JP6332683B2 - 溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

溶接方法及び溶接装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6332683B2
JP6332683B2 JP2014144067A JP2014144067A JP6332683B2 JP 6332683 B2 JP6332683 B2 JP 6332683B2 JP 2014144067 A JP2014144067 A JP 2014144067A JP 2014144067 A JP2014144067 A JP 2014144067A JP 6332683 B2 JP6332683 B2 JP 6332683B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surface portion
hole
welding
plate member
cylindrical member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014144067A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016019988A (ja
Inventor
晃 橋本
晃 橋本
英範 岡
英範 岡
圭史 上戸田
圭史 上戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Y Tec Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Y Tec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Y Tec Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2014144067A priority Critical patent/JP6332683B2/ja
Publication of JP2016019988A publication Critical patent/JP2016019988A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6332683B2 publication Critical patent/JP6332683B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Standing Axle, Rod, Or Tube Structures Coupled By Welding, Adhesion, Or Deposition (AREA)

Description

本発明は、相対向する第1面部及び第2面部と該第1面部及び第2面部同士を接続する第3面部とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材における該第1面部及び該第2面部のうちの一方の面部に、別部材を通電溶接する溶接方法及び溶接装置に関する技術分野に属する。
一般に、重ね合わせた板材同士を溶接する際、該両板材における溶接される部分間に生じるギャップをなくすために、該部分に治具を当接して該部位を押圧しながら溶接することが行われている。例えば特許文献1では、重ね合わせた板材同士をレーザ溶接する際、レーザビームを挟むように一対の回転治具(加圧ローラ)で板材表面を押圧することが開示されている。このように板材における溶接される部分の近傍を局所的に押圧するようにすれば、上記ギャップをなくすことができるとともに、該押圧部分の溶接熱による変形を抑制することもできる。
特開2001−38480号公報
ところで、相対向する第1面部及び第2面部と該第1面部及び第2面部同士を接続する第3面部とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材における該第1面部及び該第2面部のうちの一方の面部に、別部材を通電溶接する場合、該一方の面部と第3面部との角部の角度が溶接熱により変化して所定の部品形状が得られないという問題がある。特にその角部が溶接される部分の近傍にある場合には、その角部に溶接熱が伝わり易く、その溶接熱により板部材が上記角部で大きく変形し易くなる(上記角部の角度が大きくなるように変形し易くなる)。