JP6450228B2 - 真壁の耐震改修方法及び大壁の耐震改修方法 - Google Patents
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また、既存の内装材が、柱の室内側の面よりも室外側に配置されたいわゆる真壁仕様の建築物では、柱の側方には内装材を支持する間柱等の縦材がない。このため、仕上げ内装材を柱に固定するために、仕上げ内装材を柱の室内側の面に沿って配置する納まりとなることがある。この場合も、仕上げ内装材が柱よりも室内側に配置され、室内空間が狭くなってしまうという問題点がある。
以下、本発明の第一実施形態に係る耐震改修壁構造の一例として、建築物の耐震改修壁について説明する。
まず、改修前の建築物について説明する。
図1は、改修前の真壁の壁構造を示す水平断面図である。
図1に示すように、改修前の建築物の既存壁Kは、躯体をなす柱(縦材)3及び間柱(縦材)4と、これら柱3及び間柱4等に取り付けられる内装材(以下、「既存内装材」と称する。)(既存壁材)10と、を備えている。また、柱3及び間柱4の室外側には、図示しない外壁が設けられている。
図2及び図3に示すように、上記に示す既存壁Kに対して耐震性能を改善するために改修が行われると、耐震改修壁1は、柱3及び間柱4と、柱3の側面3bに設けられた縦受け材5と、縦受け材5の室内側に設けられた下地用内装材(壁材、下地壁材)11と、下地用内装材11の室内側に設けられた補強シート12及び新規内装材(仕上壁材)18と、を備えた構成とされている。
また、補強シート12は、繊維シートや高強度繊維シートを接着剤や樹脂等の各種の樹脂を含む材料に埋めて固めることにより、全体として平板状やシート状に形成したものが好ましい。これにより、下地用内装材11に補強シート12を取り付ける際に繊維シートのしわやよじれ等の発生を防止することができ、均一性の高い施工を行うことができる。
従って、施工の作業性も高まるので工期の短縮もできる。
このような補強シート12を製造する方法は特に限定されるものではないが、繊維シートや高強度繊維によるシートに流動性を有する上述した樹脂を含有する組成物を含浸させ、その組成物を硬化させることで製造できる。
本実施形態では、固定ビス15及び座金16が固定具を構成する。
また、新規内装材18の表面には、壁紙(不図示。以下同じ。)等が接着剤等で固着されていることが好ましいが、壁紙はなくてもよい。
既存の建物物では、図1に示すように間柱4の室内側には、既存内装材10が釘打ちやビス止め等や接着剤等で設置されている。この状態から、既存内装材10を取り外す。
図4に示すように、室内側から、柱3の側面3bに沿って縦受け材5を配置する。縦受け材5に設けられた下孔5aに、取付ビス6を挿通させ、柱3にねじ込む。これにより、柱3の側面3bに、縦受け材5が固定される。
なお、合板14は水平方向に所定間隔で間柱4または縦受け材5に座金16と固定ビス15で固定することが好ましい。
また、補強シート12及び新規内装材18は、平面視において、柱3の面3aと面3cとの間に配置されているため、新規内装材18が柱3よりも室内側へ突出することがなく、改修前からの室内空間の縮小を抑えることができる。よって、室内空間を確保しつつ、補強シート12を取り付けることができる。
また、皿ネジ19の頭部19aは石膏ボードからなる新規内装材18内に埋め込まれて内装材18の表面と略面一以下になるため、突出しない。そのため、新規内装材18の表面に壁紙等を接着剤等で貼着しても皿ネジ19による不陸が生じることはない。
上記に示す第一実施形態の変形例について、主に図5を用いて説明する。
図5は、本発明の第一実施形態の変形例に係る耐震改修壁構造を示す水平断面図である。
以下の変形例、他の実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
上記に示す第二実施形態について、主に図6、図7を用いて説明する。
図6は、改修前の大壁の壁構造を示す水平断面図である。図7は、本発明の第二実施形態に係る大壁の耐震改修壁構造を示す水平断面図である。
図6に示すように、本実施形態において、改修前の建築物の既存壁K1は、柱3及び間柱(不図示。以下同じ。)と、これら柱3及び間柱等に取り付けられる既存内装材10と、を備えている。本実施形態の建築物は、既存内装材10が、平面視において、柱3の室内側の面3aに沿って配置されたいわゆる大壁仕様の建築物である。
上記に示す第二実施形態の変形例について、主に図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第二実施形態の変形例に係る耐震改修壁構造を示す水平断面図である。
図8に示すように、本変形例では、柱3の側方にサッシP1及び額縁P2が設けられている。額縁P2は、既存内装材10(図7参照。以下同じ。)よりも室内側に突出している。一般に、新規内装材が額縁P2よりも室内側に突出する場合には、新規内装材の端部を露出させないために額縁との間に見切り材等設ける必要があるが、本変形例では新規内装材18は既存内装材10と同一平面上に配置され、額縁P2よりも室内側に突出しないため見切り材等を設ける必要がない。
4…間柱(縦材)
5…縦受け材
10…既存内装材(既存壁材)
11…下地用内装材(壁材、下地壁材)
12…補強シート
15…固定ビス(固定具)
16…座金16(固定具)
18…新規内装材(壁材、仕上壁材)
Claims (2)
- 躯体をなす縦材と、該縦材に固定された既存壁材と、を有し、前記既存壁材が平面視において前記縦材の室内側の面と前記縦材の室外側の面との間に配置された真壁の耐震改修方法であって、
前記既存壁材を取り外し、
前記縦材の側方に縦受け材を固定し、
前記縦受け材の室内側に、下地壁材及び補強シートを設け、
固定具により前記補強シートを前記縦受け材に固定し、
前記補強シートの室内側且つ前記縦材の前記室内側の面よりも前記室外側に、仕上壁材を設けることを特徴とする真壁の耐震改修方法。 - 躯体をなす縦材と、該縦材に固定された既存壁材と、を有し、前記既存壁材が平面視において前記縦材の室内側の面に沿って配置された大壁の耐震改修方法であって、
前記既存壁材を取り外し、
前記縦材の側方に縦受け材を固定し、
前記縦受け材の室内側に、下地壁材及び補強シートを設け、
固定具により前記補強シートを前記縦受け材に固定し、
前記補強シートの室内側且つ前記縦材の前記室内側の面に沿って仕上壁材を設けることを特徴とする大壁の耐震改修方法。
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