JP6338108B2 - 放射線知覚化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、線量率分布を簡便に、直感的、聴覚的、視覚的に把握することができる放射線知覚化装置に関する。
除染現場や放射線施設、放射性廃棄物保管施設等およびその周辺で空間線量率分布を測定する際には、例えば、可搬型線量測定器などが用いられている。
このような可搬型の装置としては、特許文献1(特開2012−242192号公報)には、GM管式サーベイメータが開示されている。
特開2012−242192号公報
従来の可搬型線量測定器で、所定のエリアの線量率分布を連続的に調査するような場合においては、作業員が手持ちの可搬型線量測定器により測定点のスキャンを行い、測定点を一点一点測定記録していく手間が必要となり、時間を要すると共に、労力も多大となってしまう、という問題があった。
このように、従来の可搬型線量測定器を用いると、線量率分布を簡便に、直感的、視覚的に把握することが困難である、という問題があった。
この発明は、上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、環境中の被測定対象物の放射線を検出するシンチレーションファイバーと、前記シンチレーションファイバーで発生した光信号を前記シンチレーションファイバーの一方端側と他方端側で電気信号に変換・増幅する2つの光電子増倍管と、2つの前記光電子増倍管からの信号を電気信号に増幅する2つのプリアンプと、2つの前記プリアンプで増幅された電気信号を時間分解能向上のために信号波形前処理を行う2つの信号波形前処理装置と、2つの前記信号波形前処理装置の一方が直接 他方が時間間隔調整を行うディレイ装置を介して入力され、時間間隔を出力の大小に変換する入力時間差波高変換が行われる時間波高変換機と、前記時間波高変換機からの出力信号を、信号の強度に応じて分別する多重波高分析器と、前記多重波高分析器からの出力信号を聴覚化する聴覚部と、を備えた放射線知覚化装置において、前記聴覚部は、前記シンチレーションファイバーの長手方向と平行な第1方向に配された複数の発音部からなり、さらに、前記多重波高分析器からの出力信号を可視化する表示部と、を備え、前記表示部は、前記シンチレーションファイバーの長手方向と平行な第1方向に配された複数の発光部からなることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の放射線知覚化装置において、検出された放射線の線量率に応じて、前記発音部の音量が制御されることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の放射線知覚化装置において、検出された放射線の線量率に応じて、前記発音部の周波数が制御されることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線知覚化装置において、検出された放射線の線量率に応じて、前記発光部の発光強度が制御されることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線知覚化装置において、検出された放射線の線量率に応じて、前記発光部の色が制御されることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線知覚化装置において、前記表示部は、前記シンチレーションファイバーの長手方向と平行な第1方向と、前記長手方向に対して垂直な第2方向とに、マトリクス状に配された複数の発光部からなる。
また、請求項7に係る発明は、請求項に記載の放射線知覚化装置において、検出された放射線の位置に応じて、前記第1方向に配された前記発光部を発光させるか否かが制御されることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、請求項又は請求項に記載の放射線知覚化装置において、検出された放射線の線量率に応じて、前記第2方向に配された前記発光部を発光させるか否かが制御されることを特徴とする。
本発明に係る放射線知覚化装置は、シンチレーションファイバーの長手方向と平行な第1方向に配された複数の圧電ブザー(発音部)を備えているので、このような本発明に係る放射線知覚化装置によれば、線量率分布を簡便に、直感的、聴覚的に把握することが可能となる。
また、本発明に係る放射線知覚化装置によれば、線量率分布を簡便に、直感的、視覚的に把握することが可能となる。