この場合、上記特許文献1のように板部材における溶接される部分の近傍を押圧しても、上記角部での変形は抑制できない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、相対向する第1面部及び第2面部と該第1面部及び第2面部同士を接続する第3面部とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材における該第1面部及び該第2面部のうちの一方の面部に、別部材を通電溶接する場合に、溶接熱により板部材が上記一方の面部と第3面部との角部で変形するのを容易に抑制できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、貫通孔がそれぞれ形成された相対向する第1面部及び第2面部と該第1面部及び第2面部同士を接続する第3面部とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材における該第1面部及び該第2面部のうちの一方の面部の貫通孔の箇所に、別部材を通電溶接する溶接方法を対象として、上記第1面部及び第2面部のうちの他方の面部の貫通孔に、下側電極に立設したピン部材を挿入しながら、上記一方の面部が該他方の面部の真上側に位置するように上記板部材を該下側電極にセットするとともに、該板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、該貫通孔の上側から上記別部材をセットするセットステップと、上記セットステップでセットした上記別部材の上端部に上側電極を当接して、該上側電極及び上記下側電極間に所定の電流を印加することで、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、上記別部材を通電溶接する通電溶接ステップとを備えるようにした。
上記の溶接方法により、板部材の一方の面部の貫通孔の箇所に、別部材を通電溶接するに際して、板部材の他方の面部の貫通孔に、下側電極に立設したピン部材を挿入するので、上記一方の面部と第3面部との角部の角度が溶接熱により変化しようとしても、ピン部材により、他方の面部が、板部材の上記角部の角度の変化に伴って下側電極に対して移動するのが規制されて、上記角部の角度は変化しない。したがって、溶接熱により板部材が上記一方の面部と第3面部との角部で変形するのを容易に抑制することができる。
上記溶接方法において、上記別部材は、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、上下方向に延びるようにセットされる円筒状部材であり、上記円筒状部材の外周面に、該円筒状部材の中心軸に向かう横孔が形成されており、上記セットステップの後でかつ上記通電溶接ステップの前に、棒状治具を、上記一方の面部の貫通孔の箇所にセットされた上記円筒状部材の上記横孔に挿入する挿入ステップを更に備える、ことが好ましい。
このことにより、棒状治具によって、上下方向に延びる円筒状部材を倒れないように支持することができるとともに、円筒状部材の板部材に対する周方向の位置決めを行うことができる。また、棒状治具を、上記セットされた円筒状部材の横孔と略同じ高さ位置に位置させることで、円筒状部材の上記一方の面部に対する高さ方向の位置決めも行うことができ、これにより、円筒状部材を、通電溶接が良好に行えるように適切にセットすることができる。
上記溶接方法において、上記別部材は、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、上下方向に延びるようにセットされる円筒状部材であり、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所にセットされた上記円筒状部材の下側部分に、該板部材に溶接される溶接部が設けられ、上記円筒状部材の上記溶接部は、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の径よりも大きい外径を有しており、上記通電溶接ステップは、上記溶接部を上記板部材の上記一方の面部の貫通孔にリングマッシュ溶接するステップである、ことが好ましい。
こうすることで、短時間(数十ms)で通電溶接が完了するので、板部材に別部材を通電溶接してなる溶接品の製造コストを低減することができる。
本発明の別の態様は、貫通孔がそれぞれ形成された相対向する第1面部及び第2面部と該第1面部及び第2面部同士を接続する第3面部とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材における該第1面部及び該第2面部のうちの一方の面部の貫通孔の箇所に、別部材を通電溶接する溶接装置の発明であり、この発明では、上記第1面部及び第2面部のうちの他方の面部の貫通孔に挿入されるピン部材が立設され、該ピン部材が該貫通孔に挿入された状態で、上記一方の面部が上記他方の面部の真上側に位置するように上記板部材をセット可能な下側電極と、上記下側電極にセットされた上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、該貫通孔の上側からセットされた上記別部材の上端部に当接する上側電極とを備え、上記溶接装置は、上記上側電極及び上記下側電極間に所定の電流を印加することで、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、上記別部材を通電溶接するように構成されている。
