JP2019206614A - 金属ペーストおよび端面形成用電極ペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性樹脂ペーストをチップ部品の端面に塗布して端面ペースト層を形成した際に、その端面ペースト層の厚みが均一で平滑になるような端面形成用電極ペーストであって、金属粉末と樹脂成分から成る導電性樹脂ペーストである金属ペーストを提供する。【解決手段】 金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と有機溶媒を含む金属ペーストで、前記金属粉末が、表面に有機物の被覆のない球状金属粉末を含み、前記有機溶媒が、単環式のテルペン類であることを特徴とする金属ペースト。【選択図】 なし
Description
本発明は、導電性樹脂ペーストに関し、特に、抵抗体、コンデンサ、インダクタなどのチップ部品の端面電極の形成に使用するための導電性樹脂ペーストに関する。
従来のチップ部品は、端面電極に、Ag、Cu、Ni等のペースト焼成膜が形成されている。その焼成膜の表面にNiめっき、Snめっきを施して端面電極が完成する。チップ部品は、基板にはんだ付けすることにより基板に実装される。
しかしながら、その実装基板の使用環境が熱ストレス、または振動などの、熱膨張、機械的ストレスがかかりやすいと、はんだ付けされた基板とチップ部品本体やその端面電極の接合部分にクラックが生じ破壊されることがある。
しかしながら、その実装基板の使用環境が熱ストレス、または振動などの、熱膨張、機械的ストレスがかかりやすいと、はんだ付けされた基板とチップ部品本体やその端面電極の接合部分にクラックが生じ破壊されることがある。
このクラックを防止するために、Ag、Cu、Ni等のペースト焼成膜から形成された端面電極の外側に、熱硬化性の導電性樹脂ペーストによる電極層を形成し、その外側にNiめっき、Snめっきを施すことにより、端面電極への応力が緩和され、クラックの発生が抑制できることが知られている。
ところで、導電性樹脂ペーストを塗布して端面ペーストを形成する場合、チップ部品の寸法公差を満たすためには、塗布した時の端面ペースト層の厚みが均一で平滑であることが必要である。そのためには、Dip方式で塗布される塗布形状において、特に端面部分が厚くなったり、突起が生じることは、その後の実装工程において問題となる。
一般に熱硬化性導電性樹脂ペーストは、その材料選択からチクソ比の高い粘性になりやすく、塗布工程において、端面部分が厚くなったり、端面形状にツノ立ちが生じやすい。
一般に熱硬化性導電性樹脂ペーストは、その材料選択からチクソ比の高い粘性になりやすく、塗布工程において、端面部分が厚くなったり、端面形状にツノ立ちが生じやすい。
そこで、塗布形状を平滑にするために、特許文献1には、導電性樹脂組成物に使用するエポキシ樹脂のエポキシ当量を900[g/eq]以上とし、回転粘度計の回転数、1回転/分の粘度の値と5回転/分の粘度の値で割ったチクソ比(1/50粘度比とも称すことがある)を1.8以下とすることのみを規定している。
しかしエポキシ樹脂の使用範囲が限定され、応力緩和のために、検討される樹脂選択に制約がある。
しかしエポキシ樹脂の使用範囲が限定され、応力緩和のために、検討される樹脂選択に制約がある。
導電性樹脂ペーストをチップ部品の端面に塗布して端面ペースト層を形成した際に、その端面ペースト層の厚みが略均一で略平滑になるような端面形成用電極ペーストであって、金属粉末と樹脂成分から成る導電性樹脂ペーストである金属ペーストを提供する。
上記の目的を達成する本発明に係る第1の発明は、金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と有機溶媒を含む金属ペーストで、前記金属粉末が、表面に有機物の被覆のない球状金属粉末を含み、前記有機溶媒が、単環式のテルペン類であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明に係る第2の発明は、第1の発明における有機溶媒が、モノテルペンアルコールであることを特徴とする金属ペーストである。
本発明に係る第3の発明は、第1及び第2の発明におけるエポキシ樹脂が、エポキシ当量100〜500[g/eq]の二官能基エポキシ樹脂であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明に係る第4の発明は、第1から第3の発明における金属ペーストの粘度が、回転粘度計における回転数1rpm(シェアレート:0.4s−1)で測定した粘度を、回転数50rpm(シェアレート:20s−1)で測定した粘度で割って求めた「1/50粘度比」が、3.0〜10.0であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明に係る第5の発明は、第1〜第4の発明における金属粉末が、表面に有機物の被覆のない球状金属粉末とフレーク状金属粉末を含む混合物であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明に係る第6の発明は、第1から第5の発明における金属粉末の材質が、銀であることを特徴とする金属ペーストである。
