JPH11142961A - スクリーン及び映像投写システム並びにコンバイナ及び表示装置 - Google Patents

スクリーン及び映像投写システム並びにコンバイナ及び表示装置

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JPH11142961A
JPH11142961A JP9307443A JP30744397A JPH11142961A JP H11142961 A JPH11142961 A JP H11142961A JP 9307443 A JP9307443 A JP 9307443A JP 30744397 A JP30744397 A JP 30744397A JP H11142961 A JPH11142961 A JP H11142961A
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JP
Japan
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light
screen
image
polarization component
display device
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JP9307443A
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Kanemitsu Kubota
兼充 久保田
Tatsuya Shimoda
達也 下田
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】投写型表示装置を有する映像投写表示装置にお
いて、明るく色純度が良い投写映像を実現する事、及び
明るく視認性の高い反射映像とスクリーンを通した透過
映像とを両立させた見やすいダブル映像を実現すること
を課題とする。 【解決手段】スクリーン12として、投写型表示装置か
らの出射光の偏光軸に等しい反射偏光軸を有する反射偏
光板121を用いることにより、映像投写光に必要な光
のみを反射させてそれ以外の光を透過させて視認性が高
く、色のきれいな投写映像を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーンに関す
る。また、該スクリーンと該スクリーンに映像を投射す
る投写型表示装置とを備える映像投写システムに関す
る。また、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップ
ディスプレイ等に代表される人間の身体あるいは自動車
等に装着して用いる表示装置及びそれに用いるコンバイ
ナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、 ホームビデオやプレゼンテーシ
ョン・ツールとして可搬型の表示装置である投写型の表
示装置が普及している。また、最近では、スクリーンに
映像を投写する投写型の表示装置の他にも、コンバイナ
と呼ばれる半透明な反射板に映像を投射するとともに、
前方の景色も同時に視認できるようにした自動車用のヘ
ッドアップディスプレイ装置やヘッドマウントディスプ
レイ装置等に代表される表示装置も出回るようになって
きた。これらの表示装置は、特に小型軽量化が求めら
れ、それに伴って特に少ない電力でも光の利用効率を高
くして良好な映像を実現させることが期待されている。
そして、小型軽量化のため、光変調器(ライトバルブ)
も従来のCRT管から液晶パネルやDMD(Digital Mi
rror Devices…テキサスインスツルメンツ(TI)社
製)を用いたものに変わりつつあり、中でも液晶パネル
を用いたものが急速にその数を伸ばしている。
【0003】スクリーン上に投影された映像の場合、そ
の表示画質は、天井、壁、窓等の周囲からの光による同
じスクリーン上での反射光が増えるほど本来の投影映像
がボケて、コントラスト比、色純度とも落ちて画質、視
認性が著しく低下する。特に、プレゼンテーションなど
に使われる時には、その使用環境は比較的明るい場が多
く、そのため従来の投写型表示装置は投写光源であるメ
タルハライドランプの光量を増し投影映像を明るくして
対応させてきた。これは消費電力の増加を招くととも
に、小型化、軽量化にも妨げになっていた。上述した課
題に対しては、特開平8ー15779に示される方法
で、投写光の光利用効率を高める試みがあった。それに
よれば、投写型表示装置用スクリーンとして、光の3原
色である赤、緑、青の限定された波長領域のみを選択反
射し、それ以外の波長領域光を全て透過させ下部の黒色
体で吸収させるリップマン・ホログラムを投写面に形成
したスクリーンが提案されている。これにより、投写型
表示装置から主に出射される3原色の主波長領域以外の
波長光が全て吸収されるため周囲光のスクリーン上での
反射が減り、投写光量が同じでも相対的に周囲光に対し
て投写型表示装置映像の明るさが増し、コントラスト
比、色純度、視認性の向上が図れる。
【0004】一方、ヘッドアップディスプレイやヘッド
マウントディスプレイに代表される表示装置は、投写型
表示装置から投写された映像を、コンバイナと呼ばれる
半透明な反射板に照射し、それによって得られる虚像と
半透明な反射板を通して入る前方光景とを重ねて同時に
見るものである。応用例として自動車用のヘッドアップ
ディスプレイ装置があるが、これにより運転者は前方の
光景からほとんど眼をそらすこと無く上記虚像表示され
たスピードメータやタコメータ等を確認できるため安全
運転の一助となっている。この場合、部分的に配された
コンバイナを通して前方視界と投写型表示装置からの映
像情報とを重畳して見るため、前方視界をできるだけ妨
げることの無いコンバイナが求められる。理想的には自