本発明の実施形態に係る放射線知覚化装置1の概要を説明する図である。 本発明の実施形態に係る放射線知覚化装置1の測定原理を説明する図である。 本発明の実施形態に係る放射線知覚化装置1のシンチレーションファイバー束20と表示部100の関係を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る放射線知覚化装置1の概要を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る放射線知覚化装置1のシンチレーションファイバー束20と表示部100の関係を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る放射線知覚化装置1の概要を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る放射線知覚化装置1のシンチレーションファイバー束20と聴覚部130の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る放射線知覚化装置1の概略のブロック図である。
放射線知覚化装置1は、長手方向に一直線状をなすシンチレーションファイバー束20と、このンチレーションファイバー束20の長手方向に沿って設けられる表示部100を有している。シンチレーションファイバー束20の長手方向を、第1方向と定義する。図1におけるx方向が第1方向である。
シンチレーションファイバー束20は、複数のシンチレーションファイバー10が束ねられてなる。それぞれのシンチレーションファイバー10で伝搬された光は、シンチレーションファイバー束20の両端部に設けられている光電子増倍管30、30’に入射するようになっている。
ここで、シンチレーションファイバー10による放射線測定の原理を説明する。図2は本発明の実施形態に係る放射線知覚化装置1の測定原理を説明する図である。
シンチレーションファイバー10は、図2に示すように、通常の光ファイバーと同様、中心に位置するコア11とそれを取り囲むクラッド12とからなるが、コア11に放射線に反応するプラスチックシンチレータを用いたものである。
発光原理は他のシンチレータと同様であり、放射線による励起作用によりシンチレーション光が発生する。放射線によりコア11で発生した光は、通常の光ファイバーと同様に、コア11とクラッド12の境界での全反射によって、シンチレーションファイバー10自身を光パイプ(ライトガイド)として伝播し、端部に位置する光電子増倍管30、30’に到達して検出される。
図2(A)に示すように、コア11の屈折率n1は、クラッドの屈折率n2よりも大きく設定されており(n1 >n2 )、臨界角θC
θC =sin -1(n2 /n1
に対して、コアからクラッドへの入射角θAが、θA>θCであれば光は境界面で反射し、
コアからクラッドへの入射角θB が、θB<θCであれば光は外部に漏れる。従って、例
えば中心軸上の発光は、コア11とクラッド12による臨界角の円錐(図6(B)で、符号14で示す)内に放出された光のみが全反射を繰り返して伝播し、ファイバーの両端部に設けられている光電子増倍管30、30’に到達することとなる。
上記のようなシンチレーションファイバー10の束であるシンチレーションファイバー束20に沿って設けられている表示部100の詳細について説明する。図3は本発明の実施形態に係る放射線知覚化装置1のシンチレーションファイバー束20と表示部100の関係を示す図である。
図3においては、シンチレーションファイバー束20及び表示部100の一部を拡大して示している。
表示部100は、シンチレーションファイバー束20の長手方向と平行な第1方向(x方向)と直線状に配された複数のLEDユニット115を有している。このようなLEDユニット115は基台110上に設けられており、発光制御部90によって、その発光が制御される。
LEDユニット115としては、(a)単色で発光強度が可変であるもの、又は(b)複数色の表示が可能であるもの、のいずれかを用いることができる。なお、このような表示部100としては、LEDテープを用いることができる。
本実施形態では、第1方向(x方向)にm個のLEDユニット115が配されていることが想定されており、図3では、第1方向(x方向)のn番目のLEDユニット115の様子を示している。なお、LEDユニット115に代えて、他の発光手段を用いても構わない。なお、第1方向(x方向)に配するLEDユニット115の個数はシンチレーションファイバー束20の長さにわたって設けるようすればよく、特に制限があるわけではな
い。
シンチレーションファイバー10が、環境中の被測定対象物の放射線を検出すると、シンチレーションファイバー10を伝搬して、シンチレーションファイバー10の両端に設けられている光電子増倍管30、30’に到達する。
それぞれの光電子増倍管30、30’は、シンチレーションファイバー10で発生した光信号を電気信号に変換・増幅する。プリアンプ40、40’は、光電子増倍管30、30’からの信号を電気信号に増幅する。
CFD50、50’(「信号波形前処理装置」ともいう)は、プリアンプ40、40’で増幅された電気信号を時間分解能向上のために信号波形前処理を行う。
ディレイ装置60は、CFD50、50’からの信号は、スタート信号とストップ信号の時間間隔調整を行う。
