JP6331617B2 - 金属錯体およびそれを用いた発光素子 - Google Patents

金属錯体およびそれを用いた発光素子 Download PDF

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Description

本発明は、金属錯体、該金属錯体から誘導される基を構成単位として含む高分子化合物、該金属錯体または該高分子化合物を含有する組成物および有機薄膜、並びに、該金属錯体または該高分子化合物を含有する発光素子に関する。本発明はまた、該金属錯体の製造方法、および、該金属錯体の製造に有用な化合物に関する。
発光素子の発光層に用いる発光材料として、三重項励起状態からの発光を示す燐光発光性化合物が種々検討されている。このような燐光発光性化合物としては、中心金属が第5周期または第6周期に属する遷移金属である金属錯体が数多く検討されている。例えば、特許文献1では、デンドロンを置換基として導入した配位子を有する金属錯体(例えば、下記式で表される金属錯体)が提案されており、有機溶媒に対する溶解性や塗布成膜性が優れるだけでなく、電荷輸送性および発光効率に優れる発光素子の製造に有用であることが知られている。ここで、デンドロンは分岐構造(branching structure)であり、デンドロンを有する高度に枝分かれした巨大分子はデンドリマーと呼ばれることがある。
Figure 0006331617
国際公開2002/066552号
しかしながら、上記の金属錯体を用いて製造される発光素子は、得られる発光効率が十分ではなかった。
そこで本発明は、発光効率に優れる発光素子の製造に有用な金属錯体および該金属錯体から誘導される基を構成単位として含む高分子化合物を提供することを目的とする。本発明はまた、該金属錯体または該高分子化合物を含有する組成物および有機薄膜、並びに、該金属錯体または該高分子化合物を含有する発光素子を提供することを目的とする。本発明はさらに、該金属錯体の製造方法、および、該金属錯体の製造に有用な化合物を提供することを目的とする。
本発明は、第一に、下記式(1)で表される金属錯体を提供する。
Figure 0006331617
[式(1)中、
Mは、イリジウム原子または白金原子を表す。
n1は、1、2または3を表す。n2は、0、1または2を表す。Mがイリジウム原子の場合は、n1+n2=3であり、Mが白金原子の場合は、n1+n2=2である。
−G−Aは、1価のアニオン性2座配位子を表し、Gは、AおよびAと共に2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表す。
m1およびm2は、それぞれ独立に、3または4を表す。
、E2、EおよびEは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。複数存在するEおよびE2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Eが窒素原子の場合、RA1は存在しても存在しなくてもよい。Eが窒素原子の場合、RA2は存在しても存在しなくてもよい。
A1およびRA2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子または下記式(2)で表される基を表す。複数存在するRA1およびRA2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。隣接するRA1同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。隣接するRA2同士が結合して、それぞれが結合するE2とともに環を形成していてもよい。Eに隣接するEと結合するRA1と、Eに隣接するEと結合するRA2とが結合して、それぞれが結合するEおよびEとともに環を形成していてもよい。ただし、複数存在するRA1およびRA2の少なくとも1つは、下記式(2)で表される基である。
環Aは、窒素原子、Eおよびm1個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族複素環を表す。
環Bは、炭素原子、Eおよびm2個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表す。
は、単結合、−N(R)−、−C(R−または酸素原子を表す。Rは、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 0006331617
[式(2)中、
は、単結合または下記群Iから選ばれる連結基を表す。
は、下記式(3)で表される基を表す。]
<群I>
−O−、−[C(R−、下記式(I−a)で表される基、および、下記式(I−b)で表される基。
は、水素原子またはアルキル基を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
jは1〜10の整数を表す。
Figure 0006331617
[式(I−a)および(I−b)中、
〜Zは、それぞれ独立に、窒素原子または−C(R)=を表す。Rは前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006331617
[式(3)中、
〜Z13は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。Z〜Z13が窒素原子の場合、Z〜Z13とそれぞれ結合するRD1〜RD5は存在しない。ただし、Z〜Z13の少なくとも1つは炭素原子である。
D1〜RD5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、下記式(4)で表される基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基を表す。ただし、RD1〜RD5の少なくとも一つは、下記式(4)で表される基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基である。]
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式(5)中、
E1〜RE5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RE1〜RE5の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
Figure 0006331617
[式(6)中、
F1〜RF3は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
F4〜RF13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RF4〜RF13の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
本発明は、第二に、前記金属錯体から誘導される基を構成単位として含む高分子化合物を提供する。
本発明は、第三に、前記金属錯体を含有する組成物を提供する。
本発明は、第四に、前記金属錯体を含有する有機薄膜を提供する。
本発明は、第五に、前記金属錯体を含有する発光素子を提供する。
本発明は、第六に、前記金属錯体の製造に有用な下記式(9)で表される化合物を提供する。
Figure 0006331617
[式(9)中、
は、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。XおよびXは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基または−ORで表される基を表し、XとXが結合して、それぞれが結合するホウ素原子とともに環を形成していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
〜Z13は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。Z〜Z13が窒素原子の場合、Z〜Z13とそれぞれ結合するRK1〜RK5は存在しない。ただし、Z〜Z13の少なくとも1つは炭素原子である。
K1〜RK5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基を表す。ただし、RK1〜RK5の少なくとも一つは、下記式(5)で表される基または下記式(6)で表される基である。]
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式(5)中、
E1〜RE5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RE1〜RE5の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
Figure 0006331617
[式(6)中、
F1〜RF13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RF1〜RF13の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
本発明は、第七に、前記式(9)で表される化合物と、下記式(10)で表される金属錯体を反応させる工程を含む、下記式(1−f)で表される金属錯体の製造方法を提供する。
Figure 0006331617
[式(10)中、
M、E、E、環A、A、A、G、n1およびn2は、前記と同じ意味を表す。
m3は、3または4を表す。
A4は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。複数存在するRA4は、同一でも異なっていてもよい。隣接するRA4同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。
は、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。XおよびXは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基または−ORで表される基を表し、XとXが結合して、それぞれが結合するホウ素原子とともに環を形成していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。]
Figure 0006331617
[式(1−f)中、
M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。
は、下記式(8)で表される基を表す。]
Figure 0006331617
[式(8)中、
〜Z13は、前記と同じ意味を表す。
K1〜RK5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、前記式(5)で表される基または前記式(6)で表される基を表す。ただし、RK1〜RK5の少なくとも一つは、前記式(5)で表される基または前記式(6)で表される基である。]
本発明によれば、発光効率に優れる発光素子の製造に有用な金属錯体および該金属錯体から誘導される基を構成単位として含む高分子化合物を提供することができる。また、本発明によれば、該金属錯体または該高分子化合物を含有する組成物および有機薄膜、並びに、該金属錯体または該高分子化合物を含有する発光素子を提供することができる。本発明はさらに、該金属錯体の製造方法、および、該金属錯体の製造に有用な化合物を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<用語、記号の説明>
以下、本発明をより明確なものとするために、本明細書中における用語、記号に関して説明する。
「発光効率」とは、発光素子の輝度を単位面積当たりの入力電流で除した値であり、単位としては、[cd/A]が通常用いられる。
「輝度寿命」とは、輝度が初期値に対して一定の割合に達するまでの駆動時間であり、通常、一定電流密度で駆動したときの値をいう。「輝度寿命」は発光素子の安定性の指標の一つとなる。
本明細書中の構造式において、破線または矢印で示される結合は、配位結合を示す。
「残基」とは、「化合物からk個の水素原子を取り除いた残りの原子団で表されるk価の基」を意味するものであり、kで表される数、および、取り除かれる水素原子の位置に関しては、必要に応じて、本明細書中でより詳細に説明されるものである。
「高分子化合物」とは、単量体を用いた重合反応により得られる分子量分布を有する重合体であり、特に、ポリスチレン換算の数平均分子量が、1×10〜1×10であるものを意味する。「低分子化合物」とは、高分子化合物のような分子量分布を有さない化合物であり、分子量が通常5000以下のものを意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味し、この構成単位は、「繰り返し単位」(高分子化合物中に2個以上存在する単位)として高分子化合物中に存在するものであると好ましい。即ち、繰り返し単位は高分子化合物を製造する際の重合反応において、結合を形成することが可能な脱離基(重合活性基)を除いた部分構造により形成される構成単位または構成連鎖である。なお、「構成連鎖」とは、高分子化合物中において、2つ以上の構成単位が単結合によって結合して形成された構造を意味する。
「n価の芳香族複素環基」(nは、1以上の整数を表す。)とは、芳香族性を示す複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に直接結合している水素原子のうちn個の水素原子を除いた残りの原子団を意味し、縮合環を有するものも含む。「複素環式化合物」とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する原子として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子等のヘテロ原子を含む化合物をいう。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等のヘテロ原子を含む複素環式化合物であり、複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等のヘテロ原子を含む複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
「デンドロン」とは、原子または環を分岐点とする規則的な樹枝状分岐構造(デンドリマー構造)を有する基である。上述したように、デンドロンを有する高度に枝分かれした巨大分子はデンドリマーと呼ばれることがあり、例えば、WO02/066575、WO02/066552、WO02/067343等において開示されており、種々の機能を付与することを目的として設計および合成がなされている。
本発明の金属錯体における配位子はデンドロンを有することが好ましい。当該デンドロンとしては、環を分岐点とするデンドロンが好ましく、芳香族炭化水素環または芳香族複素環を分岐点とするデンドロンがより好ましく、芳香族炭化水素環を分岐点とするデンドロンがさらに好ましく、下記式(D−1)または(D−2)で表されるデンドロンが特に好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式中、
は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。Rが複数個存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
ndは、0〜5の整数である。複数個存在するndは、同一であっても異なっていてもよい。]
で表されるアルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基およびハロゲン原子の定義や例は、後述の<置換基の説明>におけるアルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基およびハロゲン原子の定義および例と同じである。Rとしては、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基が好ましく、アルキル基またはアリール基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。
また、本明細書において、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、i−Prはイソプロピル基を表し、n−Buはn−ブチル基を表し、tBu、t−Buおよびt−ブチル基はtert−ブチル基を表し、OTfは、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基(−OSOCFで表される基)を表す。
<置換基の説明>
本明細書に示した各種の置換基について具体的に説明する。本明細書では、特別な説明がない限り、各置換基は以下で説明されるものとする。また、本明細書では、金属錯体、並びに、高分子化合物に含まれる構成単位および繰り返し単位の有する水素原子は任意に重水素原子に置き換えられていてもよく、同様に、他の原子も、天然に存在する各種同位体に置き換わったものであってもよい。
(アルキル基)
アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれであってもよいが、直鎖アルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、1〜20(分岐アルキル基および環状アルキル基の場合、3〜20)が好ましく、より好ましくは1〜15(分岐アルキル基および環状アルキル基の場合、3〜15)、さらに好ましくは1〜12(分岐アルキル基および環状アルキル基の場合、3〜12)。アルキル基が有していてもよい置換基としては、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、フッ素原子およびシアノ基が挙げられる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
(アリール基)
アリール基は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団であり、縮合環を有するものを含む。アリール基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、6〜60が好ましく、6〜48がより好ましく、6〜20が更に好ましく、6〜14が特に好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
(1価の芳香族複素環基)
1価の芳香族複素環基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、2〜60が好ましく、3〜20がより好ましい。1価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
1価の芳香族複素環基の具体例としては、2−オキサジアゾリル基、2−チアジアゾリル基、2−チアゾリル基、2−オキサゾリル基、2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジル基、2−ピリミジニル基、2−トリアジニル基、3−ピリダジニル基、3−カルバゾリル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基等が挙げられる。
(アルコキシ基)
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれであってもよいが、直鎖アルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、1〜20(分岐アルコキシ基および環状アルコキシ基の場合、3〜20)が好ましい。アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、フッ素原子およびシアノ基が挙げられる。
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基、2−エトキシエチルオキシ基等が挙げられる。
(アリールオキシ基)
アリールオキシ基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、6〜60が好ましい。アリールオキシ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基(「C〜C12アルコキシ」は、アルコキシ部分の炭素数が1〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等が挙げられる。
(アラルキル基)
アラルキル基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、7〜60が好ましい。
アラルキル基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
アラルキル基の具体例としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基等が挙げられる。
(アリールアルコキシ基)
アリールアルコキシ基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、7〜60が好ましい。アリールアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、ハロゲン原子およびシアノ基が挙げられる。
アリールアルコキシ基の具体例としては、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基等が挙げられる。
(アルケニル基)
アルケニル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよく、前記アルケニル基の炭素数は、通常2〜20である。前記アルケニル基としては、炭素数が2以上の場合の前記アルキル基において、隣り合う任意の2個の炭素原子間の直接結合を2重結合に置き換えて表される基が挙げられる。
(アルキニル基)
アルキニル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよく、前記アルキニル基の炭素数は、通常2〜20である。前記アルキニル基としては、炭素数が2以上の場合の前記アルキル基において、隣り合う任意の2個の炭素原子間の直接結合を3重結合に置き換えて表される基が挙げられる。
(置換アミノ基)
置換アミノ基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて、2〜60が好ましい。置換アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基および1価の芳香族複素環基が挙げられる。置換アミノ基は、アミノ基が有する置換基同士が、直接結合して、それぞれが結合する窒素原子とともに環構造を形成した基、および、炭素原子、酸素原子、硫黄原子等を介して結合して、それぞれが結合する窒素原子とともに環構造を形成した基であってもよい。置換アミノ基としては、ジアルキル置換アミノ基、ジアリール置換アミノ基が好ましい。
置換アミノ基の具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ−4−トリルアミノ基、ジ−4−tert−ブチルフェニルアミノ基、ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基、N−カルバゾリル基、N−フェノキサジニル基、N−アクリジニル基、N−フェノチアジニル基等が挙げられる。
(置換カルボニル基)
置換カルボニル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて、2〜60が好ましい。
置換カルボニル基としては、−COR23(R23は所定の置換基を表す。)で表される基であって、R23がアルキル基、アリール基、アラルキル基または1価の芳香族複素環基である基が挙げられる。
置換カルボニル基の具体例としては、アセチル基、ブチリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
(置換オキシカルボニル基)
置換オキシカルボニル基の炭素数は、置換基の炭素数を含めて、2〜60が好ましい。
置換オキシカルボニル基としては、−COOR24(R24は所定の置換基を表す。)で表される基であって、R24がアルキル基、アリール基、アラルキル基または1価の芳香族複素環基である基が挙げられる。
置換オキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
(ハロゲン原子)
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、臭素原子、ヨウ素子が好ましい。
(アリーレン基)
アリーレン基は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味し、縮合環を有するものを含む。アリーレン基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、6〜60が好ましく、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30であり、特に好ましくは6〜18である。アリーレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、フッ素原子およびシアノ基が挙げられる。
アリーレン基の具体例としては、1,4−フェニレン基(下記式001)、1,3−フェニレン基(下記式002)、1,2−フェニレン基(下記式003)等のフェニレン基;ナフタレン−1,4−ジイル基(下記式004)、ナフタレン−1,5−ジイル基(下記式005)、ナフタレン−2,6−ジイル基(下記式006)等のナフタレンジイル基;9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基(下記式007)等のジヒドロフェナントレンジイル基;フルオレン−3,6−ジイル基(下記式008)、フルオレン−2,7−ジイル基(下記式009)等のフルオレンジイル基等が挙げられる。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
式001〜式009中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、フッ素原子またはシアノ基を表す。Raは、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を表す。
複数存在するRは、互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。複数存在するRaは、互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環構造を形成してもよい。
式001〜009中、Rとしては、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基または置換アミノ基が好ましく、水素原子、アルキル基またはアリール基がより好ましい。
