JP6345956B2 - 金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、金属貼板合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは、金属板、特にブリキ板に熱接着することが容易であり、かつ金属板に貼合せて絞り加工などの製缶工程をする際に優れた成形加工性を示す、金属貼板合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルムに関する。
従来、金属缶の缶内面および缶外面は、腐蝕防止を目的として樹脂皮膜で被覆されているが、工程簡素化、衛生性向上、公害防止などの目的で、有機溶剤を使用しないポリエステルフィルムのような熱可塑性樹脂フィルムで被覆する方法の開発が進められている。すなわち、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り缶や薄肉化絞り缶などのような厳しい成形加工が施される食缶および飲料缶用途へ使用されている。
ポリエステルフィルムを金属板などへ貼り合わせる方法には、接着剤を用いる方法の他に、例えばポリエステルフィルムに熱接着性を付与して直接被着体へ貼り合わせる方法、更にはポリエステルフィルムを基材とする層と熱接着性を有する層の積層構造とすることで熱接着性を付与する方法がある。
このうち熱接着層を有する積層ポリエステルフィルムの場合、熱接着性とフィルム強度や寸法安定性とを持たせやすい点で優れている(例えば特許文献1、2)。しかし、例えば、ブリキに熱接着した後に絞り缶や薄肉化絞り缶などに成形加工する場合には、錫の融点以下の温度で熱接着しなければならず、十分な接着性が得られない問題がある。
一方、特許文献3には、ブリキ板に熱接着可能な積層ポリエステルフィルムが記載されている。しかし、このフィルムは絞り缶や薄肉化絞り缶などへの成形加工が施されない3ピース金属缶ラミネート用であり、低温でラミネートしたラミネート板にさらに成形加工を施した場合、加工によりフィルムが剥がれたり破れたりするという問題がある。
特開平6−340047号公報 特開平7−101015号公報 特開2003−80654号公報
本発明は上記を鑑みなされたもので、その目的は、低温でラミネートした場合でも十分な接着性が得られ、貼合せた後に成形加工する際には、優れた成形加工性を発現する金属貼板合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、熱接着層として低配向で低結晶性の共重合ポリエステル層、もう一層として低融点のポリエステル層からなる積層二軸延伸ポリエステルフィルムとすることにより、ブリキに低温でラミネートでき、その後の缶等への成形加工性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、
「1.2層からなる積層ポリエステルフィルムであって、一方の層(層A)はDSCにおける融解熱が8J/g以下で、かつ面配向係数が0.00以上0.05以下の共重合ポリエステル層であり、層Aを構成する共重合ポリエステルが、共重合成分としてイソフタル酸成分を含有するポリエチレンテレフタレート共重合体であり、層A側の面が金属板と貼合わされるための面であって、もう一方の層(層B)は融点が210℃以上240℃以下のポリエステル層であり、二軸延伸ポリエステルフィルムの融解サブピーク温度(Tsm)が180℃以上210℃以下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルム。
2.層Aを構成する共重合ポリエステルが、該共重合ポリエステルの全ジカルボン酸成分を基準として、共重合成分としてイソフタル酸成分を17〜22モル%含有するポリエチレンテレフタレート共重合体である請求項1に記載の金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルム。」
によって達成される。
本発明の金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルムは、低温でラミネートした場合でも十分な熱接着性を有し、貼合せた後に成形加工する際には、フィルムが疵付いたり剥がれたりすることのない優れた成形加工性を有することから、特にブリキ等の加工温度の低い金属板を用いた飲料缶、食料缶などの用途に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
<層A>
(層A用共重合ポリエステル)
本発明における層Aを構成する共重合ポリエステルは、後述する融解熱の要件を満たしていれば特に限定されないが、好ましくはポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート共重合体を例示することができ、なかでもポリエチレンテレフタレート共重合体が好ましい。
かかる共重合ポリエステルの共重合成分は、酸成分でもアルコール成分でも良い。酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の如き主たる酸成分以外の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸等を挙げることができ、アルコール成分としては1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−ヘキサメチレンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。これらは単独または2種以上を使用することができる。これらの中、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジエチレングリコール、1,4−ヘキサメチレンジメタノールが好ましく、特にイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
