JP4891141B2 - 床部の支持構造および胴差パネル - Google Patents

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本発明は、床部の支持構造および胴差パネルに関する。
近年、住宅等の建物の構築についてはその工業化が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより住宅を構築するパネル工法が一部に採用されている。
このパネル工法に用いられるパネルは、縦芯材と横芯材とが矩形枠状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、面材が貼設されたものである。
また、上下階の壁パネル同士を連結する場合、例えば、上階壁パネルは、下階壁パネルの上面に配置された上階床パネルの端部およびこの床パネルの端面に当接する胴差のそれぞれの上面にわたって配置され、これら上階床パネルの端部および胴差に形成された上下方向に貫通する貫通孔に貫通させた連結ボルトにより、上階床パネルの端部および胴差を挟むようにして下階壁パネルに連結される(例えば、特許文献1参照)。
特開平06−173366号公報
ところで、上述のようにして上下階の壁パネル同士を連結する際は、連結ボルトを締め付けし易くするために、上階壁パネルに貼着された面材の下端部近傍や下階壁パネルに貼着された面材の上端部近傍に、作業者の手や道具をパネル内部に挿入できる開口部を形成する場合がある。ところが、面材に対して開口部を形成した際は、連結ボルト締め付け後、パネル自体の強度を維持するために開口部を塞いだり、開口部付近を補強したり等の手間がかかる場合があるため、このような手間を省略したい要望があった。
しかしながら、手間を省略するために、従来のような開口部を形成せずに連結ボルトの締め付けを行おうとしても締め付けし難いため、連結ボルトを強固に締め付けできない場合がある。そして、このように連結ボルトを強固に締め付けできないと、下階壁パネルの上面に配置される上階床パネルや胴差にも影響が出てしまい、良好な設置状態の上階床部を構築できない場合がある。
本発明の課題は、床部を確実かつ安定的に支持することができ、良好な設置状態の床部を構築することが可能な床部の支持構造および胴差パネルを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、床部の支持構造であり、例えば図1〜図4に示すように、下階の外壁を構成する下階壁パネル10の上面に胴差パネル20が設置されており、
これら下階壁パネル10および胴差パネル20は、それぞれ四角形状に形成された板材11,21と、この板材11,21の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材12a,12b,13a,13b、22a,22b,23a,23bを四角枠状に組み立てた枠体12,13、22,23と、これら枠体12,13、22,23の内部に配置され、互いに対向する縦框材12a,13a、22a,23aと平行する縦棧材12c,13c,22c,23cとを備えており、
これら下階壁パネル10および胴差パネル20を構成する各板材11,21の屋外側面に取り付けられる枠体12,22の横框材12b,22bは、屋内側面に取り付けられる枠体13,23の横框材13b,23bよりも、その厚さ寸法が短く設定されており、
これら下階壁パネル10および胴差パネル20の上下に隣り合う横框材12b,22b,13b,23b同士のうち、前記各板材11,21の屋内側面の横框材13b,23b同士が、これら屋内側面の横框材13b,23b同士を連結する連結手段によって連結されており、
前記胴差パネル20の板材21の屋内側面に取り付けられた枠体23の縦棧材23cに、上階の床部を構成する床梁24が、梁受金物25を介して取り付けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記下階壁パネル10および胴差パネル20は、それぞれ四角形状に形成された板材11,21と、この板材11,21の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材12a,12b,13a,13b、22a,22b,23a,23bを四角枠状に組み立てた枠体12,13、22,23と、これら枠体12,13、22,23の内部に配置され、互いに対向する縦框材12a,13a、22a,23aと平行する縦棧材12c,13c,22c,23cとを備え、これら下階壁パネル10および胴差パネル20の上下に隣り合う横框材13b,23b同士は、これら横框材13b,23b同士を連結する連結手段によって連結されているので、前記連結手段によって連結される各横框材13b,23bは外部に露出した状態となる。
したがって、前記連結手段による連結作業がしやすくなるので、前記下階壁パネル10および胴差パネル20同士を確実かつ強固に連結することができる。そして、このように前記下階壁パネル10と確実かつ強固に連結された胴差パネル20に対して、前記梁受金物25を介して床梁24が取り付けられているので、この床梁24の取付状態を良好なものとすることができる。
これによって、前記床梁24によって構成される床部を、前記胴差パネル20によって確実かつ安定的に支持することができることになるので、良好な設置状態の床部を構築することが可能となる。
その上、前記上下に隣り合う横框材12b,22b、13b,23b同士を連結するに際し、従来のように作業者の手や道具をパネル内部に挿入するための開口部を形成したり、パネル自体の強度を維持するための補強作業等を行う必要がなくなるので、前記下階壁パネル10および胴差パネル20同士を容易に連結することが可能となる。
