JP6345002B2 - 座屈拘束型ダンパーシステム - Google Patents

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Description

本発明は座屈拘束型ダンパーシステム、特に、地震時に、橋梁、水門、タンク、ビル、倉庫、あるいは煙突等の構造物に発生する地震力を低減するための座屈拘束型ダンパーシステムに関する。
地震時に構造物に発生する地震力を低減するための方法として、挙動の異なる2つの部材間(例えば、上部工と下部工との間)にダンパーを設置して、地震時の両者間の相対変位によって生じるダンパーの変形でもって地震エネルギーを吸収するものがある。
そして、塑性変形性能に優れたダンパーとして、鋼材を用いた履歴型制振部材である軸力降伏型の座屈拘束ブレースが多用されている。座屈拘束ブレースは、軸力が作用する軸力材と、軸力が作用しない状態で軸力材を包囲する補剛管とから形成され、軸力(圧縮力)による軸力材の座屈を、補剛管が抑えることで、軸力材の塑性変形量(地震エネルギーの吸収量)の増大を図っている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3246656号公報(第3頁、図1)
しかしながら、特許文献1に開示された軸力降伏型の座屈拘束ブレースは、大きな塑性変形量(地震エネルギーの吸収量)を可能にするものの、以下のような問題があった。
すなわち、地震時に橋梁の上部工と下部工との間に生じる相対変位は、極めて大きいため、上部工と下部工との間に座屈拘束ブレースを設置して制震を図ろうとする場合には、建築物などに設置する場合に比べて、伸縮量の大きいものが要求される。たとえば、橋梁の可動支承に並列でダンパーを設置する場合には、最大伸縮量が100mm程度必要な場合がある。
通常、座屈拘束型ダンパーを使用する場合、安定的な履歴曲線が得られる限界伸縮量は、軸力材(芯材または内管に同じ)の長さの2〜4%程度であることから、100mmの最大伸縮量を確保するためには、軸力材の長さを2.5〜5.0mにしなければならない。
しかし、橋梁下部には多数の部材があるため、このような長尺の軸力材を有する座屈拘束ブレースを設置することは困難であるという問題があった。
本発明は上記問題を解決するものであって、大きな塑性変形量(地震エネルギーの吸収量)を確保すると共に、橋梁下部等の比較的狭い空間に設置することができる座屈拘束型ダンパーシステムを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る座屈拘束型ダンパーシステムは、3本以上の奇数本の座屈拘束型ダンパーがジグザクに接続されたものであって、前記座屈拘束型ダンパーは、当該座屈拘束型ダンパーに作用する軸力により伸縮変形する軸力材と、記軸力材を包囲する補剛管と、前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸びたところで、前記軸力材の伸びを拘束する第1のストッパー構造と、前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ縮んだところで、前記軸力材の縮みを拘束する第2のストッパー構造と、を有することを特徴とする。
(2)本発明に係る座屈拘束型ダンパーシステムは、基準軸に対して互いに平行で、基準軸に対して対称な位置に配置された一対の座屈拘束型ダンパーからなる座屈拘束型ダンパーセットが、ジグザクに奇数セット接続されたものであって、前記座屈拘束型ダンパーは、当該座屈拘束型ダンパーに作用する軸力により伸縮変形する軸力材と、記軸力材を包囲する補剛管と、前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸びたところで、前記軸力材の伸びを拘束する第1のストッパー構造と、前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ縮んだところで、前記軸力材の縮みを拘束する第2のストッパー構造と、を有し、前記座屈拘束型ダンパーセットを構成する一方の座屈拘束型ダンパーと、前記座屈拘束型ダンパーセットを構成する他方の座屈拘束型ダンパーとは、接続部材によって接続されていることを特徴とする。
(3)前記(1)または(2)において、前記座屈拘束型ダンパーは、該軸力材の両端部に接続された取付板を更に有し、前記第1ストッパー構造及び前記第2ストッパー構造は、前記軸力材の所定の変形量だけ変形することにより前記取付板と前記補剛管とが当接する構造を備えることを特徴とする。
(4)前記(1)または(2)において、前記座屈拘束型ダンパーは、該軸力材の両端部に接続された取付板と、前記補剛管の両端部に接続された延長部材を更に有し、前記第1ストッパー構造は、前記軸力材の所定の変形量だけ変形することにより前記取付板と前記延長部材とが当接する構造を備え、前記第2ストッパー構造は、前記軸力材の所定の変形量だけ変形することにより前記取付板と前記補剛管とが当接する構造を備えることを特徴とする。
(5)前記(3)において、前記第1ストッパー構造及び前記第2ストッパー構造は、前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸縮したところで、前記軸力材に作用する荷重の増分が前記補剛管に負担され、前記補剛管が弾性的に伸縮する間、前記軸力材の伸縮量が限界伸縮量を超えないように、前記取付板の一部と前記補剛管の一部との遊間が設定されていることを特徴とする。