この発明により、上記溶接方法の発明と同様に、下側電極に立設したピン部材によって、上記他方の面部の下側電極に対する移動を規制することができ、溶接熱により板部材が上記一方の面部と第3面部との角部で変形する(該角部の角度が大きくなる)のを容易に抑制することができる。
以上説明したように、本発明の溶接方法及び溶接装置によると、略コ字状に折り曲げられた板部材における第1面部及び第2面部のうちの一方の面部の貫通孔の箇所に、別部材を通電溶接するに際して、上記第1面部及び第2面部のうちの他方の面部の貫通孔に、下側電極に立設したピン部材を挿入しながら、上記一方の面部が該他方の面部の真上側に位置するように上記板部材を該下側電極にセットするようにしたことにより、ピン部材によって、上記他方の面部の下側電極に対する移動を規制することができ、溶接熱により板部材が上記一方の面部と第3面部との角部で変形する(該角部の角度が大きくなる)のを容易に抑制することができる。
本発明の実施形態に係る溶接装置を示す斜視図である。 下側電極を図1のII−IIに沿って切断した断面図である。 溶接品を示す図である。 図3のIV方向矢示図である。 図4のV−V線断面図である。 溶接前の状態であって、円筒状部材の溶接部を第1面部の貫通孔の面取り部の上に載せた状態を示す拡大断面図である。 リフト部材が第2面部を押し上げた状態を示す図2相当図である。 ピン部材が有る場合と無い場合とについて、溶接前後で第2面部の貫通孔の中心位置が第1面部の貫通孔の中心に対してどのように移動するかを調べた結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る溶接装置1を示す。この溶接装置1は、図3〜図5に示すような溶接品31を製造するためのものである。この溶接品31は、円形の貫通孔33a,34aがそれぞれ形成された相対向する第1面部33及び第2面部34と該第1面部33及び第2面部34同士を接続する第3面部35とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材32における該第1面部33及び該第2面部34のうちの一方の面部(本実施形態では、第1面部33とする)の貫通孔33aの箇所に、別部材である円筒状部材40を通電溶接してなるものである。
上記溶接品31は、本実施形態では、マニュアルトランスミッションの変速機構に用いられてシフトロックを行うための部品である。円筒状部材40の中心部を貫通する円形の貫通孔40a並びに板部材32の第1面部33及び第2面部34の貫通孔33a,34aが同軸上に配置されており、円筒状部材40の貫通孔40a及び第2面部34の貫通孔34aに、エンジンの出力軸に連結されたプライマリシャフトに対して平行に延びるコントロールロッドが挿通されるようになっている。第1面部33と第3面部35との角部は、第1面部33の貫通孔33aの近傍に位置しており、その角度は90°に設定されている。
上記溶接装置1は、上側電極2と、基台4上に設けられた、略直方体をなすブロック状の下側電極3とを備えている。下側電極3の装置前側の面(図2の左側の面)の下部には、装置後側(図2の右側)へ凹む凹部3aが形成されており、この凹部3aの開口の下側部分は、下側電極3の装置前側の面に2つのねじ5により固定された閉塞部材6で閉塞されている。この閉塞部材6の凹部3a側の面には、凹部3a内に突出する突出部材7がねじ8により固定されている。この突出部材7に、ピン部材9が、その下端部のねじ部に螺号されたナット10により固定されて立設されている。閉塞部材6及び突出部材7は下側電極3に固定されていることから、ピン部材9は下側電極3に立設されていると言える。
上記突出部材7の上側には、後述の如く、溶接後に板部材32の第2面部34(第1面部33及び第2面部34のうちの他方の面部に相当)を押し上げるためのリフト部材11が配設されている。このリフト部材11には、ピン部材9が貫通する貫通孔11aが形成されている。リフト部材11は、駆動機構12(図1にその一部が見えている)を介して、上下移動可能に構成されている。
下側電極3の上面には、第1面部33(一方の面部)が第2面部34(他方の面部)の真上側に位置しかつ第3面部35が下側電極3の装置前側に位置するように板部材32をセットするためのセット部15が設けられている。板部材32をセット部15にセットする際、第2面部34の貫通孔34aにピン部材9を挿入しながら、第1面部33の下面をセット部15上に当接させる。このセット部15には、円筒状部材40の貫通孔40aに嵌合可能な円柱部材16が、下側電極3の上面から突出するように設けられており、第1面部33の下面をセット部15上に当接させる際、第1面部33の貫通孔33aに円柱部材16を挿通させる。第1面部33の貫通孔33aの半径は、円柱部材16の半径に対して、円筒状部材40における後述の嵌合部40cの径方向の肉厚の分だけ大きくなっている。
