JP6340174B2 - 導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、例えばプリント配線基板のスルーホール導通形成に好適に利用できる、導電性ペーストに関する。
プリント配線基板のスルーホールの導通を図る手段として、スルーホール部分にスクリーン印刷を用いて導電性ペーストを塗布し、加熱硬化させることにより、導電性被膜層を形成し、導通を確保する方法がある。
特許文献1、2には、銅粉、熱硬化性樹脂、キレート形成物質、および特定のアルコキシ基含有変成シリコーン樹脂を含む導電性ペーストが開示される。
一方、特許文献3には、保存安定性と硬化性能が良いエポキシ樹脂組成物として、エポキシ樹脂に、必須成分として一分子中にエポキシ基を1または2以上有するエポキシ化合物に窒素含有複素環化合物、脂肪族アミン及び芳香族アミンのいずれかを反応させて得られるエポキシ付加物、ほう酸あるいは特定のほう酸エステル化合物並びにフェノール系化合物を含有させたことを特徴とするエポキシ樹脂組成物が開示される。また特許文献4には、室温で1ヶ月もしくは40℃で一週間以上の保存安定性を有する低温速硬化性一液型熱硬化性エポキシ樹脂組成物として、エポキシ樹脂に、硬化剤としてチオプロピオン酸エステル及び/またはチオグリコール酸エステル、硬化促進剤として3級アミンアダクト系潜在性硬化促進剤、保存安定化剤としてほう酸エステル及びフェノール樹脂を含むことを特徴とする熱硬化性エポキシ樹脂組成物が開示される。
特開2000−219811号公報 特開2002−33018号公報 特開平6−172495号公報 特開2001−316451号公報
特許文献1記載の導電性ペーストは、硬化後のスルーホール埋め込み形状に優れ、かつ良好な導通性能を有する。特許文献2記載の導電性ペーストは、硬化形状の安定化を達成しつつ、調製直後の性能を室温付近で長期間保管した際にも維持することができる。
しかしながら、導電性ペーストは、保管時に粘度が増加する傾向がある。この増粘に起因して、導電性ペースト使用時の作業性が悪化することがあり、また、製品不良率が増加することがある。
フェノール樹脂は硬化時の収縮率が高い。従って、導電性ペーストにフェノール樹脂を用いると、硬化反応によるフェノール樹脂の収縮によって導電性フィラーの粒子同士を強く圧着させ、導電性ペースト硬化物の導電性を高くするという利点があると考えられる。
フェノール樹脂を用いた導電性ペーストについて、長期保管後における、使用時の作業性向上や、製品不良率の低減が望まれ、より長期にわたって品質を維持することのできるフェノール樹脂含有導電性ペーストが望まれる。
本発明の目的は、保管時におけるフェノール樹脂含有導電性ペーストの増粘を抑制し、使用時の作業性の向上、増粘に起因する製品不良率の低減、品質維持期間の延長を可能にするフェノール樹脂含有導電性ペーストを提供することである。
本発明により、導電性フィラーと、含窒素キレート形成物質と、ほう酸エステル化合物と、フェノール樹脂を含む樹脂と、を含む導電性ペーストであって、
導電性ペーストに含まれる樹脂の総量に対する前記フェノール樹脂の割合が、60質量%以上であることを特徴とする導電性ペーストが提供される。
前記フェノール樹脂が、レゾール型フェノール樹脂であることが好ましい。
前記含窒素キレート形成物質が、式I(式中、nは2以上8以下の整数を示す)で示されるピリジン誘導体および1,10−フェナントロリンからなる群から選択される一種もしくは複数種の化合物であることが好ましい。
Figure 0006340174
導電性ペーストが、前記含窒素キレート形成物質を、導電性フィラー100質量部当り、0.1質量部以上2.0質量部以下の範囲で含むことが好ましい。
導電性ペーストが、前記ほう酸エステル化合物を、導電性ペーストに含まれる樹脂の総量100質量部当り、0.1質量部以上50質量部以下の範囲で含むことが好ましい。
前記ほう酸エステル化合物が、ほう酸トリエステル化合物であることが好ましい。
前記ほう酸トリエステル化合物の炭素数が3〜54であることが好ましい。
導電性ペーストが、前記導電性フィラーとして銅粉を含むことが好ましい。
導電性ペーストが、前記導電性フィラーとして銀粉を含むことが好ましい。
導電性ペーストが、前記導電性フィラーとして、銀コート銅粉を含むことが好ましい。
本発明によれば、保管時におけるフェノール樹脂含有導電性ペーストの増粘を抑制し、使用時の作業性の向上、増粘に起因する製品不良率の低減、品質維持期間の延長を可能にするフェノール樹脂含有導電性ペーストが提供される。
本発明の導電性ペーストは、電子部品を搭載するための導体パターンが形成されたプリント配線板に使用することができる。特には、プリント配線基板のスルーホールの導通を図る手段として、スルーホール部分にスクリーン印刷を用いて導電性ペーストを塗布し、加熱硬化させることにより、導電性被膜層を形成し、導通を確保することができる。
導電性ペーストは、少なくとも次の成分を含む:
・導電性フィラー、
・フェノール樹脂、
・キレート形成物質、および、
・ほう素化合物。
ただし、本発明では特に、キレート形成物質として含窒素キレート形成物質を用い、ほう素化合物としてほう酸エステル化合物を用いる。
〔導電性フィラー〕
導電性フィラーとして、公知の導電性ペースト、特にはプリント配線基板のスルーホールの導通を図るために使用される公知の導電性ペーストに使用される導電性フィラーを、適宜用いることができる。
導電性フィラーとして、金属粉を用いることができ、特には銅粉、銀粉、あるいは銀によってコーティングされた銅粉(銀コート銅粉)のうちの一種の粉またはこれらの粉の二種以上の混合物が好ましい。
