JP6295694B2 - 易開封パウチの製造方法及び易開封パウチ - Google Patents

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本発明は、易開封パウチの製造方法及び易開封パウチに関し、特に、容易に易開封パウチが製造可能な易開封パウチの製造方法、及び易開封性を向上させた易開封パウチに関する。
樹脂フィルムは、液体や粉体等の流動性を有する内容物をはじめとして種々の内容物の包装袋に使用されており、例えば、積層樹脂フィルムの3方または4方をヒートシールして平袋状、あるいは底材をヒートシールしてスタンディング状のパウチが構成される。
このようなパウチでは、内容物を取り出す場合に、鋏等を使わずに手で開封できるように、樹脂フィルムに予め厚さ方向の中間部まで切り込むハーフカット加工を施すことが行われている。ハーフカット加工は、これまで、レーザー照射あるいはロール刃による加工(特許文献1参照)で行われている。
特開2009-196075号公報
ところが、レーザー照射の場合は、加工に必要な電力が多く、大がかりな設備が必要となり、また、鋭利なロール刃を用いる場合は、樹脂フィルムに対する切り込み量の調整が難しく、時間の経過とともに刃先の摩耗が生じ、耐久性に劣るといった問題がある。
本発明は、かかる従来技術が有する課題を解決するためになされたもので、容易に易開封パウチの製造を行うことができる易開封パウチの製造方法、及び製造が容易で、開封が容易な易開封パウチを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明の易開封パウチの製造方法は、伸びの大きい内面樹脂フィルムと、伸びの小さい外面樹脂フィルムから成る積層樹脂フィルム同士対向させて、一対の回転ロール間に搬送して該積層樹脂フィルムの易開封形成部を冷間で厚み方向に圧縮し、該易開封形成部を薄肉化して易開封部を形成することを特徴とする。
また、本発明の易開封パウチは、パウチが伸びの大きい内面樹脂フィルムと、伸びの小さい外面樹脂フィルムとの積層樹脂フィルム同士を対向させて成り、前記パウチの表裏の前記積層樹脂フィルムに位置ずれのない易開封部が薄肉化されていることを特徴とする。
本発明の易開封パウチの製造方法によれば、易開封性を備える易開封パウチを容易に製造することができる。
また、本発明の易開封パウチによれば、製造が容易で、開封が容易な易開封パウチが提供される。
本発明の易開封パウチの一実施の形態にかかり、(a)はパウチの正面図、(b)は(a)中のA−A拡大断面図である。 本発明の易開封パウチの一実施の形態にかかり、(a)はパウチの部分拡大図、(b)は(a)中のB−B拡大断面図である。 本発明の易開封パウチの製造方法の一実施形態を示し、積層フィルム同士に対する圧による易開封加工の概略説明図である。 本発明の易開封パウチ製造方法の他の一実施形態を示し、積層フィルム同士に対する圧縮による易開封加工の概略説明図である。 本発明の易開封パウチ製造方法に適用され、同時に行う圧縮による立体加工の概略説明図である。 本発明の易開封パウチ製造方法に適用され、同時に行う圧縮による接着加工の概略説明図である。 本発明の易開封パウチ製造方法に適用され、同時に行う圧縮によるフルカット加工の概略説明図である。 本発明の易開封パウチ製造方法の他の一実施の形態を示し、他の加工と組み合わせて行う各加工部の断面図および回転ロールの説明図である。
以下、本発明の易開封パウチの製造方法の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
本発明の易開封パウチの製造方法は、パウチに用いる樹脂フィルムを、伸びの大きい内面樹脂フィルムと伸びの小さい外面樹脂フィルムの積層樹脂フィルムとし、この積層樹脂フィルムを、一対の回転ロール間に搬送して冷間で圧縮による易開封加工を行い、積層樹脂フィルム(内外面樹脂フィルム)を薄肉化し、この部位が易開封部となって容易に開封できることを見出して完成したものである。
