本発明においては、包装箱の4つの側面に周設された切目線により包装箱の上部を取り除く機能を有する包装箱において、包装箱の上側の部分を取り除く際に、最初に指を引っ掛ける操作を容易に行なうことができ、かつ、その後の切目線の切断を容易に行なうことができる包装箱を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づく包装箱Aは、図1〜図9に示されるように構成され、スリーブ状部5と、底面部50と、フラップ部110、140と、蓋部120、130とを有している。
ここで、スリーブ状部5は、正面部10と、正面部10の右側面側の辺部から折れ線C20を介して連設された右側面部20と、正面部10の左側面側の辺部から折れ線C30を介して連設された左側面部30と、右側面部20の背面側の辺部から折れ線C40を介して連設された背面部40と、左側面部30の背面側の辺部から折れ線C49を介して連設された糊代部49とを有している。折れ線C20と折れ線C30と折れ線C40と折れ線C49とは互いに平行となっている。
包装箱Aは、1枚のシート状のブランク(具体的には段ボール(特に、両面段ボール)であり、厚紙等でもよい)により形成されている。なお、両面段ボールにおける中芯の段の方向は、図5に示す円内に示す方向(折れ線C20、C30、C40と平行な方向)である(なお、中芯の段の方向は他の方向でもよい。)。
正面部10と右側面部20と左側面部30と背面部40は、方形状(具体的には、方形状の平板状)を呈し、正面部10と背面部40は、縦長の長方形状を呈している。
正面部10と右側面部20と左側面部30と背面部40における縦方向の長さは同一に形成されている。つまり、包装箱Aの展開状態において、正面部10の下辺と右側面部20の下辺と左側面部30の下辺と背面部40の下辺とは、同一直線上に形成され、正面部10の上辺と右側面部20の上辺と左側面部30の上辺と背面部40の上辺とは、同一直線上に形成されている。
また、横方向には、右側面部20と左側面部30とは同一の長さに形成され、正面部10と背面部40とは略同一の長さに形成されている(具体的には、背面部40の横方向の長さが正面部10の横方向の長さよりも若干小さく形成されている)。
糊代部49は、略台形形状に形成され、背面部40の左側面側の端部領域の内側の面に接着されている。なお、糊代部49は、左側面部30から連設されているが、背面部40の左側面側の端部から連設され、左側面部30の背面側の端部に接着された構成としてもよい。また、糊代部49は、背面部40の左側面側の端部領域の外側の面に接着するものとしてもよい。
スリーブ状部5には、切目線(切断予定線としてもよい)K5が周状に設けられ(周設されとしてもよい)、図5に示すように、背面部40の左側面側の端部から右側面部20、正面部10、左側面部30を経て、糊代部49の右側面側の端部にまで形成されている。つまり、切目線K5は、無端状(ループ状としてもよい)に形成されている。包装箱Aにおいて、切目線K5を介して下側の部分が下側構成部A−1となり、上側の部分が上側構成部A−2となる。
切目線K5は、正面部10に形成された切目線K10と、右側面部20に形成された切目線K20と、左側面部30に形成された切目線K30と、背面部40に形成された切目線K40と、糊代部49に形成された切目線K49とを有している。切目線K20は、切目線K10の右側面側の端部から連続して形成され、切目線K30は、切目線K10の左側面側の端部から連続して形成され、切目線K40は、切目線K20の背面側の端部から連続して形成され、切目線K49は、切目線K30の背面側の端部から連続して形成されている。なお、糊代部49が背面部40に接着された状態では、切目線K40の左側面側の端部と切目線K49とは重なるので、切目線K40は、切目線K30の背面側の端部から連続して形成されているといえる。切目線K10、K20、K30、K40はいずれも切断予定線により形成されている。切目線K10と切目線K20と切目線K30と切目線K40とで切目線が周状に設けられている。
ここで、切目線(第1切目線)K10は、左右方向に直線状に形成された切目線(第1切目線中央構成部)K11と、切目線K11の右側面側の端部から略上方に形成された切目線K12と、切目線K11の左側面側の端部から略上方に形成された切目線K13と、切目線K12の上端から正面部10の右側面側の辺部に向けて形成された切目線K14と、切目線K13の上端から正面部10の左側面側の辺部に向けて形成された切目線K15とを有している。切目線K12と切目線K14とで第1切目線右側面側構成部となり、切目線K13と切目線K15とで第1切目線左側面側構成部となる。切目線K12及び切目線K14からなる切目線と、切目線K13及び切目線K15からなる切目線とは左右対称(つまり、左右線対称)に形成されている。また、切目線K10は、全体として左右対称(つまり、左右線対称)に形成されている。
切目線K11は、複数の直線状の切込みを間隔を介して配設してなり、ミシン目状に形成されている。また、切目線K12は、切目線K11の右側面側の端部から連続して形成され、切目線K13は、切目線K11の左側面側の端部から連続して形成され、切目線K14は、切目線K12の切目線K11と反対側の端部から連続して形成され、切目線K15は、切目線K13の切目線K11と反対側の端部から連続して形成されている。切目線K10は、左右線対称に形成されている。
切目線K11は、正面部10の下辺のやや上側の位置に形成され、左右方向において正面部10の中央位置に形成されている。
切目線K12、K14は、図8に示す構成の複数の切込み210を間隔を介して列状に配置することにより形成され、切目線K13、K15は、図9に示す構成の複数の切込み220を間隔を介して列状に配置することにより形成されている。
切目線K12における複数の切込み210の配設方向は、切目線K11側から切目線K14側にいくに従い上向きに湾曲するように形成され、切目線K13における複数の切込み220の配設方向は、切目線K11側から切目線K15側にいくに従い上向きに湾曲するように形成されている。つまり、切目線K11、K12、K13により切目線が略U字状となるように形成されている。
また、切目線K14における複数の切込み210の配設方向は、正面部10の右側面側の辺部側にいくに従い上方となるように(つまり、斜め上方に傾斜して)直線状に形成され、切目線K15における複数の切込み220の配設方向は、正面部10の左側面側の辺部に向けて斜め上方に直線状に形成されている。
また、切目線(第2切目線)K20は、切目線(第2切目線副構成部)K22と、切目線(第2切目線主構成部)K24とを有し、切目線K22は、切目線K14の右側面側の端部から連続して形成され(「連設され」としてもよい。他においても同じ。)、右側面部20の正面側の辺部から背面側に行くに従い上側となる方向に形成され、切目線K24は、切目線K22の背面側の端部から連続して形成され、背面側にいくに従い下側となる方向に形成されている。
切目線K22、K24は、図8に示す構成の複数の切込み210を間隔を介して列状に配置することにより形成されている。
切目線K22における複数の切込み210の配設方向は、右側面部20の正面側の端部から背面側にいくに従い上方となるように(つまり、水平方向(例えば、右側面部20の下辺の方向)に対して斜め上方に傾斜して)直線状に形成され、切目線K24における複数の切込み210の配設方向は、切目線K24の背面側の端部から背面側にいくに従い下方となるように(つまり、斜め下方に傾斜して)直線状に形成されている。つまり、切目線K24は、背面側から正面側にいくに従い上方となるように(つまり、水平方向に対して斜め上方に傾斜して)直線状に形成されている。なお、右側面部20の下辺に対する傾斜角度としては、切目線K22が切目線K24よりも大きく形成され、切目線K24は、背面側から正面側に向けてなだらかな上向きとなっていて、切目線K22は、正面側から背面側に向けて、切目線K24よりも大きな角度で上向きとなっている。切目線K22は、切目線K24の正面側の端部から右側面部20の正面側の辺部まで形成され、正面側にいくほど下側となるように形成されている。
なお、切目線K24が背面側から正面側にいくほど上側となるように右側面部20の下辺に対して傾斜しているので、当然、切目線K24における下左側面部22と背面側領域27間の部分の切目線K24−1も背面側から正面側にいくほど上側となるように傾斜している。また、切目線(第2切目線主構成部)K24は、切目線K24における折れ線C21又は折れ線C21の延長線との接点から正面側の範囲において、正面側にいくほど上側となるように形成されている。
切目線K24の正面側の端部から背面側の端部までの前後方向の長さ(右側面部20の下辺の方向の長さ)L24は、切目線K22の正面側の端部から背面側の端部までの前後方向の長さ(右側面部20の下辺の方向の長さ)L22よりも長く形成されている(つまり、長さL24は、右側面部20の背面側の端部から正面側の端部までの前後方向の長さL20の半分以上の長さを有している)。なお、具体的には、長さL22は、長さL20の1/4〜1/3とする(つまり、長さL24は、長さL20の2/3〜3/4とする)。なお、長さL24は、長さL22の3〜4倍の長さに形成してもよい。
また、切目線K24における下左側面部22と背面側領域27間の部分の切目線(第1部分構成部)K24−1の前後方向の長さL24−1は、長さL20の1/3(略1/3としてもよい)とするのが好ましい。すなわち、切目線K24−1の前後方向の長さは、切目線K20の切目線K24−1以外の部分の前後方向の長さの半分と同一(略同一としてもよい)である。つまり、長さL24−1を、長さL20の1/3(略1/3としてもよい)とすることにより、背面側領域27が正面側領域26に対して回動しやすく、切目線K24−1を破断しやすい。切目線K24−1は、切目線K24の一部であり、切目線K24と折れ線C21の接点(折れ線C21が切目線K24と接していない場合には、折れ線C21の延長線の切目線K24との接点)から切目線K24の背面側の端部までとなる。下左側面部22、背面側領域27、折れ線C21については、後述する。