式001〜009中、Raとしては、アリール基またはアルキル基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基若しくはアリール基で置換されていてもよいアリール基、または、アルキル基がより好ましく、少なくとも1つのRaは、アルキル基、アルコキシ基若しくはアリール基で置換されていてもよいアリール基であることが更に好ましい。
式001〜009中、RおよびRaがそれぞれ形成する環構造としては、アルキル基で置換されていてもよいシクロペンチル環、アルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル環、アルキル基で置換されていてもよいシクロヘプチル環が好ましい。なお、当該環構造は、更にベンゼン環等が縮合した縮合環構造であってもよい。
(2価の芳香族複素環基)
2価の芳香族複素環基の炭素数は、後述の置換基の炭素数を含めないで、2〜60が好ましく、3〜20がより好ましい。2価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、フッ素原子およびシアノ基が挙げられる。
2価の芳香族複素環基の具体例としては、ピリジン−2,5−ジイル基(下記式101)、ピリジン−2,6−ジイル基(下記式102)等のピリジンジイル基;ピリミジン−4,6−ジイル基(下記式103)等のピリミジンジイル基;トリアジン−2,4−ジイル基(下記式104)等のトリアジンジイル基;ピラジン−2,5−ジイル基(下記式105)等のピラジンジイル基;ピリダジン−3,6−ジイル基(下記式106)等のピリダジンジイル基;キノリン−2,6−ジイル基(下記式107)等のキノリンジイル基;イソキノリン−1,4−ジイル基(下記式108)等のイソキノリンジイル基;キノキサリン−5,8−ジイル基(下記式109)等のキノキサリンジイル基;カルバゾール−3,6−ジイル基(下記式110)、カルバゾール−2,7−ジイル基(下記式111)等のカルバゾールジイル基;ジベンゾフラン−2,8−ジイル基(下記式112)、ジベンゾフラン−3,7−ジイル基(下記式113)等のジベンゾフランジイル基;ジベンゾチオフェン−2,8−ジイル基(下記式114)、ジベンゾチオフェン−3,7−ジイル基(下記式115)等のジベンゾチオフェンジイル基;ジベンゾシロール−4,7−ジイル基(下記式116)、ジベンゾシロール−3,8−ジイル基(下記式117)等のジベンゾシロールジイル基;フェノキサジン−3,7−ジイル基(下記式118)、フェノキサジン−2,8−ジイル基(下記式119)等のフェノキサジンジイル基;フェノチアジン−3,7−ジイル基(下記式120)、フェノチアジン−2,8−ジイル基(下記式121)等のフェノチアジンジイル基;ジヒドロアクリジン−2,7−ジイル基(下記式122)等のジヒドロアクリジンジイル基;下記式123で表される2価の基;ピロ−ル−2,5−ジイル基(下記式124)等のピロールジイル基;フラン−2,5−ジイル基(下記式125)等のフランジイル基;チオフェン−2,5−ジイル基(下記式126)等のチオフェンジイル基;ジアゾール−2,5−ジイル基(下記式127)等のジアゾールジイル基;トリアゾール−2,5−ジイル基(下記式128)等のトリアゾールジイル基;オキサゾール−2,5−ジイル基(下記式129)等のオキサゾールジイル基;オキサジアゾール−2,5−ジイル基(下記式130);チアゾール−2,5−ジイル基(式131)等のチアゾールジイル基;チアジアゾール−2,5−ジイル基(下記式132)等が挙げられる。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
式101〜132中、RおよびRaは、前記と同じ意味を表す。
(2価の芳香族アミン残基)
2価の芳香族アミン残基は、下記一般式(4)で表される。
Figure 0006331617
(4)
式(4)中、
Ar5a、Ar5b、Ar5cおよびAr5dは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar5e、Ar5fおよびAr5gは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar5a、Ar5b、Ar5c、Ar5d、Ar5e、Ar5fおよびAr5gが有していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、フッ素原子およびシアノ基が挙げられ、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましい。
Ar5d、Ar5e、Ar5fおよびAr5gで表される基は、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と、直接結合するか、または、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−N(R)−、−C(=O)−N(R)−若しくはC(R)2−で表される基を介して結合して、環構造を形成していてもよく、当該環構造としては、5〜7員環であることが好ましい。Rは、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環構造を形成していてもよい。
maおよびmbは、それぞれ独立に、0または1である。
また、式(4)中、Ar5a、Ar5b、Ar5cおよびAr5dで表される基としては、アリーレン基が好ましく、中でも1,4−フェニレン基(式001)、9,10−ジヒドロフェナントレン−2,7−ジイル基(式007)、フルオレン−2,7−ジイル基(式009)がより好ましく、1,4−フェニレン基(式001)が特に好ましい。
式(4)中、Ar5e、Ar5fおよびAr5gで表される基としては、本発明の金属錯体と高分子ホストを用いて得られる発光素子の輝度寿命等の安定性を高める観点から、アリール基が好ましく、アルキル基で置換されたフェニル基がより好ましい。また、式(4)中のRとしては、アルキル基、アリール基が好ましい。
式(4)で表される構成単位としては、式Am01〜Am06で表される構成単位が好ましい。なお、式中のRは、上記と同義である。
Figure 0006331617
<金属錯体>
次に、本発明の金属錯体について説明する。本発明の金属錯体は、前記式(1)で表される。
式(1)で表される金属錯体は、前記式(2)で表される基を有する。
式(2)中、Lは、単結合または下記群Iから選ばれる連結基を表す。
<群I>
−O−、−[C(R−、下記式(I−a)で表される基、および、下記式(I−b)で表される基。
は、水素原子またはアルキル基を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
jは1〜10の整数を表す。
Figure 0006331617
[式(I−a)および(I−b)中、
〜Zは、それぞれ独立に、窒素原子または−C(R)=を表す。Rは前記と同じ意味を表す。]
群I中、jは1〜8の整数であることが好ましく、1〜6の整数であることがより好ましい。
群I中、式(I−a)で表される基としては、以下の基が例示され、本発明の金属錯体における配位子の原料を入手し易いという観点から、式(I−a1)、(I−a2)、(I−a3)または(I−a4)で表される基が好ましく、式(I−a1)または(I−a2)で表される基がより好ましく、式(I−a1)で表される基が更に好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式(I−a1)〜(I−a7)中、Rは前記と同じ意味を表す。]
群I中、式(I−b)で表される基としては、以下の基が例示され、本発明の金属錯体における配位子の原料を入手し易いという観点から、式(I−b1)、(I−b2)、(I−b3)、(I−b4)、(I−b6)、(I−b7)または(I−b9)で表される基が好ましく、式(I−b1)、(I−b2)、(I−b4)、(I−b7)または(I−b9)で表される基がより好ましく、式(I−b1)または式(I−b9)で表される構造が更に好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式(I−b1)〜(I−b10)中、Rは前記と同じ意味を表す。]
式(2)中、Lは、本発明の金属錯体における配位子を合成しやすいという観点から、単結合、−[C(R−、式(I−a)で表される基または式(I−b)で表される基であることが好ましく、単結合、−[C(Rまたは式(I−a)で表される基であることがより好ましく、単結合であることが更に好ましい。
式(2)中、Dは、下記式(3)で表される基を表す。
Figure 0006331617
[式(3)中、
〜Z13は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。Z〜Z13が窒素原子の場合、Z〜Z13とそれぞれ結合するRD1〜RD5は存在しない。ただし、Z〜Z13の少なくとも1つは炭素原子である。
D1〜RD5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、下記式(4)で表される基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基を表す。ただし、RD1〜RD5の少なくとも一つは、下記式(4)で表される基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基である。]
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式(5)中、
E1〜RE5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RE1〜RE5の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
Figure 0006331617
[式(6)中、
F1〜RF3は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
F4〜RF13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RF4〜RF13の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
本発明の金属錯体の有機溶媒に対する溶解性が優れるので、式(3)中のRD1〜RD5の少なくとも一つは、式(5)で表される基、または、式(6)で表される基であることが好ましい。
本発明の金属錯体を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるので、式(3)で表される基は、下記式(8)で表される基であることが好ましい。
Figure 0006331617
[式(8)中、
〜Z13は、前記と同じ意味を表す。
K1〜RK5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、前記式(5)で表される基または前記式(6)で表される基を表す。ただし、RK1〜RK5の少なくとも一つは、前記式(5)で表される基または前記式(6)で表される基である。]
式(3)で表される基としては、以下の基が例示され、式(3)で表される基の原料の合成が容易であるという観点から、式(3−1)、(3−4)、(3−6)または(3−11)で表される基が好ましく、式(3−1)または(3−11)で表される基がより好ましく、式(3−1)で表される基構造が更に好ましい。
Figure 0006331617
[式(3−1)〜(3−14)中、RD1〜RD5は、前記と同じ意味を表す。]
式(3)で表される基は、本発明の金属錯体における配位子の原料を入手しやすいという観点から、下記式(7−1)、(7−2)または(7−3)で表される基であることが好ましい。
Figure 0006331617
[式(7−1)〜式(7−3)中、
G1〜RG40は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。]
式(3)で表される基は、本発明の金属錯体の有機溶媒に対する溶解性および成膜性がより優れるので、式(7−2)または(7−3)で表される基であることが好ましい。
式(7−2)または式(7−3)で表される基において、本発明の金属錯体における配位子を合成しやすいという観点から、RG5、RG6、RG7、RG8、RG11、RG12、RG15、RG16、RG17、RG18、RG19、RG20、RG21、RG22、RG25、RG26、RG29、RG30、RG31、RG32、RG33、RG36、RG37およびRG40が水素原子またはアルキル基であり、RG9、RG10、RG13、RG14、RG23、RG24、RG27、RG28、RG34、RG35、RG38およびRG39が水素原子であることが好ましく、RG5、RG6、RG7、RG16、RG17、RG18、RG19、RG20、RG21、RG30、RG31およびRG32が水素原子またはアルキル基であり、RG8〜RG15、RG22〜RG29およびRG33〜RG40が水素原子であることがより好ましく、RG6およびRG17が水素原子またはアルキル基であり、RG5、RG7〜RG16、RG18〜RG39が水素原子であることが更に好ましい。
前記式(1)で表される金属錯体は、Mで表される金属原子、添え字n1でその数を規定されている配位子および添え字n2でその数を規定されている配位子から構成されている。
式(1)中、Mは、イリジウム原子または白金原子を表し、イリジウム原子であることが好ましい。
式(1)中、n1は、1、2または3を表す。n2は、0、1または2を表す。Mがイリジウム原子の場合は、n1+n2=3であり、Mが白金原子の場合は、n1+n2=2である。
Mがイリジウム原子の場合、n1=1かつn2=2、n1=2かつn2=1、または、n1=3かつn2=0であり、n1=3かつn2=0、または、n1=2かつn2=1であることが好ましく、n1=3かつn2=0であることがより好ましい。
Mが白金原子の場合n1=1かつn2=1、または、n1=2かつn2=0であり、n1=2かつn2=0であることが好ましい。
式(1)中、A−G−Aは、添え字n2でその数を規定されている二座配位子であり、1価のアニオン性二座配位子を表す。Gは、AおよびAと共に二座配位子を構成する原子団を表す。
式(1)中、AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表す。
式(1)中、A−G−Aで表される二座配位子としては、以下の配位子が挙げられる。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式中、*は、金属原子Mと結合する部位を示す。]
式(1)中、A−G−Aで表される二座配位子としては、以下の配位子も挙げられる。ただし、A−G−Aで表される二座配位子とn1でその数を定義されている配位子とは異なる。
Figure 0006331617
[式中、
*は、金属原子Mと結合する部位を表す。
L1は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アラルキル基またはハロゲン原子を表す。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。
L2は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アラルキル基またはハロゲン原子を表す。]
式(1)中、m1およびm2は、それぞれ独立に、3または4を表す。
式(1)中、E、E2、EおよびEは、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。複数存在するEおよびE2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。Eが窒素原子の場合、RA1は存在しても存在しなくてもよい。Eが窒素原子の場合、RA2は存在しても存在しなくてもよい。
式(1)中、RA1およびRA2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子または式(2)で表される基を表す。複数存在するRA1およびRA2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。隣接するRA1同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。隣接するRA2同士が結合して、それぞれが結合するE2とともに環を形成していてもよい。Eに隣接するEと結合するRA1と、Eに隣接するEと結合するRA2とが結合して、それぞれが結合するEおよびE2とともに環を形成していてもよい。ただし、複数存在するRA1およびRA2の少なくとも1つは、式(2)で表される基である。
A1およびRA2は、本発明の金属錯体の有機溶媒に対する溶解性および成膜性がより優れるので、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アラルキル基、ハロゲン原子または式(2)で表される基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基または式(2)で表される基がより好ましい。ただし、複数存在するRA1およびRA2の少なくとも1つは、式(2)で表される基である。
式(1)中、環Aは、窒素原子、Eおよびm1個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族複素環を表す。なお、隣接するRA1同士が結合することで形成される環が、該5員環または6員環に縮環したものであってもよい。
式(1)中、環Bは、炭素原子、Eおよびm2個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族炭化水素環または芳香族複素環を表す。なお、隣接するRA2同士が結合することで形成される環が、該5員環または6員環に縮環したものであってもよい。
環Aの構造としては、以下の構造が例示され、本発明の金属錯体を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるため、式(A−1)、(A−3)または(A−4)で表される構造が好ましい。
Figure 0006331617
[式中、
*は、金属原子Mと結合する部位を示す。RA1は、前記と同じ意味を表す。]
環Bとしては、本発明の金属錯体の合成(特に、金属錯体の精製)の観点から、芳香族炭化水素環であることが好ましい。環Bの構造としては、以下の構造が例示され、本発明の金属錯体の合成(特に、金属錯体の精製)し易いので、式(B−1)、(B−3)、(B−6)、(B−9)、(B−12)または(B−15)で表される構造が好ましく、式(B−1)で表される構造がより好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式中、
*は金属原子Mと結合する部位を示す。
A2は、前記と同じ意味を表す。
A3は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基または式(2)で表される基を表す。
A4は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。]
式(1)中、Lは、単結合、−N(R)−、−C(R−または酸素原子を表す。Rは、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。本発明の金属錯体を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるため、Lは単結合が好ましい。
式(1)で表される金属錯体は、本発明の金属錯体の安定性(特に、熱に対する安定性)および合成の観点から、下記式(1−a)で表される金属錯体であることが好ましい。
Figure 0006331617
[式(1−a)中、
M、E、E、環A、A、A、G、n1およびn2は、前記と同じ意味を表す。
m3は、3または4を表す。
A4は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。複数存在するRA4は、同一でも異なっていてもよい。隣接するRA4同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。
A5〜RA8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子または前記式(2)で表される基を表す。ただし、RA5〜RA8の少なくとも1つは前記式(2)で表される基である。]
式(1−a)中のRA4は、本発明の金属錯体の有機溶媒に対する溶解性および成膜性が優れるので、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アラルキル基またはハロゲン原子であることが好ましく、水素原子、アルキル基またはアリール基であることがより好ましい。
式(1−a)中の環Aは、本発明の金属錯体における配位子の原料を入手しやすいという観点から、置換基を有していてもよいピリジン環、置換基を有していてもよいピリミジン環、置換基を有していてもよいピラジン環、置換基を有していてもよいピラゾール環、置換基を有していてもよいイミダゾール環、または、置換基を有していてもよいトリアゾール環であることが好ましく、置換基を有していてもよいピリジン環、置換基を有していてもよいイミダゾール環、または、置換基を有していてもよいトリアゾール環であることがより好ましい。
式(1−a)で表される金属錯体は、本発明の金属錯体の安定性(特に、溶液中での安定性)の観点から、下記式(1−b)で表される金属錯体であることが好ましい。
Figure 0006331617
[式(1−b)中、
M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3、RA4およびDは、前記と同じ意味を表す。]
式(1−b)で表される金属錯体は、本発明の金属錯体の合成の観点から、下記式(1−c)で表される金属錯体、下記式(1−d)で表される金属錯体または下記式(1−e)で表される金属錯体であることが好ましい。
Figure 0006331617
[式(1−c)中、
M、A、A、G、n1、n2およびDは、前記と同じ意味を表す。
A9〜RA12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。RA9とRA10が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RA10とRA11が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RA11とRA12が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
Figure 0006331617
[式(1−d)中、
M、A、A、G、n1、n2およびDは、前記と同じ意味を表す。
A13は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。
A14は、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表す。]
Figure 0006331617
[式(1−e)中、
M、A、A、G、n1、n2およびDは、前記と同じ意味を表す。
A15は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。
A16は、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表す。]
A13およびRA15は、本発明の金属錯体を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、アルキル基、アリール基またはアラルキル基であることが好ましい。
A14およびRA16は、本発明の金属錯体における配位子を合成しやすいという観点から、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。
式(1)で表される金属錯体は、本発明の金属錯体の合成の観点から、下記式(1−g)で表される金属錯体であることが好ましい。すなわち、式(1)中のMはイリジウム原子であり、n1が3であり、n2が0であることが好ましい。
Figure 0006331617
式(1−g)中、E、E、E、E、L、RA1、RA2、環A、環B、m1およびm2は、前記と同じ意味を表す。
式(1)で表される金属錯体としては、以下の金属錯体が挙げられ、本発明の金属錯体を用いて製造される発光効率がより優れるため、式(Ir−1)、(Ir−4)、(Ir−10)、(Ir−11)、(Ir−12)、(Ir−13)、(Ir−15)、(Ir−16)、(Ir−18)、(Ir−19)、(Ir−21)、(Ir−24)、(Ir−26)、(Ir−27)、(Ir−33)、(Ir−37)または(Ir−39)で表される金属錯体が好ましく、式(Ir−1)、(Ir−4)、(Ir−15)、(Ir−16)、(Ir−18)、(Ir−19)、(Ir−26)、(Ir−27)または(Ir−37)で表される金属錯体がより好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式中、RL5は下記群IIから選ばれる基であり、Rは下記群IIIから選ばれる基である。]
<群II>
Figure 0006331617
<群III>
Figure 0006331617
本発明の金属錯体を用いて製造される発光素子には、本発明の金属錯体を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
式(1)で表される金属錯体には複数の幾何異性体が考えられるが、いずれの幾何異性体であってもよいが、たとえば、式(1−g)で表される金属錯体を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるため、facial体が金属錯体全体に対して80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることがさらにより好ましく、100モル%であること(すなわち、他の幾何異性体を含まないこと)が特に好ましい。
<金属錯体の製造方法>
本発明の金属錯体は、如何なる方法で製造してもよいが、例えば、配位子となる化合物と金属化合物とを溶液中で反応させる方法により製造することができる。必要に応じて、反応系中に塩基、銀化合物等が存在していてもよい。
前記方法の例としては、イリジウム原子を有する金属錯体の場合、「J. Am. Chem. Soc., 1984, 106, 6647」、「Inorg. Chem., 1991, 30, 1685」、「Inorg. Chem., 1994, 33, 545」、「Inorg. Chem., 2001, 40, 1704」、「Chem.Lett., 2003, 32, 252」等に記載の方法が挙げられ、白金原子を有する金属錯体の場合、「Inorg. Chem., 1984, 23, 4249」、「Chem. Mater., 1999, 11, 3709」、「Organometallics, 1999, 18, 1801」等に記載の方法が挙げられる。
前記方法の反応における反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の常圧における融点から溶媒の常圧における沸点の間で設定すればよいが、−90℃から常圧における溶媒の沸点の間で設定するのが好ましい。前記方法において密閉した反応器を用いる場合、例えば、マイクロウェーブ反応装置を使用する場合においては、溶媒の沸点以上で反応させることができる。
