JP2001107020A - 導電性接着剤 - Google Patents

導電性接着剤

Info

Publication number
JP2001107020A
JP2001107020A JP28953899A JP28953899A JP2001107020A JP 2001107020 A JP2001107020 A JP 2001107020A JP 28953899 A JP28953899 A JP 28953899A JP 28953899 A JP28953899 A JP 28953899A JP 2001107020 A JP2001107020 A JP 2001107020A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
resin
conductive adhesive
voids
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28953899A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Funabiki
崇章 舩曵
Shinji Kobayashi
伸二 小林
Tetsutaro Nasu
哲太郎 那須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP28953899A priority Critical patent/JP2001107020A/ja
Publication of JP2001107020A publication Critical patent/JP2001107020A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の組立時あるいは実装時等に使用さ
れる導電性接着剤に関し、被膜内のボイドが低減できて
ボイドに起因する特性の劣化が少なく、かつ低粘度で塗
布性に優れたものを提供する。 【解決手段】 バインダー用の樹脂11に導電粉12と
してタップ密度が3.5g/cc以上5.0g/cc以
下のものを用い、かつ有機溶剤を配合しない構成とする
ことにより、硬化被膜中のボイドを低減でき、ボイドに
起因する導電性の低下や接着強度の低下、さらにはヒー
トサイクル特性等の信頼性の劣化が少なくできると共
に、低粘度で塗布性に優れるペースト状の導電性接着剤
を容易に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品の組立時
あるいは実装時等に使用される導電性接着剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の導電性接着剤について図2を用い
て説明する。
【0003】図2(a)は従来の導電性接着剤を用いて
所定の導電パターン間を接着した状態を示す断面図、図
2(b)は図2(a)におけるB部の導電性接着剤の拡
大断面図であり、同図において、1は上面に導電パター
ン2が配された下方絶縁基板、3は下面に導電パターン
4が配された上方絶縁基板で、この下方絶縁基板1およ
び上方絶縁基板3は、導電パターン2、4どうしが対向
するように配されていると共に、導電パターン2、4の
間は導電性接着剤5によって接着されている。
【0004】この導電性接着剤5は、通常ペースト状に
形成され、これを上記のごとく所定の位置に塗布または
印刷等し、その後、加熱硬化させて図2に示すものを得
るものであった。
【0005】そして、図2(b)の拡大断面図に示すよ
うに、この導電性接着剤5は、バインダー用の樹脂6に
対して所定の導電粉7を分散させているものであり、こ
の導電粉7どうしが接触しあうことで導電経路が形成さ
れ、導電パターン2、4の間の電気的接続がなされ、ま
た、バインダー用の樹脂6が、導電パターン2、4に所
定の接着力で接着することにより導電パターン2、4の
間の機械的接続をするものであった。
【0006】そして、従来の導電性接着剤5は、一般的
に高い導電性を得る目的で、直径が数μm〜十数μm
で、タップ密度が2.5〜3.0g/cc程度の導電粉
7が、全体の重量に対して70〜80重量%程度の範囲
で多量に配合されているものであった。
【0007】このとき、導電粉7が多量に配合されるに
つれてペースト状の導電性接着剤5の粘度は高くなり、
その印刷塗布性が悪くなるが、通常、これに有機溶剤を
配合することによって粘度を下げ、ペースト状の導電性
接着剤5の印刷塗布適性を付与するようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の導電性接着剤5においては、所定パターンで塗布ま