なお、包装箱Aの展開状態においては、切目線K14と切目線K22とで、切込みK210が1つの直線状に配設されている。
また、切目線(第3切目線)K30は、切目線(第3切目線副構成部)K32と、切目線(第3切目線主構成部)K34とを有し、切目線K32は、切目線K15の左側面側の端部から連続して形成され、左側面部30の正面側の辺部から背面側に行くに従い上側となる方向に形成され、切目線K34は、切目線K32の背面側の端部から連続して形成され、背面側にいくに従い下側となる方向に形成されている。つまり、切目線K30は、切目線K20と左右対称に形成され(つまり、包装箱Aの展開状態では、線対称に形成され)、切目線K32は、切目線K22と左右対称に形成され、切目線K34は、切目線K24と左右対称に形成されている。
切目線K32、K34は、図9に示す構成の複数の切込み220を間隔を介して列状に配置することにより形成されている。
切目線K32における複数の切込み220の配設方向は、左側面部30の正面側の端部から背面側にいくに従い上方となるように(つまり、斜め上方に傾斜して)直線状に形成され、切目線K34における複数の切込み220の配設方向は、切目線K32の背面側の端部から背面側にいくに従い下方となるように(つまり、斜め下方に傾斜して)直線状に形成されている。つまり、切目線K34は、背面側から正面側にいくに従い上方となるように(つまり、斜め上方に傾斜して)直線状に形成されている。なお、左側面部30の下辺に対する傾斜角度としては、切目線K32が切目線K34よりも大きく形成され、切目線K34は、背面側から正面側に向けてなだらかな上向きとなっていて、切目線K32は、正面側から背面側に向けて、切目線K34よりも大きな角度で上向きとなっている。切目線K32は、切目線K34の正面側の端部から左側面部30の正面側の辺部まで形成され、正面側にいくほど下側となるように形成されている。
なお、切目線K34が背面側から正面側にいくほど上側となるように左側面部30の下辺に対して傾斜しているので、当然、切目線K34における下右側面部32と背面側領域37間の部分の切目線K34−1も背面側から正面側にいくほど上側となるように傾斜している。また、切目線(第3切目線主構成部)K34は、切目線K34における折れ線C31又は折れ線C31の延長線との接点から正面側の範囲において、正面側にいくほど上側となるように形成されている。
切目線K34の正面側の端部から背面側の端部までの前後方向の長さ(左側面部30の下辺の方向の長さ)L34は、切目線K32の正面側の端部から背面側の端部までの前後方向の長さ(左側面部30の下辺の方向の長さ)L32よりも長く形成されている(つまり、長さL34は、左側面部30の背面側の端部から正面側の端部までの前後方向の長さL30の半分以上の長さを有している)。なお、具体的には、長さL32は、長さL30の1/4〜1/3とする(つまり、長さL34は、長さL30の2/3〜3/4とする)。なお、長さL34は、長さL32の3〜4倍の長さに形成してもよい。
また、切目線K34における下右側面部32と背面側領域37間の部分の切目線(第2部分構成部)K34−1の前後方向の長さL34−1は、長さL30の1/3(略1/3としてもよい)とするのが好ましい。すなわち、切目線K34−1の前後方向の長さは、切目線K30の切目線K34−1以外の部分の前後方向の長さの半分と同一(略同一としてもよい)である。つまり、長さL34−1を、長さL30の1/3(略1/3としてもよい)とすることにより、背面側領域37が正面側領域36に対して回動しやすく、切目線K34−1を破断しやすい。切目線K34−1は、切目線K34の一部であり、切目線K34と折れ線C31の接点(折れ線C31が切目線K34と接していない場合には、折れ線C31の延長線の切目線K34との接点)から切目線K34の背面側の端部までとなる。下左側面部32、背面側領域37、折れ線C31については、後述する。
これにより、上側構成部A−2を上側に引っ張ることにより、切目線K20、K30における前後方向の半分以上の長さを破断することができる。
なお、包装箱Aの展開状態においては、切目線K15と切目線K32とで、切込みK220が1つの直線状に配設されている。
また、切目線(第4切目線)K40は、左右方向に直線状に形成された切目線K41と、切目線K41の右側面側の端部から形成された切目線K42と、切目線K41の左側面側の端部から形成された切目線K43とを有している。
切目線K41は、複数の直線状の切込みを間隔を介して配設してなり、ミシン目状に形成されている。また、切目線K42は、切目線K41の右側面側の端部から連続して形成され、切目線K43は、切目線K41の左側面側の端部から連続して形成されている。切目線K40は、左右線対称に形成されている。
切目線K41は、背面部40の上下方向における中央位置よりもやや上側の位置に形成され、左右方向において背面部40の中央位置に形成されている。
切目線K42は、図8に示す構成の複数の切込み210を間隔を介して列状に配置することにより形成され、切目線K43は、図9に示す構成の複数の切込み220を間隔を介して列状に配置することにより形成されている。
切目線K42における複数の切込み210の配設方向は、切目線K41側から背面部40の右側面側の端部(切目線K24側)にいくに従い上側となるように(つまり、斜め上方に傾斜して)直線状に形成され、切目線K43における複数の切込み220の配設方向は、切目線K41側から背面部40の左側面側の端部にいくに従い上側となるように(つまり、斜め上方に傾斜して)直線状に形成されている。つまり、切目線K42、K43は背面部40の外側にいくほど上側となるように傾斜して形成されている。
なお、切目線K42の背面部40の下辺に対する傾斜角度は、切目線K24の右側面部20の下辺に対する傾斜角度と同一(略同一としてもよい)であり、包装箱Aの展開状態においては、切目線K24と切目線K42とで切込み210が1つの直線状に配設されている。また、切目線K43の背面部40の下辺に対する傾斜角度は、切目線K34の左側面部30の下辺に対する傾斜角度と同一(略同一としてもよい)である。よって、隣接する切目線の傾斜角度が同一であるので、切目線K42から切目線K24にかけて極めてスムーズに破断することができ、また、切目線K43から切目線K34にかけて極めてスムーズに破断することができる。
また、切目線K49は、糊代部49に形成されていて、切目線K34の背面側の端部から連続して形成され、直線状の切込み(連続した切込み)により形成され、切目線K49は、左側面部30側の端部から糊代部49の先端側にいくほど下方となるように(つまり、斜め下方に傾斜して)形成されている。この切目線K49は、切目線K43の左側面側の端部の切込み220における左側面側の端部と一致して形成され、糊代部49を背面部40に接着した状態では、切目線K49は、切目線K43の左側面側の端部の切込み220における左側面側の端部とが重なり合っている。なお、切目線K49を切込みではなく、切断予定線により形成してもよい。
また、切目線K41からは一対の切目線K44、K45が左右両側に下方に向けて形成されている。つまり、切目線K44は、切目線K41の右側面側の端部近傍(切目線K41の右側面側の端部としてもよい)から連設され、下方に向けて(背面部40の下辺に対して直角の方向に)形成され、切目線K45は、切目線K41の左側面側の端部近傍(切目線K41の左側面側の端部としてもよい)から連設され、下方に向けて(背面部40の下辺に対して直角の方向に)形成されている。切目線K44と切目線K45とは同一の長さに形成され、互いに平行に形成され、ともに直線状の切込み(連続した切込み)により形成されている。また、切目線K44の下端と切目線K45の下端を結ぶ折れ線C41が形成され、具体的には、背面部40の内側の面に折れ線C41に沿って罫線が形成されている。なお、切目線K44、K45を切込みではなく、切断予定線により形成してもよい。つまり、切目線K44、K45は、連続した切込みと切断予定線のいずれにより形成してもよい。
以上のように、切目線K42の切目線K41側の端部から切目線K20、K14を経て切目線K12の切目線K11側の端部までの連続した切目線K5−1が切込み210により形成され、また、切目線K43の切目線K41側の端部から切目線K30、K15を経て切目線K13の切目線K11側の端部までの連続した切目線K5−2が切込み220により形成されている。切目線K5−1における開封方向は、切目線K42の切目線K41側の端部から切目線K20、K14を経て切目線K12の切目線K11側の端部に至る方向であり、切目線K5−2の開封方向は、切目線K43の切目線K41側の端部から切目線K30、K15を経て切目線K13の切目線K11側の端部に至る方向である。
また、包装箱Aにおいては、背面部40に折れ線C42、C43が設けられ、右側面部20には、折れ線C21が設けられ、左側面部30には、折れ線C31が設けられている。
すなわち、折れ線(第1折れ線)C42は、切目線K41と切目線K44の接点の位置から背面部40の外側(右側面側)に向けて斜め上方に直線状に形成され、折れ線C42の上側の端部は、背面部40の右側面側上端の角部に位置している。具体的には、背面部40の内側の面に折れ線C42に沿って罫線が形成されている。