TAC70(「時間波高変換機」ともいう)においては、ディレイ装置60からの信号を、時間間隔を出力の大小に変換する入力時間差波高変換が行われる。
また、TAC70(「多重波高分析器」ともいう)からの出力信号を、信号の強度に応じて分別する。
TAC70からは、シンチレーションファイバー10のどの位置に放射線が入射したかに係る検出位置情報と、その放射線の線量がどの程度であるかに係る放射線量率情報が出力され、発光制御部90に入力される。
発光制御部90は、検出された放射線の位置に応じて、第1方向(x方向)に配されたLEDユニット115を発光させるか否かを制御する。すなわち、表示部100において、第1方向(x方向)に配されたLEDユニット115は、シンチレーションファイバー10のどの位置に放射線が入射したかを示すインジケーターとなる。
LEDユニット115として、単色で発光強度が可変であるものが用いられている場合には、発光制御部90は、検出された放射線の線量率に応じて、LEDユニット115の発光強度を制御する。すなわち、検出された放射線の線量率が高ければ高いほど、LEDユニット115の発光強度を強めるようにする。
一方、LEDユニット115として、複数色の表示が可能であるものが用いられている場合には、発光制御部90は、検出された放射線の線量率に応じて、LEDユニット115の色を制御する。例えば、放射線の線量率を低中高の3段階で評価するような場合、低レベルのときにLEDユニット115を「青」で発光させ、中レベルのときにはLEDユニット115を「黄」で発光させ、高レベルのときにはLEDユニット115を「赤」で発光させるような制御を行う。なお、線量率と色の組み合わせ方については、任意である。
このような発光制御部90によるLEDユニット115の発光制御について、図3を参照して説明する。図3のように、シンチレーションファイバー束20中のシンチレーションファイバー10のxn(n=1〜m)の区間に、放射線が入射した場合、本発明に係る
放射線知覚化装置1においては、第1方向(x方向)においてはn番目のLEDユニット115を発光させる。
そして、LEDユニット115として、単色で発光強度が可変であるものが用いられている場合には、n番目のLEDユニット115を、最も低い発光強度で発光させる。
また、LEDユニット115として、複数色の表示が可能であるものが用いられている場合には、先ほどの例で行くと、LEDユニット115を「青」で発光させる。
このように本発明に係る放射線知覚化装置1においては、シンチレーションファイバー束20に沿って設けられる表示部100によって、どの位置が、どの程度の線量率であるかを示すことができる。
以上、本発明に係る放射線知覚化装置1は、シンチレーションファイバー10の長手方向と平行な第1方向に配された複数の発光部(LEDユニット115)を備えているので、このような本発明に係る放射線知覚化装置1によれば、線量率分布を簡便に、直感的、視覚的に把握することが可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図4は本発明の他の実施形態に係る放射線知覚化装置1の概略のブロック図である。
放射線知覚化装置1は、長手方向に一直線状をなすシンチレーションファイバー束20と、このンチレーションファイバー束20の長手方向に沿って設けられる表示部100を有している。シンチレーションファイバー束20の長手方向を、第1方向、また手方向に対して垂直な方向を、第2方向と定義する。図4におけるx方向が第1方向で、y方向が第2方向である。
シンチレーションファイバー束20は、複数のシンチレーションファイバー10が束ねられてなる。それぞれのシンチレーションファイバー10で伝搬された光は、シンチレーションファイバー束20の両端部に設けられている光電子増倍管30、30’に入射するようになっている。
ここで、シンチレーションファイバー10による放射線測定の原理については、先の実施形態と同様である。
上記のようなシンチレーションファイバー10の束であるシンチレーションファイバー束20に沿って設けられている表示部100の詳細について説明する。図5は他の本発明の実施形態に係る放射線知覚化装置1のシンチレーションファイバー束20と表示部100の関係を示す図である。
図5においては、シンチレーションファイバー束20及び表示部100の一部を拡大して示している。
表示部100は、シンチレーションファイバー束20の長手方向と平行な第1方向(x方向)と、前記長手方向(x方向)に対して垂直な第2方向(y方向)とに、マトリクス状に配された複数のLED120を有している。このようなLED120は基台110上に設けられており、発光制御部90によって、その発光が制御される。
本実施形態では、第1方向(x方向)にm個のLED120が、また、第2方向(y方向)に8個のLED120が配されていることが想定されており、図5では、第1方向(x方向)のn番目のLED120の様子を示している。なお、LED120に代えて、他の発光手段を用いても構わない。なお、第1方向(x方向)に配するLED120の個数はシンチレーションファイバー束20の長さにわたって設けるようすればよく、特に制限
