JP6338955B2 - 細胞培養装置および画像解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、細胞シートの細胞状態の判定に関するものである。
幹細胞から作製した組織を損傷部位に移植することにより,損傷した組織や器官の再生や機能の回復を実現する再生医療が近年注目されている。中でも生体模倣組織である細胞シートの移植は、細胞が単体で存在する細胞溶液と比較した場合に治癒効果がより高いことが知られており、ヒト表皮細胞シートは製品化され重度のやけど治療に使用されるなど細胞シートの臨床応用が進んでいる。現在この細胞シートに関して残された課題のひとつに細胞シートの細胞状態の非侵襲的評価方法の確立がある。
図2に細胞シートが正常に作製されるまでの培養段階を示す。図2は培養表面201を紙面奥行方向としたとき、横から細胞の構造を観察したものである。細胞シートは以下の段階を経て生体模倣組織となる。
(S101):細胞が播種される。このとき、単離された幹細胞202が培地中に浮遊している状態である。
(S102):培養表面201に細胞が接着する。このとき、幹細胞202の密度はまばらである。
(S103):培養表面一面に細胞が単層に増殖し基底層となる。
(S104):細胞が2層以上に重層化する。すなわち、細胞が積層構造を形成する。さらに2層目以上の細胞が分化して細胞シートを形成する。分化では、層によって細胞内に発現するタンパク質が異なる。
(S105):培養表面から細胞シートを剥離し患部へ移植する。
現状では移植に用いられる細胞シートの品質は,培養中の位相差顕微鏡による観察により検証されている。あるいは、移植用細胞シートと同時に同条件で作製された評価用細胞シートに対する、組織染色などの侵襲的評価によって検証されている。
しかし、これらの方法には課題がある。位相差顕微鏡による細胞観察は非侵襲的であり、細胞培養中に随時実施されている。しかしながら、細胞シート表層の観察のみに対応しており、(S104)以降の重層化した細胞シートを評価することはできない。また評価用細胞シートに対して実施されている組織染色評価は、重層化や分化の程度を評価可能であるが、細胞シートを固定するため侵襲的手法であり移植用シートそのものを評価することはできない。これらの課題を解決する非侵襲的計測技術の確立は,移植用細胞シートの細胞状態を直接的に評価可能にすることにより、移植用再生組織の品質向上に貢献するといえる。
これまでにいくつかの文献において非侵襲的な細胞評価手法が述べられている。例えば特許文献1では、光学顕微鏡を用いて焦点位置をZ位置の異なる画像を複数枚撮像し、培養面に接着している細胞と剥離細胞を判定する方法について述べている。
特開2013−101512号公報 特開2006−333710号公報
しかしながら、特許文献1が対象としている細胞は細胞シートと異なり、単層で培養面に接着する細胞である。また、光学顕微鏡は焦点位置から以外の光もすべて像に反映される原理でありZ分解能が低いため、細胞シートのように積層している組織に適応した場合、Z方向の像は複数層の重ね合わせの像となり、層ごとの細胞ひとつひとつをイメージングすることは困難である。
また特許文献2には、個々の培養細胞のばらつきを解消すべく判断基準をそろえるための、判断するプロトコルが記載されているが、具体的な培養状況を判定できるものではない。
そのため、文献に示された手法では細胞シートを評価する際に不可欠となる細胞の重層化、分化のタイミングと程度を評価しがたい。本発明においては、生体模倣組織である細胞シートの重層化、分化を非侵襲的に評価することが課題となる。
上記課題を解決するために、高分解能を特徴とする光学機器を用いて細胞シートのイメージングを実施し、内部構造を分析することにより細胞状態を判定する方法を提供する。
本発明の一つの側面は、培養面に細胞を重層化させて細胞シートを培養する細胞培養装置であって、光源と、培養面上の細胞に光源からの光を照射する集光光学系と、細胞からの光を検出する検出光学系と、検出光学系から取得した情報に基づく画像を解析する解析部と、を備える細胞培養装置である。解析部は、培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の断面画像を取得し、複数の断面画像の夫々に含まれる細胞数を計測し、細胞数に基づいて、少なくとも前記重層化方向の細胞数の分布を解析する。
本発明の一つの側面は、培養面に重層化された細胞シートを非侵襲で光学的に取得した画像を解析する画像解析装置である。この装置は、培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の断面画像を取得する取得部と、複数の断面画像の夫々に含まれる細胞数を計測する計測部と、細胞数に基づいて、少なくとも重層化方向の細胞数の分布を解析する解析部と、を有する。
解析部は、重層化方向の細胞数の分布から、重層化した細胞シートを構成する複数の層夫々の位置を判別するように構成することができる。また、解析部は、複数の断面画像に含まれる細胞間の距離を算出し、細胞間の距離に基づいて、重層化した細胞シートを構成する複数の層の夫々の位置を判別するように構成することもできる。
また、解析部は、計測した細胞数に基づいて細胞の密度を算出し、一方の軸に重層化方向の位置を、他方の軸に当該位置における細胞の密度を定義してグラフ化した画像を生成し、グラフ化した画像を表示装置に表示するように構成してもよい。また、解析部は、計測した細胞数に基づいて複数の画像の夫々に含まれる細胞の細胞間の距離または細胞の大きさを測定し、重層化方向の細胞間の距離または大きさの分布を、一方の軸に細胞間の距離または細胞の大きさ、他方の軸に当該細胞間距離または大きさをもつ細胞の数を定義してグラフ化した画像を生成し、グラフ化した画像を表示装置に表示するように構成してもよい。
また、解析部は、複数の画像の夫々に含まれる細胞の数の情報から、重層化方向の細胞の数の分布に関する分析データを生成し、分析データを表示するか、分析データに基づいて警報を発するか、分析データに基づいた信号を細胞培養装置または他の外部の装置に出力するかの少なくとも一つを行うように構成してもよい。また、解析部は、複数の画像の夫々に含まれる細胞の数の情報から、複数の画像の夫々に含まれる細胞の細胞間の距離または大きさを測定し、細胞シートに含まれる細胞の細胞間の距離または細胞の大きさの分布に関する分析データを生成し、分析データを表示するか、分析データに基づいて警報を発するか、分析データに基づいた信号を細胞培養装置または他の外部の装置に出力するかの少なくとも一つを行うように構成してもよい。