また、折れ線(第2折れ線)C43は、切目線K41と切目線K45の接点の位置から背面部40の外側(左側面側)に向けて斜め上方に直線状に形成され、折れ線C43の上側の端部は、背面部40の左側面側上端の角部に位置している。具体的には、背面部40の内側の面に折れ線C43に沿って罫線が形成されている。
つまり、折れ線C42は、背面部40の右側面側上端の角部から形成され、折れ線C43は、背面部40の左側面側の上端の角部から形成され、切目線K40側にいくに従い折れ線C42と折れ線C43間の長さが短くなるように形成されている。折れ線C42に沿って形成された罫線は、背面部40の右側面側上端の角部から切目線K40まで形成されているが、該罫線の下端と切目線40との間に間隔を設ける構成でもよく、該罫線の上端と背面部40の右側面側上端の角部との間に間隔を設ける構成でもよい。つまり、罫線(折れ線C42としてもよい)は、背面部40の右側面側上端の角部である(第1角部)と切目線K40の右側面側の端部から左側面側の端部までの途中位置(第1途中位置)(具体的には、切目線K41と切目線K44の接点の位置)の間の位置に第1角部と第1途中位置とを結ぶ方向に形成されていればよい。
同様に、折れ線C43に沿って形成された罫線は、背面部40の左側面側上端の角部から切目線K40まで形成されているが、該罫線の下端と切目線40との間に間隔を設ける構成でもよく、該罫線の上端と背面部40の左側面側上端の角部との間に間隔を設ける構成でもよい。つまり、罫線(折れ線C43としてもよい)は、背面部40の左側面側上端の角部である(第2角部)と切目線K40の左側面側の端部から右側面側の端部までの途中位置で第1途中位置よりも左側面側の途中位置(第2途中位置)(具体的には、切目線K41と切目線K45の接点の位置)の間の位置に第2角部と第2途中位置とを結ぶ方向に形成されていればよい。
また、折れ線(第3折れ線)C21は、切目線K24の途中位置(すなわち、背面側の端部から正面側の端部への途中位置)から背面側に向けて斜め上方に直線状に形成され、折れ線C21の上側の端部は、右側面部20の背面側上端の角部に位置している。つまり、折れ線C21は、右側面部20の背面側上端の角部から切目線K24の途中位置に向けて形成されている。具体的には、右側面部20の内側の面に折れ線C21に沿って罫線が形成されている。該罫線は、右側面部20の背面側上端の角部から切目線K24の途中位置まで形成されているが、折れ線C21の下端と切目線K24との間に間隔を設けてもよく、折れ線C21の上端と右側面部20の背面側上端の角部との間に間隔を設けてもよい。
つまり、該罫線の一方の端部は、右側面部20の背面上側の角部に位置し、該罫線の他方の端部は、切目線K24の途中位置に位置するが、罫線は、右側面部20の背面上側の角部や切目線K24の途中位置まで形成されていなくてもよく、罫線の端部が、該角部に向かう途中位置まで形成されたものとしてもよく(つまり、罫線の該角部側の端部と該角部との間には間隔が形成されている)、また、罫線の端部が、切目線K24の途中位置に向かう途中位置まで形成されたものとしてもよい(つまり、罫線の切目線K24の途中位置側の端部と切目線K24の途中位置との間には間隔が形成されている)。つまり、罫線(折れ線C21としてもよい)が、右側面部20の背面上側の角部(第3角部)と切目線K24の途中位置(第3途中位置)との間の位置に、右側面部20の背面上側の角部と切目線K24の途中位置を結ぶ方向に直線状に形成されていればよい。
ここで、折れ線C21と右側面部20の上辺間の角度α11と折れ線C21と右側面部20の背面側の辺部(折れ線C40としてもよい)間の角度α12は略同一であり、角度α11は、40〜45度となっている。右側面部20の上辺と背面側の辺部(折れ線C40としてもよい)は直角をなしている。
また、折れ線(第4折れ線)C31は、切目線K34の途中位置(すなわち、背面側の端部から正面側の端部への途中位置)から背面側に向けて斜め上方に直線状に形成され、折れ線C31の上側の端部は、左側面部30の背面側上端の角部に位置している。折れ線C31は、折れ線C21と左右対称に形成されている。つまり、折れ線C31は、左側面部30の背面側上端の角部から切目線K34の途中位置に向けて形成されている。具体的には、左側面部30の内側の面に折れ線C31に沿って罫線が形成されている。該罫線は、左側面部30の背面側上端の角部から切目線K34の途中位置まで形成されているが、折れ線C31の下端と切目線K34との間に間隔を設けてもよく、折れ線C31の上端と左側面部30の背面側上端の角部との間に間隔を設けてもよい。
つまり、該罫線の一方の端部は、左側面部30の背面上側の角部に位置し、該罫線の他方の端部は、切目線K34の途中位置に位置するが、罫線は、左側面部30の背面上側の角部や切目線K34の途中位置まで形成されていなくてもよく、罫線の端部が、該角部に向かう途中位置まで形成されたものとしてもよく(つまり、罫線の該角部側の端部と該角部との間には間隔が形成されている)、また、罫線の端部が、切目線K34の途中位置に向かう途中位置まで形成されたものとしてもよい(つまり、罫線の切目線K34の途中位置側の端部と切目線K34の途中位置との間には間隔が形成されている)。つまり、罫線(折れ線C31としてもよい)が、左側面部30の背面上側の角部(第4角部)と切目線K34の途中位置(第4途中位置)との間の位置に、左側面部30の背面上側の角部と切目線K34の途中位置を結ぶ方向に直線状に形成されていればよい。
また、折れ線C48は、糊代部49の上側で左側面部30側の角部から折れ線C49に対して傾斜して直線状に形成され、折れ線C48の折れ線C49に対する角度は、折れ線C43の背面部40の左側面側の辺部に対する角度と同一に形成され、包装箱Aを組み立てた状態では、折れ線C48は、折れ線C43に沿って設けられる。糊代部49の内側の面には、折れ線C48に沿って折曲げ用の罫線が形成されている。なお、折れ線C48に沿った罫線は、糊代部49の上側で左側面部30側の角部まで形成されていなくてもよく、罫線と該角部間に間隔が形成されていてもよい。
ここで、折れ線C31と左側面部30の上辺間の角度α21と折れ線C31と左側面部30の背面側の辺部(折れ線C49としてもよい)間の角度α22は略同一であり、角度α21は、40〜45度となっている。左側面部30の上辺と背面側の辺部(折れ線C49としてもよい)は直角をなしている。
正面部10における切目線K10よりも下側の部分が下正面部12となり、正面部10における切目線K10よりも上側の部分が上正面部15となる。下正面部12は、略U字状に形成され、左右両側を除く部分が低く形成されている。
また、右側面部20における切目線K20よりも下側の部分が下右側面部22となり、右側面部20における切目線K20よりも上側の部分が上右側面部25となる。また、上右側面部25において、折れ線C21よりも正面側の領域が正面側領域(第1正面側領域)26となり、折れ線C21よりも背面側の領域が背面側領域(第1背面側領域)27となる。つまり、上右側面部25は、折れ線C21を介して、正面側領域26と背面側領域27とに区画されている。
また、左側面部30における切目線K30よりも下側の部分が下左側面部32となり、左側面部30における切目線K30よりも上側の部分が上左側面部35となる。また、上左側面部35において、折れ線C31よりも正面側の領域が正面側領域(第2正面側領域)36となり、折れ線C31よりも背面側の領域が背面側領域(第2背面側領域)37となる。つまり、上左側面部35は、折れ線C31を介して、正面側領域36と背面側領域37とに区画されている。
また、背面部40における切目線K40よりも下側の部分が下背面部42となり、背面部40における切目線K40よりも上側の部分が上背面部45となる。また、下背面部42において切目線K41、K44、K45と折れ線C41により囲まれた領域が押さえ部44となり、下背面部42における押さえ部44以外の領域が下背面部本体43となる。また、上背面部45において、折れ線C42と折れ線C43により挟まれた領域が中央領域46となり、折れ線C42よりも右側面側の領域が右側領域47となり、折れ線C43よりも左側面側の領域が左側領域48となる。つまり、上背面部45は、折れ線C42と折れ線C43を介して、中央領域46と右側領域47と左側領域48とに区画されている。
なお、折れ線C42としての罫線の下端と切目線40との間に間隔を設け、折れ線C42としての罫線の上端と背面部40の右側面側上端の角部との間に間隔を設ける構成とし、折れ線C43としての罫線の下端と切目線40との間に間隔を設け、折れ線C43としての罫線の上端と背面部40の左側面側上端の角部との間に間隔を設ける構成とした場合には、中央領域46は、厳密には、「折れ線C42又は折れ線C42及びその延長線と折れ線C43又は折れ線C43及びその延長線の間の領域」といえるが、その場合も、中央領域46は、折れ線C42と折れ線C43間の領域であるといえる。
糊代部49における切目線K49よりも下側の部分が糊代下側部49−1となり、糊代部49における切目線K49よりも上側の部分が糊代上側部49−2となる。
ここで、切込み210について説明すると、切込み210は、第1傾斜部212と、第1傾斜部212の端部から連設された第2傾斜部214と、第2傾斜部214の第1傾斜部212とは反対側の端部から連設された直線部216とを有している。第1傾斜部212と第2傾斜部214と直線部216とは、ともにブランクの表面から裏面まで貫通した切込みにより形成されている。
