JP3593782B2 - 導電性ペースト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズ対策、部品実装などに用いられる導電性ペーストに関し、より詳しくは、フィラーである金属粉をホルマリンで還元することにより金属粉の接触抵抗を低減し、導電性を向上させたペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来、導電性ペーストのフィラーとしては、耐酸化性のある、銀、銀コート銅粉、ニッケル等が多く用いられている。銀、銀コート銅粉を用いたペーストについては、導電性が高く、耐酸化性についても良好であるが、高価であること、マイグレーションが起こること等が問題となっている。また、ニッケルを用いたものは耐酸化性は良好であるが導電性が低いため、用途が限られている。これに対し、銅粉をフィラーとしたペーストについては、安価でマイグレーションの心配はないが、銅粉の酸化により導電性が時間の経過と共に低下するという問題がある。
【0003】
一方、接着性を有する導電性ペーストを得るために、従来よりバインダーとしてエポキシ系樹脂が用いられているが、その場合、十分な導電性を得られないことが問題となっている。
【0004】
本発明は、上記の各問題を解決するためになされたものであり、銅粉のように耐酸化性のよくないフィラーを用いても良好な導電性を長期にわたって維持できる、信頼性の高い導電性ペーストを提供するものである。また、導電性と接着性の双方に優れた導電性ペーストを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の導電性ペーストにおいては、熱硬化性樹脂100重量部に対し、金属フィラー250〜850重量部、ホルマリン0.8〜20重量部、イミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物1.5〜20重量部を配合する。
【0006】
請求項2のものでは、前記熱硬化性樹脂としてエポキシ系樹脂、もしくはエポキシ系樹脂とアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のうちの1種以上との混合物を用いる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、銅粉のように耐酸化性が低いフィラーでも、ホルマリン及びイミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物の作用で粉体表面を還元することにより粉体の接触抵抗が低下し、良好な導電性が得られることを見出したことに基づくものである。ホルマリンおよびイミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物の作用は次式で示される。
【0008】
【式1】
。
【0009】
すなわち、本発明の導電性ペーストは、熱硬化性樹脂と金属導電性フィラーとを含む導電性ペーストにおいて、ホルマリンとイミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物とが添加配合されたことを特徴とする。
【0010】
本発明でバインダーとして用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、もしくはエポキシ系樹脂とアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のうちの1種以上との混合物が好ましい。上記したように、従来の導電性ペーストにおいてエポキシ系樹脂を用いた場合は、接着性は良好であるが、十分な導電性が得られないことが問題とされていたが、本発明により、優れた接着性と導電性とを併せもつ導電性ペーストを得ることが可能となる。
【0011】
エポキシ系樹脂に、アルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂を混合して用いる場合は、これらの樹脂の混合率は、混合物中50%までとすることが望ましい。
【0012】
本発明に用いられる金属フィラーは、銅粉のような耐酸化性の必要な金属粉であり、金属の種類等は限定されない。この金属粉の大きさは、フィラーとして通常用い得る範囲内(1〜100μm程度)であればよく、特に限定されない。さらに、粉体の形状についても限定はなく、球状、フレーク状、樹枝状、不定形状等、どのような形状であってもよい。これらの金属フィラーは、単独で使用しても2種以上併用してもよい。このように本発明で使用できる金属粉には限定がないが、銅粉のように導電性は高いが耐酸化性のよくない粉体を用いた場合でも、優れた導電性を維持する導電性ペーストを得ることを可能にしたことが、本発明の最も大きな特徴である。
【0013】
本発明で用いられるホルマリンとは、ホルムアルデヒドの水溶液であり、通常市販されているものは濃度が約37%に調整され、重合防止剤としてメタノール等が添加されているが、本発明ではこれをそのまま使用することができる。
【0014】
本発明で用いられるイミダゾール系化合物としては、イミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。また、イミダゾリン系化合物としては、イミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。
【0015】
これらイミダゾール系化合物及びイミダゾリン系化合物は、ホルマリンと相乗的に作用しあって、金属フィラーの粉体表面を還元して、粉体の接触抵抗を低下させるため、本願の導電性ペーストは良好な導電性を有する。イミダゾール系化合物、イミダゾリン系化合物は、単独で配合しても、混合して配合してもよい。要は、これらの化合物の1種以上をホルマリンと一緒に用いればよく、それにより良好な還元作用が得られる。
【0016】
本発明においては、上記熱硬化性樹脂100重量部に対し、金属フィラー250〜850重量部、ホルマリン0.8〜20重量部、イミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物1.5〜20重量部を添加配合する。
【0017】
