JPH1062711A - ヘッドアップディスプレイ - Google Patents

ヘッドアップディスプレイ

Info

Publication number
JPH1062711A
JPH1062711A JP8218783A JP21878396A JPH1062711A JP H1062711 A JPH1062711 A JP H1062711A JP 8218783 A JP8218783 A JP 8218783A JP 21878396 A JP21878396 A JP 21878396A JP H1062711 A JPH1062711 A JP H1062711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display
combiner
main body
light
hologram
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8218783A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Takeuchi
彰一 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP8218783A priority Critical patent/JPH1062711A/ja
Publication of JPH1062711A publication Critical patent/JPH1062711A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】煩雑な配線作業を必要としないFMデータ多重
放送を受信可能なヘッドアップディスプレイを得る。 【解決手段】本体部51に、表示すべき情報を光として
発生する情報表示源とFMデータ多重放送受信機とが内
蔵されていて、本体部51に回動自在に軸支されたコン
バイナ50に向けて情報表示現からの光が照射され、回
折されて観察者に虚像を視認させるヘッドアップディス
プレイ80。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、航空機、船
舶などの乗り物の車両内に備えて、車両内の観察者に必
要な情報を投影するヘッドアップディスプレイに関する
ものであり、特に車両のダッシュボード上に置いて使用
する別置き型のヘッドアップディスプレイに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】車両内の運転手等に情報表示する手段と
して、ヘッドアップディスプレイ(以下HUDともい
う)と呼ばれるものが最近用いられるようになってい
る。これは、液晶表示装置等の発光手段から投射された
光学的情報を、ハーフミラー等からなるコンバイナに映
し、運転手が運転状態からほとんど視線を動かすことな
く情報を読み取れるようにしたものである。
【0003】さらに、光学的素子としての簡素さ、およ
び付加される機能の豊富さから、上記のコンバイナにホ
ログラムを使用することも提案されている。このホログ
ラムを用いたコンバイナは反射機能(回折機能)のみな
らず、レンズ機能等を併せ持つことができるので、光学
的情報を運転手の視野方向に回折したり、あるいは、他
にレンズ等の光学系を使用せず、任意の位置に表示虚像
を結像したりすることが可能となる。また、前景輝度を
損なわずに高輝度の表示像が得られるという特徴もあ
る。
【0004】また、必要に応じてホログラムのほかに波
長選択フィルタや、収差補正のためのホログラムを用い
ることもできる。また、ホログラムは波長選択機能を持
つので、希望する色の像が表示可能となる。通常その色
は単一であることも多いが、多重露光したホログラムに
よる多色表示も可能であり、表示情報の量と質を向上で
きる。例えば、速度表示を緑色、警告表示を赤色とする
ことによって、運転者に対してより的確に情報を伝達す
ることが可能となる。
【0005】このようなHUDのうち、表示器とコンバ
イナを一体化した小型のHUD装置が特開平8−115
80号公報などに提案されている。
【0006】かかる別置き型の車載用HUDを示す概念
図が図4である。ここで、31は運転者等の観視者の観
察位置、32はホログラムを用いたコンバイナ、33は
情報を含む光線、34は虚像の位置、35は透過型液晶
表示素子、光源を含む本体部、37はフロントガラス、
38は車両ボディーである。
【0007】本体部35には発光手段として光源と透過
型液晶表示素子とを備えており、光源から発した光は透
過型液晶表示素子を通過し、本体部35に備えられたホ
ログラムを用いたコンバイナ32に照射され、反射(回
折)されて運転者等の観視者の観察位置31で視認され
る。この際、表示情報は34の位置に虚像として運転者