ここで、第1傾斜部212は、直線部216の切目線開封方向(「切目線破断方向」としてもよい)において前側への延長線(仮想延長線)(第1仮想延長線)e16(直線部216の方向(開封方向、X1−X方向)としてもよい)に対して傾斜して形成され、第1傾斜部212と延長線e16間の角度(第2傾斜部214側の角度、開封方向における後側の角度)はα211で、角度α211は鋭角となっている。また、第1傾斜部212の延長線e16に対する直角方向(Y1−Y2方向)に対する角度はα214となっている(α214は0より大きい鋭角となっている(つまり、α214の大きさは、90度−α211である)))。この第1傾斜部212は、直線状に形成されている。つまり、延長線e16は、直線部216の切目線開封方向と反対方向への仮想延長線である。
第1傾斜部212の第2傾斜部214側とは反対側の端部(第1端部)m11が、第1傾斜部212の第2傾斜部214との接触点(第1接触点)m12よりも開封方向において前側(X1側)にある。つまり、端部m11が接触点m12よりも切目線開封方向において前側に位置するように延長線e16に対して傾斜している。なお、切目線開封方向は、X1側からX2側への方向であり、X1側が切目線開封方向において前側であり、X2側が切目線開封方向において後側である。
また、端部m11と接触点m12とは、直線部216の延長線e16を介して両側に配置されている。つまり、延長線e16の一方の側(内側)に端部m11があり、他方の側(外側)に接触点m12がある。これにより、開封方向前側(X1側)の切込み210の直線部216の後端の端部m14からの直線部216の切目線開封方向への延長線(直線状の延長線)(仮想延長線)(第2仮想延長線)f16が、第1傾斜部212と交わるようになっている。つまり、ある切込み210の直線部216の延長線f16が、開封方向に隣接する切込み210の第1傾斜部212と交わる。
また、端部m11と延長線e16間の長さL11は、接触点m12と延長線e16間の長さL12よりも長く形成され(L11>L12)、これにより、第1傾斜部212と延長線e16の交点をm16とした場合に、端部m11と交点m16間の距離は、接触点m12と交点m16間の距離よりも長く形成されている。
また、第2傾斜部214は、延長線e16に対して傾斜して形成され、第2傾斜部214と延長線e16間の角度(開封方向における前側の角度)はα212であり、角度α212は鋭角となっている。角度α212と角度α211とは、延長線e16に沿って互いに対向している。また、第2傾斜部214と第1傾斜部212間の角度(端部m11と接触点(第2接触点)m13を結ぶ直線(仮想直線)18側の角度(延長線e16側の角度としてもよい))はα213となっている。第2傾斜部214は、直線状に形成されている。
また、第2傾斜部214の第1傾斜部212との接触点m12は、第2傾斜部214の直線部216との接触点m13よりも開封方向において前側(X1側)にある。
また、直線部216は、接触点m13から切目線開封方向に沿って(つまり、X1−X2方向に)形成され、直線状に形成されている。つまり、直線部216は、接触点m13と端部(第2端部)m14間に直線状に切目線開封方向に形成されている。なお、接触点m13は、端部m14よりも切目線開封方向において前側にある。直線部216と第2傾斜部214とがなす角度α215(直線部216と第2傾斜部214とがなす角度で大きい方の角度)は、鈍角に形成されている。
ここで、第1傾斜部212の長さ(第1傾斜部212に沿った長さ)と第2傾斜部214の長さ(第2傾斜部214に沿った長さ)と直線部216の長さ(直線部216に沿った長さ)とを比較すると、第2傾斜部214が最も長く形成され、第1傾斜部212が最も短く形成されている。
また、角度α211と角度α212とを比較すると、角度α211が角度α212よりも大きく形成されている(α211>α212)。例えば、角度α211は70〜85度で、角度α212は5〜30度に形成されている(なお、角度α211、α212は他の角度でもよい)。なお、角度α211の角度の値は、角度α212の角度の値の2倍以上(より好適には3倍以上)の角度の値とするのが好ましい。
また、角度α213は、直角以下の角度に形成され、例えば、75〜90度に形成されている(なお、角度α213は他の角度でもよい)。
なお、切れ目線K5−1の各切込み210における直線部216は、同一線上に形成され、複数の切込み210からなる切目線が直線状に形成されている場合には、直線部216は同一直線上に形成され、複数の切込み210からなる切目線が曲線状に形成されている場合には、直線部216は同一曲線上に形成される。つまり、複数の切込み210からなる切目線が曲線状に形成されている場合には、直線部216は、同一曲線上に配置され、例えば、直線部216の一方の端部である接触点m13は、同一曲線状に配置され、直線部216の他方の端部である接触点m14は、同一曲線状に配置される。
切目線K5−1の開封方向は、複数の切込み210における同じ箇所を結ぶ方向といえ、例えば、複数の切込み210における接触点m13を結ぶ方向が切目線K5−1の開封方向といえ、切目線K5−1が直線状に形成されている場合には、複数の接触点m13を結ぶ方向が直線状となり、切目線K5−1が曲線状に形成されている場合には、複数の接触点m13を結ぶ方向が曲線状となる。
なお、切目線K5−1において、切込み210は同じ構成であり、隣接する切込み210間の間隔は、原則として同一に形成され、少なくとも複数の切込み210からなる切目線が直線状に形成されている場合には、隣接する切込み210間の間隔は、同一に形成されている。ただし、切目線K5−1において、屈曲する箇所においては、上記構成の切込み210が変形して形成され、切目線K12と切目線K14間の箇所や切目線K22と切目線K24間の箇所では、第2傾斜部214の端部から直線部216の代わりに略円弧状の切込みが形成されている。
また、切込み220は、切込み210と線対称の構成であり、切込み220は、第1傾斜部222と、第1傾斜部222の端部から連設された第2傾斜部224と、第2傾斜部224の第1傾斜部222とは反対側の端部から連設された直線部226とを有している。第1傾斜部222と第2傾斜部224と直線部226とは、ともにブランクの表面から裏面まで貫通した切込みにより形成されている。
ここで、第1傾斜部222は、直線部226の切目線開封方向と反対方向への延長線(仮想延長線)(第1仮想延長線)e26(直線部226の方向(開封方向、X1−X2方向)としてもよい)に対して傾斜して形成され、第1傾斜部222と延長線e26間の角度(鋭角の角度)(第2傾斜部224側の角度、開封方向における後側の角度)はα221で、第1傾斜部222の延長線e26に対する直角方向(Y1−Y2方向)に対する角度はα224となっている(α224は0より大きい鋭角である(つまり、α224の大きさは、90度−α221である))。この第1傾斜部222は、直線状に形成されている。
第1傾斜部222の第2傾斜部224側とは反対側の端部(第1端部)m21が、第1傾斜部222の第2傾斜部224との接触点(第1接触点)m22よりも開封方向において前側(X1側)にある。
また、端部m21と接触点m22とは、直線部226の延長線e26を介して両側に配置されている。つまり、延長線e26の一方の側(内側)に端部m21があり、他方の側(外側)に接触点m22がある。これにより、開封方向前側(X1側)の切込み220の直線部226の後端の端部(第2端部)m24からの直線部226の切目線開封方向への延長線(直線状の延長線)(仮想延長線)(第2仮想延長線)f26が、第1傾斜部222と交わるようになっている。つまり、ある切込み220の直線部226の延長線f26が、開封方向に隣接する切込み220の第1傾斜部222と交わる。
また、端部m21と延長線e26間の長さL21は、接触点m22と延長線e26間の長さL22よりも長く形成され(L21>L22)、これにより、第1傾斜部222と延長線e26の交点をm16とした場合に、端部m11と交点m26間の距離は、接触点m22と交点m26間の距離よりも長く形成されている。
また、第2傾斜部224は、延長線e26に対して傾斜して形成され、第2傾斜部224と延長線e26間の角度(鋭角の角度)(開封方向における前側の角度)はα222であり、また、第2傾斜部224と第1傾斜部222間の角度(端部m21と接触点(第2接触点)m23を結ぶ直線(仮想直線)28側の角度(延長線e26側の角度としてもよい))はα223となっている。第2傾斜部224は、直線状に形成されている。
また、第2傾斜部224の第1傾斜部222との接触点m22は、第2傾斜部224の直線部226との接触点m23よりも開封方向において前側(X1側)にある。
また、直線部226は、接触点m23から開封方向に向けて形成され、直線状に形成されている。直線部226と第2傾斜部224とがなす角度α225(直線部226と第2傾斜部224とがなす角度で大きい方の角度)は、鈍角に形成されている。
ここで、第1傾斜部222の長さ(第1傾斜部222に沿った長さ)と第2傾斜部224の長さ(第2傾斜部224に沿った長さ)と直線部226の長さ(直線部226に沿った長さ)とを比較すると、第2傾斜部224が最も長く形成され、第1傾斜部222が最も短く形成されている。
また、角度α221と角度α222とを比較すると、角度α221が角度α222よりも大きく形成されている(α221>α222)。例えば、角度α221は70〜85度で、角度α222は5〜30度に形成されている(なお、角度α221、α222は他の角度でもよい)。なお、角度α221の角度の値は、角度α222の角度の値の2倍以上(より好適には3倍以上)の角度の値とするのが好ましい。
また、角度α223は、直角以下の角度に形成され、例えば、75〜90度に形成されている(なお、角度α223は他の角度でもよい)。
