JP6332355B2 - 腕木の軒梁への取付構造及び腕木の軒梁への取付金具 - Google Patents

腕木の軒梁への取付構造及び腕木の軒梁への取付金具 Download PDF

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Description

この発明は、軒梁を有する建物の腕木の軒梁への取付構造と、この取付構造に使用する腕木の軒梁への取付金具に関し、特に、腕木に取付ける庇等の外装ユニット部材の垂れを調整できる腕木の軒梁への取付構造と取付金具に関する。
腕木に取付けた庇、ベランダ、屋根材などの外装ユニット部材は、建物に対して直角方向に取付固定され、且つ、全体の美観の調和が取れるように設計され施工されている。
しかしながら、外装ユニット部材の取付精度は、躯体側となる腕木の取付精度に大きく依存している。更に、腕木の取付躯体となる梁自身も控え梁等で転びの抑制は図っているが、多くの要因の影響を複合的に受けることによって、腕木取付面の転び等の影響が発生している。この要因の主なものとしては、基礎の天端寸法、梁を支持する柱の材長精度やそり等、腕木を取付ける梁や周辺に架構される梁の材長や金物取付位置精度等である。
このような状況も考慮した場合、腕木の取付、庇などの外装ユニット部材の取付の後から仕上げ前までの間に水平精度を確保するための調整機構が求められている。とくに、梁等が木製である木造躯体に対してはその木造躯体面の変形等も考慮した対応が求められている。
上記のような要請に対して、鋼製躯体に対する調整機構としては、鋼製躯体に取付られた腕木部材に固定ボルトで吊り下げられた軒先ユニットの取付角度を角度調整ボルトによって変更調整できる軒先ユニットの調整装置が公知である(例えば特許文献1)。
特開2012−52353号公報
しかしながら、前記従来技術によると、腕木自体の梁などの躯体に対する取付角度の調整装置ではなく、腕木に取付ける庇などの外装ユニット部材の腕木に対する取付角度の調整であるので、直接に腕木に取付ける外装ユニット部材の場合には適用できないという問題点がある。さらに、梁などの躯体が木製である場合には、腕木の取付金具にかかる外装ユニット部材の荷重によって、経年と共に躯体表面にめり込みや木痩せが生じるため、より一層、梁などの躯体に対する腕木の取付角度の調整が可能となる腕木の梁などの躯体への取付構造が望まれている。そして、この腕木の取付角度の調整は新築時及び経年後の補修時の双方の時点で可能となる構造が望まれている。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その手段とするところは、屋外側面の下方側に腕木を固定した取付板を有する腕木本体の前記取付板の屋内側面を軒梁の屋外側面に当接し、前記腕木本体の取付板と前記軒梁を挟んで対面する裏当部材の裏当板とを締付固定部材によって締付固定してなる腕木の前記軒梁への取付構造であって、
前記取付板の下方側の貫通穴から回転工具と接合可能な接合部を有する一方の雄ねじ部を屋外側面から突出させ、他方の雄ねじ部を前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじ部に螺着させてなる綴ねじの前記一方の雄ねじ部と他方の雄ねじ部の境界に設けてある鍔部を前記取付板の屋内側面に当接させるように配置し、前記貫通穴からの一方の雄ねじ部の屋外側面からの突出部分に螺合したナットと前記鍔部によって前記取付板を挟んで固定してなり、前記綴ねじは、前記締付固定部材よりも下方側において、屋外方向へ移動可能に前記他方の雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺着している腕木の軒梁への取付構造としたところにある。
前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじ部が、前記軒梁の屋外側面に設けた堀込窪みに形成されたものであることにある。また、前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじが、前記軒梁の屋外側面に設けた堀込窪みに嵌め込んだ調整スペーサに形成されたものであることにある。更に、前記調整スペーサは、前記軒梁の長手方向に対してその長手方向が傾斜して嵌め込まれていることにある。そして、前記雌ねじ部の開口面と前記軒梁の屋外側面の距離が、前記鍔部の厚みと同じ長さであることにある。