従って、従来のレーザー照射、或いは鋭利なロール刃を用いて切り込みを入れるハーフカットとは、その原理において全く異なる。
本発明の易開封パウチの製造方法は、例えば図1および2に示した易開封パウチ1に適用され、内容物が充填されて密封された易開封パウチ1を開封するため、易開封パウチ1の外側に膨出する流路2の注出部3を、容易に切断して開封する易開封部Cを形成する圧縮による易開封加工が行われる。
このような易開封パウチ1は、まず、それぞれの積層樹脂フィルム10の両縁部をヒートシールしてサイドシール部4を形成し、底部に2つ折りにした底部フィルム5を挟んでヒートシールして底部シール部6が形成され、上部シール部8が開口した矩形の素材パウチが形成される。
尚、この素材パウチは、底部フィルムを用いないサイドシール部が二方シール、或いは三方シールされ、上部シール部が開口した矩形の素材パウチでもよい。
そして、本発明の易開封パウチの製造方法により、素材パウチの積層樹脂フィルム10の易開封形成部13を圧縮することにより、易開封形成部13が薄肉化され、容易に開封が可能な易開封部Cを形成することができる。
この易開封パウチ1に用いられる積層樹脂フィルムは、図3(a)に示すように、伸びの大きい内面樹脂フィルム11と伸びの小さい外面樹脂フィルム12とがラミネートされた積層樹脂フィルム10を用いる。
易開封パウチ1の積層樹脂フィルム10は、内面樹脂フィルム11としてはヒートシール性を有するフィルム、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等から成るポリオレフィン樹脂フィルムが用いられる。一方、外面樹脂フィルム12としては、例えばバリア性の延伸フィルムが用いられ、ナイロン樹脂やPET(PolyEthylene Terephthalate)樹脂、共重合ポリエステル樹脂等の延伸によって配向結晶化が可能な樹脂フィルムが用いられる。
積層樹脂フィルム10としては、他に、内面樹脂フィルム11と外面樹脂フィルム12との間にアルミ箔等の金属箔、他のバリア性の延伸樹脂フィルム、また、外面樹脂フィルム12の外側面にアルミ等の金属蒸着層、或いは外面樹脂フィルム12の外側にPET樹脂等から成る他の延伸樹脂フィルムが積層されていても良い。
また、前述したアルミ箔等の金属箔を積層することにより、本発明の易開封パウチの製造方法において、金属箔の冷間での厚み方向への圧縮による薄肉化を行うことにより、易開封部Cを容易に形成することができ、同様に、易開封パウチにおける易開封部Cの易開封性を向上させることができる。
さらに、易開封パウチ1の積層樹脂フィルム10において、通常、内面樹脂フィルム11の厚さは60〜200μm程度、外面樹脂フィルム12の厚さは10〜20μm程度であり、内面樹脂フィルム11が外面樹脂フィルム12よりも厚く、他の層を含む場合は、積層樹脂フィルム10の総厚みは70〜300μm程度である。
尚、内面樹脂フィルムの伸びの大きいことを示す指標としては様々あるが、例えば、弾性率やヤング率が外面樹脂フィルムより小さいこと、あるいは、降伏伸度や破壊伸度が外面樹脂フィルムより大きいこと等が挙げられる。
このような積層樹脂フィルム10を用いた本発明の易開封パウチの製造方法は、図3(b)に示すように、ロール式成形加工装置20の上下一対の回転ロール21、22を用い、これら回転ロール21、22間に、素材パウチ(積層樹脂フィルム10)の内面樹脂フィルム11同士が対向した状態で搬送される。そして、易開封形成部13を、冷間で回転ロール21の加工金型23の易開封加工部24と回転ロール22で圧縮し、積層樹脂フィルム10を薄肉化する易開封加工を行う。
また、加工金型23の易開封加工部24は、先端部の加工幅が0.5乃至1.5mm未満であり、加工幅が狭い方が積層樹脂フィルム10への圧縮力を集中することができ、積層樹脂フィルム10の薄肉化を促すことができる。