なお、切目線K5−2の各切込み220における直線部226は、同一線上に形成され、複数の切込み220からなる切目線が直線状に形成されている場合には、直線部226は同一直線上に形成され、複数の切込み220からなる切目線が曲線状に形成されている場合には、直線部226は同一曲線上に形成される。
なお、切目線K5−2において、切込み220は同じ構成であり、隣接する切込み220間の間隔は、原則として同一に形成され、少なくとも複数の切込み220からなる切目線が直線状に形成されている場合には、隣接する切込み220間の間隔は、同一に形成されている。ただし、切目線K5−2において、屈曲する箇所においては、上記構成の切込み220が変形して形成され、切目線K13と切目線K15間の箇所や切目線K32と切目線K34間の箇所では、第2傾斜部224の端部から直線部226の代わりに略円弧状の切込みが形成されている。
ここで、切目線K5−1、K5−2においては、直線部216の後端の端部m14からの直線部216の延長線f16が、次の切込み210における第1傾斜部212と交わり(つまり、延長線e16の両側に端部m11と接触点m12がある)、また、直線部226の後端の端部m24からの直線部226の延長線f26が、次の切込み220における第1傾斜部222と交わる(つまり、延長線e26の両側に端部m21と接触点m22がある)ので、第1傾斜部212、222により破断力を広く受け止めることができる。よって、ブランクの切断面(つまり、包装箱Aの上側構成部A−2を除いた後の下側構成部A−1の切断面)の見栄えをよくすることができる。また、直線部216、226からの破断力を第1傾斜部212、222により広く受け止め、第1傾斜部212、222以外に1つ前の切込み210、20の直線部216、226からの破断力を直接受け止める切込みがないので(例えば、第2傾斜部214、224の前側の端部は、直線部216、226の延長線からずれているので、第2傾斜部214、224により直線部216、226からの破断力を直接受け止めることはない)、破断の際の感触を一定にできて円滑な破断を行なうことができる。また、剥離を生じるおそれが少ないので、その分少ない力で破断を行なうことができる。
また、第1傾斜部212、222が開封方向に対する直角方向に対して傾斜しており、第1傾斜部212、222の第2傾斜部214、224側が開封方向後側(X2側)となっている(つまり、接触点m12が端部m11よりも後側にあり、接触点m22が端部m21よりも後側にある)ので、第1傾斜部212、222に伝えられた破断力をスムーズに第2傾斜部214、224に伝えることができる。よって、少ない力で破断を行なうことができる。
また、角度α211が角度α212よりも大きく、角度α221が角度α222よりも大きい(α211>α212、α221>α222)ので、第1傾斜部212、222の延長線e16、e26に対する傾斜が大きく、第1傾斜部212、222からの破断力が第2傾斜部214、224に伝わりやすく、ブランクの紙材の剥離が起こりにくい。よって、ブランクの切断面(つまり、包装箱Aの上側構成部A−2を除いた後の下側構成部A−1の切断面)の見栄えをよくすることができる。すなわち、α211<α212、α221<α222であるとすると、第1傾斜部212、222の延長線e16、e26に対する傾斜が小さくなり、第2傾斜部214、224の延長線e16、e26に対する傾斜が大きくなるので、第1傾斜部212、222からの破断力が第2傾斜部214、224に伝わるよりも、ブランクの紙材を剥離する方に使われてしまい、剥離が起こりやすくなるが、本実施例の場合には、そのようなおそれが小さい。
また、角度α213、α223が直角以下に形成されているので、その分、第1傾斜部212、222の延長線e16、e26に対する角度α211、α221を大きくすることができて、1つ前の切込み210、220からの破断力を第1傾斜部212、222で受け止めやすく、また、角度α213、α223が直角以下に形成されているので、その分、直線部216、226の長さを確保することができる。すなわち、切目線における隣接する切込み間のピッチ(例えば、ある切込みの前端から次の切込みの前端までの長さ)は、ある程度決められており(G段やF段で約10mm)、すると、角度α213、α223が大きくなると、その分直線部216、226の長さを確保できず、直線部216、226の長さが短いと、その分直線部216、226からの破断力が広い角度に拡散しやすいことから、直線部216、226の長さを確保することにより、直線部216、226からの破断力が拡散する角度を小さくして、確実に次の切込み210、220の第1傾斜部212、222に破断力を伝えることができる。よって、ブランクの紙材の剥離が少なく、また、少ない力で破断を行なうことができる。また、直線部216、226からの破断力を第1傾斜部212、222により広く受け止め、第1傾斜部212、222以外に直線部216、226からの破断力を直接受け止める切込みがないので、破断の際の感触を一定にできて円滑な破断を行なうことができる。
また、長さL11が長さL12よりも長く形成され、長さL21が長さL22よりも長く形成されているので(L11>L12、L21>L22)、ブランクの切断面(つまり、包装箱Aの上側構成部A−2を除いた後の下側構成部A−1の切断面)の凹凸を小さくすることができる。つまり、ブランクの切断面の凹凸の深さは、L12、L22により決まるので、L12、L22を小さくすることによりブランクの切断面の凹凸を小さくして、ブランクの切断面の見栄えをよくすることができる。
また、長さL11(L21)を長さL12(L22)よりも長くするので、1つ前の切込み210、20からの破断力を広く受け止めることができる。つまり、1つ前の切込み210、20からの破断力においては、包装箱Aにおける切目線5よりも上側の部分を上側に引っぱるので直線部216、226の延長線上よりも上側に向かう成分が多いが、長さL11、L21を長くするので、破断力を広く受け止めることが可能となる。よって、ブランクの紙材の剥離が少なく、また、少ない力で破断を行なうことができる。また、長さL11(L21)が長いので、直線部216、226からの破断力を第1傾斜部212、222により広く受け止め、第1傾斜部212、222以外に直線部216、226からの破断力を直接受け止める切込みがないので、破断の際の感触を一定にできて円滑な破断を行なうことができる。
また、底面部50は、第1片部60と、第2片部70と、第3片部80と、第4片部90とを有し、包装箱Aの組立て状態においては、略方形状の外形を呈している。
ここで、第1片部60は、正面部10の下辺から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成され、その上面の一部が包装箱Aの内底面の一部を形成している。この第1片部60は、底面部50の組立て状態においては、第4片部90と点対称に形成されている。
また、第2片部70は、右側面部20の下辺から折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、第2片部70の上面の一部が包装箱Aの内底面の一部を形成している。また、第2片部70の角部(右側面部20と背面部40の境界位置の角部)からは第2片部70の右側面部20との境界をなす辺部に対して斜めに所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)折れ線70−1(この折れ線70−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、包装箱Aを折り畳む際に、容易に折り畳むことができるようになっている。第2片部70は、折れ線70−1を介して本体部72と先端部74とに区画される。本体部72の先端の先端部74側には、他方の本体部82と互いに係止するように切欠部72aが形成されている。先端部74の上面は、第4片部90の下面に接着されている。
また、第3片部80は、左側面部30の下辺から折れ線を介して連設され、底面部50の組立て状態においては、第2片部70と点対称に形成されている。すなわち、第3片部80は、左側面部30の下端から折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、第3片部80の上面の一部が包装箱Aの内底面の一部を形成している。また、第3片部80の角部(左側面部30と正面部10の境界位置の角部)からは第3片部80の左側面部30との境界をなす辺部に対して斜めに所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)折れ線80−1(この折れ線80−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、包装箱Aを折り畳む際に、容易に折り畳むことができるようになっている。第3片部80は、折れ線80−1を介して本体部82と先端部84とに区画される。本体部82の先端の先端部84側には、他方の本体部72と互いに係止するように切欠部82aが形成されている。先端部84の上面は、第1片部60の下面に接着されている。
また、第4片部90は、背面部40の下辺から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成され、その上面の一部が包装箱Aの内底面の一部を形成している。
また、フラップ部110は、正面部10の上辺から折れ線C110を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。
また、蓋部120は、右側面部20の上辺から折れ線C120を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。