前記反応における反応時間は、通常、30分間〜150時間である。前記反応においてマイクロウェーブ反応装置を使用する場合、反応時間は、通常、数分〜数時間である。
前記配位子となる化合物は、例えば、ベンゼン誘導体と芳香族複素環式化合物とのSuzukiカップリング、Grignardカップリング、Stilleカップリング等のカップリング反応により合成することができる。その一例を挙げると、ベンゼン誘導体と芳香族複素環式化合物とを有機溶媒に溶解させ、アルカリ、適切な触媒を用いて、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で反応させることにより、前記配位子となる化合物を合成することができる。この合成は、「オルガニックシンセシーズ(Organic Syntheses)、コレクティブ第6巻(Collective Volume VI)、407−411頁、ジョンワイリーアンドサンズ(John Wiley&Sons, Inc.)、1988年」、「ケミカルレビュー(Chem. Rev.)、第106巻、2651頁(2006年)」、「ケミカルレビュー(Chem. Rev.)、第102巻、1359頁(2002年)」、「ケミカルレビュー(Chem. Rev.)、第95巻、2457頁(1995年)」、「ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem)、第576巻、147頁(1999年)」等を参考にして実施することができる。
前記芳香族複素環式化合物は、「THE CHEMISTRY OF HETEROCYCLIC COMPOUNDS、 Volume14、 Part5、 36頁 (JOHN WILEY&SONS)」、「THE CHEMISTRY OF HETEROCYCLIC COMPOUNDS、 Volume37、3頁(JOHN WILEY&SONS)」等の文献に記載の方法で合成することができる。また、市販の芳香族複素環式化合物を用いてもよい。
前記カップリング反応に用いる触媒としては、パラジウム触媒が好ましい。
前記パラジウム触媒としては、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が挙げられ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が好ましい。
前記パラジウム触媒は、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等のリン化合物と併用してもよい。
本発明の金属錯体の製造方法の一例について、具体的に説明する。
本発明の好ましい形態である式(1−f)で表される金属錯体は、下記式(9)で表される化合物と、下記式(10)で表される金属錯体をカップリング反応させる工程を含む方法により製造することができる。式(9)で表される化合物と、式(10)で表される金属錯体とのカップリング反応は、前記配位子となる化合物の製造方法で述べたのと同じ方法で行うことができる。
Figure 0006331617
[式(9)中、
は、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。XおよびXは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基または−ORで表される基を表し、XとXが結合して、それぞれが結合するホウ素原子とともに環を形成していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
〜Z13は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。Z〜Z13が窒素原子の場合、Z〜Z13とそれぞれ結合するRK1〜RK5は存在しない。ただし、Z〜Z13の少なくとも1つは炭素原子である。
K1〜RK5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基を表す。ただし、RK1〜RK5の少なくとも一つは、下記式(5)で表される基または下記式(6)で表される基である。]
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式(5)中、
E1〜RE5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RE1〜RE5の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
Figure 0006331617
[式(6)中、
F1〜RF13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RF1〜RF13の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
式(9)中、RK1〜RK5の少なくとも二つが、式(5)で表される基または式(6)で表される基であることが好ましい。
Figure 0006331617
[式(10)中、
M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。
は、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。XおよびXは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基または−ORで表される基を表し、XとXが結合して、それぞれが結合するホウ素原子とともに環を形成していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。]
式(9)中、Wで表される−B(X)(X)で表される基としては、以下で表される基等が挙げられる。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式中、矢印は、窒素原子からホウ素原子への配位結合を表す。]
式(9)中、Wで表されるアルキルスルホニルオキシ基としては、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等が挙げられる。W1で表されるアリールスルホニルオキシ基としては、p−トルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
は、式(9)で表される化合物と式(10)で表される金属錯体とのカップリング反応が容易に進行するので、−B(X)(X)で表される基が好ましい。
は、式(9)で表される化合物を合成し易いので、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましく、下記群IVで表される基であることがより好ましく、式(IV−5)で表される基であることがさらに好ましい。
<群IV>
Figure 0006331617
式(9)で表される化合物は、当該化合物の合成の観点から、下記式(11−1)または(11−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006331617
[式(11−1)および(11−2)中、RG5〜RG40は、前記と同じ意味を表す。
式(9)で表される化合物の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられ、(WA−2)および(WA−5)が好ましい。
Figure 0006331617
[式(WA−2)〜(WA−7)中、Wは、前記群IVで表される基を表す。]
式(9)で表される化合物の好ましい形態の一つである式(11−1)で表される化合物は、例えば、下記のスキーム(Scheme)で合成することができる。
Figure 0006331617
[式中、RG1〜RG7は、前記と同じ意味を表す。]
上記スキームで、化合物11−1−bは、化合物11−1−aとトリフルオロメタンスルホン酸無水物を、有機溶媒中において、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン存在下で反応させることにより合成することができる。
上記スキームで、化合物11−1−cは、化合物11−1−bとビス(ピナコラート)ジボロンを、有機溶媒中において、公知のパラジウム触媒を添加し反応させることにより合成することができる。パラジウム触媒は、必要に応じて、酢酸カリウム等の塩基や、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン等のリン化合物を併用してもよい。反応としては、「Tetrahedron、2001、57、9813−9816」、「Tetrahedron Letters、1997,38、3447−3450」、「The Journal of Organic Chemistry、2000、65、9268―9271」等に記載の反応が好ましい。
上記スキームで、化合物11−1−eは、化合物11−1−cと化合物11−1−dを、公知のパラジウム触媒、塩基、および、有機溶媒若しくは有機溶媒と水との混合溶媒の存在下で、Suzukiカップリング反応させることにより合成することができる。カップリング反応に用いるパラジウム触媒は、前記配位子となる化合物の製造方法で述べたのと同じ触媒を用いることができる。
上記スキームで、化合物11−1−fは、化合物11−1−eとビス(ピナコラート)ジボロンを、有機溶媒中において、公知のイリジウム触媒を添加し反応させることにより合成することができる。イリジウム触媒は、必要に応じて、2,2’−ビピリジン誘導体と併用してもよい。反応としては、「Journal of the American Chemical Society、2002、124、390−391」、「Angewandte Chemie International Edition、2002、41、3056−3058」、「Journal of the American Chemical Society、2005、127、14263−14278」等に記載の反応が好ましい。
次に、式(10)で表される金属錯体について説明する。式(10)中、Wで表される−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基は、Wで表される−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基と同じ意味を表す。
式(10)で表される金属錯体は、例えば、下記式(12)で表される金属錯体から製造することができる。
Figure 0006331617
[式(12)中、
M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。]
式(12)で表される金属錯体を有機溶媒に溶解させ、N−ブロモスクシンイミドを加えて反応させることで、式(10)においてWが臭素原子である下記式(10a)で表される金属錯体を合成することができる。この反応において、有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系炭化水素系溶媒等を用いることができる。
Figure 0006331617
[式(10a)中、
M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。]
前記式(10a)で表される金属錯体において、n1が3であり、Mがイリジウム原子である場合(すなわち、下記式(10b)で表される金属錯体である場合)、以下の方法で合成することができる。
Figure 0006331617
[式(10b)中、
、E、環A、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。]
まず、下記式(13)で表される化合物と塩化イリジウム三水和物とを反応させることにより、下記式(14)で表される金属錯体を合成する。
Figure 0006331617
[式(13)中、
、E、環A、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。]
Figure 0006331617
[式(14)中、
、E、環A、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。]
具体的には、通常、有機溶媒中で行う。有機溶媒としては、反応を円滑に進めるために極性溶媒が好ましい。このような溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。溶媒は、上記極性溶媒と水の混合溶媒でもよい。混合溶媒の例としては、水/2−エトキシエタノール混合溶媒が挙げられる。極性溶媒/水の混合比は任意の割合で用いることができるが、式(13)で表される化合物を高温で溶解できるので、10/1〜1/1の範囲であることが好ましい。反応時間は、通常、30分〜50時間であり、30分〜24時間の範囲が好ましい。反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間であるが、−78℃〜溶媒の沸点が好ましく、50℃〜200℃の範囲がより好ましい。
次に、式(14)で表される金属錯体と式(13)で表される化合物を、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の銀化合物の存在下で反応させることにより、式(10b)で表される金属錯体を合成することができる。式(13)で表される化合物の量は、式(14)で示される金属錯体に対して、通常2〜30倍モル量、好ましくは2〜10倍モル量である。銀化合物の量は、式(14)で表される金属錯体に対して、通常2〜20倍モル量、好ましくは2〜5倍モル量である。反応温度は、通常、反応系に存在する溶媒の融点から沸点の間であるが、−78℃〜溶媒の沸点が好ましく、金属錯体の純度の観点から、50℃〜160℃の範囲がより好ましく、70℃〜130℃が更に好ましい。反応時間は、通常、30分〜72時間であり、1時間〜48時間の範囲が好ましい。
Figure 0006331617
式(10a)で表される金属錯体とビス(ピナコラート)ジボロンとを、パラジウム触媒下で反応させることにより、ボロン酸エステル残基を重合反応性基として有する下記式(10c)で表される化合物へと変換することができる。式(10a)で表される金属錯体は、式(10b)で表される金属錯体であってもよい。
Figure 0006331617
[式(10c)中、
M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。]
で表される基は、式(10)で表される金属錯体を容易に合成できるので、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子、ヨウ素原子または式(IV−5)で表される基であることがより好ましく、臭素原子であることがさらに好ましい。
上記で製造された金属錯体の同定および分析は、元素分析、核磁気共鳴(NMR)分析、質量分析(MS)および赤外吸収(IR)分析等により行うことができる。
<金属含有高分子化合物>
本実施形態の金属含有高分子化合物とは、前記式(1)で表される金属錯体から誘導される基(残基)を構成単位として含む高分子化合物である。
本発明の金属含有高分子化合物が構成単位として含む前記式(1)で表される金属錯体から誘導される基とは、前記式(1)で表される金属錯体から水素原子を1個取り除いた残りの残基を置換基として有するアリーレン基または2価の芳香族複素環基、前記式(1)で表される金属錯体から水素原子を2個取り除いた残りの残基、前記式(1)で表される金属錯体から水素原子を3個取り除いた残りの残基である。
この構成単位が、前記式(1)で表される金属錯体から水素原子を3個取り除いた残りの残基である場合、本実施形態の金属含有高分子化合物は、この構成単位の位置で分岐している。また前記式(1)で表される金属錯体から水素原子を1個取り除いた残りの残基は、金属含有高分子化合物の末端基となる場合がある。
本実施形態の金属含有高分子化合物は、非共役系高分子化合物であっても共役系高分子化合物であってもよいが、導電性が優れるので、共役系高分子化合物が好ましく、主鎖に芳香環を含む共役系高分子化合物がより好ましい。本発明の金属含有高分子化合物が共役系高分子化合物であるとは、該金属含有高分子化合物の主鎖における芳香環の結合について、直接芳香環が結合している割合、ビニレン基を介して結合している割合、エチニレン基を介して結合している割合、および、ビニレン基とエチニレン基の組み合わせで示される基を介して結合している割合の合計が、50%〜100%である金属含有高分子化合物を意味し、当該割合の合計は、60%〜100%であることが好ましく、70%〜100%であることがより好ましい。
本実施形態の金属含有高分子化合物は、更に、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、アリーレン基および2価の芳香族複素環基から選ばれる2種以上の基が互いに直接結合した2価の基、並びに、2価の芳香族アミン残基からなる群から選ばれる1種以上の基を構成単位として含むことが好ましく、それらを繰り返し単位として有することがより好ましい。
換言すると、本実施形態の金属含有高分子化合物は、2価の芳香族アミン残基、アリーレン基および2価の複素環基からなる群から選ばれる少なくとも1種類を構成単位として含む金属含有高分子化合物であることが好ましい。
また、本実施形態の金属含有高分子化合物は、2価の芳香族アミン残基、アリーレン基および2価の複素環基からなる群から選ばれる少なくとも2種類を構成単位として含む金属含有高分子化合物であることが好ましい。
本実施形態の金属含有高分子化合物において、全構造単位の合計モル数に対する、前記式(1)で表される金属錯体から誘導される構造単位の合計モル数の割合は、通常0.0001〜0.4であり、0.001〜0.3が好ましく、0.001〜0.25がより好ましい。
本実施形態の金属含有高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、本実施形態の金属含有高分子化合物を用いて製造される発光素子の発光効率および輝度寿命がより優れるので、1×10〜1×10であることが好ましく、1×10〜1×107であることがより好ましく、1×10〜1×10であることが更に好ましい。
本実施形態の金属含有高分子化合物は、後述する[高分子ホストの製造方法]と同様の方法で合成することができる。具体的には、後述する[高分子ホストの製造方法]で用いるモノマーの一部を、下記式(15)で表される化合物に変えることにより、合成することができる。
Figure 0006331617
[式(15)中、
MRは、前記式(1)で表される金属錯体から誘導される基を表す。
n3は、1、2または3を表す。
は、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
式(15)中、Wで表される−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基は、Wで表される−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基と同じ意味を表す。
で表される基は、本実施形態の金属含有高分子化合物を容易に合成できるので、臭素原子、ヨウ素原子または式(IV−5)で表される基であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
<ホスト材料>
本発明の金属錯体は、正孔注入・輸送性、および/または、電子注入・輸送性を有する、ホスト材料との組成物とすることにより、本発明の金属錯体を用いて製造される発光素子の発光効率がより優れたものとなる。
該ホスト材料の有する最低励起三重項状態(T)は、更に優れた発光効率が得られるため、式(1)で表される金属錯体の有する最低励起三重項状態(T)と同等のエネルギー準位、または、より高いエネルギー準位であることが好ましい。
該ホスト材料のガラス転移温度(Tg)は、本発明の金属錯体を用いて製造される発光素子の保存温度範囲が広がり、かつ、安定性(特に、輝度寿命)が優れるため、60℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが更により好ましい。また、本発明の金属錯体は、通常高いガラス転移温度(Tg)を有するため、本発明の組成物のガラス転移温度は、ホスト材料単独のガラス転移温度よりも高い値となる。
該ホスト材料としては、発光素子の製造において溶液塗布プロセスを用いることを可能とする観点から、本発明の金属錯体を溶解することが可能な有機溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
該ホスト材料としては、発光素子の製造において、本発明の金属錯体との組成物からなる有機薄膜を形成することになるため、本発明の金属錯体との相溶性が高い、すなわち、相分離を生じにくいものであることが好ましい。
上記観点から、該ホスト材料としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−ビフェニル(CBP)、(1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)−ベンゼン(mCP)等のカルバゾール誘導体;芳香族炭化水素環および/または芳香族複素環から構成されるデンドロンを有するデンドリマー化合物;アリーレン基、2価の芳香族複素環基、2価の芳香族アミン残基等が3〜10個程度互いに結合してなる低分子化合物;アリーレン基、2価の芳香族複素環基、2価の芳香族アミン残基等を構成単位として有し、分子量分布が多分散である金属非含有高分子化合物等が挙げられ、これらの中でも、金属非含有高分子化合物が好ましい。
<高分子ホスト>
以下、本発明の金属錯体と共に用いるホスト化合物として好ましい金属非含有高分子化合物(以下、「高分子ホスト」と言う)に関して説明する。
高分子ホストとしては、正孔注入・輸送性、および/または、電子注入・輸送性を良好に発揮できるものであることが好ましく、アリーレン基、2価の芳香族複素環基および2価の芳香族アミン化合物基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を構成単位として含む高分子化合物が好ましい。
以下、高分子ホストとして好ましい高分子化合物をより詳細に説明するために、高分子ホストに含まれることが好ましい構成単位、および、該高分子ホストの製造に有用なモノマーに関して説明する。なお、高分子ホストに含まれる構成単位は、繰り返し単位として含まれることが好ましい。
高分子ホストは、本発明の金属錯体と共に用いて製造される発光素子の安定性(特に、輝度寿命)が優れるため、前記のアリーレン基、2価の芳香族複素環基および2価の芳香族アミン化合物基から選ばれる1種以上の基を構成単位として有するものが好ましい。
本発明の金属錯体と共に用いる高分子ホストは、下記式(H1)で表される構成単位を含むことが、高分子ホストの有する最低励起三重項状態(T)のエネルギー準位を高め、本発明の金属錯体と共に用いて製造される発光素子の発光効率が優れるため好ましい。
Figure 0006331617
[式(H1)中、
Uaは、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、アリーレン基および2価の芳香族複素環基から選ばれる2つ以上10以下の基が互いに直接結合してなる2価の基、または、2価の芳香族アミン残基を表す。但し、Uaは、他の構成単位と結合を形成するそれぞれの炭素原子の隣の炭素原子の少なくとも一つが、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を置換基として有する。]
式(H1)中におけるUaがアリーレン基または2価の芳香族複素環基である場合の式(H1)で表される構成単位としては、下記式H101〜H127で表される構成単位が例示され、モノマーの合成が容易であるという観点から、式H101、H102、H103、H112、H116、H118、H119、H120またはH121で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式H101〜H127中、
RaおよびRは、前記と同様の意味を表す。
h1は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を表す。ただし、少なくとも一つのRh1は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を表す。
h2は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を表す。ただし、少なくとも一つのRh2は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を表す。
は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を表し、アルキル基またはアリール基が好ましく、アルキル基がより好ましい。]
式(H1)で表されるより具体的な構成単位としては、下記式で表される構成単位が例示される。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
高分子ホストが式(H1)で表される構成単位を含むためには、該高分子ホストの合成に、式(H1’)で表されるモノマーを用いることが好ましい。これにより、高分子ホストに式(H1)で表される構成単位が含まれることとなる。
Figure 0006331617
[式(H1’)中、
Uaは、前記と同じ意味を表す。
は、下記の置換基(a)群から選ばれる基、または、下記の置換基(b)群から選ばれる基を表す。2つのXは、互いに同一であっても異なってもよい。]
(置換基(a)群)
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)(Rはアルキル基、またはアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子若しくはシアノ基で置換されていてもよいアリール基を示す。)で表される基。
(置換基(b)群)
−B(OR(Rは水素原子またはアルキル基を示し、2個存在するRは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)で表される基、−B(Qはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの1価の陽イオンを示す。)で表される基、−Sn(R(Rは水素原子またはアルキル基を示し、3個存在するRは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)で表される基、−MgY(Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される基、−ZnY(Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される基。
式(H1)中におけるUaがアリーレン基および2価の芳香族複素環基から選ばれる2つ以上10以下の基が互いに直接結合してなる2価の基である場合の式(H1)で表される構成単位としては、高分子ホストの有する最低励起三重項状態(T)のエネルギー準位を高める観点から、下記式(H1b)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006331617