そして、加工金型23の易開封加工部24の先端部の加工幅が0.5mm未満であると、圧縮時に易開封形成部13が破断し、一方、加工幅が1.5mmを越えると易開封形成部13の積層樹脂フィルム10の薄肉化が十分に行われない。
この圧縮は、積層樹脂フィルム10の薄肉化の圧縮量は、重ね合せた積層樹脂フィルム10の総厚みの30%から70%未満の範囲、特50%から60%となるように、回転ロール21の加工金型23の易開封加工部24と回転ロール22の間隙を調整する。
そして、このように一対の回転ロール21、22による圧縮量を、積層樹脂フィルム10の総厚みの30%から70%未満に調整することにより、積層樹脂フィルム10を圧縮して、積層樹脂フィルム10を薄肉化し、積層樹脂フィルム10に易開封部Cを容易に形成することができる。
尚、前述した圧縮量は、重ね合わせた積層樹脂フィルム10の総厚みの30%未満であると、前述した積層樹脂フィルム10の薄肉化が十分に行われず、易開封部Cの開封が困難となる。一方、総厚みの70%を越えると、後述する内面樹脂フィルム11同士の圧縮による自己発熱で溶融接着を生じ、易開封部Cを形成することができない。
また、前述した易開封形成部13の形成においては、回転ロール21の加工金型23の易開封加工部24と、回転ロール22の外周面の少なくとも一方にスリット25を設け、その側縁のシャープエッジで積層樹脂フィルム10の厚さ方向に切り込むハーフカット加工を行い、外面樹脂フィルム12にハーフカット部15を形成してもよい。このハーフカット部15を形成することにより、易開封パウチ1の易開封部Cの開封時の蛇行が確実に防止され、易開封性がより向上する。
尚、前述したスリット25の両側縁は糸面とし、その幅は0.01〜0.1mm程度とするのが好ましい。そして、スリット25の幅が0.01mmより小さくなると、積層樹脂フィルム10をスリット25内に押し込むことができなくなり、一方、スリット25の幅が0.1mmより大きくなると、積層樹脂フィルム10がスリット25内に入り込みやすくなり、押圧により押し込まれた状態として引張応力を生じさせて、スリット25の両側縁のシャープエッジによって切り込みを形成することが難しくなる。
また、前述した圧縮による易開封加工を行うと、積層樹脂フィルム10は、圧縮した部位(易開封形成部13)が圧力を解放した後に、図3(c)に示すように、伸びの小さい外面樹脂フィルム12側に張り出す現象が生じる。この結果、表裏の易開封形成部13の両側に、それぞれ外方(上下)への張出し部14が形成される立体成形が同時に起こり、張り出した状態で、積層樹脂フィルム10の両側の張出し部14の間の易開封形成部13の各樹脂フィルムの厚みが減少して薄肉化される。そして、この両側の張出し部14が易開封パウチ1の易開封部Cの目印となる。
さらに、前述した薄肉化は、図示しないが両側から厚み方向に圧縮して行ってもよく、この場合も、前述した総厚みの30%から70%未満の範囲で厚み方向に圧縮を行うことより、両側の張出し部14が形成される。
尚、図3(c)中の2点鎖線で示した部分は、後述する立体加工を同時に行った場合を表している。
そして、この積層樹脂フィルム10を圧縮した際に出現する張り出し現象は、そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、厚み方向に圧縮すると、変形するのは、専ら伸びの大きい内面樹脂フィルム11であって、圧縮された面から押し出されるように大きく伸び、伸びの小さい外面樹脂フィルム12はラミネートされていることから内面樹脂フィルム11の伸びに応じて伸ばされるが、圧縮力を取り除いた後、内外面樹脂フィルム11、12の厚みが復元する際の挙動において、内面樹脂フィルム11の復元が大きく、外面樹脂フィルム12の復元はわずかであり、このような要因によるものと考えられる。