があるわけではない。
また、第2方向(y方向)に配するLED120は、線量率の高低を示すものとなるので、第2方向(y方向)に配するLED120の個数は、2個以上であることが好ましい。
シンチレーションファイバー10が、環境中の被測定対象物の放射線を検出すると、シンチレーションファイバー10を伝搬して、シンチレーションファイバー10の両端に設けられている光電子増倍管30、30’に到達する。
それぞれの光電子増倍管30、30’は、シンチレーションファイバー10で発生した光信号を電気信号に変換・増幅する。プリアンプ40、40’は、光電子増倍管30、30’からの信号を電気信号に増幅する。
CFD50、50’(「信号波形前処理装置」ともいう)は、プリアンプ40、40’で増幅された電気信号を時間分解能向上のために信号波形前処理を行う。
ディレイ装置60は、CFD50、50’からの信号は、スタート信号とストップ信号の時間間隔調整を行う。
TAC70(「時間波高変換機」ともいう)においては、ディレイ装置60からの信号を、時間間隔を出力の大小に変換する入力時間差波高変換が行われる。
また、TAC70(「多重波高分析器」ともいう)からの出力信号を、信号の強度に応じて分別する。
TAC70からは、シンチレーションファイバー10のどの位置に放射線が入射したかに係る検出位置情報と、その放射線の線量がどの程度であるかに係る放射線量率情報が出力され、発光制御部90に入力される。
発光制御部90は、検出された放射線の位置に応じて、第1方向(x方向)に配されたLED120を発光させるか否かを制御する。すなわち、表示部100において、第1方向(x方向)に配されたLED120は、シンチレーションファイバー10のどの位置に放射線が入射したかを示すインジケーターとなる。
また、発光制御部90は、検出された放射線の線量率に応じて、第2方向(y方向)に配されたLED120を発光させるか否かを制御する。すなわち、表示部100において、第2方向(y方向))に配されたLED120は、シンチレーションファイバー10にどの程度の線量率の放射線が入射したかを示すインジケーターとなる。本実施形態では、第2方向(y方向)に配されているLED120が8個であるため、8段階の線量率の高低を報知することが可能となる。
このような発光制御部90によるLED120の発光制御について、図5を参照して説明する。図5のように、シンチレーションファイバー束20中のシンチレーションファイバー10のxn(n=1〜m)の区間に、8段階の線量率のうち最も低い線量率の放射線
が入射した場合、本発明に係る放射線知覚化装置1においては、第1方向(x方向)においてはn番目で、第2方向(y方向)においては1個目のLED120が点灯するような発光制御がなされる。
このように本発明に係る放射線知覚化装置1においては、シンチレーションファイバー
束20に沿って設けられる表示部100によって、どの位置が、どの程度の線量率であるかを示すことができる。
以上のような他の実施形態に係る放射線知覚化装置1は、シンチレーションファイバー10の長手方向と平行な第1方向と、前記長手方向に対して垂直な第2方向とに、マトリクス状に配された複数の発光部(LED120)を備えているので、このような他の実施形態に係る放射線知覚化装置1によれば、線量率分布を簡便に、直感的、視覚的に把握することが可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図6は本発明の他の実施形態に係る放射線知覚化装置1の概略のブロック図である。
これまで、説明した第1実施形態と、第2実施形態においては、線量率分布を知覚化する際においては、LEDユニット115などによって視覚化を行うものであった。これに対して、以下で説明する第3実施形態においては、線量率分布を知覚化する際においては、圧電ブザーや、圧電スピーカーといった発音部によって、聴覚化を行うものである。
放射線知覚化装置1は、長手方向に一直線状をなすシンチレーションファイバー束20と、このンチレーションファイバー束20の長手方向に沿って設けられる聴覚部130を有している。シンチレーションファイバー束20の長手方向を、第1方向と定義する。図6におけるx方向が第1方向である。
シンチレーションファイバー束20は、複数のシンチレーションファイバー10が束ねられてなる。それぞれのシンチレーションファイバー10で伝搬された光は、シンチレーションファイバー束20の両端部に設けられている光電子増倍管30、30’に入射するようになっている。
ここで、シンチレーションファイバー10による放射線測定の原理については、先の実施形態と同様である。