[式(H1b)中、
Arh1bは、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、または、アリーレン基および2価の芳香族複素環基から選ばれる2つ以上5以下の基が互いに直接結合してなる2価の基を表す。
h1およびRh2は、前記と同様の意味を表す。
は、−CR=または−N=を表す。Rは前記と同様の意味を表す。]
式(H1b)中、Arh1bとしては、高分子ホストの有する最低励起三重項状態(T)のエネルギー準位を高めると共に、高分子ホストの導電性を高めることから、本発明の金属錯体と共に用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるため、2価の芳香族複素環基が好ましい。
式(H1b)で表される構成単位としては、下記式H201〜H218で表される構成単位が例示され、モノマーの合成が容易であるという観点から、式H201、H202、H203、H204、H210、H211、H213、H214またはH215で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式H201〜H218中、Ra、R、Rh1およびRh2は、前記と同様の意味を表す。]
式(H1b)で表されるより具体的な構成単位としては、下記式で表される構成単位が例示される。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
高分子ホストが式(H1b)で表される構成単位を含むためには、該高分子ホストの合成に、式(H1b’)で表されるモノマーを用いることが好ましい。これにより、高分子ホストに式(H1b)で表される構成単位が含まれることとなる。
Figure 0006331617
[式(H1b’)中、Arh1b、Rh1、Rh2、ZおよびXは、前記と同じ意味を表す。複数存在するRh1、Rh2、ZおよびXは、互いに同一であっても異なってもよい。]
本発明の金属錯体と共に用いる高分子ホストは、下記式(H2)で表される構成単位を含むことが、高分子ホストの導電性を高め、かつ、本発明の金属錯体と共に用いて製造される発光素子の安定性(特に、輝度寿命)を高める観点から好ましい。
Figure 0006331617
[式(H2)中、
Ubは、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、アリーレン基および2価の芳香族複素環基から選ばれる2つ以上10以下の基が互いに直接結合してなる2価の基、または、2価の芳香族アミン残基を表す。但し、Ubは、他の構成単位と結合を形成するそれぞれの炭素原子の隣の炭素原子の全てが置換基を有さない。]
式(H2)中におけるUbがアリーレン基または2価の芳香族複素環基である場合の式(H2)としては、下記式H301〜H326で表される構成単位またはモノマーが例示され、モノマーの合成が容易であるという観点から、式H301、H302、H303、H307、H310、H311、H314、H316、H317、H319またはH320で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式H301〜H326中、RaおよびRは、前記と同様の意味を表す。]
式(H2)で表されるより具体的な構成単位としては、下記式で表される構成単位が例示される。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
高分子ホストが式(H2)で表される構成単位を含むためには、該高分子ホストの合成に、式(H2’)で表されるモノマーを用いることが好ましい。これにより、高分子ホストに式(H2)で表される構成単位が含まれることとなる。
Figure 0006331617
[式(H2’)中、
Ubは前記と同じ意味を表す。
は、上記の置換基(a)群から選ばれる基、または、上記の置換基(b)群から選ばれる基を表す。2つのXは、互いに同一であっても異なってもよい。]
式(H2)中におけるUbがアリーレン基および2価の芳香族複素環基から選ばれる2つ以上10以下の基が互いに直接結合してなる2価の基である場合の式(H2)で表される構成単位としては、高分子ホストの導電性を高め、本発明の金属錯体と共に用いて製造される発光素子の発光効率がより優れるため、下記式(H2b)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006331617
[式(H2b)中、
Arh2bは、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、アリーレン基および2価の芳香族複素環基から選ばれる2つ以上5以下の基が互いに直接結合してなる2価の基を表す。
は、−CR=または−N=を表す。Rは前記と同様の意味を表す。]
式(H2b)で表される構成単位としては、下記式H401〜H415、式501〜520および式601〜606で表される構成単位が例示され、モノマーの合成が容易であるという観点から、式H401、H410、H411、H501、H510、H513、H514、H515、H520またはH604で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式H401〜H415、式501〜520および式601〜606中、Ra、RおよびRは、前記と同様の意味を表す。]
式(H2)中におけるUbが2価の芳香族アミン残基である場合の式(H2)で表される構成単位としては、下記式H701〜H706で表される構成単位が例示され、高分子ホストの導電性を高め、本発明の金属錯体と共に用いて製造される発光素子の駆動電圧を低減する観点から、式H701、H702、H703またはH704で表される構成単位が好ましい。
Figure 0006331617
[式H701〜H706中、RaおよびRは、前記と同様の意味を表す。]
式(H2b)で表されるより具体的な構成単位としては、下記式で表される構成単位が例示される。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
高分子ホストが式(H2b)で表される構成単位を含むためには、該高分子ホストの合成に、式(H2b’)で表されるモノマーを用いることが好ましい。これにより、高分子ホストに式(H2b)で表される構成単位が含まれることとなる。
Figure 0006331617
[式(H2b’)中、Arh2b、ZおよびXは、前記と同じ意味を表す。複数存在するZおよびXは、互いに同一であっても異なってもよい。]
本発明の金属錯体と共に用いる高分子ホストは、下記式(H3)で表される構成単位を含むことが、高分子ホストの導電性を高め、かつ、本発明の金属錯体と共に用いて製造される発光素子の安定性(特に、輝度寿命)を高める観点から好ましい。
Figure 0006331617
[式(H3)中、
Ucは、アリーレン基、2価の芳香族複素環基、アリーレン基および2価の芳香族複素環基から選ばれる2つ以上10以下の基が互いに直接結合してなる2価の基、または、2価の芳香族アミン残基を表す。但し、Ucは、他の構成単位と結合を形成する一方の炭素原子の隣の炭素原子の少なくとも一つが、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を置換基として有する原子である基であり、かつ、他の構成単位と結合を形成する他方の炭素原子の隣の炭素原子の全てが置換基を有さない。]
式(H3)中におけるUaがアリーレン基または2価の芳香族複素環基である場合の式(H3)としては、下記式801〜824および式901〜915で表される構成単位またはモノマーが例示され、モノマーの合成が容易であるという観点から、下記式H802が好ましい。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式H801〜824および式901〜915中、
Ra、RおよびRは、前記と同様の意味を表す。
h3およびRh4は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基を表す。ただし、Rh3の少なくとも1つがアルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基である場合、Rh4は全て水素原子である。Rh3が全て水素原子である場合、Rh4の少なくとも1つがアルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基である。]
高分子ホストが式(H3)で表される構成単位を含むためには、該高分子ホストの合成に、式(H3’)で表されるモノマーを用いることが好ましい。これにより、高分子ホストに式(H3)で表される構成単位が含まれることとなる。
Figure 0006331617
[式(H3’)中、
Ucは前記と同じ意味を表す。
は、前記の置換基(a)群から選ばれる基、または、前記の置換基(b)群から選ばれる基を表す。2つのXは、互いに同一であっても異なってもよい]
高分子ホストは、該高分子ホストの有する最低励起三重項状態(T)のエネルギー準位を高め、本発明の金属錯体と共に用いて製造される発光素子の発光効率をより高める観点から、高分子ホストにおける構成単位同士の結合部位全てに対する、構成単位同士の結合部位を形成する炭素原子の隣の炭素原子の少なくとも一つが置換基を有している結合部位の占める割合が、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。本割合は、本発明の金属錯体の有するT1エネルギー準位に応じて更にその比率を調整することが可能である。また、当該置換基としては、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換カルボキシル基、フッ素原子またはシアノ基が好ましく、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基またはアラルキル基がより好ましい。
高分子ホストは、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、上記観点から、複数種のモノマーを共重合してなる共重合体であることが好ましい。
[高分子ホストの製造方法]
高分子ホストは、高分子ホストを構成する構成単位を形成するためのモノマーを、高分子ホストが得られるように適宜反応させることによって製造することができる。ここで、モノマーとしては、各構成単位における2つの結合手が、重合反応により結合を形成することが可能な脱離基(重合活性基)に置き換わった構造を有するものを用いることができる。重合は、例えば、公知のクロスカップリング等の重合方法を適用してモノマーを共重合させることにより行うことができる。高分子ホストの製造に用いるモノマーは、高分子ホストにおける構成単位同士の結合部位全てに対する、構成単位同士の結合部位を形成する炭素原子の隣の炭素原子の少なくとも一つが置換基を有している結合部位の占める割合が、上述した好ましい範囲、より好ましい範囲となるように選択することが好ましい。
より好適には、高分子ホストは、式(H1’)、(H2’)および(H3’)からなる群より選ばれるモノマーを含むモノマー混合物を重合させて製造することができる。重合は、モノマー混合物を必要に応じて溶媒に溶解させ、アルカリ、触媒または配位子を適宜用いて、公知のクロスカップリング反応等の重合(縮合重合)反応を生じさせることによって行うことができる。
このような高分子ホストの製造方法において、モノマー混合物は、そこに含まれるモノマーの全モル数を100モル%としたとき、式(H1’)、(H2’)および(H3’)からなる群より選ばれるモノマーの合計モル数が、60〜100モル%となるように混合することが好ましく、70〜100モル%となるように混合することがより好ましい。
ここで、上記置換基(a)群中の−O−S(=O)で表される基、上記置換基(b)群中の−B(ORで表される基およびSn(Rで表される基におけるR、RおよびRの一例であるアルキル基としては、炭素数が1〜20であるものが好ましく、1〜15であるものがより好ましく、1〜10であるものが更に好ましい。また、Rの一例であるアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子若しくはシアノ基で置換されていてもよいアリール基としては、フェニル基、4−トリル基、4−メトキシフェニル基、4−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、2−ニトロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基が好ましい。R、RおよびRがこれらの基であると、モノマーを重合させる際の反応性が良好となり、高分子ホストの合成が容易となる傾向にある。
置換基(a)群中の−O−S(=O)で表される基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、4−メチルフェニルスルホニルオキシ基、4−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
置換基(b)群中の−B(ORで表される基としては、以下の式で表される基等が挙げられる。
Figure 0006331617
また、置換基(b)群中の−Bで表される基としては、−BF で表される基が挙げられる。さらに、置換基(b)群中の−Sn(Rで表される基としては、トリメチルスタナニル基、トリエチルスタナニル基、トリブチルスタナニル基等が挙げられる。
式(H1’)、(H2’)および(H3’)で表される化合物は、これらをモノマーとして用い、重合させて高分子ホストを形成する場合、純度の高い高分子ホストを得るために、重合前の各化合物も高純度化しておくことが好ましい。高純度の高分子ホストを用いて発光素子を形成することで、発光効率や輝度安定性を高めることが可能となる。
式(H1’)、(H2’)および(H3’)で表される化合物の高純度化は、例えば、蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製することにより行うことができる。各化合物は、高純度であるほど望ましい。例えば、UV検出器(検出波長254nm)を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析において、各化合物のピークが示す面積百分率値が98.5%以上であることが好ましく、99.0%以上であることがより好ましく、99.5%以上であることが更に好ましい。
式(H1’)、(H2’)および(H3’)で表される化合物を用いた重合反応として、例えば、アリールカップリング反応による方法としては、Suzukiカップリング反応により重合する方法(ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457−2483頁(1995年))、Grignard反応により重合する方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,第51巻、2091頁(1978年))、Ni(0)触媒により重合する方法(プログレス イン ポリマー サイエンス(Progress in Polymer Science),第17巻,1153〜1205頁,1992年)、Stilleカップリング反応を用いる方法(ヨーロピアン ポリマー ジャーナル(European Polymer Journal),第41巻,2923−2933頁(2005年))等が挙げられる。
これらのなかでも、重合方法としては、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法が、モノマーの合成のし易さや、重合反応時の操作の簡便性の観点から好ましい。また、高分子ホストの構造制御のしやすさを考慮すると、Suzukiカップリング反応、Grignard反応、Stilleカップリング反応等のクロスカップリング反応により重合する方法がより好ましく、Suzukiカップリング反応により重合する反応が特に好ましい。
式(H1’)、(H2’)および(H3’)で表される化合物が有している重合活性基であるX、X、Xで表される基は、重合反応の種類に応じて適切な基を選択すればよい。例えば、Suzukiカップリング反応により重合する場合、これらの基としては、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、−B(OR)で表される基が好ましく、臭素原子またはB(OR)で表される基がより好ましい。重合活性基としてこれらの基を有する場合、式(H1)、(H2)および(H3)で表される化合物を合成することが簡便となるほか、重合の際の取り扱い性も良好となる。
重合の方法としては、上述した置換基(a)群や置換基(b)群を重合活性基として有する式(H1’)、(H2’)および(H3’)で表される化合物等を、必要に応じて、適切な触媒や適切な塩基とともに反応させる方法が挙げられる。Suzukiカップリング反応、Grignard反応、Stilleカップリング反応等のクロスカップリング反応により重合する方法を選択する場合、所望の分子量を有する高分子ホストを得るためには、高分子ホスト全体における、置換基(a)群に含まれる基のモル数に対する、置換基(b)群に含まれる基のモル数の比率(置換基(a)群に含まれる基の合計モル数を分母とし、置換基(b)群に含まれる基の合計モル数を分子とした際の比率、以後、比率(b/a)と記載することがある。)を調整すればよい。該比率(b/a)としては、高分子ホストの分子量を高める観点からは、0.90〜1.10とすることが好ましく、0.95〜1.05とすることがより好ましく、0.98〜1.02とすることが更に好ましい。一方、モノマーを分割添加、逐次添加することにより、構成連鎖の存在割合を制御したい場合は、上記比率(b/a)が1未満の適切な値に設定した状態で重合反応を行うことによりにより、重合反応時に高分子ホストの両末端が置換基(a)となることにより、分子量を制御することが可能であり、そこから、更に(b/a)が1に近づくようにモノマーを添加していくことで、更に精密に分子量を制御することが可能となる。また、初期に加えたモノマーと異なる構成単位となるモノマーを後から加えることにより、ブロックコポリマーを合成することも可能である。
高分子ホストとしては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定することにより得られるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、5×10〜5×10の範囲内であることが好ましい。
触媒としては、Suzukiカップリング反応による重合の場合、例えば、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム等のパラジウム錯体等の遷移金属錯体や、これらの遷移金属錯体に、必要に応じて、トリフェニルホスフィン、トリ(t−ブチル)ホスフィン、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の配位子が配位した触媒が挙げられる。
これらの触媒は、予め合成したものを用いてもよいし、反応系中で調製したものをそのまま用いてもよい。また、これらの触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。更に、重合開始時に加えるだけでなく、重合反応中に追加してもよい。
触媒を用いる場合、その使用量は、触媒としての有効量であればよい。例えば、用いる単量体のモル数の合計に対する触媒の量は、遷移金属換算で、0.00001〜3モル当量であると好ましく、0.00005〜0.5モル当量であるとより好ましく、0.0001〜0.2モル当量であると更に好ましい。
Suzukiカップリング反応による重合では、触媒として塩基を用いることが好ましい。塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。また、これらの塩基は、水溶液として用いてもよい。
塩基を用いる場合、その量は、用いるモノマーのモル数の合計に対して設定することが好ましく、0.5〜20モル当量であると好ましく、1〜10モル当量であるとより好ましい。
重合反応は、溶媒の非存在下で行っても、溶媒の存在下で行ってもよいが、有機溶媒の存在下で行うことがより好ましい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。副反応を抑制する観点から、溶媒には、脱酸素処理を行うことが望ましい。有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
有機溶媒の使用量は、溶液中のモノマーの合計の濃度が、0.1〜90重量%となる量であると好ましく、1〜50重量%となる量であるとより好ましく、2〜30重量%となる量であると更に好ましい。
重合反応における反応温度は、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは20〜150℃であり、更に好ましくは20〜120℃である。また、反応時間は、0.5時間以上であると好ましく、2〜500時間であるとより好ましい。
重合反応は、置換基(b)群に含まれる基として、−MgY1で表される基を適用する場合は、脱水条件下で行うことが好ましい。一方、重合反応がSuzukiカップリング反応である場合、使用する塩基を水溶液として用いてもよく、また、溶媒として、有機溶媒に水を加えて用いてもよい。
また、上記高分子ホストは、発光素子の輝度寿命等の安定性を向上させる観点から、重合反応における重合活性基を末端処理等の操作により除去、若しくは、無置換フェニル基等の安定な基で置換した構造とすることが好ましい。重合反応においては、得られる高分子ホストの末端に重合活性基(X、X、X等)が残存するのを避けるために、末端封止剤として、下記式(19)で表される化合物を更に用いてもよい。かかる化合物を加えて反応を行うことにより、高分子ホストの末端がアリール基または1価の芳香族複素環基で置換された高分子ホストを得ることができる。式(19)で表される末端封止剤は、高分子ホストを製造する際の重合において、一種のみ用いても、二種以上用いてもよい。
Figure 0006331617
(19)
[式(19)中、
Ar19aは、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の芳香族複素環基を表す。
19aは、上述した置換基(a)群または置換基(b)群から選ばれる基を表す。]
式(19)中、Ar19aで表されるアリール基、1価の芳香族複素環基としては、アリール基が好ましく、非置換またはアルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基若しくは置換アミノ基で置換されたアリール基がより好ましく、非置換またはアルキル基若しくはアリール基で置換されたアリール基が更に好ましく、非置換またはアルキル基若しくはアリール基で置換されたフェニル基が特に好ましい。
重合反応の後処理は、公知の方法で行うことができる。例えば、メタノール等の低級アルコールに重合反応で得られた反応液を加えて析出させた沈殿を濾過、乾燥させる方法により行うことができる。
このようにして得られた高分子ホストが重合反応に用いた触媒、塩基、それらの残渣等の不純物を含む場合には、公知の精製法に従い精製処理を行うことが可能である。特に、高分子ホストを発光素子に用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、縮合重合後、沈殿分別、抽出分別、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、吸着、洗浄等の精製処理により除去、精製したものであることが好ましい。
下記表1に、本発明で使用する高分子ホストを得るのに好適な、モノマーの仕込み比を、例示する。
Figure 0006331617
<組成物>
本発明の組成物は、本発明の金属錯体または本発明の金属含有高分子化合物と、正孔輸送材料、電子輸送材料および本発明の金属錯体とは異なる発光材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を含有する。
本発明の組成物は、発光材料、正孔輸送材料または電子輸送材料として好適に用いることができる。正孔輸送材料または電子輸送材料としては、前述の<高分子ホスト>の項で説明した高分子化合物を用いることが好ましい。なお、本発明の組成物において、本発明の金属錯体、本発明の金属含有高分子化合物、正孔輸送材料、電子輸送材料および本発明の金属錯体とは異なる発光材料は、それぞれ、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物が、正孔輸送材料、電子輸送材料および本発明の金属錯体とは異なる発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む場合、該組成物の全体を100重量部に対して、本発明の金属錯体は、通常、0.1〜60重量部であり、好ましくは0.1〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜40重量部である。
正孔輸送材料としては、前述の<高分子ホスト>の項で説明した高分子化合物のほかに、発光素子の正孔輸送材料として公知のものを適用できる。例えば、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアリールアミンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は、アリーレン基や2価の芳香族複素環基を共重合成分として有していてもよい。
電子輸送材料としては、前述の<高分子ホスト>の項で説明した高分子化合物のほかに、発光素子の電子輸送材料として公知のものを適用できる。例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、トリアリールトリアジンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体等が挙げられる。これらの誘導体は、アリーレン基や2価の芳香族複素環基を共重合成分として有していてもよい。
本発明の金属錯体とは異なる発光材料としては、発光素子の発光材料として公知のものを適用できるが、優れた発光効率を得る観点から、後述する燐光発光性化合物が好ましい。燐光発光性化合物以外の発光材料としては、蛍光発光性化合物を用いることができる。
蛍光発光性化合物には、低分子蛍光材料、高分子蛍光材料がある。低分子蛍光材料は、通常400〜700nmの波長範囲に蛍光発光のスペクトルピークを有する。低分子蛍光材料の分子量は、3000未満であると好ましく、100〜2000であるとより好ましく、100〜1000であると更に好ましい。
低分子蛍光材料としては、発光素子の発光材料として公知のものが適用できる。例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、キナクリドン誘導体、キサンテン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、オリゴチオフェン誘導体等の色素系材料;アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等の、中心金属にAl、Zn、Be等を有するか、または、中心金属にTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等の金属錯体系材料が挙げられる。