このように、積層樹脂フィルム10を、冷間でロール式成形装置20の回転ロール21、22で、前述した総厚みの30%から70%未満の範囲で厚み方向に圧縮することによって、積層樹脂フィルム10の張り出しと薄肉化が同時に起こる。この結果、易開封パウチ1の表裏面に、中央部がくぼみ、両側に張出し部14をから成る切断が容易な易開封部Cが形成される。
特に、積層樹脂フィルム10の易開封形成部13を、一対の回転ロール21、22によるロール式成形加工装置20で圧縮する場合は、回転ロール21、22による加工が点接触または線接触でなされることから、パンチとアンビル(受け台)を面接触させて加工する往復式プレス成形加工装置に比べ、接触面積を非常に小さく、必要な成形力(圧縮力)を容易に加えることができる。また、装置自体を小型化し、フレーム等の構造を簡素化することができ、省エネルギー化を図ることができる。さらに、プレスの間欠的な往復運動がなく、回転ロール21、22の回転によって加工するため、積層樹脂フィルム10を搬送しながら連続的に成形することができ、装置の振動を抑制することもできる。
ロール式成形加工(ロータリー加工)においては、積層樹脂フィルム10の加工位置が逐次回転方向に移動するため、回転方向(図中の矢印方向)の下流側に積層樹脂フィルム10を押し出す作用が累積する。前述した立体成形の原理から推定すると、圧縮加工部から積層樹脂フィルム10を押し出そうとする力が大きいほど立体成形の張り出し量も大きくなり、この点でもロール式成形加工(ロータリー加工)による製造が好適である。
ただし、回転方向の上流側に積層樹脂フィルム10を押し出す作用の累積が大きくなりすぎると、積層樹脂フィルム10に皺やクラックが生じることがあるので、回転方向に沿って加工と解放とが繰り返されるように、加工金型23の易開封加工部24を適宜の長さに区切って配置することが望ましい。この場合には、易開封部Cはミシン目状になるが、切断に支障が生じることはない。
また、この積層樹脂フィルム10の圧縮では、加工金型23の易開封加工部24の先端部表面の摩擦力が、圧縮による立体成形の張り出し量に影響し、加工金型23の易開封加工部24の少なくとも先端部の摩擦力を増加させることにより、張り出し量や加わえる圧縮力が大きくなるため、少なくとも前記先端部の表面にブラスト加工等を施して粗面化することが好ましい。
そして、このように製造される本発明の易開封パウチ1は、積層樹脂フィルム10の易開封形成部13の圧縮による易開封加工よって、易開封性パウチ1に薄い易開封部Cと、易開封部Cの両側に沿って張り出す張出し部14が形成される。このため、従来のレーザー照射、或いは鋭利なロール刃によるハーフカット加工により易開封溝を形成したパウチに比べ、開封すべき位置を容易に視認することができ、加工もロール式成形加工装置20で容易に加工することができる。さらに、易開封パウチ1は、開封の際、張出し部14によって開封方向がずれることなくガイドされ、所望の易開封部Cの形態に沿って、易開封パウチ1を開封することができる。
また、本発明の易開封パウチの製造方法は、図4に示すように、積層樹脂フィルムとして、内外面樹脂フィルム11、12の間にアルミ箔12A等の金属箔をラミネートした積層樹脂フィルム10Aにも適用でき、圧縮により易開封形成部13Aを加工することができる。
このアルミ箔12Aがラミネートされた積層樹脂フィルム10Aを用いた本発明の易開封パウチの製造方法は、前述したロール式成形加工装置20の上下一対の回転ロール21、22を用い、これら回転ロール21の加工金型23と回転ロール22の間に、積層樹脂フィルム10A同士(内面樹脂フィルム11同士)を対向させて搬送する。そして、積層樹脂フィルム10Aの易開封形成部13Aを冷間で、回転ロール21の加工金型23と回転ロール22で厚み方向に圧縮する易開封加工を行う。
この圧縮によって、積層樹脂フィルム10A(内外面樹脂フィルム11、12、アルミ箔12A)を薄肉化する。
