JP6337702B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、スイッチング動作を行うトレンチゲート型の半導体装置の構造に関する。また、その製造方法に関する。
大電流のスイッチング動作を行うスイッチング素子(パワー半導体素子)として、パワーMOSFETや絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)等が使用されている。こうしたスイッチング素子においては、半導体基板に形成された溝(トレンチ)中に酸化膜及びゲート電極を形成したトレンチゲート型のものが用いられる。
図8は、こうしたトレンチゲート型のパワーMOSFET(半導体装置110)の構成の一例を示す断面図である。図8において、この半導体基板80においては、ドレイン層となるn層81の上に、n層82、p層83が順次形成されている。半導体基板80の表面側には、p層83を貫通する溝(トレンチ)85が形成されている。溝85は、図8における紙面と垂直方向に延伸して平行に複数(図示された範囲では4つ)形成されている。各々の溝85の内面には酸化膜86が一様に形成された上で、ゲート電極87が溝85を埋め込むように形成されている。
また、半導体基板80の表面側においては、溝85の両側に、ソース領域となるn層88が形成されている。半導体基板80の表面には、ソース電極89が形成されている。一方、半導体基板80の裏面全面には、n層(ドレイン層)81と接触してドレイン電極90が形成されている。一方、半導体基板80の表面側においては層間絶縁層91が溝85を覆うように形成されているため、ソース電極89は、n層88とp層83の両方に接触し、ゲート電極87とは絶縁される。図8に示された範囲外の表面側において、例えば溝85の延伸方向(紙面垂直方向)の端部側で全てのゲート電極87は接続され、共通のゲート配線に接続される。また、 図8に示された範囲内ではソース電極89は表面全面に形成されているが、表面側では、このゲート配線とソース電極89とは分離して形成される。このため、各溝85毎に、ゲート配線(ゲート電極87)に印加された電圧によって溝85の側面におけるp層83でチャネルが形成され、n層82とn層88の間でn型のMOSFETとして動作し、このMOSFETがオンとされる。すなわち、ゲート電極87に印加する電圧によって、ソース電極(第1の主電極)89とドレイン電極90との間の電流のスイッチング制御をすることができる。各溝85毎に形成されたMOSFETは全て並列に接続されているために、ソース電極89・ドレイン電極90間に大電流を流すことができる。
なお、図8はパワーMOSFETの構造を示しているが、IGBTの場合においても同様の構造を適用することができる。この場合、例えば、n層81をp層、ソース電極89をエミッタ電極、ドレイン電極90をコレクタ電極に置換した構造とすることができる。
このパワーMOSFETを高速で動作させるには、帰還容量Crss、入力容量Ciss、出力容量Cossを小さくする必要がある。図8の構造においては、帰還容量Crssはゲート電極87・ドレイン電極90間の容量となり、入力容量Cissは、ゲート電極87・ソース電極89間の容量と帰還容量Crssとの和となる。ここで、図8の構造においては、トレンチ85底部の酸化膜86を介した容量が存在するため、ゲート電極87・ドレイン電極90間の容量Crssを小さくすることが困難である。酸化膜86を厚くすることによってCrssを小さくすることができることは明らかであるが、動作速度以外のMOSFETの特性も酸化膜86の厚さに大きく依存するため、酸化膜86の厚さは、通常は動作速度以外において所望の特性が得られるように設定される。このため、層間絶縁層91とは異なり、酸化膜86は、半導体層(p層83等)との間の界面特性が特に良好となる熱酸化によって薄く形成される。この場合、Crssを低減することは困難である。
こうした問題を解決するために、特許文献1においては、溝85底部においてのみ酸化
膜86を特に厚くする構造が記載されている。
この構造によれば、帰還容量Crssを小さくすることができる。一方、この構造では、MOSFETにおけるチャネルが形成される部分である溝85の側面におけるp層83上(側面)の酸化膜86を薄くされるため、動作速度以外においても良好な特性のパワーMOSFETを得ることができる。
特開2003−158268号公報
