スキンプレート3の全周に渡って設けたことによって、シールド掘削機2の上部と下部における裏込め圧の違いを検出できる。特に、シールド掘削機2が大径になる程、上部と下部とで裏込め圧の差が大きくなるので、全周に土圧計を設けた効果が大きくなる。
制御装置は、グリース供給手段20、裏込め材供給手段50および裏込め圧測定手段51の各部と電気的に接続されている。制御装置は、受信部と、比較部と、作動決定部と、送信部と、表示部とを備えている。制御装置は、各部の動作が適宜為されるようにプログラムされたマイクロコンピュータにて構成されている。
表示部は、モニターを備えており、各種データを表示する。各種データは、図4に示したテールグリース系統図に表示される。テールグリース系統図には、各注入口26R,26M,26Fの注入圧と、各ポンプ24R,24M,24Fからのテールグリースの供給経路が示されている。テールグリース系統図では、各注入口に通し番号がつけられている。各後室用注入口26Rの注入圧は、TGR1〜TGR18の枠に表示され、各中室用注入口26Mの注入圧は、TGM1〜TGM18の枠に表示され、各前室用注入口26Fの注入圧は、TGF1〜TGF18の枠に表示されている。なお、テールグリース系統図では、予備ポンプや圧力発信機は表示していない。図4では、通常時であって、全ての注入口26R,26M,26Fの注入圧が正常な数値(例えば4.0MPa)を示した状態を表わしている。この状態では、第一ポンプ24Rから全ての後室用注入口26Rへテールグリースが供給され(流路範囲をハッチングAにて表示する)、第二ポンプ24Mから全ての中室用注入口26Mへテールグリースが供給され(流路範囲をハッチングBにて表示する)、第三ポンプ24Fから全ての前室用注入口26Fへテールグリースが供給されている(流路範囲をドットCにて表示する)。
受信部は、各注入圧測定手段27Rから送信された各後室用注入口26Rの注入圧と、各注入圧測定手段27Mから送信された各中室用注入口26Mの注入圧と、各注入圧測定手段27Fから送信された各前室用注入口26Fの注入圧とを受信して、比較部に送る。
比較部では、設定圧力(例えば4.0MPa)が入力されており、後室用注入口26R、中室用注入口26M、前室用注入口26Fの注入圧と設定圧力とを比較する。ここで、ある注入口の注入圧が低下すると、低下したという情報を注入口の位置情報と合わせて、作動決定部に送信する。設定圧力は、裏込め圧測定手段51にて測定された裏込め圧よりも大きい値に設定されている。裏込め圧測定手段51は、スキンプレート3の全周に渡って裏込め圧を計測しているので、全周における正確な裏込め圧を計測することができる。これによって、設定圧力は、全ての裏込め圧よりも大きい値とすることができ、実際の裏込め圧に即した精度の高い設定値とすることができる。
作動決定部では、シール性能上最も重要である後室用注入口26Rにおいて注入圧が低下した注入口にテールグリースを優先的に供給するように、各開閉弁の開閉状態を決定する。つまり、第一ポンプ24Rのみならず、通常時にはテールグリースを中室12Mに供給する第二ポンプ24M、およびテールグリースを前室12Fに供給する第三ポンプ24Fを用いて、テールグリースを後室12Rに供給する。注入圧低下時における第一ポンプ24Rの注入の優先順位は、後室グループGaが1位であり、次いで後室グループGb、後室グループGcの順である。なお、前記優先順位は一例であって、注入圧の低下状況やクリアランスの大小の状況などの現場の状況に応じて、優先順位を適宜変更することができる。第二ポンプ24Mの注入の優先順位は、後室グループGbが1位であり、次いで中室12Mである。第三ポンプ24Fの注入の優先順位は、後室グループGcが1位であり、次いで前室12Fである。同室内における注入の優先順位は、先に低圧になった注入口を上位とし、同時に低圧になった場合には、設定圧に対して一番圧力が低い注入口を上位とする。なお、従来は、全ての注入口に圧力計が設けられていなかったため、通し番号の若い順にグリースを供給していたところ、本実施形態では、実際の圧力に応じた効率的なグリースの供給を行うことができる。
