JP2021128897A - 金属ペーストおよび端面形成用電極ペースト、並びにそれを用いたチップ電子部品 - Google Patents

金属ペーストおよび端面形成用電極ペースト、並びにそれを用いたチップ電子部品 Download PDF

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哲也 向井
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Abstract

【課題】硬化物が柔軟性を備え、振動や温度変化により発生する応力を緩和できる金属ペーストを提供する。【解決手段】金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含む金属ペーストであって、エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂を示す構造式の末端部に、エポキシ基を末端に導入した2官能エポキシ樹脂、且つ、エポキシ樹脂の主鎖に、ビスフェノール型構造単位と、炭素数が4以上の直鎖状炭化水素構造単位またはエーテル結合の酸素原子数3以上のポリアルキレンエーテル構造単位とを含む2官能エポキシ樹脂であり、硬化促進剤が、イミダゾール系化合物である。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性樹脂ペーストに関し、特に、抵抗体、コンデンサ、インダクタなどのチップ電子部品(以下、チップ部品とも称す)の端面電極の形成に使用するための導電性の金属ペーストに関する。
従来のチップ部品は、Ag、Cu、Ni等のペーストを焼成して得られたペースト焼成膜の表面に、Niめっき、Snめっきを施して端面電極としている。このチップ部品は、基板にはんだ付けすることにより基板に実装される。しかしながら、その実装基板の使用環境が、熱ストレスや振動などの、熱膨張、機械的ストレスがかかりやすい環境に晒されている場合、はんだ付けされた基板とチップ部品本体やその端子電極の接合部分にクラックが生じ破壊されることがある。
このクラックを防止するために、Ag、Cu、Ni等のペースト焼成膜上に、熱硬化性の導電性樹脂ペーストによる電極層を形成し、その外側にNiめっき、Snめっきを施すことにより、端面電極への応力が緩和され、クラックの発生が抑制できることが知られている。
その熱硬化性の樹脂としては、主にエポキシ樹脂が用いられている。
ところで、チップ部品に上記のような端面電極の構造を形成するためには以下の方法が用いられる。ここでは積層セラミックコンデンサ(MLCC)の端面電極を例として説明する。
セラミック層と内部電極層を備えた積層セラミック焼結体素子を用意する。この素子の両端面にAg、Cu、Ni等の金属ペーストを塗布し、700℃〜1300℃の温度で焼成し、内部電極層と端面電極を焼結によって物理的に接合させた端面下地電極を形成する。この端面下地電極層の上に応力緩和を目的とし、熱硬化性の導電性樹脂ペーストを形成する。
一般に、ペースト浸漬端面塗布機としては通称“パロマ方式”が用いられる。まず、前述のコンデンサ素子の一方の下地端面電極が形成された一方端面を、600μmの膜厚で定盤上に展開した導電性樹脂ペーストに浸漬し、下地端面電極が形成された一方端面に導電性樹脂ペーストを塗布する。チップ素子はキャリアプレートに設けられた貫通孔に装着され、定盤上にドクターブレードで展開されたペースト塗膜に、一方の素子端面を挿入して浸漬し、下地端面電極が形成された一方端面に導電性樹脂ペーストを塗布する。
これをオーブンで150℃、10〜30minの条件で加熱し、仮硬化した樹脂端面電極を形成する。次に、仮硬化した樹脂端面電極面から、素子の端面部をピンで押し込み、キャリアプレートの反対面に素子を露出させる。露出させたコンデンサ素子の他方端面に対しても同様の方法でペーストを浸漬塗布し、再度オーブンで150℃、10〜30minの条件で加熱し、両端に仮硬化した樹脂端面電極が形成されたセラミック素子を得る。
キャリアプレートから再度ピンで押し込み、両端に仮硬化した樹脂端面電極が形成されたセラミック素子を回収する。この素子をオーブンで200℃で60min加熱し、樹脂端面を硬化して下地電極上に樹脂端面電極が形成されたセラミック素子を得る。
特許文献1には、平均粒径1μm〜6μmのゴム粒子を添加して応力緩和を改善した外部電極用導電性ペーストの技術が開示されている。しかし、特許文献1に開示された技術では、電極用導電性ペーストの硬化物はバルクとしては曲げ弾性を満たすが、MLCCの端面電極の電極用導電性ペーストの硬化物の最も薄い部分は10μm以下であり、平均粒径1μm〜6μmのゴム粒子を使うと、電極用導電性ペーストの硬化物の最も薄い部分は、曲げ弾性率の部分的な偏りにより電極用導電性ペーストの硬化物にクラック発生の可能性がある。