(6)前記(4)において、前記第1ストッパー構造及び前記第2ストッパー構造は、前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸縮したところで、前記軸力材に作用する荷重の増分が前記補剛管に負担され、前記補剛管が弾性的に伸縮する間、前記軸力材の伸縮量が限界伸縮量を超えないように、前記取付板の一部と前記補剛管の一部との遊間、または前記取付板の一部と前記延長部材の一部との遊間が設定されていることを特徴とする。
(7)前記(3)または(5)において、前記取付板に取付板突起および取付板内側突起が設けられ、前記補剛管の両端に補剛管端板が設けられ、前記補剛管端板は、前記取付板が通過可能で、前記取付板突起および取付板内側突起が通過不可能な補剛管端板案内孔が形成され、前記取付板は、前記補剛管端板が前記取付板突起と前記取付板内側突起との間に位置した状態で、前記補剛管端板案内孔を通過し、前記取付板突起と前記補剛管端板との間および前記取付板内側突起と前記補剛管端板との間に、それぞれ長手方向に所定の遊間が形成されていることを特徴とする。
(8)前記(4)または(6)において、前記取付板に取付板突起が設けられ、前記補剛管の両端に補剛管端板が設けられ、前記補剛管端板は、前記取付板が通過可能で、前記取付板突起が通過不可能な補剛管端板案内孔が形成され、前記延長部材に延長部材端板が設けられ、前記延長部材端板は、前記取付板が通過可能で、前記取付板突起が通過不可能な延長部材止まり孔が前記延長部材端板に形成され、前記取付板突起は、前記補剛管端板と前記延長部材端板との間に、長手方向に所定の遊間を空けて配置されていることを特徴とする。
(i)本発明に係る座屈拘束型ダンパーシステムは、軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸縮したところで、軸力材に接続された取付板の一部が補剛管の一部または延長部材の一部に当接する座屈拘束型ダンパーを、3本以上の奇数本有する。そのため、それぞれの座屈拘束型ダンパーは、前記当接をした後に作用する荷重の増分を補剛管が負担することから、軸力材は破壊することなく、補剛管が軸力材の降伏荷重(Py)を超えた荷重に支持する。そして、座屈拘束型ダンパーが順次、より大きな荷重に支持するから、大きな塑性変形量(地震エネルギーの吸収量)を確保することができる。
さらに、3本以上の奇数本の座屈拘束型ダンパーがジグザクに接続されたものであるから、橋梁下部等の比較的狭い空間に設置することができる。
(ii)また、本発明に係る座屈拘束型ダンパーシステムは、基準軸に対して互いに平行で、基準軸に対して対称な位置に配置された一対の座屈拘束型ダンパーからなる座屈拘束型ダンパーセットが、ジグザクに奇数セット接続されたものであるから、それぞれの座屈拘束型ダンパーセットに回転力が作用しないため、座屈拘束型ダンパーシステムにも回転力が作用しない。よって、座屈拘束型ダンパーシステムは、安定した伸縮が可能であり、回転力による余計な応力が発生しないため、信頼性や耐久性が向上する。
本発明の実施の形態1に係る座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、(a)は側面図、(b)は平面図。 図1に示す座屈拘束型ダンパーシステムを形成する座屈拘束型ダンパーを説明するものであって、(a)は一部を透過して示す側面図、(b)は平面視の断面図、(c)は正面視の断面図。 図1に示す座屈拘束型ダンパーシステムを形成する座屈拘束型ダンパーの作用を説明する荷重・伸縮量曲線であって、(a)は本発明の座屈拘束型ダンパー、(b)は比較材としての特許文献1に記載された座屈拘束型ダンパー。 図1に示す座屈拘束型ダンパーシステムの作用を説明する荷重・伸縮量曲線。 本発明の実施の形態2に係る座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、(a)は側面図、(b)は平面図。 図5に示す座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、(a)は図5の(a)のA断面における断面図、(b)は図5の(a)のB断面における断面図、(c)は図5の(a)のC断面における断面図。 本発明の実施の形態1または2に係る座屈拘束型ダンパーシステムを形成する座屈拘束型ダンパーのその他の形態を説明するものであって、(a)は一部を透過して示す側面図、(b)は平面視の断面図、(c)および(d)は正面視の断面図。 本発明の実施の形態1または2に係る座屈拘束型ダンパーシステムを形成する座屈拘束型ダンパーのその他の形態を説明するものであって、(a)は一部を透過して示す側面図、(b)は平面視の断面図、(c)および(d)は正面視の断面図。 本発明の実施の形態3に係る座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は部材の連結系統を示す構成図。 図9に示す座屈拘束型ダンパーシステムにおける(a)〜(d)はそれぞれA視〜D視の正面図。 本発明の実施の形態4に係る座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、設置状況を示す側面図。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、(a)は側面図、(b)は平面図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。また、説明の便宜上、図1における左側を「左」と、右側を「右」と、左右方向を「水平方向」と称し、部位の名称に「左または右」を付す。
(座屈拘束型ダンパーシステム)