かかる共重合成分の共重合量は、全酸成分を基準として16モル%以上が好ましく、さらに16〜30モル%が好ましく、特に17〜22モル%が好ましい。共重合量が16モル%未満では共重合ポリエステルの結晶性が高くなって、後述する融解熱の要件を満足させることが難しくなりやすい。また、本発明の層Aを構成する共重合ポリエステルは融点を有する共重合ポリエステルであることが好ましく、その場合、共重合量の上限が22モル%以下であることが好ましい。共重合量が22モル%を超える非晶性の共重合ポリエステルに対し、融点を有する共重合ポリエステルを用いることにより、ポリマー乾燥時の温度を高くすることができ、取扱い性に優れる。
(融解熱)
本発明における層Aは、DSCにおいて重量約10mgを20℃から20℃/分の速度で昇温したときの融解熱が10J/g以下であり、好ましくは8J/g以下、さらに好ましくは5J/g以下である。この融解熱は層Aの結晶化度を表しており、該融解熱が上限を超えると熱接着層である層Aの結晶化により熱接着性が低下し、初期接着力が不足したり、成形加工後に剥がれたりすることになるので好ましくない。層Aの融解熱はかかる範囲内であれば特に制限されないが、融解熱の下限は0J/g以上であることが好ましく、さらに0J/gを超える範囲であることが好ましい。
かかる要件を達成するためには、上述の共重合ポリエステルとして、非晶性ないし低結晶性のもの(共重合量の多いもの)を用いるか、後述するフィルムの製造方法において、二軸延伸後に該共重合ポリエステルの融点以上の温度で熱固定して層Aを溶融し、結晶化を低下すればよい。本発明において、ポリマー乾燥時の温度を高くすることができるなどの取扱い性に優れるため、完全に非晶性のポリエステルよりも結晶性の(融点を有する)共重合ポリエステルを用いることが好ましく、該共重合ポリエステルの融点は、後述する層Bを構成するポリエステルの融点より15℃以上、好ましくは20℃以上低いことが好ましい。
(面配向係数)
本発明における層Aは、フィルムの縦方向(以下、長手方向、製膜方向またはMD方向と称することがある。)、横方向(以下、幅方向またはTD方向と称することがある。)および厚み方向(以下、フィルム面に垂直な厚み方向、z方向と称することがある。)の屈折率から求まる面配向係数(ns)が、0.00以上0.05以下である必要があり、上限は好ましくは0.04、さらに好ましくは0.35である。ここで面配向係数は、アッベ法にて測定されたフィルムの各方向成分の屈折率を用いて、下記式(1)に従って計算して得られた値で表される。
ns=(nMD+nTD)/2−nZ …(1)
(式中、nMDはフィルムのMD方向の屈折率、nTDはフィルムのTD方向の屈折率、nZはフィルム面に垂直な厚み方向の屈折率をそれぞれ示す。)
フィルムの面配向係数は、フィルム内における分子鎖の配向状態を表す指標といえるものであり、上限を越えると延伸にともなう層Aの分子鎖の配向により、金属板との接着性が低下する。
<層B>
(層B用ポリエステル)
本発明における層Bを構成するポリエステルは、後述する融点の条件を満たしていれば特に限定されないが、共重合ポリエステル(2種以上のポリエステルを溶融混合したブレンド体も含む)が成形加工性の点から好ましい。好ましく用いられる共重合ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート共重合体、ポリエチレン−2,6−ナフタレート共重合体等を挙げることができ、なかでもポリエチレンテレフタレート共重合体が好ましい。
かかる共重合ポリエステルの共重合成分は、酸成分でもアルコール成分でも良い。酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の如き主たる酸成分以外の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸等を挙げることができ、アルコール成分としては1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−ヘキサメチレンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができる。これらは単独または2種以上を使用することができる。これらの中、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特にイソフタル酸が好ましい。
(融点)
層Bを構成するポリエステルの融点は210℃以上250℃以下である必要があり、融点の下限は、好ましくは215℃、さらに好ましくは220℃である。融点が下限に満たない場合、金属貼り合わせ時にロールに融着する可能性があるため好ましくない。一方、融点の上限は、好ましくは245℃、さらに好ましくは240℃である。融点が上限を超える場合、金属貼り合わせ時に配向が多く残り成形加工時にフィルムの破れが発生するので好ましくない。
<その他成分>
本発明の層Aおよび層Bを構成するポリエステルには、本発明の目的を阻害しない範囲内で、必要に応じて他の添加物、例えば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加することができる。
