JP6337471B2 - 樹脂フィルムの切断加工方法 - Google Patents
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Description
また、切断加工では、切断によって生じる不要な切断片の飛散を防止することが行われている(例えば、特許文献2、3参照)。
本発明の第2の観点に係る樹脂フィルムの切断加工方法は、成形型部を設けた一対の回転ロール間に樹脂フィルムを搬送し、前記樹脂フィルムを切断すべき切断線に沿って厚み方向に前記成形型部で圧縮成形して自己発熱で溶融させ、前記切断線の上流側に隣接する不要フィルム部分を保持し、前記樹脂フィルムと前記不要フィルム部分との間に引張り力を加えて、前記切断線から前記不要フィルム部分を引きちぎって切断加工することを特徴とする。
本発明の樹脂フィルムの切断加工方法は、パウチなどに用いられる樹脂フィルムに対し、回転ロールで切断線に沿って圧縮成形すると、自己発熱で溶融して薄肉状態となり、切断線を挟む樹脂フィルムと不要樹脂フィルム部分との間に加える引張り力で、引きちぎるようにして切断線から切断(フルカット)状態にできることを見出し、完成したものである。
本発明の樹脂フィルムの切断加工方法は、例えば図1および2に示したパウチ1に適用され、パウチ1の外側に張り出す立体成形加工が施された流路2のノズル状の注出口3の外形を形成するための切断加工(フルカット加工)として施工される。
そして、成形されたパウチ1の上縁部の開口から内容物を充填した後、上縁部の開口をヒートシールして上部シール部8を形成することで、密封状態とされる。
そして、積層樹脂フィルム10,10同士を適宜ヒートシールして形成された素材パウチFを、上下の回転ロール21,22間に搬送し、先端部が円弧面、或いは平坦面の成形型部41で厚み方向に圧縮成形すると同時に、切断線Cの外側の2箇所の不要樹脂フィルム部分D,Dにピン部材42を突き刺し、下回転ロール22に保持してテンションロール44,44に送る。
しかしながら、効果的に樹脂フィルムと不要樹脂フィルム部分との間に引張り力を加え、不要樹脂フィルム部分を引きちぎって切断する点からは、前述した図3、図4に示した成形部材41とピン部材42、突起部45を、対向する加工金型23、24(上下回転ロール21,22)にそれぞれ設けるのが好ましい。
さらに、切断対象としての樹脂フィルムは、前述した素材パウチFの積層樹脂フィルム10,10に限らず、1枚の単層樹脂フィルム、積層樹脂フィルム、これらの樹脂フィルムとアルミ箔とを積層した積層フィルム、また、これらを重ね合せた状態、或いはヒートシールした状態等に広く適用することができる。
なお、立体成形における圧縮成形割合は総厚みの50%程度(1/2程度)までとする。圧縮成形割合が総厚みの50%程度(1/2程度)を越えると、立体成形した積層樹脂フィルム10,10にクラックが生じたり破断したりするおそれが出てくる。さらに、圧縮成形割合を大きくして総厚みの2/3以上とすると、後述する積層樹脂フィルム10,10の内面フィルム11,11同士の自己発熱による溶融接着が生じる。
ただし、回転方向の上流側に積層樹脂フィルム10,10を押し出す作用の累積が大きくなりすぎると、積層樹脂フィルム10,10に皺やクラックが生じることがあるので、回転方向に沿って加工と解放とが繰り返されるように、立体成形加工部25を適宜の長さに区切って配置することが望ましい。
これにより、従来の表裏別々に流路2の立体成形を施し、これを重ねてヒートシールする必要がなく、素材パウチの状態とした後、流路2の立体成形と外形の切断を同時に行うことができる。
また、表裏別々の積層樹脂フィルム10,10を重ねて貼り合わせる必要がないので、表裏の立体成形された流路2の位置ずれがなく、簡単に必要な流路断面積を確保することができる。
すなわち、樹脂フィルム同士を圧縮成形することで、自己発熱による溶融が接触界面で生じる現象を利用しており、ヒートシールによることなく、冷間(常温)で圧縮成形することで、単層樹脂フィルム、あるいは積層樹脂フィルム10,10同士を接着する。
この積層樹脂フィルム10,10の切断加工と同時に、注出口シール部7の接着を行う場合には、図7に示すように、接着部位15(図1(b)参照)の押込み量を総厚みの2/3以上とし、切断加工する部位は、上回転ロール21の成形金型23の成形型部41と、下回転ロール22との間隙を略ゼロに調整することでそれぞれの加工が行われる。
すなわち、積層樹脂フィルム10,10同士を圧縮成形することで、自己発熱による溶融が接触界面で生じる現象を利用しており、ヒートシールによることなく、冷間(常温)で圧縮成形することで、積層樹脂フィルム10,10同士を高速で接着することができる。
そして、この場合、回転ロールの表面に装着する加工金型23は、図7に示すように、前述した切断加工を行う成形型部41、立体成形加工部25および接着加工部26を備えて構成されており、加工金型23の各加工部41,25及び26が各加工部位の形状に応じて所望の形状を有し、上回転ロール21および/または下回転ロール22に着脱することで、異なる形状の各加工に容易に対応できる。