本発明の一つの側面は、培養面に細胞を重層化させて細胞シートを培養する際の細胞状態解析方法である。この方法では、光源と、培養面上の細胞に前記光源からの光を照射する集光光学系と、細胞からの光を検出する検出光学系と、検出光学系からの光を検出する検出器とを用いる。解析においては、検出器からの信号に基づいて、培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の画像を取得する。そして、複数の画像の夫々に含まれる細胞の数、細胞間の距離、あるいは大きさの少なくともひとつの情報を測定する。
本発明の他の側面は、培養面に細胞を重層化させて細胞シートを培養する細胞培養装置からデータを受け取り、細胞培養装置で培養された細胞の状態を解析する細胞状態解析装置である。細胞培養装置と細胞状態解析装置は一体化されていてもよいし、ネットワークで接続され、地理的に離れた位置に配置されてもよい。細胞培養装置は、光源と、培養面上の細胞に光源からの光を照射する集光光学系と、細胞からの光を検出する検出光学系と、検出光学系からの光を検出する検出器と、出力装置を備える。細胞状態解析装置が備える処理装置は、出力装置から送られてくる検出器からの信号に基づいて、培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の画像を取得する機能と、複数の画像の夫々に含まれる細胞の数、細胞間の距離、あるいは大きさの少なくともひとつの情報を測定する機能と、を有する。
細胞間の距離は細胞の核同士の距離とする。正常に細胞が成長している場合、各細胞は隙間なく形成されている。よって、正常な状態を前提とした場合、細胞の大きさは細胞間の距離にほぼ等しい。また、所定領域に含まれる細胞の数、細胞間の距離、細胞の大きさ、細胞の密度、等は相関関係を有することになる。よって、本発明で細胞膜構造の分析に用いる指標としては、いずれを用いてもよい。
本発明の他の側面は、培養面に細胞を重層化させて細胞シートを培養する細胞培養装置における、培養された細胞の状態解析装置である。この装置は、光源と、培養面上の細胞に光源からの光を照射する集光光学系と、細胞からの光を検出する検出光学系と、検出光学系からの光を検出する検出器と、検出器からの信号を処理する処理装置と、出力装置を備える。処理装置は、検出器からの信号に基づいて、培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の画像を取得する機能と、複数の画像の夫々に含まれる細胞の数、細胞間の距離、あるいは大きさの少なくともひとつの情報を測定する機能と、を有する。
上記で測定された情報は、グラフ化をするなどして、表示装置に表示することができる。また、データとして記憶装置に蓄積することができる。また、データとしてネットワークを介して外部の装置に送信することができる。あるいは、測定された情報に基づいて、細胞培養装置の少なくとも一部を制御するように構成することもできる。
本発明のさらに他の側面は、恒温室と、恒温室内に配置され細胞を重層化させて細胞シートを培養する培養容器と、培養容器に結合され細胞溶液を供給する細胞ボトルと、培養容器に結合され培地を供給する培地ボトルと、培養容器に結合され培養容器から廃棄される培地を格納する廃液ボトルとを有する自動細胞培養装置に関する。この自動細胞培養装置は、恒温室、培養容器、細胞ボトル、培地ボトル、廃液ボトル、撮像部、細胞溶液の供給、培地の供給および廃棄、のうちの少なくとも一つを制御する制御部を有する。また、細胞シートを撮像する撮像部と、撮像部から得られる情報を処理する処理部と、処理部からの情報を出力する出力部と、処理部へ情報を入力する入力部と、を有ししている。撮像部は、光源と、前記細胞シートに前記光源からの光を照射する集光光学系と、前記細胞シートからの光を検出する検出光学系と、前記検出光学系からの光を検出する検出器と、を備えている。また、処理装置は、検出器からの信号に基づいて培養シートにおける重層化方向の位置が異なる複数の画像を取得する機能と、複数の画像の夫々に含まれる細胞の数、細胞間の距離、あるいは大きさの少なくともひとつの情報を測定する機能と、を有ししている。さらに、出力部は、測定した情報を表示するか、測定した情報に基づいて警報を発するか、外部の装置に出力するか、あるいは、制御部または入力部にフィードバックを行うか、の少なくとも一つを行うことができる。ここで、警報とは、異常を知らせるものと正常を知らせるものの両方を含む。
上記で説明した機能は、ハードウエアで構成してもよいし、ソフトウエアで構成してもよい。
本発明によれば、細胞シートを培養する際に非侵襲的に細胞状態(重層化、分化)を判定できるようになる。
OCTを組み込んだ自動培養装置のブロック図である。 自動培養装置の全体動作のフロー図である。 細胞シートの生成過程を示す概念図である。 OCTの基本構成の構成図である。 細胞シートの測定、および重層化、分化の解析フロー概略図である。 細胞シートの測定イメージ図である。 結果表示画面イメージ図である。 結果表示画面イメージ図である。 結果表示画面イメージ図である。 結果表示画面イメージ図である。 結果表示画面イメージ図である。 結果表示画面イメージ図である。 実施例1における細胞シートの重層化、分化の解析フロー図である。 Z位置に対する細胞密度のグラフ図である。 実施例2における細胞シートの重層化、分化の解析フロー図である。 細胞間距離に対する細胞数のグラフ図である。 反射型共焦点顕微鏡の基本構成の構成図である。 本発明の一実施例の光学系および検出系の基本構成図である。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
以下、本発明の実施形態を順次説明するが、それに先立ち、本発明が対象とする細胞シート評価時の状況について、表皮細胞を例に説明する。
図2に細胞シートが正常に作製されるまでの培養段階を示す。表皮細胞は播種され(S101),24時間程度で培養表面に接着する(S102)。接着した細胞は、その後数日程度で密集状態まで平面状に増殖し(S103),この1層目が細胞シートの基底層となる。その後は,細胞が層状に増殖して重層化すると共に、2層目以上の細胞が分化することにより、1−2週間程度の期間を経て生体ヒト表皮細胞と類似した細胞シートとなる(S104)。重層化とは細胞が積層構造を形成すること、分化とは層によって細胞内に異なる発現タンパク質が発現することを意味する。また、細胞シートの細胞は細胞形状や大きさが分化状態によって異なることが知られている。なお,生体表皮細胞は層構造であり,下から基底層,有棘層,顆粒層,角化層から成る。細胞シートにおいても分化が進行すると有棘層,顆粒層の形成が見られる。
