JP6339955B2 - 建築物の耐震改修壁構造及び建築物の耐震改修壁の施工方法 - Google Patents

建築物の耐震改修壁構造及び建築物の耐震改修壁の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐震性能を改善するようにした建築物の耐震改修壁構造及び建築物の耐震改修壁の施工方法に関するものである。
建築物において、耐震性能が建物の重要な要素として広く認められており、新築の建築物では施工時の耐震基準を満たすように建築されている。また、旧制度の基準に基づいて建築された既存の建物等については、現行の基準を満たすように耐震性能を改善する改修工事が行われる。この際には、既存の内装材や外装材等を一部除去しなければならないため、コストと手間がかかっていた。
これに対して、建築物の柱の室内側に石膏ボード等の内装材を配置した既存の建築物において、耐震補強用のアラミド繊維シート等を含む補強シートを、締結ネジで内装材を通して柱にねじ込む耐震改修壁が提案されている(下記特許文献1参照)。柱は内装材の板厚方向の真裏に配置されているため、締結ネジを内装材の面方向に対して直交する向きにねじ込むことで、補強シートを内装材を介して柱に固定することができる。この技術によれば、既存の壁等をほとんど除去しないで耐震改修が可能であるため、改修施工が容易であり、短時間で済み、施工に伴うごみや廃棄物等の発生が少なくて低コストであるという利点がある。
特開2013−139698号公報
一方、建築物の入隅部等においては、補強シートを固定する締結ネジを螺合させる柱が、内装材の板厚方向の真裏等ネジ止め可能な箇所に配置されていないため、補強シートを柱に固定することができないという問題点がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、隅部であっても補強シートの取り付けが可能な建築物の耐震改修壁構造及び建築物の耐震改修壁の施工方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る建築物の耐震改修壁構造は、躯体をなす縦材に取り付けられた壁材同士で形成された隅部、または前記縦材と前記壁材とで形成された隅部を有する建築物の耐震改修壁構造であって、前記縦材と、前記壁材と、該壁材の室内側の面に沿って設けられた補強シートと、前記隅部における前記補強シートの前記室内側に配置された固定用部材と、該固定用部材から前記壁材に対して斜めに延び、前記固定用部材及び前記補強シートを貫通して、前記縦材に固定される固定具と、を備えることを特徴とする。
このように構成された建築物の耐震改修壁構造では、隅部において、壁材の室内側の面に沿って設けられた補強シートは、その室内側に配置された固定用部材から延びる固定具により固定される。この固定具は、壁材に対して斜めに延び、固定用部材及び補強シートを貫通して縦材に固定される。よって、例えば、壁材に直交する方向の室外側に縦材が配置されていないような場合でも、壁材に対して斜めに延びる固定具により、補強シートを縦材に固定することができる。したがって、隅部であっても、縦材に補強シートを固定することができる。
また、本発明に係る建築物の耐震改修壁構造では、前記固定用部材は、前記隅部を形成する一の面に沿って配置される第一面と、前記隅部を形成する他の面に沿って配置される第二面と、を有し、前記一の面に沿って配置された前記補強シートの端部は、前記第一面と前記第二面との角部で折り曲げられ、前記第二面にまで延び、前記固定具は、前記角部を通過して前記縦材に固定されている。
このように構成された建築物の耐震改修壁構造では、補強シートは、隅部を形成する一の面に沿って配置される。補強シートの端部は、一の面と一の面に沿う固定用部材の第一面との間に配置され、角部で折り曲げられて、第二面にまで延びている。これにより、固定用部材の角部を通過する固定具は、角部に沿う補強シートの折り曲げられた部分を貫通して、縦材に固定される。よって、角部で折り曲げられた補強シートが隅部からずれることがないため、固定具は補強シートを確実に貫通して縦材に固定される。
また、本発明に係る建築物の耐震改修壁構造は、前記固定用部材には、前記壁材に対して傾斜する方向を向く固定面が形成され、前記固定具は、該固定面から前記縦材に向かって固定されている。
このように構成された建築物の耐震改修壁構造では、固定具は、壁材に対して傾斜する方向を向く固定面に固定される。よって、壁材に対して斜めに延びる固定具を、縦材に固定しやすい。