特許文献1に記載の技術において、ゲート電極87とその下の酸化膜86が厚くなるために、この部分の容量を小さくすることができる。一方、オフ時においてドレイン電極90に高電圧が印加された場合には、溝85の底面側のn層82には空乏層が形成される。酸化膜86が厚い場合には、この空乏層の幅は狭くなる。空乏層の幅が狭い場合には、空乏層内の電界強度が高まるために、耐圧が低下する。このため、高速動作と耐圧の向上を両立することは困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の半導体装置は、
半導体基板の表面側において溝が形成され、当該溝の内面に形成された酸化膜と接するゲート電極が設けられ、前記半導体基板の表面側に形成された第1の主電極と前記半導体基板の裏面側に形成された第2の主電極との間に流れる動作電流が前記ゲート電極に印加された電圧によってスイッチング制御される半導体装置であって、
前記ゲート電極は前記溝の両側面に形成され、
前記ゲート電極の下端部の位置は前記溝の側壁側に比べて前記溝の中央側で高く、
前記ゲート電極の下端部は前記溝の側壁側から前記溝の中央側に向かう傾斜面を形成し、
前記溝の底面上の前記ゲート電極が形成されない領域に、前記ゲート電極と絶縁し、前記第1の主電極と電気的に接続された底面電極を具備し、
前記底面電極の側面は、前記ゲート電極の傾斜面と対向し、
前記底面電極の上面の幅は前記底面電極の下面の幅よりも小さいことを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、高速動作と耐圧の向上を両立することができる。
本発明の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。 参考例となる半導体装置(a)と本発明の実施の形態に係る半導体装置(b)における溝の底面近傍に形成される空乏層の形態を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第1の変形例の断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の第2の変形例の断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置におけるゲート電極の下端部の形状を拡大して示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る半導体装置において、チャネルが形成される半導体層中の不純物の面内分布を模式的に示す図である。 従来のトレンチゲート型の半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態となる半導体装置について説明する。この半導体装置は、ゲート電圧によってチャネルのオン・オフが制御されて電流のスイッチング制御がなされるトレンチゲート型のIGBTである。ゲート電極は、半導体基板の表面に平行に形成された複数の溝(トレンチ)中に形成され、各ゲート電極は並列に接続される。各ゲート電極は、溝の中の表面に酸化膜が形成された上で、溝の内部に形成される。
図1は、この半導体装置(IGBT)10の構造を示す断面図である。この半導体装置10は、シリコンで構成された半導体基板20中に形成された溝(トレンチ)中にゲート電極が形成された構成を具備するトレンチゲート型の素子である。図1において、この半導体基板20においては、コレクタ層となるp層21の上に、n層22、p層23が順次形成されている。半導体基板20の表面側には、p層23を貫通する溝(トレンチ)24が形成されている。溝24は、図1における紙面と垂直方向に延伸して並行に複数形成されており、図1においてはそのうちの一つが示されている。
半導体基板20の表面側においては、溝24の両側に、n層25が形成されている。溝24の内面(側面及び底面)には酸化膜26が形成されている。酸化膜26は、溝24から離れた半導体基板20の表面においては除去されている。この半導体装置10においては、特に溝24内の構造が図8に示された半導体装置110と異なっている。
まず、ゲート電極27は、溝24の左右の側壁部に沿ってそれぞれ設けられており、溝24の底面で左右に分離されて形成されている。ただし、左右のゲート電極27の各々は図示の範囲外(例えば溝24の長手方向の端部)で接続されている。ゲート電極27は、例えば高濃度にドープされた導電性の多結晶シリコンで構成される。