図1において、座屈拘束型ダンパーシステム1000は、略Z字状(ジグザク状に同じ)に配置された第1座屈拘束型ダンパー100、第2座屈拘束型ダンパー200、および第3座屈拘束型ダンパー300(これについては別途詳細に説明する)を有している。
このとき、下部工4の上面には可動支承5が設置され、上部工1は水平であって、橋軸方向9に移動可能なように可動支承5によって支持されている。
そして、上部工1の下面に取付部材2が設置され、取付部材2に第1座屈拘束型ダンパー100の左取付板130aが回動自在に接続されている。
そして、第1座屈拘束型ダンパー100の右取付板130bと第2座屈拘束型ダンパー200の右取付板230bとが回動自在に接続されている。したがって、第1座屈拘束型ダンパー100の補剛管120と第2座屈拘束型ダンパー200の補剛管220とは略平行に対向している。
さらに、第2座屈拘束型ダンパー200の左取付板230aと第3座屈拘束型ダンパー300の左取付板330aとが回動自在に接続されている。したがって、第2座屈拘束型ダンパー200の補剛管220と第3座屈拘束型ダンパー300の補剛管320とは略平行に対向している。
そして、下部工4の側面に取付部材3が設置され、取付部材3に第3座屈拘束型ダンパー300の右取付板330bが回動自在に接続されている。
また、補剛管120、補剛管220、および補剛管320は、橋軸方向9に伸縮可能であって、橋軸方向9に対して水平面内を垂直方向8に移動不可能に側面支持材6a、6bによって支持されている。このとき、補剛管120および補剛管320は、水平に支持されているため、補剛管220の水平方向に対して傾動することになる。
(座屈拘束型ダンパー)
図2は本発明の実施の形態1に係る座屈拘束型ダンパーシステムを形成する座屈拘束型ダンパーを説明するものであって、(a)は一部を透過して示す側面図、(b)は平面視の断面図、(c)は正面視の断面図である。
なお、第1座屈拘束型ダンパー100、第2座屈拘束型ダンパー200、および第3座屈拘束型ダンパー300は、何れも同じ構造であるから、以下、第1座屈拘束型ダンパー100について説明する。なお、第2座屈拘束型ダンパー200および第3座屈拘束型ダンパー300については、各部位に付した符号の1桁目および2桁目は第1座屈拘束型ダンパー100の各部位に付した符号に同じで、符号の3桁目をそれぞれ「2」および「3」に読み替えるものとする。
(軸力材)
図2において、第1座屈拘束型ダンパー100は軸力材(芯材)110と、軸力材110を包囲して、軸力材110の面外変形を拘束する補剛管120と、軸力材110の両端にそれぞれ接続された左取付板130aおよび右取付板130bと、補剛管120内に充填された拘束材140と、を有している。
軸力材(芯材)110は塑性変形可能な材料の板材であって、例えば、低降伏点鋼(極軟鋼)等であるが、本発明はその材質を限定するものではない。また、板材からなる軸力材を示しているが、本発明はその形状を限定するものではなく、例えば、断面十字や、筒状(鋼管)等であってもよい。
(取付板)
左取付板130aは軸力材110よりも広幅の板材であって、テーパ部132aを介して幅が狭くなった一方の端部131aにおいて軸力材110に接続され、他方の端部135a近くに貫通孔134aが形成されている。また、テーパ部132aと貫通孔134aとの間の両面には、それぞれ突出した左取付板突起133aが設けられている。
右取付板130bは左取付板130aと面対称の構成であって、テーパ部132b、他方の端部131b、端部135b、貫通孔134bを具備し、左取付板130aの各部位に付した符号の添え字「a」を「b」に読み替えたものに同じであるから、説明を省略する。
(補剛管)
補剛管120は、断面四角形の筒体であって、両端にはそれぞれ左補剛管端板121aおよび右補剛管端板121bが設置されている。
そして、左補剛管端板121aには左取付板130aが通過可能で、左取付板突起133aが通過不可能な左補剛管端板案内孔122aが形成されている。さらに、左補剛管端板121aには断面四角形の筒体である左延長部材123aが接続され、左延長部材123aには、左取付板130aに対向し、左取付板突起133aが通過不可能な左延長部材止まり孔125aが形成された左延長部材端板124aが、両内面から突出した状態で設けられている。
したがって、左取付板130aの左取付板突起133aは、左補剛管端板121aと左延長部材端板124aとによって、軸方向(長手方向)の移動が拘束されている。すなわち、「ストッパー構造」が形成されている。
このとき、左補剛管端板121aと左取付板突起133aとの間に遊間Δが、左取付板突起133aと左延長部材端板124aとの間に遊間Δが、それぞれ形成されている。
また、同様に、右補剛管端板121bには、右補剛管端板案内孔122bが形成され、右補剛管端板121bに右延長部材123bが接続され、右取付板130bに対向し、右取付板突起133bが通過不可能な右延長部材止まり孔125bが形成された右延長部材端板124bが、両内面から突出した状態で設けられている。また、右延長部材123bには右延長部材端板124bが設けられているため、右取付板130bの右取付板突起133bは、右補剛管端板121bと右延長部材端板124bとに軸方向(長手方向)の移動が拘束されている。すなわち、「ストッパー構造」が形成されている。
このとき、右補剛管端板121bと右取付板突起133bとの間に遊間Δが、右取付板突起133bと右延長部材端板124bとの間に遊間Δが、それぞれ形成されている。
なお、補剛管120は普通鋼によって形成されているが、本発明はこれに限定するものではない。
(拘束材)