また、蓋部130は、左側面部30の上辺から折れ線C130を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。
また、フラップ部140は、背面部40の上辺から折れ線C140を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。
フラップ部110の横方向の長さは正面部10の横方向の長さよりも若干短く形成され(フラップ部110の左右両側の辺部は、正面部10の左右両側の辺部よりもやや内側にある)、蓋部120の横方向の長さは右側面部20の横方向の長さよりも若干短く形成され(蓋部120の前後両側の辺部は、右側面部20の前後両側の辺部よりもやや内側にある)、蓋部130の横方向の長さは左側面部30の横方向の長さよりも若干短く形成され(蓋部130の前後両側の辺部は、左側面部30の前後両側の辺部よりもやや内側にある)、フラップ部140の横方向の長さは背面部40の横方向の長さよりも若干短く形成され(フラップ部140の左右両側の辺部については、右側面側の辺部が、背面部40の右側面側の辺部よりもやや内側にあり、左側面側の辺部が、背面部40の左側面側の辺部の延長線上にある)、包装箱Aの展開状態において、蓋部130とフラップ部110間と、フラップ部110とフラップ部120間と、蓋部120とフラップ部140間には、隙間が形成されている。
フラップ部110、140と蓋部120、130の基端から先端までの長さは、同じ長さに形成されていて、該長さは、蓋部120を右側面部20に対して内側に直角に折曲し、蓋部130を左側面部30に対して内側に直角に折曲した際に、蓋部120の先端と蓋部130の先端とが当接する長さ(具体的には、正面部10の横方向の長さの略半分の長さ)に形成されている。
これら蓋部120、130とフラップ部110、140は、包装箱Aの上面を開閉するものであり、特に、蓋部120、130を閉状態とすることにより包装箱Aの上面が塞がれる。なお、蓋部120、130とフラップ部110、140は、予め上方に立設した状態になっていて、包装箱Aの上方が開口した状態になっている。なお、蓋部120、130は、右側面部20の上辺及び左側面部30の上辺から連設されているが、スリーブ状部5を構成する各部における少なくとも1つの上辺から連設されていればよい。
上記構成の包装箱Aの使用方法について説明する。包装箱Aは、上記のように構成されているので、底面部5を折り畳んだ状態(スリーブ状部5内に折り畳んだ状態)とし、正面部10と左側面部30間の角度を小さくし、背面部40と右側面部20間の角度を小さくして、正面部10と右側面部20とを全体で1枚の平板状とし、背面部40と左側面部30とを全体で1枚の平板状とすることにより、包装箱Aを折り畳んだ状態とすることができ、包装箱Aを折り畳んだ状態で、包装箱Aの保管や運搬を行なうことができる。
また、包装箱Aを組み立てた状態では、図1〜図4に示す状態となり、底面部50が略平板状となり、スリーブ状部5を構成する各部材(正面部10、右側面部20、左側面部30、背面部40)における隣接する部材は互いに直角となる。また、正面部10と背面部40とが互いに平行であり、右側面部20と左側面部30とが互いに平行となる。
そして、包装箱Aの上方から被収納物(商品)Gを収納する。なお、蓋部120、130とフラップ部110、140はスリーブ状部5に対して予め上方に立設した状態になっていて、包装箱Aの上方が開口した状態になっているので、被収納物Gはそのまま包装箱Aの上方から収納すればよい。その後、フラップ部110、140を内側に折曲させるとともに蓋部120、130を内側に折曲させて、蓋部120、130を閉状態とし、接着テープTを正面部10から上面を経て背面部40にまで接着させることにより、図10に示す状態とする。つまり、図10に示す状態では、蓋部120、130が閉状態で固定されている。
以上のようにして、蓋部120、130を閉状態にして被収納物を包装箱Aに包装したら、被収納物Gを収納した包装箱Aを被収納物Aを陳列する場所に搬送する。
包装箱Aを陳列場所において、被収納物を陳列した状態とするには、以下に説明するように、包装箱Aの上側構成部A−2を取り除く。すなわち、背面部40における押さえ部44を押して押さえ部44を折れ線C41を介して内側に回動させる。つまり、押さえ部44を内側に押すことにより、切目線K41が破断し、押さえ部44が折れ線C41を介して回動する。すると、中央領域46の下側に指を入れるスペースが形成されるので、中央領域46の下側に一方の手の指を挿入して、中央領域46の下端に指をひっかける。
その後、中央領域46の下端を外側にひっぱることにより、右側領域47及び左側領域48が中央領域46側から徐々にひっぱられて、切目線K42、K43が破断する。中央領域46の下端を外側にひっぱった状態では、折れ線C42、C43は外側から見て山折りの状態となる。つまり、右側領域47が中央領域46に対して折れ線C42を介して内側に折曲するとともに、左側領域48が中央領域46に対して折れ線C43を介して内側に折曲する。特に、折れ線C42、C43が設けられているので、右側領域47の切目線K42に沿った辺部と左側領域48の切目線K43に沿った辺部が前後方向に傾斜しやすく切目線K42、K43が容易となる。
その後、中央領域46の下端を外側にさらにひっぱることにより、切目線K24における下右側面部22と背面側領域27間の部分の切目線K24−1が背面側から破断していき、切目線K34における下左側面部32と背面側領域37間の部分の切目線K34−1が背面側から破断していく(図11参照)。
つまり、中央領域46の下端を外側にひっぱることにより、背面側領域27が折れ線C21を介して内側に回動して下右側面部22と背面側領域27とが横方向に離間しようとするとともに、背面側領域37が折れ線C31を介して内側に回動して下左側面部32と背面側領域37とが横方向に離間しようとして、切目線K24−1、K34−1が破断する。その際、背面側領域27が折れ線C21を介して内側に回動し(つまり、背面側領域27が正面側領域26に対して折れ線C21を介して内側に折曲する)、背面側領域37が折れ線C31を介して内側に回動する(つまり、背面側領域37が正面側領域36に対して折れ線C21を介して内側に折曲する)ので、折れ線C21と折れ線C31は外側から見て山折りの状態となる。特に、折れ線C21、C31が設けられているので、背面側領域27、37が折れ線C21、C31を介して回動しやすく、切目線K24−1、K34−1を破断しやすくすることができる。また、折れ線C21における角度α11と角度α12が略同一であり、折れ線C31における角度α21と角度α22とが略同一であるので、背面側領域27、37の折れ線C21、C31を介した回動が容易であり、これによっても切目線K24−1、K34−1を破断しやすくすることができる。
なお、切目線K42、K43と切目線K24−1、K34−1は中央領域46の下端を外側にひっぱることにより破断されるので、実際には、中央領域46の下端を外側にひっぱるという1つの動作により、切目線K42、K43から切目線K24−1、K34−1まで(切目線K24−1、K34−1の正面側の端部まで)を破断させることができる。つまり、下背面部42における一対の切目線K44、K46間の領域である押さえ部44を外側から押して、中央領域46の下端に指をひっかけ、中央領域46の下端を外側にひっぱることにより、左側領域47と下背面部42間の切目線K42と右側領域48と下背面部42間の切目線K43とが破断し、上右側面部25における折れ線C21よりも背面側の領域である背面側領域27が折れ線C21を介して内側に回動して切目線K24−1(切目線K24における背面側領域27と下右側面部22間の切目線)が破断するとともに、上左側面部35における折れ線C31よりも背面側の領域である背面側領域37が折れ線C31を介して内側に回動して切目線K34−1(切目線K34における背面側領域37と下左側面部32間の切目線)が破断する。破断の順序としては、中央領域46の下端を外側にひっぱることにより切目線K42、K43が内側から破断し、その後、切目線K24−1、K34−1が背面側から破断する。
なお、切目線K24−1、K34−1を破断する際に、中央領域46の下端を外側にさらにひっぱるとともに、中央領域46を上方に引き上げる動作を行なうことにより、下右側面部22と背面側領域27とが縦方向に離間しようとするとともに、下左側面部32と背面側領域37とが縦方向に離間しようとするので、切目線K24−1、K34−1が破断していく。つまり、横方向の離間動作のみならず縦方向の離間動作を得ることができるので、切目線K24−1、K34−1を破断しやすくすることができる。
その後、図12に示すように、中央領域46を持つ手を上方に引き上げることにより、切目線K24、K34が正面側に向けて破断していく。つまり、切目線K24における下右側面部22と正面側領域26間の部分の切目線K24−2と、切目線K34における下左側面部32と正面側領域36間の部分の切目線K34−2とを正面側の端部位置まで破断していく。その際、図12に示すように、他方の手で下側構成部A−1の背面側の箇所を押さえた状態とするのが好ましい。つまり、左手で押さえる場合には、図12に示すように、下背面部42と下右側面部22の角部の上端を押さえ、右手で押さえる場合(この場合は、中央領域46を左手で引き上げる)には、下背面部42と下左側面部32の角部の上端を押さえる。
切目線K24は、切目線K24−1と切目線K24−2とから構成され、切目線K34は、切目線K34−1と切目線K34−2とから構成されている。