高分子蛍光材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体等の、上記の低分子蛍光材料として例示した色素体や金属錯体系発光材料を高分子化した材料が挙げられる。
[本発明の金属錯体とは異なる燐光発光性化合物]
本発明の金属錯体とは異なる燐光発光性化合物としては、三重項発光錯体等の公知の化合物を適用でき、例えば、Nature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE−Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light−Emitting Materials and DevicesIV), 119、 J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999),99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852、Inorg. Chem., (2003), 42, 8609、Inorg. Chem., (2004), 43, 6513、Journal of the SID 11/1、161 (2003)、WO2002/066552、WO2004/020504、WO2004/020448等に記載されている金属錯体が挙げられる。
三重項発光錯体としては、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)、BtpIr(acac)、FIrpic、COM−1、COM−2、COM−3、COM−4、COM−5、COM−6、COM−7、COM−8、アメリカンダイソース社から市販されているADS066GE等のイリジウム錯体、白金を中心金属とするPtOEP等の白金錯体、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)phen等のユーロピウム錯体が好ましい。なお、これらの三重項発光錯体は、以下の化学式に示されるものである。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
本発明の組成物に、発光スペクトルピークが480nm未満の燐光発光性化合物とともに、発光スペクトルピークが480nm以上の燐光発光性化合物が含まれることで、組成物の発光スペクトルを調整することが可能である。中でも、発光スペクトルピークが480nm以上の燐光発光性化合物が、緑色領域に発光スペクトルピークを有する燐光発光性化合物、および、赤色領域に発光スペクトルピークを有する燐光発光性化合物の組み合わせとすることで、白色発光素子の作製に利用されることが可能となる。
発光スペクトルピークが480nm未満の燐光発光性化合物が本発明の金属錯体であり、発光スペクトルピークが480nm以上の燐光発光性化合物が本発明の金属錯体とは異なる燐光発光性化合物であってもよいし、
発光スペクトルピークが480nm未満の燐光発光性化合物が本発明の金属錯体とは異なる燐光発光性化合物であり、発光スペクトルピークが480nm以上の燐光発光性化合物が本発明の金属錯体であってもよいし、
発光スペクトルピークが480nm未満の燐光発光性化合物および発光スペクトルピークが480nm以上の燐光発光性化合物の双方が本発明の金属錯体であってもよい。
緑色領域に発光スペクトルピークを有する燐光発光性化合物は、発光スペクトルピークが480nm以上580nm未満の燐光発光性化合物であることが好ましく、また、赤色領域に発光スペクトルピークを有する燐光発光性化合物は、発光スペクトルピークが580nm以上680nm未満の燐光発光性化合物であることが好ましい。
燐光発光性化合物の発光スペクトルのピーク波長は、燐光発光性化合物を、キシレン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解させ、希薄溶液(溶液中の燐光発光性化合物の濃度は、例えば、1×10−6〜1×10−7mol/Lの範囲)を調製し、この希薄溶液のPL発光スペクトルを測定することで評価することができる。
燐光発光性化合物である金属錯体としては、金属錯体の最高被占軌道(HOMO)において、全原子軌道係数の2乗の和に対する中心金属の最外殻d軌道の軌道係数の2乗の和が占める割合が1/3以上であるものを適用することが、高い発光量子効率を得る観点(すなわち、本実施形態の組成物を用いた発光素子において優れた発光効率を得る観点)で好ましい。このような金属錯体としては、例えば、中心金属が第5周期または第6周期に属する遷移金属であるオルトメタル化錯体等が挙げられる。
燐光発光性化合物である金属錯体の中心金属としては、原子番号50以上の原子で、錯体にスピン−軌道相互作用があり、一重項状態と三重項状態間の項間交差を起こし得る金属が挙げられ、好ましくは、ルテニウム(II)、ロジウム(III)、パラジウム(II)、オスミウム(II)、イリジウム(III)または白金(II)であり、より好ましくは、白金(II)またはイリジウム(III)であり、更に好ましくは、イリジウム(III)である。
燐光発光性化合物としては、下記一般式(MM)で表される燐光発光性化合物が好ましい。
Figure 0006331617
(MM)
式(MM)中、
Mは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金からなる群から選ばれる金属原子を表す。
Lは、Mで表される金属原子との間に、配位結合および共有結合からなる群から選ばれる少なくとも2つの結合を形成して多座配位することが可能な、中性または1〜3価のアニオン性の配位子を表す。Lが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
Zは、カウンターアニオンを表す。Zが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。
kaは1以上の整数を表し、kbは0以上の整数を表す。但し、ka+kbは金属原子Mが有する価数を満たすように存在する。
なお、式(MM)で表される燐光発光性化合物は全体として中性の原子価である。
式(MM)におけるMとしては、白金(II)またはイリジウム(III)が好ましく、イリジウム(III)がより好ましい。
式(MM)におけるLとしては、
8−キノリノールおよびその誘導体、ベンゾキノリノールおよびその誘導体のような金属原子と窒素原子および酸素原子で配位結合若しくは共有結合で結合する配位子、2−フェニルピリジンおよびその誘導体のような窒素原子および炭素原子で配位結合若しくは共有結合で結合する配位子、アセチルアセトンおよびその誘導体のように酸素原子で配位結合若しくは共有結合で結合する配位子、2,2’−ビピリジルおよびその誘導体のように、窒素原子で配位結合する配位子、または、リン原子および炭素原子で配位結合若しくは共有結合する配位子等が挙げられ、
窒素原子および炭素原子で配位結合若しくは共有結合で結合する配位子、または、窒素原子で配位結合する配位子が好ましく、
窒素原子および炭素原子で配位結合若しくは共有結合で結合するモノアニオン性のオルトメタル化配位子、または、該モノアニオン性のオルトメタル化配位子が互いに結合してなる2価若しくは3価のオルトメタル化配位子がより好ましく、
窒素原子および炭素原子で配位結合若しくは共有結合で結合するモノアニオン性のオルトメタル化配位子が更に好ましい。
式(MM)におけるLは、上記の通り、一種単独で用いても二種以上を併用して用いても良いが、一種単独で用いる場合、式(MM)で表される燐光発光性化合物はホモレプティック錯体(homoleptic complex)となり、二種以上を併用して用いる場合、式(MM)で表される燐光発光性化合物はヘテロレプティック錯体(heteroleptic complex)となる。
式(MM)におけるLとして好ましい、窒素原子および炭素原子で配位結合若しくは共有結合で結合するモノアニオン性のオルトメタル化配位子を、以下に例示する。
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
Figure 0006331617
[式中、Raは前記と同じ意味を表す。]
上記に例示したモノアニオン性のオルトメタル化配位子における任意の水素原子は、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、フッ素原子またはシアノ基で置換されていてもよい。当該置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに、環構造を形成していてもよい。
式(MM)におけるZとしては、ブレンステッド酸の共役塩基が挙げられる。ブレンステッド酸の共役塩基の具体例としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン等が挙げられる。
式(MM)で表される燐光発光性化合物としては、
Mが、イリジウム(III)であり、Lが、Mと窒素原子および炭素原子で配位結合若しくは共有結合で結合するモノアニオン性のオルトメタル化配位子であり、kaが3であり、kbが0である燐光発光性化合物が好ましい。
<液状組成物>
本発明の金属錯体は、溶媒(好ましくは有機溶媒)に溶解または分散させて、本発明の液状組成物(溶液または分散液)としてもよい。このような液状組成物は、インク、ワニスとも呼ばれる。発光素子を構成する有機層を形成するために、本発明の液状組成物を用いる場合、液状組成物は溶液であることが好ましい。
液状組成物は、本発明の金属錯体に加えて、正孔輸送材料、電子輸送材料および本発明の金属錯体とは異なる発光材料からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有していてもよい。また、液状組成物には、本発明の効果を妨げない限りにおいて、その他の物質が添加されていてもよい。その他の物質としては、酸化防止剤、粘度調整剤、界面活性剤等が挙げられる。
ここで、溶媒としては、本発明の金属錯体が溶解または分散する限り特に限定されないが、以下のような有機溶媒が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒:トルエン、キシレン(各異性体またはそれらの混合物)、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、2−フェニルブタン、tert−ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ネオペンチルベンゼン、イソアミルベンゼン、ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、3−プロピルトルエン、、1−メチル−4−プロピルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ジプロピルベンゼン、1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン、インダン、テトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)等。
脂肪族炭化水素系溶媒:n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、デカリン等。
芳香族系エーテル系溶媒:アニソール、エトキシベンゼン、プロポキシベンゼン、ブチロキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、シクロペンチルオキシベンゼン、ヘキシルオキシベンゼン、シクロヘキシルオキシベンゼン、ヘプチルオキシベンゼン、オクチルオキシベンゼン、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、4−エチルアニソール、4−プロピルアニソール、4−ブチルアニソール、4−ペンチルアニソール、4−ヘキシルアニソール、ジフェニルエーテル、4−メチルフェノキシベンゼン、4−エチルフェノキシベンゼン、4−プロピルフェノキシベンゼン、4−ブチルフェノキシベンゼン、4−ペンチルフェノキシベンゼン、4−ヘキシルフェノキシベンゼン、、3−フェノキシトルエン、1,3−ジメトキシベンゼン、2,6−ジメチルアニソール、2,5−ジメチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,5−ジメチルアニソール等。
脂肪族エーテル系溶媒:テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等。
ケトン系溶媒:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等。
エステル系溶媒:酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エチルセルソルブアセテート等。
塩素化溶媒:塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等。
アルコール系溶媒:メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、フェノール等。
多価アルコールおよびその誘導体:エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等。
非プロトン性極性溶媒:ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等。
これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を混合溶媒として使用してもよい。
混合溶媒を用いる場合、上記の溶媒群から二種または三種以上を組み合わせることが好ましいが、上記例示の同じ系の溶媒群から複数を組み合わせても、異なる系の溶媒群から1種以上ずつを組み合わせてもよい。その組成比は、各溶媒の物性や、金属錯体等の溶解性を考慮して決めることができる。
同じ系の溶媒群から複数種を選んで組み合わせる場合の好ましい例としては、芳香族炭化水素系溶媒から複数種、芳香族エーテル系溶媒から複数種等が挙げられる。異なる系の溶媒群から1種以上ずつを選んで組み合わせる場合の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒と芳香族エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒と非プロトン性極性溶媒、芳香族エーテル系溶媒と非プロトン性極性溶媒等。
また、単独溶媒または混合溶媒に水を添加することもできる。
これらの有機溶媒のうち、ベンゼン環を含む構造を有し、融点が0℃以下であり、且つ、沸点が100℃以上である有機溶媒を一種以上含む単独溶媒または混合溶媒が、粘度、成膜性等の観点から好ましく、なかでも芳香族炭化水素系溶媒および芳香族エーテル系溶媒からなる群から選ばれる一種以上含む単独溶媒または混合溶媒が好ましい。
有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を混合溶媒として使用してもよいが、成膜性を制御する観点から混合溶媒を用いることが好ましい。また、有機溶媒は、必要に応じ、洗浄、蒸留、吸着剤への接触等の方法により精製を行ってから使用してもよい。
上記液状組成物によれば、本発明の金属錯体を含有する有機薄膜を容易に製造することができる。具体的には、上記液状組成物を基板上に塗布して、加熱、送風、減圧等により有機溶媒を留去することにより、本発明の高分子化合物を含有する有機薄膜が得られる。
有機溶媒の留去は、使用される有機溶媒に応じて条件を変更することができ、例えば、50〜150℃程度の雰囲気温度(加熱)または10−3Pa程度の減圧雰囲気等が条件として挙げられる。
塗布には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
上記液状組成物の好適な粘度は印刷法によっても異なるが、25℃において、好ましくは0.5〜1000mPa・sであり、より好ましくは0.5〜500mPa・sである。また、インクジェット印刷法のように液状組成物が吐出装置を経由する場合、吐出時の目詰まりや飛行曲がりを防止するために、25℃における粘度は、好ましくは0.5〜50mPa・sであり、より好ましくは0.5〜20mPa・sである。液状組成物中の本発明の高分子化合物の濃度は、特に限定されないが、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
[有機薄膜]
本発明の有機薄膜は、本発明の金属錯体を含有するものであり、例えば、発光性薄膜、導電性薄膜、有機半導体薄膜等の有機薄膜が挙げられる。これらの有機薄膜は、その用途に応じて、上述した本発明の組成物を構成する各成分を適宜組み合わせて含んでいてもよい。
有機薄膜は、本発明の金属錯体をそのまま、または、上述したような本発明の組成物や本発明の液状組成物の状態で用いて、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリーコート法、ノズルコート法等を行うことにより作製することができる。
例えば、上述した溶液を用いて有機薄膜を形成する場合は、溶液に含まれる本発明の高分子化合物のガラス転移温度にもよるが、100℃以上の温度(例えば、130℃〜160℃)でベークすることが好ましい。
有機薄膜は、発光性薄膜である場合、発光素子の輝度や発光電圧を良好に得る観点から、発光量子収率が30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、60%以上であることが特に好ましい。
有機薄膜は、導電性薄膜である場合、表面抵抗率が1kΩ/sq.以下であることが好ましく、100Ω/sq.以下であることがより好ましく、10Ω/sq.以下であることが更に好ましい。導電性薄膜の場合、ルイス酸やイオン性化合物等をドープすることによって、電気伝導度を高めることができる。なお、「Ω/sq.」は表面抵抗率を表す単位である。
さらに、有機薄膜は、有機半導体薄膜である場合、当該薄膜が有している電子移動度および正孔移動度のうちの大きい方の値が、10−5cm/V/秒以上であることが好ましく、10−3cm/V/秒以上であることがより好ましく、10−1cm/V/秒以上であることが更に好ましい。例えば、SiO等の絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板上に、この有機半導体薄膜を形成し、さらにAu等によりソース電極およびドレイン電極を形成することによって、有機トランジスタを作製することができる。
[発光素子]
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、該陽極と該陰極との間に設けられた本発明の金属錯体を含有する有機層と、を備える。発光素子は、有機層を一層のみ有するものであってもよく、二層以上有するものであってもよい。有機層を二層以上備える場合には、少なくとも一層が本発明の金属錯体を含有していればよい。
上記本発明の金属錯体を含有する有機層は、発光素子において、発光層、正孔輸送層または電子ブロック層として機能することができる。そのため、本発明の発光素子は、これらの層のうちの少なくとも1つが、上記本発明の金属錯体を含有する有機層により構成されることが好ましい。なかでも、本発明の発光素子は、発光層が上記本発明の金属錯体を含有する有機層より構成される発光素子であることが好ましい。発光素子は、陽極、陰極および発光層として機能する有機層(以下、単に「発光層」という。)以外にも、それらの層の間等に、その他の層を有していてもよい。なお、各層は、一層からなるものであっても、二層以上からなるものであってもよい。また、各層を構成している材料や化合物は、一種単独であっても二種以上が併用されていてもよい。
陽極と発光層との間に設けられる層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が挙げられ、これらの層は陽極と発光層の間に一層のみ設けても二層以上設けてもよい。
正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔輸送層は、正孔注入層または陽極により近い層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。一方、これらの層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合、それらの層は、電子ブロック層とも呼ばれる。対象となる層が、電子の輸送を堰き止める機能を有するかどうかは、電子電流のみを流す素子を作製し、電流値の減少が生じることを測定することによって確認することができる。
陰極と発光層との間に設けられた層としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が挙げられ、これらの層は陰極と発光層の間に一層のみ設けても二層以上設けてもよい。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、電子注入層または陰極により近い層からの電子注入を改善する機能を有する層である。一方、これらの層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層を正孔ブロック層とも呼ばれる。対象となる層が、正孔の輸送を堰き止める機能を有するかどうかは、正孔(ホール)電流のみを流す素子を作製し、電流値の減少が生じることを測定することによって確認することができる。
上述した各層を備える構成を有する発光素子の構造としては、例えば、以下のa)〜d)の構造が挙げられる。下記の構造中「/」は各層が隣接して積層されていることを示す(以下同様)。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
なお、電極(陰極、陽極)に隣接して設けた正孔輸送層、電子輸送層のうち、電極からの電荷(正孔、電子)の注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を低下させる効果を有するものは、電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と呼ばれる場合もある。
電極(陰極、陽極)との密着性の向上や、電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して、電荷注入層や絶縁層を更に設けてもよい。また、電荷輸送層や発光層の界面には、層間の界面における密着性の向上や構成材料の混合の防止等のために、薄いバッファー層を更に設けてもよい。積層する層の順番や数、および各層の厚さは、発光効率や輝度寿命を勘案して調整することができる。
例えば、電荷注入層を更に設けた発光素子の構造としては、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
上述したa)〜p)のような構造を有する発光素子における各層の構成は、例えば、次の通りである。
(陽極)
陽極は、通常、透明または半透明であり、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜から構成され、それらの中でも透過率が高い材料から構成されることが好ましい。陽極の材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、および、それらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性無機化合物を用いて作製された膜、NESA等や、金、白金、銀、銅等が用いられる。なかでも、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイドまたは酸化スズが好ましい。陽極の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等の方法を用いることができる。また、陽極として、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して選択することができる。例えば、10nm〜10μmであると好ましく、20nm〜1μmであるとより好ましく、40nm〜500nmであると更に好ましい。
(正孔注入層)
正孔注入層に用いられる材料としては、フェニルアミン系化合物、スターバースト型アミン系化合物、フタロシアニン系化合物、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の導電性高分子等が挙げられる。
正孔注入層が、導電性高分子や上述した本実施形態の高分子化合物である場合、その電気伝導度を向上させるために、正孔注入層には、必要に応じて、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン等のアニオンをドープしてもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層に用いられる材料としては、正孔輸送材料として例示したものが挙げられる。なお、正孔輸送層に用いられる材料が低分子化合物である場合には、低分子化合物を高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
なかでも、正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアリールアミンおよびその誘導体が好ましい。
正孔輸送層の成膜方法としては、正孔輸送層に用いられる材料が低分子化合物である場合には、高分子バインダーとの混合溶液を用いた成膜が挙げられ、高分子化合物である場合には、この高分子化合物を含む溶液を用いた成膜が挙げられる。
溶液を用いた成膜に用いる溶媒は、正孔輸送層に用いられる材料を溶解させるものであればよい。溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が挙げられる。
溶液を用いた成膜には、溶液を用いたスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の塗布法を用いることができる。
低分子化合物と組み合わせる高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適である。このような高分子バインダーとしては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が挙げられる。
正孔輸送層の厚さは、駆動電圧と発光効率を考慮して選択することができる。ただし、ピンホールが容易に発生しないような厚さを有することが必要である一方、厚過ぎると、発光素子の駆動電圧が高くなることがある。そこで、正孔輸送層の厚さは、1nm〜1μmであると好ましく、2nm〜500nmであるとより好ましく、5nm〜200nmであると更に好ましい。
(発光層)
発光層は、蛍光または燐光を発する有機化合物(低分子化合物、高分子化合物のいずれであってもよい。)と、必要に応じてこれを補助するドーパントとから形成される。本実施形態の発光素子における発光層は、上述した本実施形態の金属錯体と高分子ホストとを含むものであることが好ましい。なお、発光材料が低分子化合物である場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