たは印刷されたペースト状のものを加熱硬化すると、配
合されている有機溶剤が気化して大きい気泡となり、そ
の硬化後もその気泡が大きいボイド8となって被膜中に
複数残ってしまうため、このボイド8によって、導電性
の低下すなわち抵抗値が上昇したり、接着強度が低下し
てしまうことがあると共に、信頼性の面で特にヒートサ
イクル特性が劣化してしまうという課題があった。
【0009】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、硬化された導電性接着剤の被膜内のボイ
ドが低減できて、ボイドに起因する特性の劣化の少ない
低粘度で塗布性に優れた導電性接着剤を得ることを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、バインダー用の樹脂に導電材料である導電
粉および必要に応じて硬化剤・添加剤等が配合されてな
る導電性接着剤において、導電粉としてタップ密度が
3.5g/cc以上5.0g/cc以下のものを用い、
かつ有機溶剤を配合しない構成とするものである。
【0011】上記構成とすることにより、ボイドの発生
の主要因となる有機溶剤を含まないものであるために、
硬化被膜中のボイドを低減でき、ボイドに起因する導電
性の低下や接着強度の低下、さらにはヒートサイクル特
性等の信頼性の劣化が少なくできると共に、導電粉とし
てタップ密度の高いものを配合しているために、有機溶
剤を含まずとも低粘度で塗布性に優れるペースト状の導
電性接着剤を容易に得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、少なくともバインダー用の樹脂に導電材料である導
電粉を配合する導電性接着剤において、前記導電粉とし
てタップ密度が3.5g/cc以上5.0g/cc以下
のものを用い、かつ有機溶剤を配合しない構成とした導
電性接着剤であり、有機溶剤を含まない構成であるため
に、導電性接着剤の硬化被膜中のボイドの発生を大幅に
低減することができ、ボイドに起因する導電性の低下や
接着強度の低下、さらにはヒートサイクル特性等の信頼
性の劣化が少なく、しかもタップ密度が高い導電粉を用
いているために、有機溶剤を含まずとも低粘度で塗布性
に優れる導電性接着剤を実現できるという作用を有す
る。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
発明において、樹脂に添加剤として微粒子シリカを配合
すると共に、所定量の反応性希釈剤を配合したものであ
り、反応性希釈剤を配合することにより、ペースト状の
導電性接着剤の粘度を更に低くすることができて印刷塗
布作業性を容易に向上させることができると共に、微粒
子シリカは、比表面積が大きくて樹脂に含まれる低分子
量成分および反応性希釈剤の低分子量成分を吸着・保持
し易く、しかも被膜が硬化するまでの間、微粒子シリカ
どうしで互いに引き合う力すなわち相互作用が働くもの
であるために、被膜が硬化されるまでの間における上記
低分子量成分の滲みだしを抑えることができ、この滲み
だしによる不具合の発生を低減できるという作用を有す
る。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の発明において、樹脂として、柔軟性を有するも
のを用いたものであり、導電性接着剤の硬化被膜に柔軟
性が付与できるため、ヒートサイクル特性に優れるもの
を得ることができるという作用を有する。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の
発明において、柔軟性を有する樹脂が、ダイマー酸型エ
ポキシ樹脂であるもので、ダイマー酸型エポキシ樹脂
は、その分子構造中にアルキル基の連続構造を有するた
めに、導電性接着剤の硬化被膜に特に優れた柔軟性を付
与でき、よりヒートサイクル特性に優れたものを得るこ
とができると同時に、ダイマー酸型エポキシ樹脂の粘度
は非常に低いものであるため、ペースト状の導電性接着
剤の粘度を低くすることもでき、塗布性を容易に向上さ
せることもできるという作用を有する。
【0016】以下、本発明の実施の形態について、以下
に説明する。
【0017】図1(a)は本実施の形態による導電性接
着剤を用いて所定の導電パターン間を接着した状態を示
す断面図、図1(b)は図1(a)におけるA部の導電
性接着剤の拡大断面図であり、同図に示すように、下方
絶縁基板1の導電パターン2と上方絶縁基板3の導電パ
ターン4とは対向状態に配され、この導電パターン2、
4の間を導電性接着剤10によって電気的および機械的
に接続されていることは従来の技術の場合と同じである