ピン部材9の径は、第2面部34の貫通孔34aの径よりも少し小さく設定されている。セット部15に板部材32がセットされた状態では、ピン部材9の外周面の装置後側部分が第2面部34の貫通孔34aにおける内周面の装置後側部分に略当接するようにピン部材9の位置が設定されている。これにより、第2面部34のピン部材9(つまり下側電極3)に対する装置前側への移動が規制されることになる。尚、ピン部材9の径を第2面部34の貫通孔34aに嵌合するような径にして、第2面部34の上記移動を規制することも可能である。但し、この場合、板部材32のセット時に第2面部34の貫通孔34aにピン部材9を挿入し難くなる可能性がある。
板部材32の第1面部33の貫通孔33aの箇所に、該貫通孔33aの上側から円筒状部材40が上下方向に延びるようにセットされる。溶接前の状態を拡大して示す図6に示すように、上下方向に延びる円筒状部材40の下側部分に、板部材32に溶接される溶接部40bが設けられている。この溶接部40bの下側には、第1面部33の貫通孔33aに嵌合する嵌合部40cが形成されている。この嵌合部40cは、同じ径のまま円筒状部材40の下端まで延設されている。上記溶接部40bは、第1面部33の貫通孔33aの径よりも大きい外径を有している。本実施形態では、溶接部40bは、嵌合部40cから上側に向かってテーパ状に拡径している。
上記セット部15にセットされた板部材32における第1面部33の貫通孔33aの上側開口周縁部には、円筒状部材40の溶接部40bの形状に対応した面取り部33b(C面取り部)が形成されている。溶接に際しては、円筒状部材40の嵌合部40cを第1面部33の貫通孔33aに嵌合しかつ円柱部材16を円筒状部材40の貫通孔40aに嵌合しながら、円筒状部材40の溶接部40bを第1面部33の貫通孔33aの面取り部33b上に載せる。このようにして板部材32の第1面部33の貫通孔33aの箇所に、円筒状部材40が上下方向に延びるようにセットされる(図2参照)。円筒状部材40の嵌合部40cを第1面部33の貫通孔33aに嵌合しかつ円柱部材16を円筒状部材40の貫通孔40aに嵌合することで、円筒状部材40の貫通孔40aと第1面部33の貫通孔33aとが同軸上に位置することになる。
上記セットされた円筒状部材40の貫通孔40aに円柱部材16が嵌合していることで、該円筒状部材40は、上下方向に延びるように支持されることになるが、この支持をより確実なものとするとともに、円筒状部材40の周方向及び高さ方向の位置決めを行うために、本実施形態では、以下のようになされている。
すなわち、上記セットされた円筒状部材40の外周面における所定の高さ位置でかつ所定の周方向の位置には、該円筒状部材40の中心軸に向かう横孔40dが形成されている。この横孔40dに対向して横孔40dと略同じ高さ位置に、棒状治具21が水平に延びるように配設されている。この棒状治具21は、エアーシリンダ22によって、横孔40dに対して水平方向に進退自在に構成されている。上記のように円筒状部材40がセットされた後でかつ溶接前に、棒状治具21が該円筒状部材40の横孔40dに向かって水平に進出して横孔40dに挿入嵌合される。これにより、上下方向に延びる円筒状部材40が、倒れないように確実に支持されることになる。
また、この横孔40dの板部材32に対する周方向の位置が決まっている。棒状治具21を横孔40dに挿入嵌合することで、円筒状部材40(横孔40d)の板部材32に対する周方向の位置決めを行うことができ、溶接中も上記挿入状態を維持しておくことで、横孔40dの板部材32に対する周方向の位置が溶接により変わるのを防止することができる。
さらに、棒状治具21を横孔40dに挿入嵌合することで、円筒状部材40の第1面部33に対する高さ方向の位置決めも行うことができる。すなわち、このような高さ方向の位置決めを行わない場合には、円筒状部材40の溶接部40bが第1面部33の貫通孔33aの面取り部33b上にきっちりと載っていない、つまり円筒状部材40の中心軸と第1面部33の貫通孔33aの中心軸とが合っていない可能性がある。これに対し、棒状治具21を横孔40dに挿入嵌合して円筒状部材40の第1面部33に対する高さ方向の位置決めを行えば、円筒状部材40の溶接部40bが第1面部33の貫通孔33aの面取り部33b上にきっちりと載っていることになり、円筒状部材40は、通電溶接が良好に行えるように適切にセットされていることになる。
尚、本実施形態では、円筒状部材40の上端部の周方向の一部に切欠部40eが形成されているが、この切欠部40eは、板部材32に円筒状部材40を溶接した後の機械加工により形成したものであり、図1、図2及び図7では存在しない。