また、本発明に係る建築物の耐震改修壁構造では、前記隅部は、前記一の面を有する第一壁材及び前記他の面を有する第二壁材で形成され、前記補強シートは、前記第一壁材の前記一の面に沿って設けられた第一補強シートと、前記第二壁材の前記他の面に沿って設けられた第二補強シートと、を有し、前記第一補強シートの端部は、前記角部で折り曲げられ、前記他の面に沿って配置される前記固定用部材の第二面にまで延び、前記第二補強シートの端部は、前記角部で折り曲げられ、前記一の面に沿って配置される前記固定用部材の第一面にまで延び、前記固定具は、前記固定用部材、前記第一補強シート及び前記第二補強シートを貫通して、前記縦材に固定されている。
このように構成された建築物の耐震改修壁構造では、第一壁材の一の面に沿って配置された第一補強シートの端部は、第一壁材と固定用部材の第一面との間に配置され、角部で折り曲げられて、第二面にまで延びている。また、第二壁材の他の面に沿って配置された第二補強シートの端部は、第二壁材と固定用部材の第二面との間に配置され、角部で折り曲げられて、第一面にまで延びている。第一補強シート及び第二補強シートは、固定用部材の角部を貫通する固定具により縦材に固定される。よって、一の固定具で第一補強シート及び第二補強シートの両方を一度に固定することができるため、施工性がよい。
また、本発明に係る建築物の耐震改修壁の施工方法は、躯体をなす縦材に取り付けられた壁材同士で形成された隅部、または前記縦材と前記壁材とで形成された隅部を有する建築物の耐震改修壁の施工方法であって、前記壁材の室内側の面に沿って、少なくとも前記隅部に延びる補強シートを配置し、前記隅部における前記補強シートの室内側に固定用部材を配置し、固定具を、前記固定用部材から前記壁材に対して斜めに挿入させ、前記固定用部材及び前記補強シートを貫通させ、前記縦材に固定することを特徴とする。
このように構成された建築物の耐震改修壁の施工方法では、隅部において、補強シートを、壁材の室内側の面に沿って設ける。固定具を、固定用部材から壁材に対して斜めに挿入させ、固定用部材及び補強シートを貫通させ、縦材に固定する。これにより、補強シートは、壁材に固定される。よって、例えば、壁材に直交する方向の室外側に縦材が配置されていないような場合でも、壁材に対して斜めに延びる固定具により、補強シートを縦材に固定することができる。したがって、隅部であっても、壁材に対して斜めに延びる補強シートを取り付けることができる。
本発明に係る建築物の耐震改修壁構造及び建築物の耐震改修壁の施工方法によれば、隅部であっても補強シートを取り付けることができる。
本発明の第一実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る建築物の耐震改修構造の水平断面図である。 図2のA部拡大図である。 図2のB部拡大図である。 本発明の第二実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。 本発明の第三実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。 本発明の第四実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。 本発明に係る建築物の耐震改修壁構造の適用例を示す斜視図である。
(第一実施形態)
以下、建築物の耐震改修壁構造の一例として、建築物の耐震改修壁について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造を示す斜視図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る建築物の耐震改修構造の水平断面図である。図3は、図2のA部拡大図である。図4は、図2のB部拡大図である。
図1、図2に示すように、改修前の建築物は、躯体をなす柱(縦材)3及び間柱(縦材)4と、これら柱3及び間柱4等に取り付けられる内装材(以下、「既存内装材」と称する。)(壁材)11及び外壁30と、を備えている。柱3の側方には、既存内装材11等を支持する受け材5が設けられている。本実施形態の建築物は、既存内装材11が柱3よりも室内側に位置しているいわゆる大壁仕様の建築物である。
既存内装材11,11同士が直交して交わった隅部Xを含む構成について説明する。