特開2015−111576号公報
金属ペーストにゴム粒子を含有させなくても硬化物が柔軟性を備えた金属ペーストを提供する。特に硬化物が振動や温度変化により発生する応力を緩和できる金属ペーストを提供する。
上記の目的を達成するための金属ペーストとしては、金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤を含む金属ペーストで、その金属粉末には球状の球状金属粉末を含み、その球状金属粉末には有機物の被覆が無いことと、エポキシ樹脂がエポキシ当量100〜500の2官能基エポキシ樹脂で、柔軟性を付与するために、主鎖に炭素数が5以上の直鎖状炭化水素を含み両端にビスフェノールA骨格を含み、かつエポキシ基が末端に導入されている2官能エポキシ樹脂を含むことを備えたエポキシ樹脂であることを特徴とする。
本発明の第1の発明は、金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含む金属ペーストであって、前記エポキシ樹脂が、前記エポキシ樹脂の構造式の末端部に、エポキシ基を末端に導入した2官能エポキシ樹脂、且つ、前記エポキシ樹脂の主鎖に、a)ビスフェノール型構造単位と、b)炭素数が4以上の直鎖状炭化水素構造単位またはエーテル結合の酸素原子数3以上のポリアルキレンエーテル構造単位とを含む2官能エポキシ樹脂であり、前記硬化促進剤が、イミダゾール系化合物であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明の第2の発明は、第1の発明におけるエポキシ樹脂が、エポキシ基とビスフェノール型構造単位がエーテル結合の酸素原子によって結合していることを特徴とする金属ペーストである。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における硬化促進剤の沸点が、180℃以上であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における硬化促進剤が、粉状であることを特徴とする金属ペースト。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明における硬化剤が、フェノール樹脂であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明における金属粉末が、銀粉末であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明の第7の発明は、第6の発明における銀粉末が、球状の銀粉末とフレーク状の銀粉末の混合粉末であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明の第8の発明は、チップ電子部品の端面形成用電極ペーストであって、第1から第7の発明のいずれかに記載の金属ペーストであることを特徴とする端面形成用電極ペーストである。また、本発明の第9の発明は、端面電極が、第1から第7の発明における金属ペーストの硬化体であることを特徴とするチップ電子部品である。
本発明によれば、導電性樹脂ペーストである本発明に係る金属ペーストは、ゴム粒子を含まなくてもその硬化物は、柔軟性を備え、結果的に振動や温度変化により発生する応力を緩和する働きを有することによって、チップ部品等でのクラック発生を抑制する効果をもたらし、工業上顕著な効果を奏するものである。
本発明の実施形態を以下に説明する。
本実施形態は、金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含む金属ペーストで、使用する前記エポキシ樹脂が、その構造式における末端部に、エポキシ基を末端に導入した2官能エポキシ樹脂であり、エポキシ樹脂の主鎖には、a)ビスフェノール型構造単位と、b)炭素数が4以上の直鎖状炭化水素構造単位またはエーテル結合の酸素原子数3以上のポリアルキレンエーテル構造単位とを含む2官能エポキシ樹脂であることとを特徴とする。
以下、本実施形態に係る金属ペーストの個々の構成要素を説明する。
1)金属粉末
金属粉末は、球状金属粉末やフレーク状金属粉末を使用することができる。
球状金属粉末の平均粒径は0.1μm以上、5μm以下の範囲のものを使用できる。他方、フレーク状金属粉末は鱗片径にて1μm以上、15μm以下の粉末を使用できる。
SEM像の画像解析から得られる球状金属粉末の平均粒径が5μmを超えると金属ペーストの硬化膜中の銀金属粉末ごとの接触が阻害されて硬化膜の導電性が悪化することがある。一方、球状金属粉末の平均粒径が0.1μm未満では、金属ペーストの流動性が悪化し、金属ペーストの塗布面の平坦性が悪化することがある。