上記上側電極2は、不図示のエアーシリンダにより上下方向に移動可能に構成されていて、溶接時に下降して、その下端部が円筒状部材40の上端部に当接する。そして、溶接装置1は、上側電極2により円筒状部材40を下側に加圧しながら、上側電極2及び下側電極3間に所定の電流(例えば数万A乃至十万Aの電流)を印加することで、板部材32の第1面部33の貫通孔33aの箇所に、円筒状部材40を通電溶接する。本実施形態では、円筒状部材40の溶接部40bを第1面部33の貫通孔33aにリングマッシュ溶接する。これにより、溶接部40bは、軟化しながら貫通孔33a内に押し込まれる。上側電極2は、溶接後に上昇する。
下側電極3には、冷却媒体が流れる冷却媒体通路25が、装置前側から見て左右方向に延びるように設けられており、上記溶接中(リングマッシュ溶接中)に、該下側電極3を冷却するべく、冷却媒体通路25に冷却媒体を流す。
上記リフト部材11は、溶接後(詳細には、上側電極2の上昇後)に上側に移動して、板部材32の第2面部34(つまり溶接品1全体)を、凹部3aの上側壁面近傍まで押し上げる(図7参照)。これにより、ピン部材9が第2面部34の貫通孔34aから外れる。リフト部材11は、その移動時に、該リフト部材11に設けられた貫通孔11aにより、ピン部材9とは干渉しない。リフト部材11による第2面部34の押し上げにより、第1面部33がセット部15に対して上昇するとともに、円柱部材16が円筒状部材40の貫通孔40aから外れる。
凹部3aの装置後側の壁部には、装置前後方向に延びる押出しピン用孔3bが設けられている。この押出しピン用孔3bは、リフト部材11によって押し上げられた第2面部34と略同じ高さ位置に位置している。押出しピン用孔3b内には、押出しピン27が装置前後方向に摺動可能に嵌装されており、この押出しピン27は、不図示の駆動機構によって、該押出しピン27の先端部が凹部3a内に進出したり押出しピン用孔3b内に後退したりするように構成されている。そして、リフト部材11によって第2面部34が押し上げられた後、押出しピン27の先端部が凹部3a内に進出して第2面部34を装置前側へ押し出す。こうして溶接品31が溶接装置1から取り出される。
次に、上記溶接装置1を用いて上記溶接品31を得るには、最初に、第1面部33が第2面部34の真上側に位置するように板部材32を下側電極3にセットする。このとき、溶接装置1の上側電極2は上昇した位置にあり、押出しピン27は後退した位置にあり、棒状治具21は後退した位置にある。
板部材32を下側電極3にセットする際、第2面部34を下側電極3の凹部3a内に入れて第2面部34の貫通孔34aにピン部材9を挿入しながら、第1面部33の貫通孔33aに円柱部材16を挿通させて第1面部33の下面をセット部15上に当接させる。
続いて、上記セットした板部材32の第1面部33の貫通孔33aの箇所に、該貫通孔33aの上側から円筒状部材40をセットする(図1及び図2参照)。このとき、円筒状部材40の嵌合部40cを第1面部33の貫通孔33aに嵌合しかつ円柱部材16を円筒状部材40の貫通孔40aに嵌合しながら、円筒状部材40の溶接部40bを第1面部33の貫通孔33aの面取り部33b上に載せる。尚、この円筒状部材40のセットは、第1面部33の下面をセット部15上に当接させるのと略同時に行うことも可能である。
次いで、エアーシリンダ22により棒状治具21を、上記セットされた円筒状部材40の横孔40dに向かって進出させて横孔40dに挿入する。
次に、上側電極2を下降して、該上側電極2の下端部を円筒状部材40の上端部に当接させ、続けて、上側電極2により円筒状部材40を下側に加圧しながら、上側電極2及び下側電極3間に上記所定の電流を印加することで通電溶接(リングマッシュ溶接)を行う。
この溶接時、第1面部33の貫通孔33aの近傍に位置する、第1面部33と第3面部35との角部が、溶接熱により、該角部の角度が90°よりも大きくなるように変形しようとする。このような変形が生じたとすると、第3面部35が、上記角部を基点にして装置前側に撓み、第2面部34が下側電極3に対して装置前側へ移動することになる。しかし、本実施形態では、ピン部材9によって、第2面部34のピン部材9(下側電極3)に対する装置前側への移動が規制されているので、上記角部は、その角度が90°よりも大きくなるように変形することはない。
溶接後、上側電極2が上昇し、その後、図7に示すように、リフト部材11が上側に移動して、板部材32の第2面部34(溶接品1全体)を押し上げる。これにより、ピン部材9が第2面部34の貫通孔34aから外れるとともに、円柱部材16が円筒状部材40の貫通孔40aから外れる。
リフト部材11によって第2面部34が押し上げられた後、押出しピン27の先端部が凹部3内に進出して第2面部34を装置前側へ押し出す。こうして溶接品31が溶接装置1から取り出される。