動車のフロントガラスから見える前方光景が該コンバイ
ナによって明暗分断される感じを出来るだけ押さえるこ
とが視界の確保、疲労感の低減といった安全上の点から
も重要になる。こうした課題に対する解決提案例として
は、特開平9ー185011や特開平7ー309153
や特開平4ー118620に示されるように、投写光の
波長領域を狭く絞り込むとともに、コンバイナにホログ
ラムを用いて投写型表示装置から投写される光の波長領
域のみを選択的に反射させてその他の波長領域の光を透
過させることにより、上記コンバイナによって運転者の
前方外景の視界ができるだけ妨げられないようにする提
案がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、各種
の応用場面で投写型表示装置の映像画質を高める努力が
なされてきたが、その主なものとしては、スクリーンや
コンバイナにホログラムを用いて、投写型表示装置から
投写される光の波長領域のみを反射し、投影画質に対し
てノイズとなり前方視界の妨げとなるそれ以外の波長領
域の不必要な光を透過して視認性の向上を図ってきた。
しかし、通常の液晶投写型表示装置では表示体にTN
(Twisted Nematic)型液晶パネルが用いられており、
そこから投写される映像光は偏光である。従って、本当
に反射する必要のある光は、前述した特定な波長領域の
光で、なお且つ一方向の偏光のみで、従来の方法では、
投写される映像光と直交する方向の偏光をも同時に反射
してしまうため光の利用効率、画質の向上に於いてまだ
まだ無駄が存在した。本発明の目的は、以上の課題を解
決して、更に無駄な外光反射を防ぎコントラスト比が高
く、色純度が良く、視認性の高い良好な映像画質を実現
させることにある。更に、本発明による解決手段を通し
て、上述したヘッドアップディスプレイのように外景に
重畳させて投写型表示装置からの映像や情報映像を表示
する、云はば人工的なダブル映像表示の表示品位を上げ
て、これを用いた新たな応用機器を提供することも本発
明のもう一つの目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し目的
を達成するために、本発明は以下の構成をとるものであ
る。
【0007】本発明のスクリーンは、所定方向の偏光成
分の光を反射し、前記所定方向の偏光成分とは異なる偏
光成分の光と透過する反射偏光板を有することを特徴と
する。本発明のスクリーンによれば、スクリーンに入射
する光のうち、所定方向の偏光成分の光を反射し、この
方向とは異なる偏光成分の光については反射しない。つ
まり所定方向の偏光成分の光以外の光の反射の影響をう
けないため、スクリーン上には所定方向の偏光成分の光
が、きれいに投影されることとなる。一般に、投写型表
示装置から出射される映像の偏光方向は一方向にそろっ
ているため、その映像の偏光方向と、スクリーンが反射
する光の偏光方向と、を概ね一致させればスクリーンに
は無駄な外光の反射が減り色純度、コントラスト比、視
認性の高い映像が映し出されることとなる。
【0008】このスクリーンに用いる反射偏光板の一方
の側に光吸収体を設ければ、所定方向の偏光成分以外の
偏光成分の光は光吸収体によって吸収されるので、スク
リーン上には、所定方向の偏光成分の光のみが映し出さ
れる。例えば、投写型表示装置からの出射光をスクリー
ンの他方の側(光吸収体を設けない側)から入射させた
場合においては、投写型表示装置から出射される光がス
クリーンに投影され、それ以外の外光のうち所定方向の
偏光成分とは異なる偏光成分の光は光吸収体によって吸
収される。
【0009】一方、反射偏光板に光吸収体を設けない場
合においては、所定方向の偏光成分の光はスクリーンに
よって反射され、それとは異なる偏光成分の光はスクリ
ーンを透過することとなる。つまり、スクリーンに映し
出される反射映像と、スクリーンを透過する透過映像
と、を同時に視認できるスクリーンが実現する。例えば
投写型表示装置からの出射光をスクリーンの一方の側か
ら入射させた場合においては、投写型表示装置から出射
される光を反射映像として視認できるとともに、スクリ
ーンの他方の側からスクリーンに入射する光、つまりは
背景をスクリーンを通して視認することができる。
【0010】本発明の映像投射システムは、所定方向の
偏光成分の光を反射し、前記所定方向の偏光成分とは異
なる偏光成分の光を透過する反射偏光板を含むスクリー
ンと、光源から出射する光を変調し前記所定方向の偏光
成分の光として前記スクリーンに向かって出射する投写
型表示装置と、を具備することを特徴とする。
【0011】本発明の映像投射システムによれば、投写
型表示装置から出射した所定方向の偏光成分の光は、ス
クリーンによって反射されて反射映像となって視認され
る。一方、天井、壁、窓、室内照明等からスクリーンに
入射する光のうち所定方向の偏光成分とは異なる偏光成
分の光は、スクリーンによって反射されない。つまり、
映像とは関係のない光の反射が減るので、色純度、コン
トラスト比、視認性の高い反射映像が得られる。
【0012】この映像投射システムのスクリーンに用い
る反射偏光板の一方の側に光吸収体を設ければ、所定方
向の偏光成分以外の偏光成分の光は光吸収体によって吸
収されるので、スクリーン上には、所定方向の偏光成分
の光のみが映し出される。例えば、投写型表示装置から
の出射光をスクリーンの他方の側(光吸収体を設けない
側)から入射させた場合においては、投写型表示装置か
ら出射される反射映像及び外光の所定方向の偏光成分の
光のみがスクリーンに投影される。
【0013】反射偏光板に光吸収体を設けない場合にお
いては、所定方向の偏光成分の光はスクリーンによって
反射され、それとは異なる偏光成分の光はスクリーンを
透過することとなる。つまり、スクリーンに映し出され
る反射映像と、スクリーンを透過する透過映像と、を同