前記締付固定部材は、前記取付板、前記軒梁及び前記裏当板に形成している通し穴挿通するボルトと、該ボルトの前記裏当板から突出するねじ部に螺合するナットであることにある。また、前記裏当板の屋内側面に補強材を設けたことにある。
こ発明の腕木と軒梁との取付金具は、前記腕木と軒梁との取付構造において使用する金具としたことにある。
この発明によると、腕木本体の取付板と軒梁の間に綴ねじの鍔部を介在させ、この鍔部を綴ねじの回転によって鍔部を屋外方向へ移動させることができるので、腕木本体の取付板の下方を屋外方向へ押圧することができる。これによって、この腕木本体の腕木の軒梁に対する取付角度を最適な状態に調整できるため、新築時、経年後のいずれの時点においても外観の見栄えの良好な建物を維持することができる。しかもこの取付角度の調整は雄ねじ部の取付板の屋外側面からの突出部分で回転工具によって可能であるので、調整作業が屋外側からの一人で調整を行いながら調整状況の確認が行える。
前記雌ねじ部が、軒梁の屋外側面に設けた掘込窪みに形成する場合には、軒梁が鋼製の時にはそのまま雌ねじ部を軒梁に刻み、軒梁が木製の場合には、内部に雌ねじを刻んだ円筒ねじを埋め込んで固定することになる。この掘込窪みの深さは、雌ねじの開口面と軒梁の屋外側面との距離であるが、これを前記鍔部の厚みと同じとすることによって、取付板の屋内側面と軒梁の屋外側面とは全面密着している状態となり、調整が不要な時はこの状態に維持することができる。掘込窪みの深さが、鍔部の厚さよりも大きい場合には調整時に綴ねじの無駄な回転をしなければならない場合が生じるが使用は可能である。しかし、深さが逆の場合には、軒梁と裏当板との間に隙間が生じるので好ましくはない。
前記雌ねじが、掘込窪みに嵌め込んだ調整スペーサに形成した場合には、調整スペーサは掘込窪みに入って自身は回転しないので、前記綴ねじの他方の雄ねじ部はこの調教スペーサの雌ねじ部に螺着して屋外方向へ移動する。この場合でも、前記と同じ理由により調整スペーサの雌ねじの開口面と軒梁の屋外側面との距離は鍔部の厚さと同じにしておくことが望ましい。
前記調整スペーサの長手方向を軒梁の長手方向に傾斜する方向になるように掘込穴と当接した場合には、軒梁が木製の時に木の繊維質が長手方向に延びているので調整スペーサがこの繊維質との交差する面積が多くなって取付板からの反力によるめり込みが生じにくくなる。また、斜めにプレートを配置することで狭い範囲で軒梁に形成する通し穴を多く確保できる。
前記締付固定部材が、腕木本体と裏当部材とを真中に軒梁を挟んでボルトとナットで締付固定した場合には、ナットを締め付け又は緩めただけの作業で取付又は取外しが出来るので作業が簡単である。更に又、前記裏当部材を構成する裏当板に補強材を設けた場合には裏当板を補強できる。
前記腕木の軒梁への取付金具は、鋼製、木製を問わず全ての軒梁に適用することができ、又、新築の建物には勿論のこと経年の建物にもリフォーム時に取付けすることができる利点がある。
腕木の軒梁への取付構造の実施形態断面説明図。 腕木の軒梁への取付金具の取付状態の分解斜視説明図(その1)。 腕木の軒梁への取付金具の取付状態の分解斜視説明図(その2)。 腕木の軒梁への取付金具を軒梁に取付た状態の要部斜視図(その3)。 腕木の軒梁への取付金具の軒梁取付正面図。 腕木の軒梁への取付金具の軒梁取付平面図。 腕木の軒梁への取付金具の他の実施形態の軒梁取付平面図。 図1の丸印の拡大断面説明図。 図8の丸印の他の実施形態の拡大断面説明図。
この発明の腕木の軒梁への取付構造1の実施形態について、以下図に基づいて説明する。この腕木の軒梁への取付構造1を構成する腕木の軒梁への取付金具2は、図1〜4に示されるように、軒梁3を挟んで軒梁3に取付ける腕木本体4と裏当部材5、これら軒梁3、腕木本体4、裏当部材5を締付固定する締付固定部材6、及び腕木本体4を軒梁3の屋外側面から離反する方向へ押圧する鍔部7を有する綴ねじ8を主な構成要素とする。