こうして完成した溶接品31においては、第1面部33と第3面部35との角部が変形しておらず、溶接前と同様に、第1面部33の貫通孔33a(円筒状部材40の貫通孔40a)と第2面部34の貫通孔34aとが同軸上に位置している。この結果、円筒状部材40の貫通孔40a及び第2面部34の貫通孔34aに、上記コントロールロッドをスムーズに挿通することができるようになる。
ここで、上記溶接装置1を用いて、溶接前後で第2面部34の貫通孔34aの中心位置が第1面部33の貫通孔33aの中心に対してどのように移動するかを調べた。また、比較のために、溶接装置1からピン部材9を無くした場合についても、溶接前後で第2面部34の貫通孔34aの中心位置が第1面部33の貫通孔33aの中心に対してどのように移動するかを調べた。その結果を図8に示す。
図8において、X方向は、装置前側から見たときの左右方向であり、マイナス側は左側であり、プラス側は右側である。Y方向は、装置前後方向であり、マイナス側は装置前側であり、プラス側は装置後側である。座標(X,Y)の点は、第1面部33の貫通孔33aの中心(座標原点)に対する第2面部34の貫通孔34aの中心位置の、X方向及びY方向の相対位置を示す。
溶接前においては、第1面部33の貫通孔33aの中心に対する第2面部34の貫通孔34aの中心位置は、二点鎖線で囲った範囲にある。すなわち、溶接前においては、第2面部34の貫通孔34aの中心位置が第1面部33の貫通孔33aの中心に対して、装置前側に僅かにずれていることになる。
ピン部材9が無い場合、溶接後には、第1面部33の貫通孔33aの中心に対する第2面部34の貫通孔34aの中心位置が、破線で囲った範囲に移動する。すなわち、溶接後における第2面部34の貫通孔34aの中心位置が、溶接前の当該中心位置に対して、特に装置前側に大きく移動している。これは、第1面部33と第3面部35との角部が、溶接熱により、該角部の角度が90°よりも大きくなるように変形したためであり、ピン部材9が無いために、その変形を抑制することができなかったからである。
これに対し、ピン部材9が有る場合、溶接後には、第1面部33の貫通孔33aの中心に対する第2面部34の貫通孔34aの中心位置が、実線で囲った範囲に移動する。すなわち、溶接後における第2面部34の貫通孔34aの中心位置が、溶接前の当該中心位置に対して、装置前側には殆ど移動していない。ここでは、溶接後における第2面部34の貫通孔34aの中心位置が、溶接前の当該中心位置に対して左側に移動しているが、これは、ピン部材9の径が第2面部34の貫通孔34aの径よりも少し小さくされていて、第2面部34が左右方向に移動できるからである。この左右方向の移動を極力小さくするためには、ピン部材9の径と第2面部34の貫通孔34aの径との差を極力小さくすればよい。
したがって、本実施形態では、略コ字状に折り曲げられた板部材32の第1面部33の貫通孔33aの箇所に、円筒状部材40を通電溶接するに際して、第2面部34の貫通孔34aに、下側電極3に立設したピン部材9を挿入して、第2面部34の下側電極3に対する装置前側への移動を規制するようにしたので、溶接熱により板部材32が第1面部33と第3面部35との角部で変形する(該角部の角度が大きくなる)のを容易に抑制することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば上記実施形態では、ピン部材9によって、板部材32における第1面部33と第3面部35との角部の変形を抑制するようにしたが、これに加えて、溶接中に第3面部35に対して装置前側から当接して装置後側へ押圧する押圧治具を溶接装置1に設けるようにしてもよい。これにより、第3面部35が、溶接熱により該第3面部35の上下方向中央が両端に対して装置前側に突出するように湾曲することが規制され、上記角部の変形及び第3面部35の変形を効果的に抑制することができるようになる。
また、上記実施形態では、板部材32に溶接する別部材を円筒状部材40としたが、第1面部33の貫通孔33aの箇所に通電溶接することが可能な部材であれば、どのような形状であってもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、貫通孔がそれぞれ形成された相対向する第1面部及び第2面部と該第1面部及び第2面部同士を接続する第3面部とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材における該第1面部及び該第2面部のうちの一方の面部の貫通孔の箇所に、別部材を通電溶接する溶接方法及び溶接装置に有用である。
1 溶接装置
2 上側電極
3 下側電極
9 ピン部材
21 棒状治具
31 溶接品
32 板部材
33 第1面部
34 第2面部
35 第3面部
40 円筒状部材(別部材)

Claims (4)

