JP6341866B2 - ヘッドアップディスプレイ設置構造 - Google Patents

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Description

この発明は、ヘッドアップディスプレイ設置構造に関するものである。
自動車などの車両に対してヘッドアップディスプレイ装置を取付けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。ヘッドアップディスプレイ装置は、表示装置の表示を前方に投影させるようにしたものである。このヘッドアップディスプレイ装置の設置構造(ヘッドアップディスプレイ設置構造)には、ヘッドアップディスプレイ装置を、車室内の前部に設けられたインストルメントパネルの内部に設置して、表示装置の表示をインストルメントパネルに形成された開口部を通して運転席の前方に投影させるようにしたものがある。
このようなヘッドアップディスプレイ装置を用いて、運転中の乗員の視界内に情報を表示させることで、乗員は、視線移動や目の焦点調整をほとんど行うことなく表示された情報を得ることができる。
特開2014−191321号公報 特開2014−123084号公報
しかしながら、ヘッドアップディスプレイ装置をインストルメントパネルの内部に設置した場合、少なくともヘッドアップディスプレイ装置を使用している時に、インストルメントパネルに形成された開口部が開いたままの状態になると、開口部からインストルメントパネル(やヘッドアップディスプレイ装置)の内部にゴミやホコリなどの異物が入ったり、物落ちが発生したりするおそれがある。また、ゴミやホコリや落ちた物などの異物が表示装置の上を覆って、表示装置の表示を妨げるおそれがある。
そこで、本発明は、上記した問題点を解決することを、主な目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、
インストルメントパネルの内部に、表示装置の表示を前方に投影させるヘッドアップディスプレイ装置を設置して、
前記表示装置の表示を前記インストルメントパネルに形成された開口部を通して、開口部の上方に投影させるようにしたヘッドアップディスプレイ設置構造であって、
前記表示装置が、水平に対し、上面に載った異物を排除できる角度を有して傾斜配置され
前記表示装置が、警告表示部を有し、
該警告表示部が、傾斜された前記表示装置の上側となる位置に配置されたことを特徴としている。
また、本発明は、
インストルメントパネルの内部に、表示装置の表示を前方に投影させるヘッドアップディスプレイ装置を設置して、
前記表示装置の表示を前記インストルメントパネルに形成された開口部を通して、開口部の上方に投影させるようにしたヘッドアップディスプレイ設置構造であって、
前記ヘッドアップディスプレイ装置が、ヘッドアップディスプレイ装置の前側に配設された空調ダクトに対し隙間を有して傾斜配置されると共に、
前記ヘッドアップディスプレイ装置の下部が、前側に位置する前記空調ダクトの上部と下部との間の高さに設置され、
前記表示装置は、水平に対し、上面に載った異物を排除できる角度を有して傾斜配置されることを特徴としている。
本発明によれば、上記構成によって、インストルメントパネルの開口部へ入ったゴミやホコリや落ちた物などの異物による表示の妨げを防止することができる。
また、警告表示部を、傾斜された表示装置の上側となる位置に配置するようにしたことにより、警告表示部を、開口部からケーシングの内部に入ったゴミやホコリや物などの異物によって最も隠され難いものとすることができ、他の表示と比べて警告表示部に対する視認性を高くすることができる。以って、安全性の確保にとって重要な表示に対する注意喚起機能を高めて、見逃し難くすることができる。
また、本発明によれば、ヘッドアップディスプレイ装置が、ヘッドアップディスプレイ装置の前側に配設された空調ダクトに対し隙間を有して傾斜配置されると共に、ヘッドアップディスプレイ装置の下部が、前側に位置する空調ダクトの上部と下部との間の高さに設置されたことにより、空調ダクトの内部を流れる空調用エアで空調ダクトの周囲の空気が冷やされることなどによって、傾斜配置されたヘッドアップディスプレイ装置に沿って下方から上方へ抜ける空気の流れを発生させることができるようになる。そして、この空気の流れによって、ヘッドアップディスプレイ装置が発した熱などを放熱し易くすることができる。