上記建築物に対して一方の既存内装材11(図2に示す紙面下側に配置され、紙面上下方向に延びる既存内装材11)の耐震性能を改善するために行われた改修が行われると、耐震改修壁1は、既存内装材11の室内側に補強シート12及び新規内装材18が設けられた構成とされている。なお、耐震性能の改修を行わない既存内装材11側には、補強シート12は設けられず、新規内装材18のみが設けられている。これにより、隅部Xの両側において、同様の内装仕上げとすることができる。
補強シート12は、例えばアラミド繊維シート等で構成され、板状またはシート状の部材である。後述するように、補強シート12は既存の内装材を介して柱3及び間柱4に固定することで建物の強度を向上させ、耐震強度を高めている。補強シート12は耐震強度を高めることができればその材質を限定されることはないが、その特性として例えば引っ張り強度2GPa以上、弾性率50GPa以上の少なくとも一方を満たす板状またはシート状の部材であることが好ましい。
補強シート12はより具体的には繊維シートを含むものが好ましい。その中でも高強度繊維(「高強度・高弾性率繊維」と呼ばれることもある。)シートであることがさらに好ましい。これによれば軽量で高い強度を得ることができる。
また、補強シート12は、繊維シートや高強度繊維シートを接着剤や樹脂等の各種の樹脂を含む材料に埋めて固めることにより、全体として平板状やシート状に形成したものが好ましい。これにより、既存内装材11に補強シート12を取り付ける際に繊維シートのしわやよじれ等の発生を防止することができ、均一性の高い施工を行うことができる。
従って、施工の作業性も高まるので工期の短縮もできる。
補強シート12に用いられる高強度繊維シートは特に限定されないが、例えばガラス繊維シート、炭素繊維シート、アラミド繊維シート、繊維の単糸を配列してプリプレグして作製したシート、マルチフィラメントのストランドを織る等して作製した繊維シート、ポリプロピレン繊維シート、ポリエステル繊維シート、ターポリン、樹脂含浸炭素繊維シート、樹脂含浸アラミド繊維シート、樹脂含浸ガラス繊維シート、超高分子量ポリエチレン繊維シート、ポリアリレート繊維シート、ポリケトン繊維シート、及びポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維シート等を挙げることができる。
また、繊維シートや高強度繊維シートを埋めて板状とする材料としては、繊維シートや高強度繊維シートを樹脂等に含浸等させて固めることにより板状を形成することができればよく特に限定されることはない。含浸や埋め込みの材料として例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリアミド樹脂系接着剤等の樹脂を含む材料を挙げることができる。
このような補強シート12を製造する方法は特に限定されるものではないが、繊維シートや高強度繊維によるシートに流動性を有する上述した樹脂を含有する組成物を含浸させ、その組成物を硬化させることで製造できる。
隅部X以外の箇所では、補強シート12の室内側に、スペーサとして合板14が、例えば接着剤やタッカー等により固定されている。合板14は例えば柱3や間柱4と同等以上の幅を有する板材であることが好ましい。また、合板14には、上下方向に所定間隔(例えば200mm間隔)で孔14aが形成されている。補強シート12は、合板14の孔14a内に設けられた座金16を介して、固定ビス15で固定されている。
この場合、固定ビス15は補強シート12と既存内装材11を介して柱3または間柱4にねじ込んで固定するものとする。合板14に形成された孔14aは座金16の外径より若干大きな内径寸法を有する円筒形状とする。しかも、合板14の孔14aの深さは座金16の厚さ及び固定ビス15の頭部の高さと同等以上に設定するものとし、ねじ込んだ固定ビス15の頭部が合板14の表面より高くないことが好ましい。
そして、合板14の室内側には新規の石膏ボード等からなる平板状の新規内装材18を取り付け、この新規内装材18を上述した合板14に固定した固定ビス15の上下間の領域で固定ねじとして例えば皿ネジ(不図示。以下同じ。)をねじ込んで固定する。この場合、皿ネジは合板14を貫通して柱3または間柱4に到達して固定されているものとし、しかも皿ネジの頭部が新規内装材18内にねじ込まれていることが好ましい。