一方、溝25の底面においては、上面からみた場合には、左右のゲート電極27の間において、左右のゲート電極27と分離(絶縁)された底面電極28が形成されている。溝24の底面においても酸化膜26は形成されているため、底面電極28はその下のn層22とも絶縁される。この状態で、左右のゲート電極27を覆い、かつ底面電極28とその両側のゲート電極27とを分離するように、層間絶縁層29が溝24内に形成されている。
この状態で、半導体基板20の表面を覆うように、エミッタ電極(第1の主電極)30が形成されている。上記の構成により、エミッタ電極30は、図8の構成の半導体装置110におけるソース電極89と同様に半導体基板20の表面においてp層23、n層25と接続されると共に、層間絶縁層30中に設けられた貫通孔によって、溝24の底面における底面電極28とも接続される。層間絶縁層29により、エミッタ電極30とゲート電極27とは絶縁される。一方、半導体基板20の裏面全面には、p層(コレクタ層)21と電気的に接続されるコレクタ電極(第2の主電極)31が形成されている。
図8の半導体装置110と同様に、全てのゲート電極27は、表面側において、溝24の延伸方向端部側で共通のゲート配線と接続される。ゲート電極27に印加された電圧によって、溝24の側面のp−層23におけるチャネルの有無を制御することができる。これによって、エミッタ電極(第1の主電極)30、コレクタ電極(第2の主電極)31、ゲート配線(ゲート電極28)の電位を各々制御し、ゲート配線に印加した電圧によってエミッタ電極31、コレクタ電極32間の電流のスイッチング制御をすることができる。この動作は通常のIGBTと同様である。
この構造においては、ゲート電極27が溝24の底面側に形成されず、両側に分断され、底面電極28がエミッタ電極30と同電位(接地電位)とされるために、ゲート電極27・コレクタ電極31間の容量Cres(帰還容量)が低減される。ただし、底面電極28を設けた場合、底面電極28と溝24の底面との間の容量によって、エミッタ電極30・コレクタ電極31間の容量が発生し、これによって、出力容量Coes(パワーMOSFETにおいてはCoss)が増大するおそれがある。しかしながら、上記の構成においては、エミッタ電極30・コレクタ電極31間の容量も低減されるため、出力容量Coesも低下させることができる。
また、一般的なトレンチゲート型の素子においては、溝24の幅が広い場合(例えば幅が1〜20μmの場合)、溝24の底部側における空乏層が広がりにくくなるために、この部分でオフ時の耐圧が低くなり、この部分で素子全体の耐圧が低下する場合が多い。これに対して、上記のように左右のゲート電極27の間に底面電極28を設けることによって、溝24の幅が広い場合でも、溝24の底部側における空乏層が良好に広がるために、耐圧を向上させることが可能である。
ここで、図1の構造においては、酸化膜26は、ゲート電極27が形成された側面では一様に薄く、溝24の底面中央側で厚く形成されている。このため、底面電極28とn層22(コレクタ電極31側)との間の容量を大きく低下させ、エミッタ電極30・コレクタ電極31間の容量を低下させることができる。
一方、前記の通り、オフ時にコレクタ電極31に高電圧が印加されると、溝24の底部側には空乏層が広がる。この空乏層に対しては、ゲート電極27、底面電極28の両方が影響を与え、これらの電極の下の酸化膜26が薄い場合にはこの空乏層の図1における上下方向の幅は厚くなり、酸化膜26が厚い場合には、この幅は狭くなる。このため、酸化膜26を溝24の底面中央で厚くすることによってCrssを低下させることができる一方、この部分直下に形成される空乏層の幅は狭くなる。このため、この部分における耐圧が低下し、IGBTのオフ時の耐圧がこの部分で制限され低下する場合がある。
これに対して、溝24の底面において、酸化膜26は中央部で厚いが、その両側では、左右の側面と同等に薄くされている。更に、ゲート電極27は、この底部で酸化膜26が薄くされた箇所まで形成されている。このため、ゲート電極27と溝24の底面との間の酸化膜26は薄くなるために、この直下の空乏層は厚くなる。
