JP6335189B2 - SIRPアルファ−Fc融合体でのCD47+疾患細胞の治療 - Google Patents

SIRPアルファ−Fc融合体でのCD47+疾患細胞の治療 Download PDF

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Description

本発明は、CD47+疾患細胞を提示する被験体の治療に特に有用な療法的Fc融合タンパク質に関する。融合タンパク質は、ヒトSIRPαの細胞外領域内のドメインに基づき、そして融合タンパク質の抗癌効果を増進させるFc領域を取り込む。
シグナル制御タンパク質アルファ(SIRPα)は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する膜貫通タンパク質であり、そしてCD47の受容体である。SIRPαのヒト型のクローニングおよび発現は、UllrichらによってUS 6541615に記載されてきている。癌および他の疾患の病因におけるSIRPαおよびCD47の関与は、SarfatiらによってWO1999/040940に、そしてVan den BergらによってWO00/66159に暗示されてきており、SIRPα阻害剤の療法的使用が示唆されている。より最近、Jaiswalらは、WO2009/091601において、造血性癌の治療のためのCD47に対する抗体の使用を示唆している。SIRPαおよびCD47の間の相互作用は、マクロファージによる、白血病細胞および白血病幹細胞(LSC)の食作用の制御に重要な役割を果たす。CD47に対する遮断抗体は、マクロファージによるLSCの食作用を促進することが示されてきている。さらに、Wangらは、WO 2010/130053において、SIRPα融合タンパク質に基づく癌治療を示唆してきている。免疫障害を治療するため、Smithらは、US2008/0131431において、CD47に基づくFc融合体の使用を示唆してきている。炎症性および免疫障害の治療はまた、Raymondらによって、WO2010/070047において解説されている。
癌および他の疾患の治療において使用するための、SIRPα/CD47軸を通じたシグナル伝達を阻害する剤を提供することが有用であろう。
US 6541615 WO1999/040940 WO00/66159 WO2009/091601 WO 2010/130053 US2008/0131431 WO2010/070047
本発明は、構成要素がCD47/SIRPα軸の最適な阻害に関して選択されるFc融合タンパク質としてSIRPαを提供する。本発明者らは、ヒトSIRPαの細胞外領域内の特定のおよび単一のドメインが、ヒトSIRPαの損なわれていない(intact)細胞外領域よりも高いアフィニティでCD47に結合することを見いだした。また、本明細書において、SIRPαFc融合体のin vivo有効性は、定常(Fc)領域がエフェクター機能を有するものである場合、CD47/SIRPα軸の阻害がこうした活性を全く必要としないにもかかわらず、そしてエフェクターを含まないFc領域が好ましいはずであるというin vitroでの示唆にもかかわらず、驚くほどそして劇的に改善されることを立証する。
本SIRPαFc融合タンパク質はまた、無視できるCD47アゴニズムを示し、これらがin vivoで、SIRPα仲介性シグナル伝達の専用阻害剤として作用することを可能にする。さらなる属性として、融合タンパク質は、赤血球への無視できる結合を示す。これは、この軸の他の阻害剤、例えばCD47抗体とは非常に対照的であり、該抗体は、赤血球に強く結合し、ある場合には赤血球凝集を引き起こす。本融合タンパク質では、投与された薬剤がRBC結合型で隔離され、そして不活性化される「シンク」効果を考慮する必要はないし、またはRBC相互作用によって引き起こされるいかなる不都合な事象も考慮する必要がない。
側面の1つにおいて、細胞に結合したCD47のSIRPα仲介性刺激を阻害するのに有用なSIRPα融合タンパク質であって、SIRPαタンパク質構成要素、およびそれと融合した抗体定常領域(Fc)構成要素を含み、SIRPαタンパク質構成要素がヒトSIRPαのVドメインからなるかまたは該ドメインを含み、そしてFc構成要素がエフェクター機能を有するIgGの定常領域である、前記SIRPα融合タンパク質を提供する。いくつかの態様において、Fcは、IgG1抗体またはIgG4抗体の定常領域から選択される。
関連する側面において、一本鎖ポリペプチドとしてSIRPαFc融合体の分泌可能な型をコードするポリヌクレオチドを提供する。別の関連する側面において、SIRPαFc融合タンパク質を産生するために有用な細胞宿主であって、発現可能であるように(expressibly)取り込まれたポリヌクレオチドを有する、前記宿主を提供する。また、別の態様において、SIRPαFc融合タンパク質を得るための方法であって、宿主を培養するかまたは増殖させ、そして二量体タンパク質としてSIRPαFc融合体を回収する工程を含む、前記方法を提供する。態様において、宿主は、発現されたタンパク質をグリコシル化する任意の種の真核生物宿主である。
別の側面において、本発明は、CD47+である疾患細胞を提示する被験体を治療するために有用な薬学的組成物であって、薬学的に許容されうるキャリアー、およびCD47+疾患細胞の成長または増殖を阻害するために有効な量のSIRPαFc融合タンパク質を含む、前記組成物を提供する。
さらなる側面において、本発明は、CD47+疾患細胞を提示する被験体を治療するための方法であって、被験体に、疾患細胞の成長および/または増殖を阻害するために有効な量のSIRPαFc融合タンパク質を投与する工程を含む、前記方法を提供する。関連する側面において、本発明は、CD47+疾患細胞が存在する癌または任意の他の疾患を治療するためのSIRPαFcタンパク質の使用を提供する。また、CD47+疾患細胞が存在する癌または別の疾患の治療のための薬剤製造のための、SIRPαFcタンパク質の使用も提供する。同様に、CD47+疾患細胞を治療する際に使用するための薬学的組成物であって、SIRPα−Fcタンパク質および薬学的に許容されうるキャリアーを含む、前記薬学的組成物を提供する。いくつかの態様において、疾患細胞は、特にCD47+白血病細胞、例えばAMLを含む、CD47+癌細胞である。
本発明のこれらのおよび他の側面を、付随する図に言及しながら、ここでより詳細に記載する。
図1は、直接結合アッセイ(図1A)および間接的競合アッセイ(図1B)を用いて、ヒトCD47に対するTTI−602およびTTI−616と称するSIRPα融合体の結合を比較する。より具体的には、単一N末端SIRPα V−ドメインを含むSIRPαFc(TTI−616)の結合を、3つすべて(V−C−C)の細胞外SIRPαドメインからなる融合体(TTI−602)に比較した。A)直接結合アッセイ。CD47+ヒトJurkat T細胞を滴定量のTTI−602またはTTI−616とインキュベーションし、そしてポリクローナル抗IgG抗体を用いたフローサイトメトリーによって結合を分析した。B)競合的阻害アッセイ。Jurkat細胞を、ビオチン化SIRPαFc(TTI−601)と、滴定量の未標識競合剤TTI−602またはTTI−616の存在下でインキュベーションした。フローサイトメトリーによって結合を測定し、そして0%を競合剤の非存在下での結合と定義して、結果を阻害パーセントに変換した。 図2は、3つの異なるSIRPα融合タンパク質に関する結合プロファイル(Kd)を示す。非常に類似の結合プロファイルが明らかになり、ほぼ同一のアフィニティ結合(Kd)値(2.3〜2.4nM)が生じた。これは、3つのタンパク質すべてが同じSIRPα領域を含有し、そしてFc領域がリガンド結合に影響を及ぼさないと予測されるため、予期されたことであった。より具体的には、CD47+ヒトJurkat T細胞を滴定量の融合タンパク質とインキュベーションし、そしてポリクローナル抗IgG抗体を用いたフローサイトメトリーによって結合を分析した。次いで、幾何平均を規準化し、そして一部位結合モデルにデータを適合させる非線形回帰を用いるPrism(Graphpad)によって、結合曲線およびKd値を生じた。 図3(図6もまた参照されたい)は、TTI−621およびTTI−622が類似の食作用促進活性を示す一方、TTI−616が明らかにより弱い(これは特に10nM用量で明らかである)ことを示す。これは、マクロファージによる最大SIRPαFc誘発腫瘍細胞殺傷には、野生型IgG4またはIgG1 Fc領域のいずれかが必要であることを示す。より具体的には、マクロファージは、ヒト末梢血CD14+単球を、単球コロニー刺激因子の存在下で、少なくとも1週間培養することによって生成され、そして次いで、インターフェロン−ガンマ(一晩)およびLPS(1時間)で活性化された。OCI/AML−2細胞をCFSEで標識し、そして示す濃度のSIRPαFc融合体または1mMの対照Fcタンパク質(突然変異hIgG4 Fc(TTI−401)またはhIgG1 Fc(TTI−402))と30分間インキュベーションするか、あるいは未処理で放置した(UT)。次いで、AML−2細胞およびマクロファージを2時間共培養し、そしてマクロファージを小麦胚芽凝集素Alexa Fluor(登録商標)555コンジュゲートで染色し、そして共焦点顕微鏡によって分析した。食作用インデックスを、100マクロファージあたりに貪食されたAML細胞の数と定義し、試料あたり少なくとも200のマクロファージを計数した。突然変異hIgG4 Fc領域を含む融合タンパク質を白いバー、野生型hIgG4を灰色のバー、そして野生型IgG1を黒いバーで示した。アイソタイプ対照に対して、**p<0.05、p<0.01(一方向ANOVAおよびダネットの事後検定)。 図4は、IgG1 Fc領域を所持するTTI−621融合タンパク質が、移植部位(注射大腿)で抗白血病効果を仲介可能な唯一のタンパク質であったことを示す。非注射骨髄において、明らかなFc依存性効果があり、TTI−621(完全Fc活性)>TTI−622(低Fc活性)>TTI−616(非Fc活性)であった。NOD/ShiLtJ−Prkdcscid(NOD.SCID)マウス(8〜12週齢)を、137Cs g−照射装置から275cGyで致死量以下に照射し、そして抗CD122抗体で処置した(NK細胞を枯渇させるため)後、ヒト白血病患者から収集したAML細胞を大腿内注射した。移植3週後から開始して、マウスをSIRPαFc融合タンパク質(週あたり3回の8mg/kg IP)、あるいは等モル用量の対照Fcタンパク質TTI−401(突然変異ヒトIgG4)またはTTI−402(ヒトIgG1)で治療した。治療4週後、マウスを屠殺し、そして注射大腿、非注射骨髄および脾臓内のヒト白血病細胞を、ヒトCD45およびヒトCD33マーカーの発現に関して染色してフローサイトメトリー分析によって検出した。AML生着を、各区画におけるヒトCD45+CD33+細胞の割合として表した。 CD47+ヒトJurkat T細胞を一晩、SIRPαFc融合タンパク質または対照Fc(3mM)とインキュベーションするか、あるいは未処理で放置し(UT)、そして次いで、アネキシン−Vに関して染色し、そしてフローサイトメトリーによって分析した。1mMのアポトーシス促進剤スタウロスポリン(Staur)を陽性対照として含めた。TTI−602を含有する1つの試料をCD47遮断抗体であるB6H12で前処理した。 図6は、図3に関して記載したプロトコルを用いるが、より発展したデータセットを用いた結果を示す。 A)ヒト赤血球を滴定量の抗CD47抗体B6H12またはTTI−616で染色し、そしてフローサイトメトリーによって分析した。B)ヒト赤血球を抗CD47モノクローナル抗体パネル(2D3、B6H12、BRIC126およびCC2C6)またはSIRPαFc融合タンパク質TTI−622で染色し、そしてフローサイトメトリーによって分析した。各試薬を、先の最適化実験で同定した飽和濃度で用いた。TTI−401を対照Fcとして用いた。示すデータは、6人のドナーからプールされたものである。C)AML−2腫瘍細胞をCD47抗体またはTTI−662で染色し、そしてフローサイトメトリーによって分析した。各試薬の単一の高用量(660nM)に関してデータを示す。