フレーク状金属粉末の鱗片径が1μm未満では、金属ペーストの硬化膜の導電性が悪化することがある。一方、フレーク状金属粉末のその鱗片径が15μmを超えると金属ペーストの硬化膜の平坦性が悪化することがある。
さらに、本実施形態に係る金属ペーストでは、球状金属粉末とフレーク状金属粉末を混合して用いることができる。球状粉末とフレーク状粉末を混合して用いる場合、金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合を70質量%以下とすることが望ましい。金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合の望ましい範囲は30質量%以上、70質量%以下である。すなわち、球状金属粉末とフレーク状金属粉末の重量質量比は、全量が球状金属粉末から構成されている場合から、球状金属粉末/フレーク状金属粉末の表記で、100/0〜30/70の範囲で混合して使用することができ、70/30〜30/70であることが望ましい。
その球状金属粉末/フレーク状金属粉末の重量質量比において、フレーク状金属粉末の割合が70質量%を超えてフレーク状金属粉末が多くなると、金属ペーストの流動性が悪化し、金属ペーストの塗布面の平坦性が悪化する。一方、上記重量質量比が、金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合が30質量%未満の場合には、金属ペーストの硬化物の導電性が悪化することがある。
用いる金属粉末の材質は、Ag粉、Ni粉、Cu粉、AgコートCu粉、AgコートNi粉、AgコートNiCuZn合金粉等の導電性粉末を単独または混合して使用できる。なお、樹脂硬化後の導電性を考慮するとAg粉が望ましい。また、貴金属コストの低減から、Agの各種コート粉や、Ni粉を単独、または混合して使用可能である。
2)樹脂
本実施形態に係る金属ペーストは熱硬化性型のペーストであり、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤が含まれる。
ここで、エポキシ樹脂とは、金属ペーストに含まれる未硬化のエポキシ樹脂をさし、硬化物についてエポキシ樹脂硬化物、又は単に硬化物という。
エポキシ樹脂と硬化剤の選択により、金属ペースト硬化物の特性が影響を受ける。即ち本実施形態に係る金属ペーストは、硬化物の樹脂端面電極の表面にNiめっきやSnめっきを湿式めっき法で形成する。その湿式めっきを施す為に、硬化物には耐薬品性が求められる。
本実施形態で用いることができるエポキシ樹脂は、その構造式における末端部にエポキシ基を末端に導入した2官能エポキシ樹脂であり、そのエポキシ樹脂の主鎖には、a)ビスフェノール型構造単位と、b)炭素数が4以上の直鎖状炭化水素構造単位またはエーテル結合の酸素原子数3以上のポリアルキレンエーテル構造単位とを含む2官能エポキシ樹脂である。
そして、本実施形態で用いるエポキシ樹脂は、エポキシ基とビスフェノール型構造単位がエーテル結合の酸素原子によって結合していることが望ましい。
さらに望ましくは、本実施形態のエポキシ樹脂は、構造式のおける末端部が、エポキシ基が、ビスフェノール型構造単位がエーテル結合の酸素原子によって結合した末端部であり、そのエポキシ樹脂は、両末端部のビスフェノール型構造単位に炭素数が4以上の直鎖状炭化水素構造単位またはエーテル結合の酸素原子数3以上のポリアルキレンエーテル構造単位が挟まれる構造である。
本実施形態のエポキシ樹脂が、ビスフェノール型構造単位を備えるのは、得られる硬化物の耐薬品性や耐熱性を向上させるためである。
ビスフェノール型構造単位は、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型を用いることができ、ビスフェノールA型が耐熱性の観点から望ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂が、炭素数が4以上の直鎖状炭化水素構造単位またはエーテル結合の酸素原子数3以上のポリアルキレンエーテル構造単位が、硬化物に柔軟性を付与する。
炭素数が4以上の直鎖状炭化水素構造単位は、硬化物に柔軟性を付与する。炭素数は4以上20以下が望ましく、より望ましくは4以上10以下である。
また、エーテル結合の酸素原子数3以上のポリアルキレンエーテル構造単位は、硬化物に柔軟性を付与する。酸素原子数は、3以上20以下が望ましく、より望ましくは3以上10以下である。
直鎖状炭化水素構造単位とポリアルキレンエーテル構造単位の選択は、硬化物の使用条件を考慮して適宜選択できる。
