JP5144134B2 - 接着剤類収容パウチの製造法 - Google Patents
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このため、図1(a)の接着剤類収容パウチを製造しようとした場合には、図1(b)のように、筒体Aを外嵌した内部の金型Cとして上端までストレートなものを用い、周側壁B1を有する天蓋Bを嵌合し、熱可塑性合成樹脂同士を熱接着する熱接着用金型Dの内面もストレートなものを用いることになる。
このため、金型コストの上昇とあいまって製造が非常に困難かつ高コストになり、しかも現実には精度のばらつきを避けがたいので、嵌合・熱接着時に熱可塑性合成樹脂膜に熱接着用金型Dが衝突して樹脂膜破れが生じ、あるいは内部金型Cと熱接着用金型Dのセンターずれ等により接着不良が発生するなど、不良品発生率が高くなり、安定した品質のこの種の接着剤類収容パウチを製造することが困難であった。
前記熱接着工程は、前記オーバーラップ部分が前記マンドレルの前記平坦面上に位置されている状態で、前記熱接着型とマンドレルを相対移動させることで前記テーパー面同士を押圧して周側壁内面と筒体上部外面の相接する熱可塑性合成樹脂膜を加熱する第1工程と、前記オーバーラップ部分をマンドレルの周方向に移動させ、前記オーバーラップ部分が前記マンドレルにおける前記平坦面以外の面上に位置している状態で、前記熱接着型と前記マンドレルを相対移動させることで前記テーパー面同士を再度押圧し、前記オーバーラップ部分の上端部分と周側壁内面の熱可塑性合成樹脂膜を熱接着する第2工程とで行われることを特徴としている。
これによれば、天蓋周側壁に不必要に皺をよらさせることなく効果的な押圧力を創成することができる。
図2は本発明により得られた接着剤類収容パウチの一例を示しており、1は筒体であり、アルミニウム箔の両面に熱可塑性合成樹脂膜を層着したガスバリア性シート100を丸め、幅方向両端部をオーバーラップして熱接着することにより構成されている。102は封筒貼式に熱接着されたオーバーラップ部である。
2は天蓋であり、アルミニウム箔の両面に熱可塑性合成樹脂膜を層着したガスバリア性円板からなる天壁20の上面に、吐出用筒部30を有する合成樹脂製台座3の下面を接着しており、天壁20の下部に周側壁が絞り成形されている。
これに対して、マンドレル4の軸線方向前方には、図示しないバンドヒータ要素たとえばバンドヒータで加熱されるカップ状の熱接着用金型5が位置されている。この熱接着用金型5の内面は、奥から開口に向って広がる拡径状テーパー面50となっており、開口部分には所要の半径の曲率面500が形成されている。
テーパー角度の下限を0.5度としたのは、これより小さい場合には、マンドレル4と筒体1と天蓋周側壁21および熱接着用金型5間に十分な押圧力をかけることができず、また、自動調芯作用が不十分となって、熱接着用金型5と天蓋周側壁21にかじりを起こさずに嵌合度を深めることが難しくなるからである。
この状態からマンドレル4と熱接着用金型5が軸線方向に相対移動を開始し、たとえば熱接着用金型5が移動すると、図3(b)のように開口部から嵌装を始めるが、テーパー角度α、βの関係から、拡径状テーパー面50はテ−パー状の周側壁21に近接はするが所要深さまで接触しない。したがって、従来のように、熱接着用金型5の開口部が周側壁の始端部分に衝突してここを破損させたり、しごき作用が負荷されたりすることがなくスムーズに嵌まりあう。
天蓋2は、アルミ箔aの表裏両面に、前記と同様なポリエチレンやポリプロピレンなどのガスバリア性の良好な熱可塑性合成樹脂膜b1,b2をラミネートした円板状の複合フィルムからなっている。この発明においては、天蓋2と筒体1の接着が全周にわたり均一で強度を高くできるので、天蓋2と前記筒体1のアルミ箔aは、厚みが同等でも、相対的に異なっていてもよい。