細胞シートが正常に生体模倣組織として形成されていることの品質を保障するために、上記細胞シートの重層化や分化状態を評価することが必要である。細胞シートの評価法は、培養中は位相差顕微鏡による評価、培養後は組織染色による評価が一般的である。位相差顕微鏡による細胞シートの観察においては、培養表面上に存在する細胞の数や形状を確認する。この手法においては細胞増殖が正常かどうかを非侵襲的に判断可能であるが、培養中期以降もしくは終了時点における細胞シートの重層化や分化を判断することができない。また細胞シートの組織染色評価においては、組織を固定し作製した切片をヘマトキシリンエオシン染色または免疫染色によって染色し、細胞シートの重層化や分化を確認する。この手法においては、培養終了後の細胞シートの重層化や分化の程度を判断可能である。しかし、組織の固定や染色が必要となるため侵襲的手法であり、培養中に実施することや評価した細胞シートを移植に用いることができない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。高分解能を特徴とする光学機器を用いて細胞シートのイメージングを実施し、内部構造を分析することにより細胞シートの重層化、分化の状態を判定する方法を提供する。細胞シートの3次元構造を細胞単位でイメージングし、核や細胞膜を抽出し、任意の層の細胞密度や細胞サイズを解析することができる。これにより、細胞シートが何層構造から成っているか重層化が判定可能になり、さらに各層を構成する細胞の分化の程度も判定可能になる。
当該それぞれの課題を解決する手段の一例としては、具体的には以下のようになる。培養中もしくは培養終了時に培養容器越しに細胞シートを3次元的に測定する。測定機器は3次元に高分解能を有する光学機器であればよい。ここでは、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層計)を例に挙げている。他の構成として、反射型共焦点顕微鏡、多光子励起顕微鏡など、非侵襲(非破壊かつ非染色)且つ3次元に分解能を有する光学機器が使用可能である。OCTの場合、光源の光を信号光と参照光に分岐し、信号光を細胞に照射し、細胞から反射した信号光を参照光と合波することにより生成された合成光を検出する原理である。OCTでは、信号光は細胞の様々な深さから重なり合って反射されるが、参照光と干渉される成分は特定の深さ位置からの信号光成分に限定されるため、光学顕微鏡とは異なりZ分解能の高い測定が可能になる。
10ミクロン以下程度の高い空間分解能を有するOCTの場合、取得した画像から細胞シート内部の核がイメージング可能である。取得した画像では細胞の核はコントラストが異なることから、その密度やサイズ、あるいは核同士の距離を解析することができる。この情報により細胞シートの重層化、分化の過程が順調か否か判定できる。また、この細胞状態の判定法は、既存の画像処理技術により自動化可能である。自動培養装置に組み込み、自動培養装置内の培養容器で培養された細胞シートをOCTで測定することも可能である。
本実施例では、ヒト表皮細胞シートの非侵襲3次元計測と細胞密度による重層化および分化の判定を例に説明する。
図1AはOCTを組み込んだ自動培養装置を示す。図1の自動培養装置201は細胞培養をする恒温室202を有する。恒温室内には撮像部203が設置されている。恒温室の外部には解析部204、記憶部205を含むコンピュータ206と出力装置207が設置されている。出力装置207は、例えばオペレータに各種の情報を表示する画像表示装置、音声で警報を発する警報装置、プリンターなどがある。また、ネットワークなどを介して、外部の記憶装置や情報端末にデータを送信することもできる。あるいは、種々のインターフェースを介して、制御部208に指示を送ることもできる。自動培養装置の制御は制御部208で実施する。細胞培養は恒温室202内部に複数設置された培養容器214中において実施される。必要となる細胞溶液の供給は培地流路212を通って細胞ボトル209から供給される。培地の供給は、培地流路212を通って培地ボトル210から培養容器214に対して実施される。培養に使用された不要な培地は廃液流路213を通って廃液ボトル211へ廃棄される。
細胞シートの品質評価は、培養容器の外部から細胞シートを撮像する撮像部203を用いた測定により実施可能である。本実施例では、撮像部203にOCTを用いる。非侵襲3次元計測を行う部分の全体構成は、細胞シートを撮像する撮像部203と、撮像した画像を解析して細胞シートの重層化や分化の状態を判定する解析部204と、事前に解析に必要な情報を記憶させておく記憶部205と、解析結果を表示する出力装置(ここでは画像モニタを想定した)207を有する。図1の自動培養装置はアミノ酸分析装置を含むアミノ酸分析ユニット(図示せず)を備えてもよい。培地交換時に廃液となる古い培地は培養容器214から廃液流路213を通って廃液ボトル211へ廃棄されるが、培養上清の一部は廃液流路213から分岐された培養上清分析行き流路(図示せず)を通ってアミノ酸分析ユニットへ運ばれ上清中のアミノ酸濃度を分析することができる。
細胞状態は解析部204にて判定され、培養終了タイミングの決定や培養組織の品質評価として自動培養装置の制御部208へフィードバックされる。あるいは、細胞状態は出力装置207に表示され、オペレータが細胞状態を判定し、培養終了タイミングの決定や培養組織の品質評価を行う。また、オペレータは、必要に応じて自動培養装置の制御部208やコンピュータ206を操作するために、入力部215に入力を行う。入力部215は、ネットワークを介して遠隔地からの指示を入力できる構成としてもよい。本実施例では、解析部204の実現方法として、汎用のコンピュータ206上で動作するソフトウエアとして構成したが、ハードウエアで構成することも可能である。
なお、図1Aの実施例では、コンピュータ206、制御部208、入力部215等は、自動培養装置201に近接して配置、あるいは一体化した例を示している。しかし、コンピュータ206、制御部208、入力部215等の位置はこれに制限されるものではない。有線あるいは無線のネットワークが発達した現在では、これらを出力装置207を介してネットワークで接続し、遠隔地に配置することも本発明の開示範囲である。
さらなる本発明の特徴は、以下の具体例によって明らかになるものである。なお、実施例においては、撮像部203としてOCTを用いている。
図1Bは自動培養装置の動作の一例を示す。まず播種する細胞の培地溶液を培養容器へ供給する(S201)。細胞が接着増殖するまで1日程度インキュベーションした後(S202)、培地交換を実施する。培地交換は、まず培養容器中の培地を廃液ボトルに移し(S203)、次に新しい培地を培地ボトルから培養容器へ移す(S204)。その後細胞計測を実施し(S205)、細胞シートの重層化・分化が十分であるかを判定し(S206)、十分であれば培養終了(S207)、不十分であればインキュベーションへ戻る(S202)。本発明の細胞計測はS205に相当する。
図3に撮像部203であるOCTの基本構成を示す。OCTは、光源301、ビームスプリッタ302、対物レンズ303、参照光ミラー304、検出器305から構成される。光源301からの光を信号光307と参照光308に分岐し、信号光307を前記細胞306に照射する。細胞から反射した信号光を参照光と合波することにより生成された干渉光309を、検出器305で検出する。これにより細胞の構造が可視化される。