発光層には、発光効率を向上させたり、発光波長を変化させたりするために、ドーパントを添加してもよい。ドーパントとしては、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等が挙げられる。
発光層の厚さは、駆動電圧と発光効率を考慮して選択することができ、例えば、2〜200nmであると好ましい。
発光層の成膜方法としては、発光材料を含む溶液を基材の上または基材の上方に塗布する方法、真空蒸着法、転写法等を用いることができる。溶液を用いた成膜を行う場合、溶媒としては、正孔輸送層の溶液による成膜において例示したものと同様の溶媒を適用できる。発光材料を含む溶液を基材の上または基材の上方に塗布する方法としては、スピンコート法、ディップコート法、インクジェット印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、スリットコート法等の印刷法を用いることができる。発光材料が、昇華性を有する低分子化合物の場合には、真空蒸着法により成膜を行うこともできる。また、レーザーによる転写や熱転写により、所望の位置に発光層を形成する方法も用いることができる。
(電子輸送層)
電子輸送層に用いられる材料としては、上述した電子輸送材料等が挙げられる。
これらのなかでも、電子輸送層に用いる電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体が好ましい。
電子輸送層の成膜方法としては、電子輸送層に用いられる材料が低分子化合物である場合、粉末を用いた真空蒸着法、溶液または溶融状態での成膜による方法が挙げられる。一方、電子輸送層に用いられる材料が高分子化合物である場合には、溶液または溶融状態での成膜による方法が挙げられる。溶液または溶融状態での成膜には、高分子バインダーを併用してもよい。溶液を用いた成膜は、上述したような溶液を用いた正孔輸送層の成膜方法と同様にして行うことができる。
電子輸送層の厚さは、駆動電圧と発光効率を考慮して調整することができる。ただし、ピンホールが容易に発生しないような厚さを有することが必要である一方、厚過ぎると、発光素子の駆動電圧が高くなることがある。そこで、電子輸送層の膜厚は、1nm〜1μmであると好ましく、2nm〜500nmであるとより好ましく、5nm〜200nmであると更に好ましい。
(電子注入層)
電子注入層の構成は、発光層の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、Ca層の単層構造からなる電子注入層、Caを除いた周期表1族と2族の金属であり、かつ仕事関数が1.5〜3.0eVの金属、並びに、該金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物から選ばれる1種または2種以上で形成された層とCa層との積層構造からなる電子注入層等が挙げられる。仕事関数が1.5〜3.0eVの、周期表1族の金属、並びに、その酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物としては、リチウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、仕事関数が1.5〜3.0eVの、Caを除いた周期表2族の金属、並びに、その酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物としては、ストロンチウム、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
電子注入層は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等によって形成することができる。
また、電子注入層の厚さは、1nm〜1μmが好ましい。
(陰極)
陰極の材料としては、仕事関数が小さく発光層への電子注入が容易な材料が好ましい。
例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、若しくは、これら金属のうち2種以上の合金、または、これら金属のうち1種以上の金属と金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金、或いは、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
陰極を2層以上の積層構造とする場合には、金属、金属酸化物、金属フッ化物またはこれらの合金と、アルミニウム、銀、クロム等の金属と、の積層構造が好ましい。
陰極は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等によって形成することができる。陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して選択することができる。例えば、10nm〜10μmであると好ましく、20nm〜1μmであるとより好ましく、50nm〜500nmであると更に好ましい。
(保護層)
陰極の作製後には、その上部に、発光素子を保護するための保護層を更に形成してもよい。特に、発光素子を長期安定的に用いるためには、この発光素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
保護層の構成材料としては、高分子量の化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物等を用いることができる。また、保護カバーとしては、金属板、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板等を用いることができる。保護カバーを用いた発光素子の保護方法としては、保護カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が挙げられる。この際、スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子の損傷を防ぐことが容易となる。さらに、この空間に窒素やアルゴンのような不活性ガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができる。また、酸化バリウム等の乾燥剤をこの空間内に設置すれば、製造工程で吸着した水分または硬化樹脂を通り抜けて浸入する微量の水分が素子に損傷を与えるのを抑制することが容易となる。発光素子においては、これらのうち、いずれか1つ以上の方策を採ることが好ましい。
以上説明した好適な実施形態の発光素子は、面状光源、表示装置(セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置)、液晶表示装置のバックライト等として用いることができる。
例えば、発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得る方法としては、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成して実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極の一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号等を表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。
さらに、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動させてもよい。
上述した面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、面状の照明用光源等として好適に用いることができる。また、上記の表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等の表示装置として用いることができる。さらに、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、本発明をより詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)により求めた。なお、該SECの測定条件は、以下のとおりである。
[測定条件]
測定する高分子化合物は、約0.05重量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。SECの移動相としてテトラヒドロフランを用い、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
LC−MSの測定は、下記の方法で行った。測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させて、LC−MS(アジレント・テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、特に断りのない限り、アセトニトリルとテトラヒドロフランとを比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
NMRの測定は、下記の方法で行った。5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl)、重テトラヒドロフラン(THF−d8)または重塩化メチレン(CDCl)に溶解させて、NMR装置(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名 MERCURY 300)を用いて測定した。
化合物の純度の指標として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)面積百分率の値を用いた。この値は、特に記載がない限り、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、島津製作所製、商品名:LC−20A)による、254nmにおける値とする。この際、測定する化合物は、0.01〜0.2重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランまたはクロロホルムに溶解させ、HPLCに、濃度に応じて1〜10μL注入した。HPLCの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを用い、1mL/分の流速で、アセトニトリル/テトラヒドロフラン=100/0〜0/100(容積比)のグラジエント分析で流した。カラムは、Kaseisorb LC ODS 2000(東京化成工業製)、若しくは同等の性能を有するODSカラムを用いた。検出器には、フォトダイオードアレイ検出器(島津製作所製、商品名:SPD−M20A)を用いた。
<実施例1> 化合物S1の合成
Figure 0006331617
<stage1>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、4−tert−オクチルフェノール(250.00g、1.21mol、Aldrich製品)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(177.64g、1.45mol)およびジクロロメタン(3100mL)を加え、これを5℃に氷冷した。その後、これに、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(376.06g、1.33mol)を45分かけて滴下した。滴下終了後、氷冷下で30分間攪拌し、次いで、室温に戻して更に1.5時間攪拌した。得られた反応混合物にヘキサン(3100mL)を加え、この反応混合物を、410gのシリカゲルを用いてろ過し、更に、ヘキサン/ジクロロメタン(1/1(体積基準))の混合溶媒(2.5L)でシリカゲルを洗浄した。得られたろ液と洗浄液を濃縮し、無色オイルの化合物S1−a(410.94g、1.21mol、HPLC面積百分率値99.7%)を得た。
<stage2>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、化合物S1−a(410.94g、1.21mol)、ビス(ピナコレート)ジボロン(338.47g、1.33mol)、酢酸カリウム(237.83g、2.42mol)、1,4−ジオキサン(2600mL)、酢酸パラジウム(4.08g、0.018mol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(10.19g、0.036mol)を加え、2時間還流した。室温に冷却後、得られた反応混合物をろ過してろ液を集め、さらにろ過物を1,4−ジオキサン(2.5L)で洗浄し、得られたろ液と洗浄液を濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン/ジクロロメタン(1/1(体積基準))の混合溶媒に溶解させ、770gのシリカゲルを用いてろ過し、更に、ヘキサン/ジクロロメタン(1/1(体積基準))の混合溶媒(2.5L)でシリカゲルを洗浄した。得られたろ液と洗浄液を濃縮し、得られた残渣にメタノール(1500mL)を加えて30分間超音波洗浄を行った。その後、これをろ過することにより、化合物S1−b(274.27g)を得た。ろ液と洗浄液を濃縮し、メタノールを加え、超音波洗浄を行い、ろ過するという操作を繰り返すことことにより、化合物S1−b(14.29g)を得た。得られた化合物S1−bの合計の収量は288.56gであった。
<stage3>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、1,3−ジブロモベンゼン(102.48g、0.434mol)、化合物S1−b(288.56g、0.912mol)、トルエン(2100mL)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(962.38g、1.31mol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(3.04g、0.004mol)を加え、7時間還流した。室温に冷却後、水層と有機層を分離し、有機層を集めた。この水層にトルエン(1L)を加えて、有機層をさらに抽出した。得られた有機層を合わせて、これを蒸留水/飽和食塩水(1.5L/1.5L)の混合水溶液で洗浄した。得られた有機層を400gのシリカゲルでろ過し、更にトルエン(2L)でシリカゲルを洗浄した。得られた溶液を濃縮し、得られた残渣をヘキサンに溶解させた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。展開溶媒であるヘキサンで不純物を溶出させた後に、ヘキサン/ジクロロメタン(10/1(体積基準))の混合溶媒で展開した。得られた各フラクションを減圧濃縮により溶媒を除去し、無色結晶の化合物S1−c(154.08g、HPLC面積百分率値99.1%)、および、粗製の化合物S1−c(38.64g、HPLC面積百分率値83%)を得た。この粗製の化合物S1−cを再び同様の展開条件にてカラム精製し、溶媒を減圧留去し、化合物S1−c(28.4g、HPLC面積百分率値99.6%)を得た。得られた化合物S1−cの合計の収量は182.48g(0.40mol)であった。
<stage4>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、化合物S1−c(182.48g、0.401mol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(112.09g、0.441mol)、4,4’−ジ-tert−ブチル−2,2’−ジピリジル(3.23g、0.012mol)、シクロヘキサン(2000mL)およびビス(1,5−シクロオクタジエン)ジ−μ−メトキシジイリジウム(I)(3.99g、0.006mol)を加え、2時間還流した。室温に空冷後、得られた反応混合物を攪拌しながらシリカゲル(220g)を20分かけて加えた。得られた懸濁液を440gのシリカゲルでろ過し、さらにジクロロメタン(2L)でシリカゲルを洗浄し、溶液を濃縮した。得られた残渣に、メタノール(1100mL)およびジクロロメタン(110mL)を加え、1時間還流した。室温に冷却後、これをろ過した。得られたろ過物をメタノール(500mL)で洗浄し、得られた固体を乾燥させて、化合物S1(220.85g、0.380mol)を得た。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.00(s,2H),7.92(s,1H),7.60(d,J=8.5Hz,4H),7.44(d,J=8.5Hz,4H) ,1.78(s,4H),1.41(s,12H) ,1.37(s,12H) ,0.75(s,18H).
<実施例2> 化合物S2の合成
Figure 0006331617
<stage1>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、化合物S1(91.49g、158mmol)、m−ジブロモベンゼン(17.70g,75mmol)およびトルエン(478mL)を加え、20分間窒素ガスバブリングした。その後、これに、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(166mL、225mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.26g、0.37mmol)を加え、6.5時間還流させた。室温に冷却後、得られた反応溶液から有機層を分離し、この有機層を水(300mL)、飽和食塩水(300mL)の順で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を、ヘキサン/クロロホルム((20/1(体積基準))の混合溶媒に溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、減圧濃縮により溶媒を除去した。得られた残渣に、メタノール(845mL)およびクロロホルム(56mL)を加え、30分間還流した。得られた溶液を冷却して得られた沈殿をろ過し、乾燥させることにより、化合物S2−a(74.40g)を得た。
<stage2>
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、化合物S2−a(74.40g、76mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(21.13g,83mmol)、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ジピリジル(609mg、2mmol)、シクロヘキサン(734mL)およびビス(1,5−シクロオクタジエン)ジ−μ−メトキシジイリジウム(I)(752mg、1mmol)を加え、8時間還流した。室温に空冷後、得られた反応溶液にシリカゲル(83.93g)を加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/アセトニトリル(100/1(体積基準))の混合溶媒)で精製した。その語、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をトルエン(420mL)に溶解させ、これを50℃に加熱した。その後、これに、アセトニトリル(839mL)を滴下し、析出した固体をろ過した。得られた固体を、ヘキサン/アセトニトリル(1/1(体積基準))の混合溶媒中で30分間還流した後、室温に冷却して沈殿を濾取し、乾燥させることにより、化合物S2(68.53g)を得た。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.14(d,J=1.8Hz,2H),8.09(m,1H),7.85(d,J=1.6Hz,4H),7.82(m,2H) ,7.64(d,J=8.5Hz,8H),7.48(d,J=8.5Hz,8H),1.79(s,8H),1.42(s,24H) ,1.39(s,12H) ,0.77(s,36H).
<合成例1> 化合物IL1の合成
Figure 0006331617
<stage1>
反応容器内を不活性ガス雰囲気下とした後、3−ブロモベンゾイルクロライド(117g,0.533mol)、エチルブチルイミデート塩酸塩(81g、0.534mol)およびクロロホルム(3732ml)を加え、室温にて攪拌混合し、トリエチルアミン(113g,1.12mol)を室温にて2時間かけて滴下し、更に室温にて2時間攪拌することにより反応溶液を得た。得られた反応溶液を減圧濃縮した後、水(700ml)およびクロロホルム(1000ml)を用いて反応生成物を有機層へ抽出し、得られた有機層を、水(700ml)、飽和食塩水(700ml)で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、無機塩をろ過により除去し、得られたろ液を濃縮することにより、中間体IL1−aを含む混合物(197.57g)を黄色の油状物として得た。HPLCによる純度は98.24%であった。
<stage2>
反応容器内を不活性ガス雰囲気下とした後、中間体IL1−aを含む混合物(197.57g)およびクロロホルム(2666ml)を加え、室温で撹拌混合し、メチルヒドラジン(21.61g、0.469mol)を水(21.61g)に加えて調製した溶液を、反応溶液の温度を室温付近に保ちながらゆっくりと滴下した後、室温で2時間撹拌することにより反応溶液を得た。得られた反応溶液を、水(1000ml)で2回洗浄後、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無機塩をろ過により除去し、更に減圧濃縮により溶媒を除去することにより、化合物Lを含む混合物(171g)を得た。得られた混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ジクロロメタン/酢酸エチルの混合溶媒)により精製する作業を2回行うことにより、化合物IL1を92.9g(0.328mol、HPLC面積百分率値98.91%、ブロモベンゾイルクロライドからの収率62.2%)、黄色の油状物として得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm)=1.01(t,9Hz,3H),1.65−1.85(m,2H),2.71(t,6Hz,2H),3.93(s,3H),7.30−7.45(m,1H),7.55−7.65(m,2H),7.84(s,1H).
<合成例2> 金属錯体IM1の合成
Figure 0006331617
<stage1>
反応容器内を窒素ガス雰囲気下とした後、イリジウムクロライド3水和物(20g、0.057mol)および化合物IL1(39.73g、0.142mol)を加え、更に、予めアルゴンガスでバブリングしたエトキシエタノール(794ml)および予めアルゴンガスでバブリングした水(265ml)加え、更に、撹拌しながらアルゴンガスで20分間バブリングすることにより、溶存酸素を除去した。その後、これを125℃の油浴を用いて加熱しながら、22時間還流下で撹拌することにより、反応溶液を得た。得られた反応溶液を室温まで冷却した後、水(794g)を加え、強撹拌し、析出した沈殿をろ過により固体として取出し、得られた固体を、水(300ml)、ヘキサン(300ml)の順で洗浄し、50℃にて減圧乾燥することにより、目的とする粗製の化合物IM1−a(40.61g)を黄色の粉末として得た。HPLCによる純度は98.24%であった。
<stage2>
反応容器内を窒素ガス雰囲気下とした後、粗製の化合物IM1−a(40.61g)、上記と同様の手法で合成した化合物IL1(95.34g、0.34mol)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(567ml)およびトリフルオロ酢酸銀(29.15g、0.113mol)を加え、更に、攪拌しながら窒素ガスで20分間バブリングすることにより、溶存酸素を除去した。その後、これを170℃の油浴を用いて加熱しながら、22時間攪拌することにより反応溶液を得た。得られた反応溶液を冷却後、固体をろ過により除去し、得られたろ液に水(567g)を加えて撹拌し、析出した沈殿をろ過により固体として取出した。得られた固体を、水(200ml)で1回、更に、メタノール(200ml)で2回洗浄し、減圧乾燥することにより、黄色固体(64.59g、純度96.23%)を得た。得られた黄色固体をジクロロメタンに溶解させ、シリカゲルカラム(シリカゲル量292g)に通液し、得られた溶液を濃縮し、目的物を含む混合物(58.72g、純度96.25%)を黄色の固体として得た。得られた混合物を、再結晶(ジクロロメタン/メタノールの混合溶媒)により精製し、更に再結晶(ジクロロメタン/酢酸エチルの混合溶媒)により精製することにより、金属錯体IM1(48.66g)を得た。得られた粗製の金属錯体IM1に、酢酸エチル(487ml)を加え、加熱還流下で攪拌した後に、メタノール(487ml)を滴下し、室温まで冷却することにより生じた結晶をろ過により取出し、これをメタノールで洗浄し、減圧乾燥することより、目的とする金属錯体IM1(48.03g、純度99.36%)を得た。
LC−MS(APPI:pos):計算値[C36H39Br3IrN9]=1027.05,測定値[C36H39Br3IrN9+H+]=1028.1
<実施例3> 金属錯体M1の合成
Figure 0006331617
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、金属錯体IM1(4.50g、4.37mmol)および化合物S1(8.37g、14.4mmol)を加え、室温でテトラヒドロフラン(350mL)に溶解させた。その後、これに、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(22.52g、30.6mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.10g、0.087mmol)を加え、遮光しながら21時間還流した。室温に冷却後、得られた反応混合物を蒸留水に注ぎ、トルエン(180mL)で抽出した。得られた有機層を蒸留水(350mL)、飽和食塩水(350mL)の順で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=6/1(体積基準)の混合溶媒)で精製し、減圧濃縮により溶媒を除去した。得られた残渣に、アセトニトリル(80mL)を加え、50℃で30分間加熱した。室温に冷却後、得られた固体をろ過し、減圧下で乾燥させることにより、上記式で表される金属錯体M1(7.18g、3.34mmol)を得た。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=7.90(s,3H) ,7.80−7.77(m,9H),7.65(d,12H) ,7.49(d,12H) ,7.23(d,3H),6.83(d,3H) ,4.30(s,9H),2.31−2.20(m,3H),2.00−1.90(m,3H),1.80(s,12H),1.52−1.16(m,42H),0.78−0.71(m,63H).