が、上記構成の中で、使用している導電性接着剤10が
従来のものとは異なり、図1(b)の拡大断面図にも示
すように、本実施の形態で得られる導電性接着剤10の
硬化被膜中には、大きいボイドが発生しておらず、バイ
ンダー用の樹脂11に対して導電粉12が均一に分散さ
れているものとなっている。
【0018】以下に、このような硬化被膜を得ることが
できるペースト状の導電性接着剤10の組成および特性
等について、(表1)を用いて説明する。
【0019】
【表1】
【0020】(表1)に示すように、まず実施例1とし
て、バインダー用の樹脂としてビスフェノールA型エポ
キシ樹脂を用い、これにタップ密度が3.5g/ccの
銀粉Bを70重量%、またイミダゾール系硬化剤を7重
量%の比率で配合し、三本ロールミルで混練を行いペー
スト化して導電性接着剤を製作した。
【0021】そして、これと比較するために従来技術に
よるものとして、同様にビスフェノールA型エポキシ樹
脂を用い、これにタップ密度が2.5g/ccの銀粉A
を70重量%、またイミダゾール系硬化剤を6重量%の
比率で配合し、三本ロールミルで混練を行いペースト化
すると共に、印刷粘度を調整するために有機溶剤を全体
重量に対して5重量%加えて攪拌して比較例1の導電性
接着剤を製作した。
【0022】また、同様にビスフェノールA型エポキシ
樹脂を用い、これにタップ密度が2.5g/ccの銀粉
Aを70重量%、イミダゾール系硬化剤を6重量%、反
応性希釈剤を5重量%の比率で配合し、三本ロールミル
で混練を行いペースト化して比較例2の導電性接着剤を
製作した。
【0023】そして、この三種類それぞれのペースト状
の導電性接着剤に対して、粘度、印刷塗布性、塗布後の
滲みだし、体積抵抗値、接着強度、被膜内ボイド、柔軟
性、ヒートサイクル性の特性評価を以下の方法を用いて
行った。
【0024】まず粘度は、E型回転粘度計を使用し、2
5±1℃の条件で10secのずり速度で測定した。
【0025】印刷塗布性は、塗布時の糸引きと角立ちを
目視確認して行い、また塗布後の滲みだしは上記三種類
の導電性接着剤を所定パターンで印刷塗布した後に、5
分間放置して滲みだしを目視確認した。
【0026】また、体積抵抗値は、上記三種類の導電性
接着剤をガラス基板上に100μm程度の厚みで印刷塗
布し、加熱硬化させた後、抵抗値・膜厚を測定して算出
した。
【0027】さらに接着強度は、半田メッキ鋼板上に上
記三種類の導電性接着剤を印刷塗布し、セラミックチッ
プ(1mm×3mm)をのせ、加熱硬化させた後、プッ
シュプルゲージを用いて横押し強度を測定した。
【0028】そして被膜内のボイドは、上記三種類の導
電性接着剤を1mm程度の厚みで印刷塗布し、加熱硬化
させた後に断面を削り出し、目視にてボイドの有無を確
認した。
【0029】また柔軟性は、厚みが100μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムに、上記三種類の導電性
接着剤を、それぞれ1mm(公差±0.2mm)に印刷
塗布して加熱硬化させた後、その接着剤印刷面が外側に
なる様に曲率25mmで曲げを加え、被膜の表面のクラ
ック有無を目視で確認した。
【0030】ヒートサイクル特性は、半田メッキが施さ
れた金属端子に上記三種類の導電性接着剤を印刷塗布
し、これにセラミックコンデンサの電極部をのせ、加熱
硬化させて金属端子と電極部との間を電気的および機械
的に接続した後、1サイクルが−40〜+85℃で、か
つ1サイクル1時間のヒートサイクル試験機中に500
サイクル放置し、接続抵抗値および容量の変化を測定し
て評価した。
【0031】なお、上記の各特性の確認結果についても
(表1)にまとめて記載した。
【0032】(表1)に示すように、実施例1によるも
のは、導電粉である銀粉が70重量%という高い配合量
で配合され、かつ有機溶剤が配合されていないにも拘わ
らず、粘度が30Pa・sという低いものが得られた。
【0033】これは、導電粉としてタップ密度が大きい
3.5g/ccの銀粉、つまり粒度分布の幅が広く、径
の細かい銀粉が適量含まれるものを用いているため、こ
の径の細かい銀粉が径の大きい銀粉の間に入り込んで銀
粉として詰まりやすくなり、銀粉間の空間が少なくなっ
た結果、銀粉の見かけ上の体積が減少し、樹脂と銀粉と
の対比で考えると銀粉の体積が減少した分、見かけ上の
樹脂の体積が増加したことになり、その結果導電性接着
剤の粘度を低くできるものである。
【0034】そして、上記粘度の30Pa・sという数
値は、有機溶剤で低粘度に調整した比較例1、および反
応性希釈剤で低粘度に調整した比較例2と同等のもので
あり、上記三者の導電性接着剤は良好な塗布性を備えた