本発明は、抗体定常領域、またはFcと直接または間接的に融合した形のヒトSIRPαタンパク質に関する。別に言及しない限り、用語「ヒトSIRPα」は、本明細書において、ヒトSIRPαの野生型内因性成熟型を指す。ヒトにおいて、SIRPαタンパク質は、2つの主要な型で見いだされる。1つの型、変異体1またはV1型は、NCBI参照配列NP_542970.1(残基27〜504が成熟型を構成する)として示されるアミノ酸配列を有する。別の型、変異体2またはV2型は、13アミノ酸異なり、そしてGenBankにCAA71403.1(残基30〜504が成熟型を構成する)として示されるアミノ酸配列を有する。SIRPαのこれらの2つの型が、ヒトに存在するSIRPαの型の約80%を構成し、そしてどちらも、本明細書において用語「ヒトSIRPα」に含まれる。用語「ヒトSIRPα」にやはり含まれるのは、ヒトに対して内因性であり、そして結合した際にCD47を通じたシグナル形質導入を誘発する同じ特性を有する、少数型である。本発明は、最も具体的には、変異体2型、またはV2に関する。
本SIRPαFc融合タンパク質は、ヒトSIRPαの細胞外領域内にある3つのいわゆる免疫グロブリン(Ig)ドメインの1つを取り込む。より具体的には、本SIRPαFcタンパク質は、ヒトSIRPαの残基32〜137(106量体)を取り込み、これは、現在の命名法にしたがって、V2型のIgVドメインを構成し、そして定義する。以下に示すこのSIRPα配列は、本明細書において、配列番号1と称する。
好ましい態様において、SIRPαFc融合タンパク質は、配列番号1によって定義されるようなIgVドメイン、およびSIRPα配列内の連続するさらなる隣接残基を取り込む。ヒトSIRPαのV2型の残基31〜148によって示されるIgVドメインのこの好ましい型は、以下に示す配列番号22を有する118量体である:
ヒトSIRPαのこのV2型の活性は、CD47結合アフィニティに関して、SIRPαの全細胞外ドメインのCD47結合アフィニティに比較して、驚くほどより高いことが見いだされてきている。この結合アフィニティは、全細胞外ドメインの結合アフィニティより少なくとも2倍高い。いくつかの態様において、アフィニティは、全細胞外ドメインに比較して、V2ドメインに関して、少なくとも3倍、4倍、5倍またはそれより高い。直接結合アッセイにおいて、本明細書の実施例1に報告するように、このSIRPαドメインを取り込む融合タンパク質は、全SIRPα細胞外ドメインを取り込む融合タンパク質よりもおよそ10倍高い結合アフィニティを有する。同様に、本明細書の実施例1にやはり報告する間接的競合アッセイにおいて、V2/IgV単一ドメイン融合体は、SIRPαの全細胞外領域を取り込む融合体のCD47結合アフィニティより優れた結合アフィニティを提供する。したがって、この好ましいVドメインに基づくSIRPαFc融合体は、SIRPαと結合した際に刺激されるCD47シグナル伝達を阻害する、より高い能力に関する潜在能力を有する。
本SIRPα融合タンパク質はまた、エフェクター機能を有するFc領域も取り込む。エフェクター機能に関する優先性はまったく驚くべきことであり、そしてCD47/SIRPα軸に関する現在の情報では説明が困難である。エフェクター不含Fc領域は、この軸を阻害するために十分な活性を有し、そしてエフェクター機能を組み込むことによってそれ以上が得られることはないと予期することが可能であった。にもかかわらず、本明細書の特に実施例5に提示するようなデータは、融合体の抗白血病in vivo活性に関して、エフェクター活性Fcに利点が付随することを明らかに示す。これは、融合体の食作用活性が、in vitroで、エフェクター活性またはエフェクター不含Fc構成要素のいずれに基づく融合体に関しても、特定の優先性を持たないことを示すようである、実施例4に示す結果を考慮すると特に驚くべきことである。
したがって、本SIRPαFc融合体において使用するために適切なFc構成要素は、エフェクター機能を有するものである。「エフェクター機能を有する」Fc構成要素は、少なくともいくつかのエフェクター機能、例えば抗体依存性細胞毒性に少なくともある程度の寄与を、または補体を固定するある程度の能力を有するFc構成要素である。また、Fcは、少なくともFc受容体に結合するであろう。これらの特性は、この目的のために確立されたアッセイを用いると、明らかになりうる。機能アッセイには、ターゲット細胞溶解を検出する標準的クロム放出アッセイが含まれる。この定義によって、野生型IgG1またはIgG4であるFc領域はエフェクター機能を有し、一方、Pro233、Val234、Ala235を含む改変シリーズの取り込み、およびGly236の欠失(EU)によってエフェクター機能を除去するように突然変異されたヒトIgG4のFc領域は、エフェクター機能を持たないと見なされる。好ましい態様において、Fcは、IgG1アイソタイプのヒト抗体に基づく。これらの抗体のFc領域は、当業者に容易に同定可能であろう。いくつかの態様において、Fc領域には、下部(lower)ヒンジ−CH2−CH3ドメインが含まれる。
特定の態様において、Fc領域は、UniProtKB/Swiss−ProtにおいてP01857、残基104〜330として示されるヒトIgG1のアミノ酸配列に基づき、そして以下に示し、そして本明細書において、配列番号2と称するアミノ酸配列を有する:
したがって、いくつかの態様において、Fc領域は、IgG1定常領域の野生型またはコンセンサス配列のいずれかを有する。別の態様において、融合タンパク質中に取り込まれるFc領域は、典型的なエフェクター活性定常領域を有する任意のIgG1抗体に由来する。こうしたFc領域の配列は、例えば、以下のIgG1配列(すべてGenBankより引用)、例えば:BAG65283(残基242〜473)、BAC04226.1(残基247〜478)、BAC05014.1(残基240〜471)、CAC20454.1(残基99〜320)、BAC05016.1(残基238〜469)、BAC85350.1(残基243〜474)、BAC85529.1(残基244〜475)、およびBAC85429.1(残基238〜469)のいずれかのFc領域に対応することも可能である。
他の態様において、Fc領域は、野生型ヒトIgG4定常領域の配列を有する。別の態様において、融合タンパク質中に取り込まれるFc領域は、存在するが、天然には、IgG1 Fc領域よりも有意により強力でないエフェクター活性を伴う定常領域を有する、任意のIgG4抗体に由来する。こうしたFc領域の配列は、例えば、以下のIgG4配列:UniProtKB/Swiss−ProtのP01861(残基99〜327)およびGenBankのCAC20457.1(残基99〜327)のいずれかのFc領域に対応することも可能である。
特定の態様において、Fc領域は、UniProtKB/Swiss−ProtにおいてP01861、残基99〜327に示されるヒトIgG4のアミノ酸配列に基づき、そして以下に示し、そして本明細書において、配列番号23と称するアミノ酸配列を有する:
いくつかの態様において、Fc領域は1またはそれより多い改変、通常は約5より多くないこうした改変を取り込み、これには、特定のFc特性に影響を及ぼすアミノ酸置換が含まれる。1つの特定のおよび好ましい態様において、Fc領域は、228位(EU番号付け)での改変を取り込み、ここで、この位のセリンがプロリンによって置換され(S228P)、それによってFc二量体内のジスルフィド連結が安定化される。Fc領域内の他の改変には、グリコシル化を改変する置換、例えばグリシンまたはアラニンによるAsn297の置換;半減期を増進させる改変、例えばUS62777375に解説されるような、T252L、T253S、およびT256F、ならびに多くのその他のものが含まれうる。特に有用であるのは、Fc特性を増進させつつ、残りはコンホメーションに関してサイレントである、例えばFc受容体結合を保持する改変である。
特定の態様において、そしてFc構成要素がIgG4 Fcである場合、Fcは、少なくともS228P突然変異を取り込み、そして以下に示し、そして本明細書において配列番号24と称するアミノ酸配列を有する:
したがって、本発明は、ヒトSIRPαおよびヒトCD47の結合を阻害し、それによってSIRPαに結合したCD47を通じて仲介されるシグナルの伝達を阻害するかまたは減少させるために有用な融合タンパク質を提供し、該融合タンパク質は、ヒトSIRPα構成要素およびそれに融合したFc構成要素を含み、SIRPα構成要素はヒトSIRPα V2の単一のIgVドメインを含むかまたは該ドメインからなり、そしてFc構成要素はエフェクター機能を有するヒトIgGの定常領域である。
1つの態様において、融合タンパク質は、少なくとも、野生型ヒトSIRPαのV2型の残基32〜137、すなわち配列番号1からなるSIRPα構成要素を含む。好ましい態様において、SIRPα構成要素は、ヒトSIRPαのV2型の残基31〜148、すなわち配列番号22からなる。別の態様において、Fc構成要素は、P01857と称するヒトIgG1のFc構成要素であり、そして特定の態様において、その下部ヒンジ−CH2−CH3領域を取り込むアミノ酸配列、すなわち配列番号2を有する。
したがって、好ましい態様において、本発明は、発現された一本鎖ポリペプチドとして、そして分泌される二量体融合体としての両方として、SIRPαFc融合タンパク質を提供し、ここで、該融合タンパク質は、配列番号1および好ましくは配列番号22を有するSIRPα構成要素、ならびにエフェクター機能を有し、そして配列番号2を有する、SIRPα構成要素に付着した、Fc領域を取り込む。SIRPα構成要素が配列番号1である場合、この融合タンパク質は、以下に示す配列番号3を含む:
SIRPα構成要素が配列番号22である場合、この融合タンパク質は、以下に示す配列番号25を含む:
別の態様において、融合タンパク質のFc構成要素は、IgG4に、そして好ましくはS228P突然変異を取り込むIgG4に基づく。融合タンパク質が配列番号22の好ましいSIRPα IgVドメインを取り込む場合、生じるIgG4に基づくSIRPα−Fcタンパク質は、以下に示すような配列番号26を有する:
本発明の好ましい態様において、融合タンパク質は、融合タンパク質のSIRPα IgVドメインとして、配列番号22である配列を含む。好ましいSIRPαFcは、配列番号25である。
SIRPαFc融合タンパク質において、SIRPα構成要素およびFc構成要素は、直接または間接的のいずれかで融合されて、単一ポリペプチド鎖を提供し、これは最終的に、Fc領域内で形成される鎖内ジスルフィド結合を通じて一本鎖ポリペプチドがカップリングされている二量体として産生される。融合領域の性質は重要ではない。融合は2つの構成要素間で直接であってもよく、この場合、SIRP構成要素が融合体のN末端を構成し、そしてFc構成要素はC末端を構成する。あるいは、融合は、1またはそれより多いアミノ酸、望ましくは遺伝的にコードされるアミノ酸、例えば2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸、あるいは5〜100アミノ酸の間の任意の数のアミノ酸、例えば5〜50、5〜30または5〜20の間のアミノ酸で構成されるリンカーを通じて、間接的であってもよい。リンカーは、制限部位、例えばBamHI、ClaI、EcoRI、HindIII、PstI、SalIおよびXhoI部位等を構成するDNAによってコードされるペプチドであることも可能である。