本実施形態のエポキシ樹脂は、エポキシ当量100〜500が望ましく、エポキシ当量100〜450がより望ましい。ここで、エポキシ当量とは、エポキシ樹脂の分子量を1つのエポキシ樹脂分子に含まれるエポキシ基の数で割った値である。
エポキシ当量が500以下では、エポキシ樹脂の分子量が小さくなり、金属ペーストの流動性から望ましい。また、エポキシ当量が500を超えると、エポキシ樹脂硬化物の架橋は少なくなり、エポキシ樹脂の耐熱性が下がる問題が生じる。しかし、エポキシ当量が500以下では、反応するエポキシ基が多く含まれるため、硬化反応(エポキシ基の架橋反応)が多く行われることとなる。エポキシ基の架橋反応が不十分だとエポキシ樹脂硬化物は十分な特性を発揮せず、結果として金属ペーストの硬化物は、十分な硬化効果特性を発揮しない。
さらに、硬化剤は、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性や化学的耐性にも影響する。
またそこで、金属ペーストを均一の厚み、且つ平滑に塗布、硬化させる為には、硬化剤や硬化促進剤の選択が重要になる。また、硬化剤は、金属ペーストの保存性や作業性にも影響し、保存時や金属ペーストの塗布時には、硬化反応が発生しないことが求められる。
このような硬化を求められるエポキシ樹脂と硬化剤の反応は、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応してエポキシ樹脂の分子間に架橋して硬化する。エポキシ硬化剤としては、アミン化合物、尿素化合物、フェノール化合物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物等の多塩基酸無水物が知られている。
本実施形態に係る金属ペーストでは、硬化剤は、硬化物の湿式めっき液への耐性や、耐湿性、密着性の為、硬化剤はフェノール樹脂が望ましく、ノボラック型フェノール樹脂がさらに望ましい。硬化剤にノボラック型フェノール樹脂を用いると、エポキシ樹脂硬化物の架橋密度が高まり、耐熱性、耐湿性、耐薬品性が向上する。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量に応じて、硬化剤の反応する官能基の当量を合わせることで配合できる。硬化剤にフェノール樹脂を用いる場合は、硬化剤の水酸基当量とエポキシ樹脂のエポキシ当量を対比して配合割合を定めることができる。なお、水酸基当量とは、フェノール樹脂の分子量を1つのフェノール樹脂に含まれる水酸基の数で割った値である。
なお、硬化剤が、粉末状などの固形の場合は、金属ペーストに添加できる溶剤に溶解して用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化反応を考察すると、その硬化反応は、加熱をしても進行しにくい点が知見された。そこで、反応を促進させる硬化促進剤の添加が必要になる。
この硬化促進剤は、融点180℃以上のイミダゾール系化合物を使用する。これらは性状が粉末であり、液状のイミダゾールのように塗布作業時にペーストから蒸発することがないから、金属ペーストの硬化の過程でも硬化促進剤の機能が発揮される。
このような、180℃以上の融点を備えたイミダゾール系化合物には、2,4−ジアミノ−6−[2‘−メチルイミダソリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2−4−ジアミノ−6−[2‘−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−4−ジアミノ−6−[2‘−エチル4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾールを挙げることができる。また、それらは樹脂硬化反応において150℃以上の温度で促進作用が機能する。
また、それらは樹脂硬化反応において150℃以上の温度で促進作用が機能する。これらイミダゾール系化合物は固形の粉末状であり、金属ペーストに添加するには、金属ペーストに使用される溶剤にイミダゾール化合物を溶解して使用することができる。
本実施形態に係る金属ペーストが使用されるチップ部品の端面電極の形成は、チップ部品の一方の端面に金属ペーストを塗布し、150℃で10分から30分で仮硬化させた後、他方の端面に金属ペーストを塗布し、同じ条件で仮硬化を行い、その後、200℃で硬化体にさせるもので、本実施形態に係る金属ペーストに使用する硬化促進剤は、融点を180℃以上とすることで、150℃程度の仮硬化の温度では機能を残して緩やかに作用し、融点以上の200℃での硬化でエポキシ樹脂とフェノール硬化剤との架橋反応を十分に促進させることができる。
