JP6347265B2 - 自動車のドア支持構造 - Google Patents
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Description
この場合、ドア開閉操作を補助する目的で、バランサ用スプリングが設けられるのが一般的であり、従来においてはバランサ用スプリングとしてガスダンパが用いられていた。
このガスダンパは、付勢範囲が広いという利点がある反面で、大掛かりで、かつ重量が大なうえ、高価となる問題点があった。
しかしながら、該特許文献2に開示されたトーションバーは、上下のヒンジ間を上下方向に連結するものであって、ドアと車体との間に設けられたものではないので、該トーションバーはバランサ用スプリングとして機能しないものである。
上述のバランサ用スプリングとしては、トーションバーまたは捩じりコイルバネを用いることができる。
図面は自動車のドア支持構造を示し、図1はその外観側面図、図2はドア支持構造を車幅方向の内側から見た状態で示す側面図、図3はドア支持構造を車両の前方から見た状態で示す正面図、図4はドア側ヒンジ部材と車体側ヒンジ部材との組付け構造を示す斜視図、図5はこれら各ヒンジ部材の分解斜視図、図6は車体側ブラケットの斜視図、図7の(a)はトーションバー上端の連結部材とドア側ヒンジ部材の取付け部(枠部)との嵌合構造を示す拡大断面図、図7の(b)は図7の(a)の平面視図、図8はドアを開放(ドア開度60°)した状態で示す側面図、図9はドアを開放(ドア開度60°)した状態で示す正面図、図10はドアを開放(ドア開度60°)した状態で示す平面図である。
車体の側部下側において車両の前後方向に延びる閉断面構造のサイドシル1を設け、このサイドシル1の前部には、図10に示すように車両の上下方向に延びる閉断面構造のヒンジピラー2を立設固定している。
上述のドア開口部6を開閉するサイドドアとしてのフロントドア10(図面では車両右側のフロントドア10を示すが、以下単にドアと略記する)は、図2に示すドアフレーム11と、このドアフレーム11の車幅方向外側に設けられた合成樹脂製のドアアウタパネル12(図1参照)と、図示しないウインドレギュレータ装置により昇降可能に構成されたドアウインドガラス13と、を備えている。ここで、上述のドアアウタパネル12は必ずしも合成樹脂製に限定されるものではない。
ここで、上述のドアベルトライン構成部材15はドア上辺部を構成し、上述の下部連結部材16はドア下辺部を構成し、上述のインパクトバー17は側突荷重を受け止めるためのものである。
図2,図3に示すように、上述のドア10は、ドア側ヒンジ部材18および車体側ヒンジ部材19を備えたドアヒンジ20を介して車体側部材である閉断面構造のヒンジピラー2に開閉可能に支持されている。
図4,図5(但し、図5においては、図示の便宜上、ドア側ヒンジ部材18を90度回転させた状態で示している)に示すように、ドア側ヒンジ部材18は、上下方向に離間した上下一対の取付け座18a,18bと、これら上下の取付け座18a,18bを上下方向に連結する連結部18cと、上側の取付け座18aの下端部から車両前方に突出する突出部18dと、下側の取付け座18bの上端部から車両前方に突出する突出部18eと、連結部18cの上下方向中間部から車両前方に突出するアーム部18fと、このアーム部18fの前端に設けられた枠部18g(トーションバー30の上端を取付けるべく上下方向に貫通した貫通孔を有する取付け部)であって、所謂フレーム部と、が一体形成されたものである。
上述の枠部18gは、ドア側ヒンジ部材18を車体側ヒンジ部材19に対して上方から組付けることを考慮して、上下の突出部18d,18eの前端よりもさらに車両前方に突出するよう構成されている。
換言すれば、ドア側ヒンジ部材18をドア本体の可及的上部に片寄せて取付けることで、ドア10とヒンジピラー2との間の余剰スペースを利用して、比較的長尺のトーションバー30の取付けスペースを確保するよう構成したものである。
上述の連結部材32は枠部18gに対して着脱可能に構成されると共に、詳しくは後述するが、該連結部材32は枠部18gに対して複数の異なる角度で嵌合するよう構成されている。