本実施の形態の実施例にかかるヘッドアップディスプレイ設置構造を示す車室前部を車両後方側から見た図である。 図1の車室前部の縦断面図である。 図1のヘッドアップディスプレイ装置の拡大図である。 図1のヘッドアップディスプレイ装置の分解斜視図である。 図1のヘッドアップディスプレイ装置の縦断面図である。 図1のヘッドアップディスプレイ装置の表示を示すコンバイナの正面図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図6は、この実施の形態を説明するためのものである。
なお、以下の説明で、前後左右は、車両前後方向および車幅方向を基準としている。また、手前側および奥側は、車両前方を向いた乗員を基準としたものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
図1の後方から見た外観図または図2の断面図に示すように、自動車などの車両には、車室1内の前部に、フロントウインドウガラス2が設けられている。このフロントウインドウガラス2の下方には、インストルメントパネル3が設けられている。
そして、車両に対して、ヘッドアップディスプレイ装置4を取付ける。このヘッドアップディスプレイ装置4は、表示装置5(図2参照)の表示6を前方に投影させるようにしたものである。
この実施例では、ヘッドアップディスプレイ装置4の設置構造(ヘッドアップディスプレイ設置構造)は、ヘッドアップディスプレイ装置4を、上記したインストルメントパネル3の内部に設置するものとされる。そして、ヘッドアップディスプレイ装置4の内部に設けられた表示装置5の表示6(表示情報)をインストルメントパネル3に形成された開口部7(図2参照)を通して、開口部7の上方に投影させるようにする。この実施例では、後述するようなコンバイナ8に投影させるようにしている。
ここで、インストルメントパネル3の運転席側の部分には、計器装置(メータユニット9)やステアリングホイール(ハンドル)などが設置されている。この場合には、右ハンドル車とされているが、左ハンドル車であっても良い。
ヘッドアップディスプレイ装置4は、上記したように、正面を向いて運転している乗員の視界内(のメータユニット9よりも高い位置)に、運転に必要な情報を表示させるようにしたものである。表示装置5は、情報を表示するための装置である。この実施例で使用する表示装置5については後述する。開口部7は、表示装置5の表示6を通すために、インストルメントパネル3の乗員側の部分における、ヘッドアップディスプレイ装置4の設置位置の上部に予め形成される。
このヘッドアップディスプレイ装置4は、図3〜図5に示すようなものであり(主に、図4の分解斜視図を参照)、表示装置5を収容するケーシング11と、このケーシング11の上端側の開口に設置される枠状のフィニッシャー12と、このフィニッシャー12の上部に設置されるコンバイナ8と、ケーシング11の下端側の開口に取付けられるカバー部材13(底部カバー)で主に構成されている。
この場合、表示装置5は、ほぼ上向きの真っ直ぐな光路によってコンバイナ8へ表示6を直接投影させるようにするために、ケーシング11の底部に上向きに設置されている。これにより、ケーシング11内の光路を短くして、ケーシング11の小型化や構造簡略化を図ることができる。ケーシング11は、前後左右の側壁部(即ち、前壁部11a、後壁部、左壁部、右壁部)を有する平面視ほぼ横長矩形状の中空筒体などとされる。
コンバイナ8は、表示装置5の表示6を投影させるための反射板である。コンバイナ8は、投影された表示装置5の表示6を、コンバイナ8と表示装置5の間の距離の分だけコンバイナ8の前方側の位置(奥方)に虚像を結像させて視認させるものとなっている(図2参照)。なお、コンバイナ8の角度は、表示装置5のほぼ上向きに設置された表示面と、前方に結像されるほぼ縦向きの表示6の中間の角度に設定される。また、表示装置5の表示6は、コンバイナ8に前後反転して投影されることになる。
コンバイナ8は、熱に強い樹脂製またはガラス製の平坦な板状のものとして、フロントウインドウガラス2とは別に設けられる。コンバイナ8は、その反射面に、高価なハーフミラーや多層膜誘電体などの増反射膜を施して表面反射率を30%〜60%程度に上げるのが一般的である。これに対し、この場合には、増反射膜などを施さないことで表面反射率を低いまま(例えば、7%程度)にしている。