時に視認できることとなる。例えば投写型表示装置から
の出射光をスクリーンの一方の側から入射させた場合に
おいては、投写型表示装置から出射される光を射映像と
して視認できるとともに、スクリーンの他方の側からス
クリーンに入射する光、つまりは背景をスクリーンを通
して視認することができる。
【0014】本発明の映像投写システムは具体的には、
ホームビデオ又はプレゼンテーションツール若しくはシ
ョウウインドウシステム又はショウケースシステム等に
利用することができる。本発明の映像投写システムを、
ショウウインドウシステム又はショウケースシステム等
に利用した場合にあっては、反射映像と背景とが双方明
るく、色純度が良く、視認性の高いダブル映像表示が得
られるので、商品のディスプレイ効果を更に高めるるシ
ョウ・ウインドウ・システムもしくはショウ・ケース・
システムが実現できる。
【0015】本発明のコンバイナは、所定方向の偏光成
分の光を反射し、前記所定方向の偏光成分とは異なる偏
光成分の光と透過する反射偏光板を有することを特徴と
する。
【0016】本発明のコンバイナによれば、コンバイナ
に入射する光のうち、所定方向の偏光成分の光を反射
し、この方向とは異なる偏光成分の光については反射し
ない。つまり所定方向の偏光成分の光以外の光の反射の
影響をうけないため、コンバイナ上には所定方向の偏光
成分の光が、きれいに投影されることとなる。一般に、
ヘッドアップディスプレイの映像光出射部等から出射さ
れる映像の偏光方向は一方向にそろっているため、その
映像の偏光方向と、コンバイナが反射する光の偏光方向
と、を概ね一致させればコンバイナには無駄な外光の反
射が減り色純度、コントラスト比、視認性の高い映像が
映し出されることとなる。一方、所定方向とは異なる偏
光成分の光はコンバイナを透過することとなる。つま
り、コンバイナに映し出される反射映像と、コンバイナ
を透過する透過映像と、を同時に視認できるコンバイナ
が実現する。例えば上述の映像光出射部からの出射光を
コンバイナの一方の側から入射させた場合においては、
映像光出射部から出射される光を反射映像として視認で
きるとともに、コンバイナの他方の側からコンバイナに
入射する光、つまりは背景をコンバイナを通して視認す
ることができる。
【0017】尚、コンバイナとは、透過機能と反射機能
とを具備し、反射映像と背景とを重畳して見せる機能を
持つ半透過反射板である。一般には、ヘッドアップディ
スプレイ装置等に用いられている。
【0018】本発明の表示装置は、変調された光を所定
方向の偏光成分の光として出射する映像光出射部と、前
記映像光出射部から出射された前記所定方向の偏光成分
の光を反射し、前記映像光出射部から出射された光の入
射側とは反対の側から入射する光のうち前記所定方向の
偏光成分とは異なる偏光成分の光を透過するコンバイナ
と、を具備することを特徴とする。
【0019】本発明の表示装置によれば、映像光出射部
より出射された所定方向の偏光成分の光はコンバイナに
よって反射され、反射映像を形成する。一方、コンバイ
ナに入射する光であって映像光出射部から出射する光と
は反対に側から入射する光のうち所定方向の偏光成分と
は異なる偏光成分の光はコンバイナを透過する。つま
り、視認射は、映像光出射部から出射された映像及び、
コンバイナを透過した光つまりは背景を同時に視認する
ことができる。
【0020】本発明の表示装置は、具体的にはいわゆる
ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレ
イ又はメガネディスプレイに利用できる。また、ゲーム
機等にも応用できる。ゲーム機に本発明の表示装置を利
用した場合にあっては、反射映像と背景とが双方明る
く、色純度が良く、視認性の高いダブル映像表示が得ら
れるため、楽しくエキサイティングで新規性のあるゲー
ムが提供できる。
【0021】本発明のスクリーン、又はコンバイナは所
定の波長領域のみを反射するように設定してもよい。具
体的には、反射映像に必要な波長領域のみを反射するよ
うにするとよく、このようにすれば、反射する外光が更
に限定されるためより画質の良い映像が得られることと
なる。さらに好ましくは、可視波長領域のうち光の3原
色に対応する波長領域を選択的に反射するように構成さ
れていると好ましい。このように構成することにより、
反射映像に用いられる波長範囲の色偏光をあますことな
く反射し、且つ無駄な外光の反射を防げるので、色純
度、コントラスト比、視認性の高い映像が実現できる。
特に、映像投写システムにおいては投写型表示装置より
出射する色偏光のみ、表示装置にあっては映像光出射部
より出射される色偏光のみが選択的に反射されるのでそ
の効果はより顕著なものとなる。
【0022】本発明のスクリーン又はコンバイナは、光
吸収体を用いない場合にあっては、可視波長領域におけ
る反射率が10%以上40%以下であると好ましい。反
射率がこの範囲内にあると、スクリーンに映し出される
反射映像と、スクリーンを透過する透過映像との明るさ
が最適なバランスとなるからである。
【0023】本発明のスクリーン又はコンバイナに用い
る反射偏光板には、光学的に異なる少なくとも二種類の
フィルムから構成されるとともに、該二種類のフィルム
の各々2つ(X軸とY軸)の屈折率のうちいずれか一方
(例えばY軸)の屈折率が略等しく、それと直交する他
方(例えばX軸)の屈折率が異なるように該二種類のフ
ィルムを交互に積層させた構造を有する反射偏光板を用
いると好ましい。
【0024】このような構成の反射偏光板は、フィルム
の厚みを変化させることによって反射波長領域を調整す
ることができるとともに、積層する枚数を変化させるこ
とによって反射率を調整することができるという利点が
あるからである。
【0025】尚、反射偏光板の他の例としては、コレス
テリック層と1/2波長板を組み合わせた反射偏光板等
もある。