ものであった。
【0035】しかしながら、比較例1または比較例2に
おいては、低分子量成分を多く含む有機溶剤または反応
性希釈剤が配合されているために、塗布後の低分子量成
分の滲みだしが多く、これに対して実施例1によるもの
は、塗布後の滲みだしが低減できるものである。
【0036】これは、実施例1において、配合された材
料の内で上記低分子量成分を含有するものは樹脂のみで
あり、含有している低分子量成分の量も少量であるため
に、上記滲みだしが少なくできるものである。
【0037】さらに、被膜内ボイドの有無を確認する
と、実施例1によるものは、上述のごとく有機溶剤を用
いない構成であるために、大きいボイドは殆ど発生して
おらず、これに対して比較例1のものは、大きいボイド
が多数発生している。
【0038】そして、比較例2のものは、その硬化の際
に、反応性希釈剤は気化する前に殆どエポキシ樹脂と反
応してエポキシ樹脂の硬化物中に取り込まれてしまい、
大きいボイドの発生は少なくなるが、実施例1によるも
のがボイドの発生が最も少なくできるものである。
【0039】また、体積抵抗値の測定結果からは、比較
例1に対しては実施例1によるものの方が明白に優れた
ものであり、これは主として上記ボイドの量に起因する
ものであるが、これに加えて実施例1においては、タッ
プ密度が3.5g/ccという、径の細かい銀粉が適量
含まれており、この径の細かい銀粉が径の大きい銀粉の
間に入り込む構成のものを用いているために、銀粉どう
しの接触確率が増え、導電経路が従来例1によるものよ
りも多数形成されて上述の結果が得られた。
【0040】なお、比較例2によるものは被膜内に発生
した大きいボイドが少ないので、実施例1によるものと
ほぼ同等レベルの体積抵抗値の測定結果であった。
【0041】さらに接着強度については、比較例1およ
び比較例2に対して実施例1によるものが良好な結果が
得られ、これはボイドの発生量・発生箇所および、これ
に加えて混練された銀粉の径の大きさ等に起因するもの
と考えられ、接着面における樹脂の表面積の大きさが実
施例1のものが最も広くなって、結果として接着強度が
向上する。
【0042】そして、柔軟性の特性については、樹脂を
三者共に同じものを用いているために、その特性差はな
いものであったが、ヒートサイクル性においては、ボイ
ドの発生が低減できた分、比較例1および比較例2に対
して実施例1によるものの方が優れている結果が得られ
た。
【0043】このように上記の特性評価結果から、有機
溶剤を配合せずとも、バインダ用の樹脂にタップ密度が
高い導電粉を配合して得られる本発明による導電性接着
剤は、低粘度で印刷適性および塗布適性を備えた作業性
に優れたものを容易に実現できるものである。
【0044】また、上記構成とすることにより、有機溶
剤を配合していないので、硬化被膜内のボイドが非常に
少なくでき、体積抵抗値・接着強度・ヒートサイクル特
性を容易に向上させることができ、また反応性希釈剤も
配合していないために、低分子量成分も少なくできて塗
布後の低分子量成分等の滲みだしも低減できるものであ
る。
【0045】なお、上述の実施例1においては、導電粉
のタップ密度が3.5g/ccのものを用いた例を説明
したが、これを5.0g/ccよりも大きいものとする
と、さらに低いペースト粘度のものを実現できるが、導
電粉における微粒子粉の割合が大きくなりすぎて抵抗値
が上昇、すなわち導電性が低下する傾向が強くなるた
め、その粘度と抵抗値のバランスがとれるタップ密度が
3.5〜5.0g/ccの範囲内の導電粉を使用するこ
とが望ましい。
【0046】次に、(表1)に示す実施例2による導電
性接着剤について説明する。
【0047】この実施例2によるものは、実施例1によ
るものに対して更に反応性希釈剤および微粒子シリカを
加えたものとなっており、その配合比は、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂に、タップ密度が3.5g/ccの
銀粉を70重量%、またイミダゾール系硬化剤を6重量
%の比率で配合すると共に、これに反応性希釈剤を3重
量%、および微粒子シリカを2重量%を加えてペースト
化したものである。
【0048】この実施例2に対しても、実施例1と同様
の特性確認を行い、その評価結果を(表1)に示す。
【0049】その結果を簡単に説明すると、実施例2に
よるものは反応性希釈剤を配合させているために、粘度
が20Pa・sと、実施例1によるものに対して更に低
い粘度の塗布性に優れるものが得られる。
【0050】なお、低分子量成分を多く含む反応性希釈
剤を配合することにより杞憂される低分子量成分の滲み
だしは、同時に配合した微粒子シリカによって防止でき