上記のようなシンチレーションファイバー10の束であるシンチレーションファイバー束20に沿って設けられている聴覚部130の詳細について説明する。図7は本発明の実施形態に係る放射線知覚化装置1のシンチレーションファイバー束20と聴覚部130の関係を示す図である。
図7においては、シンチレーションファイバー束20及び聴覚部130の一部を拡大して示している。
聴覚部130は、シンチレーションファイバー束20の長手方向と平行な第1方向(x方向)と直線状に配された複数の圧電ブザー150を有している。このような圧電ブザー150は基台140上に設けられており、発音制御部95によって、その発音が制御される。
なお、本実施形態においては、発音部として、圧電ブザー150が用いられているが、その他圧電ブザーなど、任意の発音体を用いることができる。
本実施形態では、第1方向(x方向)にm個の圧電ブザー150が配されていることが想定されており、図7では、第1方向(x方向)のn番目の圧電ブザー150の様子を示している。なお、第1方向(x方向)に配する圧電ブザー150の個数はシンチレーションファイバー束20の長さにわたって設けるようすればよく、特に制限があるわけではな
い。
シンチレーションファイバー10が、環境中の被測定対象物の放射線を検出すると、シンチレーションファイバー10を伝搬して、シンチレーションファイバー10の両端に設けられている光電子増倍管30、30’に到達する。
それぞれの光電子増倍管30、30’は、シンチレーションファイバー10で発生した光信号を電気信号に変換・増幅する。プリアンプ40、40’は、光電子増倍管30、30’からの信号を電気信号に増幅する。
CFD50、50’(「信号波形前処理装置」ともいう)は、プリアンプ40、40’で増幅された電気信号を時間分解能向上のために信号波形前処理を行う。
ディレイ装置60は、CFD50、50’からの信号は、スタート信号とストップ信号の時間間隔調整を行う。
TAC70(「時間波高変換機」ともいう)においては、ディレイ装置60からの信号を、時間間隔を出力の大小に変換する入力時間差波高変換が行われる。
また、TAC70(「多重波高分析器」ともいう)からの出力信号を、信号の強度に応じて分別する。
TAC70からは、シンチレーションファイバー10のどの位置に放射線が入射したかに係る検出位置情報と、その放射線の線量がどの程度であるかに係る放射線量率情報が出力され、発音制御部95に入力される。
発音制御部95は、検出された放射線の位置に応じて、第1方向(x方向)に配された圧電ブザー150を発音させるか否かを制御する。すなわち、聴覚部130において、第1方向(x方向)に配された圧電ブザー150は、シンチレーションファイバー10のどの位置に放射線が入射したかを示す報知手段となる。
また、発音制御部95は、検出された放射線の線量率に応じて、圧電ブザー150の音量を制御することもできる。すなわち、検出された放射線の線量率が高ければ高いほど、圧電ブザー150の音量を大きくする。
また、発音制御部95は、検出された放射線の線量率に応じて、圧電ブザー150の周波数を制御することもできる。例えば、検出された放射線の線量率が高ければ高いほど、圧電ブザー150の周波数を高くする。
このような発音制御部95による圧電ブザー150の発音制御について、図7を参照して説明する。図7のように、シンチレーションファイバー束20中のシンチレーションファイバー10のxn(n=1〜m)の区間に、放射線が入射した場合、本発明に係る放射
線知覚化装置1においては、第1方向(x方向)においてはn番目の圧電ブザー150を発音させる。
また、発音制御部95で圧電ブザー150の音量を制御するモードが設定されている場合には、発音制御部95は放射線の線量率に応じて、n番目の圧電ブザー150の音量を制御する。
また、発音制御部95で圧電ブザー150の周波数を制御するモードが設定されている
場合には、発音制御部95は放射線の線量率に応じて、n番目の圧電ブザー150の周波数を制御する。
このように本発明に係る放射線知覚化装置1においては、シンチレーションファイバー束20に沿って設けられる聴覚部130によって、どの位置が、どの程度の線量率であるかを示すことができる。
以上、本発明に係る放射線知覚化装置1は、シンチレーションファイバー10の長手方向と平行な第1方向に配された複数の発音部(圧電ブザー150)を備えているので、このような本発明に係る放射線知覚化装置1によれば、線量率分布を簡便に、直感的、聴覚的に把握することが可能となる。
また、本発明に係る放射線知覚化装置1によれば、ライン上の線量率分布を測定位置その場の警報を鳴らすことにより、線量率の強弱が誰にでも瞬時に聴覚的に確認でき、安全確保と危険告知を周囲の作業員に容易伝えることができる。また、除染等のモニタリングでも瞬時に場所の特定が可能となり、除染必要箇所の迅速で正確な発見ができる。ディスプレイでの線量率位置分布の確認や測定位置での対象場所を確認するといった間接的な手間がなくなり、場所特定の煩雑さや間違いが格段に減る。