前記腕木本体4は、軒先方向に延出する庇、ベランダ、屋根部材などの外装ユニット部材9を固定する長尺な腕木10と、腕木10の根元となる端部を直角方向に溶接などによって屋外側面11aに固定している取付板11を有している。前記腕木10は、先端が低くなるように緩い傾斜を上方に形成しているがこれに限定されるものではない。腕木10の固定位置は取付板11の屋外側面11aの中央下方として、外装ユニット部材9の荷重が取付板11の中央下方に掛るようにしている。この実施形態においては腕木10を取付けるために中央を下方へ細長く延出させた延出部11cを形成している。又、図2に良く現れているように、この腕木10の取付位置の両側上方にはそれぞれ縦方向に等間隔で複数の通し穴12が形成されている。更に、図1に良く現れているように、腕木10にも軒先方向へ延びる部材を固定するための通し穴12が必要個数設けられている。
前記取付板11の大きさや形状はとくに限定されるものではないが、軒梁3の高さと略同等か望ましい。横方向の幅長さもとくに限定されることはないが、取付板11の面積が大きくなれば、荷重の受け止め面積が大きくなるので軒梁3が木製の場合にはめり込みや木痩せの発生がより少なくなり大きい方が望ましい。
前記裏当部材5は、図6、図7に良く表れているように、取付板11に形成した通し穴12に対向する位置に通し穴12を形成した裏当板13とこの裏当板13の一側から直角方向に補強板14を設けてなる。前記裏当板13の大きさや形状はとくに限定されるものではないが、取付板11と対をなして軒梁3を両側面から挟み締付固定することから、軒梁3に当接する長さがほぼ同じであることが望ましい。この実施形態では、1つの取付板11に対して横幅の小さい裏当板13を2組使用したが、裏当板13の横幅を取付板11と同じ1枚ものの板材であっても良い。又、補強板14は必ずしも設ける必要はないが、設けた時には裏当板13の補強に加えて、図2等に示されるように取付板11の軒梁3の対向面となる屋内側面に控え梁3aを配置した構造の場合には、この控え梁3aの両側を挟むように配置してそれぞれの部材に形成した穴にボルト15を挿通してナット16で締付固定すれば強固な取付構造を得られる。更に又、裏当板13と補強板14の端部との上方をL字型板材17で固定すればより強固な構造となる。
前記綴ねじ8は、図8、図9に良く表れているように前記取付板11に開口した貫通穴18から一方の雄ねじ部8aを屋外側面11aから突出させて他方の雄ねじ部8bとの境界に設けられて外周方向へ突出している鍔部7を屋内側面11bに当接させると共に他方の雄ねじ部8bを軒梁3の屋外側面側に開口している雌ねじ部19に螺着させている。屋外側面11aから突出した一方の雄ねじ8aの先端面には回転工具Aと接合可能な接合部8cを形成しており、これによって作業者が屋外側から回転工具Aを用いて綴ねじ8を回転させて雌ねじ部19と螺着している他方の雄ねじ部8bしいては綴ねじ8の屋外方向への移動を可能にしている。
更に又、他方の雄ねじ部8bが螺着する雌ねじ部19は軒梁3の屋外側面に形成された掘込窪み20内に設けられている。この掘込窪み20は、図8によく現れているように、屋外側面から浅く掘られた窪みであって、その内部には雌ねじ部19を形成した調整スペーサ21が嵌め込まれている。この調整スペーサ21の厚さは掘込窪み20の深さより短くして調整スペーサ21の表面と軒梁3の屋外側面との間に前記鍔部7の厚さに相当する空隙Bを設けるようにしている。又、掘込窪み20の調整スペーサ21の雌ねじ部19の位置に相当する部位には他方の雄ねじ部8bが雌ねじ部19にねじ込まれた際にその先端側を収納できる収納穴22が軒梁3内に形成されている。更に、この調整スペーサ21には軒梁3に形成されている通し穴12と連通する通し穴12が形成されている。調整スペーサ21の大きさと形状は前記雌ねじ部19と通し穴12を形成することができればとくに限定されるものではないが、軒梁3が木製の場合には、綴ねじ8を回転させた時に調整スペーサ21に屋外方向へ作用する力によって軒梁3の長手方向に通っている木の繊維と交差して軒梁3への調整スペーサ21のくい込みを少なくするようある程度の長さと面積を有していることが望ましい。