本発明に係る第7の発明は、チップ電子部品の端面形成用電極ペーストが、第1から第6の発明における金属ペーストであることを特徴とする端面形成用電極ペーストである。
本発明に係る導電性樹脂ペーストは、チップ部品の端面ペースト層の厚みを略均一で略平滑にすることが可能となり、また、エポキシ樹脂の選択の自由度も高い。
本発明に係る金属ペーストは、金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と有機溶媒を含む金属ペーストで、金属粉末には球状金属粉末が含まれ、その球状金属粉末は有機物の被覆が無いことと、その有機溶媒は単環式のテルペン類であることを特徴とする。
以下、本発明に係る金属ペーストの構成要素について詳述する。
以下、本発明に係る金属ペーストの構成要素について詳述する。
1)金属粉末
金属粉末は、有機物の被覆が無い球状金属粉末を用いることが必要である。
この球状金属粉末には、ステアリン酸やオレイン酸などの有機物による表面処理被覆の無い粉末を使用する。この有機物による被覆は、その有機物がペースト組成中の樹脂や溶剤と作用し、三次元に架橋してペーストの流動性(チクソ性)を悪化させ、結果的に塗布形状を平坦になり難くする作用を有することになる。
金属粉末は、有機物の被覆が無い球状金属粉末を用いることが必要である。
この球状金属粉末には、ステアリン酸やオレイン酸などの有機物による表面処理被覆の無い粉末を使用する。この有機物による被覆は、その有機物がペースト組成中の樹脂や溶剤と作用し、三次元に架橋してペーストの流動性(チクソ性)を悪化させ、結果的に塗布形状を平坦になり難くする作用を有することになる。
また、金属粉末には、球状金属粉末の他、フレーク状金属粉末も併用することができる。
フレーク状金属粉末は、鱗片化工程に滑材としてオレイン酸等の脂肪酸を添加し、ボールミルやスタンプミルにて機械的加工して得る製法が一般的で、表面には有機物による被覆が存在してしまうが、この製法によるフレーク粉を使う場合には、滑材の付着量を少なくするか、フレーク状金属粉末の混合比率を下げることでペーストのチクソ比の上昇を抑制することが可能である。
フレーク状金属粉末は、鱗片化工程に滑材としてオレイン酸等の脂肪酸を添加し、ボールミルやスタンプミルにて機械的加工して得る製法が一般的で、表面には有機物による被覆が存在してしまうが、この製法によるフレーク粉を使う場合には、滑材の付着量を少なくするか、フレーク状金属粉末の混合比率を下げることでペーストのチクソ比の上昇を抑制することが可能である。
さらに、金属ペーストでは、球状金属粉末とフレーク状金属粉末を混合して用いることができる。球状金属粉末とフレーク状金属粉末を混合して用いる場合、金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合を70質量%以下とすることが望ましい。金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合の望ましい範囲は30質量%から70質量%である。すなわち、球状金属粉末/フレーク状金属粉末の表記で70/30〜30/70であることが望ましいのである。
金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合が70質量%を超えると、金属ペーストの流動性が悪化し、金属ペーストの塗布面の平坦性が悪化する。一方、金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合が30質量%未満の場合には、金属ペーストの硬化物の導電性が悪化することがある。
金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合が70質量%を超えると、金属ペーストの流動性が悪化し、金属ペーストの塗布面の平坦性が悪化する。一方、金属粉末に占めるフレーク状金属粉末の割合が30質量%未満の場合には、金属ペーストの硬化物の導電性が悪化することがある。
このような球状金属粉末の平均粒径は、0.1μm〜5μmの範囲のものを使用できる。フレーク状金属粉末は鱗片径にて1μmから15μmの粉末が使用できる。この球状金属粉末の平均粒径が5μmを超えると金属ペーストの硬化膜中の金属粉末の粒子ごとの接触が阻害され、硬化膜の導電性が悪化することがある。一方、球状金属粉末の平均粒径が0.1μm未満では、金属ペーストの流動性が悪化し、金属ペーストの塗布面の平坦性が悪化することがある。
フレーク状金属粉末の鱗片径が1μm未満では、金属ペーストの硬化膜の導電性が悪化することがある。フレーク状金属粉末の鱗片径が15μmを超えると金属ペーストの硬化膜の平坦性が悪化することがある。
以上のような大きさの範囲であれば、金属粉末に特に限定はない。金属粉末の平均粒径や鱗片径は走査型電子顕微鏡像(SEM像)により測定できる。
フレーク状金属粉末の鱗片径が1μm未満では、金属ペーストの硬化膜の導電性が悪化することがある。フレーク状金属粉末の鱗片径が15μmを超えると金属ペーストの硬化膜の平坦性が悪化することがある。
以上のような大きさの範囲であれば、金属粉末に特に限定はない。金属粉末の平均粒径や鱗片径は走査型電子顕微鏡像(SEM像)により測定できる。
