JP6462219B2 - 手摺 - Google Patents

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本発明は、集合住宅のベランダ等に設置される手摺に関する。
従来より、建物のバルコニー等に設置される手摺として、支柱の屋外側にパネル等を持ち出して取付けたものがあった(例えば、非特許文献1参照)。このような従来の手摺は、支柱下部の屋外側見付面にブラケットをボルトで固定し、ブラケットにパネル等を支持する下弦材を固定してあり、強風時等にはブラケットを支柱に取付けているボルトに荷重が集中する構造となっている。
ブラケットを取付けるために支柱に開けられるねじ孔は、手摺の組立前にボール盤やハンドドリル等で開けているが、ねじ穴の加工が悪いとボルトが緩んでくるおそれがあり、ねじ孔の加工及びボルトの締め付け力に高い精度管理が必要であった。
三協立山アルミ株式会社発行のカタログ「アルミ手すりシリーズ」(カタログNo.STB0065A C.06.05−50)、2006年6月、p.43−44
本発明は以上に述べた実情に鑑み、支柱への孔加工の精度によらず高い耐風強度を確保できる手摺の提供を目的とする。
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による手摺は、支柱と、下弦材と、下弦材を受けるブラケットを備え、ブラケットは、下弦材の上壁と垂下壁とで形成される空間に嵌まる中空形状を有し、支柱の見込み面に設けた係止部に係止すると共に支柱及びブラケットを貫通するボルトにより支柱の見込み面に固定してあり、下弦材は、屋内側に切欠きを有し、切欠きに支柱の屋外側端部を呑み込ませてあるとともに、ブラケットに上方から係合して固定してあることを特徴とする
請求項1記載の発明による手摺は、下弦材を受けるブラケットが、下弦材の上壁と垂下壁とで形成される空間に嵌まる中空形状を有し、そのブラケットを支柱の見込み面に設けた係止部に係止すると共に支柱及びブラケットを貫通するボルトにより支柱の見込み面に固定したことで、風による屋内外方向の荷重を支柱の係止部に負担させることができるため、支柱への孔加工の精度によらず高い耐風強度を確保できる。さらに、下弦材は、屋内側に切欠きを有し、切欠きに支柱の屋外側端部を呑み込ませてあるとともに、ブラケットに上方から係合して固定してあることで、下弦材の強度アップを図りながら、手摺の見込寸法が増大するのを抑えられる。
図4のA−A断面図である。 図4のB−B断面図である。 図4の手摺の支柱の周辺を拡大して示す屋外側正面図である。 本発明の手摺の第1実施形態を示す屋外側正面図である。 同手摺の下弦材の支柱への取付部を分解して示す斜視図である。 下弦材の支柱との取り合い部の他の実施形態を示す斜視図である。 竪枠の他の実施形態を示す横断面図である。 本発明の手摺の第2実施形態を示す屋外側正面図である。 図8のC−C断面図である。 図8のD−D断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜5は、本発明の手摺の第1実施形態を示している。本手摺は、マンション等集合住宅のベランダに設置される落下防止用の手摺で、図2,4に示すように、ベランダの屋外側端部に床面から立ち上げたパラペット6に複数本の支柱1,1,…が左右方向に間隔をおいて立設してあり、支柱1の上端部に笠木7が架設してあり、支柱1下部に下弦材2が架設してあり、支柱1の屋外側見付面1bに竪枠8が取付けてあり、隣接する支柱1,1間に合わせガラスを用いてなるパネル9が、四辺を笠木7、下弦材2及び竪枠8によりそれぞれ支持し、支柱1の屋外側に持ち出して設置してある。支柱1、笠木7、下弦材2、竪枠8は、それぞれアルミニウム合金の押出形材で形成されている。
支柱1は、図1に示すように、見付寸法W1が小さく見込み寸法D1が大きい略長方形断面の形材となっている。具体的には、支柱の見付寸法W1は20mm、支柱の見込み寸法D1は75mmである。支柱1は、左右の見込み面1a,1aの屋外側寄りの位置に、浅い溝状の係止部4を長手方向に沿って設けてある。