さらに、前記下階壁パネル10および胴差パネル20が、それぞれ四角形状に形成された板材11,21と、この板材11,21の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材12a,12b,13a,13b、22a,22b,23a,23bを四角枠状に組み立てた枠体12,13、22,23と、これら枠体12,13、22,23の内部に配置され、互いに対向する縦框材12a,13a、22a,23aと平行する縦棧材12c,13c,22c,23cとを備えているので、前記枠体12,13、22,23によって板材11,21を両面側から挟み込むことができ、地震等による板材11,21の変形を抑制することができる。すなわち、前記板材11,21に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材11,21は様々な方向に向かって変形しようとする。例えば板材11,21が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材11,21両面の前記縦框材12a,13a、22a,23aによって変形を抑制し、板材11,21が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材11,21両面の前記横框材12b,22b、13b,23bによって変形を抑制することができる。また、例えば板材11,21が、捻れるように変形しようとすれば、板材11,21両面の前記枠体12,13、22,23全体で変形を抑制することができる。したがって、前記板材11,21が、いずれの方向に変形しても前記枠体12,13、22,23によって変形を抑制することができるので、前記板材11,21や、この板材11,21と両枠体12,13、22,23との取付部分に影響が出にくく、下階壁パネル10および胴差パネル20自体の強度を向上させることが可能となる。そして、前記縦棧材12c,13c,22c,23cによって前記枠体12,13、22,23の補強を行うことができる。
また、前記板材11,21の両面に枠体12,13、22,23が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材の量を2枚から1枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図2および図4に示すように、請求項1に記載の床部の支持構造において、
前記梁受金物25は、この梁受金物25と、前記胴差パネル20の板材21と、この板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23の双方の縦棧材22c,23cとを貫通する固定ボルト26によって、前記胴差パネル20の板材21の屋内側面に取り付けられた枠体23の縦棧材23cの表面に固定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記梁受金物25は、この梁受金物25と、前記胴差パネル20の板材21と、この板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23の双方の縦棧材22c,23cとを貫通する固定ボルト26によって、前記胴差パネル20の板材21の屋内側面に取り付けられた枠体23の縦棧材23cの表面に固定されているので、この梁受金物25を、前記胴差パネル20に対して強固に取付固定することができる。
したがって、この梁受金物25を介して胴差パネル20に取り付けられる床梁24の取付状態をより良好なものとすることができるので、前記床梁24によって構成される床部を、前記胴差パネル20によって、より確実かつ安定的に支持することができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1および図4に示すように、請求項2に記載の床部の支持構造において、
前記胴差パネル20の板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の縦棧材22cは、この縦棧材22cの上下端部に、前記胴差パネル20の板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の横框材22bに係合する切欠部27を備えていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記胴差パネル20の板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の縦棧材22cは、この縦棧材の22c上下端部に、前記胴差パネル20の板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の横框材22bに係合する切欠部27を備えているので、この縦棧材22cを、前記切欠部27を横框材22bに係合させるようにして前記枠体22の内部に配置できる。
つまり、前記床梁24は梁受金物25を介して固定ボルト26の一端に位置し、前記縦棧材22cは固定ボルト26の他端に位置することになるので、前記縦棧材22cの切欠部27を横框材22bに係合させることによって、前記床梁24にかかる荷重を、前記梁受金物25から固定ボルト26、縦棧材22cを介して板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の横框材22bにも分散させることが可能となる。
これによって、前記床梁24の取付状態をさらに良好なものとすることができるので、前記床梁24によって構成される床部を、前記胴差パネル20によって、さらに確実かつ安定的に支持することができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図3および図4に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の床部の支持構造において、
前記胴差パネル20の上面に、上階の壁部を構成する上階壁パネル30が立設されており、
この上階壁パネル30は、四角形状に形成された板材31と、この板材31の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材32a,32b,33a,33bを四角枠状に組み立てた枠体32,33とを備えており、