以下に具体的な一例を、図5および図6を参照しながら説明する。図5および図6では、各グループGa,Gb,Gcの後室用注入口26Rの一つずつで注入圧が下った場合を説明する。図5に示すように、グループGaの後室用注入口26R(例えばTGR2)の注入圧が下がると、中間分岐流路25R2aの開閉弁30は開いておき、中間分岐流路25R2bの開閉弁30と、中間分岐流路25R2cの開閉弁30とを閉じるように作動決定部で決定する。なお、グループGa,Gb間の連結流路25R4の開閉弁33は通常時から閉じられている。さらに、グループGaの後室用注入口26Rのうち、注入圧が低下したTGR2の後室用注入口26Rに繋がる開閉弁32は開いておき、その他(TGR1,3〜6)の後室用注入口26Rに繋がる開閉弁32は閉じるように作動決定部で決定する。これらの決定された作動信号は、送信部に送られ、送信部から各開閉弁へと作動指令が送信される。これによって、第一ポンプ24Rからのテールグリースは、グループGaのみに送られ、さらに、注入圧が低下したTGR2の後室用注入口26Rひとつに集中して供給される(第一ポンプ24Rからのテールグリースの流路範囲をハッチングAにて表示する)。したがって、TGR2の後室用注入口26R近傍の後室12R内に多くのテールグリースが供給され、後室12R内の圧力が短時間で上昇する。このように短時間で後室12R内の圧力が上昇することで、裏込め材が後室12R内に浸入してくるのを防止できる。後室12R内の圧力が上昇すると、後室用注入口26Rの注入圧も上昇する。注入圧が設定圧力に戻ると、注入圧の上昇を受信部が受信して、比較部で注入圧が設定圧力に戻ったことを検知する。そして、この信号を受けた作動決定部では、各開閉弁の開閉状態を通常時の運転状況に戻す決定を行う。
グループGbの後室用注入口26R(例えばTGR8)の注入圧が下がると、中室用グリース供給装置22のバックアップ流路35Mの開閉弁34を開き、後室用グリース供給装置21の中間分岐流路25R2bの開閉弁30と、中室用グリース供給装置22の中間流路25M2の開閉弁30とを閉じるように作動決定部で決定する。なお、グループGa,Gb間の連結流路25R4の開閉弁33と、グループGb,Gc間の連結流路25R4の開閉弁33は通常時から閉じられている。さらに、グループGbの後室用注入口26Rのうち、注入圧が低下したTGR8の後室用注入口26Rに繋がる開閉弁32は開いておき、その他(TGR7,9〜12)の後室用注入口26Rに繋がる開閉弁32は閉じるように作動決定部で決定する。これらの決定された作動信号は、送信部に送られ、送信部から各開閉弁へと作動指令が送信される。これによって、第二ポンプ24Mからのテールグリースは、グループGbのみに送られ、さらに、注入圧が低下したTGR8の後室用注入口26Rひとつに集中して供給される(第二ポンプ24Mからのテールグリースの流路範囲をハッチングBにて表示する)。したがって、TGR8の後室用注入口26R近傍の後室12R内に多くのテールグリースが供給され、後室12R内の圧力が短時間で上昇する。このように短時間で後室12R内の圧力が上昇することで、裏込め材が後室12R内に浸入してくるのを防止できる。後室12R内の圧力が上昇すると、後室用注入口26Rの注入圧も上昇する。注入圧が設定圧力に戻ると、注入圧の上昇を受信部が受信して、比較部で注入圧が設定圧力に戻ったことを検知する。そして、この信号を受けた作動決定部では、各開閉弁の開閉状態を通常時の運転状況に戻す決定を行う。