この構造による作用について、図2に説明する。図2(a)は、溝24底面の酸化膜26の厚さが一様にDである場合(参考例)における空乏層端部Lの形状を模式的に示す。この場合には空乏層端部Lは略平坦な形状となる。また、空乏層幅(空乏層端部Lの酸化膜26(n層22上端部)からの距離)Xは、酸化膜26の厚さDに応じて定まり、Dが大きな場合にはXは小さくなる。Xが小さい場合には空乏層内部の電界強度が高まるために、エミッタ・コレクタ間の耐圧が低下する。このため、この観点からはDを小さくすることが好ましい。しかしながら、Dを小さくした場合には、底面電極28とn層22との間の容量が大きくなり、エミッタ電極30・コレクタ電極31間の容量を低減することが困難である。
これに対して、図2(b)は、図1の構成を用いた場合の空乏層端部Lの形状を示す。溝25中央における酸化膜26の厚さは前記と同じDとし、両端部側ではこれよりも薄くなっている。このため、ゲート電極27の直下では空乏層端部Lは図2(a)よりも下側になり、空乏層幅が厚くなる。空乏層端部Lはこれに応じた連続的な形状となり、溝24の中央部における空乏層端部Lもその両端部に引きずられるために、溝24の中央部における空乏層幅Xを、前記のXよりも大きくすることができる。耐圧を図2(a)の構成よりも高めることができる。一方、底面電極28と溝24底部との間の間隔(酸化膜26の膜厚)はDと大きく保たれるために、エミッタ電極30・コレクタ電極31間の容量、あるいは出力容量Coesは低減される。
以下に、この半導体装置10の製造方法について具体的に説明する。図3(a)〜(h)は、この半導体装置10の製造工程を示す工程断面図である。ここでは、一つの溝24に関わる構造のみについて示す。
まず、図3(a)に示されるように、シリコンで構成されたp層21の上に、同じくシリコンで構成されたn層22、p層23がエピタキシャル成長によって順次形成された半導体基板20における溝24が形成されるべき箇所の表面(p層23中)に、溝24よりも広い幅とされたn層25をイオン注入によって形成する。n層22、p層23における導電型、不純物濃度は、これらの成長時における不純物添加によって調整される。
次に、図3(b)に示されるように、n層25が形成された領域中に溝24を形成する。溝24は、例えばフォトレジストをマスクとして半導体基板20をドライエッチングすることによって形成することができる。溝24は、p層23を貫通し、n層22に達する深さとされる。
次に、図3(b)の構造を熱酸化することによって、図3(c)に示されるように、溝24内を含む半導体基板20の表面全体にゲート酸化膜261(酸化膜26)を形成する。ゲート酸化膜261は、溝25が形成された半導体基板20の表面に薄く形成される。この厚さは、IGBTの閾値電圧等の諸特性に応じて適宜設定され、通常は100nm以下とされる。ゲート酸化膜261は、SiOを主成分とする熱酸化膜である。ゲート酸化膜261の形成には、熱酸化時における酸素の供給が大きく影響を与える。このため、ゲート酸化膜261を一様な厚さで溝24内に形成するためには、酸素が一様に安定して供給されることが必要である。溝24の幅が狭い場合にはこの場合に酸素を一様に供給することが困難であるのに対して、溝24の幅が広ければ、酸素を一様に供給し、ゲート酸化膜261の厚さを一様にすることが容易である。
次に、図3(c)の構造とされたウェハに対して、CVD法等によって、ゲート酸化膜261と同様の成分(SiO)で構成された追加酸化膜262(酸化膜26)をゲート酸化膜261よりも厚く形成する。この際、コンフォーマルに成膜が行われず、異方性のある成膜が行われる成膜条件を用いることにより、溝24の側壁や底面における側壁近傍には追加酸化膜262がほとんど形成されず、溝24の底面で盛り上がった形状に第1追加酸化膜262を形成することができる。これにより、図3(d)に示されるように、溝24の底面中央で酸化膜26は厚くなる。
次に、導電性をもつように高濃度にドーピングされた多結晶シリコン(ゲート電極材料)をCVD法によって表面全面に成膜する。この際には、前記の追加酸化膜262とは異なり、コンフォーマルに成膜が行われ、溝24の底面、側面にも一様に多結晶シリコンが成膜されるような成膜条件が用いられる。その後、フォトレジストをマスクとしてこの多結晶シリコン層をドライエッチングすることによって、図3(e)に示されるように、溝24の中央部、側壁にそれぞれ導電性の多結晶シリコンで構成された底面電極28、ゲート電極27を分離して形成することができる。