銅や銀の電気抵抗率は金属の中でも低く、導電性ペースト硬化物の良好な導電性を得ることができる。
また、金属粉の表面が酸化被膜で覆われていることがある。例えば、通常入手できる銅粉の表面は酸化被膜で覆われている。このような場合、金属粉の粒子同士、特には銅粉の粒子同士を接触させただけでは良好な導電性を得ることが難しい。本発明によれば、硬化時の収縮率が高いフェノール樹脂を用いるため、このような場合であっても、導電性フィラーの粒同士を強く圧着させることができる。したがって、良好な導電性ペースト硬化物の導電性を得ることができる。また、酸化被膜で覆われていない金属粉、例えば銀粉の場合であっても、強い圧着によって、金属粉同士の接触抵抗を低下させ、導電性を向上させることができる。
〔樹脂〕
導電性ペーストは樹脂を含む。その樹脂の一部もしくは全部にフェノール樹脂を用いる。
フェノール樹脂は、前述のように、硬化時の収縮率が高く(従って硬化したペーストの導電性が高くなる)、また、プリント配線基板の基板材料や銅箔などとの密着性も高い。
フェノール樹脂として、レゾール型フェノール樹脂が好ましい。レゾール型フェノール樹脂は、自己反応性の官能基を有するため、加熱するだけで硬化させることができるという利点を有する。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノールもしくはフェノール誘導体を、アルカリ触媒下でホルムアルデヒドと反応させて得ることができる。
上記フェノール誘導体としては、クレゾール、キシレノール、t−ブチルフェノールなどのアルキルフェノール、さらには、フェニルフェノール、レゾルシノール等が挙げられる。
フェノール樹脂としては、群栄化学工業株式会社製のレヂトップPL−4348(商品名)が例示できる。
導電性ペーストに含まれる樹脂の総量に対する前記フェノール樹脂(特にはレゾール型フェノール樹脂)の割合は、導電性ペースト硬化物の導電性の観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上である。
導電性ペーストに含めることのできる、フェノール樹脂以外の樹脂としては、公知の導電性ペーストに使用される樹脂、特にはプリント配線基板のスルーホールの導通を図るために使用される公知の導電性ペーストに使用される樹脂を、適宜用いることができる。フェノール以外の樹脂として、硬化収縮を伴う樹脂、すなわち熱硬化性樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂を用いることができる。
〔キレート形成物質〕
キレート形成物質として、導電性フィラー(特には金属)に対してキレート結合が可能な配位子化合物が利用でき、特に、導電性ペーストの調製に際し、金属粉に作用させる工程では、有機溶媒中に溶解できることが望ましい。この要件を満たすキレート形成物質として、二座配位が可能なジアミン類、例えば、エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、トリエチレンテトラミンなど、芳香環窒素とアミノ窒素を利用する二座配位子、例えば、2−アミノメチルピリジン、プリン、アデニン、ヒスタミンなど、さらには、アセチルアセトナト型の二座配位子を生成する1,3−ジオン類とその類似化合物、例えば、アセチルアセトン、4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、オキシン、2−メチルオキシン、オキシン−5−スルホン酸、ジメチルグリオキシム、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、サリチルアルデヒドなどをも挙げることができる。なお、前記アセチルアセトナト型の二座配位子を生成する1,3−ジオン類とその類似化合物は、ケト体自体は、キレート化剤ではないものの、ケト・エノール互変異性をし、エノール体は酸として機能する結果、プロトンを放出し生成するアニオン種はアセチルアセトナト型の二座配位子として機能が可能となる。
キレート形成物質が、式I(式中、nは2以上8以下の整数を示す)で示されるピリジン誘導体および1,10−フェナントロリンからなる含窒素複素芳香環化合物の群から選択される一種もしくは二種以上の多座配位子化合物であることが好ましい。式Iで表されるピリジン誘導体や1,10−フェナントロリンは、銅イオンなどの金属イオンを効率的にキレート化でき、生成したキレート錯体も室温近くでは、比較的安定である。
Figure 0006340174
式Iで表されるポリピリジンの合成方法の一例を以下に示す。出発原料をアジ化ナトリウムと加熱混合することによりピリジン骨格の窒素に対しオルソの位置をアジ化する。続いて、これを臭化酸素酸中、亜硝酸ナトリウムで処理して臭化ジアゾニウムとし、引き続きこれに臭素を加えることによりブロモ化する。このブロモ化ピリジンを、例えば、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)中、60℃で、0価ニッケル錯体により脱ハロゲン化縮重合させると、黄から黄橙色の沈澱を得る。沈澱を熱トルエン、水、熱トルエンの順に洗浄し、乾燥することにより目的のポリピリジンを得る。重合度nの調製は、出発原料の選択、含まれるブロモ化ピリジンのブロモ化の度合いによって調整する。なお、0価ニッケル錯体については、ニッケル−1,5−オクタジエン錯体と1,5−オクタジエン及びトリアリルホスフィンの等モル混合物を用いる。なお、nが、2または3のものは、試薬として、精製された単体の化合物が市販されている。nが4以上の化合物については、このnが、2または3のものを出発原料として合成することも可能である。