拘束材140は、補剛管120内に充填されたモルタル等であるが、本発明は、その材質を限定するものではなく、また、拘束材140を充填しなくてもよい。また、軸力材110と補剛管120とが摺動する部位にライナー材を配置してもよい。
(座屈拘束型ダンパーの作用)
図3は本発明の実施の形態1に係る座屈拘束型ダンパーシステムを形成する座屈拘束型ダンパーの作用を説明する荷重・伸縮量曲線であって、(a)は図2に示す座屈拘束型ダンパー、(b)は比較材としての特許文献1に記載された座屈拘束型ダンパーである。なお、図3において、縦軸は座屈拘束型ダンパーに作用する荷重(軸力)、横軸は座屈拘束型ダンパーの伸縮量である。
図3の(b)において、比較材としての特許文献1に記載された座屈拘束型ダンパーは、当該座屈拘束型ダンパーに作用する軸力が増加すると降伏し、その後も、軸力の作用が継続すると軸力材は限界伸縮量(δu)を到達し、破壊することになる。このとき、当該座屈拘束型ダンパーに作用する軸力が軸力材110の降伏荷重(Py)を超えることはない。
図3の(a)において、第1座屈拘束型ダンパー100は、作用する軸力が増加すると降伏し(状態A)、その後も、軸力の作用が継続すると軸力材110は圧縮(または伸長)し、圧縮量(または伸長量)が「2×Δ」になったところで、左補剛管端板121aと左取付板突起133aとが当接すると共に、右補剛管端板121bと右取付板突起133bとが当接する(状態B、または、左取付板突起133aと左延長部材端板124aとが当接すると共に、右取付板突起133bと右延長部材端板124bとが当接する)。
そして、その後も、第1座屈拘束型ダンパー100が伸縮量が増加すると、軸力材110の圧縮量(または伸長量)が限界伸縮量(δu)を到達したところで、軸力材110は破壊することになるものの(状態D)、作用する軸力は補剛管120によって負担されるため、作用する軸力は、軸力材110の降伏荷重(Py)を超えることになる(状態E)。すなわち、作用する軸力は軸力材110の降伏荷重(Py)を超えても、補剛管120は弾性変形をし、軸力材110は限界伸縮量(δu)に到達しないから、第1座屈拘束型ダンパー100は破壊することなく、作用する軸力を負担することができる。
そうすると、補剛管120が降伏する前であって、軸力材110の圧縮量(または伸長量)が限界伸縮量(δu)に到達する前に、荷重方向が逆転し、同様の荷重が繰り返された場合、軸力材110は、状態Cから、状態F、状態G、状態H、状態Cを呈し、状態C、状態F、状態G、および状態Hによって囲まれた平行四辺形に相当するエネルギー(変形エネルギー)を吸収する。
(座屈拘束型ダンパーシステムの作用)
図4は本発明の実施の形態1に係る座屈拘束型ダンパーシステムの作用を説明する荷重・伸縮量曲線であって、縦軸は座屈拘束型ダンパーシステムに作用する軸力、横軸は座屈拘束型ダンパーシステムの伸縮量(上部工1と下部工4との相対変位に同じ)である。
座屈拘束型ダンパーシステム1000は、前記のように、第1座屈拘束型ダンパー100、第2座屈拘束型ダンパー200、および第3座屈拘束型ダンパー300を有している。ここで、軸力材110、軸力材210および軸力材310の降伏荷重を、それぞれ「σy1」、「σy2」および「σy3」とし、「σy1<σy2<σy3」の関係があるとする。なお、それぞれの降伏荷重の相違は、製作上のバラツキ等によって生じる意図しない不可避的な場合と、積極的に相違させた意図的な場合とがある。
図4において、座屈拘束型ダンパーシステム1000に作用する荷重が、軸力材110の降伏荷重「σy1」になった時点で、第1座屈拘束型ダンパー100の軸力材110は降伏し、さらに、座屈拘束型ダンパーシステム1000の圧縮量(または伸長量)が「2×Δ」になった時点で、座屈拘束型ダンパーシステム1000に作用する荷重は、補剛管120によって支持され、降伏荷重「σy1」よりも大きくなる。
そして、座屈拘束型ダンパーシステム1000に作用する荷重が、軸力材110の降伏荷重「σy1」よりも大きくなって、第2座屈拘束型ダンパー200の軸力材210は降伏荷重「σy2」になった時点で、第2座屈拘束型ダンパー200の軸力材210は降伏し、さらに、座屈拘束型ダンパーシステム1000の圧縮量(または伸長量)が「4×Δ」になった時点で、座屈拘束型ダンパーシステム1000に作用する荷重は、補剛管120および補剛管220によって支持され、降伏荷重「σy2」よりも大きくなる。
さらに、座屈拘束型ダンパーシステム1000に作用する荷重が、軸力材210の降伏荷重「σy2」よりも大きくなって、軸力材310の降伏荷重「σy3」になった時点で、第3座屈拘束型ダンパー300の軸力材310は降伏し、さらに、座屈拘束型ダンパーシステム1000の圧縮量(または伸長量)が「6×Δ」になった時点で、座屈拘束型ダンパーシステム1000に作用する荷重は、補剛管120、補剛管220および補剛管320によって支持され、降伏荷重「σy3」よりも大きくなる。
なお、降伏荷重「σy3」が作用しても、補剛管120、補剛管220および補剛管320は降伏しないものとしている。
以上のように、座屈拘束型ダンパーシステム1000に作用する荷重は、最終的には補剛管120、補剛管220および補剛管320によって支持されるから、降伏荷重「σy3」よりも大きくなる。そして、座屈拘束型ダンパーシステム1000の圧縮量(または伸長量)が、第1座屈拘束型ダンパー100、第2座屈拘束型ダンパー200および第3座屈拘束型ダンパー300の遊間Δを全て足し合わせた遊間総和「6×Δ」にいたるまでは、それぞれの軸力材110、軸力材210および軸力材310の圧縮量(または伸長量)が限界伸縮量以下に保たれるため、全体として安定した履歴曲線が得られる。