その後、図3(f)に示されるように、CVD法によって追加酸化膜262と同様のSiOで構成された層間絶縁層29を成膜する。ただし、追加酸化膜262とは異なり、ここでは、コンフォーマルに成膜が行われ、一様に追加酸化膜262が成膜されるような成膜条件が用いられる。層間絶縁層29は、ゲート電極27とこの上に形成されるエミッタ電極30との間の絶縁性(耐圧)が充分となるように厚く形成される。
次に、図3(g)に示されるように、n層25とp層23の表面が少なくとも部分的に露出するように層間絶縁層29、酸化膜26がパターニングされる。また、溝24中においては、底面電極29の一部も露出するようにパターニングされる。
その後、図3(h)に示されるように、表面にエミッタ電極30、裏面にコレクタ電極31を形成することにより、図1の半導体装置10が製造される。なお、図3(h)に示された領域においては表面全面にエミッタ電極30が形成されているが、実際には、コレクタ電極31とは異なり、エミッタ電極30は半導体装置10の表面全面には形成されない。実際には溝24は図33における紙面と垂直方向に延伸しており、その端部においてゲート電極27は、コレクタ電極30と接さないように表面側において引き出されるようにパターニングされる。これによって、ゲート電極27、エミッタ電極30、コレクタ電極31のそれぞれが電極端子として機能する。
上記と同様に、底面電極28下の酸化膜26を厚く、その両側のゲート電極27下の酸化膜26を薄くする構成の他の二例として、図4、5にその断面を示す構造がある。
図4の構造においては、酸化膜26は溝24内の側面よりも底面角部で薄くされているために、酸化膜26がゲート電極27の下で特に薄く、底面電極28の下で厚くなるために、上記と同様の効果を得ることができる。酸化膜26のこうした形状は、図3(d)に示された追加酸化膜262の成膜条件を調整することによって、実現することができる。図3(d)の場合には、追加酸化膜262が溝24の側壁にはほとんど形成されない条件で成膜が行われたのに対し、この場合には、追加酸化膜262は溝24の側壁にも形成されるために、チャネルの形成に寄与するp層23の側壁に形成される酸化膜26は厚くなる。
図5の構造は、溝24の底部の酸化膜26を図3(d)に示された場合と同様に厚く形成した後に、溝24の底部の両側の酸化膜26をドライエッチングによって薄く加工することによって得られる。この場合には、ドライエッチング深さ(ドライエッチング時間)を調整することによって、ゲート電極27直下の酸化膜26の厚さを調整することができる。ドライエッチングによって掘り下げられた部分の幅は、ドライエッチングの際のマスクパターンによって調整することができる。
この他にも、追加酸化膜262の成膜条件や酸化膜26のドライエッチング条件等を調整することによって、帰還容量や出力容量を低減し、かつ溝24直下の空乏層幅を広くすることによって耐圧を高めることができる。
図6は、図1の構成における右側のゲート電極27の下側の構造を拡大して示す図である。この構造においては、溝24の底面に形成された酸化膜26の断面形状が図1に示された通りとなっているために、ゲート電極27の下端部は鋭角的な形状となる。これによって、図6中のゲート電極27の右側下端部直下の酸化膜26を局所的に薄くすることができ、溝24直下の空乏層幅を大きくすることができる一方で、ゲート電極27と溝24底部との間の容量を低減させ、帰還容量を低減することができる。また、溝24の中央部側(図6における左側)で底面の酸化膜26が厚くされたために、底面電極28と溝24の底部との間の容量も小さくし、出力容量も低減することができる。この点については、図4の構造も同様である。こうした効果を得るためには、図1、4の構成においては、ゲート電極27の底面と水平方向のなす角度θを5〜85°の範囲とすることが好ましい。ゲート電極27の底面の形状は、溝24中の酸化膜26の形状を反映する。このため、こうした形状で酸化膜26を形成することによって、こうした形状のゲート電極27を形成することができる。
また、図1等に示されるように、ゲート電極27は、酸化膜26と層間絶縁層29の間に挟まれた形態とされる。この際に、ゲート電極27の下端部をこうした鋭角形状とすることにより、酸化膜26と層間絶縁層29の間において、溝24の側面においてのみ形成されたゲート電極27を特に安定して支持することができる。このため、高い信頼性を得ることもできる。