<実施例4> 金属錯体M2の合成
Figure 0006331617
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、金属錯体IM1(2.50g、2.43mmol)および化合物S2(8.89g、8.01mmol)を加え、これを室温でテトラヒドロフラン(200mL)に溶解させた。その後、これに、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.51g、17.0mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(56.1mg、0.049mmol)を加え、遮光しながら23時間還流した。室温に冷却後、得られた反応混合物を蒸留水(200mL)に注ぎ、トルエン(150mL)で抽出した。得られた有機層を、蒸留水(200mL)、飽和食塩水(350mL)の順で洗浄した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、ろ液を濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1(体積基準)の混合溶媒)で精製し、減圧濃縮により溶媒を除去した。得られた残渣に、トルエン(115mL)およびアセトニトリル(655mL)を加え、遮光しながら50℃で1時間加熱した。その後、これをろ過し、減圧下で乾燥させることにより、上記式で表される金属錯体M2(7.07g、1.89mmol)を得た。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.00(m,9H),7.95−7.93(m,15H),7.87(s,6H),7.67(d,24H),7.47(d,24H),7.31(d,3H),6.97(d,3H),4.29(s,9H),2.31−2.21(m,3H),2.02−1.92(m,3H),1.77(s,24H),1.51−1.19(m,78H),0.78−0.71(m,117H).
<合成例3> 金属錯体CM1の合成
Figure 0006331617
<stage1>
反応容器内に、化合物IL1(1.3g、4.6mmol)、3,5−ジ(4−ターシャリブチルフェニル)フェニルボロン酸ピナコールエステル(2200mg、4.7mmol)および炭酸ナトリウム(1250mg、11.6mmol)を加え、そこにエタノール(5mL)、水(10mL)およびトルエン(10mL)を加えた後、反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気下とした。そこへ、テトラキストリフェニルホスフィノパラジウム(0)(260mg、0.23mmol)を加えて、反応容器内の気体を再び窒素ガス雰囲気下とした。得られた反応混合物を80℃で15時間加熱した。室温に冷却後、これに水およびトルエンを注ぎ洗浄した。得られた油層を回収し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムに通して、ジクロロメタン/酢酸エチルの混合溶媒で分離精製することで、白色粉末として化合物CL2を2.18g(4.0mmol)、収率88%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/(CDCO):δ(ppm)=8.19(t,1H)、7.98(dt,1H)、7.93(d,2H)、7.91(t,1H)、7.80(t,1H)、7.77(dt,4H)、7.66(t,1H)、7.54(dt,4H)、4.01(s,3H)、2.63(t,2H)、1.76(td,2H)、1.36(s,18H)、0.98(t,3H).
<stage2>
反応容器内に、塩化イリジウム(226mg、0.64mmol)および化合物CL2 (760mg、1.4mmol)を加え、そこに、水(2mL)および2−ブトキシエタノール(6mL)を加えた後、反応容器内の気体を窒素ガス雰囲気下とし、17時間加熱還流した。室温に冷却後、これに水およびジクロロメタンを注ぎ洗浄した。得られた油層を濃縮、乾燥し、黄褐色の固体を840mg得た。
別の反応容器内に、黄褐色の固体(840mg)および化合物CL−2(1300mg、2.4mmol)を加え、アルゴンガス雰囲気下とした後、トリフルオロスルホン酸銀(165mg、0.64mmol)を加えた。その後、そこへ、ジエチレングリコールジメチルエステル(1.25mL)を加え、アルゴンガス雰囲気下において15時間加熱還流した。室温まで冷却後、これにジクロロメタンを注ぎ、懸濁液を吸引ろ過した。得られたろ液を分液ロートにあけて洗浄し、得られた油層を回収し、濃縮した。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムに通じてジクロロメタン/酢酸エチルの混合溶媒で分離精製した。得られた黄色固体を、ジクロロメタン/メタノールの混合溶媒を用いて再結晶し、次いで、ジクロロメタン/ヘキサンの混合溶媒を用いて再結晶することにより、黄色粉末として金属錯体CM1を850mg(0.48mmol)、収率73%で得た。H−NMR分析の結果を以下に示す。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.82(d,3H)、7.75(d,6H)、7.72(d,3H)、7.62(d,12H)、7.48(d,12H)、7.20(dd,3H)、6.87(d,3H)、4.27(s,9H)、2.26(ddd,3H)、1.96(ddd,3H)、1.37(s,54H)、1.05(m,6H)、0.73(t,9H).
<実施例5> 金属錯体M3の合成
Figure 0006331617
下記に示す金属錯体IM2を、特開2004−531485号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
反応容器内を窒素ガス気流下とした後、金属錯体IM2(8.00g、9.0mmol)、化合物S2(39.83g、35.9mmol)およびテトラヒドロフラン(640mL)を加え、20分間窒素バブリングした。その後、これに、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(13.22g、89.7mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.244g、1.1mmol)を加え、41時間還流した。室温に冷却後、得られた反応溶液に水(1500mL)およびトルエン(1500mL)を加えて有機層を分離し、得られた有機層を水(1500mL)で3回洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮した。得られた残渣を、トルエン/ヘキサン((20/1(体積基準))の混合溶媒に溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣をトルエン(350mL)に溶解させ、これを50℃に加熱した。得られた溶液に、アセトニトリル(700mL)を滴下し、固体を析出させた。得られた固体をろ過し、メタノール(100mL)で洗浄した。得られた固体に、ヘキサン(350mL)およびアセトニトリル(350mL)を加え、これを30分間還流した。室温まで冷却後、得られた固体をろ過し、アセトニトリル(100mL)で洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥させることにより、上記式で表される金属錯体M3(31.29g、14.54mmol)を得た。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.16−8.13(m,6H),8.04(m,6H),7.99(m,3H),7.95(s,12H),7.86(m,6H),7.76−7.65(m,30H),7.47(d,24H),7.37(d,3H),7.15(d,3H),7.05−7.00(m,3H),1.77(s,24H),1.37(s,72H),0.72(s,108H).
<実施例6> 金属錯体M4の合成
Figure 0006331617
<stage1>
5−ブロモ−2−フェニルピリジンは、特開2008−179617号公報に記載の方法に従って合成した。
反応容器内をアルゴンガス雰囲気下とした後、5−ブロモ−2−フェニルピリジン(36.17g、155mmol)、化合物S1(94.20g、162mmol)、トルエン(1545mL)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(341.28g、463.5mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(8.927g、7.725mmol)を加え、80℃で4時間攪拌した。室温に冷却後、得られた反応溶液に水(1545mL)を加え、有機層を抽出した。得られた有機層を、水(1545mL)で2回、食塩水(1545mL)で1回洗浄した。得られた有機層を、188gのシリカゲルを用いてろ過し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。
得られた残渣に、トルエン(235g)およびメタノール(1174g)を加え、60℃で30分間加熱した。その後、これを氷浴で5℃に冷却し、固体を析出させた。得られた固体をろ過し、冷メタノールで洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることにより、上記式で表される化合物L4(82.0g、135mmol)を得た。
<stage2>
反応容器内を窒素ガス雰囲気下とした後、塩化イリジウム三水和物(11.51g、32.3mmol)およびイオン交換水(114mL)を加え、50℃に加温して溶解させた。別の窒素ガス雰囲気下とした反応容器に、化合物L4(43.80g、72.1mmol)、2−エトキシエタノール(792mL)およびイオン交換水(57mL)を加え、100℃で1時間加熱攪拌した。その後、この溶液に、先に準備した塩化イリジウム水溶液(全量)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、120℃で15時間攪拌した。室温に冷却後、得られた反応混合物にメタノール(207g)を加え、ろ過した。得られた固体を、メタノール(207g)で4回、ヘキサン(115g)で1回洗浄した。得られた固体を減圧乾燥させることにより、金属錯体M4−a(42.88g)を得た。
<stage3>
反応容器内を窒素ガス雰囲気下とした後、金属錯体M4−a(7.61g、2.64mmol)、化合物L4(16.05g、26.40mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(1.63g、6.34mmol)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(79mL)を加え、160℃で16時間撹拌した。室温に冷却後、得られた反応混合物にメタノール(304mL)を加え、生じた沈澱をろ過した。得られた沈澱を、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン=4/6.5(体積基準)の混合溶媒)で精製し、減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣(8.05g)をジクロロメタン(80mL)に溶解させ、この溶液にメタノール(80mL)を加えた。生じた沈澱をろ別して集め、これを減圧乾燥させることにより、金属錯体M4(6.25g、3.1mmol)を得た。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.09(m,3H),8.01(s,6H),7.84(m,3H),7.72(d,3H),7.57(m,6H),7.42(d,12H),7.19(d,12H),7.03(d,3H),6.96−6.86(m,6H),1.65(s,12H),1.24(s,36H),0.63(s,54H).
<合成例4> 化合物R1の合成
Figure 0006331617
化合物IR1は、特開2011−149013公報に記載の方法に従って合成した。
300mLの三口フラスコに、化合物CC4(7.4g,10mmol)、2−ヨード−5−ブロモ−m−キシレン(9.3g,30mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.23g,0.04mmol)を加え、反応容器内をアルゴンガス雰囲気下とした後、それぞれ予め10分間アルゴンガスをバブリングすることにより溶存酸素を除去したトルエン(60mL)、テトラヒドロフラン(30mL)、tert−ブタノール(40mL)およびイオン交換水(20mL)を加え、室温で攪拌した。その後、これに、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(30g,8mmol)を加え、50℃で12時間攪拌した。得られた反応溶液に、イオン交換水およびトルエンを加え、攪拌し、静置した後に、分液により得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにより乾燥させ、無機塩をろ別した。得られたろ液から溶媒を減圧留去した後に、アセトニトリルを加え、70℃で30分間攪拌し、室温まで冷却し、析出した固体をろ過により取り出した。得られた固体を、中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=15/1(体積基準)の混合溶媒)により精製し、更に、再結晶(クロロホルム/アセトニトリル=4/7(体積基準))により精製し、減圧乾燥することにより、目的物である化合物R1(4.72g)を白色固体として得た。収率55%。得られた化合物のHPLC面積百分率値は99.99%以上を示した。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ(ppm)=7.82(d,2H),7.23(m,4H),7.17(s,2H),7.12−7.07(m,6H),6.99−6.95(m,4H),2.52(t,4H),1.95(s,12H),1.59−1.45(m,4H),1.32−1.18(m,12H),0.85(t,6H).
LC−MS(ESI−MS(posi)):850[M]
<合成例5> 化合物R2の合成
Figure 0006331617
反応容器内をアルゴンガス雰囲気下とした後、4−ドデシル安息香酸(14.52g)、ジクロロメタン(90ml)、塩化チオニル(6.00g)およびDMF(3滴)を加え、加熱還流下で1時間攪拌した。その後、これにモレキュラーシーブス3Å(和光純薬工業株式会社製、30g)を加え、氷浴により0℃に冷却した。その後、これに五塩化アンチモン(14.7g)を10分間かけて滴下し、0℃で1時間攪拌した。その後、これに、ジクロロメタン(60ml)に溶解させた4−ブロモ−3−メチルベンゾニトリル(19.6g、100mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、室温にて30分間攪拌した後に、加熱還流下で2時間攪拌した。その後、−15℃に冷却した状態で、25%アンモニア水溶液(22g)を滴下した。滴下終了後、室温にて1時間攪拌した後に、室温にて静置した。その後、これにクロロホルム(500ml)を加え、45℃に加熱しながら1時間攪拌した後、熱時ろ過により、固形分を除去し、得られたろ液をイオン交換水(200ml)で4回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、固体をろ別した後に、減圧濃縮することにより、橙色油状物を得た。これを、再結晶(クロロホルム/エタノールの混合溶媒)、中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=96/4の混合溶媒)、再結晶(クロロホルム/ヘキサンの混合溶媒)、再結晶(酢酸エチル)、再結晶(クロロホルム/ヘキサンの混合溶媒、2回実施)を順次行うことにより精製し、得られた固体を減圧乾燥することにより、目的物である化合物R2(8.42g)を白色固体として得た。得られた化合物のHPLC面積百分率値は99.6%以上を示した。
H−NMR(300MHz,THF−d):δ(ppm)=8.63(d,4H),8.43(d,2H),7.73(d,2H),7.40(d,2H),2.76(t,2H),2.55(s,6H),1.71(m,2H),1.31(m,18H),0.90(t,3H).
3C−NMR(75MHz,THF−d):δ173.7,172.9,150.3,140.2,137.6,135.5,134.6,132.9,131.7,131.0,130.7,129.8,38.0,34.0,33.3,31.8,31.74,31.72,31.71,31.6,31.43,31.41,24.7,24.3,15.6.
<合成例6> 高分子化合物P1の合成
下記に示す化合物R3は、WO2009−131255に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
反応容器内を窒素ガス雰囲気下とした後、化合物R3(2.4290g)、化合物R1(2.4940g)、化合物R2(1.2936g)およびトルエン(94ml)を加え、約80℃に加熱した。その後、これに、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(8.56mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(17.2g)を加え、還流下で約9時間攪拌した。
その後、これに、フェニルボロン酸(0.1201g)、ビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウムジクロリド(4.30mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(17.2g)を加え、更に還流下で約14時間攪拌した。
その後、これに、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(1.37g)をイオン交換水(26ml)に溶解させた溶液を加え、85℃に加熱しながら約2時間攪拌した。
得られた有機層を、3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水で2回、イオン交換水で6回、順次洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで固体を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下することで固体を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物(3.769g、高分子化合物P1)を得た。高分子化合物P1のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=8.2×10、Mw=2.4×10であった。
高分子化合物P1は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0006331617
<実施例7>化合物S3の合成
Figure 0006331617
<stage1>
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、2,6−ジブロモトルエン(90g)、化合物S1−b(239g)、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(795g)、酢酸パラジウム(0.34g)、トリ−(オルトメトキシフェニル)ホスフィン(1.07g)およびトルエン(1.7L)を加え、95℃で5.5時間攪拌した。得られた反応混合物を分液し、有機層を得た。得られた有機層をイオン交換水および5重量%食塩水で順次洗浄し、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することにより固体分を取り除いた。得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを減圧濃縮し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことにより、化合物S3−a(167g)を白色固体として得た。収率は98%であった。化合物S3−aのHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.4%を示した。この操作を繰り返し行うことで、化合物S3−aの必要量を得た。
<stage2>
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物S3−a(175g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(104g)、(1,5−シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I) (ダイマー)(3.72g)、4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジル(3.01g)およびシクロヘキサン(2.0L)を加え、加熱還流下で4時間攪拌した。得られた反応混合物にシリカゲルを加え、30分間攪拌した。その後、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することにより固体分を取り除いた。得られたろ液を減圧濃縮した後、ヘキサンを加え、室温で攪拌した後、析出している固体をろ取し、アセトニトリルで洗浄し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことにより、目的物である化合物S3(137g)を白色固体として得た。収率は61%であった。化合物S3のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.3%を示した。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=7.58(s,2H),7.43(d,4H),7.26(d,4H),2.11(s,3H),1.80(s,4H),1.41(s,12H),1.32(s,12H),0.76(s,18H).
<実施例8>金属錯体M5の合成
Figure 0006331617
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、金属錯体IM1(3.50g)、化合物S3(6.47g)、テトラヒドロフラン(275mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(118mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(17.5g)を加え、加熱還流下で10時間攪拌した。得られた反応混合物にトルエンおよびイオン交換水を加え、分液し、有機層を得た。得られた有機層をイオン交換水および5重量%食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、セライトを敷いたろ過器に通液することで固形分を取り除いた。得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)、再結晶(トルエン/アセトニトリル)により順次精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、目的物である金属錯体M5(5.74g)を黄色固体として得た。収率は77%であった。得られた金属錯体M5のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.5%以上を示した。
LC−MS(APCI positive): m/z=2193[M+H]
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=7.72(s,3H),7.44−7.39(m,18H),7.30(d,12H),7.17(d,3H),7.09(d,3H),4.20(s,9H),2.09(s,9H),1.77(s,12H),1.47−1.31(m,42H),0.79−0.63(mm,69H).
<実施例9>金属錯体M6の合成
Figure 0006331617
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物IM2(3.18g)、化合物S1(8.14g)、テトラヒドロフラン(250mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.505g)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(24.2g)を加え、加熱還流下で25時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮した後、トルエンおよびイオン交換水を加えて分液し、有機層を得た。得られた有機層をイオン交換水および5重量%食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することにより固体分を取り除いた。得られたろ液から減圧濃縮により溶媒を留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを減圧濃縮し、トルエンおよびメタノールを加えて室温で1.5時間攪拌した後、析出した固体をろ取し、メタノールで洗浄し、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことにより、目的物である金属錯体M6(5.14g)を黄色固体として得た。収率は73%であった。得られた金属錯体M6のHPLC面積百分率値は99.8%を示した。
LC−MS(APCI positive): m/z=2013[M+H]
1H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.13(d,3H),8.08(s,3H),7.84(s,6H),7.78−7.65(m,21H),7.49(d,12H),7.28(d,3H),7.07−7.00(m,6H),1.81(s,12H),1.41(s,36H),0.77(s,54H).
<実施例10>金属錯体M7の合成
Figure 0006331617
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物IM2(4.46g)、化合物S3(13.5g)、テトラヒドロフラン(405mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.12g)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(25.8g)を加え、加熱還流下で36時間攪拌した。得られた反応混合物にトルエンおよびイオン交換水を加えて分液し、水層および有機層を得た。得られた水層をトルエンで2回抽出し、先に得られた有機層に加え、イオン交換水および5重量%食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器に通液することにより固体分を取り除いた。得られたろ液を減圧濃縮することにより得られた固体をトルエンに溶解させ、シリカゲルおよびセライトを敷いたろ過器に通液することにより固体分を取り除き、再結晶(トルエン/メタノール)を行うことにより精製した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを減圧濃縮し、再結晶(トルエン/メタノール)を行うことにより精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、目的物である金属錯体M7(5.35g)を黄色固体として得た。収率は52%であった。得られた金属錯体M7のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.4%を示した。
LC−MS(APCI positive):m/z=2055[M+H]
H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.04(d,3H),7.96(s,3H),7.66(t,3H),7.60(d,3H),7.49−7.43(m,18H),7.33(d,12H),7.14(d,3H),6.97−6.91(m,6H),2.09(s,9H),1.79(s,12H),1.42(s,36H),0.75(s,54H).