OCTの好ましい一例として、対物レンズ303の開口数は0.4以上とする。図3では干渉光を1つ生成しているが、互いに位相が異なる3つ以上の干渉光を生成する干渉光学系を備える構成としてもよい。これらの干渉光は、検出器305で同様に検出することができる。干渉光学系としては、例えば生成される干渉の数が4つであり、これら4つの干渉光は互いに干渉の位相がほぼ90度ずつ異なるものが考えられる。このような構成とすることで、広帯域光源や波長掃引光源のような高価な光源を用いることなく従来のOCT装置と同等かそれ以上の高い空間分解能を達成することができる。具体構成は実施例4で説明する。
図4にOCTによる細胞シートの測定、および重層化、分化解析フローの概略を示す。
図5にその際の細胞シートの測定イメージを示す。図5の左側は細胞シートの斜視図のイメージである。ここで図示するようにxyz軸を定義する。右側はOCTから得られる異なるz位置における、xy像のイメージである。
図6に出力装置(表示部)207のモニタに表示される、各種解析結果の表示画面イメージを示す。重層化、分化の解析結果として、何層の層構造から構成されているか、および各層が何層(基底層、有棘層、顆粒層など)に相当するのか等を表示する(図6A)。図6Aでは、細胞は4層に重層化されており、下から基底層601、有棘層602、顆粒層603が形成されており、有棘層602は2層存在する。異なる層の細胞は、異なる形や色で表示される。これに代えて、あるいは、これに加えて、細胞層の名称を表示させることもできる。また撮像された核の3次元像(図6B)、XY像(図6C)、XZ像(図6D)を表示する。さらに、解析グラフ(実施例1では図6E、実施例2では図6F)についても表示できる。
図4では一例としてこれらの結果表示を最後にしているが(S407)、結果の表示は解析終了後にまとめて表示しても、個々の項目について解析終了時に表示してもよい。
図4のフローを説明する。まず、恒温室202内部に設置されたOCT撮像部203において、細胞シートのXZ断層像を撮像する(S401)。XYZの方向は図5に示す通り、XY平面が培養面および細胞シートの層構造に平行な面であり、Z軸は培養面に垂直な軸である。XZ断層像により、細胞シートのZ厚さ(Z=0からN)が判明するため(図6D)、これをXY像取得範囲とする(S402)。次に、同XY視野においてZ=0からNまでXY像を連続撮影する(S403からS404、図5のOCTのXYイメージ、図6C)。このときZ=0−Nまでの撮像間隔は細かい方が高精度な解析が可能であるが、任意に設定可能である。好ましい一例としては、想定される細胞のZ方向の大きさよりも、小さな間隔を設定する。取得した各層の画像には、細胞の核が撮像されているが、解析部204において画像解析することにより画像から核のみを抽出する(S405)。その後、解析部204においてさらに後に詳細を述べる重層化または分化を判断する解析(S406)を実施する。
図7に重層化または分化を判断する解析(S406)の詳細なフローを示す。XY像から細胞の核を抽出(S405)したのち、XY平面上の解析領域を決定する(S701)。望ましくは、すべてのXY像からすべての核を抽出すると、解析精度が向上する。解析領域は各Z位置において核が複数個含まれ計測誤差が大きくない範囲であれば任意で構わない。望ましくは、各Z位置において、同じXY領域がよい。次にXY像についてそれぞれ核をカウントする(S702)。さらに、それぞれのXY像について細胞密度を算出し各Z位置に対する細胞密度をプロットする(S703)。プロットした結果は、例えば図6Eに示すようなグラフとなる。
図8にこのとき図5に示した細胞シートについての結果例を示す。図8では横軸にZ方向(細胞膜の重層化方向)の測定位置を、縦軸に細胞密度を規定している。このグラフを見ると、Z方向で細胞の状態(図8の場合は密度)がどのように変化しているかを知ることができる。
図5および図8のZ位置a, b, cはそれぞれ対応している。例えば、図5において、細胞シートは、0<Z<aが基底層1層、a<Z<bが有棘層2層、b<Z<cが顆粒層1層により構成されている。細胞の大きさは層により特にXY方向に異なる。例えば、基底層で最も細胞の大きさが小さく、有棘層、顆粒層と上部の層になるほど細胞の大きさが大きくなる。細胞シートが正常に形成されている場合、各細胞はほぼ隙間なく配置されている(図2参照)。よって、細胞シートが正常に形成されている場合、基底層で最も細胞密度が高く、有棘層、顆粒層と上部の層になるほど細胞密度が低くなる。このため、細胞シートが正常に重層化および分化している場合、Z位置に対する細胞密度(図8)は階段状になる。
なお、図8では細胞密度を縦軸に示したが、先に述べたように、正常な状態を前提とした場合、所定領域に含まれる細胞の数、細胞間の距離、細胞の大きさ、細胞の密度、等は相関関係を有することになる。XY平面の単位面積当たりの細胞数が当該面上の細胞密度であり、細胞間の距離や細胞の大きさから細胞密度を計算することもできる。よって、本実施例で細胞シートの構造の分析に用いる縦軸の指標としては、いずれを用いてもよい。
グラフが階段状になっているかを判別し(S704)、YESの場合重層化、分化を判定する解析(S705)へ進む。階段状になっているかの判別は、図8のグラフを理想的な階段状の直線でフィッティングし、隣り合う直線同士の傾きの差が設定する閾値以上であれば階段状と見なす。
ここから重層化、分化を判定する解析(S705)は以下の通りである。増殖(重層化)については細胞シートが何層から構成されているのか、を判定する。図5に示す細胞シートの場合、図8のようなグラフが得られる。得られたグラフで、細胞密度が変化するZ位置に着目すると0<Z<a、a<Z<b、b<Z<cの少なくとも3層以上から構成されていることが判別できる。
しかし、図5に示したように、実際にはa<Z<bの間に2層が含まれており、階段数ではこれを識別できない。そのため、図8のa<Z<bのように細胞密度が一定のZ位置の値が1細胞の大きさよりも大きい場合には、細胞密度が一定のZ位置の値(図8の場合、b−aの値)を1細胞の大きさで割った値を算出し、これをその中に含まれる層の数とする(図6A)。
分化については細胞シートが何種類の層から構成されているか、またどのZ位置における細胞がどの分化の程度の細胞なのか、を判定する。図8のグラフの場合、まず細胞密度が3種類の細胞が存在していることが星印の階段数から判定される。このときどの細胞密度が何層(基底層、有棘層、顆粒層)に相当するかは、事前に記憶部205に学習させているデータとの関係から判断する。もしくはZ位置の値が最も小さく細胞密度が最も高い1層目を基底層としそこから細胞密度が低くなるごとに有棘層、顆粒層へと分化していると判断することもできる(図6A)。事前に記憶部205に学習させているデータとの相関から判断する方法では、細胞シートの各層が何層(基底層、有棘層、顆粒層など)に帰属しているかまで判定できる利点がある。一方、Z位置の値が最も小さく細胞密度が最も高い1層目を基底層としそこから細胞密度が低くなるごとに有棘層、顆粒層へと分化していると判断する方法では、未知の細胞種の細胞シートであっても何層また何種類の層構造であるかを判定できる利点がある。