また、図1等の構造においては、IGBTやパワーMOSFETの閾値電圧等に対しても、酸化膜26は大きな影響を及ぼす。閾値電圧に対しては、チャネルが形成されるp層23とゲート電極27の間の酸化膜26の膜厚とp層23におけるドーピング濃度が影響を及ぼすことは周知である。ここで、p層23のドーピング濃度に対しても、酸化膜26は影響を与える。図7は、この点について説明する模式図である。図7上側には、溝24における右側のゲート電極27周囲の構造が示されている。図7下側においては、p層23中のドーピング濃度の水平方向の分布(面内分布)が模式的に示されている。
ここで、p層23には、アクセプタとなるホウ素(B)が添加されているものとする。p層23、n層22は、p層21の上にエピタキシャル成長によって形成されているために、各層内の不純物は、エピタキシャル成長時に導入され、少なくとも面内方向では不純物分布(アクセプタ濃度分布)は一様となる。しかしながら、熱酸化で形成されたゲート酸化膜261は、この分布に影響を及ぼす。具体的には、図3(c)の熱酸化時にBは熱酸化膜(ゲート酸化膜261)中に取り込まれやすくなるために、ゲート酸化膜261が形成された箇所のp層23中のB濃度は低下する。このため、p層23におけるB濃度の面内分布は、図7下側に示されるように、溝24側に向かって低くなる。これによって、閾値電圧は、p層23の形成時に導入されたB濃度で定まる値よりも低下する。このため、p層23の形成時におけるB添加量だけでなく、ゲート酸化膜261の形成条件や膜厚設定によっても閾値電圧を制御することができる。
ここで、前記の通り、溝24の幅が広い場合には、熱酸化膜の形成を特に一様に行うことができる。このため、この場合の閾値電圧の制御も高精度で行うことができる。あるいは、図3(c)に示されるように熱酸化によって熱酸化膜を一端形成した後に、これをウェットエッチングで除去し、再度熱酸化を行うことによって熱酸化膜を再度形成するという工程(犠牲酸化工程)を適宜繰り返し、最後に形成させ残存させた熱酸化膜をゲート酸化膜261とすることによって、閾値電圧を所望の値に制御することもできる。この際、熱酸化膜の除去は、全面にわたり、あるいは部分的に行うこともできる。幅の狭い溝24が用いられた場合には、熱酸化膜を制御性よく一様に形成することが困難であるためにこうした制御を高精度で行うことは困難であったのに対し、底面電極28を内部に具備する幅の広い溝24が用いられる場合には、こうした製造方法を行うことによって、p層23が形成された後でも、こうした閾値電圧の調整を行うことができる。
こうした閾値電圧の調整は、ゲート電極27を形成する前にゲート電極27が形成されるべき箇所にイオン注入等を行うことによっても行うことが可能である。しかしながら、トレンチゲート型の素子における溝24の側面に一様に高精度でイオン注入を行うことは容易ではない。これに対して、上記の方法によれば、高精度で閾値電圧の調整を行うことができる。すなわち、幅の広い溝25が用いられたトレンチ型の素子においては、上記の工程によって、閾値電圧の制御を高精度で行うことができる。
また、図9に示す第2の実施形態について、以下のように説明する。第2の実施形態の半導体装置と前述の実施形態との違いは、溝24の底面における酸化膜26の厚みが溝24の底面の中央側から溝24の底面の両側面側に至るまでほぼ同じであり、その上の底面電極28の下面の高さがゲート電極27の下端部の高さがほぼ同じである点、ゲート電極27の下端部とゲート電極27の間に層間絶縁膜29が入っている点、エミッタ電極30が溝24内を延伸して底面電極28と接続していない点が異なる。
第2の実施形態の半導体装置10は、ゲート電極27の下端部が鋭角的な形状となっている。これにより、前述の実施形態と同様に、ゲート電極27の下端部が鋭角的な形状となっているので、溝25の中央側におけるゲート電極27の下端部とn層22の距離が長くなり、その分だけゲート電極27と溝24底部の下のn層22との間の容量を低減させ、帰還容量を低減することができる。
さらに、ゲート電極27の下端部と溝24の間に酸化膜26と異なる絶縁膜として例えば層間絶縁膜29が形成されている。ここで、ゲート電極27の下端部と溝24の間の酸化膜26と異なる材料は、たとえば誘電率の高い絶縁層でもよい。酸化膜26よりも誘電率の高い絶縁層がゲート電極27の下端部と溝24の間に設けられた場合、半導体装置10はゲート電極27と溝24底部の下のn層22との間の容量を更に低減することができ、帰還容量を更に低減することができる。