前記胴差パネル20および上階壁パネル30の上下に隣り合う横框材23b,33b同士は、これら横框材23b,33b同士を連結する連結手段によって連結されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記上階壁パネル30は、四角形状に形成された板材31と、この板材31の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材32a,32b,33a,33bを四角枠状に組み立てた枠体32,33とを備えており、前記胴差パネル20および上階壁パネル30の上下に隣り合う横框材23b,33b同士は、これら横框材23b,33b同士を連結する連結手段によって連結されているので、前記連結手段によって連結される各横框材23b,33bは外部に露出した状態となる。したがって、前記連結手段による連結作業がしやすくなるので、前記胴差パネル20および下階壁パネル10同士を確実かつ強固に連結することができる。そして、このように上階壁パネル30と確実かつ強固に連結された胴差パネル20に対して、前記梁受金物25を介して床梁24が取り付けられているので、この床梁24の取付状態をより一層良好なものとすることができ、前記床梁24によって構成される床部を、前記胴差パネル20によって、より一層確実かつ安定的に支持することが可能となる。
その上、前記上下に隣り合う横框材23b,33b同士を連結するに際し、従来のように作業者の手や道具をパネル内部に挿入するための開口部を形成したり、パネル自体の強度を維持するための補強作業等を行う必要がなくなるので、前記胴差パネル20および上階壁パネル30同士を容易に連結することが可能となる。
さらに、前記上階壁パネル30が、四角形状に形成された板材31と、この板材31の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材32a,32b,33a,33bを四角枠状に組み立てた枠体32,33とを備えているので、前記枠体32,33によって板材31を両面側から挟み込むことができ、地震等による板材31の変形を抑制することができる。
また、前記板材31の両面に枠体32,33が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材の量を2枚から1枚に減らすことが可能となり、コストを削減することができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の床部の支持構造に用いられる胴差パネル20であって、
前記胴差パネル20の板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23のうち、少なくとも一方の枠体22(23)の内部に断熱材46(47)が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜4と同様の効果を得ることができるとともに、前記胴差パネル20の板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23のうち、少なくとも一方の枠体22(23)の内部に断熱材46(47)が設けられているので、この断熱材46(47)によって、前記胴差パネル20付近の断熱効果を確実に得ることができる。
また、前記胴差パネル20の板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23の内部の双方に断熱材46,47を設置することによって、例えば断熱材を柱や枠材の内部に埋設する充填断熱方法や、柱や枠材の外部に断熱材を貼り付ける外張り断熱方法に比して、同性能の断熱材を用いた場合は、その断熱性を格段に向上させることができる。
本発明によれば、下階壁パネルおよび胴差パネルの上下に隣り合う横框材同士は、これら横框材同士を連結する連結手段によって連結されているので、この連結手段によって連結される各横框材は外部に露出した状態となる。したがって、この連結手段による連結作業がしやすくなるので、下階壁パネルおよび胴差パネル同士を確実かつ強固に連結することができる。そして、このように下階壁パネルと確実かつ強固に連結された胴差パネルに対して、梁受金物を介して床梁が取り付けられているので、この床梁の取付状態を良好なものとすることができる。これによって、床梁によって構成される床部を、胴差パネルによって確実かつ安定的に支持することができることになるので、良好な設置状態の床部を構築することが可能となる。
その上、上下に隣り合う横框材同士を連結するに際し、従来のように作業者の手や道具をパネル内部に挿入するための開口部を形成したり、パネル自体の強度を維持するための補強作業等を行う必要がなくなるので、下階壁パネルおよび胴差パネル同士を容易に連結することが可能となる。
しかも、下階壁パネルおよび胴差パネルの板材の両面の周縁部に取り付けられた枠体によって板材を両面側から挟み込むことができ、板材が、いずれの方向に変形しても枠体によって変形を抑制することができるので、板材や、この板材と両枠体との取付部分に影響が出にくく、パネル自体の強度を向上させることが可能となる。
また、板材の両面に枠体が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材の量を2枚から1枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
さらに、胴差パネルの板材の両面側に取り付けられた枠体のうち、少なくとも一方の枠体の内部に断熱材が設けられており、この断熱材によって、胴差パネル付近の断熱効果を確実に得ることができる。また、胴差パネルの板材の両面側に取り付けられた枠体の内部の双方に断熱材を設置することによって、例えば断熱材を柱や枠材の内部に埋設する充填断熱方法や、柱や枠材の外部に断熱材を貼り付ける外張り断熱方法に比して、同性能の断熱材を用いた場合は、その断熱性を格段に向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態の床部の支持構造は、図1〜図4に示すように、下階の壁部を構成する下階壁パネル10の上面に胴差パネル20が設置されており、これら下階壁パネル10および胴差パネル20は、それぞれ四角形状に形成された板材11,21と、この板材11,21の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材12a,12b,13a,13b、22a,22b,23a,23bを四角枠状に組み立てた枠体12,13、22,23と、これら枠体12,13、22,23の内部に配置され、互いに対向する縦框材12a,13a、22a,23aと平行する縦棧材12c,13c,22c,23cとを備え、これら下階壁パネル10および胴差パネル20の上下に隣り合う横框材13b,23b同士は、これら横框材13b,23b同士を連結する連結手段によって連結されており、前記胴差パネル20の板材21の屋内側面に取り付けられた枠体23の縦棧材23cに、上階の床部を構成する床梁24が、梁受金物25を介して取り付けられている。