また、新規内装材18の板厚方向の真裏に柱3及び間柱4が無い箇所、例えば隅部X周辺における新規内装材18の幅方向端部においては、補強シート12と新規内装材18との間に合板17Aが設けられ、新規内装材18側からアンカー17Bがねじ込まれている。合板17Aには、孔14aが設けられていない。合板17Aの厚みは、合板14と略同一とされていることが好ましい。これにより、新規内装材18の幅方向にわたって合板14または合板17Aが配置されているため、柱3及び間柱4からの新規内装材18の出寸法を同一とすることができる。
また、新規内装材18の表面には、壁紙(不図示。以下同じ。)等が接着剤等で固着されていることが好ましいが、壁紙はなくてもよい。
図4に示すように、補強シート12の幅方向端部12zでは、隣接する補強シート12,12の端部12z,12z同士が重ねられている。補強シート12,12の重なっている部分には、上記と同様に、合板14が、固定ビス15によって固定されている。この際、補強シート12,12の重なっている部分は、例えば柱3や間柱4と同等以上の幅とすることが好ましい。
図1、図3に示すように隅部Xでは、補強シート12の室内側に、固定用部材としてLVL(Laminated Veneer Lumber、単層積層材)20が、例えば固定具としての固定ネジ21によって固定されている。本実施形態では、固定ネジとして、コーススレッドL90が用いられている。
LVL20は、断面視において、略矩形状に形成されるとともに、室内側に配置される角部分には面取りされた面取り部(固定面)20aが形成されている。例えば、面取り部20aは、直交する既存内装材11,11それぞれに対して45度の傾きをなすように平面状に形成されている。LVLは、例えば断面が略18mm×18mmで形成された長尺の部材とされている。また、固定用部材としては、LVLの他に、無垢等の木材、合板、樹脂、金属等が採用される。
また、LVL20は、直交する面(第一面)20pと面(第二面)20qとの角部20rが隅部Xに揃うように配置されている。面20pは、一方の既存内装材11の内面(一の面)11aに沿って配置されている。面20qは、他方の既存内装材11の内面(一の面)11bに沿って配置されている。
補強シート12の端部12z側は、隅部Xに沿って折り曲げられている。これにより、補強シート12は、既存内装材11の内面11aに沿って配置され、端部12z側に向かうにしたがって順に、内面11aとLVL20の面20pとで挟まれて、角部20r及び隅部Xに沿って折り曲げられ、内面11bとLVL20の面20qとで挟まれている。
固定ネジ21は、LVL20の面取り部20aから挿入され、直交する既存内装材11,11それぞれに対して45度の傾きをなすように延びている。この固定ネジ21は、LVL20の角部20r、補強シート12の折り曲げられている部分12rを通過し、一方の既存内装材11の端部を通過し、柱3の角部3rから柱3にねじ込まれている。
次に、上記に示す建築物の耐震改修壁の施工方法について説明する。
既存の建物物には、図1に示すように躯体をなす柱3及び間柱4の室内側には、既存内装材11が釘打ちやビス止め等や接着剤等で設置されている。この状態から、既存内装材11の表面に板状の補強シート12を固定する。既存内装材11と補強シート12との間に接着剤を塗布して貼り付けてもよいし、両面テープ等で貼り付けてもよい。
そして、隅部X以外の箇所では、補強シート12の室内側に、合板14を接着剤やタッカー等により取り付ける。合板14はその上下方向に所定間隔で孔14aが形成されており、これらの孔14a内で座金16を介して固定ビス15をねじ込む。これにより、補強シート12が、固定ビス15で柱3または間柱4に固定される。その際、合板14の各孔14aによって固定ビス15の位置決めが正しく設定され、墨だしの必要もないため固定ビス15で補強シート12を取り付ける作業を短時間で正確に行え、工数を低減できる。しかも座金16と固定ビス15の頭部は合板14の孔14aから突出することがなく、合板14の表面と面一以下に保持される。
なお、合板14は水平方向に所定間隔で柱3または間柱4に座金16と固定ビス15で固定することが好ましい。
また、補強シート12の幅方向端部12zでは、隣接する補強シート12,12の端部12z,12z同士を重ね合わせる。そして、補強シート12,12の重なっている部分の室内側に、上記と同様に、合板14を固定ビス15で取り付ける。