<フィルム厚み>
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの厚みは、必要に応じて適宜変更できるが6〜75μmの範囲が好適であり、なかでも10〜75μm、特に15〜50μmの範囲が好ましい。厚みが6μm未満では成形加工時にやぶれ等が生じやすくなり、一方75μmを超えるものは過剰品質であって不経済である。
さらに層Aと層Bの厚み比(X/X:但し、XはA層の厚み、XとはB層の厚み)は、接着性と防錆性の点から7/1〜2/1の範囲が適当である。
<融解サブピーク温度(Tsm)>
本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは、融解サブピーク温度(Tsm)が180℃以上210℃以下であることが好ましい。融解サブピーク温度(Tsm)の下限は、より好ましくは185℃以上、さらに好ましくは190℃以上である。また融解サブピーク温度(Tsm)の上限は、より好ましくは205℃以下である。熱固定温度を調整し、フィルムがかかる温度範囲の融解サブピークを有することにより、十分な初期接着力と、その後の成形加工性、加工後の接着力を有することができる。
<フィルム製造方法>
以上に説明した本発明の金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されず、従来公知の製膜方法により先ず未延伸積層シートを作成し、次いで二方向に延伸すればよい。
例えば層A用に調整した共重合ポリエステルを十分に乾燥させた後、融点〜(融点+70)℃の温度、もしくは非晶の場合はガラス転移点以上で押出機内で溶融する。同時に層B用に調整したポリエステルを十分に乾燥させた後、他の押出機に供給し、融点〜(融点+70)℃の温度で溶融する。続いて、両方の溶融樹脂をダイ内部で積層する方法、例えばマルチマニホールドダイを用いた同時積層押出法により、積層された未延伸積層シートが製造される。かかる同時積層押出法によると、一つの層を形成する樹脂の溶融物と別の層を形成する樹脂の溶融物はダイ内部で積層され、積層形態を維持した状態でダイよりシート状に成形される。
次いで該未延伸積層シートを逐次または同時二軸延伸し、熱固定する方法で製造することができる。逐次二軸延伸により製膜する場合、未延伸積層シートをロール加熱、赤外線加熱等で加熱して先ず縦方向に延伸し、次いでステンターにて横延伸する。この時、延伸温度を層Bのポリエステルのガラス転移点(Tg)より20〜50℃高い温度とし、縦延伸倍率を2.5〜3.6倍、横延伸倍率を2.6〜3.9倍の範囲とすることが好ましい。熱固定の温度は、170〜220℃の範囲で層AおよびBのポリエステルの融点に応じて、フィルム品質を調整するべく選択するのが好ましい。すなわち、層Aの共重合ポリエステルの融点以上、層Bのポリエステルの融点以下の温度で、層A中の共重合ポリエステルの結晶が融解して、配向も低下する時間熱固定するのが好ましい。
本発明の金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルムが貼合される金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の板が適切である。本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムは低温で貼り合わせできるため、低温での貼り合わせが必要なブリキ用として特に好適である。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を意味する。
(1)ポリエステル成分量
H−NMR測定よりポリエステルの共重合成分および各成分量を特定した。
(2)層Aの融解熱
フィルムサンプルから層Aを削り取り、層A約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差走査熱量計(TA Instruments社製、DSCQ100)に装着し、20℃から20℃/分の速度で290℃まで昇温し、融解熱を測定した。
(3)層Bの融点
層B約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差走査熱量計(TA Instruments社製、DSCQ100)に装着し、20℃から20℃/分の速度で290℃まで昇温させ、290℃で3分間保持した後取り出し、直ちに氷の上に移して急冷した。このパンを再度示差熱量計に装着し、20℃から20℃/分の速度で昇温させて、融点Tm(単位:℃)を測定した。
(4)層Aの面配向係数
得られたフィルムについて、JIS−K7105に従い、アッベ屈折計(光源:ナトリウムD線589nm、マウント液:ヨウ化メチレン)を用い、各方向の屈折率を測定した。得られた屈折率から、下記式(1)に従い、面配向係数Nsを算出した。
Ns=(nMD+nTD)/2−nZ ・・・(1)
(式中、nMDはフィルムのMD方向の屈折率、nTDはフィルムのTD方向の屈折率、nZはフィルム面に垂直な厚み方向の屈折率をそれぞれ示す。)
(5)融解サブピーク温度(Tsm)
フィルムサンプル約20mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差走査熱量計(TA Instruments社製、DSCQ100)に装着し、昇温速度20℃/分でDSC曲線を描かせ、融解による明瞭な吸熱ピークより低温側の吸熱ピークを融解サブピーク温度とした。本発明における融解サブピーク温度は層Bのポリマーに由来しており、ピークが明瞭でない場合はフィルムサンプルから層Bを削り取ったサンプルについて同様の測定を行ってもよい。