さらに、前記胴差パネル20の上面に、上階の壁部を構成する上階壁パネル30が立設されており、この上階壁パネル30は、四角形状に形成された板材31と、この板材31の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材32a,32b,33a,33bを四角枠状に組み立てた枠体32,33とを備えており、前記胴差パネル20および上階壁パネル30の上下に隣り合う横框材23b,33b同士は、これら横框材23b,33b同士を連結する連結手段によって連結されている。
また、この上階壁パネル30の板材31の両面に取り付けられた枠体32,33の内部にも、互いに対向する縦框材32a,33aと平行する縦棧材32c,33cが配置されている。
なお、前記連結手段は、前記下階壁パネル10および胴差パネル20の上下に隣り合う横框材13b,23b同士に形成された上下方向に貫通する第1貫通孔40と、前記胴差パネル20および上階壁パネル30の上下に隣り合う横框材23b,33b同士に形成された上下方向に貫通する第2貫通孔42と、これら第1および第2貫通孔42にそれぞれ挿通される第1および第2連結ボルト41,43とからなる。
すなわち、前記下階壁パネル10および胴差パネル20の上下に隣り合う横框材13b,23b同士と、前記胴差パネル20および上階壁パネル30の上下に隣り合う横框材23b,33b同士は、前記第1および第2連結ボルト41,43を締め付けることによって強固に連結される。
ここで、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30に用いられる板材11,21,31として、材料に合板が用いられているが、これに限るものではない。すなわち、例えば樹種を変更したり、木片等を合成樹脂で固めたパーティクルボードを使用してもよく、地震等に対する強度を向上させることが可能であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
前記板材11,21,31の両面側に取り付けられる枠体12,13、22,23、32,33は、離間して対向配置された縦框材12a,13a、22a,23a、32a,33aの上下端部間に、それぞれ横框材12b,13b、22b,23b、32b,33bが架設されることで、四角枠状に形成されている。
なお、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30を構成する各板材11,21,31の一面側に取り付けられた枠体12,22,32の縦横の框材12a,12b、22a,22b、32a,32bは、図1〜図3に示すように、他面側に取り付けられた枠体13,23,33の縦横の框材13a,13b、23a,23b、33a,33bよりも、その厚さ寸法が短く形成されている。
前記下階壁パネル10は、図3に示すように、例えば構築される建物の1階部分の外壁等に用いられており、1階部分を構成するための高さ寸法を備えている。また、この下階壁パネル10の幅寸法は、図2に示すように、所定の長さを有しているが、複数の下階壁パネル10を左右に隣接させて接合することによって、建物の壁を構築できるようになっている。
さらに、この下階壁パネル10は、図2および図3に示すように、基礎15から突出するアンカーボルト15aを挿通させるための孔を有するアンカーボルト挿通部14を適宜備えている。
また、前記胴差パネル20は、図1に示すように、左右に隣接する複数の前記下階壁パネル10の上面間にわたって設置が可能な幅寸法を備えている。
さらに、この胴差パネル20の屋内側面には、図2および図4に示すように、梁受金物25が固定されており、この梁受金物25によって前記床梁24が、胴差パネル20の屋内側面に取り付けられることとなる。
ここで、前記梁受金物25は、図2および図4に示すように、断面コ字状に形成されており、両側板25bに複数の孔部25cがそれぞれ形成されている。これら複数の孔部25cには床梁用止着材(図示せず)が両側板25b間に架け渡されるようにして挿通されるようになっている。また、前記床梁24の端部にも、これら複数の孔部25cに対応する孔部(図示せず)が形成され、前記床梁用止着材が挿通されるようになっている。つまり、前記床梁24は、前記梁受金物25に設けられるとともに、前記床梁用止着材によって梁受金物25に固定されるようになっている。
なお、前記床梁24の端部には、前記梁受金物25の形状に対応した係合溝(図示せず)が形成されており、この係合溝と前記梁受金物25とを係合させるだけで、前記梁受金物25の複数の孔部25cと床梁24の孔部とが重なり合うようになっている。
また、断面コ字状に形成された前記梁受金物25は、前記両側板25b間に、前記胴差パネル20の板材21の屋内側面に取り付けられた枠体23の縦棧材23cの表面に当接する当接板部25aを備え、この当接板部25aには貫通孔(図示せず)が形成されている。そして、前記梁受金物25は、図4に示すように、この梁受金物25と、前記胴差パネル20の板材21と、この板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23の双方の縦棧材22c,23cとを貫通する固定ボルト26によって、前記胴差パネル20の板材21の屋内側面に取り付けられた枠体23の縦棧材23cの表面に固定されている。
これによって、この梁受金物25を、前記胴差パネル20に対して強固に取付固定することができる。したがって、この梁受金物25を介して胴差パネル20に取り付けられる床梁24の取付状態をより良好なものとすることができるので、前記床梁24によって構成される床部を、前記胴差パネル20によって確実かつ安定的に支持することが可能となっている。