一般に合成された式Iで表されるポリピリジンは、再結晶程度の精製では、そのピリジン骨格の繰り返し数nは、若干の分布を有しており、分子量分布から求めた平均値を示す。ただし、上記の合成方法に従うと、n=1のピリジン自体は、沈澱中に混入することはまれであり、nが2以上のもののみを含有することになる。nが2以上のときに、十分なキレート形成能を発揮する。一方、nが増すにつれ、溶媒への溶解性は低下して、nが8を超えると溶媒への溶解性が乏しくなり、所望のキレート形成に要する溶液の調製が次第に困難となる傾向がある。従って、本発明の導電性ペーストに添加されるキレート形成物質として、式Iで表されるポリピリジンを用いる場合には、ピリジン骨格の繰り返し数nは、2〜8の範囲に選択することが好ましく、より好ましくは、nが2〜3の範囲のものを利用する。
〔ほう素化合物〕
ほう素化合物が、ほう酸エステル化合物、特にはほう酸トリエステル化合物であることが好ましい。ほう酸トリエステル化合物の炭素数は、好ましくは3〜54、より好ましくは6〜30、さらに好ましくは6〜12である。
ほう酸エステル化合物としては、ほう酸のアルキルまたはアリールエステルを用いることができ、具体的にはほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリブチル、ほう酸トリデシル、ほう酸トリオクタデシル、ほう酸トリフェニルなどを用いることができる。
炭素数6〜12のほう酸トリエステル化合物の具体例として、ほう酸トリエチル、2−メトキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−イソプロポキシ−4,4,6−トリメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、ほう酸トリプロピル、ほう酸イソプロピル、トリス(トリメチルシリル)ボラート、ほう酸トリブチルを挙げることができる。
〔他の成分〕
導電性ペーストには、必要に応じて、溶媒、消泡剤、沈降防止剤、分散剤、カップリング剤などを適宜加えることができる。酸化防止剤としての亜鉛粉末や、樹脂の硬化剤も適宜用いることができる。
溶媒としては、樹脂(特には熱硬化樹脂)とは反応せず、キレート形成物質を溶解可能な溶媒を選択することができる。例えば、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、エチルカルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、メチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。
カップリング剤としては、導電性ペーストのポットライフを悪化させない範囲で、導電性フィラー(特には、銅などの金属粉)に対して有効なカップリング剤、例えば、シラン系カップリング剤を適宜添加することができる。好ましいカップリング剤種は、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらは、揮発性が低く、樹脂(特には熱硬化性樹脂)との反応性が低い。
〔導電性ペーストの組成〕
キレート形成物質の量は、導電性フィラー100質量部当り、0.1質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。この量が0.1質量部以上であると、スルーホールの導通を図るために使用した際に、良好なスルーホール抵抗を得ることが容易である。この量が2.0質量部以下であると、良好な保管安定性を得ることが容易である。
ほう素化合物の量は、樹脂(導電性ペーストに含まれる全ての樹脂)100質量部当り、0.1質量部以上50質量部以下が好ましい。この量が0.1質量部以上であると、良好な保管安定性を得ることが容易である。この量が50質量部以下であると、スルーホールの導通を図るために使用した際に、良好なスルーホール抵抗を得ることが容易である。
樹脂(導電性ペーストに含まれる全ての樹脂)の量は、導電性フィラー100質量部に対して15〜25質量部の範囲であることが好ましい。15質量部以上であると、樹脂による硬化収縮力によって、優れたペースト硬化物の導電性を得ることが容易である。25質量部以下であると、フィラー間の接触面積を確保することが容易であり、優れたペースト硬化物の導電性を得ることが容易である。
導電性ペーストの硬化後の硬化物に占める導電性フィラーの割合が、70〜86.9質量%、好ましくは75〜83質量%になるように、導電性ペースト中における含有率を選択することが好ましい。導電性ペースト中には、必要に応じて、溶媒が含有されるが、硬化後の硬化物は、本質的にかかる溶媒は含有されない。従って、導電性ペースト中における導電性フィラーの含有率は、含まれる溶媒を除く、導電性ペーストの構成成分総和に対して、前記の比率で配合することが望ましい。
カップリング剤を使用する場合、その添加量は、導電性ペーストに含有する導電性フィラーの量に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性フィラー100質量部に対して1〜10質量部の範囲で密着性等を考慮して決めることができる。