グループGcの後室用注入口26R(例えばTGR15)の注入圧が下がると、前室用グリース供給装置23のバックアップ流路35Fの開閉弁34を開き、後室用グリース供給装置21の中間分岐流路25R2cの開閉弁30と、中室用グリース供給装置22の中間流路25F2の開閉弁30とを閉じるように作動決定部で決定する。なお、グループGb,Gc間の連結流路25R4の開閉弁33は通常時から閉じられている。さらに、グループGbの後室用注入口26Rのうち、注入圧が低下したTGR15の後室用注入口26Rに繋がる開閉弁32は開いておき、その他(TGR13,14,16〜18)の後室用注入口26Rに繋がる開閉弁32は閉じるように作動決定部で決定する。これらの決定された作動信号は、送信部に送られ、送信部から各開閉弁へと作動指令が送信される。これによって、第三ポンプ24Fからのテールグリースは、グループGcのみに送られ、さらに、注入圧が低下したTGR15の後室用注入口26Rひとつに集中して供給される(第三ポンプ24Fからのテールグリースの流路範囲をドットCにて表示する)。したがって、TGR15の後室用注入口26R近傍の後室12R内に多くのテールグリースが供給され、後室12R内の圧力が短時間で上昇する。このように短時間で後室12R内の圧力が上昇することで、裏込め材が後室12R内に浸入してくるのを防止できる。後室12R内の圧力が上昇すると、後室用注入口26Rの注入圧も上昇する。注入圧が設定圧力に戻ると、注入圧の上昇を受信部が受信して、比較部で注入圧が設定圧力に戻ったことを検知する。そして、この信号を受けた作動決定部では、各開閉弁の開閉状態を通常時の運転状況に戻す決定を行う。
なお、グループGaの一つの後室用注入口26Rのみの注入圧が下がり、グループGb,Gcは正常圧力の場合には、第一ポンプ24Rから注入圧が下った後室用注入口26Rひとつに集中してテールグリースを供給する。第二ポンプ24Mは、通常通り中室用注入口26Mへテールグリースを供給し、第三ポンプ24Fは、通常通り前室用注入口26Fへテールグリースを供給する。
また、グループGa,Gbの後室用注入口26Rの一つずつで注入圧が下がり、グループGcは正常圧力の場合には、第一ポンプ24Rから注入圧が下ったグループGaの後室用注入口26Rにテールグリースを供給するとともに、第二ポンプ24Mから注入圧が下ったグループGbの後室用注入口26Rにテールグリースを供給する。第三ポンプ24Fは、通常通り前室用注入口26Fへテールグリースを供給する。
さらに、グループGa,Gcの後室用注入口26Rの一つずつで注入圧が下がり、グループGbは正常圧力の場合には、第一ポンプ24Rから注入圧が下ったグループGaの後室用注入口26Rにテールグリースを供給するとともに、第三ポンプ24Fから注入圧が下ったグループGcの後室用注入口26Rにテールグリースを供給する。第二ポンプ24Mは、通常通り中室用注入口26Mへテールグリースを供給する。
また、同一のグループ(例えばGc)内で、複数の後室用注入口26R,26Rの注入圧が下がるとともに、隣のグループ(例えばGb)での後室用注入口26Rの注入圧の低下が発生していない場合には、グループGb,Gc間の連結流路25R4の開閉弁33を開いて、第二ポンプ24Mからのテールグリースを、グループGcへ供給することもできる。このようにすれば、複数の後室用注入口26Rの注入圧が低下しているグループGcへ、第二ポンプ24Mと第三ポンプ24Fの二つのポンプでテールグリースを供給できるので、短時間で複数の後室用注入口26R,26Rの注入圧を復活させることができる。