リンカーアミノ酸は、典型的には、そして望ましくは、FcおよびSIRP構成要素がその活性コンホメーションを採用することを可能にするためにある程度の柔軟性を提供するであろう。こうした柔軟性を可能にする残基は、典型的には、Gly、AsnおよびSerであり、したがって、リンカー内のこれらの残基(そして特にGlyおよびSer)の実質的に任意の組み合わせが、望ましい連結効果を提供するようである。1つの例において、こうしたリンカーは、いわゆるGS配列(Gly−Gly−Gly−Gly−Ser)に基づき、これは(GS)、式中、nは1、2、3またはそれより多い、として反復されてもよく、あるいは、(Gly)n、(Ser)n、(Ser−Gly)nまたは(Gly−Ser)n等に基づく。別の態様において、リンカーは、GTELSVRAKPS(配列番号21)である。この配列は、C末端でIgVドメインに隣接するSIRPα配列を構成する(この隣接配列は、リンカーまたは上述のIgV最小配列とカップリングした際のIgVドメインの異なる型のいずれかと見なされうると理解される)。融合領域またはリンカーが、構成要素が活性コンホメーションを採用することを可能にし、そしてこれが当該技術分野において有用なリンカーの任意の型によって達成可能であることのみが必要である。
SIRPαFc融合体は、SIRPαおよびCD47の間の相互作用を阻害し、それによってこの軸を渡るシグナル伝達を遮断するために有用である。CD47によるマクロファージ上のSIRPαの刺激は、マクロファージ内にターゲットを引き入れる際に関与するミオシンIIおよび収縮性細胞骨格活性を不活性化することによって、マクロファージ仲介性食作用を阻害することが知られる。したがって、このカスケードの活性化は、CD47+疾患細胞の生存に重要であり、そしてこの経路の遮断は、マクロファージがCD47+疾患細胞集団を根絶することを可能にする。
用語「CD47+」は、本ポリペプチドによる結合に関してターゲットとされる細胞の表現型に関して用いられる。CD47+である細胞は、CD47抗体をアフィニティリガンドとして用いたフローサイトメトリーによって同定されうる。適切に標識されたCD47抗体は、この使用のため、商業的に入手可能である(例えば、クローンB6H12は、Santa Cruz Biotechnologyより入手可能である)。CD47表現型に関して調べる細胞には、標準的腫瘍生検試料が含まれてもよく、特に内因性CD47+癌細胞を宿すると推測される被験体から採取される血液試料が含まれる。本融合タンパク質を用いた療法に関するターゲットとして、特に関心が持たれるCD47疾患細胞は、CD47を「過剰発現する」ものである。これらのCD47+細胞は、典型的には疾患細胞であり、そして表面上に、所定のタイプの細胞に関する通常のCD47密度を超える密度で、CD47を提示する。CD47過剰発現は、異なる細胞タイプに渡って多様であろうが、本明細書において、例えば本明細書において例示するようなフローサイトメトリーによって、または免疫染色によって、または遺伝子発現分析等によって、その細胞タイプに関して正常であるCD47表現型を有する対応する細胞上で測定可能なレベルよりも高いと決定されるいかなるCD47レベルも指すことを意味する。
したがって、療法的使用のため、薬学的に許容されうるキャリアー、および本SIRPαFc融合タンパク質の療法的有効量を含む、薬学的組成物を提供する。本明細書において、「薬学的に許容されうるキャリアー」は、生理学的に適合可能であり、そしてタンパク質/抗体製剤の分野において有用である、あらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等を意味する。薬学的に許容されうるキャリアーの例には、1またはそれより多い水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール等、ならびにその組み合わせが含まれる。多くの場合、組成物中に、等張剤、例えば糖、ポリアルコール、例えばマンニトール、ソルビトール、または塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。薬学的に許容されうるキャリアーは、薬理学的剤の有効期間または有効性を増進させる、微量の補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、保存剤または緩衝剤をさらに含んでもよい。いくつかの態様において、療法的抗体製剤の分野において標準的な実施を用いて、SIRPαFc融合体を配合する。例えば注射または注入による、静脈内投与に適した溶液が特に有用である。
必要に応じて上に記載する成分の1つまたは組み合わせとともに、適切な溶媒中に必要な量の活性化合物を取り込み、その後、無菌精密濾過することによって、無菌注射可能溶液を調製してもよい。一般的に、分散物は、基本的な分散媒体、および上に列挙するもののうち必要な他の成分を含有する無菌ビヒクル内に活性化合物を取り込むことによって調製される。無菌粉末の場合、調製には、真空乾燥およびフリーズドライ(凍結乾燥)を行い、先に無菌濾過した溶液由来の任意のさらなる望ましい成分を含む、活性成分の粉末を生じる。
本明細書において、「有効量」は、望ましい療法的結果を達成するために必要な投薬量および特定の期間に渡る、有効な量を指す。薬理学的剤の療法的有効量は、疾患状態、個体の年齢、性別、および体重、ならびに薬理学的剤が個体において望ましい反応を誘発する能力などの要因にしたがって多様でありうる。療法的有効量はまた、薬理学的剤の任意の毒性または有害な影響よりも、療法的に有益な効果が勝る量でもある。
SIRPαFc融合タンパク質を、タンパク質送達のために確立された任意の経路、特に静脈内、皮内および皮下注射または注入、あるいは経口または鼻投与を通じて、被験体に投与してもよい。融合タンパク質は、典型的には、1日あたり0.5〜15mg/kg被験体体重の範囲の用量で投与されるであろう。有効量(癌細胞または塊の増殖またはサイズの成長または速度の減少によって明らかとなるような、疾患または状態を治療する際に有効な量)は、被験体の年齢および全身の健康状態、ならびに治療しようとする疾患の重症度を含む、いくつかの要因にしたがって多様であろうことが認識されるであろう。
単一投薬型を産生するためのキャリアー物質と組み合わせてもよい活性成分の量は、治療中の被験体、および特定の投与様式に応じて多様であろう。単一の単位投薬型を産生するために必要な活性成分の量は、一般的には、療法効果を生じる組成物の量であろう。一般的に、100パーセントのうち、この量は、薬学的に許容されうるキャリアーと組み合わせて、活性成分約0.01パーセント〜約99パーセント、好ましくは約0.1パーセント〜約70パーセント、例えば活性成分約1パーセント〜約30パーセントの範囲であろう。
当該技術分野に知られる多様な方法の1つまたはそれより多くを用いて、1つまたはそれより多くの投与経路を通じて、本発明の組成物を投与することも可能である。当業者には理解されるであろうように、投与経路および/または様式は、望ましい結果に応じて多様であろう。本発明の融合タンパク質のための好ましい投与経路には、静脈内、筋内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄または他の非経口投与経路、例えば注射または注入によるものが含まれる。句「非経口投与」には、静脈内、筋内、動脈内、クモ膜下腔内、嚢内、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入などの注射が含まれる。
あるいは、本発明の融合タンパク質を、非経口経路を通じて、例えば滴下によって、あるいは局所、上皮または粘膜投与経路によって、例えば鼻内、経口、膣内、直腸または舌下で投与してもよい。
投薬措置を調整して、最適に望ましい反応(例えば療法反応)を提供する。例えば、単回ボーラスを投与してもよいし、あるいはいくつかの分割用量を長期間に渡って投与してもよいし、あるいは療法状況によって示されるように、用量を比例して減少させるかまたは増加させてもよい。投与の容易さおよび投薬量の均一性のため、非経口組成物を投薬単位型で配合することが特に好適である。「単位投薬型」は、本明細書において、治療しようとする被験体のための、単位投薬として適切な物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な薬学的キャリアーと関連して、望ましい療法効果を産生するように計算された、あらかじめ決定された量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位型の明細は、(a)活性化合物のユニークな特性および達成しようとする特定の療法効果、ならびに(b)個体における感受性の治療に関するこうした活性化合物を配合する分野における本来的な限界によって、指示され、そしてこれらに直接依存する。
融合タンパク質投与のため、単位用量は、約0.0001〜100mg/kg、そしてより一般的には0.01〜5mg/宿主体重kgの範囲内であろう。例えば、投薬量は、0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重または10mg/kg体重、あるいは1〜10mg/kgの範囲内であってもよい。例示的な治療措置は、週あたり1回、2週ごとに1回、3週ごとに1回、4週ごとに1回、1ヶ月に1回、3ヶ月ごとに1回または3〜6ヶ月ごとに1回の投与を含む。本発明の融合タンパク質に関する好ましい投薬措置には、静脈内投与を通じた1mg/kg体重または3mg/kg体重が含まれ、融合タンパク質は、以下の投薬スケジュールの1つを用いて投与される;(i)6回の投薬に関して4週ごと、次いで、3ヶ月ごと;(ii)3週ごと;(iii)3mg/kg体重を1回、その後、1mg/kg体重を3週ごと。いくつかの方法において、投薬量を調整して、約1〜1000μg/ml、そしていくつかの方法において約25〜300μg/mlの血漿融合タンパク質濃度を達成する。
本融合タンパク質は、赤血球に対して無視できる結合を示す。したがって、有効投薬措置を確立する際、RBC「シンク」を考慮する必要はない。RBCに結合される他のSIRPα/CD47阻害剤に比較して、本SIRP−Fc融合体は、RBCに結合するようになる薬剤、例えばCD47抗体に関して必要とされる用量の半分未満の用量で有効でありうる。
さらに、SIRPα−Fc融合タンパク質は、結合した際、無視できるCD47アゴニズムを示すため、SIRPα仲介性シグナルの専用アンタゴニストである。したがって、医学的に有用な単位投薬措置を確立する際、薬剤によって誘導されるいかなる刺激も考慮する必要はない。
融合タンパク質はまた、持続放出配合物として投与してもよく、この場合、より頻繁でない投与しか必要とされない。投薬量および頻度は、患者における融合タンパク質の半減期に応じて多様である。投薬量および投与頻度は、治療が予防的または療法的であるかに応じて多様でありうる。予防的適用において、比較的低い投薬量を、比較的頻繁でない間隔で、長期に渡って投与する。ある患者は、余生に渡って治療を受け続ける。療法的適用において、疾患進行を減少させるかまたは終結させるまで、そして好ましくは患者が疾患の症状の部分的なまたは完全な寛解を示すまで、ときには、比較的高い投薬量を比較的短い間隔で投与することが必要である。したがって、予防的措置を用いて患者を治療することも可能である。