本発明はテーパー面による強い押圧作用で熱接着を図るので、熱可塑性合成樹脂膜b2の内面と熱可塑性合成樹脂膜b1の接面を含む部分b3が溶融状態になり、厚さ方向の圧迫によって前記溶融部分b3が絞られる形で図4(b)のように周側壁21の下端部分に流出し、表面張力でアルミ箔aの端面や熱可塑性合成樹脂膜b1の端面を覆う。これによりシール効果が向上し、水分などが周側壁21の端面から浸透するのを完全にシャットアウトすることができる。
具体例を挙げると、筒体1は、アルミ箔aの外面側にナイロンとLLDPEを積層し、アルミ箔aの内面側に、PETとLLDPEを積層し、天蓋2は、アルミ箔aの内面側にナイロンとLLDPEを積層し、外面側にナイロンやPETと、CPPやLLDPEを積層している。
主部Eは、中央の主軸を含む回転駆動機構7に複数本(図面では8本)の棒状をなしたマンドレル4を等間隔で放射状に配し、それぞれのマンドレル4の基端部を固定しており、回転駆動機構7により所定の回転角度(この例では45度)ずつマンドレル4をピッチ送りし、所要時間停止するプログラムが設定されている。そして、主部Eには各マンドレル停止位置にそれぞれ所定の工程を受け持つ8つのステージが配されている。
また、各マンドレル4は中心線上に気体の導孔42が形成されており、導孔42の先端はマンドレル端面に開口し、後端は回転駆動機構7内あるいはその近傍に導かれ、気体の給排手段に接続されている。
この供給機構16は、図8のように、ブランク100の両側縁部を厚さ方向で掴む開閉自在なチャック161を備えたスライドブロック160が1組平行配置され、各スライドブロック160は、図示しないサーボモータによるボールねじ162の回転により平行移動され、それにより停止状態にあるマンドレル4の下方にブランク100が位置されるようになっている。
なお、供給機構16は間欠回転式のフィーダーであってもよい。
この天蓋製作・供給部Fにおいては、合成樹脂製台座3がフィーダー12に供給されると、次の停止位置ではプレス9により打ち抜かれた円板2aが前記台座3の上に載置され、次の回転停止位置でヒータ13により加熱され、台座3が円板2aに熱接着される。この台座付きの円板は前記移置機構19により主部Eに供給される。
前記台座付き円板移置・セット機構19は、図11に一例を示しており、天蓋製作・供給部Fのフィーダー12が停止した位置に設けられ、吐出用筒部30を突き上げるための突子1911を有するアクチュエータ191と、吐出用筒部30を軸線と直角方向から掴むチャック部1901を先端に有し、水平から約90度旋回自在なアーム190を備えている。
前記型部体25aは、周側壁形成用の凹型250を有し、これの内側に、台座付き円板2aの吐出用筒部30を遊嵌する穴を有するガイドクッション252を備えている。
ところが、マンドレル4は先端にまで達する或る幅の平坦面41を有し、この部分はいわば割り溝となっているので、ここに位置するオーバーラップ先端部分1020には熱接着用金型5のテーパー面50がほとんど接触せず、したがって、オーバーラップ先端部分1020の外面の樹脂と当該部位に対応する周側壁21の一部内面は不十分な接着状態となりやすい。
ついで、筒体引き出し手段33のチャック330、330が起立し、図14(c)のように天蓋2の吐出用筒部30を把持する。それとともにアクチュエータが作動してマンドレル4の軸方向に天蓋2と筒体1を引っ張り、図14(d)のように適当な長さ抜き出す。その後はチャック330、330は開放され、待機位置まで傾転する。
それにより、熱履歴に伴う各所の擬似接着、すなわち平坦面41とオーバーラップ接着部102およびオーバーラップ先端部分1020の接着、テーパー部分40に対する筒体先端部分の接着が解除される。
この肩部第2シール機構27においては、マンドレル4の軸線方向に前記肩部第1シール機構26と同じく内面にテーパー面50を有する熱接着用金型5を備えているが、付属機構として、筒体1を周方向の適当な長さすなわち平坦面41の幅を超える長さだけ強制的に回転させる筒体回転機構34を備えている。
そこで、実施例では、図15のように、筒体回転機構34として、停止位置のマンドレル中間部分に対応する下方に、U状に湾曲したベルト340と、これの両端を固定しかつアクチュエータ342,342により時間差をおいて昇降自在な一対の駆動体341,341を設けている。