るものとなっている。
【0051】つまり、微粒子シリカは、比表面積が大き
くて樹脂に含まれる低分子量成分および反応性希釈剤の
低分子量成分を吸着・保持し易く、しかも被膜が硬化す
るまでの間、微粒子シリカどうしで互いに引き合う力す
なわち相互作用が働くものであるために、被膜が硬化さ
れるまでの間における上記低分子量成分の滲みだしを低
減できるものである。
【0052】そして、(表1)には記載していないが、
反応性希釈剤および微粒子シリカの配合比率を変えたサ
ンプルも数種類製作し、上記の滲みだしの評価を行った
結果、上記滲みだしの主成分となる低分子量成分を多く
有している反応性希釈剤および、低分子量成分を少量含
有している樹脂の合計の重量に対して、微粒子シリカの
配合量を、1.5重量%未満とすると滲みだしの防止効
果が殆ど無く、逆に20.0重量%以上であると極端に
ペースト状の導電性接着剤の粘度が上昇して印刷塗布性
が悪くなると共に、抵抗値の増加すなわち導電性の低下
がみられるようになる。
【0053】つまり、微粒子シリカの配合量は、樹脂と
反応性希釈剤の総合計の重量に対して1.5〜20.0
重量%の範囲内に設定することが望ましいものであっ
た。
【0054】そして、実施例2によるものの塗布後滲み
だしの評価結果は、比較例1および比較例2のものと比
べると格段と良化して殆ど低分子量成分の滲みだしがな
くなっていることが確認できた。
【0055】また、上記の滲みだしの評価結果におい
て、実施例1のものに比べても実施例2によるものの方
が良い結果が得られているが、これは微粒子シリカが、
反応性希釈剤の低分子量成分に加えて、樹脂に含有され
る少量の低分子量成分等をも吸着・保持して、その滲み
だしを防止するために、上記評価結果となったものであ
る。
【0056】そして、被膜内のボイドは、実施例2のも
のにおいても有機溶剤を用いていない構成であるため
に、比較例1によるものに対して大幅に低減されたもの
となっており、体積抵抗値・接着強度およびヒートサイ
クル性が大きく改善できるものであった。
【0057】なお、実施例2および比較例2に対して被
膜内のボイドの評価結果を比べるとほぼ同等の結果であ
り、実施例1によるものに対しては、ボイドが少し多く
発生していたが、上述のようにボイドに起因する特性劣
化は少ないため、実用上では支障がない。
【0058】また、柔軟性については、実施例2のもの
も、比較例1および比較例2のものと同等であった。
【0059】このように実施例2によるものは、反応性
希釈剤を配合しているために、容易に低い粘度のものと
することができて印刷塗布性に優れ、また微粒子シリカ
を配合しているために、反応性希釈剤および樹脂に含有
される低分子量成分が、所定パターンの塗布後に、その
周囲に滲みだすことを防止できて、これに起因する不具
合の発生を容易に防止することができるものである。
【0060】なお、上記には、微粒子シリカを添加した
例を説明したが、塗布された被膜中から低分子量成分が
流出しないように低分子量成分を引き付けて保持できる
他の添加剤を用いてもよい。
【0061】続いて、(表1)の実施例3および実施例
4の導電性接着剤について説明する。
【0062】この実施例3および実施例4によるもの
は、加熱硬化後の被膜に柔軟性を持たすことができる構
成であり、実施例2によるものに対して、使用する樹脂
をビスフェノールA型エポキシ樹脂と柔軟性を有する樹
脂とを混練して製作したものである。
【0063】つまり、(表1)に示すように、実施例3
によるものにおいては、樹脂としてビスフェノールA型
エポキシ樹脂およびウレタン変成型エポキシ樹脂を、そ
れぞれ15重量%および4重量%混合したものを用い、
そして、実施例4によるものにおいては、樹脂としてビ
スフェノールA型エポキシ樹脂およびダイマー酸型エポ
キシ樹脂を、それぞれ15重量%および4重量%混合し
たものを用いているものである。
【0064】その他の使用材料およびその配合比率は、
実施例2によるものと同じであるために説明を省略す
る。
【0065】そして、実施例3および実施例4によるも
のにおいても、上記と同様の特性評価を実施した。
【0066】実施例3によるものは、柔軟性を有するウ
レタン変成型エポキシ樹脂が混合された樹脂を使用して
いるために、実施例2および比較例1・比較例2による
ものに対して、硬化被膜が柔軟性に優れたものにでき、
ヒートサイクル性も良化できるものであった。
【0067】その他の特性については、実施例2による
ものとほぼ同等の結果であったために、詳細な説明は省
略する。
【0068】さらに実施例4によるものは、ダイマー酸
型エポキシ樹脂が混合された樹脂を用いており、このダ