に認識される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この別置き
型HUDは、通常、車両からの情報、信号や車両に搭載
されたカーナビゲーションシステムからの情報、信号を
得て像を表示するものである。すなわち、別置き型HU
D単体で観察者に情報表示するのではなく、車両と接続
することによって観察者に情報表示される。
【0009】一方、近年、商用のFM放送波に情報デー
タを多重化したデータ放送が行われている。このFMデ
ータ多重放送の情報には渋滞情報等の交通情報が含ま
れ、車両運転中に運転者が得たい情報の一つとなってい
る。
【0010】このFMデータ多重放送を受信するには、
これに対応する受信機とこの情報を表示する表示装置が
必要である。この受信機と表示装置は通常、車両のイン
ストルメントパネルのセンターパネルに取付けられるこ
とが多いが、この位置にはすでにカーオーディオ等が取
付けられていることが多く、表示装置を取付ける余裕は
ほとんどない。そして、これらの交通情報は運転中見る
ことが多いため、運転中前方からセンターパネル付近へ
視線を落とすことになり、視認性が低いものであった。
【0011】また、このFMデータ多重放送受信機をナ
ビゲーションシステムに組み込むことも考えられる。し
かしながら、この場合もモニターをセンターパネル付近
に取付け、表示するので同様に視認性に問題がある。そ
して、このFMデータ多重放送受信機用のアンテナの配
線をする必要があり、特にあらかじめ車両に搭載される
場合よりも車両購入の後にユーザーが必要に応じて取付
ける場合が多い別置き型HUDでは、煩雑なアンテナの
取付け作業等を要するものであった。
【0012】本発明の目的は、従来技術が有していた上
記欠点を解決することにあり、従来知られていなかった
HUDを新規に提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、光源と表示すべき情報を
表示する表示体とを有して表示すべき情報を光として発
生する情報表示源と、前記光を観察者に向けて回折し虚
像として観察者に視認させるコンバイナとが、本体部に
備えられ一体化されたヘッドアップディスプレイにおい
て、前記本体部には外部放送受信機が備えられているこ
とを特徴とするヘッドアップディスプレイを提供するも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明をさ
らに詳細に説明する。図1は、本発明のHUDの一例を
示す概念図である。図1において、HUD80は主に本
体部51、本体部に備えられた内部構造材52、本体部
51をHUDの設置位置に保持する指示台53とからな
る。そして、本体部51の底面と支持台53とは図に示
すようにカメラの雲台等に用いられているボールジョイ
ントと同等の形状のものを介して連結されており、本体
部51側の球状の部分をねじで締め上げることにより固
定可能なようになっている。そのため、本体部51は左
右に回動可能でさらには上下方向へも可動可能であり、
HUDを設置する設置面の傾きに依存せず設置可能で、
さらには観視者の希望の方向に回転することができる。
【0015】コンバイナ50はコンバイナ保持部品54
に設けられた凹部に挿入、固定されていて、コンバイナ
50の下端部近傍で本体部51に回動自在に軸支されて
いる。さらに、コンバイナ保持部品54には歯車とレバ
ーおよびバネ(いずれも図示しない)が備えられ、コン
バイナ50が起立した状態となる方向に力がかかってい
る。また、コンバイナ50が起立した状態となるときは
スムーズにかつソフトタッチに動作するようにダンパー
と呼ばれる緩衝機構(図示しない)も有している。そし
て、内部構造材52にはコンバイナ50が所定の角度で
止まるような機構が設定されている。
【0016】さらに、コンバイナ50が本体部80に対
してほぼ水平状態となる収納された状態のときに保持さ
れ、もう一度コンバイナ50の上部を押すとラッチ(図
示しない)が開放され起立した状態になるようになって
いる。また、コンバイナ50が収納された状態となった
ときにはスイッチ(図示しない)を押し、回路が切断さ
れるようになっている。
【0017】本体部51内には、光源57と表示体56
とからなる情報表示源が備えられている。そして、この
情報表示源から発せられた情報を含む光が、入射角θi
でコンバイナ50に入射して、回折角θd で観察者に向
けて反射回折される。
【0018】これらの構造、機構により本例では、使用
状態においてコンバイナ50は水平に対してθw =65
°になるように設定し、光源中心からホログラム中心へ
の入射角θi =65°、回折角θd =35°、そして表
示体56中心からホログラムの光学的中心までの距離を
60mmとした。こうして、本体部51を水平に設置し