本発明のSIRPαFcタンパク質は、多様なCD47+疾患細胞を治療するために有用である。これらには、液体および固形腫瘍を含む、特定のCD47+癌細胞が含まれる。1つの態様において、SIRPαFcタンパク質は、血液学的癌の成長または増殖を阻害するために用いられる。本明細書において、「血液学的癌」は、血液の癌を指し、そしてこれには、とりわけ、白血病、リンパ腫および骨髄腫が含まれる。「白血病」は、感染と戦うことができない白血球があまりにも多く作製され、したがって、血液を構成する他の部分、例えば血小板および赤血球を押し出してしまう血液の癌を指す。白血病の症例は、急性または慢性と分類されると理解される。白血病の特定の型は、例えば、急性リンパ球性白血病(ALL);急性骨髄性白血病(AML);慢性リンパ球性白血病(CLL);慢性骨髄性白血病(CML);骨髄増殖性障害/新生物(MPDS);および骨髄異形性症候群であることも可能である。「リンパ腫」は、とりわけ、ホジキンリンパ腫、緩慢性および侵襲性非ホジキンリンパ腫両方、バーキットリンパ腫、および濾胞性リンパ腫(小細胞および大細胞)を指すことも可能である。骨髄腫は、多発性骨髄腫(MM)、巨細胞骨髄腫、重鎖骨髄腫、および軽鎖またはベンス−ジョーンズ骨髄腫を指すことも可能である。
いくつかの態様において、SIRPαFcタンパク質で治療する血液学的癌は、CD47+白血病、好ましくは急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、および骨髄異形性症候群より選択されるもの、好ましくはヒト急性骨髄性白血病である。
他の態様において、SIRPαFcタンパク質で治療する血液学的癌は、ホジキンリンパ腫、緩慢性および侵襲性両方の非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫(小細胞および大細胞)、多発性骨髄腫(MM)、巨細胞骨髄腫、重鎖骨髄腫、および軽鎖またはベンス−ジョーンズ骨髄腫ならびに平滑筋肉腫より選択される、CD47+リンパ腫または骨髄腫である。
固形腫瘍もまた、本融合タンパク質で治療して、そのサイズ、数または増殖速度を減少させ、そして癌幹細胞の増殖を制御することも可能である。こうした固形腫瘍には、膀胱、脳、乳房、肺、結腸、卵巣、前立腺、肝臓および他の組織のCD47+腫瘍もまた含まれる。
SIRPαFcタンパク質を単独で、単一療法として、またはターゲットとされる徴候の治療において有用な任意の他の剤と組み合わせて、投与してもよい。
SIRPαFcタンパク質はまた、CD47+細胞の存在を検出するためにも有用である。これは、間接的に、まずタンパク質および試験細胞を融合タンパク質とインキュベーションし、そして次いで、融合タンパク質に結合する検出可能な剤で探査する(probing)ことによって間接的に、または標識型で融合タンパク質を提供することによって、直接、達成することも可能である。
別の側面において、本発明は、診断または療法部分、例えば検出可能マーカー、細胞毒素、薬剤または放射毒素にコンジュゲート化された融合タンパク質を特徴とする。1またはそれより多い細胞毒素を含むコンジュゲートは、「免疫毒素」または薬剤コンジュゲートと称される。細胞毒素または細胞傷害剤には、細胞に有害である(例えば細胞を殺す)任意の剤が含まれる。例には、タキソール、エチジウムブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、ミグラマイシン、およびアクチノマイシンDが含まれる。療法剤にはまた、例えば代謝拮抗剤(例えばメトトレキセート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、およびシタラビン)、アルキル化剤(例えばシクロホスファミド、ブスルファン、マイトマイシンC、およびシスプラチン)、アントラサイクリン(例えばダウノルビシンおよびドキソルビシン)、および抗生物質(例えばダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC)、および抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチンおよびビンブラスチン))が含まれる。
融合タンパク質をコンジュゲート化可能な検出可能なマーカーの限定されない例には、フルオレセイン、シアニン、Cy−3、ビオチン、I−123およびI−125を含む放射性同位体等が含まれる。融合タンパク質を、当該技術分野に知られる方法によって、こうした検出可能マーカーで標識してもよい。
当該技術分野で利用可能なリンカー技術を用いて、本発明の融合タンパク質に細胞毒素をコンジュゲート化してもよい。細胞毒素を融合タンパク質にコンジュゲート化するために使用されてきているリンカータイプの例には、限定されるわけではないが、ヒドラゾン、チオエーテル、エステル、ジスルフィドおよびペプチド含有リンカーが含まれる。
本発明の融合タンパク質を放射性同位体にコンジュゲート化して、放射コンジュゲートとも称される、細胞毒性放射薬剤を生成してもよい。診断的または療法的に使用するために、融合タンパク質にコンジュゲート化可能な放射性同位体の例には、限定されるわけではないが、ヨウ素131、インジウム111、イットリウム90、およびルテチウム177が含まれる。放射コンジュゲートを調製するための方法が当該技術分野に確立されている。
1つの態様において、融合タンパク質を用いて、CD47のレベル、または膜表面上にCD47を含有する細胞のレベルを検出してもよい。SIRPαFc融合タンパク質を用いたCD47の検出は、例えば、試料(例えばin vitro試料)および対照試料を、融合タンパク質およびCD47の間の複合体の形成を可能にする条件下で、融合タンパク質と接触させることによって、達成可能である。融合タンパク質およびCD47の間で形成される任意の複合体を検出し、そして試料および対照において比較する。例えば、本発明の組成物を用いて、当該技術分野に周知の標準的検出法、例えばELISAおよびフローサイトメトリーアッセイを行ってもよい。
したがって、融合タンパク質は、試料試験およびin vivo画像法を含めた診断目的のために、そして1つの特徴として、CD47が上方制御されている疾患細胞を有する疾患を治療する、療法目的のために、有用である。
いずれの目的に関しても、融合タンパク質を適切な剤にコンジュゲート化して、薬剤コンジュゲートを形成してもよい。疾患を治療するために適した剤には、例えば化学療法剤および放射療法剤などの細胞傷害剤が含まれる。診断目的のため、適切な剤は、全身画像法に関しては、放射性同位体、そして試料試験に関しては、放射性同位体、酵素、蛍光標識および他の適切な抗体タグがある。
CD47検出のため、検出可能標識は、in vitro診断法の分野で、現在用いられる多様なタイプのいずれであってもよく、これには、金属ゾル、例えばコロイド性金、例えばN2S2、N3SまたはN4型のペプチド性キレート剤とともに提示されるI125またはTc99などの同位体、蛍光マーカー、発光マーカー、リン光マーカー等を含む発色団、ならびに所定の基質を検出可能マーカーに変換する酵素標識、ならびにポリメラーゼ連鎖反応によるなどの増幅後に明らかになるポリヌクレオチドタグが含まれる。適切な酵素標識には、西洋ワサビ(horseradish)ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ等が含まれる。例えば、標識は、酵素、アルカリホスファターゼであってもよく、該酵素は、1,2ジオキセタン基質、例えばアダマンチルメトキシホスホリルオキシフェニルジオキセタン(AMPPD)、二ナトリウム3−(4−(メトキシスピロ{1,2−ジオキセタン−3,2’−(5’−クロロ)トリシクロ{3.3.1.1.3,7}デカン}−4−イル)フェニルホスフェート(CSPD)、ならびにCDPおよびCDP−star(登録商標)、または当業者に周知の他の発光基質、例えば適切なランタニド、例えばテルビウム(III)およびユーロピウム(III)のキレートの変換後の化学発光の存在または形成を測定することによって、検出される。検出手段は、選択した標識によって決定される。標識またはその反応産物の出現は、標識が粒子であり、そして適切なレベルで集積する場合、裸眼を用いて達成可能であるし、またはすべて標準的実施にしたがって、分光光度計、ルミノメーター、蛍光光度計等の装置を用いて達成可能である。
SIRPαFc融合タンパク質に基づく療法のため、細胞毒素を融合タンパク質に、非共有相互作用を通じてコンジュゲート化してもよいが、より望ましくは、直接、またはより好ましくは適切なリンカーを通じて、共有結合によってカップリングする。好ましい態様において、コンジュゲートは、細胞毒素および融合タンパク質を含む。融合タンパク質および細胞毒素のコンジュゲートを、多様な二官能性タンパク質カップリング剤、例えばN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート、イミノチオラン、アジプイミド酸ジメチルHClなどのイミドエステルの二官能性誘導体、スベリン酸ジスクシニミジルなどの活性エステル、グルタルアルデヒドなどのアルデヒド、ビス−アジド化合物、例えばビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、トルエン2,6−ジイソシアネートなどのジイソシアネート、およびビス活性フッ素化合物(例えば1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン)を用いて作製される。C14標識1−イソチオシアノベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、抗体に放射性核種をコンジュゲート化させるために適したキレート剤である。
免疫コンジュゲートの細胞毒素構成要素は、化学療法剤、療法抗体、毒素、例えば細菌、真菌、植物または動物起源の酵素的活性毒素、またはその断片、または小分子毒素、または放射性同位体、例えば212Bi、131I、131In、111In、90Y、および186Re、あるいは癌細胞の成長または増殖を阻害するように働く、任意の他の剤であってもよい。
こうした薬剤コンジュゲートの生成において有用な化学療法剤には、DM−1およびDM−4を含むメイタンシノイド、オーリスタチン、アドリアマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド(「Ara−C」)、シクロホスファミド、チオテパ、ブスルファン、シトキシン(cytoxin)、タキソイド、例えばパクリタキセル、およびドセタキセル、タキソテール、メトトレキセート、シスプラチン、メルファラン、ビンブラスチン、ブレオマイシン、エトポシド、イホサミド(ifosamide)、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビノレルビン、カルボプラチン、テニポシド、ダウノマイシン、カルミノマイシン、アミノプテリン、ダクチノマイシン、マイトマイシン、エスペラマイシン、5−FU、6−チオグアニン、6−メルカプトプリン、アクチノマイシンD、VP−16、クロラムブシル、メルファラン、および他の関連ナイトロジェン・マスタードが含まれる。やはり含まれるのは、腫瘍に対するホルモン作用を制御するかまたは阻害するように働くホルモン剤、例えばタモキシフェンおよびオナプリストンである。使用可能な毒素およびその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、コレラ毒素、ボツリヌス毒素、外毒素A鎖(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、シナアブラギリ(Aleurites forddi)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP−S)、ツルレイシ(Momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(Sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、サポリン、マイトジェリン、リストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン、およびトリコスセン(tricothcene)が含まれる。小分子毒素には、例えばカリケアマイシン、メイタンシノイド、パリトキシンおよびCC1065が含まれる。