用いる金属粉末の材質は、Ag粉、Ni粉、Cu粉、AgコートCu粉、AgコートNi粉、AgコートNiCuZn合金粉、等の導電性粉末を単独または混合して使用できる。なお、樹脂硬化後の導電性を考慮するとAg粉が望ましい。また、貴金属コストの低減から、Agの各種コート粉や、Ni粉を単独、または混合しての使用が可能である。
2)樹脂
本発明に係る金属ペーストは熱硬化性のペーストであり、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤が含まれる。
ここで、エポキシ樹脂とは、金属ペーストに含まれる未硬化のエポキシ樹脂を指し、硬化物についてエポキシ樹脂硬化物又は単に、硬化物という。
エポキシ樹脂と硬化剤の選択により、金属ペースト硬化物の特性が影響を受ける。即ち、本発明に係る金属ペーストは、硬化物の樹脂端面電極の表面にNiめっきやSnめっきを湿式めっき法で形成する。その湿式めっきを施す為に、硬化物には耐薬品性が求められる。
本発明に係る金属ペーストは熱硬化性のペーストであり、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤が含まれる。
ここで、エポキシ樹脂とは、金属ペーストに含まれる未硬化のエポキシ樹脂を指し、硬化物についてエポキシ樹脂硬化物又は単に、硬化物という。
エポキシ樹脂と硬化剤の選択により、金属ペースト硬化物の特性が影響を受ける。即ち、本発明に係る金属ペーストは、硬化物の樹脂端面電極の表面にNiめっきやSnめっきを湿式めっき法で形成する。その湿式めっきを施す為に、硬化物には耐薬品性が求められる。
本発明の金属ペーストに用いることができるエポキシ樹脂は、二官能基型のエポキシ樹脂であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることができる。このうち、硬化物のガラス転移点が高くなる傾向から、エポキシ樹脂の一部にビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが望ましい。
このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂には「jER825、jER827、jER828、jER834(三菱ケミカル株式会社製)」、「EPICLON840、EPICLON850、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1055(DIC株式会社製)」が挙げられる。
また、ビスフェノールAと炭化水素骨格、エーテル骨格、グリコール骨格を備えた変性エポキシ樹脂も用いることができる。このような変性エポキシ樹脂には、「EPICLON EXA−4816、EPICLON EXA−4850、EPICLON TSR−960、EPICLON TSR−601(DIC株式会社製)」等が挙げられる。
このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂と、その他の構造を持つエポキシ樹脂を混合して用いてもよい。
このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂には「jER825、jER827、jER828、jER834(三菱ケミカル株式会社製)」、「EPICLON840、EPICLON850、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1055(DIC株式会社製)」が挙げられる。
また、ビスフェノールAと炭化水素骨格、エーテル骨格、グリコール骨格を備えた変性エポキシ樹脂も用いることができる。このような変性エポキシ樹脂には、「EPICLON EXA−4816、EPICLON EXA−4850、EPICLON TSR−960、EPICLON TSR−601(DIC株式会社製)」等が挙げられる。
このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂と、その他の構造を持つエポキシ樹脂を混合して用いてもよい。
本発明で用いるエポキシ樹脂は、エポキシ当量100〜500[g/eq]が望ましく、エポキシ当量100〜450[g/eq]がより望ましい。ここで、エポキシ当量とは、エポキシ樹脂の分子量を1つのエポキシ樹脂分子に含まれるエポキシ基の数で割った値である。
エポキシ当量が500[g/eq]以下の場合、エポキシ樹脂の分子量が小さくなり、金属ペーストの流動性から望ましい。また、エポキシ当量が500[g/eq]を超えると、エポキシ樹脂硬化物の架橋は少なくなり、エポキシ樹脂の耐熱性が下がる問題が生じる。しかし、エポキシ当量が500[g/eq]以下では、反応するエポキシ基が多く含まれるため、硬化反応(エポキシ基の架橋反応)が多く行われることとなる。エポキシ基の架橋反応が不十分だとエポキシ樹脂硬化物は十分な特性を発揮せず、結果として金属ペーストの硬化物は、十分な硬化特性を発揮しない。