【0026】また、本発明における所定方向の偏光成分
と異なる偏光成分の光とは、具体的には所定方向と直交
する偏光方向の光である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるスクリーン、
映像投射システム、コンバイナ及び表示装置並びにそれ
らを用いた各種装置を具体的な実施形態に基づいて説明
する。
【0028】(実施例1)まず本発明の映像投写システ
ム及びスクリーンの基本的な構造を図面を用いて説明す
る。
【0029】図1は、本発明による映像投写システム及
びスクリーンの断面図である。11は本発明の映像投写
システムに用いる投写型表示装置の基本的な部分のみを
断面的に描いたものであり、12はスクリーンである。
15は光源としてのメタルハライドランプ、16、17
はそれぞれ放物曲面等をもった反射鏡及びレンズで、い
ずれも光源15から発せられた光を投写光として効率の
良い平行な光束に揃える働きを担っている。141〜1
44はいずれもダイクロイック・ミラーで屈折率の異な
る複数種類の誘電体を交互に複数回積層させた構造から
なり所定の波長帯光のみを反射し残りの波長帯光を透過
させる機能を有する。145、146は反射鏡、131
〜133は各々TN(Twisted Nematic)型の液晶パネ
ルでそれぞれR(赤)、G(緑)、B(青)に対応する
情報を表示する。図示するようにそれぞれのTN型液晶
パネル(131〜133)は左右2枚の偏光板(133
1と1332)とそれらによって挟持されたTN型液晶
セル1333とから基本的に構成される。18は投写レ
ンズで、ここではレンズ17と同様に一枚のレンズとし
て描かれているが、実際には、双方とも複数枚のレンズ
から構成される。
【0030】尚、光源としてはハロゲンランプ等も使用
可能であり、液晶パネルとしてはTN型の液晶パネルの
他のもSTN型の液晶パネルも利用可能である。
【0031】また、本発明の説明とは直接係わらない液
晶パネルの表示駆動回路や冷却機構などはあらかじめ図
面から省いてある。
【0032】次の本発明の映像投写システムの作用につ
いて説明する。
【0033】光源15から発せられた光は反射鏡16、
レンズ17によりほぼ平行な光束に揃えられてダイクロ
イック・ミラー141に達しR(赤)光のみそのまま直
進する。G(緑)B(青)光は反射されダイクロイック
・ミラー142に達し、そこで、再度分離されG光は反
射され右方向に進むがB光はそのまま直進する。そして
B光も反射鏡145で反射されて右方向に進む。このよ
うにして分離されたR,G,B光はそれぞれのカラー情
報が表示された各液晶パネル、132、133にそれぞ
れ入射する。前述したように各液晶パネル(131〜1
33)は左右2枚の偏光板とそれらによって挟持された
TN型液晶表示セルとから構成されるから、入射した
R,G,B光はそれぞれの液晶パネル131、132、
133によって映像情報に応じて変調された光となって
右方向から出るがそれらの出射光は全て上記右の偏光板
によって方位づけられた偏光となっている。ここではそ
の偏光方向が矢印で示したように紙面に平行で且つ上下
方向(これをX方向とする)となるようにあらかじめ左
右の偏光板およびTN型液晶表示セルを設定しておく。
液晶パネルで変調されたRGB光はダイクロイック・ミ
ラー143、144及び反射鏡146により再び重ね合
わされ合成されてから投写レンズ18を介してスクリー
ン12に向けて出射される。従って出射される光は全て
矢印方向のX偏光軸を有するX偏光である。スクリーン
12は光散乱層122を投写面側に有する反射偏光板1
21と裏面に配された光吸収部(黒色部)123とから
構成されている。ここでは説明のため反射偏光板121
と光吸収部123とは離れているが、これらは密着させ
た方が光の吸収もよく好ましい。尚、上記反射偏光板の
基本的なものに関しては、PCT WO95/1769
2にその機能及び製造方法が詳述されている。
【0034】ここで、図2、図3、図4を用いて、本発
明で用いる反射偏光板の基本的な説明をする。図2は反
射偏光板の断面構造を示す。反射偏光板は光学的に異な
る2種類の無色透明なフィルムA,Bが交互に複数回積
層された構造を有する。フィルムAのX偏光に対する屈
折率をnAX、Y偏光に対する屈折率をnAYとおく。ここ
でX方向とは図2に示すように紙面に平行な方向、Y方
向とは紙面に垂直な前後方向であり、このことは本発明
の詳細な説明の全てにわたって共通化させている。一
方、フィルムBのX偏光に対する屈折率をnBX、Y偏光
に対する屈折率をnBYとおく。そして、 (式1) nAX≠nBX (nAX>nBX) (式2) nAY=nBY 式1、式2が充たされるように各フィルムA,Bを設定
してX,Y方向を揃えて積層すれば、Y方向の偏光軸を
持った偏光(Y偏光)に対してはフィルムA,Bの間で
屈折率の違いが無いために反射を少しも受けること無く
図示するように透過して反対面から外部に出る。次にX
方向に偏光軸を持つ偏光(X偏光)に対してはフィルム
A,Bの間で屈折率の違いがあるため一部が反射されて
残りが透過する。この時の反射される光の波長、反射波
長幅、反射率は個々のフィルムA,Bの厚み(dA、d
B)や屈折率(nAX、nBX)及び屈折率の差(△nX=n
AX−nBX)や積層するフィルム層数を選択する事により
任意に設定できる。
【0035】更に詳しく説明すると、反射光の基準波長
(λ0)は、 (式3) λ0=4nAX・dA=4nBX・dB となり、各フィルムの厚みdA、dBが式3を充たすを充
たす時、波長λ0の光が最も強く反射される。
【0036】次に、反射される光の波長帯幅(△λ0)
は、 (式4) △λ0=λ0・(4/π)・sin-1((nAX−n
BX)/(nAX+nBX)) で示されるように2種類のフィルムA,Bの屈折率差
(nAX−nBX)が大きいほど反射される光の波長帯幅