切目線K24、K34を正面側に破断していく際に、切目線K24、K34が正面側にいくに従い上方となるように水平方向に対して傾斜して形成されているので、切目線K24、K34を破断しやすくすることができる。つまり、切目線K24、K34が正面側に向けて上方に形成されているので、上側構成部A−2の背面側の端部を持ち上げる動作で切目線K24、K34を破断でき、上側構成部A−2の背面側の端部を持ち上げる動作は力を入れやすく、また、破断箇所に掛かる力の方向が、切目線の破断方向に対する直角方向よりも破断方向(切目線に沿った方向で、破断する側への方向)に傾斜している(破断箇所に掛かる力の方向と破断方向とがなす角度が鋭角となる)ので、切目線をより破断しやすくすることができる。つまり、破断箇所に掛かる力Fの方向を鉛直方向(水平方向に対する直角方向)とすると(中央領域46を上方に引き上げるので、破断箇所に掛かる力Fの方向を鉛直方向(水平方向に対する直角方向)となる)、破断箇所に掛かる力Fの方向と破断方向とがなす角度αは鋭角となり、図15(a)に示すように、破断箇所に掛かる力Fは、破断方向と直角方向の成分F1と、破断方向への成分F2とに分けられ、成分F1のみならず成分F2が存在するので、破断が容易となる。この場合と比較して、切目線の方向が水平方向の場合には、図15(b)のように、破断箇所に掛かる力Fの方向と破断方向とがなす角度αが直角となり、破断方向に直角の力のみとなり、破断方向への力の成分がないため、図15(a)の場合に比べて破断が困難となる。また、切目線の方向が破断方向に向けて下降している場合には、図15(c)のように、破断箇所に掛かる力Fの方向と破断方向とがなす角度αが鈍角となり、破断箇所に掛かる力Fは、破断方向と直角方向の成分F1と破断方向と反対方向の成分F2に分けられるため、図15(b)の場合に比べてさらに破断が困難となる。なお、図15においては、切目線を模式的に直線により示している。
なお、切目線K42における複数の切込み210の配設方向は、切目線K41側から背面部40の左側面側の端部(切目線K24側)にいくに従い上側となるように斜め上方に傾斜しており、切目線K43における複数の切込み220の配設方向は、切目線K41側から背面部40の右側面側の端部にいくに従い上側となるように斜め上方に傾斜しているので、切目線K24、K34の場合と同じ理由で破断しやすいといえる。つまり、中央領域46の下端を外側にひっぱることにより、中央領域46は背面部40の上辺を中心に回動するので、中央領域46の下端は上下方向では上側にひっぱられ、中央領域46の下端が上側にひっぱられるに伴い、左側領域47と右側領域48の下端も上側にひっぱられるが、破断箇所に掛かる力の方向が、切目線の破断方向に対する直角方向よりも破断方向(切目線に沿った方向で、破断する側への方向)に傾斜している(破断箇所に掛かる力の方向と破断方向とがなす角度が鋭角となる)ので、切目線をより破断しやすくすることができる。
切目線K24、K34の正面側の端部位置にまで破断したら、中央領域46を正面側斜め上方に引き上げることにより、上側構成部A−2が切目線K22、K32の正面側の端部位置を中心に回動しながら切目線K22、K32が破断されるので、その後、上側構成部A−2をさらに正面側(又は正面下側)にひっぱることにより、切目線K14、K15が破断され、その後、切目線K12、K13が破断されて、最後に切目線K11が破断されて、上側構成部A−2が下側構成部A−1と分離される。
上側構成部A−2を取り外した状態は、図13、図14に示すようになり、下側構成部A−1に被収納物Gが収納された状態となるので、この状態で、被収納物Gを陳列する。
なお、下正面部12は、略U字状に形成され、左右両側を除く部分が低く形成されているので、被収納物Gを正面側から視認しやすくなっている。また、下側構成部A−1の上方は開口しているので、被収納物Gを取り出す場合には、被収納物Gを上方に引き出して取り出せばよい。
なお、包装箱Aでは、上側構成部A−2を取り除くものであり、帯状のジッパーを取り除く構成ではないため、帯状のジッパーが廃棄物として発生せず、上側構成部A−2のみを廃棄すればよい。つまり、2本の平行な切目線を周状に形成して帯状のジッパーを設けた構成の場合には、ジッパーの上側の部分とジッパー自体の2つの廃棄物が発生するが、本実施例の場合には、廃棄物としては、上側構成部A−2のみとすることができる。
以上のように、本実施例の包装箱Aによれば、押さえ部44を押すことにより、中央領域46の下側に指を入れるスペースが形成されるので、包装箱Aの上側構成部A−2を取り除く際に、最初に指を引っ掛ける操作を容易に行なうことができる。
また、上記のように、折れ線C42、C43が設けられているので、切目線K42、K43の破断が容易であり、折れ線C21、C31が設けられているので、切目線K24−1、K34−1の破断が容易となり、中央領域46の下端を外側にひっぱるという1つの動作により、切目線K42、K43から切目線K24−1、K34−1までを破断させることができる。また、切目線K24、K34が正面側にいくに従い上方となるように水平方向に対して傾斜して形成されているので、切目線K24、K34の破断が容易とすることができる。以上のようにして、最初に指を引っ掛ける操作の後の切目線の切断を容易に行なうことができる。
なお、上記の説明において、切目線K24は、背面側から正面側にいくに従い上方となるように直線状に形成されているとしたが、背面側から正面側にいくに従い上方となるように曲線状に形成してもよく(例えば、正面側に向けて傾斜角度が大きくなるように円弧状に形成する)、同様に、切目線K34は、背面側から正面側にいくに従い上方となるように直線状に形成されているとしたが、背面側から正面側にいくに従い上方となるように曲線状に形成してもよい(例えば、正面側に向けて傾斜角度が大きくなるように円弧状に形成する)。なお、この点を実施例2の切目線K24’、K34’に適用してもよい。
また、切目線K24は直線状に形成されているとしたが、切目線K24−1と切目線K24−2の境界位置(折れ線C21の切目線K24側の端部位置)で屈曲した構成としてもよく、切目線K24−1は、背面側から正面側にいくに従い上方となる構成でなくてもよく、例えば、切目線K24−1を水平方向に形成してもよい。同様に、切目線K34は直線状に形成されているとしたが、切目線K34−1と切目線K34−2の境界位置(折れ線C31の切目線K34側の端部位置)で屈曲した構成としてもよく、切目線K34−1は、背面側から正面側にいくに従い上方となる構成でなくてもよく、例えば、切目線K34−1を水平方向に形成してもよい。なお、この点を実施例2の切目線K24’、K34’に適用してもよい。
また、切目線K42、K43は背面部40の外側にいくほど上側となるように傾斜して形成されているとしたが、水平方向(背面部40の下辺と平行な方向)に形成してもよい。なお、この点を実施例2の切目線K42’、K43’に適用してもよい。
また、切目線K20は、切目線K22と切目線K24とを有しているが、切目線K22の代わりに切目線K24を右側面部20の正面側の端部にまで延長させた構成としてもよく、切目線K30は、切目線K32と切目線K34とを有しているが、切目線K32の代わりに切目線K34を左側面部30の正面側の端部にまで延長させた構成としてもよい。つまり、切目線K20が右側面部20の背面側の端部から正面側の端部にまで正面側にいくほど上側となるように形成され、切目線K30が左側面部30の背面側の端部から正面側の端部にまで正面側にいくほど上側となるように形成されるようにしてもよい。その場合には、切目線K20、K30が直線状としてもよく曲線状としてもよい。なお、この点を実施例2の切目線K20’、K30’に適用してもよい。
次に、実施例3の包装箱Cは、図17〜図19に示すように構成され、実施例1や実施例2の包装箱と略同様の構成であるが、主として以下の点が異なる。
すなわち、切目線K5において、切目線K20が、上側に膨出した略円弧状に形成され、第2切目線主構成部としての切目線K24は、切目線K20における背面部40側の端部から切目線K20の頂部(切目線K20における最上端の箇所)までの部分であり、第2切目線副構成部としての切目線K22は、切目線K20の頂部から正面部10側の端部までとなる。
なお、実施例1、実施例2の場合と同様に、切目線K24において、下右側面部22と背面側領域27間の部分が切目線K24−1となり、切目線K24において、切目線K24における下右側面部22と正面側領域26間の部分が切目線K24−2となる。
つまり、切目線K24は、背面側から正面側にいくに従い上方となるように曲線状に形成され、正面側にいくに従い、右側面部20の底面部側の辺部に対する傾斜角度が小さくなっている(つまり、該曲線状をなす曲線における接線の右側面部20の底面部側の辺部に対する角度が、正面側にいくに従い小さくなる)。
また、切目線K22は、背面側から正面側にいくに従い下方となるように曲線状に形成され、正面側にいくに従い、右側面部20の底面部側の辺部に対する傾斜角度が大きくなっている(つまり、該曲線状をなす曲線における接線の右側面部20の底面部側の辺部に対する角度が、正面側にいくに従い大きくなる)。
切目線K24の前後方向の長さは、右側面部20の前後方向の長さの半分(略半分としてもよい)であり、切目線K22の前後方向の長さは、右側面部20の前後方向の長さの半分(略半分としてもよい)となっている。
また、実施例1、実施例2の場合と同様に、切目線K24−1の前後方向の長さは、右側面部20の前後方向の長さの略1/3となっている。
また、切目線K30は、切目線K20と対称に形成され(包装箱Cの組立て状態では、面対称、包装箱Cの展開状態では、線対称に形成されている)、切目線K30は、第3切目線主構成部としての切目線K34と、第3切目線副構成部としての切目線径32とを有している。また、、切目線K34において、下左側面部32と背面側領域37間の部分が切目線K34−1となり、切目線K34において、切目線K34における下左側面部32と正面側領域36間の部分が切目線K34−2となる。