エポキシ当量が500[g/eq]以下の場合、エポキシ樹脂の分子量が小さくなり、金属ペーストの流動性から望ましい。また、エポキシ当量が500[g/eq]を超えると、エポキシ樹脂硬化物の架橋は少なくなり、エポキシ樹脂の耐熱性が下がる問題が生じる。しかし、エポキシ当量が500[g/eq]以下では、反応するエポキシ基が多く含まれるため、硬化反応(エポキシ基の架橋反応)が多く行われることとなる。エポキシ基の架橋反応が不十分だとエポキシ樹脂硬化物は十分な特性を発揮せず、結果として金属ペーストの硬化物は、十分な硬化特性を発揮しない。
さらに、硬化剤は、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性や化学的耐性にも影響する。
また、金属ペーストを均一の厚み、且つ平滑に塗布する為には、硬化剤や硬化促進剤の選択が重要になる。硬化剤は、金属ペーストの保存性や作業性にも影響し、保存時や金属ペーストの塗布時には、硬化反応が発生しないことが求められる。
このような硬化を求められるエポキシ樹脂と硬化剤の反応は、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応してエポキシ樹脂の分子間に架橋して硬化する。エポキシ硬化剤には、アミン化合物、尿素化合物、フェノール化合物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物等の多塩基酸無水物が知られている。
また、金属ペーストを均一の厚み、且つ平滑に塗布する為には、硬化剤や硬化促進剤の選択が重要になる。硬化剤は、金属ペーストの保存性や作業性にも影響し、保存時や金属ペーストの塗布時には、硬化反応が発生しないことが求められる。
このような硬化を求められるエポキシ樹脂と硬化剤の反応は、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応してエポキシ樹脂の分子間に架橋して硬化する。エポキシ硬化剤には、アミン化合物、尿素化合物、フェノール化合物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物等の多塩基酸無水物が知られている。
本発明に係る金属ペーストでは、硬化剤は、硬化物の湿式めっき液への耐性や、耐湿性、接着性の為、フェノール樹脂が望ましく、ノボラック型フェノール樹脂がさらに望ましい。硬化剤にノボラック型フェノール樹脂を用いると、エポキシ樹脂硬化物の架橋密度が高まり、耐熱性、耐湿性、耐薬品性が向上する。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量に応じて、硬化剤の反応する官能基の当量を合わせることで配合できる。硬化剤にフェノール樹脂を用いる場合は、硬化剤の水酸基当量とエポキシ樹脂のエポキシ当量を対比して配合割合を定めることができる。なお、水酸基当量とは、フェノール樹脂の分子量を1つのフェノール樹脂に含まれる水酸基の数で割った値である。
なお、硬化剤が、粉末状などの固形の場合は、金属ペーストに添加できる溶剤に溶解して用いることができる。
なお、硬化剤が、粉末状などの固形の場合は、金属ペーストに添加できる溶剤に溶解して用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化反応を考察すると、その硬化反応は、加熱をしても進行しにくい点が知見される。そこで、反応を促進させる硬化促進剤の添加が必要になる。
この硬化促進剤は、融点180℃以上のイミダゾール系化合物を使用する。これらは性状が粉末であり、液状のイミダゾールように塗布作業時にペーストから蒸発することがないから、金属ペーストの硬化の過程でも硬化促進剤の機能が発揮される。
このような、180℃以上の融点を備えたイミダゾール系化合物には、2,4−ジアミノ−6−[2‘−メチルイミダソリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2−4−ジアミノ−6−[2‘−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−4−ジアミノ−6−[2‘−エチル4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾールを挙げることができる。
また、それらは樹脂硬化反応において150℃以上の温度で促進作用が機能する。これらイミダゾール系化合物は固形の粉末状であり、金属ペーストに添加するには、金属ペーストに使用される溶剤にイミダゾール系化合物を溶解して使用することができる。
この硬化促進剤は、融点180℃以上のイミダゾール系化合物を使用する。これらは性状が粉末であり、液状のイミダゾールように塗布作業時にペーストから蒸発することがないから、金属ペーストの硬化の過程でも硬化促進剤の機能が発揮される。
このような、180℃以上の融点を備えたイミダゾール系化合物には、2,4−ジアミノ−6−[2‘−メチルイミダソリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2−4−ジアミノ−6−[2‘−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−4−ジアミノ−6−[2‘−エチル4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾールを挙げることができる。