また、上述のトーションバー30は、ドア10の開閉操作を補助するものであり、このトーションバー30の長さを確保することにより、トーションバー30それ自体の応力降伏を防止すべく構成したものである。
このため、本実施例では、内倒れ角度θ1および前倒れ角度θ2を上記範囲内として上述の諸種の問題点を回避し、ドア開放時におけるドア自由端の上昇(リフト量確保)と、ドア10の開放操作性とを高次元でバランスさせたものである。
ここで、上述のドア10を上方から車体に組付ける場合、ドア10の上述の上死点TDCとトーションバー30の中立位置とを符合させると、ドア10の組付け性が良好となるものである。
図11の(a)はトーションバー30上端の連結部材32とドア側ヒンジ部材18の枠部18gとの嵌合構造の他の実施例を示す断面図、図11の(b)は図11の(a)の平面視図である。
図11の(a)(b)に示す構成は、図7の(a)(b)で示した構造に加えて、組付けスペース18kの車幅方向外側を枠部18と一体の補強部18lで覆ったものであり、この補強部18lにより枠部18の強度を高めている。
この実施例においては、連結部材32のトーションバー30における上端折曲げ部30bを嵌合する嵌合基端側の端面32d(車幅方向外側の端面)において、中心線CLに対して車両前方にオフセット量OS1だけ偏心した位置で、かつ、中心線CLに対して車両下方にオフセット量OS2だけ偏心した位置から上端折曲げ部30bを嵌合すると共に、この上端折曲げ部30bの中心線CL1(軸芯線)を連結部材32の中心線CLに対して非平行と成したものである。
この発明のバランサ用スプリングは、実施例のトーションバー30に対応し、
以下同様に、
スプリング連結部材は、連結部材32に対応し、
取付け部は、枠部18gに対応し、
スプリング端部は、トーションバー30の上端折曲げ部30bに対応し、
スプリング連結部材の中心は、中心線CLに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
また、上述の連結部材32は、実施例で開示した直方体(平行六面体)や、立方体(正六面体)のものに代えて、車幅方向外端面および車幅方向内端面が正六角形、正八角形、正十二角形の六角柱状体、八角柱状体または、十二角柱状体(つまり、少なくとも一対の対向する各辺が互に平行となる多角柱状体で、両端面の形状が平行四辺形の柱状体や両端面の形状が台形の柱状体を含む)で構成してもよい。
さらに、上記実施例においては、フロントドアを例示したが、前端部を支点として後方側が開閉するリヤドアに本発明を適用してもよい。
30…トーションバー(バランサ用スプリング)
30b…上端折曲げ部(スプリング端部)
32…連結部材(スプリング連結部材)
32a…嵌合孔
T…捩じれ軸
CL…中心線(スプリング連結部材の中心)
Claims (3)
- ドア開閉操作を補助するバランサ用スプリングが設けられた自動車のドア支持構造であって、
上記バランサ用スプリングの一端が嵌合するスプリング連結部材と、
該スプリング連結部材が複数の異なる角度で嵌合する取付け部とが設けられ、
上記スプリング連結部材は、少なくとも一対の対向する各面が互に平行となり、対向する前記各面が車幅方向に延びる多角柱状体で形成されるとともに、
上記取付け部は、上記スプリング連結部材における互に平行となる一対の前記各面に対向する内壁を有し、
スプリングの捩じれ角が、前記多角柱状体で形成された当該スプリング連結部材の上記取付け部に対する嵌合角度に対応して異なるよう形成されたことを特徴とする
自動車のドア支持構造。 - 上記スプリング連結部材は、スプリングの捩じれ軸と交差する方向にスプリング端部を嵌合する嵌合孔を有し、
該嵌合孔は上記スプリング連結部材の中心に対して偏心位置または傾斜する方向に設けられた
請求項1に記載の自動車のドア支持構造。 - 上記スプリング連結部材の上記取付け部に対する当接面は、正方形状または長方形状である
請求項1または2に記載の自動車のドア支持構造。
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