融合タンパク質は、ターゲット抗原CD47に選択的に結合し、そして本発明の側面にしたがって、癌および他の疾患細胞をスクリーニングして、高密度でCD47抗原を提示する細胞を検出するために用いられる。好ましい態様において、SIRPαFc融合タンパク質療法の候補である被験体から採取した癌細胞試料に、スクリーニングを適用する。高密度でCD47抗原を提示する癌細胞に関して陽性の試験結果を示す被験体を、次いで、本融合タンパク質またはそのコンジュゲートハイブリッドでの療法のために予定することも可能である。本明細書記載の融合タンパク質と組み合わせ、標準技術を用いて、癌細胞をスクリーニングすることも可能である。望ましくは、融合タンパク質は検出可能標識を取り込む。標識は、それ自体検出可能であってもよいし(例えば放射性同位体標識または蛍光標識)、あるいは酵素標識の場合、検出可能である、基質化合物または組成物の化学的改変を触媒することも可能である。検出可能標識として働きうる放射性核種には、例えば、I−131、I−123、I−125、Y−90、Re−188、Re−186、At−211、Cu−67、Bi−212、およびPd−109が含まれる。
免疫蛍光または免疫電子顕微鏡検査によって、本抗体または断片を用いて、CD47+癌細胞への結合のin situ検出を実行してもよい。この目的のため、組織学的標本を患者から取り除いて、そして好ましくは生物学的試料上に抗体を重層することによって、融合タンパク質の標識型をこれに適用する。この方法はまた、生検腫瘍組織内で、CD47抗原の分布を調べることも可能にする。当業者には、非常に多様な組織学的方法がin situ検出のために容易に利用可能であることが明らかであろう。
より具体的には、本発明のSIRPαFc融合タンパク質を用いて、標準検出アッセイを用い、生物学的試料(例えば組織生検、細胞、または体液)中の融合タンパク質反応性の存在または非存在を監視することも可能である。免疫学的アッセイは、直接検出を伴うことも可能であり、そして特に、CD47+である癌細胞の存在に関して、多量の試料をスクリーニングするのに適している。例えば、融合タンパク質を任意の標準イムノアッセイ形式(例えばELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降、フローサイトメトリーまたはRIAアッセイ)で、任意の抗体の役割において用いて、複合体形成を測定することも可能である。直接または間接的に視覚化可能な任意の適切な標識をこれらの検出アッセイで利用してもよく、これには、限定されるわけではないが、任意の放射性、蛍光、発色(例えばアルカリホスファターゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼ)、または化学発光標識、あるいは標識されたハプテン特異的抗体または他の結合パートナー(例えばアビジン)を用いて視覚化可能なハプテン(例えばジゴキシゲニンまたはビオチン)が含まれる。例示的なイムノアッセイが、例えばAusubelら、上記、HarlowおよびLane, Antibodies: A Laboratory Approach, Cold Spring Harbor Laboratory, ニューヨーク(1988)、ならびにMoynaghおよびSchimmel, Nature 400:105, 1999に記載される。例えば、本明細書記載の融合タンパク質を用いて、高密度CD47は、標準的フローサイトメトリー法を用いて、細胞表面で容易に検出される。適切な対照試料に比較して標識複合体を含有することが見いだされた試料は、高密度CD47の存在を示すとされ、そしてしたがって、本融合タンパク質での治療を受け入れられる癌または他の疾患の指標である。
本融合タンパク質が2つの分子を含み、各々がFc構成要素に融合したSIRPαタンパク質構成要素を取り込む一本鎖ポリペプチドを含むことが認識されるであろう。
二量体を形成する一本鎖ポリペプチドの融合は、一本鎖ポリペプチドが、これを産生する宿主細胞から分泌される際に、Fc構成要素間で形成されるジスルフィド架橋から生じる。したがって、融合タンパク質から回収される産物は、Fc構成要素およびSIRPα構成要素の両方を取り込む一本鎖ポリペプチドの2つの分子間のジスルフィド連結から生じる二量体タンパク質である。
したがって、本発明は、SIRPαタンパク質構成要素が、Fc領域、すなわちCH構成要素に融合している一本鎖ポリペプチドを提供するだけでなく、2コピーのこれらの一本鎖ポリペプチドがそれぞれのFc構成要素を通じて融合している二量体融合タンパク質も提供する。2コピーより多い各ポリペプチドが融合している多量体型もまた、本発明の範囲内である。
本SIRPαFc融合タンパク質を産生するため、一本鎖ポリペプチドの分泌型をコードするDNAを得て、適切な発現/分泌ベクター内に取り込み、そして次いで、適切な産生宿主内にトランスフェクションする。生じたトランスフェクタントを培養すると、分泌産物として二量体融合タンパク質が生じ、これを次いで採取し、そして精製することも可能であり、これらはすべて、一般的に、確立された実施にしたがい、そして本明細書に例示されるとおりである。一本鎖型のポリペプチドを同様に得ることも可能であるが、該ポリペプチドは、分泌シグナルの補助なしに、そして原核生物などの宿主において産生され、したがって二量体化は起こらず、そしてポリペプチドは細胞内タンパク質として回収可能である。
したがって、本発明はまた、発現に際して、本融合タンパク質を構成する一本鎖ポリペプチドの分泌可能型を生じる、DNAおよびRNAを含むポリヌクレオチドも提供する。好ましいおよび分泌可能な一本鎖ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8を有するDNA配列を含み、ここで、最初の90残基は、ヒトSIRPαに天然である30量体分泌シグナルをコードし、そして残りの核酸残基(配列番号7)は、一本鎖FSIRPαFcポリペプチドをコードする。態様には、1またはそれより多いコドンが、例示するものと同義のコドンによって置換されているポリヌクレオチドも含まれる。
関連する態様において、配列番号25を有するIgG1に基づく融合タンパク質の分泌可能型をコードするポリヌクレオチドであって、配列番号27を含むポリヌクレオチドを提供する。やはり提供するのは、配列番号26を有するIgG4に基づく融合タンパク質の分泌可能型をコードするポリヌクレオチドであって、配列番号28を含むポリヌクレオチドである。
標準的遺伝子合成ならびにクローニングおよび増幅技術を用いて、ポリヌクレオチドを新規合成して、損なわれていないポリヌクレオチドに組み立ててもよい。あるいは、そして例えば、SIRPαタンパク質構成要素をコードするポリヌクレオチド(例えば配列番号5)および選択するFc構成要素をコードするポリヌクレオチド(例えば配列番号6)を、これらの遺伝子の公的に入手可能な供給源からPCR増幅によって得ることも可能であり、そして増幅されたポリヌクレオチドを直接、あるいは生物学的活性に関して無害である1またはそれより多いアミノ酸残基をコードするリンカーを通じて、連結によって連結することも可能であり、これらはすべて確立された技術にしたがい、そして本明細書に例示するとおりである。
発現のため、分泌型の一本鎖ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、選択した融合タンパク質産生宿主において、ポリヌクレオチドを発現するのに適したプラスミドなどのベクター内に取り込む。こうしたベクターは、商業的に入手可能であり、そして典型的には、選択した宿主において、発現を駆動するために有効なプロモーターの制御下で、直接、分泌可能融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの導入を可能にするように、構築される。宿主トランスフェクション法は、当該技術分野でよく確立されており、そしてベクターを含む発現系およびこうしたベクターのための発現宿主は、商業的に入手可能である。これらには、宿主293、CHOまたはNSO内に同時トランスフェクションして、Invitrogenから入手可能なCMVプロモーター下で融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現させるのに適したpcDNAベクター、およびやはりInvitrogenより入手可能な、CMVプロモーター下で、そして293、CHOまたはNOS宿主において、二シストロン性RNAから、融合タンパク質鎖を発現するためのpTandem−1ベクター系が含まれる。本明細書の実施例に記載する、別の有用な発現系は、CMVプロモーターを利用し、そしてカナダ・モントリオールのBiotechnology Research Instituteより商業的に入手可能である。
本発明の融合タンパク質に適した産生宿主は、分泌可能型の融合体形成一本鎖ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを一過性にまたは安定してのいずれかで取り込む細胞である。融合タンパク質の発現される型は、宿主からの各融合タンパク質鎖の分泌を可能にするシグナル配列を取り込み、それによって、産生された融合タンパク質鎖内のおよび鎖に渡る、望ましいジスルフィド連結の形成を可能にし、そして機能する融合タンパク質を提供する。分泌シグナルは、選択した宿主において機能性である、任意のこうしたシグナルによってコードされてもよい。1つの態様において、分泌シグナルは、SIRPαタンパク質構成要素と通常関連する分泌シグナルである。
本発明の組換え融合タンパク質を発現するために適した哺乳動物宿主細胞には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞、dhfr−CHO細胞およびCHOcTA細胞を含む)、NSO骨髄腫細胞、SOS細胞およびSP2細胞が含まれる。特定の態様において、宿主はCHO細胞株、例えばCHO−S細胞株である。NSO骨髄腫細胞とともに使用するため、別の好ましい発現系は、WO 87/04462、WO 89/01036およびEP 338,841に開示するGS遺伝子発現系である。宿主細胞が増殖する培地内への融合タンパク質の分泌を可能にするのに十分な期間、トランスフェクションされた宿主細胞を培養することによって、融合タンパク質を産生する。すべて、明細書に例示するように、標準的タンパク質精製法を用いて、融合タンパク質を培地から回収することも可能である。
続く研究の説明において、融合タンパク質にはコードによって言及する。便宜上、参照融合体の機能性構成要素を以下に要約する:
表1
すべてのヒトIgG4 Fc領域は、アステリスク()で示す場合以外は、ヒンジ安定化S228P突然変異を所持する。「mut」と示すIgG4 Fcは、FcγR結合をさらに減少させる、233〜236位(EU番号付け系)の突然変異を含有する(Armourら 1999 Eur. J. Immunol. 29:2613)。FD6突然変異(L4V、V6I、A27I、I31F、E47V、K53R、E54Q、H56P、V63I、L66T、K68R、V92I)およびCV1突然変異(V6I、A27I、I31F、E47V、K53R、E54Q、H56P、L66T、V92I)は、Weiskopfら 2013 Science 341:88に記載される。**商業的に入手可能なタンパク質は、R&D Systems(カタログ番号4546−SA−050)によって販売される。
1. SIRPα−Fc融合タンパク質産生
以下に示すプライマーを用いて、3段階クローニングプロセスによって、SIRPαFc構築物を生成した:
最初のPCR反応において、100ngのテンプレートDNA(合成ヒトSIRPα GenBank #AAH26692、Blue Heron Biotechnology)を、1mM MgSO、各0.4mM dNTPおよび各20pmolのプライマー中、白金Pfx DNAポリメラーゼ(Invitrogen)を用いて、以下の条件にしたがって増幅した:
TTI−602:プライマーP#5863およびP#5929;最初の融解94℃5分間、その後、94℃1分間、56℃2分間、および68℃2分間からなる30周期。
TTI−616:プライマーP#5863およびP#0874;最初の融解94℃5分間、その後、94℃1分間、50℃1.5分間、および63℃3分間からなる30周期。
TTI−621:プライマーP#5863およびP#4197;最初の融解94℃5分間、その後、94℃0.5分間、50℃1.5分間、および63℃3分間からなる30周期。
TTI−622:プライマーP#5863およびP#4195;最初の融解94℃5分間、その後、94℃0.5分間、50℃1.5分間、および63℃3分間からなる30周期。
次いで、反応を72℃で10分間保持し、そして4℃に冷却した。1〜1.4%アガロースゲルを通じて反応産物を電気泳動し、そしてエチジウムブロミドで視覚化した。
次に、1mM MgSO、各0.4mM dNTP、各20pmolのプライマーおよび100ngのテンプレートDNA(ヒトIgG1およびヒトIgG4、あらかじめクローニング)中、Pfx DNAポリメラーゼ(Invitrogen)を用い、以下の条件下で、反応PCR2において、IgG Fc断片を増幅した:
TTI−602:プライマーP#5930およびP#1035;最初の融解94℃5分間、その後、94℃1分間、56℃2分間、および72℃2分間からなる30周期。
TTI−616:プライマーP#0875およびP#1035;最初の融解94℃5分間、その後、94℃1分間、50℃1.5分間、および63℃3分間からなる30周期。
TTI−621:プライマーP#4198およびP#1737;最初の融解94℃5分間、その後、94℃0.5分間、60℃0.5分間、および68℃0.5分間からなる30周期。
TTI−622:プライマーP#4196およびP#2058;最初の融解94℃5分間、その後、94℃0.5分間、50℃1.5分間、および63℃3分間からなる30周期。
次いで、反応を72℃で10分間保持し、そして4℃に冷却した。1〜1.4%アガロースゲルを通じて反応産物を電気泳動し、そしてエチジウムブロミドで視覚化した。
最後に、反応PCR3において、重複PCRによって、SIRPαおよびFc cDNAを組み立てた。PCR1およびPCR2の産物(100ng)を、1mM MgSO、および各0.4〜0.8mMのdNTP中、白金Pfx DNAポリメラーゼ(Invitrogen)と、94℃5分間、その後、94℃30秒間〜1分間、次いで52〜60℃80秒間〜3分間からなる10周期でインキュベーションし、そして4℃に冷却した。次いで、プライマー(各20〜40pmol)を第一の反応に添加し、そして以下の条件下で、第二段階の反応を行った:94℃5分間で融解、その後、94℃30秒間〜1分間、50〜56℃30秒間〜3分間からなる30周期、および30秒間。各条件の詳細を以下に示す:
TTI−602:プライマーP#5863およびP#1035を用いて、94℃1分間および56℃3分間で10周期、その後、94℃1分間、55℃2.5分間、および72℃3分間の30周期。
TTI−616:最初のPCR周期なし;プライマーP#5863およびP#1035を用いて、94℃1分間、50℃2分間、および63℃3.5分間の30周期。
TTI−621:プライマーP#5863およびP#1737を用いて、94℃1分間および52℃3分間で10周期、その後、94℃1分間、52℃2分間、および63℃4分間の30周期。
TTI−622:プライマーP#5863およびP#2058を用いて、94℃1分間および60℃3分間の10周期、その後、94℃1分間、52℃2分間、および63℃4分間の30周期。
次いで、反応を68〜72℃で7〜8分間保持し、そして4℃に冷却した。反応産物を1〜1.4%アガロースゲルを通じて分離し、そしてエチジウムブロミドで視覚化し、そして以下のようにpMPG発現ベクター(Biotechnology Research Institute、カナダ・モントリオール)内に連結した: PCR増幅由来の関心対照のDNAバンドを切除し、そしてQIAquickゲル抽出キット(Qiagen)を用いることによって、アガロースゲルから精製した。この精製PCR産物を、NheIおよびBamHI制限酵素(New England BioLabs)によって消化し、そしてQiaquickゲル精製キット(Qiagen)を用いてゲルから精製した。次いで、NheIおよびBamHI酵素によって同様に消化されているpMPG発現プラスミド内に、T4 DNAリガーゼ(Invitrogen)によって断片を連結した。pMPGプラスミドは、CMVプロモーターおよびTKポリAターミネーターを用い、そしてハイグロマイシン耐性選択マーカーを含有する。次いで、製造者の指示にしたがって、2μlの連結反応を25μlのコンピテント大腸菌(E. coli)DH5α細胞(Invitrogen)内に形質転換した。形質転換体を、100μg/mlアンピシリン(Sigma)を含有するLB寒天プレート上にスプレッドし、その後、37℃で20時間、インキュベーションした。QIAprepスピン・ミニプレップキット(Qiagen)を用いることによって、小規模大腸菌培養からプラスミドDNAを抽出し、そして精製し、そして蛍光色素コンジュゲート化ddNTPを用いた自動化配列決定によって、DNA配列を確認した(ヨーク大学コア分子生物学施設)。トランスフェクションのため、EndoFreeプラスミドマキシキット(Qiagen)を用いて、大量のプラスミドDNAを調製し、次いで、蛍光色素コンジュゲート化ddNTPを用いた自動化配列決定によって、DNA配列を再確認した(ヨーク大学コア分子生物学施設)。
細胞株産生
CHO−S細胞株(Invitrogen)を用いて、安定トランスフェクタントを生成した。簡潔には、単離したプラスミドDNAを、XbaI(New England BioLabs)によって直線化し、そしてQIAGENカラム(Qiagen)を用いて精製した。8mM L−グルタミンおよび1xHT補充剤を補充した、血清不含で化学的に定義された培地(CD−CHO、Invitrogen)中で増殖させたCHO−S細胞を、Lipofectamine 2000試薬(Invitrogen)を用いて、直線化プラスミドでトランスフェクションした。48時間後、細胞を96ウェルプレートに移し、そして600μg/mLのハイグロマイシンB(Invitrogen)を含有する培地中、異なる濃度(10000、5000、または2000細胞/ウェル)でプレーティングした。混合物にDNAを添加せず、同一の方式で、偽トランスフェクション対照を行った。トランスフェクションの2〜3週後、薬剤耐性オリゴクローンパネルを摘み取り、そして48時間の発現研究由来の上清を、以下のように、ELISAによってスクリーニングした: 96ウェルプレートを、0.1μg/ウェルの捕捉Ab(ヤギ抗ヒトIgGFc)でコーティングし、そして4℃で一晩インキュベーションした。ウェルを洗浄し、そして200μlのPBST中の2%BSAで室温で1時間ブロッキングした。洗浄後、100μlの試料をPBST中の1%BSAで希釈し、ウェルに添加し、1時間インキュベーションし、洗浄し、そして次いで、HRPコンジュゲート化検出Ab(HRPコンジュゲート化ヤギ抗ヒトIgGFc)と室温で1時間インキュベーションした。次いで、ウェルを洗浄し、そしてTMB基質(Moss Inc.)を添加し、そして室温で3〜5分間インキュベーションした。iMarkマイクロプレート読み取り装置(Biorad)を用いて、450nm/655nm波長で吸光度を測定し、そして既知の量の精製融合タンパク質を用いて、標準曲線を構築した。3つの最高発現オリゴクローンの第二の限界希釈を、600μg/mlのハイグロマイシンBを含有する完全CD−CHO培地中、より低い細胞濃度(0.1、0.25、および0.5細胞/ウェル)で行った。2〜3週後、薬剤耐性クローンを、上述のようなELISAによって、組換えタンパク質産生に関して再び評価した。生産性をpg/細胞/日で表し、そしてこれは、ヒトSIRPα融合タンパク質に関しては、1.4〜23.9pg/細胞/日の範囲であった。最高に発現している単一細胞クローンを、WAVEバイオリアクター系において、上清バッチ産生のために用いた。いくつかの例において、単一クローン段階に到達する前に、最適オリゴクローンを産生に用いた。
タンパク質精製
小ロットタンパク質の迅速産生のため、一過性トランスフェクション293F細胞において、いくつかのSIRPα−Fcバッチを作製した。簡潔には、FreeStyle 293F細胞(Invitrogen)を、293F培地(Invitrogen)中で増殖させ、非直線化プラスミドDNAおよび293Fectin試薬(Invitrogen)でトランスフェクションし、そして体積80〜100mL/フラスコ中、37℃、5%COで3〜6日間、振盪装置フラスコバッチ中で増殖させた。細胞生存度が〜90%に低下するまで、細胞密度および生存度を毎日監視した。バッチ採取物の細胞生存度は、85〜90%の範囲であった。
CHO−S細胞からの精製のため、WAVE使い捨てバッグバイオリアクター系Base20/50 EHT(GE Healthcare)中で、安定トランスフェクション高発現オリゴまたは単一細胞クローンから、5または10L培養上清を生成した。簡潔には、CHO−Sトランスフェクタントを、完全増殖培地(8mM L−グルタミン、1xHT補充剤、および600μg/mLハイグロマイシンBを補充したCD−CHO)中、静的T150フラスコ中、37℃で増殖させて、それぞれ、5Lまたは10L実行のため、0.5x10細胞/mLで、1Lまたは2L培養を開始するために十分な細胞数を生じた。バイオリアクターバッグに接種し、そして次いで、15〜20rpmの振盪速度、角度7°、および気流0.2〜0.4Lpmで細胞をインキュベーションした。培養が、2〜2.5x10細胞/mLの密度に到達したら(通常、接種の2〜3日以内)、バイオリアクターを5Lまたは10Lまでさらにスケールアップし、そして37℃、10%CO、振盪速度15〜20、角度7°、気流0.2〜0.4Lpmでさらにインキュベーションした。細胞が1〜1.5x10細胞/mLの密度に到達したら、温度を30℃に低下させ、そして上に明記する条件で、培養をさらに7〜10日間インキュベーションした。第0日、30℃で開始して、培養に1%CHOフィードバイオリアクター補充物(Sigma)を2日ごとに供給し、そして細胞生存度がほぼ90%に低下したら、採取した。上清を収集し、3000xg、4℃で40分間、遠心分離し、そして精製するまで、−20℃で凍結した。