また、前記胴差パネル20の板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の縦棧材22cは、この縦棧材22cの上下端部に、前記胴差パネル20の板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の横框材22bに係合する切欠部27を備えている。
すなわち、この縦棧材は、図1および図4に示すように、上下端部が切り欠き成形されて断面略凸字状に形成されており、切欠部27を備えるとともに、この切欠部27に面して上下方向にそれぞれ延出する延出部27aを備えており、これら延出部27aを、前記板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の対向する横框材22b同士の表面にそれぞれ当接させるようにして、前記縦棧材22cが横框材22bに係合するようになっている。
そして、前記固定ボルト26において、前記床梁24は梁受金物25を介して該固定ボルト26の一端に位置し、前記縦棧材22cは該固定ボルト26の他端に位置することになるので、前記縦棧材22cの切欠部27を横框材22bに係合させることによって、前記床梁24にかかる荷重を、前記梁受金物25から固定ボルト26、縦棧材22cを介して板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の横框材22bにも分散させることが可能となる。これによって、前記床梁24の取付状態を良好なものとすることができるので、前記床梁24によって構成される床部を、前記胴差パネル20によって確実かつ安定的に支持することができる。
なお、前記胴差パネル20の板材21の屋外側面に取り付けられた枠体22の縦棧材22cのうち、前記床梁24が設けられる縦棧材22cは、図1に示すように、他の縦棧材22cよりも若干幅広に形成されており、これによって、前記床梁24の支持強度を向上できるようになっている。
一方、前記上階壁パネル30は、前記下階壁パネル10と略同様の構成となっており、図3に示すように、例えば構築される建物の2階部分の外壁等に用いられている。また、この上階壁パネル30の上端部には、屋根パネル34を設置するための構造材34aおよび取付金具34bが設けられている。
また、前記下階壁パネル10および上階壁パネル30を構成する板材11,31の両面側に取り付けられた枠体12,13、32,33の内部には、図1〜図4に示すように、それぞれ前記横框材12b,13b、32b,33bと平行する横棧材12d,13d、32d,33dが、前記縦棧材12c,13c、32c,33cと直交するようにして、対向する縦框材12a,13a、32a,33a間に配置されている。
つまり、前記縦棧材12c,13c、32c,33cおよび横棧材12d,13d、32d,33dによって前記各枠体12,13、32,33の補強を行うことが可能となり、前記下階壁パネル10および上階壁パネル30自体の強度を向上させることができる。
一方、図1〜図3に示すように、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30を構成する各板材11,21,31の一面側に取り付けられた枠体12,22,32の横框材12b,22b,32bの厚さ寸法は、前記縦框材12a,22a,32aよりも薄く形成されるとともに、前記各板材11,21,31の一面側を覆うための外装材44が、前記縦框材12a,22a,32a間にそれぞれ架設されている。
したがって、前記各板材11,21,31の一面側の表面と外装材44の裏面との間に、前記縦框材12a,22a,32aの長さ方向に沿う隙間を形成することができる。
そして、前記下階壁パネル10および胴差パネル20の上下に隣り合う横框材12b,22b同士と、前記胴差パネル20および上階壁パネル30の上下に隣り合う横框材22b,32b同士も、その厚さ寸法が縦框材12a,22a,32aよりも薄く形成されているので、前記隙間は、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30の上下方向に沿って連通することになる。
これによって、複数階を有する住宅等の建物を構築した際に、上下階にわたって前記各板材11,21,31の一面側に取り付けられた枠体12,22,32の内部と外部とを連通する通気層として利用することが可能となるので、この通気層内を常に外部からの空気が通過することになり、例えば隣接する外装材44の側端部間から雨水が浸入したとしても、通気層内を通過する空気によって雨水に濡れた部分を確実に乾燥させることができるようになっている。
しかも、前記各板材11,31の一面側に取り付けられた枠体12,32の縦棧材12c,32cの厚さ寸法は、前記各板材11,31の一面側に取り付けられた枠体12,32の縦框材12a,32aと略同様の厚さ寸法となっており、前記各板材11,31の一面側に取り付けられた枠体12,32の横棧材12d,32dの厚さ寸法は、前記各板材11,31の一面側に取り付けられた枠体12,32の横框材12b,32bと略同様の厚さ寸法となっている。
これによって、前記各板材11,31の一面側の表面と外装材44の裏面との間に形成された通気層を確保しつつ、上述のように前記縦棧材12c,32cおよび横棧材12d,32dによって前記各枠体12,32の補強を行うことができる。
また、前記縦框材12a,22a,32aの表面には、図1に示すように、予め防水材44aが貼設されており、この防水材44aを介して前記外装材44の側端部が固定されている。これによって、例えば隣接する外装材44の側端部間から雨水が浸入しようとした際に、この雨水の浸入を前記防水材44aによって確実に防ぐことができるので、防水性を向上させることができる。
また、前記縦框材12a,22a,32aと平行する各縦棧材12c,22c,32cの表面にも、前記防水材44aが貼設されている。