この、積層樹脂フィルム10Aでは、アルミ箔12Aによって、圧縮による積層樹脂フィルム10Aの外側への張り出し現象は起こらず、内外面樹脂フィルム11、12による復元力(弾性力)はあるものの、窪んだ状態の易開封部Cが形成される。
そして、このような圧縮を行うことで、易開封形成部13Aの易開封加工が行われ、積層樹脂フィルム10A(内外面樹脂フィルム11、12、アルミ箔12A)が薄肉化され、同様に、易開封部Cの開封が容易となる。
さらに、易開封形成部13Aは窪んだ状態となり、従来のレーザー照射、或いは鋭利なロール刃によるハーフカットの易開封溝を形成したパウチに比べ、開封すべき位置を容易に視認することができる。
尚、前述した各易開封部Cの形成は、素材パウチに限らず、ロールの原反フィルムから連続的に重ね合わせて搬送される積層樹脂フィルム10、ヒートシールした積層樹脂フィルム10、或いは1枚の積層樹脂フィルム10に形成してもよい。しかしながら、素材パウチに易開封部Cを形成するのが、従来の表裏の樹脂フィルムに、別々レーザー照射、或いはロール刃によるハーフカット加工等のように、表裏別々の積層樹脂フィルム10を搬送し、重ね貼り合わせる必要がないので、易開封溝の位置ずれを考慮した多数の溝を形成する必要がないので好ましい。
また、本発明の易開封パウチの製造方法は、同時に、内面樹脂フィルム11と外面樹脂フィルム12、或いは外面樹脂フィルム12の外側に他の樹脂フィルム積層した積層樹脂フィルム10を用いて圧縮することにより、外面に張り出す立体加工を行うことができ、例えば易開封パウチ1の注出部3の立体的な流路2を形成することが可能である。
そして、この立体加工は、前述した易開封加工の場合と同様に、図5に示すように、冷間で立体加工する部位を、ロール式成形加工装置20の回転ロール21の加工金型23の立体加工部26と回転ロール22によって厚み方向に圧縮する。
この際、立体加工は、回転ロール21の加工金型23における立体加工部26の先端部幅を、その立体加工する部位の形状によるが、前述した積層樹脂フィルムの薄肉化を抑制、或いは生じない範囲を適宜選択する。
このように積層樹脂フィルム10を圧縮することにより、圧縮した部位が圧力を解放した後に、伸びの小さい外面樹脂フィルム12側に張り出す現象が生じることを立体加工の原理とするものである。
そして、この立体加工における圧縮量は、重ね合せた積層樹脂フィルム10の総厚みの30%から50%とする。この圧縮量が30%未満であると立体加工が不安定となり、一方、総厚みの50%を越えると、立体加工した積層樹脂フィルム10にクラック、破断を生じるおそれがあり、さらに、圧縮量を大きくして総厚みの70%を越えると、積層樹脂フィルム10の内面樹脂フィルム11同士の自己発熱による溶融接着を生じるおそれがある。
このように、易開封パウチ1に注出部3の立体的な流路2を形成する圧縮による立体加工と、前述した積層樹脂フィルムの薄肉化を行う圧縮による易開封加工とを同時に行うことで、易開封パウチ1に注出部3の立体的な流路2と、図示しないが易開封部Cとを加工することができる。
また、本発明の易開封パウチの製造方法は、同時に、積層樹脂フィルム10(10A)を圧縮して、自己発熱による溶融現象で積層樹脂フィルム10の内面樹脂フィルム11同士を接着する接着加工を行うことができる、例えば、前述した易開封パウチ1の製造工程で注出部3の周囲を囲むシール部7の接着加工に適用される。この注出部3のシール部7の接着加工を同時に行うことにより、従来、樹脂フィルムを搬送して製造されるパウチにおいて生じていた加工部位の位置ずれ等を防止することができる。
そして、この注出部3のシール部7の接着加工は、積層樹脂フィルム10同士を圧縮して、自己発熱による溶融が接触界面で生じる現象を利用しており、ヒートシールによることなく、冷間(常温)で圧縮することで積層樹脂フィルム10同士を接着する。