前記軒梁3の屋外側面側に開口する雌ねじ部19は、掘込窪み20に嵌め込まれる調整スペーサ21に代えて、軒梁3が鋼製の場合には、図9に示すように、掘込窪み20から軒梁3に直接に形成してもよい。この場合には、掘込窪み20の深さである空隙Bは、つまり軒梁3の屋外側面と掘込窪み20の底面との距離は鍔部7の厚さと略同等とするのが望ましい。このようにすることによって、調整スペーサ21を用いた場合と同様に綴ねじ8を締め切った場合においては軒梁3の屋外側面と取付板11の屋内側面11aとが密接できる状態となる。又、軒梁3が木製の場合には、雌ねじ部19を内部に形成している円筒ねじを掘込窪み20の底面にその開口部が表れるようにして軒梁3に埋め込むようにしてもよい。
前記した腕木本体4、軒梁3及び裏当部材5を締付固定する締付固定部材6は、この実施形態において具体的にはボルト15とナット16である。しかしこれに限定されることなく、例えば前記3つの部材をワイヤーなどの長尺部材で締付固定してもよい。ボルト15は、取付板11の通し穴12、軒梁3の通し穴12及び裏当板13の通し穴12に挿通したボルト15の裏当板13からの突出したねじ部15aにナット16を螺合して締め付けて固定する。前述したように、取付板11には腕木10の根元の両側に縦方向に1列が3個の2列の通し穴12を形成しているが、このうち最下方の通し穴12に対応する軒梁3の通し穴12は、掘込窪み20に形成した通し穴12と連通するようにしている。掘込窪20に調整スペーサ21を嵌入した場合には、この調整スペーサ21に形成した通し穴12にボルト15が挿通されるので、調整スペーサ21はこのボルト15と前記綴ねじ8の他方の雄ねじ部8bの雌ねじ部19への螺着によって掘込窪み20内における軒梁3に対する方向位置が一定に保たれている。従って、軒梁3が木製の場合で木の繊維方向と交差する方向に設置された調整スペーサ21はその姿勢を維持し続けることができるので、掘込窪20の底面にくい込みにくい状態を維持できる。
上記の腕木10の軒梁3への取付構造1は図1等に示す通りであるが、図1では1つの腕木本体4の取付板11を軒梁3に取付ける例を示しているが、通常は1つの外装ユニット部材9を支持するためには3つの腕木本体4を軒梁3に取付けて支持している。このような腕木の軒梁への取付後における施工される周辺の部材について図1に基づいて説明すると、内壁23は軒梁3等の躯体部に固定され、外壁24は図外の躯体部に固定されており、その一部にスリット状の開口部24aが設けられて、ここから腕木10が外側へ突出している。この開口部24aと腕木10の上方に設置されている外装ユニット9の間隙からの雨水の浸入を防止する水切り25が設けられている。腕木10に設けてある通し穴12には図外のボルトで固定されている外装ユニット部材9の骨組みであるC形鋼26の下方には軒裏天井部材27を取付けるための補助取付部材28が設けられている。更に前記外装ユニット部材9の軒先端には樋29が設けられ、補助取付部材28の軒先端には化粧板30が設けられている。
次に、この腕木の軒梁3への取付構造1の取付手順と作用について説明する。この取付構造1を組立てるには、軒梁3の屋外側面に腕木本体4の取付板11の屋内側面11bを当接するが、この時、軒梁3の屋外側面に形成している堀込窪20みに調整スペーサ21を使用する場合にはあらかじめ嵌め込んでおき、且つ、綴ねじ8の他方の雄ねじ部8bを調整スペーサ21又は軒梁3に形成した雌ねじ部19に螺着して鍔部7が空隙Bの内部に納まるようにしておく。そして、軒梁3の屋外側面から突出している一方の雄ねじ部8aを取付板11の貫通穴18に通して屋外側面11aから突出させてナット16を緩く締め付けておく。
そして、取付板11の屋外側面11aからそれぞれの通し穴12にボルト15を差し込んで軒梁3の通し穴12を突き抜けたその先端を更に裏当板13の通し穴12に通して突出したねじ部15aにナット16を締め付け固定することで腕木本体4、軒梁3及び裏当部材5を一体的に締付固定する。又、控え梁3aが軒梁3の屋内側面の2つの裏当部材5の中央に位置して2つの補強板14によって挟まれる場合には、図7に示すように、これらの部材をボルト15とナット16によって締め付け固定すればより一層強固な取付構造とすることができる。