なお、この防水材44aは、例えばブチルゴム等のような液体不透過性や耐候性、耐熱性等に優れる素材からなるが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
さらに、図1〜図3に示すように、前記胴差パネル20の板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23のうち、少なくとも一方の枠体22(23)の内部に断熱材46(47)が設けることによって、前記胴差パネル20付近の断熱効果を確実に得ることができるようになっている。本実施の形態においては、前記胴差パネル20の板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23の内部の双方に断熱材46,47が設置されており、これによって、例えば断熱材を柱や枠材の内部に埋設する充填断熱方法や、柱や枠材の外部に断熱材を貼り付ける外張り断熱方法に比して、同性能の断熱材を用いた場合は、その断熱性を格段に向上させることができるようになっている。
さらに、前記下階壁パネル10および上階壁パネル30を構成する各板材11,31の両面側に取り付けられた枠体12,13、32,33の内部にも断熱材46,47が設けられている。
なお、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30を構成する各板材11,21,31の両面側に取り付けられた枠体12,13、22,23、32,33の内部に前記断熱材46,47を設けるだけでなく、例えばパイプスペースとして使用したり、また、図示はしないが、棚を複数取り付けて収納スペースとすることも可能となっている。
また、前記各板材11,21,31の一面側の枠体12,22,32の内部に設けられる断熱材46の厚さ寸法は、前記各板材11,21,31の一面側に取り付けられた枠体12,22,32の横框材12b,22b,32bと略同様の厚さ寸法となっている。これによって、前記各板材11,21,31の一面側に取り付けられた枠体12,22,32の内部の通気層によって、枠体12,22,32の内部の乾燥状態を維持しながら、前記断熱材46によって断熱効果を得ることができるようになっている。
一方、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30の各板材11,21,31の他面側を覆うための石膏ボード45が、前記各板材11,21,31の他面側に取り付けられた枠体13,23,33の縦框材13a,23a,33a間にそれぞれ架設されている。また、この石膏ボード45の表面にはクロス等が貼り付けられて、内装が施される。
なお、図示はしないが、上述のように構成された下階壁パネル10および上階壁パネル30は、予め複数枚のパネルを幅方向に隣接させて接合して、大型壁パネルとして用いるようにしてもよいものとする。さらには、予め、この大型壁パネルの屋外側表面に外装材44を取り付けておくとともに、屋内側表面に前記石膏ボード45を取り付けておくようにして、輸送効率や施工効率の向上を図るようにしてもよい。
また、前記下階壁パネル10同士、胴差パネル20同士および上階壁パネル30同士を、それぞれ左右に接合させる際は、互いに接合しやすい形態とすることが好ましい。すなわち、例えば前記下階壁パネルを挙げて説明すると、図5に示すように、前記下階壁パネル10の板材11の一面側に取り付けられた枠体12の縦框材12aのうち、一方の縦框材12aは、前記板材11の周縁部よりも横方向外側に突出し、他方の縦框材12aは、前記板材11の周縁部よりも横方向内側に引込んでいる。
この時、前記一方の縦框材12aの突出寸法は、前記他方の縦框材12aの引込み寸法と略等しい寸法となっており、前記一方の縦框材12aが突出する分だけ、他方の縦框材12aが引込んだ形態となっている。これにより、壁パネル同士を隣接させて接合する際に、突出している一方の壁パネルの一方の縦框材12aと、引込んでいる他方の壁パネルの他方の縦框材12aとの位置を正確に合わせることができるようになっている。
また、例えば前記胴差パネル20の下方に窓枠48が設けられる場合は、図4に示すように、胴差パネル20と窓枠48との間にマグサ49を設けるようにすると好ましい。この時、マグサ49の屋外側表面には、マグサ49の屋外側表面から外方に所定間隔離間させて隙間を形成し、この隙間を前記胴差パネル20および上階壁パネル30に形成される通気層とが連通するようにして外装材49aが取り付けられている。さらに、マグサ49の屋内側表面には石膏ボードが取り付けられている。
次に、前記胴差パネル20を介した上階壁パネル30と下階壁パネル10との連結方法および床梁24の取付方法について説明する。
まず、図2および図3に示すように、前記下階壁パネル10を、この下階壁パネル10のアンカーボルト挿通部14に、基礎15から突出するアンカーボルト15aを挿通させるようにして、基礎15上に設置する。
続いて、図1〜図3に示すように、前記下階壁パネル10の上面に胴差パネル20を設置して、これら下階壁パネル10および胴差パネル20の上下に隣り合う横框材13b,23b同士に形成された第1貫通孔40に、第1連結ボルト41を挿通させて締め付けるようにする。
続いて、図3に示すように、前記下階壁パネル10の上面に強固に連結された胴差パネル20の上面に、上階壁パネル30を立設させる。そして、前記胴差パネル20および上階壁パネル30の上下に隣り合う横框材23b,33b同士に形成された第2貫通孔42に、第2連結ボルト43を挿通させて締め付ける。
このようにして、前記胴差パネル20を介して、前記上階壁パネル30と下階壁パネル10とが連結されるようになっている。
その後、前記上階壁パネル30の上端部には屋根パネル34が設けられ、前記胴差パネル20の屋内側表面には床梁24が設けられることとなる。
この床梁24は、図2および図3に示すように、前記胴差パネル20の屋内側面に取り付けられた梁受金物25に対して設けるようにする。
すなわち、まず、前記梁受金物25を、この梁受金物25と、前記胴差パネル20の板材21と、この板材21の両面側に取り付けられた枠体22,23の双方の縦棧材22c,23cとに固定ボルト26を貫通させて締め付け、前記胴差パネル20の屋内側面に取り付けられた枠体23の縦棧材23cの表面に固定する。