たとき、観視者の目から表示像は水平より10°見下し
の方向となる。
【0019】図2は、本発明におけるコンバイナの一例
を示す正面概念図である。その周囲端面には長さ420
mm、幅2mmの銅箔テープを粘着材により貼付し、銅
箔テープの一端を除いてその上から銅箔テープ保護用の
テープを貼付した。この銅箔テープの一端はコンバイナ
下部のコンバイナ保持部品54の凹部に挿入される部分
に設定し、その一端の接続部11が接するコンバイナ保
持部品54の凹部内面にも導体を配して、コンバイナ5
0を挿入することで電気的接続がなされるようになって
いる。一方、コンバイナ保持部品54の凹部内面の導体
はFMチューナー部に接続され、この銅箔パターンがア
ンテナとして機能する。
【0020】このアンテナパターンとなる銅箔の長さは
FM商用周波数の波長の約1/4波長および実験的に得
られている波長短縮率を考慮した長さとなるようにした
ものである。この結果、コンバイナの周囲端部にアンテ
ナが形成されているため外部からアンテナ用の配線を必
要とせず、さらにポールアンテナのような突起物を有し
ていないのでデザイン的にも優れたものとなった。
【0021】また、上記例では本発明におけるアンテナ
パターンを銅箔テープをコンバイナ端部に貼付して形成
したが、透明基板やカバーフィルムの周囲部近傍にアル
ミ蒸着や透明導電膜により形成したアンテナパターン
や、透明基板にガラスを用いる場合には銀ペーストを焼
成したパターンでもよく、電気的に損失が少ないことが
望ましい。また、長さやパターン等もアンテナ特性を考
慮して決定される。さらにはコンバイナとしての機能か
らアンテナのパターンにより視界を妨げないものがより
好ましい。
【0022】一方、表示体56としてはフィルム積層型
液晶表示素子(以下F−STN LCDとする)を用い
て、水平から15°の角度で保持されるようにした。そ
して、その光源57側には光源57によるむらを低減さ
せるため拡散板(図示しない)を配した。このF−ST
N LCDはピッチ0.35mm、256ドット×64
ドット、アクティブエリア約89mm×22mmであ
り、コンバイナ方向へ出る光がS偏光となるようにした
LCDである。光源57としては3波長型の管径2.6
mm、管長120mm(有効長90mm)の冷陰極管2
本を用いた。この冷陰極管は主たる輝線スペクトルとし
て436nm、545nm、613nmを有するもので
ある。そして、F−STN LCDと拡散板との間には
冷陰極管の輝線スペクトルを考慮した緑の透過型フィル
タを配し、この冷陰極管の主たる輝線スペクトルのうち
545nmの光を表示として用いることとした。
【0023】表示体の駆動回路および光源の駆動回路は
回路部60に収められている。さらに、この回路部には
外部の明るさにより表示像の輝度を自動的に変化させる
調光のための受光センサー58の信号を処理、制御する
回路と図3のブロック図に示すFMチューナ部21、受
信バッファメモリーを含むFMデータ多重放送復調部2
2、CPU23、RAM24、ROM25を含むメモリ
ー部が構成されている。
【0024】上記例において、F−STN LCD27
とF−STN LCD駆動部26との接続にはヒートシ
ール(図示しない)を用いたが、駆動回路をCOG(C
hip On Glass)やTAB(Tape Au
tometed Bonding)とするとさらに小型
化が可能となる。
【0025】この他に回路部品としては明るさおよびコ
ントラストの手動による調整用として、ボリューム(図
示しない)と選局用のスイッチ63を設け、本体部51
の側面より操作可能なように配置して、それぞれ上記の
対応する回路部に接続した。
【0026】これらの表示体56や光源57、回路部6
0は光源モジュール62として一つにまとめられ保持、
構成されており、この光源モジュール62の開口部には
ゴミ、塵により表示体56が汚れることを防止するため
の透明樹脂による開口部カバー59が取付けられ、光源
モジュール62の開口部や受光センサー58に対応する
ように本体部51にも開口部が設けられている。なお、
この開口部カバー59とコンバイナ50によるいわゆる
写り込みを防ぐために、カバー59は水平に対して9°
傾斜させたが、同様の効果を得るものならば曲面でもよ
い。
【0027】本発明における情報表示源は光を発して表
示する機能を持つものであり、液晶表示素子等のいわゆ
る受光型表示素子からなる表示体に熱陰極管、冷陰極
管、蛍光表示管、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半
導体レーザなどからなる光源から発した光を照射するも
のであり、また、これらの機能を併せ持つものであって
もよい。
【0028】また、受光型表示素子を用いず、上記の光