また、それらは樹脂硬化反応において150℃以上の温度で促進作用が機能する。これらイミダゾール系化合物は固形の粉末状であり、金属ペーストに添加するには、金属ペーストに使用される溶剤にイミダゾール系化合物を溶解して使用することができる。
本発明に係る金属ペーストが使用されるチップ部品の端面電極の形成は、チップ部品の一方の端面に金属ペーストを塗布し、150℃で10分から30分で仮硬化させた後、他方の端面に金属ペーストを塗布し、同じ条件で仮硬化を行い、その後、200℃で硬化させるもので、本発明に係る金属ペーストに使用する硬化促進剤は、融点を180℃以上とすることで、150℃程度の仮硬化の温度では機能を残して緩やかに作用し、融点以上の200℃での硬化でエポキシ樹脂とフェノール硬化剤との架橋反応を十分に促進させることができる。
硬化促進剤の配合割合は、エポキシ当量などを考慮して決めればよく、本発明に係る金属ペーストで用いられるエポキシ当量100〜500[g/eq]のエポキシ樹脂の場合は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計の100重量部に対し、0.3重量部から5重量部の範囲で添加できる。硬化促進剤の添加量が0.3重量部未満の場合は、硬化反応が促進しない場合があり、硬化促進剤が5重量部を超える場合は、硬化物の形状が変形する場合がある。
これらのエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の選択により、金属ペーストの保存性や作業性を備えつつ、仮硬化を経ても十分に硬化し、金属ペーストの硬化物は、エポキシ樹脂硬化物のガラス転移点や耐薬品性等を発揮することができる。
本発明に係る金属ペーストは、金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を混合することで製造できる。金属ペーストの各原料を混合して金属ペーストを得るには、公知のペーストの製造方法である3本ロールミルや自公転ミキサー等を用いることができる。
金属ペーストに含まれる金属粉末の含有量は、60質量%〜95質量%であり、金属ペーストの塗布性や、金属ペースト硬化物の密着性、電気特性から70質量%〜90質量%が望ましい。
金属ペーストに含まれる金属粉末の含有量は、60質量%〜95質量%であり、金属ペーストの塗布性や、金属ペースト硬化物の密着性、電気特性から70質量%〜90質量%が望ましい。
金属ペーストには、ペーストの粘性を調整するために、各種溶剤を添加することができる。その溶剤には、モノテルペンアルコール類を使用する。溶剤の沸点から、ターピネオールまたは、ジヒドロターピネオールが好適である。これらは単独、または混合して使用できる。この溶剤を用いることで、ペーストのチクソ比の上昇を抑制することができ、塗布形状の平滑化に効果がある。毒性も無く好適である。
又、金属ペーストには、公知の消泡剤や分散剤を添加することもできる。さらに、密着性や分散性を改善するためにシランやチタンなどの各種カップリング剤の添加もできる。
又、金属ペーストには、公知の消泡剤や分散剤を添加することもできる。さらに、密着性や分散性を改善するためにシランやチタンなどの各種カップリング剤の添加もできる。
得られた金属ペーストは、チップ部品の端面に塗布、硬化され、樹脂端面電極を形成できる。チップ部品の両側にある一方の端面に、金属ペーストを塗布し、150℃×10分〜30分で仮硬化し、チップ部品の他方の端面に、金属ペーストを塗布し、150℃×10分〜30分で仮硬化し、その後、200℃で硬化させることで、樹脂端面電極を形成できる。樹脂端面電極の表面に化学めっきでNiめっきやSnめっきを施すことができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に説明する。
表2に使用した金属粉末や有機組成等を記す。
(1)金属粉末
表2に示す銀粉末を金属粉末に用いた。球状銀粉末に表面処理の有無の種類を選択した。フレーク状銀粉末にはステアリン酸が表面処理してある。このコンテントで、球/フレーク比率を50/50を基本に変化させた。
表2に使用した金属粉末や有機組成等を記す。
(1)金属粉末
表2に示す銀粉末を金属粉末に用いた。球状銀粉末に表面処理の有無の種類を選択した。フレーク状銀粉末にはステアリン酸が表面処理してある。このコンテントで、球/フレーク比率を50/50を基本に変化させた。
(2)有機組成
エポキシ樹脂には、エポキシ当量184[g/eq]のビスフェノールA型エポキシ樹脂とエポキシ当量403[g/eq]の長鎖炭化水素変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた。
硬化剤には水酸基当量として105のフェノールノボラック樹脂を用いた。このフェノール樹脂は固体であるため、固形分30[wt%]としてターピネオールに溶解してから用いた。エポキシ樹脂と硬化剤は、エポキシ当量と水酸基当量が等価になるように配合した。
硬化促進剤は、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(2P4MHZ−PW)を用いた。