この場合、図6に示すように、コンバイナ8は、好ましくは、黒色板または黒色系スモーク板などとされる。この黒色板は、光透過率が0%またはこれに近いものとされる。黒色系スモーク板は、無色透明ではないものとされる。なお、コンバイナ8には、無色透明のものなどを使用することもできる。この場合には、上記した増反射膜などを施すようにするのが好ましい。
フィニッシャー12は、ヘッドアップディスプレイ装置4をインストルメントパネル3の開口部7内へ上方から挿入することで、開口部7の縁部を覆い隠すように設置される。そのために、フィニッシャー12は、開口部7よりも一回り大きなものとされると共に、その下面側に、インストルメントパネル3の曲面形状に合わせた3次元形状の合わせ部分(下縁部)を有するものとされる。
カバー部材13は、ケーシング11とは別体に設けられて、ケーシング11の底壁部を構成するように設置される。この場合には、カバー部材13は、表示装置5を構成する文字板23や回路基板24やランプハウジング25を一体に組付けた状態にして(表示ユニット)、ケーシング11に一度に取付けるものとされている。
そして、図6の表示例に示すように、上記した表示装置5は、数値によって車速やエンジン回転数などを表示可能な数値表示部15や、複数の目盛などによって燃料残量や目標までの距離などを表示可能な目盛表示部16や、矢印などによって走行経路を表示可能な経路表示部17などを有するものとされる。この場合には、表示装置5に、画像を表示する表示パネルではなく、意図的に、セグメント型表示部18(図4、図5参照)を用いるようにしている。
このセグメント型表示部18は、図4、図5に示すように、複数の表示形成部21(いわゆるセグメント)を組合わせて、複数種類の表示6を作り出せるようにしたものである。セグメント型表示部18またはこれと同等な表示装置5には、蛍光管式のものや、セグメント型液晶パネルやパッシブマトリクス型液晶パネルなどが存在している。この場合には、上記したものと比べて安価となり、また、コストをかけずに輝度を高くできるものとして、セグメント型表示部18に、複数の光源22(図4参照)と、複数の光源22からの光を透過させる複数の表示形成部21を有する文字板23を用いるようにしている。光源22は、点灯によって複数の表示形成部21をそれぞれ個別に表示させるもの(個別光源)とされる。
例えば、数値表示部15の場合、表示形成部21は、数字の「8」字状に配置された7つのセグメントによって構成することができる(7セグメント型表示器)。目盛表示部16の場合、表示形成部21は、複数のセグメントを連続してバーグラフ状などに並べることによって構成することができる。例えば、図6の表示例では複数のセグメントを並べて、省エネ運転状況を示すようにしている。経路表示部17の場合、点や線や矢印状をしたセグメントを適宜配置することによって各種の走行経路を表示可能にしたものとすることができる。表示形成部21は、上記以外のもの(例えば、漢字やアルファベットによる表記(例えば、km/h)など)を含むこともできる。
光源22には、LED(発光ダイオード)が用いられる。LEDは、回路基板24に取付けるようにして設置される。回路基板24には、輝度調整のために、高輝度光源25aなどを部分的に取付けるようにしても良い。回路基板24と文字板23の間には、回路基板24の上面と文字板23の下面に対して密着するようにランプハウジング25が設置される。このランプハウジング25には、各光源22ごとに独立した複数の導光用孔部25aや、文字板23に対する当接面28などが形成される。このランプハウジング25は、例えば、反射率の高い滑らかな表面を有する白色樹脂によって構成される。
表示形成部21は、上記した各種の表示6を形成できるようにするために、文字板23に複数設けられた光透過部とされる。表示形成部21は、その表示目的や表示内容に応じて、(個別にまたは全体的に)無色透明のものとしたり、有色透明のものとしたりすることができる。表示形成部21は、各導光用孔部25aと合致する位置に形成される。文字板23は、例えば、透明な樹脂製の板に、表示形成部21を残して不透光性の印刷層を形成したものとされる。
以上のような全体的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
(1)図2、図5に示すように、上記表示装置5が、水平に対し、上面に載った異物を排除できる角度31を有して傾斜配置されるようにする。