源自体をパターン化して配列し特定の情報を光として発
生するものであってもよい。受光型表示素子に上記光源
を併用したものの場合は、この受光型表示素子と光源と
の間にレンズ系や曲面反射鏡等の適当な光線平行化手
段、導光板等の適当な導光手段を配置してもよい。さら
に、ホログラムに光が投射されるまでの光径路内に、必
要に応じて、光偏光手段、あるいは、KNO3 等の非線
形光学素子を配置してもよい。
【0029】上記例において、透過型液晶表示素子とし
てF−STN LCDを用いたが、他により基本的なT
N型液晶表示素子が使用可能であるが、高コントラスト
の表示とするためにSTN型液晶表示素子が好ましく、
HUDに適する高コントラストの表示とするには表示セ
ルと補償セルの2層の構造としたDSTN型の液晶表示
素子や、上記例に用いた補償セルの代わりに1軸性の高
分子フィルムで同様の補償作用を持たせたフィルム積層
方式のF−STN LCDが特に好ましい。さらに、表
示素子近傍に温度センサーを設け、温度センサーの信号
で温度変化による表示素子の特性変化を補償する制御手
段を設け、環境の温度変化による液晶表示素子の特性変
化を補償することができる。
【0030】また、本発明における透過型液晶表示素子
を透過しコンバイナに入射する表示すべき情報を含む光
をS偏光にすることは好ましい。一般にホログラムの回
折効率には偏光依存性がありP偏光よりS偏光の方が回
折効率が高い。したがって、コンバイナに向けて発せら
れる光をS偏光の光とすれば、ホログラムにより効率よ
く情報を含む光を回折することが可能となり、光利用率
の高いHUDを実現できる。
【0031】上記例では単色で緑色の表示としたが、ホ
ログラムを複数の波長の光により多重露光されたホログ
ラム、または一つまたは複数の波長の光で露光された複
数のホログラムを積層したものを用い、さらに表示素
子、光源側もこれに対応して多色の光を発するものとす
れば、多色表示が可能である。そして、コンバイナから
表示像までの距離を各色で同一とすれば同一平面内に多
色表示ができ、また、色によって変えた場合には表示色
によって表示像の観察される距離の異なる立体的な像を
得ることができる。
【0032】多色表示とする場合、液晶表示素子として
は、カラーフィルタと透過型のTN型液晶素子や、ST
N型液晶表示素子等からなるカラー液晶表示素子等が好
ましく使用でき、一つの光源から発せられた光線を所望
の色の光線として照射することができる。また、液晶表
示素子の駆動方式としては単純マトリックス方式のほか
TFTを用いたアクティブマトリックス方式でもよい。
【0033】本発明におけるコンバイナは、少なくとも
基板とこの基板に配されたホログラムとからなる。上記
例において、基板として厚さ2.3mmの高耐熱の透明
アクリル樹脂板(三菱レイヨンUT−100)を使用し
た。図2に示す例では、ホログラム12には、外周縁に
5mm幅以上の非有効領域13を設けている。非有効領
域13はレーザ光によるホログラム12の露光に先立
ち、非有効領域13のみを非可干渉性の光により感光さ
せてしまうことにより形成した。ホログラム12はアク
リル系の粘着剤によりアクリル基板に積層した。ホログ
ラム12のもう一方側の面はポリビニルアルコールフィ
ルムよりなる保護層を介し、表面カバーフィルムを粘着
剤により積層した。カバーフィルムとしては50μm厚
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使
用した。透明基板のサイズは横約154mm、縦約80
mmであり、ホログラム12の有効領域のサイズは横約
144mm、縦約70mmである。
【0034】本例ではホログラム12として、厚さ20
μmのアクリル系フォトポリマーよりなる感光材料を用
い、体積位相型の反射型ホログラムを用いた。ホログラ
ムの露光は、感光材料の収縮を考慮して色素レーザを用
いて555nmの光により行い、物体光、参照光ともに
平行光で露光し、その後紫外線照射および熱処理を施し
ホログラムを作製した。
【0035】こうして得られたホログラムは65゜の入
射に対し、545nm付近に回折ピークを持ち、回折効
率は70%、波長半値幅は約10nmであった。また、
このホログラムを前記構成にて配置すると、表示像の色
調が緑の表示が得られた。
【0036】なお、ホログラムは通常数10mm〜数1
00mm角程度の面積で、数μm〜数10μm程度の厚
みである。このようなホログラムは、リップマンタイプ
等の体積・位相型のホログラムが高い回折効率を得られ
るという点で望ましいが、エンボスタイプ、レインボー
タイプ等のホログラムと呼ばれるものを広く用いること
ができる。また、ホログラム材料としては、ポリビニル
カルバゾールやアクリル系などのフォトポリマー、重ク
ロム酸ゼラチン、光レジスト、銀塩など種々の感光材料
を用いることができる。