(△λ0)も大きくなる。
【0037】次に、反射率(R)は、(式5) R≒1
−4・(nBX/nAX)^2N・・・2NはフィルムA,
Bの総層数で表され、2種類のフィルムA,Bの屈折率
差(△nX=nAX−nBX)が大きいほど、更には積層する
フィルム層数が多いほど反射率が上がる。
【0038】なお以上の詳細な説明は先述した PCT
WO95/17692または文献「応用光学Π」鶴田
匡夫著、培風館発行、p128〜133)に記されている。
【0039】次に、具体的に図3に示すような反射偏光
板を構成させた時の反射率を実際に求めてみる。ここで
は反射偏光板は、図示するように異なる反射波長帯を有
する4つの積層ブロックを重ね合わせた構造から成り立
っている。つまり波長750nmを中心に偏光反射させ
るフィルムA1とB1との積層フィルムブロック、この
反射波長は前述した式3で求められるフィルム厚dA1、
dB1(図3に示す)を合わせ込むことにより得られる。
同様に、それぞれ設定された厚みを有するフィルムA2
とB2とを複数回積層して650nmを、それぞれ設定
された厚みを有するフィルムA3とB3とを複数回積層
して550nmを,それぞれ設定された厚みを有するフ
ィルムA4とB4とを複数回積層して450nmを中心
とした偏光を主に反射する、それぞれ4つの積層ブロッ
クを重ね合わせて構成する。図4に、図3に示した反射
偏光板のフィルムA,Bの屈折率と積層層数とを変え反
射率と反射波長幅とを前述した式1から式5に従って各
々求めた結果を示す。図4(a)は、屈折率が1.7と
1.5の複屈折性を示すフィルムをフィルムAとして用
いた場合、図4(b)は、屈折率が1.6と1.5の複
屈折性を示すフィルムをフィルムAとして用いた場合の
例である。尚、フィルムBはいずれも光学的に等方性で
屈折率は1.5とした。これらの条件を備えるフィルム
はポリカーボネイト系やアクリル系やポリエステル系な
どの一般的なフィルム材の延伸処理の条件等により比較
的容易に得られるものである。
【0040】図4にその結果を示すが、フィルムAの複
屈折性が大きいほど高い反射率と広い反射波長帯幅(Δ
λ)が得られることが図4(a)(b)の比較から判
る。別の見方をすれば、フィルムのA,Bの屈折率、フ
ィルムA,Bの各厚み、交互に積層する層数を、適宜決
めることにより、所望の反射波長、反射波長帯幅、反射
率をもった反射偏光板が容易に得られることがわかる。
そして、上記積層フィルムブロックの数及び各ブロック
内の積層フィルムの層数を充分に増やせば、可視光波長
全域(400nm〜750nm)で一方向の偏光成分を
約100%反射させる反射偏光板が可能であり、それを
有するスクリーンも提供できることが容易に理解でき
る。
【0041】ここで再び図1に戻り、本実施例の説明を
続ける。投写レンズ18から出射した光はスクリーン1
2に達するが、前述した通りこの投写光は偏光(偏光方
向は図中の矢印方向)である。従って、スクリーン12
を構成する反射偏光板121の反射偏光軸(所定方向の
偏光成分の光を反射する軸)をあらかじめ矢印方向(X
軸)にセットしておけば投写光の偏光軸と反射偏光板1
21からなるスクリーン12の反射偏光軸とが一致する
ため、投写光は約100%反射される。ここで、反射偏
光板121の前面に設けられた光散乱層122により投
写光は散乱光として反射されるため、いろいろな方向か
らスクリーン12を眺める人に良好な投写映像が提供で
きる。一方、窓、天井等からスクリーン12に当たる周
囲光については、そのうち矢印方向の偏光(X偏光)は
該反射偏光板121により反射されるが、それと直交す
る偏光軸をもつ光(Y偏光で全体の約半分)はそのまま
透過してスクリーン12の後面に配された光吸収部によ
って吸収される。従って、周囲光のうち約半分は該スク
リーン12により吸収されてしまう。
【0042】このように、本発明によれば投写される映
像光の反射強度を損なうこと無く、投写映像に対してノ
イズ光となり映像のコントラスト比、色純度を著しく低
下させる周囲光のうち半分(Y方向の偏光成分)を透
過、吸収させることができ、投写映像の画質を格段に向
上させることができる。
【0043】従来にも、偏光板をスクリーンとして用い
たいわゆる偏光スクリーンは存在していたが、このスク
リーンの偏光反射率は約80%程度であり、それに比べ
本発明に基づく反射偏光板を用いたスクリーンでは10
0%近い偏光反射率が得られ、より明るく、色画質の優
れた投写映像が実現できる。さらに本発明に基づく反射
偏光板を持った偏光スクリーンによれば、偏光反射率、
反射波長領域幅を自由に、しかも容易に設定できるため
後述するようさらにきめ細かい光の反射/透過制御が可
能になり、より高効率な偏光スクリーンが提供できる。
【0044】また、前述した実施例に於いては、投写型
表示装置として、TN型液晶パネルをライトバルブとし
て用いた投写型表示装置を用いたが、投写映像光が偏光
性のある光ならばどのような投写型表示装置に対しても
本発明は有効であることは明らかである。
【0045】(実施例2)図5は、本発明におけるスク
リーン51と、投写型型表示装置52とを有する映像投
写システムの動作説明図を示す。ここで用いられるスク
リーンは図1で示されたスクリーン12から光散乱層1
22と光吸収部123とを取り除いたいわゆるシースル
ー型のスクリーンである。尚、このスクリーンは反射偏
光板121だけから構成されるスクリーンと同じと考え
てよい。そしてこのスクリーン51の反射偏光軸を、投
写型表示装置52から投写される光の偏光軸(X偏光)
と一致するように予め設定しておく(ここでは図示する
ように紙面に平行な矢印の方向(X方向)にあらかじめ
設定しておく)。従って、投写型表示装置52から投写
された映像はスクリーン51で全て反射されて明るい映
像となって左方の観察者53の眼に達する。従って、該