ここで、異物とは、表示装置5の表面に載ったゴミやホコリのことである。または、表示装置5の表面に落ちた物のことである。水平に対して傾けたとは、表示装置5(の表示面となる文字板23)の上面(表示面)が水平方向を基準として、前傾、後傾、右傾、左傾、または、これらを組合わせた方向のいずれかに傾斜されることである。この場合には、表示装置5は、表示6の向きとの関係で、車両前後方向を基準として前傾(前下り)または後傾(後下り)にしている(この場合には、前傾させている)。
この場合、表示装置5の傾きは、表示6を縦向きに投影するためのものではなく、表示装置5の表面に載ったゴミやホコリや落ちた物などの異物を安定させないようにするためのものとされる(異物排除用傾斜角度)。或いは、表示装置5の表面に載った異物を車両の走行振動を利用して傾斜の下側へ移動させ得るようにするためのものとされる。この異物排除用傾斜角度については、表示6をコンバイナ8に直接投影させるようにした表示装置5で表示6を縦向きに投影させる場合の、表示装置5の通常の設置角度よりも大きくなるようにする(例えば、水平方向に対して15°〜45°など)。そして、このような異物排除用傾斜角度を付けることによってコンバイナ8に投影される表示6の向きに影響が生じるが、表示6の向きについては、コンバイナ8の角度設定によって縦向きとなるように調整する。
(2)図6の表示例に示すように、上記表示装置5が、警告表示部33を有する。
そして、この警告表示部33が、傾斜された上記表示装置5の上側となる位置に配置される。
ここで、例えば、表示装置5の車両後方側を高くして前傾させた場合には、警告表示部33は、車両後方側の位置に設けられる。また、表示装置5の車両前方側を高くして後傾させた場合には、警告表示部33は、車両前方側の位置に設けられる。この場合、警告表示部33は、図4に示すように、前傾にした文字板23の車両後方側の位置に設けて、表示6の上側に投影されるようにしている。
(3)上記したように、上記表示装置5が、ケーシング11内に収容設置される。
そして、図2に示すように、このケーシング11が、上記インストルメントパネル3内に前傾状態で配置されることにより、上記表示装置5が傾斜配置されるようにする。
ここで、表示装置5は、基準となる文字板23が、ケーシング11の底壁部となるカバー部材13に対してほぼ平行となるように設置されている。よって、ケーシング11の底壁部が文字板23と同じ角度31に傾斜されている。但し、表示装置5は、ケーシング11の底壁部と必ずしも平行にしなくても良い。
(4)更に、図2に示すように、前傾されたケーシング11の前壁部11aが、ケーシング11の前側に配設された空調ダクト39へ向けて寄り掛かるかのように傾斜するダクト添設用傾斜面とされる。
ここで、空調ダクト39は、運転席の側部へ向けて空調風を送給するためのサイドベンチレータダクトなどとされる。この場合、サイドベンチレータダクトは、ほぼ円形断面のものとされて、ほぼ車幅方向へ向けて延設される。この空調ダクト39に対し、ダクト添設用傾斜面は、空調ダクト39の後ろ斜め上側の部分に対して寄りかかるように傾斜された状態で設置される。この際、空調ダクト39と直接接触して異音などを発生しないように、ダクト添設用傾斜面は、空調ダクト39に対して所要の隙間34を有して傾斜配置される。この隙間34は、異音発生防止用空間となると共に、放熱用空気通路となるものである。
(5)前傾されたケーシング11の底壁部(カバー部材13)が、その下側に電子ユニット35を設置可能な電子ユニット設置用傾斜面36とされる。
ここで、電子ユニット設置用傾斜面36の下側に形成される空間(電子ユニット設置用空間)に設置される電子ユニット35は、電子ユニット設置用傾斜面36の配置や大きさなどから、例えば、盗難防止装置などとすることができる。電子ユニット設置用傾斜面36と電子ユニット35との間には、放熱用空気通路などが形成される。
(6)上記開口部7に、上記表示装置5の表示6を投影するコンバイナ8が開閉可能に設けられる。
ここで、コンバイナ8は、固定式のものとすることができるが、この場合には、ヘッドアップディスプレイ装置4の使用時に開口部7を開き、ヘッドアップディスプレイ装置4の不使用時に開口部7を閉じるものとされる。開口部7は、この場合には、開口部7に取付けられた枠状のフィニッシャー12の開口とされる。そして、コンバイナ8は、その前縁部またはその周辺を開閉中心としてフィニッシャー12の開口を(前開きに)開閉するように取付けられる。コンバイナ8は、ケーシング11の内部に設置された開閉駆動装置37によって開閉駆動される。この開閉駆動装置37には、ステッピングモータなどを使用することができる。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