【0037】また、上記例では、ホログラムとして反射
型ホログラムを用いているが、情報表示源や本体部等の
配置を適宜選択することによって、透過型ホログラムを
用いることもできる。透過型ホログラムを用いる場合、
以下に説明する基板には透明な基板が用いられる。
【0038】ホログラムが配される基板としては、完全
に透明なもの、光を部分的に透過するものを含めた透明
基板、有色不透明な基板等、設置位置に応じて種々のも
のを用いることができる。例えば、色付きでない透明ガ
ラス板だけでなくブロンズやグリーンなどに色付けされ
たガラス板も透明基板として使用できる。また、材質に
ついてはガラスのみでなく、アクリル(ポリメチルメタ
クリレート)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポ
リオレフィン、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレ
ン共重合体樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体
樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)などの合成樹脂
基板でもよいし、透明な結晶体などであってもよい。
【0039】上記の透明基板の光学特性としては、屈折
率がホログラムに近似していることが望ましく、屈折率
は1.44〜1.64が、基板とホログラムの界面で生
じる反射によるノイズが少ないという点で好ましい。ま
た、ヘイズ(曇価)は小さく、光線透過率は大きいこと
が好ましい。ヘイズが大きく光線透過率が小さい場合に
は、光が十分ホログラムに入射することが困難となり表
示像の明るさが低下しが見にくくなる。複屈折が高いと
偏光面の整合性の悪化により表示像の劣化をもたらす場
合があるため、複屈折は低いことが望ましい。
【0040】また、透明基板の厚さについては、厚さ1
mm以下のフィルムでもよいし、厚さ数cmのブロック
体であってよいが、薄すぎる場合は強度的に取扱いが困
難となるおそれがあり、厚すぎる場合は小型軽量化しに
くくなる。また、使用環境条件によっては、耐熱性・耐
寒性に優れた透明基板を用いることが好ましい。前方の
透視性や小型軽量化の観点からは厚さ0.5〜3.0m
m程度の透明な樹脂基板を用いることが特に好ましい。
【0041】さらに、上記例ではホログラムは物体光、
参照光とも平行光で露光した倍率のないものとしたが、
発散光を用いて露光し、軸はずしの非球面凹面鏡に相当
する回折格子を記録して、拡大表示とすることもでき
る。本発明のように情報表示源からホログラムコンバイ
ナへの距離が100mm以内と短い場合は、ホログラム
に倍率を持たせると表示像は歪みを生ずるため、表示体
の表示される情報の形状を、ホログラムにより回折され
得られる虚像の像歪みを補正するようにあらかじめ変形
させておき、歪みの少ない表示像を得るようにすること
など、表示体のサイズを含め最適化することが望まし
い。
【0042】上述のように、コンバイナを、2つの透明
基板の間にホログラムを粘着剤または接着剤により積層
した構造とすることによって、ホログラムを外部環境や
磨耗から防ぐことができる。また、その2つの透明基板
の少なくとも一方を厚さ1mm以下の透明フィルムとす
れば、保護と軽量化の両立が可能である。
【0043】上記の基板、ホログラム、粘着剤、接着
剤、保護層のいずれか少なくとも1つに、紫外線吸収
剤、紫外線安定剤、酸化防止剤等を含有させることは好
ましい。車両内のような紫外線に曝される環境において
も、それぞれの材料の特性が損なわれることなく、信頼
性に優れたHUDが実現できるからである。
【0044】上記例の、コンバイナを軸支して一体化し
た本体部を支持台上に保持し、本体部と支持台とをボー
ルジョイントにより連結する構造は、支持台に対し本体
部が自由に可動できる。こうして、コンバイナの傾斜角
を観察者から見て表示像の高さを変えられるよう調整可
能にでき、様々な身長の観察者が各人に適した高さで表
示像を観察できる。しかも、コンバイナの傾斜角の調整
時には、コンバイナの傾斜角だけが動くのではなく、情
報表示源からコンバイナへの光の入射角および情報表示
源からコンバイナへの距離が一定に保たれるよう、コン
バイナおよび情報表示源が一体となって動くため、ホロ
グラムの再生条件を常に最適の状態に保ちながら表示像
の高さを調整することが可能である。
【0045】また、コンバイナを可倒式とし、本体部の
上面に沿うように収納可能とすることは、非使用時には
コンバイナを倒しておくことができ、HUDをさらにコ
ンパクト化できる。さらに、コンバイナを本体部の上面
に沿うように収納された状態からコンバイナの上部を押
すことによって所定の角度の起立した状態になるように