イマー酸型エポキシ樹脂の分子構造中に組み込まれてい
るアルキル基の連続構造部分が、優れた柔軟性を発揮す
るものであるために、実施例3によるものよりも、更に
硬化被膜の柔軟性が優れたものが得られた。
【0069】また、このために実施例4によるものは、
ヒートサイクル特性も大きく向上されたものであった。
【0070】さらに、このダイマー酸型エポキシ樹脂は
低粘度のものであるために、導電性接着剤の粘度を、更
に低くすることもでき、安定した塗布性を備えたものに
できることも確認できた。
【0071】このように、使用する樹脂として柔軟性を
備えたものを用いると、硬化被膜に柔軟性を付与でき、
ヒートサイクル性等の信頼性を容易に向上させることが
できる。
【0072】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、有機溶剤
を用いずとも低粘度で塗布性に優れた導電性接着剤を得
ることができ、これにより得られる硬化被膜は、有機溶
剤を用いていないためにボイドを少なくでき、このボイ
ドに起因する特性劣化を容易に防止することができると
いう有利な効果が得られる。
【0073】また、微粒子シリカ等の添加剤を添加する
ことにより、印刷塗布時の低分子量成分の滲みだし等も
発生し難いものにできると共に、樹脂として柔軟性を有
するものを用いると、硬化被膜に柔軟性を付与できてヒ
ートサイクル特性等の信頼性に優れたものを実現できる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の導電性接着剤を用いて所定の導
電パターン間を接着した状態を示す断面図 (b)図1(a)におけるA部の導電性接着剤の拡大断
面図
【図2】(a)従来の導電性接着剤を用いて所定の導電
パターン間を接着した状態を示す断面図 (b)図2(a)におけるB部の導電性接着剤の拡大断
面図
【符号の説明】
1 下方絶縁基板 2、4 導電パターン 3 上方絶縁基板 10 導電性接着剤 11 樹脂 12 導電粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 那須 哲太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4J040 EC061 EC091 EC092 EC402 GA01 HA066 HA306 JB10 KA03 KA24 KA32 KA42 LA01 LA06 LA09 LA11 NA19 5G301 DA03 DA33 DA42 DA57 DD03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともバインダー用の樹脂に導電材
    料である導電粉を配合する導電性接着剤において、前記
    導電粉としてタップ密度が3.5g/cc以上5.0g
    /cc以下のものを用い、かつ有機溶剤を配合しない構
    成とした導電性接着剤。
  2. 【請求項2】 樹脂に添加剤として微粒子シリカを配合
    すると共に、所定量の反応性希釈剤を配合した請求項1
    記載の導電性接着剤。
  3. 【請求項3】 樹脂として、柔軟性を有するものを用い
    た請求項1または2に記載の導電性接着剤。
  4. 【請求項4】 柔軟性を有する樹脂が、ダイマー酸型エ
    ポキシ樹脂である請求項3に記載の導電性接着剤。
JP28953899A 1999-10-12 1999-10-12 導電性接着剤 Pending JP2001107020A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28953899A JP2001107020A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 導電性接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28953899A JP2001107020A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 導電性接着剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001107020A true JP2001107020A (ja) 2001-04-17

Family

ID=17744549