観察者53には投写映像は明るい虚像54として認識さ
れる。一方、スクリーン51は上述したように反射偏光
板から構成されるため、紙面に垂直な偏光軸55の光
(Y偏光)は該スクリーン51を透過するため該観察者
53には該スクリーン51を通して背後の物体56も重
ね合わせて見ることができる。 このように、本実施例
によれば、シースルー型のスクリーンにより投写映像5
4と背景56とを重ねたダブル映像が実現できる。従来
から、ダブル映像のみ得たい場合にはスクリーンとして
半透過/半反射型の薄い銀層を一様に無色透明のプラス
チック板上に形成したスクリーンを使用すればよかった
が、この半透過/半反射型のスクリーンの場合には映像
投写光のうち約半分は透過してしまい残りの半分の光し
か観察者53の眼に達しない。従って投写映像光による
虚像が暗く、良好なダブル映像が得られない。それに比
べて、本発明に基づくスクリーン51を使用した場合に
は、映像投写光の約100%を反射させた明るい虚像が
得られ、背景と合わせて明るく良好なダブル映像が得ら
れる。尚、投写型液晶投写型表示装置52からの投写映
像光が観察者53の目に、より確実に到達させるために
は投写型表示装置52からの投写光と観察者53とがス
クリーン51を介して正反射の位置関係に来るようにあ
らかじめスクリーン51の角度を設定したり、スクリー
ン51の表面に凹凸加工処理を施して効率的に観察者5
3に投写光が反射されるようにしておけばよい。
【0046】(実施例3)図6は、本発明におけるコン
バイナとしていわゆるコンバイナを用いた表示装置(自
動車用ヘッドアップディスプレイ装置)の動作説明図を
示す。61は、映像光出射部で図1の11や図5の52
と原理的には同じものと考えてよい。該映像光出射部6
1から投写された映像情報光(これは前に説明した通り
偏光である)は反射鏡62で反射された後、フロントガ
ラス63上に配されたコンバイナとしてのコンバイナ6
4に達する。コンバイナ64は前述した図2や図3に示
された光学的に異なる2種類の無色透明のフィルムが複
数回交互に積層された構造からなる反射偏光板と原理的
に同じと考えてよい。よって、投写された映像情報の偏
光軸と一致する方向の偏光を反射するようにコンバイナ
64の偏光軸をあらかじめ設定しておけば、投写映像情
報はコンバイナ64で100%近く反射されて観察者6
5の眼に達する。よって、観察者65には、該映像情報
は虚像66としてフロントガラス63の前方に前方視界
67と重なって視認される。従って、運転者65は前方
から眼をそらすこと無くスピードやエンジン回転数等の
情報を確認でき安全確保からも好ましい情報表示装置と
いえる。
【0047】以上のように、本実施例に於いては、コン
バイナ64として前述した反射偏光板を用い、投写型液
晶投写型表示装置から出射される偏光を100%近く反
射させるため、あたかもコンバイナの代わりに鏡が存在
するがごとくの反射虚像の明るさが得られる。一方、投
写される偏光と直交する偏光軸の光は全て透過するため
前方の光景も半分の明るさで認識できる。これは、運転
する上で十分な明るさであり、このことにより運転者
は、前方から眼を逸らすこと無く、十分な前方視界と必
要な運転情報とが双方とも視認性の良い映像として同時
に得ることができる。
【0048】(実施例4)前述の実施例1、2、3で記
載されたスクリーンやコンバイナに用いられた反射偏光
板の反射特性は、投写型表示装置あるいは映像光出射部
から出射される映像光と同一の偏光軸を有する可視光全
波長領域の偏光を全て反射させる特性を有しているもの
であった。
【0049】ここで投写型表示装置あるいは映像光出射
部から出射される光の元である光源(図1の15)の発
光分光特性について考えてみる。光源としては、キセノ
ンランプ、メタルハライドランプなどが主に用いられて
きたが、最近では、ランプ寿命やエネルギー当たりの発
光効率の高い高圧水銀ランプなどが多用されてきてい
る。図7のグラフ線71は高圧水銀ランプの発光スペク
トルの一例で、横軸は発光波長、縦軸は発光強度であ
る。図から明らかなように青、緑、黄色に強い発光強度
を示すピーク波長帯が存在する。このように投写光源の
発光強度スペクトルは一般的に一様ではなく、ある特定
の波長帯でピーク発光分布をもつものが多い。この場
合、光の3原色の波長帯に発光ピークを合わせた光源が
好んで用いられている場合が多い。従って、投写型表示
装置から出射される映像光もこのピーク波長帯を有す
る。そこで、上述したスクリーンやコンバイナに該ピー
ク波長帯の偏光のみを特に反射させるような反射偏光板
を用いれば、投写型表示装置からの投写光を効率良く反
射させることが出来るとともに、その他の波長領域の光
透過性を尚一層あげることができ、自動車用ヘッドアッ
プディスプレイに於いては前方視界をますます明るくす
ることができ、コンバイナの存在により前方視界が暗く
なるといった不都合がかなり改善できるし、スクリーン
として用いれば、周囲光の反射が更に減って明るく色純
度の良い投写映像が楽しめたり、前述した実施例2の場
合には、スクリーンの背景を更に明るくすることがで
き、広い範囲から好みに応じて明るさのバランスが選択
でき、良好なダブル映像を実現させることが出来る。図
7における72、73、74の反射波長帯をもつ反射偏
光板は前記発光スペクトル71を持つ投写型表示装置の
光源である高圧水銀ランプに合わせて設計されたもので
ある。(縦軸は偏光反射率である。)前述したように、
光学的に異なる無色透明な2種類のフィルムを交互に複
数回積層させて形成した反射偏光板は、反射波長、反射
波長帯の波長幅、反射率を、フィルムの積層層数や複屈
折率(これはフィルムの延伸率で容易に設定できる)で
自由かつ容易に設定することができるため、このように
複数の反射波長帯のみを選択的に偏光反射させるスクリ
ーンやコンバイナには特に適しており、また優れてい
る。