また、細胞の密度の情報は、正常な分化が行われているかどうかをチェックする指標にもなる。正常な細胞は各層ごとに、その大きさが所定範囲に収まる。したがって、細胞が隙間なく培養されている場合、細胞の密度は所定範囲に収まる。細胞の各層の密度や大きさに関するデータを記憶部205に格納しておき、解析処理(S406)のなかで各細胞層の細胞の密度を照合することで、細胞層の状態を知ることができる。例えば、細胞の密度が所定範囲の場合、その細胞は正常に分化した細胞として判定することができる。また、細胞の密度が所定範囲以下の場合、細胞欠損(細胞との間に隙間ができている)等が予想できる。細胞欠損は、細胞の画像を見ることにより直接確認することができる。
表1に、記憶部205に記憶させておく情報の例を示す。ここではヒト表皮細胞シートのサイズのデータ例を示した。細胞種が複数ある場合は、登録されている細胞種ごとに記憶させておく。また、サイズのデータに代え、あるいは、これに加え、細胞密度のデータ、各層の層の数その他のデータを格納してもよい。表1では一例として層構造のデータが付加されている。Sは単層構造を、Mは多層構造を表す。このようなデータを、細胞の状態の判断に用いることもできる。
Figure 0006338955
表2は、記憶部205に記憶させておく情報の別の例を示す。
Figure 0006338955
なお、Z位置に対する細胞密度(図8)が階段状にならない場合もある。その原因として同じZ位置の細胞であっても分化の進行にばらつきがある場合が考えられる。その場合には、グラフが階段状になっているかを判別しNOとなるため(S704)、解析領域を変更する(S701)。変更後の領域は、始めに解析した領域と別の領域であっても、始めに解析した領域の一部であっても、構わない。また、OCTの測定領域が培養面全面ではない場合、初期の測定領域を変更し、S401より再測定しても構わない。
なお、図7の例では、重層化または分化を判断する解析(S406)として、記憶部205に学習させているデータ等を用いて、詳細な解析(S705)を解析部204で行っている。行う解析の種類は種々想定できるが、本実施例で重要な点は、培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の画像を取得し、複数の画像の夫々に含まれる細胞の数、細胞間の距離、あるいは大きさの少なくともひとつの情報を測定し、得られた情報を基に解析を可能とすることである。この解析により、重層化方向の細胞の重層化に関する情報を得ることができる。
解析結果は、データとして記憶部205に記憶させることができる。後にデータ内容を検討すれば、細胞培養プロセスの改良に寄与することができる。また、表示部207に表示することができる。リアルタイムに表示すれば、細胞の状況をモニタできる。また、外部の装置にネットワークを介して送信することにより、遠隔操作も可能となる。あるいは、解析結果が特定の条件を満たす場合、音または映像等により警報を発することもできる。
さらに培養装置の自動化を進めるためには、解析結果に基づいて、自動培養装置の制御部208に指示を行い、フィードバック制御を行うことも望ましい。一方、解析部204の処理は複雑になり、装置は高価になる。他の実施例としては、培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の画像を取得し、複数の画像の夫々に含まれる細胞の数、細胞間の距離、あるいは大きさの少なくともひとつの情報を測定し、その情報を表示装置207に表示するだけでもよい。たとえば、各Z位置に対する細胞密度をプロットし(S703)、そのグラフ(たとえば図6E)等を出力装置207に表示することも有効である。この構成は、より安価な装置構成であるが、オペレータは細胞培養の状態の概略を知ることができる。このような表示はリアルタイムに行ってもよいし、一度データを記憶部205に記憶し、後でチェックしてもよい。
以上のように、本実施例では複数の画像の夫々に含まれる細胞の数を測定し、重層化方向の細胞の分布の状態から、重層化した細胞シートを構成する細胞の状態が異なる複数の層の位置または存在を知ることができる。典型例では、重層化方向の細胞数の分布を、横軸に重層化方向の位置、縦軸に位置における細胞の密度を定義してグラフ化した際に、相対的に大きな傾きを呈する第1の状態と相対的に小さな傾きを呈する第2の状態を観測した場合、第1の状態に対応する重層化方向の位置が細胞の状態が異なる層の境界を示し、第2の状態に対応する重層化方向の位置が細胞の状態が同じ層の位置を示していると判別することができる。
本実施例では、ヒト表皮細胞シートの非侵襲3次元計測と核位置座標による重層化および分化の判定を例に説明する。
実施例2は、実施例1と比較して、使用する装置(図1)と、OCTによる細胞シートの測定および解析フローの概略(図4)と、その際の細胞シートの測定イメージ(図5)と、結果表示画面イメージ(図6)は共通である。一方、重層化または分化を判断する解析(S406)の詳細が異なるため、異なる部分のみ記載する。実施例2においては、実施例1では得られない情報を得ることができる。このため、実施例1で図8のグラフが階段状にならず重層化の判断が困難な場合においても重層化の判定対応が可能であるという利点がある。
図9に重層化または分化を判断する解析(S406)の詳細なフローを示す。
ここでは一例として、取得したすべてのXY像からすべての核を抽出(S405)したのち、解析領域を決定する(S901)。次に解析領域内のすべての核の位置座標を取得し(S902)、すべての核についてそれぞれの隣接細胞との平均距離を算出する(S903)。ここで細胞間の距離は、細胞の核同士の距離を用いるのが望ましい。各細胞は1個の核を有しており、画像上で核はコントラストが異なっているので、画像処理で容易に抽出できる。さらに、隣接細胞間距離に対する細胞数をプロットする(S904)(図6F))。隣接細胞間距離は、ある細胞に対して、その細胞と隣接する複数の細胞それぞれとの距離の平均で求める。最隣接細胞との距離を求め、それと比較して一定以上離れた細胞は隣接細胞として数えない、などの閾値を定義することにより隣接細胞のみを抽出することができる。
図10に、図5に示した細胞シートについての結果例を示す。図10では、横軸に細胞の大きさを、縦軸には当該大きさを有する細胞の数を示している。図10のグラフをみると、細胞膜の中で異なる特性(図10の場合は大きさ)を有する細胞の分布を知ることができる。細胞の個数は、理想的には細胞シートが占める三次元空間中の個数を数えることが望ましい。しかし、Z方向の異なる場所で離散的に取得された、複数のXY平面画像の細胞の数を加算することによって、近似した値を得ることもできる。異なるXY平面画像に同じ細胞が含まれていると重複してカウントすることになるが、後に説明するグラフのピークを判定する場合には大きな問題とはならない。また、細胞のXY座標を用いれば、ダブルカウントを補正することも可能である。