続いて、前記床梁24の端部に形成された係合溝と前記梁受金物25とを係合させるようにして床梁24を梁受金物25に対して取り付け、互いに重なり合う前記梁受金物25の複数の孔部25cと床梁24の孔部とに床梁用止着材を挿通させて、前記床梁24を梁受金物25に固定する。
その後、上階床部の構築に必要な箇所に対して床梁24を複数設け、これら複数の床梁24の上面に床板24a等を敷き込むようにして、上階床部を構築していく。
なお、床梁24を設ける順序は、以上のような順番でなくともよい。すなわち、下階壁パネル10の上面に胴差パネル20を設置して、この胴差パネル20の上面に上階壁パネル30を立設させる前に、前記床梁24を設けるようにしてもよいし、予め前記胴差パネル20と床梁24とを結合させた状態で、下階床上の所定の位置に並設配置された下階壁パネル10の上面に設置するようにしてもよく、設計上や現場の判断等を考慮し、適宜変更可能である。
また、なお、前記下階壁パネル10および上階壁パネル30は、それぞれ複数枚を左右に隣接させて接合し、予め大型パネル化して施工に用いるようにしてもよいし、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30の表面には、外装材44や石膏ボード45を予め取り付けておくようにしても良い。
この時、下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30同士の連結作業を妨げないように、前記石膏ボード45は、連結作業を行う部分を露出させた状態にして取り付けておくことが好ましい。
次に、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30による地震等の変形力に対する動作について詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、前記下階壁パネル10を例に挙げて説明する。
ここで、本実施の形態の下階壁パネル10は、図1〜図3に示すように、四角形状に形成された板材11と、この板材11の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材12a,12b,13a,13bを四角枠状に組み立てた枠体12,13とを有している。また、前記板材11の両面側に取り付けられた枠体12,13の内部には、前記縦框材12a,13aと平行する縦棧材12c,13cが、対向する12b,13b間に配置されるとともに、前記横框材12b,13bと平行する横棧材12d,13dが、前記縦棧材12c,13cと直交するようにして、対向する縦框材12a,13a間に配置されている。
そして、前記板材11に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材11は様々な方向に向かって変形しようとする。
例えば板材11が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材11の両面に取り付けられた枠体12,13の双方の縦框材12a,13aによって変形を抑制する。
すなわち、例えば前記板材11の一面側が外側に向くように位置し、他面側が内側に向くように位置するようにして、前記板材11が側面視くの字に変形する場合、前記板材11の一面側に取り付けられた双方の縦框材12aも、前記板材11の一面側と同様の方向に変形しようとし、前記板材11の他面側に取り付けられた双方の縦框材13aも、前記板材11の他面側と同様の方向に変形しようとする力が働く。
これに対して、前記板材11の一面側に取り付けられた縦框材12aには、変形に対する復帰力が生じて元の状態に戻ろうとし、前記板材11の他面側に取り付けられた縦框材13aにも、変形に対する復帰力が生じて元の状態に戻ろうとする。
このため、前記板材11は、この板材11両面に取り付けられた縦框材12a,13aの、変形しようとする力と、変形に対する復帰力とによって挟み込まれることとなる。
つまり、前記板材11が、側面視くの字に変形しようとしても、前記板材11の両面に取り付けられた双方の縦框材12a,13aによって変形を抑制され、また前記板材11が、側面視逆くの字に変形しようとしても、前記板材11の両面に取り付けられた双方の縦框材12a,13aによって変形を抑制されることとなる。
一方、例えば、前記板材11が、平面視くの字に変形しようとしても、上述のごとく、前記板材11両面に取り付けられた枠体12,13の双方の横框材12b,13bによって、その変形が抑制されることとなる。
また、例えば板材11が、捻れるように変形しようとしても、前記板材11の両面に取り付けられた枠体12,13全体で変形を抑制することができるようになっている。
しかも、前記板材11の両面側の枠体12,13の内部には、前記縦横の棧材12c,12d,13c,13dが設けられているので、これら縦横の棧材12c,12d,13c,13dによって前記枠体12,13の補強を行うことができ、この補強された枠体12,13によって板材11の変形を抑制する力が強化されることとなる。
したがって、前記板材11が何れの方向に変形しても、その変形を抑制することができるようになるので、前記板材11や、この板材11と両枠体12,13との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、前記下階壁パネル10を例に挙げて説明したが、前記胴差パネル20および上階壁パネル30でも、地震等の変形力に対して同様の動作をし、同様の効果を発揮することができる。特に、前記胴差パネル20には、上階の床部を構成する床梁24が取り付けられるので、以上のような地震等に対する強度を発揮することで、上階の床部をより一層安定的に支持することができる。