これによるシーソー動作で筒体1は回動され、オーバーラップ接着部102およびオーバーラップ先端部分1020と周側壁一部210がマンドレル4の平坦面41から曲率面へと移動される。この方式は、面による回転付与のため抵抗が少ないとともに、回転量の制御が容易であり、したがって、製造年月日や色などの刻印場所を適切に位置決めできる。
このときには、オーバーラップ接着部102およびオーバーラップ先端部分1020と周側壁一部210がマンドレル4の曲率面に位置しているので、テーパー面50、40とでオーバーラップ先端部分1020と周側壁一部210を十分に押圧しつつ加熱することができる。
これに対して、本実施例のようにマンドレル4の平坦面41で筒体のオーバーラップシールを施した場合には、上記問題を解消できる。しかし、平坦面41によるシールに伴い天蓋周側壁との熱接着が課題となるが、上記のような2回の熱接着工程によりすべて解消することができる。
筒体1の上部と天蓋2の熱接着部がテーパーになっていることと、前記第1熱接着工程において、いったん筒体1を適量引き抜いて擬似接着をほとんど解消していること、導孔42から噴出したエアが筒体1とマンドレル4の隙間に流れてエア膜を作ることより、熱可塑性合成樹脂膜の収縮があっても容易に引き抜くことができる。
この製品取り出しのステージには、製造年月日や色の種別などの表示を印字するプリンターが併設され、前記引き抜きと平行して印字が行われるが、前記のような筒体回転機構34を用いた場合に、筒体の回転角度が一定になるので、印字位置決めを正確に行える。
以上によりシール性の優れた目的パウチを連続して効率よく製造することができる。
2 天蓋
3 合成樹脂製台座
4 マンドレル
5 熱接着用金型
10 テーパー状上端部
21 周側壁
40,50 テーパー面
102 オーバーラップ接着部
a アルミニウム箔
b1、b2、b1−1、b1−2、b2−1、b2−2 熱可塑性合成樹脂膜
Claims (2)
- 先端領域に先端に向うほど径小となったテーパー面を有すると共に、長手方向に欠設する平坦面を有し、該平坦面が延在する部分には前記テーパー面は形成されていないマンドレルと、奥から開口部に向けて広がるテーパー面を設けた熱接着型とを用いて、接着剤類収容パウチを製造する接着剤類収容パウチの製造法であって、 アルミニウム箔の両面に熱可塑性合成樹脂膜を層着したガスバリア性シートを丸め、幅方向両端部のオーバーラップ部分を、前記マンドレルの前記平坦面上に位置させた状態で、熱接着して筒体を作製する一方、アルミニウム箔の両面に熱可塑性合成樹脂膜を層着したガスバリア性円板の天壁に吐出用筒部を有する合成樹脂製台座を接着した天蓋を作製し、該天蓋の天壁下部に周側壁を成形するとともに該周側壁を筒体の上部に嵌合し、その後に熱接着工程を行なうものであり、 前記熱接着工程は、前記オーバーラップ部分が前記マンドレルの前記平坦面上に位置されている状態で、前記熱接着型とマンドレルを相対移動させることで前記テーパー面同士を押圧して周側壁内面と筒体上部外面の相接する熱可塑性合成樹脂膜を加熱する第1工程と、前記オーバーラップ部分をマンドレルの周方向に移動させ、前記オーバーラップ部分が前記マンドレルにおける前記平坦面以外の面上に位置している状態で、前記熱接着型と前記マンドレルを相対移動させることで前記テーパー面同士を再度押圧し、前記オーバーラップ部分の上端部分と周側壁内面の熱可塑性合成樹脂膜を熱接着する第2工程とで行われることを特徴とする接着剤類収容パウチの製造法。
- マンドレルは天蓋の周側壁の高さにほぼ対応する位置に0.5〜45度の角度から選ばれたテーパーを有し、熱接着型は開口から天蓋の周側壁の高さを越えた領域に0.5〜45度の角度から選ばれたテーパーを有している請求項1に記載の接着剤類収容パウチの製造法。
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