することで、ワンタッチでコンバイナの開閉が可能であ
り使い勝手のよいHUDが実現できる。この場合、コン
バイナが本体部の上面に沿うように収納された状態か
ら、所定の角度の起立した状態へ移行するときのコンバ
イナの動きが急激な変化とならないように緩衝機構を設
けることによって、コンバイナの動きを非常にスムース
なものとすることができる。また、急激な動きによる部
品・材料の変形や疲労を防ぐことができるため、耐久性
のよいHUDが実現できる。
【0046】さらに、本体部にコンバイナの動きに連動
したスイッチが備えることによって、コンバイナが起立
したときには光源および/または表示体および/または
回路部の電源が接続され、コンバイナが本体部の上面に
沿うように収納されたときには、光源および/または表
示体および/または回路部の電源が切断され、HUDを
使用しない状態、つまりはコンバイナが収納状態の時に
は電力を消費させなくできる。そのため、別個の手動ス
イッチが不要であり、経済的でかつ部品点数が少なくコ
ストが安いものとなる。また、使い勝手がよくかつデザ
イン的にも優れたHUDが実現できる。
【0047】本体部に受光センサと周囲の明るさにより
光源の明るさを自動調整する制御手段および/または手
動により光源の明るさを調整する制御手段を設けること
によって、環境の明るさに応じた輝度の表示像を得るこ
とができ、また手動によっても調整が可能となるので、
個々人の希望により明るさを調整でき、視認性のよいヘ
ッドアップディスプレイが実現できる。さらに、本体部
に表示素子のコントラストを調整する制御手段を設ける
ことによって、常にコントラストのよい表示像を得るこ
とができ、視認性のよいヘッドアップディスプレイが実
現できる。
【0048】本発明のHUDを車両用として用いる場合
に、車両のダッシュボード上に備えれば、車両内の観察
者は車両の前景を見ながら、大きく視線を動かすことな
く表示像つまりはFMデータ多重放送の情報を見ること
ができる。
【0049】また、本発明のHUDを車両のダッシュボ
ード内に組み込み、使用時にコンバイナをダッシュボー
ドから立ち上げ、非使用時にダッシュボードに沿うよう
に倒れ収納させるようにすれば、コンパクトでデザイン
性に優れたHUDが実現できる。
【0050】上記例では外部放送としてFMデータ多重
放送を例示したが、本発明は、この例におけるFMデー
タ多重放送による情報の表示のほか、光ビーコン用のフ
ォトダイオードや電波ビーコン用のアンテナとそれらの
制御回路を付加し、それらによる情報の表示や、磁気セ
ンサーを備えた方位情報の表示など、その他センサーお
よびその制御回路を備え、さらにその表示用途により適
宜選択されうるもの等、乗り物の運行や業務に関わる様
々な情報表示に適用できる。なお、この情報を観察する
者としては主には車両等の乗り物の運転手であるが、助
手席その他の同乗者や、これらすべての者を含めること
ができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、コンバイナが軸支され
た本体部にFMデータ多重放送受信機を備えているた
め、情報表示源からコンバイナへの光の入射角および情
報表示源からコンバイナへの距離をほぼ一定に保たれる
よう固定されて、ホログラムの再生条件を常に最適の状
態に保つことができる別置き型HUDであっても、煩雑
な配線作業等を必要とせずにFMデータ多重放送の受信
ができるHUDが得られる。
【0052】この場合、ポールアンテナや車体へのアン
テナ配線を必要としないので、単に電源を供給すれば、
HUDの装置部分のみで使用可能となるFMデータ多重
放送を受信可能なHUDを実現できる。さらに、他の配
線やポールアンテナを不要としているため、デザイン的
にも優れたHUDにできる。
【0053】また、情報表示源からホログラムへ入射す
る光の入射角と、ホログラムから観察者へ回折する光の
回折角とが異なる非正反射の配置を採用することによっ
て、ホログラムにより回折された本来の表示像とコンバ
イナの表面反射による二重像やホログラムの多重回折像
などの不要像が完全に分離され、不要像のない視認性の
高いHUDが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッドアップディスプレイの一例を示
す概念図
【図2】本発明のコンバイナの構成の一例を示す正面概
念図
【図3】本発明のヘッドアップディスプレイの回路構成
の一例を示すブロック図
【図4】従来の別置き型の車載用HUDを示す概念図
【符号の説明】