【0050】(実施例5)前述した実施例4では、投写
型表示装置の発光スペクトルにあった波長帯の偏光のみ
を選択反射するスクリーンやコンバイナを用い、これに
より特に明るい背景を持ったダブル映像が得られたが、
特定の波長帯のみを反射させる反射偏光板の場合、背景
の色がオリジナルの色に対して若干異なる色外観とな
る。そのため後述するショウウインドに該反射偏光板を
用いた場合には、ショウウインドの中の商品の色を予め
補正しておく必要があった。この不都合を回避するため
に提案されたものが本実施例5である。ここでは、スク
リーンやコンバイナに用いられる反射偏光板の反射波長
特性に於いて特別な波長領域のみを選択的に反射させる
ことはせず、全可視光波長帯で一様な反射率を有する反
射偏光板を用いるものである。従って、スクリーンやコ
ンバイナの向こう側に展開する景色や物がオリジナル色
のまま観察できる。そして、投写映像と背景の明るさの
バランスを、好みや視認性に応じて該反射偏光板の反射
率を設定すれば所望の見やすいダブル映像が実現でき
る。この場合、全自然光に対して10%〜40%の範囲
で可視光の全波長にわたって一様に反射率を調整すれば
より自然で視認性の高い所望のダブル映像が実現できる
ことがわかった。このような特性を有するスクリーンや
コンバイナに対しても、本発明による反射偏光板は、積
層するフィルムの層数を加減することにより容易に設
計、製造できるため特に有効である。
【0051】(実施例6)図8は、本発明の映像光出射
部とコンバイナとを有する表示装置を用いたヘッドマウ
ントディスプレイ装置である。ヘッドマウントディスプ
レイ装置は観察者の頭部に装着して、観察者が反射映像
を外景と重ね合わせて観ることができるようにしたもの
である。投写型表示装置81からの出射光は、ミラー8
2を介してコンバイナ83へと導かれる。そこで該コン
バイナ83を前述した反射偏光板で構成するとともにそ
の反射偏光軸を上記投写型表示装置81からの出射光の
偏光軸と一致させておけば、投写映像光は全て反射され
て観察者の眼に達し、観察者には虚像の映像84として
該コンバイナ83の向こう側に映し出される。このよう
に、本発明に基づき反射偏光板をコンバイナ83として
用いれば、投写映像光を無駄なく反射されるため投写光
源のエネルギーを有効に利用でき、このような携帯型表
示装置には特に有効である。一方、コンバイナ83を構
成する反射偏光板の反射偏光軸と直交する偏光軸(透過
偏光軸と呼ぶ)を有する光が外景から観察者の眼に達す
るため、該観察者には、映像84と外景85とのダブル
映像が視認される。この場合、映像84と外景85との
明るさの比が視認性や疲労感に大いに影響するが、前述
したように、本発明に基づく反射偏光板によれば、自由
に反射波長帯や反射率を設定できるため最適の反射特性
を持ったコンバイナが容易に提供でき、見易く疲れにく
いヘッドマウントディスプレイ装置が実現できる。
【0052】(実施例7)前述した実施例6のように大
掛かりでなく簡単にシースルー型のダブル映像を可能に
するものとして特開平9ー185009に示されるよう
なメガネディスプレイがある。図9は本発明に基づくメ
ガネディスプレイ90の説明図で、91は小型の映像光
出射部でそこから発せられた投写光はミラー92で反射
されてメガネレンズ上に貼り合わされたコンバイナ93
に達する。コンバイナ93を前述した反射偏光板で構成
し、反射偏光軸を該投写光の偏光軸と一致させておけ
ば、該投写光は効率良く反射されて観察者の眼に達し、
観察者には該投写光による映像94が該コンバイナの向
こうに虚像となって視認される。また外景95も、コン
バイナ93の透過偏光軸と一致する偏光を通して同時に
観察者の眼に入る。本実施例に於いても、反射偏光板を
用いたコンバイナは、投写光を有効に反射させる事、更
には反射率(又は透過率)、ならびに反射スペクトル
(又は透過スペクトル)を簡単且つ自由に設定できる事
から、バランスが良く眼の疲れの少ないダブル映像が得
られるメガネディスプレイが実現できる。
【0053】(実施例8)図10は、本発明に基づく表
示装置をゲーム装置に応用した例である。1001は映
像光出射部でそこからの出射光はミラー1002で反射
されてスクリーン1003上に達する。一方、別の映像
光出射部1004から発せられたもう一つの映像光はス
クリーン1003の前面に配置されたもう一つのスクリ
ーン1005上に投写される。ここで、スクリーン10
05は前述した反射偏光板から構成されており、その反
射偏光軸は映像光出射部1004からの映像光の偏光軸
と一致させたシースルー型のスクリーンである。従っ
て、該映像光は効率良く反射されてゲーム利用者100
6の眼に達し、虚像映像1007として該スクリーン1
005の向こう側に観察される。そして、該スクリーン
1005の透過偏光軸を通してスクリーン1003に投
写された投写型表示装置映像も同時に重なって観察でき
る。このようにして、投写型液晶投写型表示装置を2台
使用してダブル映像を組み合わせて、高度でエキサイテ
ィングなゲームが提供できる。このようなゲーム装置に
於いても、シースルー型のスクリーンに反射偏光板を用
いることにより映像光出射部1004からの偏光化され
た映像光だけを効率的に反射させ、それと直交する偏光
を透過させることができるため、映像光出射部1001
から投写される映像の偏光方向をあらかじめ上記スクリ
ーン1005の透過偏光軸と一致させておけば、背景の
スクリーン1003上に映し出された映像はシースルー
型のスクリーン1005によって殆ど光損失されること
なく明るい背景映像として得られる。このように、本発
明に基づくシースルー型のスクリーンにより2つの映像
光出射部からの映像を効率良く重ね合わせて双方とも明
るいダブル映像が実現でき、これにより高度で迫力のあ
るゲームが可能となる。上述した実施例においても、映