また、このような加工金型は、回転ロール21,22の少なくとも一方の表面に固定される。
このように樹脂フィルムの切断加工と、接着等の他の加工を同時に行うことで、パウチ1を製造する際の各加工に伴うずれを防止して、高精度に各加工を行うことが可能となる。
また、図示しないが、前述した樹脂フィルムの切断加工と同時に行われる他の加工としては、パウチ1の流路2の注出口3を、手で容易に開封するための易開封溝3a(図2参照)を形成するハーフカット加工も挙げられる。
内面ポリエチレンフィルム(150μm)、外面延伸ナイロンフィルム(15μm)、(総厚み:165μm)、幅:105mm、長さ:200mmの積層樹脂フィルムを作成した。
この積層樹脂フィルムの内面同士を対向させ、ヒートシールしてサイドシール部4を形成し、圧縮成形して自己発熱による溶融で注出口シール部7を形成した素材パウチを、ロール式成形加工装置の上方の回転ロールと下方の回転ロールの間に搬送した。上回転ロールの表面に、下回転ロールとの間隙を略ゼロとした成形型部を備えた加工金型を装着し、下回転ロールにピン部材を備えた加工金型を装着し、冷間で厚み方向に圧縮成形して切断加工を行った。
尚、この時の上方及び下方の各回転ロールの直径は、130mm、回転数は200rpm(周速度ω:81.7m/分)、テンションロールの直径は30mm、回転数は300rpm(周速度ω’は、122.5m・分)とした。
その結果、素材パウチの積層樹脂フィルムは、成形型部の切断線Cに沿って引きちぎるようにして切断することができ、また、同時に不要フィルム部分がピン部材によって下回転ロールの回転方向に飛散することなく搬送され、スクレーパで下回転ロールからかき取って確実に排除、回収された。
2 流路
3 注出口
3a 易開封溝
3b ノッチ
4 サイドシール部
5 底部フィルム
6 底部シール部
7 注出口シール部
8 上部シール部
10 積層樹脂フィルム(樹脂フィルム)
11 内面フィルム
12 外面フィルム
14 張出し部位
15 接着部位
20 ロール式成形加工装置
21 上回転ロール
22 下回転ロール
23 加工金型
24 加工金型
25 立体成形加工部
26 接着加工部
41 成形型部
42 ピン部材
43 空所部
44 テンションロール
45 突起部
46 凹溝
47 ラバー
48 スクレーパ
49 せき部
C 切断線
D 不要樹脂フィルム部分
F 素材パウチ
P 引張り力
Claims (8)
- 一対の回転ロール間に樹脂フィルムを搬送し、前記樹脂フィルムを切断すべき切断線に沿って厚み方向に圧縮成形して成形型部により薄肉化し自己発熱で溶融させ、前記切断線の上流側に隣接する不要フィルム部分を保持し、前記樹脂フィルムと前記不要フィルム部分との間に引張り力を加えて、前記切断線から前記不要フィルム部分を引きちぎって切断加工することを特徴とする樹脂フィルムの切断加工方法。
- 成形型部を設けた一対の回転ロール間に樹脂フィルムを搬送し、前記樹脂フィルムを切断すべき切断線に沿って厚み方向に前記成形型部で圧縮成形して自己発熱で溶融させ、前記切断線の上流側に隣接する不要フィルム部分を保持し、前記樹脂フィルムと前記不要フィルム部分との間に引張り力を加えて、前記切断線から前記不要フィルム部分を引きちぎって切断加工することを特徴とする樹脂フィルムの切断加工方法。
- 前記成形型部による圧縮成形は、前記成形型部におけるロール間隙を略ゼロとして行うことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂フィルムの切断加工方法。
- 前記不要フィルム部分の保持は、前記回転ロールの一方に設けられ前記不要フィルム部分に突き刺すピン部材と、前記回転ロールの他方に設けられ前記ピン部材の先端部が収納される空所部とで行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂フィルムの切断加工方法。
- 前記引張り力は、前記回転ロールの搬送方向下流側に設けたテンションロールの周速度を、前記回転ロールの周速度よりも速くして付加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂フィルムの切断加工方法。
- 前記成形型部とピン部材との間に突き出して、前記樹脂フィルムの切断線部分に剪断力を付与する突起部を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の樹脂フィルムの切断加工方法。
- 前記樹脂フィルムが、少なくとも最内面の伸びが大きい内面フィルムと外面側の伸びが小さいフィルムがラミネートされた積層樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂フィルムの切断加工方法。
- 前記樹脂フィルムがパウチを構成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の樹脂フィルムの切断加工方法。
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