この実施例のヘッドアップディスプレイ装置4は、表示装置5の表示6を、インストルメントパネル3に形成された開口部7を通して、開口部7の上方に配設されたコンバイナ8に投影させ、コンバイナ8の前方に虚像を結像させることで、乗員に表示6を視認させるようになっている。
このように、ヘッドアップディスプレイ装置4を用いて、運転中の乗員の視界内に情報を表示させることで、乗員は、視線移動や目の焦点調整をほとんど行うことなく表示された情報を得ることができる。
(1)この際、表示装置5を、水平に対し、上面に載った異物を排除できる角度31(異物排除用傾斜角度)を有して傾斜配置させた。これにより、インストルメントパネル3に形成された開口部7が開いたままの状態で使用されるヘッドアップディスプレイ装置4の場合に、インストルメントパネル3に形成された開口部7からゴミやホコリや物などの異物が入って表示装置5の上に載っても、これらの異物が表示装置5の上に安定して載っていられない状態となる。そして、ヘッドアップディスプレイ装置4に車両の走行振動が作用されることで、上記した異物は、自重と走行振動によって徐々に表示装置5の傾斜の下側へと移動され、少なくとも、表示装置5の表示6の中心部の位置から外れるようになるので、表示装置5の表示6が異物によって妨げられ難くなるようにすることができる。そして、表示装置5に上記した角度31を持たせることにより、ゴミやホコリについては、表示装置5の傾斜の下側へ集めて除去することが容易となる。また、落ちた物については、自重で表示装置5の傾斜の下側へ向けて移動することで落ちた物の位置が定まるので、落ちた物を表示装置5から取り出し易くすることができる。
(2)この際、警告表示部33を、傾斜された表示装置5の上側となる位置に配置するようにした。これにより、警告表示部33を、開口部7からケーシング11の内部に入ったゴミやホコリや物などの異物によって最も隠され難いものとすることができ、他の表示6と比べて警告表示部33に対する視認性を高くすることができる。以って、安全性の確保にとって重要な表示6に対する注意喚起機能を高めて、見逃し難くすることができる。
(3)ケーシング11を前傾状態に配置することで、ケーシング11内の表示装置5を一緒に傾斜させるようにした。これにより、インストルメントパネル3内にケーシング11を斜めに設置するだけで、同時に表示装置5を必要な角度31に傾斜して配置することができるようになるので、表示装置5の傾斜配置を容易に行わせることができる。
(4)また、前傾されたケーシング11の前壁部11aをダクト添設用傾斜面として、ケーシング11の前側に配設された空調ダクト39へ向けて寄り掛かるかのようにケーシング11を傾斜させた。これにより、ケーシング11が、空調ダクト39の外形に添うような傾斜配置となるので、インストルメントパネル3の内部に無理なくヘッドアップディスプレイ装置4を収容設置することが可能となる。その結果、インストルメントパネル3内部の狭いスペースに対して、ヘッドアップディスプレイ装置4をスペース効率良く設置することが可能となる。
この際、ケーシング11を空調ダクト39に直接接触しないように所要の隙間34を有して配置することにより、ケーシング11と空調ダクト39との接触による異音の発生を防止することができる。
更に、ケーシング11を垂直に設置した場合、ケーシング11の水平な底壁部によってインストルメントパネル3内での空気の流れが妨げられ易くなって、ヘッドアップディスプレイ装置4の光源22が発した熱が籠ってしまうおそれがあるのに対し、インストルメントパネル3内でケーシング11を前傾させることによって、斜めとなった前上がりの前壁部11aに沿って下方から上方へ抜ける空気の流れを発生させることができるようになる(図2の矢印x参照)。そして、この空気の流れによって、ヘッドアップディスプレイ装置4の光源22が発した熱などを放熱し易くすることができる。
(5)前傾されたケーシング11の斜めの底壁部(カバー部材13)を電子ユニット設置用傾斜面36とした。これにより、インストルメントパネル3内部の狭いスペースに対して、電子ユニット設置用傾斜面36の下側に、電子ユニット35を設置するためのスペースを確保することが可能となる。