最初にプロテインAクロマトグラフィを用いる2工程法ですべてのタンパク質を精製した。緩衝液交換した上清を、9倍の結合緩衝液(20mM Na−Pおよび3M NaCl、pH 7.8)で希釈し、そしてrプロテインAカラム(GE Healthcare)上に、2〜3mL/分(装填体積および装填時間に応じる)の流速で、4℃で一晩装填した。次いで、カラムを結合緩衝液(3mL/分で20体積)で洗浄し、そしてタンパク質を0.1Mクエン酸pH 4.0およびpH 2.2、3mL/分で溶出させた。溶出させた物質を、1Mで中性までpH調整し、そして続いて、HiTrapフェニルHPクロマトグラフを用いて精製した。簡潔には、0.2M硫酸アンモニウムpH7.5でタンパク質を少なくとも4倍希釈し、そしてHiTrapフェニルHPカラム(GE Healthcare)上に、2〜3mL/分(カラムサイズおよび装填時間に応じる)で装填した。非凝集SIRPαFcタンパク質を、フロースルー分画中に収集した。BioMax 10膜(Millipore)を用いた接線流濾過を用いて、タンパク質をPBS pH7.4中に濃縮し、そして緩衝液交換した。各タンパク質の品質を、SDS−PAGE、ヤギ抗IgGFc抗体およびウサギ抗ヤギIgG HRPコンジュゲートを用いたウェスタンブロット、ならびにHPLC分析によって決定した。すべてのタンパク質の同一性を、N末端配列決定および質量分析によって確認した。
1. 1ドメインおよび3ドメインSIRPαFc融合体の比較
SIRPαは、3つの細胞外免疫グロブリン(Ig)様ドメインからなるが、CD47への結合は、N末端ドメインに局在化される。SIRPαFc融合体のための最適なSIRPα領域を決定するため、本発明者らは、3つすべての細胞外SIRPαドメイン(TTI−602)または単一のN末端ドメイン(TTI−616)のいずれかを取り込むタンパク質を生成した。
どちらのタンパク質も、エフェクター機能を欠く突然変異ヒトIgG4 Fc主鎖上に構築した。本発明者らは、直接結合アッセイ(図1A)および間接的競合アッセイ(図1B)を用いてヒトCD47へのTTI−602およびTTI−616の結合を比較した。直接結合アッセイのため、CD47+ヒトJurkat細胞を多様な濃度(示す通り)のhSIRPαFcタンパク質と氷上で1時間インキュベーションした。次いで、細胞を洗浄して、いかなる未結合タンパク質も除去し、そして次いで、抗hIgG Fcg特異的(Fab’) FITC抗体と氷上で1時間インキュベーションした。次いで、細胞を洗浄し、そして2%パラホルムアルデヒド溶液と一晩インキュベーションすることによって、固定した。次いで、固定溶液を洗い流し、そして細胞をフローサイトメトリー(BD FACScan)によって分析した。非線形回帰を用いて、データを一部位結合モデルに適合させた。間接的アッセイのため、固定飽和量のビオチン化ヒトSIRPαFc(TTI−601)を単独で、または滴定量のTTI−602またはTTI−616と氷上で15分間インキュベーションした。次いで、この混合物をヒトCD47+ Jurkat細胞に添加し、氷上で1時間インキュベーションし、洗浄して、未結合タンパク質を除去し、そして次いで、飽和量のストレプトアビジン−PEと氷上、暗所で1時間インキュベーションした。次いで、上述のように、細胞を洗浄し、固定し、そしてフローサイトメトリーによって分析した。次いで、幾何平均を規準化し、100%阻害をストレプトアビジン−PE単独の幾何平均とし、そして0%阻害をビオチン化TTI601単独の幾何平均とした。シグモイド用量−反応曲線適合(Prism、Graphpad)を用いた非線形回帰分析によって、最適適合の曲線を得た。
図1Aおよび1Bのデータは、TTI−602およびTTI−616の間の結合相違を示し、TTI−616の結合はどちらのアッセイでもより高いアフィニティであった。直接結合アッセイにおいて、TTI−616は、TTI−602よりも10倍高いアフィニティで結合した(EC50値:13.4nM対139nM)。間接的結合アッセイにおいて、TTI−616は、TTI−602よりも7倍高いアフィニティで結合した(EC50値:4.5nM対32.1nM)。先に公表されたデータは、SIRPαのN末端ドメインが、3つの細胞外ドメインすべてを含有するSIRPαに匹敵するアフィニティで、CD47に結合することを示す(Hatherleyら 2007 J. Biol. Chem. 282:14567)ため、これらの結果は予期せぬものであった。
2. 異なるFc領域を含むヒトSIRPαFc融合体の設計
単一SIRPαドメインを取り込む融合タンパク質に関する優先性が確立されたため、最適Fc領域を決定するための研究を行った。同じSIRPα領域(31〜148)を含有するが、多様なエフェクター活性を有する異なるFc構成要素上に構築される、3つの異なるヒトSIRPαFc融合体を生成した。設計詳細を以下の表2に要約する。注釈付きのDNAおよびタンパク質配列を付録1に示す。
表2. ヒトSIRPαFc融合タンパク質の設計
EU番号付け系における228位に対応し、そしてIgG4ヒンジ領域を安定化させ、そして鎖内ジスルフィドの形成を防止して、単量体形成を導くよう意図される(Angalら 1993 Mol. Immunol. 30:105)。
**EU番号付け系における233〜236位に対応し、そしてFcγ受容体結合をさらに減少させるよう意図される(Armourら 1999 Eur. J. Immunol. 29:2613)。
3. CD47に対するSIRPαFc融合体の結合
3つのSIRPαFc融合体を、細胞表面ヒトCD47に対する結合に関して比較した。簡潔には、CD47+ヒトJurkat細胞を、多様な濃度(示す通り)のhSIRPαFcタンパク質と氷上で1時間インキュベーションした。次いで、細胞を洗浄して、いかなる未結合タンパク質も除去し、そして次いで、抗hIgG Fcg特異的(Fab’) FITC抗体と氷上で1時間インキュベーションした。次いで、細胞を洗浄し、そして2%パラホルムアルデヒド溶液と一晩インキュベーションすることによって、固定した。次いで、固定溶液を洗い流し、そして細胞をフローサイトメトリー(BD FACScan)によって分析した。次いで、幾何平均を規準化し、そして、一部位結合モデルにデータを適合させる非線形回帰を用いて、Prism(Graphpad)によって、結合曲線およびKd値を生成した。
図2に示すように、3つの融合タンパク質は、非常に類似の結合プロファイルを示し、ほぼ同一のアフィニティ結合(Kd)値(2.3〜2.4nM)を生じた。これは、3つのタンパク質すべてが同じSIRPα領域を含有し、そしてFc領域がリガンド結合に影響を及ぼすとは予測されないため、予期されることであった。
4. SIRPαFc融合体のin vitro食作用促進活性
SIRPαFcによるCD47の遮断は、活性化ヒトマクロファージによるヒト急性骨髄性白血病(AML)腫瘍細胞の食作用を増進する。3つの融合タンパク質の食作用促進活性をin vitroで比較して、Fc領域がAML食作用に影響を及ぼすかどうかを決定した。磁気選択を用いて、Ficoll精製ヒト末梢血単核細胞からCD14+単球をまず単離することによって、ヒトマクロファージを生成した。20ng/mlでヒト単球コロニー刺激因子を含有するX−vivo培地中で、少なくとも1週間、単球を培養して、マクロファージへの発生を促進した。次いで、マクロファージを24ウェル培養プレート中で、ガラススライド上にプレーティングし、そしてヒトインターフェロンガンマと一晩インキュベーションした。翌日、ウェルを洗浄し、そしてLPSを少なくとも1時間添加した。ヒトAML細胞を計数し、そしてCFSEで標識した。標識後、AML細胞を、PBS、SIRPαFcタンパク質またはアイソタイプ対照と、室温(RT)で15分間インキュベーションした。次いで、AML細胞を個々のウェルに添加し、混合し、そして37℃、5%CO加湿細胞インキュベーター中で、2時間、インキュベーションした。インキュベーション後、ウェルを洗浄し、そしてマクロファージを小麦胚芽凝集素Alexa Fluor(登録商標)555コンジュゲート(Invitrogen、カタログ番号W32464)で、RTで15分間振盪しながら標識した。次いで、ウェルを洗浄し、そして2%パラホルムアルデヒドで、RTで30分間固定した。次いで、ウェルを洗浄し、そして暗所、4℃で一晩維持した。走査型共焦点顕微鏡(Quorum Wave FX−X1回転ディスク共焦点系、Quorum Technologies、カナダ・オンタリオ州グェルフ)によって、ガラススライドを分析した。以下のように、食作用インデックスを用いて、AML細胞の食作用を定量化した:(マクロファージ内部のAML細胞/マクロファージ数)x100;試料あたり少なくとも200のマクロファージを計数。図3に示すように、TTI−621およびTTI−622は、類似の食作用活性を示し、一方、TTI−616は明らかにより弱い(これは特に、10nM用量で明らかである)。これは、マクロファージによる最大SIRPαFc誘発腫瘍細胞殺傷には、野生型IgG4またはIgG1 Fc領域のいずれかが必要であることを示す。
ターゲットとしてAML細胞株OCI/AML−2を用いて、食作用活性に関して、SIRPαFc融合タンパク質の拡張パネルを評価した。図6に示すように、データは、最高レベルのAML−2食作用が、単一SIRPαドメインおよび野生型IgG4またはIgG1 Fc領域を含有する融合タンパク質(すなわちTTI−622、−620またはTTI−621)によって誘導されることを明らかに示す。いかなるFcエフェクター機能(例えばTTI−616)も欠く融合タンパク質も、食作用を誘発可能であるが、効果はかなりより低い。これは、図3に報告するデータと一致する。3つの細胞外ドメインを持つSIRPαFc(TTI−601、TTI−602およびR&D)もまた、低レベルの食作用活性しか持たず、そしてR&D融合体の場合、この劣った活性は、IgG1 Fc領域で克服不能である。さらに、実質的により高いCD47結合を与える突然変異SIRPα配列を含有する融合タンパク質(TTI−623およびTTI−624)は、同じFc領域を所持する野生型SIRPαFc(TTI−616)に比較して、より高い食作用活性を生じない。これらの結果によって、野生型単一SIRPαドメインで達成されるレベルを超えてCD47結合アフィニティを増加させても、in vitroでいかなるさらなる利点も生じないことが示唆される。IgG4 Fcに連結されたFD6およびCV1突然変異SIRPαが、野生型SIRPα−IgG4よりも高い食作用促進活性を有することが報告されている(Weiskopfら 2013 Science 341:88)ため、この結論は予期せぬことであった。
5. SIRPαFc融合体のin vivo抗白血病活性
標準的異種移植モデルにおいて、ヒトAML腫瘍細胞の増殖を制御する能力に関して、3つのSIRPαFc融合タンパク質を試験した。NOD/ShiLtJ−Prkdcscid(NOD.SCID)マウス(8〜12週齢)を、137Cs γ−照射装置から275cGyで致死量以下に照射した後、ヒト白血病患者から収集したAML細胞を大腿内注射した。移植3週後から開始して、マウスをSIRPαFc融合タンパク質(週あたり3回の8mg/kg IP)、あるいは等モル用量の対照Fcタンパク質TTI−401(突然変異ヒトIgG4)またはTTI−402(ヒトIgG1)で治療した。治療4週後、マウスを屠殺し、そして注射した大腿、注射していない骨髄および脾臓内のヒト白血病細胞を、ヒトCD45およびヒトCD33マーカーの発現に関して染色してフローサイトメトリー分析によって検出した。AML生着は、各区画におけるヒトCD45+CD33+細胞の割合として表した。