本実施の形態によれば、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30の上下に隣り合う横框材同士13b,23b、23b,33bは、これら横框材13b,23b、23b,33b同士を連結する連結手段によって連結されているので、この連結手段によって連結される各横框材13b,23b、23b,33bは外部に露出した状態となる。したがって、この連結手段による連結作業がしやすくなるので、前記下階壁パネル10および胴差パネル20同士と、前記胴差パネル20および上階壁パネル30同士とを確実かつ強固に連結することができる。そして、このように下階壁パネル10および上階壁パネル30と、確実かつ強固に連結された胴差パネル20に対して、前記梁受金物25を介して床梁24が取り付けられているので、この床梁24の取付状態を良好なものとすることができる。これによって、前記床梁24によって構成される床部を、前記胴差パネル20によって確実かつ安定的に支持することができることになるので、良好な設置状態の床部を構築することが可能となる。
その上、上下に隣り合う横框材13b,23b、23b,33b同士を連結するに際し、従来のように作業者の手や道具をパネル内部に挿入するための開口部を形成したり、パネル自体の強度を維持するための補強作業等を行う必要がなくなるので、前記下階壁パネル10および胴差パネル20同士と、前記胴差パネル20および上階壁パネル30同士とを容易に連結することが可能となる。
しかも、前記下階壁パネル10、胴差パネル20および上階壁パネル30の板材11,21,31の両面の周縁部に取り付けられた枠体12,13、22,23、32,33によって板材11,21,31を両面側から挟み込むことができ、前記板材11,21,31が、いずれの方向に変形しても枠体12,13、22,23、32,33によって変形を抑制することができるので、前記板材11,21,31や、この板材11,21,31と両枠体12,13、22,23、32,33との取付部分に影響が出にくく、パネル自体の強度を向上させることが可能となる。そして、前記縦横の棧材12c,12d,13c,13d、22c,23c、32c,32d,33c,33dによって、前記各板材11,21,31の両面に取り付けられた枠体12,13、22,23、32,33の補強を行うことができる。
また、前記板材11,21,31の両面に枠体12,13、22,23、32,33が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材の量を2枚から1枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
さらに、前記胴差パネル20の板材21の両面側に取り付けられた双方の枠体22,23の内部に断熱材46,47が設けられており、この断熱材46,47によって、前記胴差パネル20付近の断熱効果を確実に得ることができる。また、例えば、断熱材を柱や枠材の内部に埋設する充填断熱方法や、柱や枠材の外部に断熱材を貼り付ける外張り断熱方法に比して、同性能の断熱材を用いた場合は、その断熱性を格段に向上させることができる。
下階壁パネルの上面に胴差パネルを設置する際の形態を示す屋外側からの斜視図である。 下階壁パネルの上面に胴差パネルを設置する際の形態を示す屋内側からの斜視図である。 下階壁パネル、胴差パネルおよび上階壁パネルを上下に連結させた状態を示す側断面図である。 図3とは異なる箇所の下階壁パネル、胴差パネルおよび上階壁パネル同士の連結構造を示す側断面図である。 左右に隣り合う壁パネル同士の接合形態の一例を示す平断面図である。
符号の説明
10 下階壁パネル
11 板材
20 胴差パネル
21 板材
24 床梁
25 梁受金物
30 上階壁パネル
31 板材

Claims (5)

  1. 下階の外壁を構成する下階壁パネルの上面に胴差パネルが設置されており、
    これら下階壁パネルおよび胴差パネルは、それぞれ四角形状に形成された板材と、この板材の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材を四角枠状に組み立てた枠体と、これら枠体の内部に配置され、互いに対向する縦框材と平行する縦棧材とを備えており、
    これら下階壁パネルおよび胴差パネルを構成する各板材の屋外側面に取り付けられる枠体の横框材は、屋内側面に取り付けられる枠体の横框材よりも、その厚さ寸法が短く設定されており、
    これら下階壁パネルおよび胴差パネルの上下に隣り合う横框材同士のうち、前記各板材の屋内側面の横框材同士が、これら屋内側面の横框材同士を連結する連結手段によって連結されており、
    前記胴差パネルの板材の屋内側面に取り付けられた枠体の縦棧材に、上階の床部を構成する床梁が、梁受金物を介して取り付けられていることを特徴とする床部の支持構造。
  2. 請求項1に記載の床部の支持構造において、
    前記梁受金物は、この梁受金物と、前記胴差パネルの板材と、この板材の両面側に取り付けられた枠体の双方の縦棧材とを貫通する固定ボルトによって、前記胴差パネルの板材の屋内側面に取り付けられた枠体の縦棧材の表面に固定されていることを特徴とする床部の支持構造。
  3. 請求項2に記載の床部の支持構造において、
    前記胴差パネルの板材の屋外側面に取り付けられた枠体の縦棧材は、この縦棧材の上下端部に、前記胴差パネルの板材の屋外側面に取り付けられた枠体の横框材に係合する切欠部を備えていることを特徴とする床部の支持構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の床部の支持構造において、
    前記胴差パネルの上面に、上階の壁部を構成する上階壁パネルが立設されており、
    この上階壁パネルは、四角形状に形成された板材と、この板材の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材を四角枠状に組み立てた枠体とを備えており、
    前記胴差パネルおよび上階壁パネルの上下に隣り合う横框材同士は、これら横框材同士を連結する連結手段によって連結されていることを特徴とする床部の支持構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の床部の支持構造に用いられる胴差パネルであって、
    前記胴差パネルの板材の両面側に取り付けられた枠体のうち、少なくとも一方の枠体の内部に断熱材が設けられていることを特徴とする胴差パネル。
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