溶剤は、沸点が200℃〜240℃のエポキシ樹脂に可溶な溶剤を用いた。
モノテルペンアルコールとして、ターピネオール(TPO)、ジヒドロターピネオール(DHTO)を用いた。比較として、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、ジプロピレングリコール(DPG)を用いた。
エポキシ樹脂には、エポキシ当量184[g/eq]のビスフェノールA型エポキシ樹脂とエポキシ当量403[g/eq]の長鎖炭化水素変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた。
硬化剤には水酸基当量として105のフェノールノボラック樹脂を用いた。このフェノール樹脂は固体であるため、固形分30[wt%]としてターピネオールに溶解してから用いた。エポキシ樹脂と硬化剤は、エポキシ当量と水酸基当量が等価になるように配合した。
硬化促進剤は、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(2P4MHZ−PW)を用いた。
溶剤は、沸点が200℃〜240℃のエポキシ樹脂に可溶な溶剤を用いた。
モノテルペンアルコールとして、ターピネオール(TPO)、ジヒドロターピネオール(DHTO)を用いた。比較として、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、ジプロピレングリコール(DPG)を用いた。
(3)ペースト作製
金属粉末を80質量%、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を加え、3本ロールミルで混練することで金属ペーストを得た。エポキシ樹脂には、エポキシ当量184[g/eq]のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合は、金属ペーストでのエポキシ樹脂の含有率を10質量%とした。
エポキシ当量403[g/eq]の長鎖炭化水素変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いる場合は、金属ペーストでのエポキシ樹脂の含有率を14質量%とした。硬化促進剤は、いずれの金属ペーストでも0.16質量%加えた。
金属粉末を80質量%、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤を加え、3本ロールミルで混練することで金属ペーストを得た。エポキシ樹脂には、エポキシ当量184[g/eq]のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合は、金属ペーストでのエポキシ樹脂の含有率を10質量%とした。
エポキシ当量403[g/eq]の長鎖炭化水素変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いる場合は、金属ペーストでのエポキシ樹脂の含有率を14質量%とした。硬化促進剤は、いずれの金属ペーストでも0.16質量%加えた。
また、溶剤で適宜希釈調整し、下記に示す粘度計を用いて10rpm回転数での粘度が、20〜30Pa・sの範囲になるように調整した。さらに、回転数1rpmでの粘度と50rpmでの粘度の比を「1/50粘度比」としてチクソ比を求めた。
この「1/50粘度比」は10を超えないことが望ましい。
この「1/50粘度比」は10を超えないことが望ましい。
(4)粘度測定
粘度はブルックフィールドHBT回転粘度計を用い、以下の条件で測定した。
Spindle/Holder;14−6r
1回転/分 シェアレート 0.4s−1
10回転/分 シェアレート 4s−1
50回転/分 シェアレート 20s−1
粘度はブルックフィールドHBT回転粘度計を用い、以下の条件で測定した。
Spindle/Holder;14−6r
1回転/分 シェアレート 0.4s−1
10回転/分 シェアレート 4s−1
50回転/分 シェアレート 20s−1
(5)端面塗布
端面塗布機MS−100(株式会社プロデュース製)を用いた。
作製したペーストを、チップサイズ2012M(JIS C5101−21−2006)のMLCCベアチップに、表1に示す条件で塗布した。
塗布形状の評価を目的としたため、下地電極の形成されていないベアチップ端面に直接Dip塗布した。塗布後、150℃×30minで乾燥(仮硬化)し、次いで200℃-60min硬化し、端面電極を形成した。
端面塗布機MS−100(株式会社プロデュース製)を用いた。
作製したペーストを、チップサイズ2012M(JIS C5101−21−2006)のMLCCベアチップに、表1に示す条件で塗布した。
塗布形状の評価を目的としたため、下地電極の形成されていないベアチップ端面に直接Dip塗布した。塗布後、150℃×30minで乾燥(仮硬化)し、次いで200℃-60min硬化し、端面電極を形成した。
(6)端面形状評価
レーザー顕微鏡を用いて形状解析を行った。
図1は、チップ部品における「ツノ角度」を説明する概略説明図で、チップ部品の端面にペーストを塗布、乾燥後のチップ部品を上方から観察した図で、1はツノ角度を示し、2は端面電極、10はチップ部品である。