特に、事故由来廃棄物の処理処分施設およびその保管施設は、可動中において搬入搬出仕分けなどにより、時々刻々と線量率分布が変動する。そのため、敷地境界、放射線管理区域境界、管理区域内の立ち入り禁止区域境界等、多くの地点で線量率の常時監視が必要であり、作業現場にいる作業員がその場の線量率を瞬時に把握することは、労働安全及び環境安全の管理に非常に有効となる。
なお、本明細書においては、第1乃至第3実施形態に係る放射線知覚化装置1をそれぞれ独立的に説明してきたが、例えば、線量率分布を視覚化するためにLEDユニット115を用いた第1実施形態と、線量率分布を聴覚化するために圧電ブザー150を用いた第3実施形態と、を組み合わせた実施形態により、線量率分布を視覚化、聴覚化することも可能である。
このように、第1乃至第3実施形態に係る放射線知覚化装置1は、適宜任意に組み合わせて一つの実施形態とすることが可能であり、このような組み合わせによって派生する放射線知覚化装置1についても本発明の範疇の中に存するものである。
第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせた実施形態と、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせた実施形態とは、視覚的な報知手段と聴覚的な報知手段との双方が併用される実施形態であり、本発明に係る放射線知覚装置1として好ましい。
1・・・放射線知覚化装置
10・・・シンチレーションファイバー
11・・・コア
12・・・クラッド
14・・・円錐
20・・・シンチレーションファイバー束
30、30’・・・光電子増倍管
40、40’・・・プリアンプ
50、50’・・・CFD(信号波形前処理装置)
60・・・ディレイ装置
70・・・TAC(時間波高変換機)
80・・・MCA(多重波高分析器)
90・・・発光制御部
95・・・発音制御部
100・・・表示部
110・・・基台
115・・・LED(発光ダイオード)ユニット
120・・・LED(発光ダイオード)
130・・・聴覚部
140・・・基台
150・・・圧電ブザー(発音部)

Claims (8)

  1. 環境中の被測定対象物の放射線を検出するシンチレーションファイバーと、
    前記シンチレーションファイバーで発生した光信号を前記シンチレーションファイバーの一方端側と他方端側で電気信号に変換・増幅する2つの光電子増倍管と、
    2つの前記光電子増倍管からの信号を電気信号に増幅する2つのプリアンプと、
    2つの前記プリアンプで増幅された電気信号を時間分解能向上のために信号波形前処理を行う2つの信号波形前処理装置と、
    2つの前記信号波形前処理装置の一方が直接 他方が時間間隔調整を行うディレイ装置を介して入力され、時間間隔を出力の大小に変換する入力時間差波高変換が行われる時間波高変換機と、
    前記時間波高変換機からの出力信号を、信号の強度に応じて分別する多重波高分析器と、
    前記多重波高分析器からの出力信号を聴覚化する聴覚部と、を備えた放射線知覚化装置において、
    前記聴覚部は、前記シンチレーションファイバーの長手方向と平行な第1方向に配された複数の発音部からなり、
    さらに、前記多重波高分析器からの出力信号を可視化する表示部と、を備え、
    前記表示部は、前記シンチレーションファイバーの長手方向と平行な第1方向に配された複数の発光部からなることを特徴とする放射線知覚化装置。
  2. 検出された放射線の線量率に応じて、前記発音部の音量が制御されることを特徴とする請求項1に記載の放射線知覚化装置。
  3. 検出された放射線の線量率に応じて、前記発音部の周波数が制御されることを特徴とする請求項1に記載の放射線知覚化装置。
  4. 検出された放射線の線量率に応じて、前記発光部の発光強度が制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線知覚化装置。
  5. 検出された放射線の線量率に応じて、前記発光部の色が制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線知覚化装置。
  6. 前記表示部は、前記シンチレーションファイバーの長手方向と平行な第1方向と、前記長手方向に対して垂直な第2方向とに、マトリクス状に配された複数の発光部からなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線知覚化装置。
  7. 検出された放射線の位置に応じて、前記第1方向に配された前記発光部を発光させるか否かが制御されることを特徴とする請求項に記載の放射線知覚化装置。
  8. 検出された放射線の線量率に応じて、前記第2方向に配された前記発光部を発光させるか否かが制御されることを特徴とする請求項又は請求項に記載の放射線知覚化装置。
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