制御装置では、前記したような後室用注入口26Rの注入圧を一定にする制御の他に、テールグリース圧力と裏込め材圧力との関係を監視しており、常にテールグリース圧力が裏込め材圧力よりも高くなるように制御している。裏込め圧測定手段51測定された裏込め材圧力は、受信部で受信されて、比較部に送られる。比較部では、各後室用注入口26Rの注入圧とその近傍の裏込め材圧力とが比較される。近傍の裏込め材圧力は、当該後室用注入口26Rから最も近い2箇所の圧力計(裏込め圧測定手段51)の計測値の中間値を採用している。これによって、より正確な圧力値での比較が行われる。テールグリース圧力は、裏込め材圧力よりも所定の範囲で高くなるように制御されており、裏込め材圧力が上昇したときには、テールグリース圧力も上昇させる。つまり、後室用注入口26Rの注入圧が低下したときと同様に、テールグリース圧力を上昇させる後室用注入口26Rに、テールグリースを優先的に供給する。
表示部では、テールグリース注入管選択画面も表示できる。図6に示すように、テールグリース注入管選択画面では、各注入口の配置が示されたシールド掘削機2の背面図に、各注入口の注入圧が表示されている。このようなテールグリース注入管選択画面によれば、実際にどの位置で注入を行っているか、また実際にどの位置で注入圧の低下が発生しているかを、視覚的にイメージしながら確認することができる。
以上のような構成の裏込め材浸入防止構造1によれば、各後室用注入口26Rの注入圧をそれぞれ測定しておくことで、後室12R内において、どの位置のテールグリース圧力が低下したかが分かる。また、本実施形態では、後室12Rの他に、中室12Mと前室12Fにおいても、それぞれ18個ずつの注入圧測定手段27M,27Fを全周に渡って設けているので、各室において、常時圧力バランスを監視することができる。
さらに、シール性能上、最も重要となる後室12Rにおける後室用注入口26Rがグループ分けされており、且つ第二ポンプ24MからグループGbへ繋がるバックアップ流路35Mと、第三ポンプ24FからグループGcへ繋がるバックアップ流路35Fとを設けているので、第二ポンプ24Mと第三ポンプ24Fを、注入圧低下時の後室用注入口26Rへの応援用のポンプとして利用できる。中室12Mと前室12Fは、後室12Rよりもシールド掘削機2の内側へ設けられているので、第二ポンプ24Mまたは第三ポンプ24Fからのテールグリースの供給が一時的に停止されても問題ない。
そして、後室用注入口26Rの注入圧が低下したときには、バックアップ流路35M,35Fを用いることで、各グループGa,Gb,Gcに対して、それぞれ一つのポンプでテールグリースを供給できる。これによって、各ポンプが受け持つ後室用注入口26Rの数を少なくできる(本実施形態では6箇所)ので、低下した注入圧を、短時間で所定の圧力に戻すことができる。特に、注入圧が低下したのみに、テールグリースを集中的に供給すれば、圧力復帰にかかる時間を大幅に短縮できる。したがって、常に、テールグリース圧力を裏込め材圧力よりも高く保持することができるので、裏込め材がスキンプレートの内側に浸入することを防止できる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施形態では、断面円形のシールド掘削機2に裏込め材浸入防止構造1を適用しているが、断面矩形のシールド掘削機であっても適用可能である。この場合、注入口は、全周に渡って所定間隔ピッチで設けるのが好ましく、各ポンプが受け持つ注入口の数が均等に分けられているのがよい。
1 裏込め材浸入防止構造
2 シールド掘削機
3 スキンプレート
10 テールシール
12 グリース充填空間
12F 前室(前方グリース充填空間)
12M 中室(前方グリース充填空間)
12R 後室(後端グリース充填空間)
20 グリース供給手段
21 後室用グリース供給装置(後端グリース供給装置)
22 中室用グリース供給装置(前方グリース供給装置)
23 前室用グリース供給装置(前方グリース供給装置)
24F 第三ポンプ(前方用ポンプ)
24M 第二ポンプ(前方用ポンプ)
24R 第一ポンプ(後端用ポンプ)
25F 前室用供給路(前方用供給路)
25M 中室用供給路(前方用供給路)
25R 後室用供給路(後端用供給路)
26F 前室用注入口(前方用注入口)
26M 中室用注入口(前方用注入口)