像光出射部からの映像が効率よくゲーム利用者に反射さ
れるように、スクリーン1005の表面にあらかじめ凹
凸の反射形状を作成しておけばより明るい映像が得られ
る事は明らかである。
【0054】また上述した実施例では、シースルー型の
スクリーンを使用したが、この代わりにシースルー型の
コンバイナをゲーム利用者1006の眼前に配置しても
同様の迫力あるダブル映像が得られる事は明らかであ
る。
【0055】(実施例9)図11は本発明に基づく応用
の他の例で、ショウウインドのガラス面に反射偏光板を
貼り合わせ、シースルー型のスクリーンの機能を併せ持
たせたショウ・ウインド・システムの例である。投写型
表示装置1101から出射した映像偏光はショウウイン
ド・ガラスに貼り合わされたシースルー型のスクリーン
1102(反射偏光板から構成されている)によって効
率良く反射されて観察者1103の眼に達する。従っ
て、観察者には投写型表示装置の映像1104(ここで
は、一流プレイヤーのゴルフプレイ中の映像)が虚像と
してショウウインドのガラスの奥に観察される。一方、
ショウウインドの中の商品1105(ここではゴルフ用
具)は上記映像偏光と直交する偏光軸(透過偏光軸)を
通して観察される。この時、前述したように、上記シー
スルー型のスクリーンに用いた反射偏光板の反射特性を
自由に調整して、よりディスプレイ効果の高い商品演出
が可能となる。このように、本発明による表示装置をシ
ョウウインドに適用すれば、演出効果の高い商品演出が
可能となる。ここでもスクリーン1102の代わりにコ
ンバイナを観察者1103の眼の高さに部分的に配置し
ても前述と同様の商品演出が可能になることは明らかで
ある。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による反射
偏光板から構成されるコンバイナやシースルー型のスク
リーンを用いた映像投写システムあるいは表示装置によ
れば、反射偏光板の反射偏光軸を投写型表示装置の投写
映像光の偏光軸と一致させ該投写映像光を無駄なく反射
させて明るい映像を実現させる事ができる。一方、投写
映像光の偏光軸と直交する偏光は効率良く透過されるた
め明るい背景をも同時に得られる良好なダブル映像が実
現できる。更に、上記反射偏光板を構成する2種類のフ
ィルムの屈折率と厚みと積層枚数とを任意に設定する事
により、反射波長帯、反射波長帯の波長幅、反射率など
が自由に選択でき、投写映像光と背景との明るさの関係
を微妙に設定できるため、美しくしかも眼に対する疲労
感の少ない最良のダブル映像が実現でき、これを用いて
新規な装置の提供も可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に基づく映像投写システム及びスクリ
ーンの断面図。
【図2】反射偏光板の機能を説明する断面図。
【図3】反射偏光板の一つの具体例を示す断面図。
【図4】図3に示した反射偏光板の諸特性を示すグラ
フ。
【図5】実施例2に基づく表示装置を説明する断面図。
【図6】実施例3に基づくヘッドアップディスプレイ装
置。
【図7】実施例4を説明するための光源のスペクトル及
び反射偏光板の偏光反射率を示すグラフ。
【図8】実施例6に基づくヘッドマウントディスプレイ
装置。
【図9】実施例7に基づくメガネディスプレイ。
【図10】実施例8に基づくゲーム装置。
【図11】実施例9に基づくショウウインド・システ
ム。
【符号の説明】
11 投写型表示装置 12 スクリーン 121 反射偏光板 122 光散乱層 123 光吸収部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定方向の偏光成分の光を反射し、前記所
    定方向の偏光成分とは異なる偏光成分の光を透過する反
    射偏光板を有することを特徴とするスクリーン。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のスクリーンであって、 前記反射偏光板の一方の側に配置された光吸収体をさら
    に備えることを特徴とするスクリーン。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のスクリーンであっ
    て、 前記反射偏光板は、可視波長領域のうち光の3原色に対
    応する波長領域の光を選択的に反射するように構成され
    ていることを特徴とするスクリーン。
  4. 【請求項4】所定方向の偏光成分の光を反射し、前記所
    定方向の偏光成分とは異なる偏光成分の光を透過する反
    射偏光板を含むスクリーンと、 光源から出射する光を変調し前記所定方向の偏光成分の
    光として前記スクリーンに向かって出射する投写型表示
    装置と、を具備することを特徴とする映像投写システ
    ム。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の映像投写システムであっ
    て、 前記スクリーンの前記投写型表示装置から出射された光
    が入射する側とは反対の側には光吸収体が設けられてい
    ることを特徴とする映像投写システム。
  6. 【請求項6】所定方向の偏光成分の光を反射し、前記所
    定方向の偏光成分とは異なる偏光成分の光を透過する反
    射偏光板を有することを特徴とするコンバイナ。
  7. 【請求項7】変調された光を所定方向の偏光成分の光と
    して出射する映像光出射部と、 前記映像光出射部から出射された前記所定方向の偏光成
    分の光を反射し、前記映像光出射部から出射された光の
    入射側とは反対の側から入射する光のうち前記所定方向
    の偏光成分とは異なる偏光成分の光を透過するコンバイ
    ナと、を具備する表示装置。
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