JP6339955B2 - 建築物の耐震改修壁構造及び建築物の耐震改修壁の施工方法 - Google Patents
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すなわち、本発明に係る建築物の耐震改修壁構造は、躯体をなす縦材に取り付けられた壁材同士で形成された隅部、または前記縦材と前記壁材とで形成された隅部を有する建築物の耐震改修壁構造であって、前記縦材と、前記壁材と、該壁材の室内側の面に沿って設けられた補強シートと、前記隅部における前記補強シートの前記室内側に配置された固定用部材と、該固定用部材から前記壁材に対して斜めに延び、前記固定用部材及び前記補強シートを貫通して、前記縦材に固定される固定具と、を備えることを特徴とする。
以下、建築物の耐震改修壁構造の一例として、建築物の耐震改修壁について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造を示す斜視図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る建築物の耐震改修構造の水平断面図である。図3は、図2のA部拡大図である。図4は、図2のB部拡大図である。
既存内装材11,11同士が直交して交わった隅部Xを含む構成について説明する。
また、補強シート12は、繊維シートや高強度繊維シートを接着剤や樹脂等の各種の樹脂を含む材料に埋めて固めることにより、全体として平板状やシート状に形成したものが好ましい。これにより、既存内装材11に補強シート12を取り付ける際に繊維シートのしわやよじれ等の発生を防止することができ、均一性の高い施工を行うことができる。
従って、施工の作業性も高まるので工期の短縮もできる。
このような補強シート12を製造する方法は特に限定されるものではないが、繊維シートや高強度繊維によるシートに流動性を有する上述した樹脂を含有する組成物を含浸させ、その組成物を硬化させることで製造できる。
また、新規内装材18の表面には、壁紙(不図示。以下同じ。)等が接着剤等で固着されていることが好ましいが、壁紙はなくてもよい。
既存の建物物には、図1に示すように躯体をなす柱3及び間柱4の室内側には、既存内装材11が釘打ちやビス止め等や接着剤等で設置されている。この状態から、既存内装材11の表面に板状の補強シート12を固定する。既存内装材11と補強シート12との間に接着剤を塗布して貼り付けてもよいし、両面テープ等で貼り付けてもよい。
なお、合板14は水平方向に所定間隔で柱3または間柱4に座金16と固定ビス15で固定することが好ましい。
また、新規内装材18を固定する皿ネジやアンカー17Bの頭部は石膏ボードからなる新規内装材18内に埋め込まれて内装材18の表面と略面一以下になるため、突出しない。そのため、新規内装材18の表面に壁紙等を接着剤等で貼着しても皿ネジやアンカー17Bによる不陸が生じることはない。
上記に示す第二実施形態について、主に図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第二実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。
以下の他の実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
上記に示す第三実施形態について、主に図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第三実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。
なお、第一実施形態と同様に、補強シート12がLVL20Yの角部20rで折り曲げられていてもよい。
なお、LVL20Yの面20sからねじ込まれた固定ネジ21の頭部は、LVL20Yの面20sから突出しないように、LVL20Y内に埋め込まれることが好ましい。
このように、LVL20Yの側面20sから固定ネジ21をねじ込むことでも、補強シート12を固定することができる。
上記に示す第四実施形態について、主に図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第四実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。
そして、柱3の側面3bと既存内装材11,11とにより、室内側において直角をなす隅部X1が形成されている。
このように、既存内装材11は、柱3の室内側の面3aよりも室外側に位置しているいわゆる真壁仕様の建築物においても、柱3,3間に配置された既存内装材11の内面11aに沿って、既存内装材11の幅方向端部まで補強シート12を設けることができる。
4…間柱(縦材)
11…既存内装材(壁材)
11a…内面(一の面)
11b…内面(他の面)
12…補強シート
12z…端部
18…新規内装材
20…LVL(固定用部材)
20a…面取り部(固定面)
20p…面(第一面)
20q…面(第二面)
20r…角部
21…固定ネジ(固定具)
30…外壁
X…隅部
Claims (5)
- 躯体をなす縦材に取り付けられた壁材同士で形成された隅部、または前記縦材と前記壁材とで形成された隅部を有する建築物の耐震改修壁構造であって、
前記縦材と、
前記壁材と、
該壁材の室内側の面に沿って設けられた補強シートと、
前記隅部における前記補強シートの前記室内側に配置された固定用部材と、
該固定用部材から前記壁材に対して斜めに延び、前記固定用部材及び前記補強シートを貫通して、前記縦材に固定される固定具と、を備えることを特徴とする建築物の耐震改修壁構造。 - 前記固定用部材は、前記隅部を形成する一の面に沿って配置される第一面と、前記隅部を形成する他の面に沿って配置される第二面と、を有し、
前記一の面に沿って配置された前記補強シートの端部は、前記第一面と前記第二面との角部で折り曲げられ、前記第二面にまで延び、
前記固定具は、前記角部を通過して前記縦材に固定されている請求項1に記載の建築物の耐震改修壁構造。 - 前記固定用部材には、前記壁材に対して傾斜する方向を向く固定面が形成され、
前記固定具は、該固定面から前記縦材に向かって固定されている請求項1または2に記載の建築物の耐震改修壁構造。 - 前記隅部は、前記一の面を有する第一壁材及び前記他の面を有する第二壁材で形成され、
前記補強シートは、前記第一壁材の前記一の面に沿って設けられた第一補強シートと、前記第二壁材の前記他の面に沿って設けられた第二補強シートと、を有し、
前記第一補強シートの端部は、前記角部で折り曲げられ、前記他の面に沿って配置される前記固定用部材の第二面にまで延び、
前記第二補強シートの端部は、前記角部で折り曲げられ、前記一の面に沿って配置される前記固定用部材の第一面にまで延び、
前記固定具は、前記固定用部材、前記第一補強シート及び前記第二補強シートを貫通して、前記縦材に固定されている請求項2に記載の建築物の耐震改修壁構造。 - 躯体をなす縦材に取り付けられた壁材同士で形成された隅部、または前記縦材と前記壁材とで形成された隅部を有する建築物の耐震改修壁の施工方法であって、
前記壁材の室内側の面に沿って、少なくとも前記隅部に延びる補強シートを配置し、
前記隅部における前記補強シートの室内側に固定用部材を配置し、
固定具を、前記固定用部材から前記壁材に対して斜めに挿入させ、前記固定用部材及び前記補強シートを貫通させ、前記縦材に固定することを特徴とする建築物の耐震改修壁の施工方法。
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