26R 後室用注入口(後端用注入口)
27F 注入圧測定手段
27M 注入圧測定手段
27R 注入圧測定手段
35F バックアップ流路
35M バックアップ流路
50 裏込め材供給手段
51 裏込め圧測定手段
52 裏込め材供給口

Claims (4)

  1. シールド掘削機のスキンプレート内側に設けられた少なくとも3列以上のテールシールと、前後に隣り合うテールシール間のグリース充填空間にグリースを供給するグリース供給手段と、前記スキンプレートの後方に裏込め材を供給する裏込め材供給手段と、前記裏込め材の裏込め圧を測定する裏込め圧測定手段と、前記グリース供給手段と前記裏込め材供給手段と前記裏込め圧測定手段とに接続された制御装置とを備えた裏込め材浸入防止構造において、
    前記グリース供給手段は、複数の前記グリース充填空間のうち最後尾に位置する後端グリース充填空間に前記グリースを供給する後端グリース供給装置と、前記後端グリース充填空間よりも前方に位置する前方グリース充填空間に前記グリースを供給する前方グリース供給装置とを備えており、
    前記後端グリース供給装置は、前記後端グリース充填空間に前記グリースを供給するための後端用ポンプと、前記後端用ポンプと前記後端グリース充填空間とを接続する後端用供給路と、前記後端用供給路の前記後端グリース充填空間側に設けられた複数の後端用注入口と、前記複数の後端用注入口にそれぞれ設けられた複数の注入圧測定手段とを備え、
    前記前方グリース供給装置は、前記前方グリース充填空間に前記グリースを供給するための前方用ポンプと、前記前方用ポンプと前記前方グリース充填空間とを接続する前方用供給路と、前記前方用供給路の前記前方グリース充填空間側に設けられた複数の前方用注入口と、前記複数の前方用注入口にそれぞれ設けられた複数の注入圧測定手段とを備え、
    前記複数の後端用注入口は、複数のグループに分けられており、
    前記後端用供給路は、前記後端用ポンプから延びる出発流路から分岐して前記各グループに繋がる複数の分岐流路を備え、
    前記前方用供給路は、前記前方用ポンプから延びる出発流路から分岐して前記複数の前方用注入口に繋がる通常流路と、当該通常流路から分岐して前記後端用注入口の前記グループの一つに繋がるバックアップ流路とを備え、
    前記制御装置は、前記裏込め圧測定手段で測定された前記裏込め圧より大きい設定圧力と、前記複数の注入圧測定手段で測定された前記後端グリース充填空間への前記グリースの注入圧とを比較し、前記後端グリース充填空間への前記グリースの注入圧が前記設定圧力より低下した際に、前記前方用ポンプで圧送した前記グリースを、前記バックアップ流路を介して前記後端グリース充填空間へ供給させる
    ことを特徴とする裏込め材浸入防止構造。
  2. 前記制御装置は、前記前方用ポンプを用いて前記後端グリース充填空間にグリースを供給する際に、前記前方グリース充填空間への前記グリースの供給を停止させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の裏込め材浸入防止構造。
  3. 前記前方用ポンプを用いて前記後端グリース充填空間にグリースを供給する際に、前記前方用ポンプと前記後端用ポンプとは、前記後端用注入口の複数の前記グループのうち、異なるグループを優先順位の第1位としている
    ことを特徴とする請求項1に記載の裏込め材浸入防止構造。
  4. 前記後端用ポンプおよび前記前方用ポンプ用の予備ポンプをさらに備えており、
    前記予備ポンプは、前記後端用供給路および前記前方用供給路に接続されている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の裏込め材浸入防止構造。
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