すなわち、座屈拘束型ダンパーシステム1000によると、第1座屈拘束型ダンパー100等を接続する本数分だけ、限界伸縮量を増加させることができる。たとえば、前記比較材の座屈拘束型ダンパーによれば、最大伸縮量100mmを確保する必要がある場合に、2.5〜5.0mの軸力材が必要であったが、座屈拘束型ダンパーシステム1000によると、第1座屈拘束型ダンパー100等の長さを、0.83〜1.7mの長さに抑えることができ、狭小な現場条件の場合にも適用が可能となる。
なお、本発明に使用する第1座屈拘束型ダンパー100等の本数は3本に限らず、3本以上の奇数本(5本、7本・・・・)の何れであってもよく、その本数分だけ、座屈拘束型ダンパーシステム1000の長さを縮小する効果が得られる。
[実施の形態2]
図5および図6は本発明の実施の形態2に係る座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、図5の(a)は側面図、図5の(b)は平面図、図6の(a)は図5の(a)のA断面における断面図、図6の(b)は図5の(a)のB断面における断面図、図6の(c)は図5の(a)のC断面における断面図である。
なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。
(座屈拘束型ダンパーシステム)
図5および図6において、座屈拘束型ダンパーシステム2000は、ジグザク状に配置された第1座屈拘束型ダンパー100、第2座屈拘束型ダンパー200、第3座屈拘束型ダンパー300、第4座屈拘束型ダンパー400、および第5座屈拘束型ダンパー500を有している。
なお、第4座屈拘束型ダンパー400および第5座屈拘束型ダンパー500は、第1座屈拘束型ダンパー100と同じ構造であるから、各部位に付した符号の1桁目および2桁目は第1座屈拘束型ダンパー100の各部位に付した符号に同じで、符号の3桁目をそれぞれ「4」および「5」に読み替えるものとする。
すなわち、上部工1の下面に取付部材2が設置され、取付部材2に第1座屈拘束型ダンパー100の左取付板130aが接続され、第1座屈拘束型ダンパー100の右取付板130bと第2座屈拘束型ダンパー200の右取付板230bとが第1連結部材612によって接続されている。
また、第2座屈拘束型ダンパー200の左取付板230aと第3座屈拘束型ダンパー300の左取付板330aとが第2連結部材623によって接続され、第3座屈拘束型ダンパー300の右取付板330bと第4座屈拘束型ダンパー400の右取付板430bとが第3連結部材634によって接続されている。
さらに、第4座屈拘束型ダンパー400の左取付板430aと第5座屈拘束型ダンパー500の左取付板530aとが第4連結部材645によって接続されている。
そして、第5座屈拘束型ダンパー500の右取付板530bが回動自在に接続されている。
また、補剛管120、補剛管220、補剛管320、補剛管420および補剛管520は、橋軸方向9のみに移動可能に外周支持材7a、7bによって支持されている。なお、補剛管120等は降伏しないため、それぞれの伸縮量は小さいことから、補剛管120等が、外周支持材7aまたは外周支持材7bの一方または両方に固定されてもよい。
なお、軸力材110は断面十字であるが、本発明はこれに限定するものではなく、平板状や筒状であってもよい。
以上のように、座屈拘束型ダンパーシステム2000に作用する荷重は、最終的には補剛管120、補剛管220、補剛管320、補剛管420および補剛管520によって支持され、座屈拘束型ダンパーシステム2000の圧縮量(または伸長量)が、第1座屈拘束型ダンパー100、第2座屈拘束型ダンパー200、第3座屈拘束型ダンパー300、第4座屈拘束型ダンパー400および第5座屈拘束型ダンパー500の遊間Δを全て足し合わせた遊間総和「10×Δ」にいたるまでは、それぞれの軸力材110、軸力材210、軸力材310、軸力材410および軸力材510の圧縮量(または伸長量)が、限界伸縮量以下に保たれるため、全体として安定した履歴曲線が得られる。
すなわち、座屈拘束型ダンパーシステム2000によると、第1座屈拘束型ダンパー100等を接続する本数分だけ、限界伸縮量を増加させることができる。たとえば、前記比較材の座屈拘束型ダンパーによれば、最大伸縮量100mmを確保する必要がある場合に、2.5〜5.0mの軸力材が必要であったが、座屈拘束型ダンパーシステム2000によると、第1座屈拘束型ダンパー100等の長さを、0.5〜1.0mの長さに抑えることができ、狭小な現場条件の場合にも適用が可能となる。
[座屈拘束型ダンパーのその他の形態]
図7は本発明の実施の形態1または2に係る座屈拘束型ダンパーシステムを形成する座屈拘束型ダンパーのその他の形態を説明するものであって、(a)は一部を透過して示す側面図、(b)は平面視の断面図、(c)および(d)は正面視の断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7において、座屈拘束型ダンパー800は、第1座屈拘束型ダンパー100(実施の形態1)における左延長部材123aおよび右延長部材123bを撤去して、左取付板130aおよび右取付板130bの補剛管120に包囲された範囲に、それぞれ左取付板内側突起136aおよび右取付板内側突起136bを設けたものである。
このとき、左取付板内側突起136aは左補剛管端板案内孔122aを通過不可能であり、右取付板内側突起136bは右補剛管端板案内孔122bを通過不可能である。