硬化促進剤の配合割合は、エポキシ当量などを考慮して決めればよく、本実施形態に係る金属ペーストで用いられるエポキシ当量100〜500のエポキシ樹脂の場合は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計の100重量質量部に対し、0.3重量質量部から5重量質量部の範囲で添加できる。硬化促進剤の添加量が0.3重量質量部未満の場合は、硬化反応が促進しない場合があり、硬化促進剤が5重量質量部を超える場合は、硬化物の形状が変形する場合がある。
これらのエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の選択により、金属ペーストの保存性や作業性を備えつつ、仮硬化を経ても十分に硬化し、金属ペーストの硬化物は、エポキシ樹脂硬化物のガラス転移点や耐薬品性等を発揮することができる。
本実施形態に係る金属ペーストは、金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を混合することで製造できる。金属ペーストの各原料を混合して金属ペーストを得るには、公知のペーストの製造方法である3本ロールミルや自公転ミキサー等を用いることができる。
金属ペーストに含まれる金属粉末の含有量は、60質量%〜95質量%であり、金属ペーストの塗布性や、金属ペースト硬化物の密着性、電気特性から70質量%〜90質量%が望ましい。
金属ペーストには、ペーストの粘性を調整するために、各種溶剤を添加し、粘性を調整することができる。その溶剤は、樹脂を十分に溶解し、かつ塗布作業性において沸点が200℃〜250℃程度の溶剤で、有機溶剤が望ましく、特に、モノテルペンアルコール類はペーストのチクソ比の上昇を抑制することができ、塗布形状の安定化に効果があり望ましい。特にターピネオールやジヒドロターピネオールが望ましい。
又、金属ペーストには、公知の消泡剤や分散剤を添加することもできる。さらに、密着性や分散性を改善するためにシランやチタンなどの各種カップリング剤の添加もできる。
得られた金属ペーストは、チップ部品の端面に塗布、硬化され、金属ペーストの硬化体で構成された樹脂端面電極を形成できる。具体的には、チップ部品の両側にある一方の端子に、金属ペーストを塗布した後に、150℃×10分〜30分で仮硬化させる。次いで、チップ部品の他方の端子に、金属ペーストを塗布後、150℃×10分〜30分で仮硬化させる。
その後、200℃で硬化させることで、樹脂端面電極が形成される。なお、樹脂端面電極の表面に化学めっき法で、NiめっきやSnめっきを施すこともある。
以下、実施例を用いて本発明を更に説明する。
(1)金属粉末
表1に示す銀粉末を金属粉末に用い、球状銀粉末とフレーク状銀粉末を50/50の質量比で用いた。使用した球状銀粉末の平均粒径は、2000倍のSEM像を画像解析して求めたところ、0.2μmであった。一方のフレーク状銀粉末の鱗片径は、同じくSEM像の画像解析から求めたところ、10μmであった。また、フレーク状銀粉末の表面にはステアリン酸が表面処理によって被覆された。
(2)有機成分
実施例に係るエポキシ樹脂Aは、エポキシ当量403[g/eq]の構造式のおける末端部が、エポキシ基がビスフェノール型構造単位がエーテル結合の酸素原子によって結合した末端部であり、そのエポキシ樹脂Aは、両末端部のビスフェノール型構造単位に直鎖炭化水素構造単位が挟まれる構造である。
比較例として、エポキシ当量189[g/eq]のビスフェノールA型エポキシ樹脂Bと、参考例としてエポキシ当量184[g/eq]のポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂Cを用意した。
硬化剤には水酸基当量として105のフェノールノボラック樹脂を用いた。このフェノール樹脂は固体であるため、固形分30wt%としてターピネオールに溶解してから用いた。エポキシ樹脂と硬化剤は、エポキシ当量と水酸基当量が等価になるように配合した。
硬化促進剤は、粉末状の2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを用いた。
有機溶剤は、沸点が200℃〜240℃程度のエポキシ樹脂に可溶な溶剤であるモノテルペンアルコールのターピネオールを用いた。
(3)ペースト作製
表1の配合割合の銀粉末、各エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、残部をターピネオールとして混合し、3本ロールミルで混練することで金属ペーストを得た。金属ペーストの粘度は、下記に示す粘度計を用いた粘度測定により、10rpm回転数での粘度が、20〜30Pa・sの範囲であった。
(4)粘度測定