また、融解サブピークが結晶融解ピークに近接しピークとして明瞭でない場合には、DSC曲線の2次微分曲線が0となる点をサブピーク温度とした。
(6)熱接着性
板厚0.25mmのブリキ板の片面に、層Aが金属板側になるよう配置して220℃で熱融着によりフィルムサンプルをラミネートした。ブリキ板に接着されたフィルムに対して、その接着部分の接着力を下記要領にて評価した。
〇:熱接着できる(指でなぞった程度ではブリキ板から剥離しない)
△:熱接着はできるが、指で軽くなぞった程度でブリキ板から剥離するほど、その接着力は弱い
×:熱接着できない(接着後直ちにブリキ板から剥離する)
(7)成形加工性
(6)の方法に従いブリキにフィルムをラミネートさせたものを150mm径の円板状に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて4段階で深絞り加工し、55mm径の側面無継目容器(以下、「缶」と略す)を作成した。これらの缶の加工状況を観察して下記の基準で評価した。
○:フィルムに異状なく加工され、フィルムの剥がれや破断、ピンホールの発生は認められなかった。
×:剥がれや破断、ピンホールの発生が認められる。
[実施例1]
層Aとしてイソフタル酸18モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(Tm=208℃)と、層Bとして平均粒径1.5μmの塊状シリカを0.1重量%含有したイソフタル酸12モル共重合ポリエチレンテレフタレート(Tm=226℃)をそれぞれ独立に乾燥・溶融後、隣接したダイより層A:層B=1:6になるよう280℃で共押出し、急冷固化して未延伸積層フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを100℃で3.0倍に縦延伸した後、120℃で3.3倍に横延伸し、続いて215℃で1秒間熱固定して二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。フィルムの全厚みは20μmであった。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
層Bとして平均粒径1.5μmの塊状シリカを0.1重量%含有したイソフタル酸8モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、220℃で熱固定した以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例3]
層A:層B=1:3となるようにした以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
210℃で熱固定した以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例5]
層Aとしてイソフタル酸20モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
層Aとしてイソフタル酸14モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(Tm=218℃)を用い、2.6倍に縦延伸、2.9倍に横延伸した以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例2]
層Bとしてポリエチレンテレフタレート(Tm=257℃)を用いた以外は実施例1と同様に行った。得られたポリエステルフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例3]
180℃で熱固定した以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 0006345956
本発明の金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルムは、低温でラミネートした場合でも十分な接着性を有し、ラミネート後の成形加工性にも優れることから、特にブリキ等の加工温度の低い金属板を用いた飲料缶、食料缶などの用途に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 2層からなる積層ポリエステルフィルムであって、一方の層(層A)はDSCにおける融解熱が8J/g以下で、かつ面配向係数が0.00以上0.05以下の共重合ポリエステル層であり、層Aを構成する共重合ポリエステルが、共重合成分としてイソフタル酸成分を含有するポリエチレンテレフタレート共重合体であり、層A側の面が金属板と貼合わされるための面であって、もう一方の層(層B)は融点が210℃以上240℃以下のポリエステル層であり、二軸延伸ポリエステルフィルムの融解サブピーク温度(Tsm)が180℃以上210℃以下であることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルム。
  2. 層Aを構成する共重合ポリエステルが、該共重合ポリエステルの全ジカルボン酸成分を
    基準として、共重合成分としてイソフタル酸成分を17〜22モル%含有するポリエチレンテレフタレート共重合体である請求項1に記載の金属板貼合せ成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルム。
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