そして、左補剛管端板121aと左取付板内側突起136aとの間、および右補剛管端板121bと右取付板内側突起136bとの間には、それぞれ遊間Δが形成されている。したがって、軸力材110が「2×Δ」だけ伸びた以降は、軸力材110にかかる荷重の増分は補剛管120によって負担されることになる。
すなわち、座屈拘束型ダンパー800は第1座屈拘束型ダンパー100と同じ作用効果を奏する。
[座屈拘束型ダンパーのその他の形態]
図8は本発明の実施の形態1または2に係る座屈拘束型ダンパーシステムを形成する座屈拘束型ダンパーのその他の形態を説明するものであって、(a)は一部を透過して示す側面図、(b)は平面視の断面図、(c)および(d)は正面視の断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図8において、座屈拘束型ダンパー900は、座屈拘束型ダンパー800(図7参照)における軸力材110を断面十字状の軸力材150にしたものである。
すなわち、軸力材150は軸力材110に軸力材垂直部119を設置したものに同じである。そして、左取付板160aおよび右取付板160bは断面十字状であって、左取付板130aおよび右取付板130bにそれぞれ左取付板垂直部139aおよび右取付板垂直部139bを設置したものである。なお、図8において、テーパ部132a、132bは形成されていないが、テーパ部132a、132bを形成してもよい。
また、左補剛管端板案内孔122aおよび右補剛管端板案内孔122bは十字状であって、それぞれ左取付板垂直部139aおよび右取付板垂直部139bが通過可能な開口部が形成されている。
したがって、座屈拘束型ダンパー900は、座屈拘束型ダンパー800と同じ作用効果、すなわち、第1座屈拘束型ダンパー100と同じ作用効果を奏する。
[実施の形態3]
図9および図10は本発明の実施の形態3に係る座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、図9の(a)は平面図、図9の(b)は側面図、図9の(c)は部材の連結系統を示す構成図、図10の(a)〜(d)はそれぞれ図9の(b)に示すA視〜D視の正面図である。なお、実施の形態1または実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。また、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。
図9および図10において、座屈拘束型ダンパーシステム3000は、第1座屈拘束型ダンパー901、第2座屈拘束型ダンパー902、第3座屈拘束型ダンパー903、第4座屈拘束型ダンパー904、第5座屈拘束型ダンパー905、および第6座屈拘束型ダンパー906を有し、これらは何れも座屈拘束型ダンパー900(図8参照)であるから、説明を省略する。
橋軸方向9に平行で、取付部材2の所定位置と取付部材3の所定位置とを結ぶ仮想線を「基準軸10」とすると、第1座屈拘束型ダンパー901と第4座屈拘束型ダンパー904とは互いに基準軸10に平行で、基準軸10に対して対称な位置に配置され、第1座屈拘束型ダンパー901の左取付板160aと第4座屈拘束型ダンパー904の左取付板160aとは接続部材711によって接続され、第1座屈拘束型ダンパー901の右取付板160bと第4座屈拘束型ダンパー904の右取付板160bとは接続部材713によって接続され、第1座屈拘束型ダンパーセット914を形成している。
同様に、第2座屈拘束型ダンパー902と第5座屈拘束型ダンパー905とは互いに基準軸10に平行で、基準軸10に対して対称な位置に配置され、第2座屈拘束型ダンパー902の左取付板160aと第5座屈拘束型ダンパー905の左取付板160aとは接続部材723によって接続され、第2座屈拘束型ダンパー902の右取付板160bと第5座屈拘束型ダンパー905の右取付板160bとは接続部材722によって接続され、第2座屈拘束型ダンパーセット925を形成している。
同様に、第3座屈拘束型ダンパー903と第6座屈拘束型ダンパー906とは互いに基準軸10に平行で、基準軸10に対して対称な位置に配置され、第3座屈拘束型ダンパー903の左取付板160aと第6座屈拘束型ダンパー906の左取付板160aとは接続部材723によって接続され、第3座屈拘束型ダンパー903の右取付板160bと第6座屈拘束型ダンパー906の右取付板160bとは接続部材713によって接続され、第3座屈拘束型ダンパーセット936を形成している。
すなわち、第3座屈拘束型ダンパーセット936は、右側の端部が接続部材713によって第1座屈拘束型ダンパーセット914の右側の端部に接続され、左側の端部が接続部材723によって第2座屈拘束型ダンパーセット925の左側の端部に接続されている。
したがって、第1座屈拘束型ダンパーセット914、第3座屈拘束型ダンパーセット936および第2座屈拘束型ダンパーセット925は、ジグザクに連結され、外周支持材7aおよび外周支持材7bによって、橋軸方向9(基準軸10方向に同じ)に相対的に移動可能に支持されている。
したがって、座屈拘束型ダンパーシステム3000は、座屈拘束型ダンパーシステム1000(実施の形態1)と同様の作用効果を奏する。
このとき、第1座屈拘束型ダンパーセット914は、基準軸10に対して互いに平行で、基準軸10に対して対称な位置に配置された第1座屈拘束型ダンパー901および第4座屈拘束型ダンパー904(一対の座屈拘束型ダンパー)からなるから、接続部材711に回転力が作用しない。同様に、接続部材713、接続部材723および接続部材722に回転力が作用しない。したがって、座屈拘束型ダンパーシステム3000には、回転力が作用しないから、安定した伸縮が可能であり、回転力による余計な応力が発生しないため、信頼性や耐久性が向上している。