さらに、溝24の側面側のゲート電極27の下端部は溝24の中央側のゲート電極27の下端部に比べて低くなっている。これにより、溝24の側面側のゲート電極27の下端部によって溝24の側面側の空乏層を良好にn層22側に広げることができ、半導体装置10の耐圧を確保することができる。
また、底面電極28の下面がゲート電極27の下端部とほぼ同じ高さとなっている。ただし、底面電極28の側面と対向するゲート電極27の下端部の中央側の部分が削れて傾斜していることによって、底面電極28の下面側の側面とゲート電極27の下端部との距離が長くなり、ゲート・エミッタ間容量Cgeを低減することができる。更に、底面電極28の下面の幅が上面の幅よりも大きくなるように底面電極28の側面に傾斜を設けることによって、底面電極28の上面側の側面とゲート電極27の下端部との距離が更に長くなり、底面電極28による空乏層の広がりを確保しつつ、ゲート・エミッタ間容量Cgeを著しく低減することができる。
また、図9で示すように、溝24の延伸する長手方向において、エミッタ電極30が底面電極28と接続していない領域があっても良い。例えば、エミッタ電極30と底面電極28が溝24の端部でのみ接続していても良い。
なお、上記においては、半導体装置がトレンチゲート型のIGBTであるものとしたが、パワーMOSFET等のトレンチゲート型の素子においても同様の構造を用いることができる。すなわち、半導体基板の表面において溝が形成され、その内面に形成された酸化膜と接するゲート電極が設けられ、半導体基板の表面側に形成された第1の主電極と裏面側に形成された第2の主電極との間に流れる動作電流がゲート電極に印加された電圧によってスイッチング制御される半導体装置であれば、同様の構造を採用することができ、同様の効果を奏することは明らかである。
上記の構造において、特に、1〜20μm、より好ましくは3〜15μmの広い溝をもつIGBTの場合には、正孔が溝の底部に蓄積されるため、これによってオン電圧を低下させることができるため、特に好ましい。また、ゲート電極の本数を減らすことができるために、更に帰還容量を低減することができる。
また、上記の構成は、いずれもnチャネル型の素子であったが、導電型(p型、n型)を逆転させ、pチャネル型の素子を同様に得ることができることは明らかである。この場合、図7に示されたアクセプタ濃度は、p層23に対応するn層におけるドナー濃度となる。また、半導体基板、ゲート電極等を構成する材料によらずに、上記の構造、製造方法を実現することができ、同様の効果を奏することも明らかである。
10 半導体装置(IGBT)
20、80 半導体基板
21 p
22、82 n
23、83 p
24、85 溝(トレンチ)
25、81、88 n
26、86 酸化膜
27、87 ゲート電極
28 底面電極
29、91 層間絶縁層
30 エミッタ電極(第1の主電極)
31 コレクタ電極(第2の主電極)
89 ソース電極(第1の主電極)
90 ドレイン電極(第2の主電極)
110 半導体装置(パワーMOSFET)
261 ゲート酸化膜(酸化膜)
262 追加酸化膜(酸化膜)
L 空乏層端部

Claims (2)

  1. 半導体基板の表面側において溝が形成され、当該溝の内面に形成された酸化膜と接するゲート電極が設けられ、前記半導体基板の表面側に形成された第1の主電極と前記半導体基板の裏面側に形成された第2の主電極との間に流れる動作電流が前記ゲート電極に印加された電圧によってスイッチング制御される半導体装置であって、
    前記ゲート電極は前記溝の両側面に形成され、
    前記ゲート電極の下端部の位置は前記溝の側壁側に比べて前記溝の中央側で高く、
    前記ゲート電極の下端部は前記溝の側壁側から前記溝の中央側に向かう傾斜面を形成し、
    前記溝の底面上の前記ゲート電極が形成されない領域に、前記ゲート電極と絶縁し、前記第1の主電極と電気的に接続された底面電極を具備し、
    前記底面電極の側面は、前記ゲート電極の傾斜面と対向し、
    前記底面電極の上面の幅は前記底面電極の下面の幅よりも小さいことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ゲート電極の下端部と前記溝の底部との間に前記酸化膜と異なる絶縁層を備えることを特徴とする請求項の半導体装置。
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