この圧縮の自己発熱による溶融が生じる現象は、図6に示すように、ロール式成形加工装置20の回転ロール21、22の周速度、積層樹脂フィルム10の材質、層構成、厚み等にもよるが、積層樹脂フィルム10の総厚みの70%以上で厚み方向に圧縮した際に出現する。そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、回転する回転ロール21の加工金型23の接着加工部27と回転ロール22によって、積層樹脂フィルム10を厚み方向に圧縮すると、接着部位16に線接触状態で高圧が作用し、接触界面での摩擦熱や材料自体の内部移動による内部発生熱等で自己発熱が生じ、これらによって生じる内面樹脂フィルム11の溶融で、圧着されている積層樹脂フィルム10同士が接着、適宜冷却されることによると考えられる。
このように、積層樹脂フィルム10に対して圧縮することで、積層樹脂フィルム10の外面樹脂フィルム12を溶融させずに接着することが可能となり、内面樹脂フィルム11の自己発熱による溶融によって、接着部位16に損傷を与えることなく、内面樹脂フィルム11同士を容易、かつ確実に接着することができる。
尚、この接着加工では、圧縮によって生じる自己発熱の溶融を利用するが、積層樹脂フィルム10を予め予熱したり、回転ロール21、22を予熱することで、積層樹脂フィルム10の内面樹脂フィルム11の自己発熱による溶融を促すことができ、一層確実に接着することができる。そして、その予熱は、積層樹脂フィルム10の内面樹脂フィルム11の軟化点以下であれば良い。
さらに、このような接着においては、接着加工部27の表面にブラスト処理を施して摩擦係数を増大させることにより、積層樹脂フィルム10の内面樹脂フィルム11の樹脂流動を抑制し、接着加工部27を確実に噛み込ませて圧縮を行い、内面樹脂フィルム11の皺、切れ等の発生を防止して接着することができる。
また、本発明の易開封パウチの製造は、同時に、積層樹脂フィルム10(10A)を切断するフルカット加工を同時に行うことができ、これまでと同様に、ロール式成形加工装置20の回転ロール21の加工金型23のフルカット加工部28と回転ロール22とでフルカット加工を行う。
図7に示すように、このフルカット加工は、積層樹脂フィルム10を切断する加工であり、例えば注出部3を形成して易開封パウチ1とする際に、所定の形状の注出部3を形成するために行われる。このフルカット加工は、ロール式成形加工装置20の回転ロール21の加工金型23にフルカット加工部28、空所部29、一方、回転ロール22にピン部材30を設けて加工され、前述した易開封パウチ1の注出部3の外形形状に応じて行う。
そして、このフルカット加工は、回転ロール21の加工金型23のフルカット加工部28と、回転ロール22の間隙を略ゼロとして行われ、一対の回転ロール21、22間に積層樹脂フィルム10を搬送し、回転ロール21の加工金型23のフルカット加工部28で、積層樹脂フィルム10を切断すべき切断線に沿って厚み方向に圧縮して自己発熱で溶融させる。一方、切断線の上流側に隣接する不要積層樹脂フィルム10部分を、回転ロール22のピン部材30と回転ロール21の空所部29で保持し、テンションロール31の周速度を、回転ロール21、22の周速度よりも速くして、切断した積層樹脂フィルム10と、不要積層樹脂フィルム10部分との間に引っ張り力Pを加えて、切断線から不要フィルム部分を引きちぎって切断加工する。
また、このフルカット加工においては、圧縮による自己発熱で溶融させ、引っ張り力で容易に切断加工するため、前述した回転ロール21の加工金型23におけるフルカット加工部28の先端部の加工幅は、0.03mm乃至0.07mmとするのが好ましい。
そして、回転ロール21の表面に装着する加工金型23は、図8に示すように、前述した易開封加工部24、立体加工部26、接着加工部27、及びフルカット加工部28を備えて構成することができ、加工金型23の各加工部24、26、27、及び28が各加工部位の形状に応じて所望の形状を有し、回転ロール21および/または回転ロール22に着脱することで、異なる形状の各加工に容易に対応できる。