上記のようにして取付が完了すると、外装ユニット部材9の調整をする。通常、1つの外装ユニット部材9は3本の腕木10によって支持されているので、3つの腕木本体10が軒梁3に取付けられている。そして、これら腕木10の傾きすなわち軒梁3に対する取付角度は、本来は同一にならなければならないが、前述したような諸要因によって必ずしも同じにはならないために調整する必要がある。この調整は3つの腕木10内最も下方に位置している腕木10を有する腕木本体4の取付板11の屋外側面11aから突出している綴ねじ8の一方の雄ねじ部8aに設けてある接合部8cに回転工具Aを接合させて回転させ、これによって軒梁3の堀込窪み20に嵌め込まれている調整スペーサ21又は軒梁3に直接に形成されている雌ねじ部19に螺着している他方の雄ねじ部8bも回転して取付板11の屋内側面11bに当接している鍔部7が取付板11bを屋外方向へ押圧する。取付板11は締付固定部材6によって軒梁3及び裏当部材5と一体的に締付固定されているので、下方のみが屋外方向へ押圧されて軒梁3の室外側面から離反し、これに伴って腕木10の取付角度が上向きに調整される。この調整作業が終了した後、仮締めしていたナット16を取付板11の屋外側面11aに当接するまで締め付けて作業が完了する。
このようにして3つの腕木10の傾きが同じようになるように調整するが、この調整は最も傾きの小さい腕木10を傾きの大きい腕木10に合わせるようにすることが望ましい。こうすることによって、綴ねじ8は常時その反力として屋内方向へ押圧されるので、取付板11の屋内側面11bと鍔部7とは常に密接した状態を維持し続ける。これによって、外装ユニット部材9はその取付姿勢を設計通りに外観上美しく維持できることに加えて、軒梁3に対する取付板11の押圧力も均等化されることになって軒梁3が木製の場合であってもめり込みや木痩せを防止できる。このような腕木10の軒梁3に対する取付角度の調整は屋外方向から回転工具Aを用いて行うことができるので、建物が完成した後であっても容易に行うことが可能である。更に又、既存の建物の外装ユニット部材9を補修又は取り換える場合においてもこの腕木の軒梁3の取付金具2を用いた腕木の軒梁3への取付構造1を採用することは可能である。
新築の建物は勿論のこと既存の建物へも適用が可能であるので、応用範囲に利用できる。
1 腕木の軒梁への取付構造
2 腕木の軒梁への取付金具
3 軒梁
4 腕木本体
5 裏当部材
6 締付固定部材
7 鍔部
8 綴ねじ
8a 一方の雄ねじ
8b 他方の雄ねじ
8c 接合部
9 外装ユニット部材
10 腕木
11 取付板
12 通し穴
13 裏当板
14 補強板
15 ボルト
16 ナット
18 貫通孔
19 雌ねじ部
20 掘込窪み
21 調整スペーサ

Claims (13)

  1. 屋外側面の下方側に腕木を固定した取付板を有する腕木本体の前記取付板の屋内側面を軒梁の屋外側面に当接し、前記腕木本体の取付板と前記軒梁を挟んで対面する裏当部材の裏当板とを締付固定部材によって締付固定してなる腕木の前記軒梁への取付構造であって、
    前記取付板の下方側の貫通穴から回転工具と接合可能な接合部を有する一方の雄ねじ部を屋外側面から突出させ、他方の雄ねじ部を前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじ部に螺着させてなる綴ねじの前記一方の雄ねじ部と他方の雄ねじ部の境界に設けてある鍔部を前記取付板の屋内側面に当接させるように配置し、
    前記貫通穴からの一方の雄ねじ部の屋外側面からの突出部分に螺合したナットと前記鍔部によって前記取付板を挟んで固定してなり、
    前記綴ねじは、前記締付固定部材よりも下方側において、屋外方向へ移動可能に前記他方の雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺着している腕木の軒梁への取付構造。
  2. 前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじ部が、前記軒梁の屋外側面に設けた堀込窪みに形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の腕木の軒梁への取付構造。