金属フィラーが250重量部未満では、所望の導電性が得られず、850重量部を超えると相対的に樹脂量が少なくなるため、所望の接着性が得られない場合がある。
【0018】
ホルマリンが0.8重量部未満では、所望の導電性の向上が見られず、20重量部を超えると、熱硬化時にバースト、接着性の低下、臭気による作業性の悪化が生じる場合がある。
【0019】
イミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物が1.5重量部未満では、所望の導電性が得られず、20重量部を超えると長期信頼性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0020】
本発明の導電性ペーストは、上記各成分、すなわち、熱硬化性樹脂、金属フィラー、イミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物、ホルマリンを必須成分として含むが、その優れた特性を損なわない範囲内において、分散剤、粘度調整剤等の添加物を、必要に応じて適宜配合することもできる。
【0021】
本発明の導電性ペーストは、上記の各成分を所定量配合し、3本ロール等により均一に混練することにより、容易に製造することができる。得られた導電性ペーストは、ディスペンサー、スクリーン印刷等で塗布した後、加熱硬化させて使用する。
【0022】
以上述べたように、本発明の導電性ペーストは、熱硬化性樹脂と金属フィラーとからなる導電ペーストに、上記のようにホルマリン及びイミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物を所定量配合することにより、導電性が飛躍的に向上し、銅粉のような酸化を受けやすいフィラーを用いた場合でも、優れた初期特性が長期間持続する。従って、信頼性の高い導電性ペーストを安価で得ることが可能となる。また、熱硬化性樹脂としてエポキシ系樹脂、もしくはエポキシ系樹脂とアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のうちの1種以上との混合物を用いると、導電性を犠牲にせずに、優れた接着性を付与することができる。
【0023】
【実施例】
次に、本発明の導電性ペーストを、実施例を示してさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0024】
実施例及び比較例として、表1及び表2に示す割合で各成分を配合して導電性ペーストを調製し、その特性を調べた。
【0025】
特性としては、比抵抗、引張り剪断強度及び長期信頼性について調べた結果を記載する。
【0026】
【表1】
。
【0027】
【表2】
。
【0028】
表1及び表2に示した比抵抗は、実施例1〜9及び比較例1〜7の導電性ペーストを、それぞれガラスエポキシ基板上にメタル印刷法により印刷して回路パターンを5条形成し、精密テスターにより、各パターンの両端間の抵抗を測定して、これより求めた平均値である。
【0029】
また、せん断強度は、JIS K6850「接着剤の引張りせん断接着強さ試験方法」に従って測定したものである。
【0030】
さらに、長期信頼性は、60℃×95%雰囲気の恒温恒湿槽で500時間暴露した後の比抵抗値(ρ´)と初期の比抵抗値(ρ)(ともに式2によって求められる)から式3により求めた比抵抗変化率である。
【0031】
【式2】
。
【0032】
【式3】
。
【0033】
表1に示された結果から分かるように、ホルマリン及びイミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物が最適量添加配合された実施例1〜9では、比抵抗が5〜9×10−4Ω・cmという、銀フィラーに相当する導電性が得られ、かつ、長期信頼性についても顕著に改善された。
【0034】
【発明の効果】
上記のように、本願請求項1の発明によれば、長期にわたって優れた導電性が維持される、信頼性の高い導電性ペーストを低コストで製造することができる。また、請求項2のように、熱硬化性樹脂としてエポキシ系樹脂、もしくはエポキシ系樹脂とアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のうちの1種以上との混合物を用いると、接着性と導電性の双方に優れた導電性ペーストが得られる。
Claims (2)
- 熱硬化性樹脂100重量部に対し、金属フィラー250〜850重量部、ホルマリン0.8〜20重量部、イミダゾール系化合物及び/又はイミダゾリン系化合物1.5〜20重量部を配合してなる導電性ペースト。
- 前記熱硬化性樹脂がエポキシ系樹脂、もしくはエポキシ系樹脂とアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂のうちの1種以上との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
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JP04453596A JP3593782B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 導電性ペースト |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
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JPH09245523A JPH09245523A (ja) | 1997-09-19 |
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Family Applications (1)
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1996
- 1996-03-01 JP JP04453596A patent/JP3593782B2/ja not_active Expired - Fee Related
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