また、隅部Xでは、補強シート12の端部12z側を隅部Xに沿って折り曲げる。その室内側に、LVL20を取り付ける。この際、LVL20の角部20rが補強シート12の折り曲げられている部分12rに揃うように、LVL20を配置する。そして、LVL20の面取り部20aから、固定ネジ21を、LVL20、補強シート12の折り曲げられている部分12r、既存内装材11の端部を貫通させて、柱3にねじ込む。
次に、合板14の室内側に石膏ボード等の新規内装材18を取り付けて、合板14の上から例えば皿ネジ、アンカー17Bをねじ込んで、新規内装材18を、合板14,17B、補強シート12及び既存内装材11を介して柱3または間柱4に固定する。この際に、新規内装材18の端面がLVL20の端面と当接するように、新規内装材18とLVL20との間に隙間を設けないことが好ましい。
このように構成された建築物の耐震改修壁1では、隅部Xにおいて、既存内装材11の面11aに沿って設けられた補強シート12は、その室内側に配置されたLVL20から延びる固定ネジ21により固定される。この固定ネジ21は、既存内装材11に対して斜め45度に延び、LVL20及び補強シート12を貫通して柱3に固定される。よって、例えば、既存内装材11に直交する方向の室外側に柱3が配置されていないような隅部Xでも、既存内装材11に対して斜め45度に延びる固定ネジ21により、補強シート12を柱3に固定することができる。
また、補強シート12は、既存内装材11の内面11aに沿って配置される。補強シート12の端部12z側は、順に内面11aとLVL20の面20pとの間に配置され、角部20rで折り曲げられて、LVL20の面20qにまで延びている。これにより、LVL20の角部20rを通過する固定ネジ21は、角部20rに沿う補強シート12の折り曲げられた部分12rを貫通して、柱3に固定される。よって、角部20rで折り曲げられた補強シート12が隅部Xからずれることがないため、固定ネジ21は補強シート12を確実に貫通して柱3に固定される。
また、固定ネジ21は、既存内装材11に対して45度傾斜する方向を向く面取り部20aに固定される。よって、既存内装材11に対して斜め45度に延びる固定ネジ21を、柱3に固定しやすい。
また、新規内装材18を固定する皿ネジやアンカー17Bは、合板14上で上下の固定ビス15,15の間の位置にねじ込むことになる。しかも、新規内装材18は平板状の合板14に面接触して取り付けられるため、固定ビス15の頭部に当接して撓んだり凹凸による不陸が生じたりすることはない。
また、新規内装材18を固定する皿ネジやアンカー17Bの頭部は石膏ボードからなる新規内装材18内に埋め込まれて内装材18の表面と略面一以下になるため、突出しない。そのため、新規内装材18の表面に壁紙等を接着剤等で貼着しても皿ネジやアンカー17Bによる不陸が生じることはない。
そして、地震等が発生した場合、耐震改修壁1が振動で揺れたとしても、補強シート12はその一方の面を座金16や合板14で押さえられ他方の面を既存内装材11に押し付けられている。そのため、補強シート12の固定ビス15によって形成された穴が振動によって相対的に移動して穴の切れ目が成長することを防止でき、補強シート12による耐震性能を低下させることを防止できる。
また、2枚の補強シート12,12が、一列に配置された固定ビス15により固定されているため、例えば一方の補強シート12と他方の補強シート12とを別々の固定ビス15,15で固定する場合よりも、固定部分の幅(固定ビス15が設けられる箇所の幅)を抑えることができる。これにより、例えば柱3または間柱4が経年変化により鉛直方向に対して曲がったり、傾斜してしまった場合でも、両側の補強シート12,12を柱3または間柱4に確実に固定することができるとともに、施工の手間を削減することができる。
また、樹脂を含まない一般的なアラミド繊維シートは専用のはさみで切断しなければならないが、補強シート12は樹脂を含む板状をなすため、カッター(不図示)、はさみ(不図示)等の一般的な刃物で切断が可能であり、施工性がよい。
(第二実施形態)
上記に示す第二実施形態について、主に図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第二実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。