支柱1下部の左右見込み面1a,1aには、図1,2に示すように、下弦材2を受けるブラケット3,3が取付けてある。ブラケット3は、アルミニウム合金の押出形材を一定の長さに切断して形成したピース状の部材であり、中心部にボルト挿通部10が形成されている。ブラケット3は、支柱1の見込み面1aに形成された係止部4に小口部を係止すると共に、ブラケット3,3及び支柱1を貫通してボルト5を通し、ボルト5にナット11を螺合させて締付けることで支柱1に取付けられている。このようにブラケット3を支柱1の係止部4に係止することで、ブラケット3が屋内外方向に位置決めされると共に回転が規制される。また、ブラケット3,3及び支柱1を貫通するボルト5で取付けるため、支柱1に開ける孔12(図5参照)はボルト5の径より若干大きいバカ孔でよく、支柱1の孔加工が容易である。
支柱1の上端部には、笠木連結プレート13がネジ14で取付けてある。
下弦材2は、図2に示すように、上方が開口する略コ字形断面のパネル保持溝部15と、パネル保持溝部15の屋内側の壁の上部より屋内側に延出する上壁16と、上壁16の屋内側端部より垂下する垂下壁17を有している。上壁16は、屋外側に水平部16aを有し、屋内側に下り勾配の傾斜部16bを有する。下弦材2は、図3,5に示すように、支柱1の中心で左右に分割してあり、屋内側に支柱1の見付寸法W1に対応した幅で切欠き18が形成され、図1に示すように、当該切欠き18に支柱1の屋外側部を呑み込ませてある。前述のブラケット3は、図2に示すように、下弦材2の上壁16の下の空間にぴったり嵌る形状で形成されており、下弦材2の屋内側部をブラケット3に上方から係合し、上壁16をブラケット3にネジ19で固定することで、下弦材2が支柱1に取付けられる。
図2に示すように、下弦材2のパネル保持溝部15の底面にはセッティングブロック20が配置され、パネル保持溝部15内の屋外側にはビード21が設けられ、パネル9の屋内側面との隙間にはバックアップ材22とシール材23が装填してある。パネル保持溝部15の屋内側面15aは、支柱1の屋外側の見付面1bに当接している。下弦材2の見付寸法W2は25mm、見込み寸法D2は65mmとしてある。パネル保持溝部15内の屋内側には、後述する竪枠固定金具24を係止するための係止溝25が形成してある。
竪枠8は、図1に示すように、屋内側端部に一対の鉤型の係止爪26,26を対向して有し、各係止爪26を支柱見込み面1aの係止部4の前縁4aに係止させて、支柱1の屋外側の見付面1bに取付けてある。なお、竪枠8を支柱1の見付面1bに取付ける際には、係止爪26を支柱1の係合部4に上方からスライド係合させて取付ける。竪枠8の係止爪26の屋外側には押縁27が取付けてあり、竪枠8の見付壁28と押縁27とでパネル保持溝部29が形成され、パネル保持溝部29内にパネル9の側端部を保持している。竪枠8の見付壁28には、中央部に凹部30が形成され、凹部30内に黒色の帯状の化粧板31が取付けられ、化粧板31によりパネル9,9間に黒色の目地があるように見え、これにより竪枠8の見付けが細くシャープな外観になっている。
竪枠8の下端部には、竪枠固定金具24がネジ32で取付けてあり、竪枠固定金具24は図2に示すように、下弦材2のパネル保持溝部15内の係止溝25に係止しており、これにより竪枠8のがたつきを防止している。
笠木7は、図2に示すように、下面側に形成された凹部33内に支柱1上端部を呑み込ませ、ボルト・ナット34で笠木連結プレート13に固定してあり、屋内側に設けた垂下壁35により笠木連結プレート13が隠れている。また笠木7は、屋外側端部に下向きに開口したパネル保持溝部36を有し、パネル保持溝部36内にパネル9の上端部を保持している。
次に、本手摺の施工手順を説明する。本手摺は、通常、工場にてパネル9の無い状態で組み立ててユニット化し、組み立てた手摺ユニットを施工現場へと搬入し、各支柱1の下部をパラペット6に形成された穴に埋め込むなどして固定する。その後、笠木7のパネル保持溝部36と下弦材2のパネル保持溝部15間にパネル9を屋内側から上下けんどん式に配置し、竪枠8に押縁27を取付け、笠木7、竪枠8及び下弦材2の各パネル保持溝部36,29,15内に屋内側からバックアップ材22とシール材23を装填し、パネル9の四周縁部を固定する。
工場における手摺ユニットの組立手順の一例を説明すると、各支柱1の下部の左右見込面1a,1aにブラケット3,3を取付け、支柱1の上端部に笠木連結プレート13を取付ける。次に、各支柱1のブラケット3に支持して下弦材2を架設する。次に、竪枠8を係止爪26,26を上方から支柱見込み面1a,1aの係止部4,4にスライドして係合させ、竪枠8の下端部と下弦材2との間に竪枠固定金具24を取付けて竪枠8を固定する。次に、各支柱1の笠木連結プレート13に支持して笠木7を架設する。