  1. 貫通孔がそれぞれ形成された相対向する第1面部及び第2面部と該第1面部及び第2面部同士を接続する第3面部とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材における該第1面部及び該第2面部のうちの一方の面部の貫通孔の箇所に、別部材を通電溶接する溶接方法であって、
    上記第1面部及び第2面部のうちの他方の面部の貫通孔に、下側電極に立設したピン部材を挿入しながら、上記一方の面部が該他方の面部の真上側に位置するように上記板部材を該下側電極にセットするとともに、該板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、該貫通孔の上側から上記別部材をセットするセットステップと、
    上記セットステップでセットした上記別部材の上端部に上側電極を当接して、該上側電極及び上記下側電極間に所定の電流を印加することで、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、上記別部材を通電溶接する通電溶接ステップとを備えることを特徴とする溶接方法。
  2. 請求項1記載の溶接方法において、
    上記別部材は、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、上下方向に延びるようにセットされる円筒状部材であり、
    上記円筒状部材の外周面に、該円筒状部材の中心軸に向かう横孔が形成されており、
    上記セットステップの後でかつ上記通電溶接ステップの前に、棒状治具を、上記一方の面部の貫通孔の箇所にセットされた上記円筒状部材の上記横孔に挿入する挿入ステップを更に備えることを特徴とする溶接方法。
  3. 請求項1又は2記載の溶接方法において、
    上記別部材は、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、上下方向に延びるようにセットされる円筒状部材であり、
    上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所にセットされた上記円筒状部材の下側部分に、該板部材に溶接される溶接部が設けられ、
    上記円筒状部材の上記溶接部は、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の径よりも大きい外径を有しており、
    上記通電溶接ステップは、上記溶接部を上記板部材の上記一方の面部の貫通孔にリングマッシュ溶接するステップであることを特徴とする溶接方法。
  4. 貫通孔がそれぞれ形成された相対向する第1面部及び第2面部と該第1面部及び第2面部同士を接続する第3面部とを有する、略コ字状に折り曲げられた板部材における該第1面部及び該第2面部のうちの一方の面部の貫通孔の箇所に、別部材を通電溶接する溶接装置であって、
    上記第1面部及び第2面部のうちの他方の面部の貫通孔に挿入されるピン部材が立設され、該ピン部材が該貫通孔に挿入された状態で、上記一方の面部が上記他方の面部の真上側に位置するように上記板部材をセット可能な下側電極と、
    上記下側電極にセットされた上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、該貫通孔の上側からセットされた上記別部材の上端部に当接する上側電極とを備え、
    上記溶接装置は、上記上側電極及び上記下側電極間に所定の電流を印加することで、上記板部材の上記一方の面部の貫通孔の箇所に、上記別部材を通電溶接するように構成されていることを特徴とする溶接装置。
JP2014144067A 2014-07-14 2014-07-14 溶接方法及び溶接装置 Active JP6332683B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014144067A JP6332683B2 (ja) 2014-07-14 2014-07-14 溶接方法及び溶接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014144067A JP6332683B2 (ja) 2014-07-14 2014-07-14 溶接方法及び溶接装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016019988A JP2016019988A (ja) 2016-02-04
JP6332683B2 true JP6332683B2 (ja) 2018-05-30

Family