図4に示すように、IgG1 Fc領域を所持するTTI−621融合タンパク質は、移植部位(注射大腿)で、抗白血病効果を仲介可能な唯一のタンパク質であった。非注射骨髄において、明らかなFc依存性効果があり、TTI−621(完全活性)>TTI−622(低Fc活性)>TTI−616(非Fc活性)であった。3つすべての融合タンパク質が脾臓において抗白血病活性を示したが、全体の生着レベル(対照マウスにおいて見られるようなもの)は、注射または非注射骨髄におけるより、はるかにより低いため、この部位は、活性のはるかにより厳密でない試験である。総合すると、これらの結果は、ヒトIgG1 Fc領域を所持するSIRPαFcタンパク質が、ヒトAML異種移植モデルにおいて、最高の活性を有することを示す。IgG1に基づく融合体の優れたin vivo活性は、TTI−621およびTTI−622が類似の活性を示す、in vitro食作用データ(図2)に基づくと予測されなかったであろう。
6. SIRPαFc融合体の赤血球凝集アッセイ
健康なドナー由来のヘパリン処理全血を用いて、ヒト赤血球を調製した。4mLの全血を15mLコニカル試験管中にピペッティングし、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を重層し、そして200xg、室温で10分間遠心分離して、血小板を除去した。血小板分画を吸引した後、試験管に15mLまでPBSを重層し、試験管を反転させることによって、内容物をよく混合し、そしてRBCを1500rpm、5分間の遠心分離によって、充填させた。この洗浄をさらに3回反復した。最終洗浄後、上清を吸引し、そして十分なPBSを添加して、充填された赤血球が10%RBC溶液となるようにした(例えば、1mLの充填RBCが得られた場合、これらを9mL PBSでさらに希釈して、10%RBC溶液を作製した)。4℃で保存した10%RBC溶液は、1週間以内に使用可能であった。赤血球凝集アッセイ直前に、新鮮な1%RBC溶液を作製した。
CHOまたは293細胞のいずれかにおいて発現されたSIRPαFcタンパク質を、RBC凝集およびRBCペレット形成防止によって立証されるように、ヒトRBCを凝集させる能力に関して分析した。96ウェル非組織培養処理低タンパク質結合丸底プレートでアッセイを行った。新鮮な1%RBC溶液を赤血球凝集アッセイ直前に作製した。50μLの1%RBC溶液を各ウェルに移した。3μM最終濃度から開始して3倍連続希釈ヒトSIRPα−Fc融合タンパク質またはビヒクル対照を、適切なウェルに、ウェルあたり50μLで添加した。ウェルを穏やかに混合し、そして37℃、5%COで一晩インキュベーションした。一晩インキュベーション後、プレートの写真を撮影した。架橋の非存在下で、赤血球はウェルの底に転がり、そして緊密なペレットであるように見える。よく明示されたRBCペレットに比較して、もやのように見える安定しないRBCの存在によって、赤血球凝集の証拠が立証される。赤血球凝集を誘発するSIRPα融合タンパク質は、RBCペレットの形成を防止し、そしてしたがって拡散したまたはもやのようなパターンを生じるであろう。結果によって、3ドメインSIRPαFc融合タンパク質TTI−601およびTTI−602が、単一ドメイン融合体に比較して、赤血球凝集を誘導する傾向が増加していることが示される。これによって、単一ドメインSIRPαFcは、in vivoでRBC毒性を引き起こす可能性はより低いであろうことが示唆される。
7. SIRPαFc融合体のCD47アゴニスト活性
ヒトJurkat T細胞クローンE6−1をATCC(カタログ番号TB−152)より購入し、そして10%FBS、2mM L−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウム、10mM HEPES、および1.5g/L重炭酸ナトリウムを補充したRPMI1640中で増殖させた。抗CD47 mAbクローンB6H12、2D3、BRIC126、およびCC2C6の細胞表面結合を示すことによって、フローサイトメトリーにより、CD47発現を分析した。アゴニストアッセイの前日、Jurkat細胞を、完全増殖培地中、〜3x10細胞/mLで、T75/T150組織培養フラスコ中に植え付けた。
非常に生存度が高い(>95%)Jurkat T細胞を採取し、そして丸底96ウェル組織培養プレート中、ウェルあたり2x10細胞/200μLで完全増殖培地中にプレーティングした。細胞を培地のみまたはウェルあたり12.5μg/20μLのCD47遮断抗体クローンB6H12のいずれかで、37℃、5%COで1時間、前処理した。20μL/ウェル中、3μM最終濃度で、SIRPαFc融合タンパク質または対照Fcを添加し、そしてアポトーシス促進剤スタウロスポリンを陽性対照として用いて、20μL/ウェル中、1μMで添加した。未処理細胞(UT)は、20μL/ウェルの培地のみを添加された。細胞を37℃、5%COで一晩インキュベーションした。一晩インキュベーション後、製造者の指示にしたがって、細胞を、eBiosciencesのアネキシン−V:FITC/7−AADアポトーシス検出キット(カタログ番号88−8005−75)で染色し、そしてアポトーシス進行を防止するため、染色4時間以内に、フローサイトメトリーによって分析した。
図5に示すように、3ドメイン融合体であるTTI−602は、単一ドメイン融合タンパク質TTI−616およびTTI−620よりもはるかに高いレベルのJurkatアポトーシスを誘導した。TTI−602の効果は、細胞をCD47遮断抗体であるB6H12で前処理することによって中和されるため、明らかにCD47特異的であった。これらの結果は、単一ドメインSIRPαFc融合タンパク質が、CD47アゴニスト活性を最小限にするため、3ドメインSIRPαFcよりも好ましいことを示す。
8. 赤血球結合
CD47に基づく療法に関する1つの懸念は、巨大な抗原シンクとして作用し、そして血液学的毒性を引き起こす潜在能力を有する、赤血球(RBC)表面上のターゲットの発現である。実際、高アフィニティSIRPαFc変異体およびCD47特異的抗体で治療した動物において、貧血が報告されてきている。したがって、ヒト赤血球へのSIRPαFc融合タンパク質の結合を、フローサイトメトリーによって評価した。ヘパリン処理全血を用いて、ヒトRBCを調製した。全血を200xg、室温で10分間、遠心分離して、血小板を除去した。血小板分画を吸引した後、試験管に元来の体積までPBSを重層し、試験管を反転させることによって、内容物をよく混合し、そして1500rpmで5分間遠心分離することによって、RBCをペレットにした。この洗浄をさらに3〜5回反復した。最終洗浄後、上清を吸引し、そして試験管に、元来の血液体積までPBSを重層した。血球計算板を用いてRBCを計数し、そしてRBC結合アッセイ前に、5x10細胞/mLで再懸濁した。抗ヒトCD235aを示すフローサイトメトリーによって、赤血球の純度を評価した(eBiosciences カタログ番号12−9978)。
野生型SIRPα配列を含有する融合タンパク質は、ヒト赤血球には非常にわずかしか結合せず、高濃度であっても、バックグラウンドを2倍より越えないシグナルしか生じないことが観察された。対照的に、CD47モノクローナル抗体は、典型的には、バックグラウンドより>100倍高く結合する。SIRPαFcおよびCD47抗体の間のRBC結合の顕著な相違を図7Aに示し、ここで、ある範囲の濃度に渡る、TTI−616のCD47抗体B6H12の結合を比較する。この現象がB6H12にユニークではないことを立証するため、3つのさらなるCD47抗体(2D3、BRIC126およびCC2C6)を評価した。図7Bに示すように、4つの抗体はすべて、SIRPαFcよりも劇的により高いレベルで、ヒトRBCに結合した。Fcアイソタイプあるいは1または3ドメイン構造であるかにかかわらず、SIRPαFc融合タンパク質がヒトRBCにあまり結合しないことに注目されたい(データ未提示)。さらに、SIRPαFcおよびCD47抗体の間の赤血球結合の相違は、CD47アフィニティの相違を単純に反映するのではなく、これはどちらのクラスのタンパク質もAML腫瘍細胞株に同様に結合するためである(図7Cを参照されたい)。
これらの研究から、いくつかの予期せぬ結果が得られた。まず、3ドメインSIRPαFcと比較した、単一ドメインSIRPαFcの優れた結合アフィニティは、公表された文献と一致しない。第二に、in vivoでの白血病細胞の除去におけるFc領域の強い役割は、CD47抗体の有効性が、CD47−SIRPα相互作用の遮断によると議論する他の研究者によって公表されるデータと一致しない。また、TTI−621(IgG1)の優れたin vivo有効性は、in vitro食作用データに基づいては予測されないであろう。さらに、赤血球への単一ドメインSIRPαFcの非常に低い結合、および低いCD47アゴニスト活性は、すべて、他のCD47阻害剤より好ましい、本明細書に解説するSIRPαFcの医学的使用を支持する。
総合すると、これらのデータは、最適ヒトSIRPαFc融合タンパク質が、エフェクター適合Fc領域、例えばヒトIgG1のFc領域、または好ましくはヒトIgG4のFc領域に適切なように連結された単一(N末端)SIRPαドメインを含有すべきであることを示す。

Claims (12)

  1. CD47+疾患細胞の成長および/または増殖を阻害するために有用なヒトSIRPα融合タンパク質であって、配列番号25を含む、前記ヒトSIRPα融合タンパク質。
  2. 配列番号25からなる、ヒトSIRPα融合タンパク質。
  3. 検出可能標識をさらに含む、請求項1または2記載のヒトSIRPα融合タンパク質。
  4. 薬学的に許容されうるキャリアー、およびCD47+疾患細胞の成長または増殖を阻害するために有効な量の請求項1〜のいずれか1項に記載の融合タンパク質を含む、薬学的組成物。
  5. CD47+疾患細胞の増殖を阻害する必要がある被験体に投与される、CD47+疾患細胞の増殖阻害に使用するための、請求項4記載の薬学的組成物
  6. 疾患細胞がCD47+癌細胞である、請求項4または5記載の薬学的組成物
  7. 疾患細胞がCD47+血液学的癌細胞である、請求項記載の薬学的組成物
  8. 疾患細胞がCD47+白血病細胞である、請求項記載の薬学的組成物
  9. 疾患細胞がCD47+癌細胞を含む固形腫瘍である、請求項記載の薬学的組成物
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のヒトSIRPα融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、DNA構築物。
  11. 発現可能であるように取り込まれた請求項10記載のDNA構築物を含む、タンパク質産生宿主細胞。
  12. ヒトSIRPα融合タンパク質を産生するための方法であって、請求項1〜のいずれか1項に記載のヒトSIRPαFc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを発現のために取り込んだタンパク質産生宿主細胞を培養する工程を含む、前記方法。
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