また、正面部10においては、切目線K14は、包装箱Cの展開状態において、切目線K20の曲率と同じ曲率で円弧状に形成され(つまり、切目線K20と切目線K14とで1つの円弧状を呈している)、また、切目線K15は、包装箱Cの展開状態において、切目線K30の曲率と同じ曲率で円弧状に形成されている(つまり、切目線K30と切目線K15とで1つの円弧状を呈している)。
なお、切目線K30の背面側の端部の上下方向の位置は、切目線K40の左側面側の端部の上下方向位置と一致しており、切目線K10と切目線K20と切目線K30と切目線K40とを有する切目線K5は、全体に周状に形成されている。
また、実施例1、2の場合と比べて、背面部40においては、切目線K40が下側の位置にあり、その影響で、折れ線C42、C43の背面部40の上辺に対する角度(鋭角)が、実施例1、2の場合と比べて大きくなっている。
同様に、右側面部20においては、折れ線C21の右側面部20の上辺に対する角度が、実施例1、2の場合に比べて大きくなっており、また、左側面部30においては、折れ線C31の左側面部30の上辺に対する角度が、実施例1、2の場合に比べて大きくなっている。
また、糊代部49は、背面部40の左側面側の辺部から折れ線を介して連設され(つまり、包装箱Cは、展開状態において、左側面部30、正面部10、右側面部20、背面部40、糊代部49の順に連設されている)、糊代部49には、切目線K40から連設された切目線K49が設けられている。また、糊代部49には、背面側の上端の角部から形成された折れ線C48が設けられ、折れ線C48の背面部40と糊代部49間の折れ線に対する角度が、折れ線C31の左側面部30の背面側の辺部に対する角度と同一に形成され、包装箱Cの組立て状態において、折れ線C48は折れ線C31に沿って設けられる。
また、底面部50は、第1片部160と、第2片部170と、第3片部180と、第4片部190とを有し、包装箱Cの組立て状態においては、略方形状の外形を呈している。
ここで、第1片部160は、正面部10の下辺から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)における先端側の一対の角部を斜めに面取りした形状を呈している。第1片部160の基端(正面部10側の辺部)から先端(正面部10側とは反対側の辺部)までの長さは、右側面部20の横方向の長さ(折れ線C20と折れ線C40間の長さ))の半分の長さ(略半分の長さとしてもよい)を有し、包装箱Cを組み立てた状態では、第1片部160の先端と第4片部190の先端とが当接し、第1片部160と第4片部190とでスリーブ状部5の底面側を閉じるようになっている。
また、第2片部170は、右側面部20の下辺から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。第2片部170の基端(右側面部20側の辺部)から先端(右側面部20側とは反対側の辺部)までの長さは、正面部10や背面部40のの横方向の長さ(例えば、折れ線C20と折れ線C30間の長さ))の半分よりも小さく形成され、包装箱Cを組み立てた状態では、第2片部170の先端と第3片部180の先端の間には隙間が形成される。
また、第3片部180は、左側面部30の下辺から折れ線を介して連設され、第2片部170と同大同形状に形成され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。第3片部180の基端(左側面部30側の辺部)から先端(左側面部30側とは反対側の辺部)までの長さは、正面部10や背面部40のの横方向の長さ(例えば、折れ線C20と折れ線C30間の長さ))の半分よりも小さく形成され、包装箱Cを組み立てた状態では、第2片部170の先端と第3片部180の先端の間には隙間が形成される。
また、第4片部190は、背面部40の下辺から折れ線を介して連設され、第1片部160と同大同形状に形成され、方形状(具体的には、長方形状)における先端側の一対の角部を斜めに面取りした形状を呈している。第4片部190の基端(背面部40側の辺部)から先端(背面部40側とは反対側の辺部)までの長さは、右側面部20の横方向の長さ(折れ線C20と折れ線C40間の長さ))の半分の長さ(略半分の長さとしてもよい)を有し、第1片部160の先端と第4片部190の先端とが当接し、第1片部160と第4片部190とでスリーブ状部5の底面側を閉じるようになっている。
包装箱Cを組み立てた状態では、第1片部160と第4片部190は、第2片部170及び第3片部180の外側に設けられ、第1片部160の内側の面が、第2片部170及び第3片部180の面に接着され、第4片部190の内側の面が、第2片部170及び第3片部180の面に接着される(図2参照)。
また、蓋部120、130とフラップ部110、140は、包装箱Cの展開状態において、底面部50を構成する第1片部160〜第4片部190と線対称に形成されている。
すなわち、蓋部120は、正面部10の上辺から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)における先端側の一対の角部を斜めに面取りした形状を呈している。蓋部120の基端(正面部10側の辺部)から先端(正面部10側とは反対側の辺部)までの長さは、右側面部20の横方向の長さ(折れ線C20と折れ線C40間の長さ))の半分の長さ(略半分の長さとしてもよい)を有し、蓋部120と蓋部130を閉じることにより、蓋部120の先端と蓋部130の先端とが当接し、蓋部120と蓋部130とで包装箱Cを閉状態とする。
また、フラップ部110は、右側面部20の上辺から折れ線を介して連設され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。フラップ部110の基端(右側面部20側の辺部)から先端(右側面部20側とは反対側の辺部)までの長さは、正面部10や背面部40のの横方向の長さ(例えば、折れ線C20と折れ線C30間の長さ))の半分よりも小さく形成され、包装箱Cの上面を閉状態にした場合には、フラップ部110の先端とフラップ部140の先端の間には隙間が形成される。
また、フラップ部140は、左側面部30の上辺から折れ線を介して連設され、フラップ部110と同大同形状に形成され、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。フラップ部140の基端(左側面部30側の辺部)から先端(左側面部30側とは反対側の辺部)までの長さは、正面部10や背面部40のの横方向の長さ(例えば、折れ線C20と折れ線C30間の長さ))の半分よりも小さく形成され、包装箱Cの上面を閉状態にした場合には、フラップ部110の先端とフラップ部140の先端の間には隙間が形成される。
また、蓋部130は、背面部40の上辺から折れ線を介して連設され、蓋部120と同大同形状に形成され、方形状(具体的には、長方形状)における先端側の一対の角部を斜めに面取りした形状を呈している。第4片部190の基端(背面部40側の辺部)から先端(背面部40側とは反対側の辺部)までの長さは、右側面部20の横方向の長さ(折れ線C20と折れ線C40間の長さ))の半分の長さ(略半分の長さとしてもよい)を有し、蓋部120と蓋部130を閉じることにより、蓋部120の先端と蓋部130の先端とが当接し、蓋部120と蓋部130とで包装箱Cを閉状態とする。
以上のように、これら蓋部120、130とフラップ部110、140は、包装箱Cの上面を開閉するものであり、特に、蓋部120、130を閉状態とすることにより包装箱Cの上面が塞がれる。なお、蓋部120、130とフラップ部110、140は、予め上方に立設した状態になっていて、包装箱Cの上方が開口した状態になっている。なお、蓋部120、130は、正面部10の上辺及び背面部40の上辺から連設されているが、包装箱Cの上面を閉じるための蓋部は、スリーブ状部5を構成する各部における少なくとも1つの上辺から連設されていればよい。
包装箱Cの使用方法は、実施例1、2の包装箱の場合と同様であるが、被収納物を収納して包装箱Cを閉状態にするには、フラップ部110、140を内側に折曲させるとともに蓋部120、130を内側に折曲させて、蓋部120、130を閉状態とし、接着テープTを右側面部20から上面を経て左側面部30にまで接着させることにより、図20に示す状態とする。
なお、上側構成部A−2を取り除くには、実施例1の場合と同様な操作を行い、下背面部42における押さえ部(「押し部」としてもよい。他においても同じ)44を外側から押して、中央領域46の下端を外側にひっぱることにより、右側領域47が中央領域46に対して折れ線C42を介して折曲するとともに、左側領域48が中央領域46に対して折れ線C43を介して折曲して、切目線K42、K43が破断し、さらに、背面側領域27が折れ線C21を介して内側に回動して切目線K24−1が破断するとともに、背面側領域37が折れ線C31を介して内側に回動して切目線K34−1が破断し、さらに、中央領域の下端を上方にひっぱることにより、切目線K24における折れ線C21よりも正面側の領域である正面側領域26と下右側面部22間の切目線K24−2が破断するとともに、切目線K34における折れ線C31よりも正面側の領域である正面側領域36と下左側面部32間の切目線K34−2が破断し、さらに、切目線K20における切目線K24よりも正面側の切目線K22と切目線K30における切目線K34よりも正面側の切目線K32を破断し、さらに、切目線K10を破断することにより、上側構成部A−2が取り除かれる。