以上に述べたように本手摺は、下弦材2を受けるブラケット3,3を、支柱1の見込み面1a,1aに設けた係止部4,4に係止すると共に支柱1及びブラケット3,3を貫通するボルト5により支柱1の見込み面1a,1aに固定したことで、風による屋内外方向の荷重を支柱1の係止部4に負担させることができ、ボルト5に荷重が集中することがなく(ボルト5には引き抜き力がかからない)、しかも支柱1に設ける孔12はねじ孔ではなくバカ孔でよいため、支柱1への孔加工の精度によらず高い耐風強度を確保できる。また、ブラケット3を支柱1の見込み面1aに取付けたことで、支柱1の見付寸法W1を細くすることができ、これにより屋内側から見た意匠が向上する。さらに、竪枠8を支柱1の見込み面1a,1aの係止部4,4に係止して取付けたことにより、竪枠8と支柱1とが一体化し、支柱1の見付寸法W1を細くしながら強度を向上させることができる。下弦材2の屋内側部に支柱1を呑み込ませることで、下弦材2の強度アップを図りながら、手摺の見込み寸法が増大するのを抑えられる。
図6は、下弦材2の支柱1との取り合い部の他の実施形態を示している。図5に示した例では、支柱1の左右で分割された下弦材2,2にそれぞれ切欠き18を設けていたが、図6(a)の実施形態は、一方の下弦材2の端部にのみ切欠き18を設け、もう一方の下弦材2は端部を長手方向に対して直角に切断しただけになっている。本実施形態によれば、切欠き18の加工が1箇所で済むので、切欠き加工の手間を減らすことができる。
図6(b)の実施形態は、両側の下弦材2,2の端部を両方とも長手方向に対して直角に切断し、切断した小口に樹脂やアルミ等で形成した化粧ブロック37を取付けることで、支柱1を呑み込ませるための隙間38を形成している。化粧ブロック37は、下弦材2に形成されているタッピングホール39を利用してネジ(図示省略)で取付けることができる。化粧ブロック37は、中央で分割して両側の下弦材2,2に取付けてもよいが、支柱1と同じ厚みの1つの化粧ブロック37を片側の下弦材2の端部にのみ取付けることもできる。本実施形態によれば、下弦材2への切欠きの加工を省略できる。
図7は、竪枠8を支柱1に固定する構造の他の例を示している。竪枠8の屋内側端部に形成した係止爪26,26を支柱見込面1a,1aの係止部4,4に係止している点は図1の例と同様であるが、本実施形態では竪枠固定金具24を使用せず、竪枠8に屋外側からネジ40を螺入し、そのネジ40の先端を支柱1の見付面1bに押し付けることで、竪枠8を固定している。
図8〜10は、本発明の手摺の第2実施形態を示している。本実施形態は、ガラス製のパネル9を取付ける代わりに、複数の格子材41,41,…を間隔をおいて設けた格子パネル44を取付けたものである。支柱1、下弦材2及び笠木7は、第1実施形態と共通のものである。支柱1には、竪枠8を取付けていない。格子パネル44は、図9,10に示すように、上下の付子42,42間に格子材41を渡してネジ43で固定したものであり、上下の付子42,42は、下弦材2と笠木7のパネル保持溝部15,36に係合して取付けられている。
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。支柱1や下弦材2、笠木7、竪枠8の断面形状は適宜変更することができ、支柱1の見込み面1aに設ける係止部4の形状やブラケット3の形状も適宜変更することができる。パネル9は樹脂パネルや金属製のパンチングパネル等であってもよい。本発明は、支柱の屋外側にパネルや格子材を持ち出して設置する手摺(フェンスを含む)に広く適用することができ、ベランダ用の手摺に限らず、例えばビルの屋上や歩道橋等の手摺としても利用できる。
1 支柱
2 下弦材
3 ブラケット
4 係止部
5 ボルト

Claims (1)

  1. 支柱と、下弦材と、下弦材を受けるブラケットを備え、ブラケットは、下弦材の上壁と垂下壁とで形成される空間に嵌まる中空形状を有し、支柱の見込み面に設けた係止部に係止すると共に支柱及びブラケットを貫通するボルトにより支柱の見込み面に固定してあり、下弦材は、屋内側に切欠きを有し、切欠きに支柱の屋外側端部を呑み込ませてあるとともに、ブラケットに上方から係合して固定してあることを特徴とする手摺。
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