粘度は、「ブルックフィールドHBT回転粘度計」を用い、以下の測定条件で計測した。
なお、10回転/分(10rpm)シェアレートが「4s−1」となる条件で粘度を測定した。
[特性評価]
下記の特性を評価し、その結果を表1に併せて示す。
<体積抵抗値の測定>
実施例、比較例、参考例の金属ペーストについて、1インチ角、厚さ1mmのアルミナ基板上に、200メッシュのステンレス製スクリーンを用い、長さ60mm、幅0.6mm、厚さ30μmのコの字パターン印刷を行い、大気中で150℃、30分間乾燥後、200℃、60分間硬化させ、外部電極を形成した。パターンの厚さは、東京精密株式会社製の「表面粗さ形状測定機」にて、パターンと交差するように測定した3点の数値の平均より求めた。硬化後に、マルチメータLCRメーターを用い、4端子法で体積抵抗値を測定した。
<曲げ弾性率の測定>
テフロン(登録商標)板に耐熱テープ4枚を重ね、10mm×50mmのエリアを囲むように貼り付け、実施例、比較例、参考例のペーストを塗布し、200℃×60分で硬化させた。硬化後、試験片をテフロン(登録商標)板から剥がし曲げ試験用試料とした。
各々の試験片は島津サイエンス東日本株式会社製オートグラフで曲げ弾性率を測定した。
さらに、試験片を大気中150℃の雰囲気下に保持して熱劣化させて曲げ弾性率を測定した。
Figure 2021128897
本実施形態のエポキシ樹脂Aを用いた実施例1、2の硬化物は、曲げ弾性率が10000N/mm以下を示したが、比較例1のエポキシ樹脂Bを用いた硬化物は曲げ弾性率が10000N/mmを超えた。
参考例として、2官能基型のエポキシ樹脂であり、その構造式における主鎖に、ビスフェノール型骨格ではなく、ポリグリコール型骨格を備えたポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルであり柔軟性を備えたエポキシ樹脂Cとエポキシ樹脂Bを併用すれば、低い曲げ弾性率を実現できるが、これまでの実施例によれば、本実施形態では、ポリグリコール型骨格を備えたポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルを併用しなくても、低い曲げ弾性率が実現できることが示された。

Claims (9)

  1. 金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含む金属ペーストであって、
    前記エポキシ樹脂が、
    前記エポキシ樹脂の構造式における末端部に、エポキシ基を末端に導入した2官能エポキシ樹脂、且つ、前記エポキシ樹脂の主鎖に、a)ビスフェノール型構造単位と、b)炭素数が4以上の直鎖状炭化水素構造単位またはエーテル結合の酸素原子数3以上のポリアルキレンエーテル構造単位とを含む2官能エポキシ樹脂であり、
    前記硬化促進剤が、イミダゾール系化合物であることを特徴とする金属ペースト。
  2. 前記エポキシ樹脂において、エポキシ基とビスフェノール型構造単位がエーテル結合の酸素原子によって結合していることを特徴とする請求項1に記載の金属ペースト。
  3. 前記硬化促進剤の沸点が、180℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属ペースト。
  4. 前記硬化促進剤が、粉状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の金属ペースト。
  5. 前記硬化剤が、フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の金属ペースト。
  6. 前記金属粉末が、銀粉末であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の金属ペースト。
  7. 前記銀粉末が、球状の銀粉末とフレーク状の銀粉末の混合粉末であることを特徴とする請求項6に記載の金属ペースト。
  8. チップ電子部品の端面形成用電極ペーストであって、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の金属ペーストであることを特徴とする端面形成用電極ペースト。
  9. 端面電極が、請求項1から7のいずれか1項に記載の金属ペーストの硬化体であることを特徴とするチップ電子部品。
JP2020024029A 2020-02-17 2020-02-17 金属ペーストおよび端面形成用電極ペースト、並びにそれを用いたチップ電子部品 Pending JP2021128897A (ja)

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