図5において、細胞シートは、0<Z<aが基底層1層、a<Z<bが有棘層2層、b<Z<cが顆粒層1層により構成されている。細胞が正常に重層化および分化している場合、各層において細胞はほぼ隙間なく配列されている。細胞の大きさは層により特にXY方向に異なり、基底層で最も細胞の大きさが小さく、つまり隣接細胞間距離(核同士の距離)が短く、有棘層、顆粒層と上部の層になるほど細胞の大きさが大きく、つまり隣接細胞間距離が長くなる。このため細胞シートが正常に重層化および分化している場合、隣接細胞間距離に対する細胞数(図10)はいくつかのピークを有する。グラフがピーク検出できるかを判別し(S905)、YESの場合重層化、分化を判定する解析(S906)へ進む。
ここから重層化、分化を判定する解析(S906)は以下の通りである。増殖については細胞シートが何層から構成されているのか、を判定する。図10からは、隣接細胞間距離に対する細胞分布グラフのピークの数から、少なくとも3層以上から構成されていることが判別できる。ただし、実際には有棘層のピーク中には2層が含まれており、ピーク数ではこれを識別できない。そのため、細胞間距離から1層に存在しうる細胞数を算出し、それ以上に細胞数が存在しているピークに関しては、ピーク内の総細胞数を1層に存在しうる細胞数で割る。これにより、ピーク内に含まれる層数を算出し、細胞シートの重層化が何層であるか判定する(図6A)。
このとき、表1に示した記憶部205の記憶データを用いてもよい。すなわち、正常な細胞膜が形成されたとき、1層に存在しうる細胞数を実験的に求め、これあらかじめ記憶データに記憶しておく。分析時には、このデータを用いて算出することができる。また、正常な細胞膜が形成されたとき細胞膜が何層になるかを、あらかじめ記憶データに記憶しておき、観測データから算出して求めた総数との比較を行うこともできる。
分化については細胞シートが何種類の層から構成されているか、またどのZ位置における細胞がどの分化の程度の細胞なのか、を判定する。図10の場合、まず細胞密度が3種類の細胞が存在していることがピーク数から判定される。このときどの隣接細胞間距離が何層(基底層、有棘層、顆粒層)に相当するかは、事前に記憶部205に学習させているデータ(表1)との相関から判断する。もしくは隣接細胞間距離の値が最も小さく細胞の大きさが最も小さい部分を基底層とし、そこから隣接細胞間距離が大きくなるごとに有棘層、顆粒層へと分化していると判断してもよい(図6A)。
なお、隣接細胞間距離に対する細胞数(図10)のグラフにおいてピークが検出できない場合もある。その場合には、グラフのピークが検出できるかを判別しNOとなるため(S905)、解析領域を変更する(S901)。変更後の領域は、始めに解析した領域と別の領域であっても、始めに解析した領域の一部であっても、構わない。また、OCTの測定領域が培養面全面ではない場合、初期の測定領域を変更し、S401より再測定しても構わない。
また、細胞の大きさの情報は、正常な分化が行われているかどうかをチェックする指標にもなる。正常な細胞は各層ごとに、その大きさが所定範囲に収まる。したがって、細胞の大きさに関するデータを記憶部205に格納しておき、解析処理(S705)のなかで各細胞層の細胞の大きさを照合することで、細胞層の状態を知ることができる。例えば、細胞の大きさが所定範囲の場合、その細胞は正常に分化した細胞として判定することができる。
なお、上記の例では、重層化または分化を判断する解析(S906)として、記憶部205に学習させているデータ等を用いて、種々の解析(S705)を解析部204で行っている。しかし、実施例1と同様に、隣接細胞間距離に対する細胞数をプロットし、そのグラフ(図10)等を出力装置207に表示するだけでも有効である。この構成は、より安価な装置構成であるが、オペレータは細胞培養の状態の概略を知ることができる。このような表示はリアルタイムに行ってもよいし、一度データを記憶部205に記憶し、後でチェックしてもよい。
以上のように本実施例では、複数の画像の夫々に含まれる細胞の細胞間の距離または細胞の大きさを測定し、細胞間の距離または細胞の大きさの分布から、細胞シートを構成する細胞の状態が異なる複数の層の有無を判別することができる。より具体的には、横軸に細胞間の距離または細胞の大きさ、縦軸に当該細胞間距離または大きさをもつ細胞の数を定義してグラフ化した際に、複数のピークを観測した場合、細胞の状態が異なる複数の層が存在すると判別することができる。
本実施例では、OCT以外(反射型共焦点顕微鏡)による重層化および分化の判定を例に説明する。
測定機器は3次元に高分解能を有する光学機器であればよいため、OCT以外の光学機器を用いてもよい。
図11に反射型共焦点顕微鏡の基本構成を示す。光源1101からの入射光1107が、ビームスプリッタ1102を介し、対物レンズ1103を通して細胞シート1104に照射される。反射光1108が検出系側の対物レンズ1103とピンホール1106を通して検出系1105にて検出される。反射型共焦点顕微鏡の場合、細胞シートからの反射光の情報のうち、焦点位置だけの情報がピンホールを通過して検出系で検出されるため、光学顕微鏡とは異なりZ分解能の高い測定が可能になる。この場合にもイメージングされた核を抽出し、図7または図9の解析フローに沿って解析し、細胞シートの重層化および分化を判定可能である。
図12は、本発明の一部を構成する光計測装置の基本的な実施形態を示す模式図である。この例では、干渉光学系において、生成される干渉光は3つ以上、具体的には4つの例を示す。信号光と参照光の干渉位相が互いに略90度の整数倍だけ異なるように設定されている。また、信号光と参照光の干渉位相が互いに略180度異なる干渉光の対が、電流差動型の光検出器によって検出されるようになっている。
光源1201から出射された単一の波長成分からなるレーザ光はコリメートレンズ1202によって平行光に変換され、光学軸方向を調整可能なλ/2板1203によって偏光を回転させられた後、偏光ビームスプリッタ1204によって信号光と参照光に2分岐される。信号光は光学軸方向が水平方向に対して約22.5に設定されたλ/4板1205を透過して偏光状態をs偏光から円偏光に変換された後、開口数が対物0.4以上のレンズ1206によって集光されつつ測定対象である細胞シート1209に照射される。ここで、対物レンズ1206は制御部1230による制御のもとでレンズアクチュエータ1207によって少なくともz方向へ走査され、これにより対物レンズ1206による光束信号光の集光位置(測定位置)の走査がなされる。測定対象から反射又は散乱されることによって発生された信号光は対物レンズ1206によって平行光に変換され、λ/4板1205によって偏光状態を円偏光からp偏光に変換され、偏光ビームスプリッタ1204へ入射する。