以下の他の実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態において、建築物の耐震改修壁1Xでは、直交する既存内装材11A(第一壁材)及び既存内装材11B(第二壁材)には、それぞれ補強シート12A(第一補強シート)及び補強シート12B(第二補強シート)が設けられている。既存内装材11Aの室内側に配置される補強シート12Aは、端部12z側に向かうにしたがって順に、内面11a(一の面)とLVL20の面20p(第一面)とで挟まれて、角部20r及び隅部Xに沿って折り曲げられ、内面11b(他の面)とLVL20の面20q(第二面)とで挟まれている。また、既存内装材11Bの室内側に配置される補強シート12Bは、端部12z側に向かうにしたがって順に、内面11bとLVL20の面20qとで挟まれて、角部20r及び隅部Xに沿って折り曲げられ、内面11aとLVL20の面20pとで挟まれている。
補強シート12Aは、LVL20の面20qの端部にまで延びていることが好ましい。また、補強シート12Bは、LVL20の面20pの端部にまで延びていることが好ましい。
そして、LVL20の面取り部20aから挿入された固定ネジ21が、LVL20の角部20r、補強シート12Aの折り曲げられている部分及び補強シート12Bの折り曲げられている部分、及び一方の既存内装材11の端部を通過し、柱3の角部3rから柱3にねじ込まれている。これにより、補強シート12A,12Bは、柱3に固定されている。よって、一の固定ネジ21で補強シート12A,12Bの両方を一度に固定することができるため、施工性がよい。
(第三実施形態)
上記に示す第三実施形態について、主に図6を用いて説明する。
図6は、本発明の第三実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。
本実施形態において、補強シート12は、既存内装材11の内面11aに沿って配置され、端部12z側に向かうにしたがって順に、内面11aとLVL20Yの面20pとで挟まれて、角部20rまで延びている。
なお、第一実施形態と同様に、補強シート12がLVL20Yの角部20rで折り曲げられていてもよい。
LVL20Yにおける面20pと直交する面20sから挿入された固定ネジ21が、LVL20Yの面20p、補強シート12A、既存内装材11の端部及び柱3の側面3pを通過し、柱3にねじ込まれている。これにより、補強シート12は、柱3に固定されている。なお、LVL20Yには、固定ネジ21が挿通される下孔が設けられていることが好ましい。
なお、LVL20Yの面20sからねじ込まれた固定ネジ21の頭部は、LVL20Yの面20sから突出しないように、LVL20Y内に埋め込まれることが好ましい。
このように、LVL20Yの側面20sから固定ネジ21をねじ込むことでも、補強シート12を固定することができる。
(第四実施形態)
上記に示す第四実施形態について、主に図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第四実施形態に係る建築物の耐震改修壁構造の水平断面図である。
本実施形態では、平面視において、間柱4の室内側の面4aは、柱3の室内側の面3aよりも室外側に位置している。これにより、間柱4に取り付けられる既存内装材11は、柱3の室内側の面3aよりも室外側に位置している。
そして、柱3の側面3bと既存内装材11,11とにより、室内側において直角をなす隅部X1が形成されている。
補強シート12は、隣接する柱3,3間に配置された既存内装材11の内面11aに沿って設けられている。補強シート12の端部12z側は、隅部X1に沿って折り曲げられている。これにより、補強シート12は、既存内装材11の内面11aに沿って配置され、端部12z側に向かうにしたがって順に、内面11aとLVL20の面20pとで挟まれて、角部20r及び隅部X1に沿って折り曲げられ、柱3の側面3bとLVL20の面20qとで挟まれている。補強シート12の端部12Zは、柱3の側面3bの端部近傍まで延びていることが好ましい。
このように、既存内装材11は、柱3の室内側の面3aよりも室外側に位置しているいわゆる真壁仕様の建築物においても、柱3,3間に配置された既存内装材11の内面11aに沿って、既存内装材11の幅方向端部まで補強シート12を設けることができる。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