10:銅箔 11:接続部 12:ホログラム 13:非有効領域 20:アンテナ 21:FMチューナー部 22:FM多重データ復調部 23:CPU 24:RAM 25:ROM 26:F−STN LCD駆動部 27:F−STN LCD 50:コンバイナ 51:本体部 52:内部構造材 53:支持台 54:コンバイナ保持部品 56:表示素子 57:光源 58:受光センサー 59:開口部カバー 60:回路部 62:光源モジュール 63:選局スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
    を有して表示すべき情報を光として発生する情報表示源
    と、前記光を観察者に向けて回折し虚像として観察者に
    視認させるコンバイナとが、本体部に備えられ一体化さ
    れたヘッドアップディスプレイにおいて、前記本体部に
    は外部放送受信機が備えられていることを特徴とするヘ
    ッドアップディスプレイ。
  2. 【請求項2】前記ヘッドアップディスプレイのコンバイ
    ナの周縁部には前記外部放送受信機用のアンテナパター
    ンが形成されていることを特徴とする請求項1のヘッド
    アップディスプレイ。
  3. 【請求項3】前記コンバイナは、少なくとも透明基板と
    該透明基板に配されたホログラムとからなることを特徴
    とする請求項1または2のヘッドアップディスプレイ。
  4. 【請求項4】前記コンバイナは、その下辺部が本体部に
    回動自在に軸支されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかのヘッドアップディスプレイ。
JP8218783A 1996-08-20 1996-08-20 ヘッドアップディスプレイ Pending JPH1062711A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8218783A JPH1062711A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 ヘッドアップディスプレイ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8218783A JPH1062711A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 ヘッドアップディスプレイ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1062711A true JPH1062711A (ja) 1998-03-06

Family

ID=16725316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8218783A Pending JPH1062711A (ja) 1996-08-20 1996-08-20 ヘッドアップディスプレイ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1062711A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179152A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Yupiteru Corp 車載機器用支持構造
JP2009220597A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Yupiteru Corp 車載装置の固定具
KR200459119Y1 (ko) 2008-08-07 2012-03-19 박호철 헤드업 디스플레이 장치
JP2013535019A (ja) * 2010-05-26 2013-09-09 ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー ディスプレイ、特に車両ヘッドアップディスプレイ
EP2936239A1 (fr) * 2012-12-18 2015-10-28 Valeo Etudes Electroniques Afficheur pour afficher dans le champ de vision d'un conducteur une image virtuelle et dispositif de generation d'images pour ledit afficheur
JP2016141272A (ja) * 2015-02-02 2016-08-08 カルソニックカンセイ株式会社 ヘッドアップディスプレイ設置構造
WO2018110335A1 (ja) * 2016-12-12 2018-06-21 コニカミノルタ株式会社 表示部材、ヘッドアップディスプレイ装置及び表示部材の製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179152A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Yupiteru Corp 車載機器用支持構造