ID=55265198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014144067A Active JP6332683B2 (ja) 2014-07-14 2014-07-14 溶接方法及び溶接装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6332683B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108799281B (zh) * 2017-05-04 2020-07-28 宁波方太厨具有限公司 玻璃面板组件粘接方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52116750A (en) * 1976-03-26 1977-09-30 Toyota Motor Co Ltd Resistance welding machine having automatic feeding apparatus for subject to be welded
JPH03128178A (ja) * 1989-10-14 1991-05-31 Yoshitaka Aoyama プロジエクシヨン溶接装置
JP3270758B2 (ja) * 2000-06-12 2002-04-02 株式会社オーハシテクニカ 軸体と板体との圧入接合構造
JP4296406B2 (ja) * 2003-11-04 2009-07-15 トヨタ自動車株式会社 長尺部品の位置決め方法及び位置決め装置
JP2005342782A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Origin Electric Co Ltd リングマッシュ溶接方法
US7300536B1 (en) * 2006-05-09 2007-11-27 Gm Global Technology Operations, Inc. Method for attaching intersecting tubes
JP2011245486A (ja) * 2010-05-21 2011-12-08 Honda Motor Co Ltd 抵抗溶接装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016019988A (ja) 2016-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101854794B1 (ko) 마찰 교반 점 접합 장치 및 마찰 교반 점 접합 방법
JP6014205B2 (ja) 摩擦攪拌点接合装置および摩擦攪拌点接合方法
JP2012196681A (ja) 摩擦攪拌点接合装置および摩擦攪拌点接合方法
WO2014126172A1 (ja) レーザー溶接方法、レーザー溶接装置、および溶接部材
JP2013066932A (ja) 片側スポット溶接方法および片側スポット溶接装置
JP4974985B2 (ja) 圧入装置と圧入方法
JP6032182B2 (ja) レーザー加工方法及びレーザー加工装置
JP6332683B2 (ja) 溶接方法及び溶接装置
JP5121653B2 (ja) 溶接装置及び溶接方法
JP2015066573A (ja) 接合方法および接合装置
JP2015112648A (ja) 両面多軸加工機、及び両面多軸加工機を用いた製造方法
JP2019050927A5 (ja)
KR101203892B1 (ko) 레이저 용접장치
JP5688305B2 (ja) 筒体切断システム、および筒体切断方法
JP6500871B2 (ja) スタッドピンの打込み装置およびスタッドタイヤの製造方法
BR212013014421Y1 (pt) máquina para rachar uma biela
JP5251649B2 (ja) スポット溶接用チップ取り外し装置
JP2014083554A (ja) 車両用部品の製造方法
JP2018001231A (ja) 拡管装置
JP2020082331A (ja) インサート圧入装置
JP6621086B2 (ja) 鋼材加工方法及び鋼材加工システム
JP2010094725A (ja) 穴打抜き金型
KR101614711B1 (ko) 내압을 이용한 프로파일 제조장치
JP2008023618A (ja) 位置決め装置
JP2016074013A (ja) 金型装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180320

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20180416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6332683

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250