本願発明によれば、特許文献3や4に記載されるような潜在性硬化剤を配合することなく、保存安定性に優れる導電性ペーストを得ることができる。本発明の導電性ペーストは、潜在性硬化剤ではないキレート形成剤、例えば、ピリジン誘導体(例えば式Iで表される化合物)や1,10−フェナントロリンなどのアミン類を含んでいても、保存安定性に優れる。
また本発明によれば、導電性フィラーとして銀粉や銀コート銅粉を用いた場合でも、銅粉を用いた場合と同等の保管安定性が得られる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。表1および2に、各例における導電性フィラーの配合と評価結果をまとめてある。
〔実施例1〕
反応容器に、次の成分を投入した:
・樹脂:フェノールとホルムアルデヒドをアルカリ触媒下で反応して得られる重量平均分子量約20000のレゾール型フェノール樹脂(群栄化学工業株式会社製、商品名:レヂトップPL−4348)、20質量部、
・キレート形成物質:2,2’−ビピリジル、1質量部、
・ほう素化合物:ほう酸トリエチル、0.5質量部、
・溶媒:ブチルセロソルブ、20質量部。
これらを自転−公転攪拌機(倉敷紡績株式会社製)を用いて撹拌を行い、均一な液状樹脂を調製した。ついで調製された樹脂分に、導電性フィラーとして銅粉(三井金属鉱業株式会社製、商品名:T−22)100質量部を添加し、自転−公転攪拌機(倉敷紡績株式会社製)を用いて撹拌を行い、導電性ペーストを得た。
〔実施例2〕
キレート形成物質を、1,10−フェナントロリン1質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例3〕
キレート形成物質を、ピリジン化合物(式Iにおいてn=4の化合物)1質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例4〕
キレート形成物質を、ピリジン化合物(式Iにおいてn=8の化合物)1質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例5〕
キレート形成物質を、2,2’−ビピリジル0.1質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例6〕
キレート形成物質を、2,2’−ビピリジル2質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例7〕
樹脂を、前記レゾール型フェノール樹脂12質量部およびエポキシ樹脂(株式会社ADEKA製、商品名:アデカレジンEP−4100E)8質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例8〕
樹脂を、前記レゾール型フェノール樹脂14質量部および前記エポキシ樹脂6質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例9〕
樹脂を、前記レゾール型フェノール樹脂16質量部および前記エポキシ樹脂4質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例10〕
樹脂を、前記レゾール型フェノール樹脂12質量部およびシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製、商品名:KR−213)8質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例11〕
樹脂を、前記レゾール型フェノール樹脂14質量部および前記シリコーン樹脂6質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例12〕
樹脂を、前記レゾール型フェノール樹脂16質量部および前記シリコーン樹脂4質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例13〕
ほう素化合物を、ほう酸トリメチル0.5質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例14〕
ほう素化合物を、ほう酸トリブチル0.5質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例15〕
ほう素化合物を、ほう酸トリデシル0.5質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例16〕
ほう素化合物を、ほう酸トリオクタデシル0.5質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例17〕
ほう素化合物を、ほう酸トリエチル0.02質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例18〕
ほう素化合物を、ほう酸トリエチル10質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例19〕
導電性フィラーを、銀粉(福田金属箔粉工業株式会社製、商品名:AgC−B)100質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例20〕
導電性フィラーを、銀コート銅粉(福田金属箔粉工業株式会社製、商品名:AgコートCu−HWQ)100質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例21〕
フェノール樹脂を、前記レゾール型フェノール樹脂15質量部に替え、ほう酸トリエチルの配合量を0.375質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔実施例22〕