JP2009220597A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Yupiteru Corp 車載装置の固定具
KR200459119Y1 (ko) 2008-08-07 2012-03-19 박호철 헤드업 디스플레이 장치
JP2013535019A (ja) * 2010-05-26 2013-09-09 ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー ディスプレイ、特に車両ヘッドアップディスプレイ
US9541758B2 (en) 2010-05-26 2017-01-10 Bernd Ludewig Display, in particular head-up-display of a vehicle
EP2936239A1 (fr) * 2012-12-18 2015-10-28 Valeo Etudes Electroniques Afficheur pour afficher dans le champ de vision d'un conducteur une image virtuelle et dispositif de generation d'images pour ledit afficheur
JP2016505163A (ja) * 2012-12-18 2016-02-18 バレオ・エチユード・エレクトロニク 運転者の視野内に仮想画像を表示するディスプレイ、および前記ディスプレイ用の画像を生成する装置
JP2016141272A (ja) * 2015-02-02 2016-08-08 カルソニックカンセイ株式会社 ヘッドアップディスプレイ設置構造
WO2018110335A1 (ja) * 2016-12-12 2018-06-21 コニカミノルタ株式会社 表示部材、ヘッドアップディスプレイ装置及び表示部材の製造方法
JPWO2018110335A1 (ja) * 2016-12-12 2019-10-31 コニカミノルタ株式会社 表示部材、ヘッドアップディスプレイ装置及び表示部材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7990620B2 (en) Head-up display system
JP5577038B2 (ja) 高輝度ディスプレイを含む車両リアビューアセンブリ
EP1417529B1 (en) Method and apparatus for displaying information with a day/night mode head-up display
US9429757B1 (en) System for providing projected information combined with outside scenery
US20120242724A1 (en) Transmissive display apparatus, mobile object and control apparatus
JP2001242411A (ja) ホログラム表示装置
JPH02299934A (ja) 車輌用のヘッドアップディスプレイ
JPH11249062A (ja) 情報表示装置
US20170153450A1 (en) High contrast projection screen
JPH1048562A (ja) ホログラフィック表示装置
JPH09311290A (ja) 別置き型ヘッドアップディスプレイ
JP2000039581A (ja) 情報表示装置
JPH1062711A (ja) ヘッドアップディスプレイ
JPH1010464A (ja) ホログラフィック表示装置
JPH10194009A (ja) ヘッドアップディスプレイ
JP2000233665A (ja) 車両用投影型ホログラフィック情報表示装置
JP2000280786A (ja) 車両用投影型ホログラフィック情報表示装置
JP2000241748A (ja) 情報表示装置
JPH1152283A (ja) ヘッドアップディスプレイ装置用コンバイナーおよびヘッドアップディスプレイ装置
JPH1152282A (ja) 別置き型ヘッドアップディスプレイ
CN105700136A (zh) 一种车载抬头显示系统及汽车
JPH11352905A (ja) ヘッドアップディスプレイ装置
JPH11142961A (ja) スクリーン及び映像投写システム並びにコンバイナ及び表示装置
JPH10274747A (ja) ホログラフィック表示装置およびホログラムの作製方法
KR19990038918A (ko) 자동차용 헤드업 디스플레이 장치