なお、以上は、第1座屈拘束型ダンパー901等として、座屈拘束型ダンパー900を用いているが、本発明はこれに限定するものではなく、第1座屈拘束型ダンパー100等や座屈拘束型ダンパー800を用いてもよい。また、一対の座屈拘束型ダンパーから構成される座屈拘束型ダンパーセットの数(セット数)は、3セット以上の奇数であればよい。さらに、座屈拘束型ダンパーセットを複数対の座屈拘束型ダンパーから構成してもよい。
[実施の形態4]
図11は本発明の実施の形態4に係る座屈拘束型ダンパーシステムを説明するものであって、設置状況を示す側面図である。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号(添え字「a、b、c、d」除く数字)を付し、一部の説明を省略する。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。
図11において、橋梁4000は、上部工1aが図示しない橋脚に設置された図示しない支承と、橋脚4aに設置された支承41aとに支持され、同様に、上部工1bが橋脚4aに設置された支承42aと橋脚4bに設置された支承41bとに支持され、上部工1cが橋脚4bに設置された支承42bと橋脚4cに設置された支承41cとに支持され、上部工1dが橋脚4cに設置された支承42cと図示しない橋脚に設置された図示しない支承とに支持されている。
そして、上部工1aに設置された取付部材22aと上部工1bに設置された取付部材21bとに、座屈拘束型ダンパーシステム1000aの両端が接続されている。同様に、上部工1bに設置された取付部材22bと上部工1cに設置された取付部材21cとに、座屈拘束型ダンパーシステム1000bの両端が接続されている。上部工1cに設置された取付部材22cと上部工1dに設置された取付部材21dとに、座屈拘束型ダンパーシステム1000cの両端が接続されている。
このとき、座屈拘束型ダンパーシステム1000a、座屈拘束型ダンパーシステム1000b、および座屈拘束型ダンパーシステム1000cは、何れも座屈拘束型ダンパーシステム1000(実施の形態1)に同じであるが、本発明はこれに限定するものではなく、それぞれ、座屈拘束型ダンパーシステム2000(実施の形態2)や座屈拘束型ダンパーシステム3000(実施の形態3)であってもよい。
すなわち、座屈拘束型ダンパーシステム1000a等は、上部工1a等の分割位置に配置され、分割位置には、上部工1a等の温度変化による変形や通行する車両の荷重による変形に伴う伸縮分だけの間隙が設けられている。
したがって、座屈拘束型ダンパーシステム1000a等を上部工1a等の分割位置に配置することによって、地震発生時に、隣り合う上部工1a等の間に相対偏位が生じた場合、第1座屈拘束型ダンパー100等の伸縮が発生する。よって、地震エネルギーが吸収され、橋梁4000の耐震性が向上している。
本発明によれば、大きな塑性変形量(地震エネルギーの吸収量)を確保すると共に、比較的狭い空間に設置することができるから、橋梁下部等に限定されることなく、土木構造物や建築構造物の制振耐震部材として、広く利用することができる。
1 上部工
2 取付部材
3 取付部材
4 下部工
5 可動支承
6a 側面支持材
6b 側面支持材
7a 外周支持材
7b 外周支持材
8 垂直方向
9 橋軸方向
10 基準軸
21b 取付部材
21c 取付部材
21d 取付部材
22a 取付部材
22b 取付部材
22c 取付部材
41a 支承
41b 支承
41c 支承
42a 支承
42b 支承
42c 支承
100 第1座屈拘束型ダンパー
110 軸力材
119 軸力材垂直部
120 補剛管
121a 左補剛管端板
121b 右補剛管端板
122a 左補剛管端板案内孔
122b 右補剛管端板案内孔
123a 左延長部材
123b 右延長部材
124a 左延長部材端板
124b 右延長部材端板
125a 左延長部材止まり孔
125b 右延長部材止まり孔
130a 左取付板
130b 右取付板
131a 一方の端部
131b 他方の端部
132a テーパ部
132b テーパ部
133a 左取付板突起
133b 右取付板突起
134a 貫通孔
134b 貫通孔
135a 端部
135b 端部
136a 左取付板内側突起
136b 右取付板内側突起
139a 左取付板垂直部
139b 右取付板垂直部
140 拘束材
150 軸力材
160a 左取付板
160b 右取付板
200 第2座屈拘束型ダンパー
210 軸力材
220 補剛管
230a 左取付板
230b 右取付板
300 第3座屈拘束型ダンパー
310 軸力材
320 補剛管
330a 左取付板
330b 右取付板
400 第4座屈拘束型ダンパー
410 軸力材
420 補剛管
430a 左取付板
430b 右取付板
500 第5座屈拘束型ダンパー
510 軸力材
520 補剛管
530a 左取付板
530b 右取付板
612 連結部材
623 連結部材
634 連結部材
645 連結部材
711 接続部材
713 接続部材
722 接続部材
723 接続部材
800 座屈拘束型ダンパー
900 座屈拘束型ダンパー
901 第1座屈拘束型ダンパー
902 第2座屈拘束型ダンパー
903 第3座屈拘束型ダンパー
904 第4座屈拘束型ダンパー
905 第5座屈拘束型ダンパー
906 第6座屈拘束型ダンパー
914 第1座屈拘束型ダンパーセット
925 第2座屈拘束型ダンパーセット
936 第3座屈拘束型ダンパーセット
1000 座屈拘束型ダンパーシステム
1000a 座屈拘束型ダンパーシステム