一方、参照光はλ/4板1210を透過し、偏光状態をp偏光から円偏光に変換され、位置が固定のミラー1211に入射し反射された後、偏光状態を円偏光からs偏光へ変換されて偏光ビームスプリッタ1204へ入射する。
信号光と参照光は偏光ビームスプリッタ1204で合波され、合成光が生成される。合成光はハーフビームスプリッタ1213、λ/2板1214、λ/4板1219、集光レンズ1215,1220、ウォラストンプリズム1216,1221から成る干渉光学系212へ導かれる。
干渉光学系1212へ入射した合成光は、ハーフビームスプリッタ1213によって透過光と反射光に2分岐される。透過光は光学軸が水平方向に対して約22.5度に設定されたλ/2板1214を透過した後、集光レンズ1215によって集光され、ウォラストンプリズム1216によって2分岐されることにより互いに位相関係が180度異なる第一の干渉光と第二の干渉光が生成される。第一の干渉光と第二の干渉光は電流差動型の光検出器1217によって検出され、それらの強度の差に比例した信号1218が出力される。
一方、反射光は光学軸が水平方向に対して約45度に設定されたλ/4板1219を透過した後、集光レンズ1220によって集光され、ウォラストンプリズム1221によって2分岐されることにより互いに位相関係が180度異なる第三の干渉光と第四の干渉光が生成される。第三の干渉光と第四の干渉光は電流差動型の光検出器1222によって検出され、それらの強度の差に比例した信号1223が出力される。このようにして生成された信号1218,1223は信号処理部1224に入力され、演算されることにより信号光の振幅に比例した信号が得られる。この信号に基づいて、細胞シート1209の3次元的な情報を得ることができる。
以上のように、本発明の実施例では、重層化方向におけるこれらの細胞の数、細胞間の距離、あるいは大きさの変化を解析することで、細胞の重層化に関する情報を得ることができる。また、重層化方向(深さ方向)におけるこれらの細胞の数、細胞間の距離、あるいは大きさの変化を表示装置に表示し、あるいは記憶装置に記憶することで、オペレータに細胞の重層化に関する情報を知らせることができる。
本発明の実施例では、細胞の数、細胞間の距離や大きさの情報を取得しているが、特定の一つの細胞について計測するのではなく、一つあるいは複数の画像の所定範囲から得られる複数の細胞についてデータを取得している点に注意が必要である。このデータから、重層化方向における細胞の数や密度の分布、あるいは、複数の細胞サンプルのデータにおける、細胞の大きさや細胞間の距離の分布を知ることができる。このように統計的なデータを利用する点が大きな特徴である。
本発明の実施例に説明した自動細胞培養装置では、細胞の3次元的な情報を非侵襲で取得し、これを基に、自動的に警告または指示を、装置あるいはオペレータにフィードバックをすることが可能となる。
本実施例中、ソフトウエアで構成した機能と同等の機能は、ハードウエアでも実現できる。そのような態様も本願発明の範囲に含まれる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
201・・・自動培養装置
202・・・恒温室
203・・・撮像部
204・・・解析部
205・・・記憶部
206・・・コンピュータ
207・・・出力装置
208・・・制御部
209・・・細胞ボトル
210・・・培地ボトル
211・・・廃液ボトル
212・・・培地流路
213・・・廃液流路
214・・・培養容器
301・・・光源
302・・・ビームスプリッタ
303・・・対物レンズ
304・・・参照光ミラー
305・・・検出系
306・・・細胞シート
307・・・信号光
308・・・参照光
309・・・干渉光
1101・・・光源
1102・・・ビームスプリッタ
1103・・・対物レンズ
1104・・・細胞シート
1105・・・検出系
1106・・・ピンホール
1107・・・入射光
1108・・・反射光
1201・・・光源
1202・・・コリメートレンズ
1203・・・λ/2板
1204・・・ビームスプリッタ
1205・・・λ/4板
1206・・・対物レンズ
1207・・・レンズアクチュエータ
1209・・・細胞シート
1210・・・λ/4板
1211・・・ミラー
1212・・・干渉光学系
1213・・・ハーフビームスプリッタ
1214・・・λ/2板
1215・・・集光レンズ
1216・・・ウォラストンプリズム
1217・・・光検出器
1218・・・信号
1219・・・λ/4板
1220・・・集光レンズ
1221・・・ウォラストンプリズム
1222・・・光検出器
1223・・・信号
1224・・・信号処理部

Claims (22)

  1. 培養面に細胞を重層化させて細胞シートを培養する細胞培養装置であって、
    前記細胞シートを前記培養面上において培養することにより形成するものであり、
    光源と、前記培養面上の細胞に前記光源からの光を照射する集光光学系と、前記細胞からの光を検出する検出光学系と、前記検出光学系から取得した情報に基づく非染色の状態の前記細胞の画像を解析する解析部と、を備え、
    前記解析部は、
    前記培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の断面画像を取得し、
    前記複数の断面画像の夫々に含まれる細胞数を計測し、
    前記細胞数に基づいて、少なくとも前記重層化方向の細胞数の分布を解析することにより、前記細胞シートの形成過程における重層化または分化の状態を解析するものであって、
    前記細胞の核を抽出し、前記核の分布に基づいて前記細胞数の分布の解析を行う、細胞培養装置。
  2. 前記解析部は、
    前記重層化方向の細胞数の分布から、前記重層化した細胞シートを構成する複数の層夫々の位置を判別することを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  3. 前記解析部は、
    前記複数の断面画像に含まれる細胞間の距離を算出し、前記細胞間の距離に基づいて、前記重層化した細胞シートを構成する複数の層の夫々の位置を判別することを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  4. 前記判別された複数の層のうち、少なくとも一つの層に含まれる細胞の大きさを算出し、
    前記細胞の大きさが所定値以上の場合、前記少なくとも一つの層に含まれる細胞は分化した細胞として判定することを特徴とする請求項2または3記載の細胞培養装置。
  5. 前記集光光学系は、前記光源からの光を第1の信号光と第1の参照光に分岐する光分岐手段と、前記第1の信号光を前記細胞に集光して照射する対物レンズとを有し、