このように、積層樹脂フィルム10の易開封加工と他の加工を、ロール式成形加工装置20の一対の回転ロール21、22に、積層樹脂フィルム10を搬送して1回転中に回転ロール21の加工金型23で同時に行うことで、易開封パウチ1を製造する際の各加工に伴うずれを防止して、高精度で各加工を行うことが可能となる。
また、このような加工金型23は、回転ロール21、22の少なくとも一方の表面に固定される。
さらに、前述した加工金型23に設ける各加工部24、26、27、及び28は、1つの加工金型23に複数の加工部を組み合わせて設ける場合のほか、各加工部を別々の加工金型23に設けて、それぞれの加工部を回転ロールに装着しても良い。
1 易開封パウチ
2 流路
3 注出部
4 サイドシール部
5 底部フィルム
6 底部シール部
7 シール部
8 上部シール部
10 積層樹脂フィルム
10A アルミ箔がラミネートされた積層樹脂フィルム
11 内面樹脂フィルム
12 外面樹脂フィルム
12A アルミ箔
13 易開封形成部
13A 易開封形成部
14 張出し部
15 ハーフカット部
16 接着部位
20 ロール式成形加工装置
21 回転ロール
22 回転ロール
23 加工金型
24 易開封加工部
25 スリット
26 立体加工部
27 接着加工部
28 フルカット加工部
29 空所部
30 ピン部材
31 テンションロール
C 易開封部

Claims (9)

  1. 伸びの大きい内面樹脂フィルムと、伸びの小さい外面樹脂フィルムから成る積層樹脂フィルム同士対向させて、一対の回転ロール間に搬送して該積層樹脂フィルムの易開封形成部を冷間で厚み方向に圧縮し、該易開封形成部を薄肉化して易開封部を形成することを特徴とする易開封パウチの製造方法。
  2. 前記易開封形成部の両側に沿って張り出し加工を行うとともに、圧縮による立体加工を行うことを特徴とする請求項に記載の易開封パウチの製造方法。
  3. 前記積層樹脂フィルムが、内外面樹脂フィルムの間に金属箔をラミネートした積層樹脂フィルムであって、該積層樹脂フィルムの前記易開封形成部を冷間で圧縮し、該易開封形成部の金属箔を薄肉化することを特徴とする請求項1また2に記載の易開封パウチの製造方法。
  4. 前記易開封形成部にハーフカット加工を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の易開封パウチの製造方法。
  5. 前記易開封形成部への前記易開封部の形成を、積層樹脂フィルムの総厚みの30%乃至70%未満の圧縮加工量で行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の易開封パウチの製造方法。
  6. パウチが伸びの大きい内面樹脂フィルムと、伸びの小さい外面樹脂フィルムとの積層樹脂フィルム同士を対向させて成り、前記パウチの表裏の前記積層樹脂フィルムに位置ずれのない易開封部が薄肉化されていることを特徴とする易開封パウチ。
  7. 前記パウチは、外面側に前記易開封部の両側に沿って張出し部形成されともに、前記易開封部を膨出した注出部を横断して形成してあることを特徴とする請求項に記載の易開封パウチ。
  8. 前記積層樹脂フィルムが、内外面樹脂フィルムの間に金属箔をラミネートした前記積層樹脂フィルムであって、前記易開封部の金属箔が薄肉化されていることを特徴とする請求項に記載の易開封パウチ。
  9. 前記易開封部に、ハーフカット部を形成したことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の易開封パウチ。
JP2014022685A 2014-02-07 2014-02-07 易開封パウチの製造方法及び易開封パウチ Active JP6295694B2 (ja)

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