また、上記に示す建築物の耐震改修壁構造は、図8に示すような居室に適用できる。改修前の居室の既存内装材11(図1参照。以下同じ。)には開口Dが設けられている。また、既存内装材11の上部には廻縁Eが設けられ、下部には幅木Fが設けられている。また、既存内装材11において、廻縁Eの下方にはエアコンGが設けられ、幅木Fの上方にはコンセントHが設けられている。このような居室において、耐震性能を改善する改修工事を行う際には、廻縁E、幅木F、エアコンG、コンセントHを一度取り外す。そして、上記に示すように、補強シート12、LVL20及び新規内装材18を取り付けて、廻縁E、幅木F、エアコンG、コンセントHを元の位置に取り付ける。この際には、エアコンG、コンセントHの取付けネジ(不図示)の長さは、補強シート12及び新規内装材18の厚み分長いものにすることが好ましい。
また、既存内装材11にコンセントH等が設けられている場合には、補強シート12にコンセントHに対応する大きさの貫通孔(不図示。以下同じ。)を設ける必要がある。本実施形態の補強シート12は、樹脂を含む材料であるため、貫通孔の縁がほつれてこないというメリットがある。
また、上記に示す実施形態において、補強シート12は、固定ビス15や固定ネジ21等により固定されているが、この他にも釘や、接着剤等により固定されていてもよい。
また、新規内装材18を設けなくてもよい。この場合には、固定ビス15、座金16、固定ネジ21及び補強シート12に意匠を施して、これらを露出させる構成であってもよい。
3…柱(縦材)
4…間柱(縦材)
11…既存内装材(壁材)
11a…内面(一の面)
11b…内面(他の面)
12…補強シート
12z…端部
18…新規内装材
20…LVL(固定用部材)
20a…面取り部(固定面)
20p…面(第一面)
20q…面(第二面)
20r…角部
21…固定ネジ(固定具)
30…外壁
X…隅部

Claims (5)

  1. 躯体をなす縦材に取り付けられた壁材同士で形成された隅部、または前記縦材と前記壁材とで形成された隅部を有する建築物の耐震改修壁構造であって、
    前記縦材と、
    前記壁材と、
    該壁材の室内側の面に沿って設けられた補強シートと、
    前記隅部における前記補強シートの前記室内側に配置された固定用部材と、
    該固定用部材から前記壁材に対して斜めに延び、前記固定用部材及び前記補強シートを貫通して、前記縦材に固定される固定具と、を備えることを特徴とする建築物の耐震改修壁構造。
  2. 前記固定用部材は、前記隅部を形成する一の面に沿って配置される第一面と、前記隅部を形成する他の面に沿って配置される第二面と、を有し、
    前記一の面に沿って配置された前記補強シートの端部は、前記第一面と前記第二面との角部で折り曲げられ、前記第二面にまで延び、
    前記固定具は、前記角部を通過して前記縦材に固定されている請求項1に記載の建築物の耐震改修壁構造。
  3. 前記固定用部材には、前記壁材に対して傾斜する方向を向く固定面が形成され、
    前記固定具は、該固定面から前記縦材に向かって固定されている請求項1または2に記載の建築物の耐震改修壁構造。
  4. 前記隅部は、前記一の面を有する第一壁材及び前記他の面を有する第二壁材で形成され、
    前記補強シートは、前記第一壁材の前記一の面に沿って設けられた第一補強シートと、前記第二壁材の前記他の面に沿って設けられた第二補強シートと、を有し、
    前記第一補強シートの端部は、前記角部で折り曲げられ、前記他の面に沿って配置される前記固定用部材の第二面にまで延び、
    前記第二補強シートの端部は、前記角部で折り曲げられ、前記一の面に沿って配置される前記固定用部材の第一面にまで延び、
    前記固定具は、前記固定用部材、前記第一補強シート及び前記第二補強シートを貫通して、前記縦材に固定されている請求項2に記載の建築物の耐震改修壁構造。
  5. 躯体をなす縦材に取り付けられた壁材同士で形成された隅部、または前記縦材と前記壁材とで形成された隅部を有する建築物の耐震改修壁の施工方法であって、
    前記壁材の室内側の面に沿って、少なくとも前記隅部に延びる補強シートを配置し、
    前記隅部における前記補強シートの室内側に固定用部材を配置し、
    固定具を、前記固定用部材から前記壁材に対して斜めに挿入させ、前記固定用部材及び前記補強シートを貫通させ、前記縦材に固定することを特徴とする建築物の耐震改修壁の施工方法。
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