  3. 前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじ部が、前記軒梁の屋外側面に設けた堀込窪みに嵌め込んだ調整スペーサに形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の腕木の軒梁への取付構造。
  4. 前記調整スペーサは、前記軒梁の長手方向に対してその長手方向が傾斜して嵌め込まれていることを特徴とする請求項3に記載の腕木の軒梁への取付構造。
  5. 前記雌ねじ部の開口面と前記軒梁の屋外側面の距離が、前記鍔部の厚みと同じ長さであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の腕木の軒梁への取付構造。
  6. 前記締付固定部材は、前記取付板、前記軒梁及び前記裏当板に形成している通し穴挿通するボルトと、該ボルトの前記裏当板から突出するねじ部に螺合するナットであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の腕木の軒梁への取付構造。
  7. 前記裏当板の屋内側面に補強材を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の腕木の軒梁への取付構造。
  8. 屋外側面の下方側に腕木を固定した取付板を有する腕木本体の前記取付板の屋内側面を軒梁の屋外側面に当接し、前記腕木本体の前記取付板と前記軒梁を挟んで対面する裏当部材の裏当板とを締付固定部材によって締付固定してなる腕木の軒梁への取付金具であって、
    前記取付板の下方側に開けた貫通穴から突出させた回転工具と接合可能な接合部を有する一方の雄ねじ部と鍔部を挟んで設けられた他方の雄ねじ部を前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじ部に螺着させてなる綴ねじと、前記取付板の屋内側面に当接している前記鍔部によって屋内方向への移動を阻止された前記取付板を屋外方向への移動を阻止するように前記一方の雄ねじ部の前記取付板の前記貫通穴からの突出部に螺合締付するナット、を具備してなり、
    前記綴ねじは、前記締付固定部材よりも下方側において、屋外方向へ移動可能に前記他方の雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺着していることを特徴とする腕木の軒梁への取付金具。
  9. 前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじ部が、前記軒梁の屋外側面に設けた堀込窪みに形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載の腕木の軒梁への取付金具。
  10. 前記軒梁の屋外側面側に開口した雌ねじ部が、前記軒梁の屋外側面に設けた堀込窪みに嵌め込んだ調整スペーサに形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載の腕木の軒梁への取付金具。
  11. 前記雌ねじ部の開口面と前記軒梁の屋外側面の距離が、前記鍔部の厚みと同じ長さであることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の腕木の軒梁への取付金具。
  12. 前記締付固定部材は、前記取付板、前記軒梁及び前記裏当板に形成している通し穴に挿通するボルトと、該ボルトの前記裏当板から突出するねじ部に螺合するナットであることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の腕木の軒梁への取付金具。
  13. 前記裏当板の屋内側面に補強材を設けたことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一項に記載の腕木の軒梁への取付金具。
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