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28953899A Pending JP2001107020A (ja) 1999-10-12 1999-10-12 導電性接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001107020A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132828A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Shin Etsu Chem Co Ltd ダイボンド剤組成物及びそれを用いた半導体装置
JP2012248370A (ja) * 2011-05-26 2012-12-13 Dainippon Printing Co Ltd 導電性銀ペースト
CN106024098A (zh) * 2015-03-30 2016-10-12 株式会社则武 加热固化型导电性糊剂
JP2017075219A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 シチズン時計株式会社 接着剤組成物およびこれを用いた腕時計

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009132828A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Shin Etsu Chem Co Ltd ダイボンド剤組成物及びそれを用いた半導体装置
JP2012248370A (ja) * 2011-05-26 2012-12-13 Dainippon Printing Co Ltd 導電性銀ペースト
CN106024098A (zh) * 2015-03-30 2016-10-12 株式会社则武 加热固化型导电性糊剂
JP2016191043A (ja) * 2015-03-30 2016-11-10 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 加熱硬化型導電性ペースト
CN106024098B (zh) * 2015-03-30 2020-02-21 株式会社则武 加热固化型导电性糊剂
JP2017075219A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 シチズン時計株式会社 接着剤組成物およびこれを用いた腕時計

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1944346B1 (en) Anisotropic conductive adhesive
US20110140162A1 (en) Conductive adhesive and led substrate using the same
TWI664223B (zh) 電極形成用樹脂組合物及晶片型電子零件以及其製造方法
TWI701316B (zh) 導電性黏著劑組成物
JPH03269909A (ja) 耐湿性導電性セメント及びそれの製造、使用方法
KR20150100621A (ko) 도전성 접착제 조성물 및 그것을 사용한 전자 소자
JP2002265920A (ja) 導電性接着剤およびそれを用いた回路
JP2006120665A (ja) 銀とカーボンナノチューブを含む導電性樹脂ペースト組成物およびこれを用いた半導体装置
JP2007277384A (ja) 導電性接着剤
JPH1064331A (ja) 導電ペースト、導電ペーストを用いた電気回路及び電気回路の製造法
JP2001107020A (ja) 導電性接着剤
JP2000003987A (ja) 熱伝導性樹脂ペースト
JP4273399B2 (ja) 導電ペースト及びその製造方法
JPH03234778A (ja) 導電性接着剤
JP3981341B2 (ja) 異方導電性接着剤
Li et al. Carbon nanotube filled conductive adhesives for aerospace applications
JP2003327943A (ja) 導電性接着剤
JP4152163B2 (ja) 導電性接着剤およびその製造方法
JP2006176716A (ja) 回路接続用接着剤
JP2005317491A (ja) 導電ペーストおよびそれを用いた電子部品搭載基板
JPH07252460A (ja) 接着剤
JP3046081B2 (ja) 異方導電フィルム
JPS63278987A (ja) 二液式低温加熱硬化型導電性エポキシ系接着剤
WO2022049937A1 (ja) 導電性接着剤、それを使用した電子回路およびその製造方法
JP2002222833A (ja) 導電性接着剤、電子部品実装体およびその製造方法