フェノール樹脂を、前記レゾール型フェノール樹脂25質量部に替え、ほう酸トリエチルの配合量を0.625質量部に替えたこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔比較例1〕
ほう素化合物を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔比較例2〕
キレート形成物質を、2,2’−ビピリジル0.1質量部に替えたこと以外は比較例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔比較例3〕
キレート形成物質を、2,2’−ビピリジル0.05質量部に替えたこと以外は比較例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔比較例4〕
フェノール樹脂を、レゾール型フェノール樹脂15質量部に替えたこと以外は比較例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔比較例5〕
フェノール樹脂を、レゾール型フェノール樹脂10質量部に替えたこと以外は比較例1と同様にして、導電性ペーストを得た。
〔評価試験〕
上記の各例の導電性ペーストについて、調製直後にスルーホール抵抗を評価した。加えて、上記の各例の導電性ペーストについて、25℃7日間の放置後のスルーホール抵抗と保管安定性を評価した。またこれとは別に、上記の各例の導電性ペーストについて、極めて過酷な条件である40℃7日間の高温放置後のスルーホール抵抗と保管安定性も評価した。
スルーホール抵抗の評価方法は、1.6mm厚のスルーホール対応紙フェノール基材に、ドリル加工により、0.5mmφ(直径)の孔を100穴あけ、スクリーン印刷により、導電性ペーストの埋め込みを行った。50℃、2時間の予備加熱を行った後、150℃、1時間の硬化を行った。なお、この基板は、100穴のスルーホールが、基板表裏の回路により直列に結線されており、末端スルーホール間の導通抵抗を測定することにより、100穴の直列のスルーホール抵抗の測定が可能である。この100穴スルーホールの抵抗値を1穴あたりに換算したものをスルーホール抵抗とした。
評価基準は次のとおりとした。
○:1穴あたりのスルーホール抵抗が30mΩ以下、
△:1穴あたりのスルーホール抵抗が30mΩを超え50mΩ以下、
×:1穴あたりのスルーホール抵抗が50mΩを超える。
保管安定性の評価方法に関しては、導電性ペースト調製直後の粘度と、所定の温度条件・期間保管した後の粘度とを粘度計(商品名:VISCOMETER TV−25、東機産業株式会社製)で測定し、保管中に生じた粘度の上昇率を算定した。粘度測定は25℃において行った。
評価基準は次のとおりとした。
○:粘度の上昇率が30%以下、
△:粘度の上昇率が30%を超え50%以下、
×:粘度の上昇率が50%を超え100%以下。
Figure 0006340174
Figure 0006340174

Claims (10)

  1. 導電性フィラーと、含窒素キレート形成物質と、ほう酸エステル化合物と、フェノール樹脂を含む樹脂と、を含む導電性ペーストであって、
    導電性ペーストに含まれる樹脂の総量に対する前記フェノール樹脂の割合が、60質量%以上であることを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記フェノール樹脂が、レゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする、請求項1記載の導電性ペースト。
  3. 前記含窒素キレート形成物質が、式I(式中、nは2以上8以下の整数を示す)で示されるピリジン誘導体および1,10−フェナントロリンからなる群から選択される一種もしくは複数種の化合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性ペースト。
    Figure 0006340174
  4. 前記含窒素キレート形成物質を、導電性フィラー100質量部当り、0.1質量部以上2.0質量部以下の範囲で含むことを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の導電性ペースト。
  5. 前記ほう酸エステル化合物を、導電性ペーストに含まれる樹脂の総量100質量部当り、0.1質量部以上50質量部以下の範囲で含むことを特徴とする、請求項1〜の何れかに記載の導電性ペースト。
  6. 前記ほう酸エステル化合物が、ほう酸トリエステル化合物であることを特徴とする、請求項に記載の導電性ペースト。
  7. 前記ほう酸トリエステル化合物の炭素数が3〜54であることを特徴とする、請求項に記載の導電性ペースト。
  8. 前記導電性フィラーとして銅粉を含むことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の導電性ペースト。
  9. 前記導電性フィラーとして銀粉を含むことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の導電性ペースト。
  10. 前記導電性フィラーとして、銀コート銅粉を含むことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の導電性ペースト。
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