1000b 座屈拘束型ダンパーシステム
1000c 座屈拘束型ダンパーシステム
2000 座屈拘束型ダンパーシステム
3000 座屈拘束型ダンパーシステム
4000 橋梁
Δ 遊間

Claims (8)

  1. 3本以上の奇数本の座屈拘束型ダンパーがジグザクに接続されたものであって、
    前記座屈拘束型ダンパーは、
    当該座屈拘束型ダンパーに作用する軸力により伸縮変形する軸力材と、
    記軸力材を包囲する補剛管と、
    前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸びたところで、前記軸力材の伸びを拘束する第1のストッパー構造と、
    前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ縮んだところで、前記軸力材の縮みを拘束する第2のストッパー構造と、を有することを特徴とする座屈拘束型ダンパーシステム。
  2. 基準軸に対して互いに平行で、基準軸に対して対称な位置に配置された一対の座屈拘束型ダンパーからなる座屈拘束型ダンパーセットが、ジグザクに奇数セット接続されたものであって、
    前記座屈拘束型ダンパーは、
    当該座屈拘束型ダンパーに作用する軸力により伸縮変形する軸力材と、
    前記軸力材を包囲する補剛管と、
    前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸びたところで、前記軸力材の伸びを拘束する第1のストッパー構造と、
    前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ縮んだところで、前記軸力材の縮みを拘束する第2のストッパー構造と、を有し
    記座屈拘束型ダンパーセットを構成する一方の座屈拘束型ダンパーと、前記座屈拘束型ダンパーセットを構成する他方の座屈拘束型ダンパーとは、接続部材によって接続されていることを特徴とする座屈拘束型ダンパーシステム。
  3. 前記座屈拘束型ダンパーは、
    該軸力材の両端部に接続された取付板を更に有し、
    前記第1ストッパー構造及び前記第2ストッパー構造は、
    前記軸力材の所定の変形量だけ変形することにより前記取付板と前記補剛管とが当接する構造を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の座屈拘束型ダンパーシステム。
  4. 記座屈拘束型ダンパーは、
    該軸力材の両端部に接続された取付板と、前記補剛管の両端部に接続された延長部材とを更に有し、
    前記第1ストッパー構造は、
    前記軸力材の所定の変形量だけ変形することにより前記取付板と前記延長部材とが当接する構造を備え、
    前記第2ストッパー構造は、
    前記軸力材の所定の変形量だけ変形することにより前記取付板と前記補剛管とが当接する構造を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の座屈拘束型ダンパーシステム。
  5. 前記第1ストッパー構造及び前記第2ストッパー構造は、
    前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸縮したところで、前記軸力材に作用する荷重の増分が前記補剛管に負担され、
    前記補剛管が弾性的に伸縮する間、前記軸力材の伸縮量が限界伸縮量を超えないように、前記取付板の一部と前記補剛管の一部との遊間が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の座屈拘束型ダンパーシステム。
  6. 前記第1ストッパー構造及び前記第2ストッパー構造は、
    前記軸力材が軸方向に所定の変形量だけ伸縮したところで、前記軸力材に作用する荷重の増分が前記補剛管に負担され、
    前記補剛管が弾性的に伸縮する間、前記軸力材の伸縮量が限界伸縮量を超えないように、前記取付板の一部と前記補剛管の一部との遊間、または前記取付板の一部と前記延長部材の一部との遊間が設定されていることを特徴とする請求項4に記載の座屈拘束型ダンパーシステム。
  7. 前記取付板に取付板突起および取付板内側突起が設けられ、
    前記補剛管の両端に補剛管端板が設けられ、
    前記補剛管端板は、
    前記取付板が通過可能で、前記取付板突起および取付板内側突起が通過不可能な補剛管端板案内孔が形成され、
    前記取付板は、
    前記補剛管端板が前記取付板突起と前記取付板内側突起との間に位置した状態で、前記補剛管端板案内孔を通過し、前記取付板突起と前記補剛管端板との間および前記取付板内側突起と前記補剛管端板との間に、それぞれ長手方向に所定の遊間が形成されていることを特徴とする請求項3又は5に記載の座屈拘束型ダンパーシステム。
  8. 前記取付板に取付板突起が設けられ、
    前記補剛管の両端に補剛管端板が設けられ、
    前記補剛管端板は、
    前記取付板が通過可能で、前記取付板突起が通過不可能な補剛管端板案内孔が形成され、
    前記延長部材に延長部材端板が設けられ、
    前記延長部材端板は、
    前記取付板が通過可能で、前記取付板突起が通過不可能な延長部材止まり孔が前記延長部材端板に形成され、
    前記取付板突起は、
    前記補剛管端板と前記延長部材端板との間に、長手方向に所定の遊間を空けて配置されていることを特徴とする請求項4又は6に記載の座屈拘束型ダンパーシステム。
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