端面形状評価は端面部の断面形状を算出し、端面の山形を端面TOPとのツノ角度で評価した。
評価は、端面ツノ角度が10°以上のものを「×」とした。
表2に、実施例1〜8および比較例1〜6を示す。今回の発明の範囲内(実施例1〜8)において、端面ツノ角度が10°未満で評価「○」を示し、より平滑な端面形状を得た。
レーザー顕微鏡を用いて形状解析を行った。
図1は、チップ部品における「ツノ角度」を説明する概略説明図で、チップ部品の端面にペーストを塗布、乾燥後のチップ部品を上方から観察した図で、1はツノ角度を示し、2は端面電極、10はチップ部品である。
端面形状評価は端面部の断面形状を算出し、端面の山形を端面TOPとのツノ角度で評価した。
評価は、端面ツノ角度が10°以上のものを「×」とした。
表2に、実施例1〜8および比較例1〜6を示す。今回の発明の範囲内(実施例1〜8)において、端面ツノ角度が10°未満で評価「○」を示し、より平滑な端面形状を得た。
1 ツノ角度
2 端面電極
10 チップ部品
2 端面電極
10 チップ部品
Claims (7)
- 金属粉末とエポキシ樹脂と硬化剤と有機溶媒を含む金属ペーストで、
前記金属粉末が、表面に有機物の被覆のない球状金属粉末を含み、
前記有機溶媒が、単環式のテルペン類であることを特徴とする金属ペースト。 - 前記有機溶媒が、モノテルペンアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の金属ペースト。
- 前記エポキシ樹脂が、エポキシ当量100〜500[g/eq]の二官能基エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属ペースト。
- 前記金属ペーストの粘度が、回転粘度計における回転数1rpm(シェアレート:0.4s−1)で測定した粘度を、回転数50rpm(シェアレート:20s−1)で測定した粘度で割って求めた「1/50粘度比」が、3.0〜10.0であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属ペースト。
- 前記金属粉末が、表面に有機物の被覆のない球状金属粉末とフレーク状金属粉末を含む混合物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の金属ペースト。
- 前記金属粉末の材質が、銀であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属ペースト。
- チップ電子部品の端面形成用電極ペーストが、請求項1から6のいずれか1項に記載の金属ペーストであることを特徴とする端面形成用電極ペースト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018101473A JP2019206614A (ja) | 2018-05-28 | 2018-05-28 | 金属ペーストおよび端面形成用電極ペースト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018101473A JP2019206614A (ja) | 2018-05-28 | 2018-05-28 | 金属ペーストおよび端面形成用電極ペースト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019206614A true JP2019206614A (ja) | 2019-12-05 |
Family
ID=68767401
Family Applications (1)
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JP2018101473A Pending JP2019206614A (ja) | 2018-05-28 | 2018-05-28 | 金属ペーストおよび端面形成用電極ペースト |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019206614A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021107476A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | 京セラ株式会社 | ペースト組成物 |
JP2021107475A (ja) * | 2019-12-27 | 2021-07-29 | 京セラ株式会社 | ペースト組成物、及び電子部品装置の製造方法 |
-
2018
- 2018-05-28 JP JP2018101473A patent/JP2019206614A/ja active Pending
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JP7369031B2 (ja) | 2019-12-27 | 2023-10-25 | 京セラ株式会社 | ペースト組成物、及び電子部品装置の製造方法 |
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