また、インストルメントパネル3内部で、ケーシング11を前傾させることによって、斜めとなった後ろ上がりの底壁部に沿って下方から上方へ抜ける上記とは別の空気の流れを発生させることができるようになる(図2の矢印y参照)。そして、この空気の流れによって、ヘッドアップディスプレイ装置4の光源22が発した熱などを放熱し易くすることができる。
(6)コンバイナ8が、開口部7(この場合には、フィニッシャー12の開口)を開閉するように設けられた。これにより、ヘッドアップディスプレイ装置4を使用しない時には、コンバイナ8を下方回動させて開口部7を閉じることで、開口部7の内側へゴミやホコリや物などの異物が入るのを防止することができると共に、ヘッドアップディスプレイ装置4を使用する時には、コンバイナ8を上方回動させて開口部7を開くことで、表示装置5の表示6を開口部7を通してコンバイナ8に投影させることができる。これにより、開口部7に常設の防塵カバーなどを設ける必要をなくすことができ、その分、部品点数を減らすことが可能となる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
1 車室
2 フロントウインドウガラス
3 インストルメントパネル
4 ヘッドアップディスプレイ装置
5 表示装置
6 表示
7 開口部
11 ケーシング
11a 前壁部(ダクト添設用傾斜面)
13 カバー部材(底壁部)
23 文字板
33 警告表示部
35 電子ユニット
36 電子ユニット設置用傾斜面(カバー部材の底壁部)
39 空調ダクト

Claims (6)

  1. インストルメントパネルの内部に、表示装置の表示を前方に投影させるヘッドアップディスプレイ装置を設置して、
    前記表示装置の表示を前記インストルメントパネルに形成された開口部を通して、開口部の上方に投影させるようにしたヘッドアップディスプレイ設置構造であって、
    前記表示装置が、水平に対し、上面に載った異物を排除できる角度を有して傾斜配置され
    前記表示装置が、警告表示部を有し、
    該警告表示部が、傾斜された前記表示装置の上側となる位置に配置されたことを特徴とするヘッドアップディスプレイ設置構造。
  2. 請求項に記載のヘッドアップディスプレイ設置構造であって、
    前記表示装置がケーシング内に収容設置されると共に、
    該ケーシングが前記インストルメントパネル内に前傾状態で配置されることにより、前記表示装置が傾斜配置されるようにしたことを特徴とするヘッドアップディスプレイ設置構造。
  3. 請求項に記載のヘッドアップディスプレイ設置構造であって、
    前傾されたケーシングの前壁部が、ケーシングの前側に配設された空調ダクトへ向けて寄り掛かるように傾斜するダクト添設用傾斜面とされたことを特徴とするヘッドアップディスプレイ設置構造。
  4. 請求項または請求項に記載のヘッドアップディスプレイ設置構造であって、
    前傾されたケーシングの底壁部が、その下側に電子ユニットを設置可能な電子ユニット設置用傾斜面とされたことを特徴とするヘッドアップディスプレイ設置構造。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のヘッドアップディスプレイ設置構造であって、
    前記開口部に、前記表示装置の表示を投影するコンバイナが開閉可能に設けられたことを特徴とするヘッドアップディスプレイ設置構造。
  6. インストルメントパネルの内部に、表示装置の表示を前方に投影させるヘッドアップディスプレイ装置を設置して、
    前記表示装置の表示を前記インストルメントパネルに形成された開口部を通して、開口部の上方に投影させるようにしたヘッドアップディスプレイ設置構造であって、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置が、ヘッドアップディスプレイ装置の前側に配設された空調ダクトに対し隙間を有して傾斜配置されると共に、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置の下部が、前側に位置する前記空調ダクトの上部と下部との間の高さに設置され、
    前記表示装置は、水平に対し、上面に載った異物を排除できる角度を有して傾斜配置されることを特徴とするヘッドアップディスプレイ設置構造。
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