    前記検出光学系は、前記第1の信号光を前記第1の参照光と合波し、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成する干渉光学系と、前記3つ以上の干渉光を検出し複数の検出信号を電気信号として出力する光検出器とを有することを特徴とする請求項1記載の細胞培養装置。
  6. 前記対物レンズは0.4以上の開口数を有することを特徴とする請求項5記載の細胞培養装置。
  7. 前記干渉光学系において生成される干渉光は4つであり、
    前記第1の信号光と前記第1の参照光の干渉位相が互いに略90度の整数倍だけ異なり、
    前記第1の信号光と前記第1の参照光の干渉位相が互いに略180度異なる干渉光の対が電流差動型の光検出器によって検出される、ことを特徴とする請求項5記載の細胞培養装置。
  8. 前記解析部は、
    前記計測した細胞数に基づいて細胞の密度を算出し、一方の軸に重層化方向の位置を、他方の軸に当該位置における細胞の密度を定義してグラフ化した画像を生成し、
    前記グラフ化した画像を表示装置に表示する請求項1記載の細胞培養装置。
  9. 前記解析部は、
    前記計測した細胞数に基づいて前記複数の画像の夫々に含まれる細胞の細胞間の距離または細胞の大きさを測定し、前記重層化方向の細胞間の距離または大きさの分布を、一方の軸に細胞間の距離または細胞の大きさ、他方の軸に当該細胞間距離または大きさをもつ細胞の数を定義してグラフ化した画像を生成し、
    前記グラフ化した画像を表示装置に表示する請求項1記載の細胞培養装置。
  10. 前記解析部は、
    前記複数の画像の夫々に含まれる細胞の数の情報から、前記重層化方向の細胞の数の分布に関する分析データを生成し、
    前記分析データを表示するか、前記分析データに基づいて警報を発するか、前記分析データに基づいた信号を前記細胞培養装置または他の外部の装置に出力するかの少なくとも一つを行う請求項1記載の細胞培養装置。
  11. 前記解析部は、
    前記複数の画像の夫々に含まれる細胞の数の情報から、前記複数の画像の夫々に含まれる細胞の細胞間の距離または大きさを測定し、前記細胞シートに含まれる細胞の細胞間の距離または細胞の大きさの分布に関する分析データを生成し、
    前記分析データを表示するか、前記分析データに基づいて警報を発するか、前記分析データに基づいた信号を前記細胞培養装置または他の外部の装置に出力するかの少なくとも一つを行う請求項1記載の細胞培養装置。
  12. 培養面に重層化された非染色の状態の細胞シートから非侵襲で光学的に取得した画像を解析する画像解析装置であって、
    前記細胞シートは前記培養面上において培養されることにより形成されるものであり、
    前記培養面からの重層化方向の距離が異なる複数の断面画像を取得する取得部と、
    前記複数の断面画像の夫々に含まれる細胞数を計測する計測部と、
    前記細胞数に基づいて、少なくとも前記重層化方向の細胞数の分布を解析することにより、前記細胞シートの形成過程における重層化または分化の状態を解析する解析部と、を有し、
    前記解析部は、前記細胞の核を抽出し、前記核の分布に基づいて前記細胞数の分布の解析を行う、ことを特徴とする画像解析装置。
  13. 前記解析部は、
    前記重層化方向の細胞数の分布から、前記重層化した細胞シートを構成する複数の層夫々の位置を判別することを特徴とする請求項12記載の画像解析装置。
  14. 前記解析部は、
    前記複数の断面画像に含まれる細胞間の距離を算出し、前記細胞間の距離に基づいて、前記重層化した細胞シートを構成する複数の層の夫々の位置を判別することを特徴とする請求項12記載の画像解析装置。
  15. 前記判別された複数の層のうち、少なくとも一つの層に含まれる細胞の大きさを算出し、
    前記細胞の大きさが所定値以上の場合、前記少なくとも一つの層に含まれる細胞は分化した細胞として判定することを特徴とする請求項13または14記載の画像解析装置。
  16. 光源と、集光光学系と、検出光学系を備え、
    前記集光光学系は、前記光源からの光を第1の信号光と第1の参照光に分岐する光分岐手段と、前記第1の信号光を前記細胞シートに集光して照射する対物レンズとを有し、
    前記検出光学系は、前記第1の信号光を前記第1の参照光と合波し、互いに位相関係が異なる3つ以上の干渉光を生成する干渉光学系と、前記3つ以上の干渉光を検出し複数の検出信号を電気信号として出力する光検出器とを有することを特徴とする請求項12記載の画像解析装置。
  17. 前記対物レンズは0.4以上の開口数を有することを特徴とする請求項16記載の画像解析装置。
  18. 前記干渉光学系において生成される干渉光は4つであり、
    前記第1の信号光と前記第1の参照光の干渉位相が互いに略90度の整数倍だけ異なり、
    前記第1の信号光と前記第1の参照光の干渉位相が互いに略180度異なる干渉光の対が電流差動型の光検出器によって検出される、ことを特徴とする請求項16記載の画像解析装置。
  19. 前記解析部は、
    前記計測した細胞数に基づいて細胞の密度を算出し、一方の軸に重層化方向の位置を、他方の軸に当該位置における細胞の密度を定義してグラフ化した画像を生成し、
    前記グラフ化した画像を表示装置に表示する請求項12記載の画像解析装置。
  20. 前記解析部は、
    前記計測した細胞数に基づいて前記複数の画像の夫々に含まれる細胞の細胞間の距離または細胞の大きさを測定し、前記重層化方向の細胞間の距離または大きさの分布を、一方の軸に細胞間の距離または細胞の大きさ、他方の軸に当該細胞間距離または大きさをもつ細胞の数を定義してグラフ化した画像を生成し、
    前記グラフ化した画像を表示装置に表示する請求項12記載の画像解析装置。
  21. 前記解析部は、
    前記複数の画像の夫々に含まれる細胞の数の情報から、前記重層化方向の細胞の数の分布に関する分析データを生成し、
    前記分析データを表示するか、前記分析データに基づいて警報を発するか、前記分析データに基づいた信号を前記画像解析装置または他の外部の装置に出力するかの少なくとも一つを行う請求項12記載の画像解析装置。
  22. 前記解析部は、
    前記複数の画像の夫々に含まれる細胞の数の情報から、前記複数の画像の夫々に含まれる細胞の細胞間の距離または大きさを測定し、前記細胞シートに含まれる細胞の細胞間の距離または細胞の大きさの分布に関する分析データを生成し、
    前記分析データを表示するか、前記分析データに基づいて警報を発するか、前記分析データに基づいた信号を前記画像解析装置または他の外部の装置に出力するかの少なくとも一つを行う請求項12記載の画像解析装置。
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