<実施例11>金属錯体M8の合成
Figure 0006331617
金属錯体IM3は、特開2011−105701号公報に記載の方法に従って合成した。
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、金属錯体IM3(1.34g)、化合物S2(2.34g)、テトラヒドロフラン(60mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(98mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(5.2g)を加え、加熱還流下で18時間攪拌した。得られた反応混合物にトルエンおよびイオン交換水を加えて分液し、水層および有機層を得た。得られた水層をトルエンで抽出し、先に得られた有機層に加え、イオン交換水および5重量%食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することにより固体分を取り除いた。得られたろ液から減圧濃縮により溶媒を留去した後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)により精製し、目的物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを減圧濃縮し、トルエンおよびイソプロパノールの混合溶媒を用いて再結晶した後、50℃にて一晩減圧乾燥を行うことにより、目的物である金属錯体M8(2.43g)を赤色固体として得た。収率は73%であった。得られた金属錯体M8のHPLC面積百分率値(検出波長UV254nm)は99.8%を示した。
LC−MS(APCI positive): m/z=3694.2[M+H]
1H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=9.39(s,1H),9.27−9.21(m,2H),9.17(d,1H),9.04(d,1H),8.68(s,1H),8.47(d,1H),8.39−8.29(m,11H),8.29(s,6H),8.05−7.80(m,16H),7.73−7.42(m,56H),7.33(s,2H),1.77(s,16H),1.39−1.21(m,102H),0.74(s,72H).
<実施例12>金属錯体M9の合成
Figure 0006331617
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、金属錯体M4(8.05g)およびクロロホルム(300mL)を加え、反応容器を氷浴槽に設置し冷却した。その後、そこへ、N−ブロモスクシンイミド(1.40g)を加え、冷却した状態で3.5時間攪拌した。その後、そこへ、10重量%の亜硫酸ナトリウム水溶液(5g)を加え、反応容器を氷浴槽から取り外した後、室温で15分攪拌した。その後、そこへ、イオン交換水を加えて有機層を洗浄した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を濃縮することにより固体を得た。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘキサン)で精製し、酢酸エチルおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて再結晶した後、50℃で減圧乾燥させることにより、金属錯体M9(6.3g)を橙色固体として得た。収率は72%であった。金属錯体M9のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
LC−MS(APCI,positive):m/z=2171[M+H]
1H−NMR(CDCl,300MHz):δ(ppm)=8.15−8.03(m,9H),7.91−7.89(m,5H),7.81−7.78(m,1H),7.61(s,6H),7.48(d,12H),7.27(d,12H),7.07−6.95(m,7H),1.73(s,12H),1.31(s,36H),0.70(54H).
<合成例7> 高分子化合物P2の合成
化合物R4は、国際公報第2012/086671号に記載の方法に従って合成した。
化合物R5は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
高分子化合物P2は、化合物3、化合物4および化合物5を用いて、特開2012−036388号公報に記載の方法に従って合成した。高分子化合物P2のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=9.2×10、Mw=2.3×10であった。
高分子化合物P2は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0006331617
<合成例8> 高分子化合物P3の合成
化合物R6は、国際公報第2010/013723号に記載の方法に従って合成した。
化合物R7は、特開2003−226744号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物R8は、市販品のものを用いた。
化合物R9は、特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
高分子化合物P3は、化合物6、化合物7、化合物8および化合物9を用いて、特開2011−105701号公報に記載の方法に従って合成した。高分子化合物P3のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=6.4×10、Mw=2.1×10であった。
高分子化合物P3は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0006331617
<合成例9> 高分子化合物P4の合成
化合物R10は、特開2011−174062号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物R11は、国際公報第2005−049546号に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
高分子化合物P4は、化合物8、化合物9、化合物10および化合物11を用いて、特開2012−144722号公報に記載の方法に従って合成した。高分子化合物P4のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=7.9×10、Mw=3.4×10であった。
高分子化合物P4は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0006331617
<合成例10> 高分子化合物P5の合成
化合物R12は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
反応容器内をアルゴンガス雰囲気下とした後、化合物R3(1.1453g)、化合物R12(0.1977g)、化合物R4(1.4838g)、化合物R5(0.3665g)およびトルエン(31mL)を加えて、85℃に加熱した。その後、これに、酢酸パラジウム(1.1mg)およびトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(6.1mg)を加え、100℃に加熱した。その後、これに、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(9.7mL)を60分間かけて滴下し、100℃で6時間攪拌した。
その後、これに、フェニルボロン酸(35.4mg)をトルエン(2mL)に溶解させた溶液、酢酸パラジウム(1.0mg)およびトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(6.1mg)を加え、100℃で16時間攪拌した。
有機層を水層と分離した後、得られた有機層にN,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム水溶液を加え、85℃で2時間攪拌した。
有機層を水層と分離した後、得られた有機層を、イオン交換水(2回)、3重量%酢酸水溶液(2回)、イオン交換水(2回)の順番で洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルおよびアルミナを充填したカラムに通液した。得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P5(1.69g)得た。高分子化合物P5のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=8.1×10、Mw=2.1×10であった。
高分子化合物P5は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0006331617
<実施例13> 高分子化合物P6の合成
(工程1)反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物R3(1.488mmol)、化合物R4(0.885mmol)、化合物R5(0.300mmol)、金属錯体M9(0.315mmol)、ジクロロビス(トリス−o‐メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)およびトルエン(32mL)を加え、105℃に加熱した。
(工程2)反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(5mL)を滴下し、6時間還流させた。
(工程3)その後、そこに、フェニルボロン酸(18.3mg)およびジクロロビス(トリス−o‐メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)を加え、14.5間還流させた。
(工程4)その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。冷却後、得られた反応液を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物P6を1.25g得た。高分子化合物P6のポリスチレン換算の数平均分子量は3.8×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.1×105であった。
高分子化合物P6は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物R3から誘導される構成単位と、化合物R4から誘導される構成単位と、化合物R5から誘導される構成単位と、金属錯体M9から誘導される構成単位とが、50:29.5:10:10.5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<合成例11>化合物R13の合成
Figure 0006331617
化合物IR2は、化合物R4の合成方法に準じて合成した。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物IR2(100g)およびテトラヒドロフラン(脱水品、1000mL)を加え、ドライアイス/アセトン浴を用いて−70℃以下に冷却した。その後、そこへ、−70℃以下を保つようにしながら、2.5mol/L濃度のn−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(126mL)を45分間かけて滴下し、5時間攪拌した。その後、そこへ、−70℃以下を保つようにしながら、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(81mL)を30分間かけて滴下した。その後、ドライアイス/アセトン浴を外し、室温にて一晩攪拌した。得られた反応混合物を−30℃に冷却し、2M塩酸−ジエチルエーテル溶液を滴下することでpH6〜7に調整した後、減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体にトルエンを加え、室温にて1時間攪拌した後、シリカゲルを敷いたろ過器に通液することによりろ液を得た。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体にメタノールを加えて攪拌した後、ろ過することにより固体を得た。得られた固体をイソプロピルアルコールを用いた再結晶を4回繰り返すことにより精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、化合物R13(72g)を白色固体として得た。得られた化合物R13のHPLC面積百分率値(検出波長UV280nm)は99.0%以上を示した。
H−NMR(400MHz/CDCl):δ(ppm)=7.82(d,2H),7.81(s,2H),7.76(d,2H),7.11(d,4H)、7.00(d,4H),2.52(t,4H),1.59〜1.54(m,4H),1.36〜1.26(m,20H),1.31(s,24H),0.87(t,6H).
<合成例12>高分子化合物P7の合成
化合物R14は、国際公報第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
化合物R15は、特開2004−143419号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物R13(4.7686g)、化合物R4(0.7734g)、化合物R8(1.9744g)、化合物R14(0.3308g)、化合物R15(0.4432g)およびトルエン(67mL)を加えて、105℃に加熱しながら攪拌した。その後、これに、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(4.2mg)を加え、次いで、20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(20mL)を滴下した後、還流下で3時間攪拌した。
その後、これに、フェニルボロン酸(0.077g)、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド(4.2mg)、トルエン(60mL)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(20mL)を加え、還流下で24時間攪拌した。
有機層を水層と分離した後、得られた有機層に、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物(3.33g)およびイオン交換水(67mL)を加え、85℃で2時間攪拌した。有機層を水層と分離した後、得られた有機層を、イオン交換水(78mL)で2回、3重量%酢酸水溶液(78mL)で2回、イオン交換水(78mL)で2回の順番で洗浄した。
有機層を水層と分離した後、得られた有機層をメタノールに滴下することで固体を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したシリカゲルカラムおよびアルミナカラムに通液させた。得られた溶液をメタノールに滴下することで固体を沈殿させ、ろ取、乾燥させることにより、高分子化合物P7(4.95g)を得た。高分子化合物P7のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、Mn=1.4×10、Mw=4.1×10であった。
高分子化合物P7は、単量体の仕込み比率から以下の構成単位およびモル比率を有し、(PA)の構成単位と(PB)から選ばれる構成単位とが交互に重合した高分子化合物と推定される。
Figure 0006331617
<合成例13>金属錯体CM2の合成
金属錯体CM2は、国際公報第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
<合成例14>金属錯体CM3の合成
金属錯体CM3は、特開2011−105701号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0006331617
<実施例D1> 発光素子D1の作製と評価
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコートにより約35nmで成膜し、ホットプレート上で170℃、15分間乾燥させ、正孔注入層とした。
次に、ポリビニルカルバゾール(以下、「PVK」と言う。)(アルドリッチ社製)をクロロベンゼンに0.6重量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、スピンコート法により前記正孔注入層の上にPVKを厚み20nmとなるように回転速度2500rpmの回転速度で成膜した後、酸素濃度および水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素ガス雰囲気下で、180℃、60分間乾燥させ、正孔輸送層とした。
次に、高分子化合物P1および金属錯体M1をそれぞれキシレンに1.6重量%で溶解させ、重量比で高分子化合物P1:金属錯体M1=80:20となるように混合させ、組成物D1を作製した。この組成物D1を前記正孔輸送層の上に約75nmの厚みとなるようにスピンコート法により回転速度1900rpmで成膜した後、酸素濃度および水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素ガス雰囲気下で、130℃、10分間乾燥させ発光層とした。
次に、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、前記発光層の上にフッ化ナトリウムを約3nm、次いで、フッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D1を作製した。発光素子D1について、システム技研株式会社製 OLED 25ch−IVL測定装置を用いて0Vから12Vまで電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、青色のEL発光が得られ、輝度100cd/mにおいて、駆動電圧8.0V、発光効率35.0cd/A、CIE色度座標(0.151,0.306)であった。結果を表2に示す。
<実施例D2> 発光素子D2の作製と評価
実施例D1において、高分子化合物P1および金属錯体M2をそれぞれキシレンに1.6重量%で溶解させ、重量比で高分子化合物P1:金属錯体M2=80:20となるように混合させ、組成物D2を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を1900rpmから2000rpmに代えたこと以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。得られた発光素子D2に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、青色のEL発光が得られ、輝度100cd/mにおいて、駆動電圧6.9V、発光効率37.7cd/A、CIE色度座標(0.150,0.313)であった。結果を表2に示す。
<実施例D3> 発光素子D3の作製と評価
実施例D1において、高分子化合物P1および金属錯体M5をそれぞれキシレンに1.6重量%で溶解させ、重量比で高分子化合物P1:金属錯体M5=80:20となるように混合させて組成物D3を作製したこと以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D3を作製した。得られた発光素子D3に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、青色のEL発光が得られ、輝度100cd/mにおいて、駆動電圧8.6V、発光効率31.1cd/A、CIE色度座標(0.156,0.336)であった。結果を表2に示す。
<比較例CD1>発光素子CD1の作製と評価
実施例D1において、高分子化合物P1および金属錯体CM1をそれぞれキシレンに1.6重量%で溶解させ、重量比で高分子化合物P1:金属錯体CM1=80:20となるように混合させ、組成物CD1を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を1900rpmから1920rpmに代えたこと以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD1を作製した。得られた発光素子CD1に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、青色のEL発光が得られ、輝度100cd/mにおいて、駆動電圧7.4V、発光効率27.4cd/A、CIE色度座標(0.152,0.309)であった。結果を表2に示す。
Figure 0006331617
<実施例D4> 発光素子D4の作製と評価
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコートにより約65nmで成膜し、ホットプレート上で170℃、15分間乾燥させ、正孔注入層とした。
次に、高分子化合物P3をキシレンに0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、スピンコート法により前記正孔注入層の上に高分子化合物P3を厚み20nmとなるように回転速度2000rpmの回転速度で成膜した後、酸素濃度および水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素ガス雰囲気下で、180℃、60分間乾燥させ、正孔輸送層とした。
次に、高分子化合物P2および金属錯体M6をそれぞれキシレンに2.2重量%で溶解させ、重量比で高分子化合物P2:金属錯体M6=60:40となるように混合させ、組成物D4を作製した。この組成物D4を前記正孔輸送層の上に約80nmの厚みとなるようにスピンコート法により回転速度2650rpmで成膜した後、酸素濃度および水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素ガス雰囲気下で、150℃、10分間乾燥させ発光層とした。
次に、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、前記発光層の上にフッ化ナトリウムを約3nm、次いで、フッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D4を作製した。発光素子D4について、システム技研株式会社製 OLED 25ch−IVL測定装置を用いて0Vから12Vまで電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、緑色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率43.4cd/A、CIE色度座標(0.314,0.634)であった。結果を表3に示す。
<比較例CD2> 発光素子CD2の作製と評価
実施例D4において、高分子化合物P2および金属錯体M6を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体M6=60重量%/40重量%)に代えて、高分子化合物P2および金属錯体CM2を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体CM2=60重量%/40重量%)を用いて組成物CD2を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を2650rpmから2700rpmに代えたこと以外は、実施例D4と同様にして、発光素子CD2を作製した。得られた発光素子CD2に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、緑色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率38.7cd/A、CIE色度座標(0.312,0.635)であった。結果を表3に示す。
Figure 0006331617
<実施例D5> 発光素子D5の作製と評価
実施例D4において、高分子化合物P3に代えて、高分子化合物P4を用いて組成物D5を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を2650rpmから1280rpmに代えたこと以外は、実施例D4を同様にして、発光素子D5を作製した。得られた発光素子D5に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、緑色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率62.0cd/A、CIE色度座標(0.315,0.634)であった。結果を表4に示す。
<実施例D6> 発光素子D6の作製と評価
実施例D4において、高分子化合物P3に代えて、高分子化合物P4を用い、かつ、高分子化合物P2および金属錯体M6を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体M6=60重量%/40重量%)に代えて、高分子化合物P2および金属錯体M7を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体M7=60重量%/40重量%)を用いて組成物D6を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を2650rpmから1270rpmに代えたこと以外は、実施例D4と同様にして、発光素子D6を作製した。得られた発光素子D6に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、緑色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率62.0cd/A、CIE色度座標(0.326,0.631)であった。結果を表4に示す。
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製と評価
実施例D4において、高分子化合物P3に代えて、高分子化合物P4を用い、かつ、高分子化合物P2および金属錯体M6を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体M6=60重量%/40重量%)に代えて、高分子化合物P2および金属錯体CM2を溶解させたキシレン溶液(1.8重量%、高分子化合物P2/金属錯体CM2=60重量%/40重量%)を用いて組成物CD3を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を2650rpmから1260rpmに代えたこと以外は、実施例D4と同様にして、発光素子CD3を作製した。得られた発光素子CD3に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、緑色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率53.2cd/A、CIE色度座標(0.314,0.634)であった。結果を表4に示す。
Figure 0006331617
<実施例D7> 発光素子D7の作製と評価
実施例D5において、高分子化合物P2および金属錯体M6を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体M6=60重量%/40重量%)に代えて、高分子化合物P5および金属錯体M3を溶解させたキシレン溶液(2.0重量%、高分子化合物P5/金属錯体M3=50重量%/50重量%)を用いて組成物D7を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を1280rpmから1700rpmに代えたこと以外は、実施例D5と同様にして、発光素子D7を作製した。得られた発光素子D7に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、緑色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率64.5cd/A、CIE色度座標(0.285,0.644)であった。結果を表5に示す。
<比較例CD4> 発光素子CD4の作製と評価
実施例D5において、高分子化合物P2および金属錯体M6を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体M6=60重量%/40重量%)に代えて、高分子化合物P5および金属錯体CM2を溶解させたキシレン溶液(2.0重量%、高分子化合物P5/金属錯体CM2=50重量%/50重量%)を用いて組成物CD4を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を1280rpmから1540rpmに代えたこと以外は、実施例D5と同様にして、発光素子CD4を作製した。得られた発光素子CD4に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、緑色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率34.4cd/A、CIE色度座標(0.306,0.640)であった。結果を表5に示す。
Figure 0006331617
<実施例D8> 発光素子D8の作製と評価
実施例D5において、高分子化合物P2および金属錯体M6を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体M6=60重量%/40重量%)に代えて、高分子化合物P2および金属錯体M4を溶解させたキシレン溶液(1.8重量%、高分子化合物P2/金属錯体M4=60重量%/40重量%)を用いて組成物D8を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を1280rpmから1420rpmに代えたこと以外は、実施例D5と同様にして、発光素子D8を作製した。得られた発光素子D8に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、黄色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率41.9cd/A、CIE色度座標(0.437,0.554)であった。結果を表6に示す。
<実施例D9> 発光素子D9の作製と評価
実施例D5において、高分子化合物P2および金属錯体M6を溶解させたキシレン溶液(2.2重量%、高分子化合物P2/金属錯体M6=60重量%/40重量%)に代えて、高分子化合物P6を溶解させたキシレン溶液(2.4重量%)を用いて組成物D9を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を1280rpmから1600rpmに代えたこと以外は、実施例D5と同様にして、発光素子D9を作製した。得られた発光素子D9に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、黄色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率48.9cd/A、CIE色度座標(0.451,0.542)であった。結果を表6に示す。
Figure 0006331617
<実施例D10> 発光素子D10の作製と評価
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコートにより約65nmで成膜し、ホットプレート上で170℃、15分間乾燥させ、正孔注入層とした。
次に、高分子化合物P4をキシレンに0.7重量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、スピンコート法により前記正孔注入層の上に高分子化合物P4を厚み20nmとなるように回転速度2270rpmの回転速度で成膜した後、酸素濃度および水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素ガス雰囲気下で、180℃、60分間乾燥させ、正孔輸送層とした。
次に、高分子化合物P7および金属錯体M8をそれぞれキシレンに1.8重量%で溶解させ、重量比で高分子化合物P7:金属錯体M8=92.5:7.5となるように混合させ、組成物D10を作製した。この組成物D10を前記正孔輸送層の上に約90nmの厚みとなるようにスピンコート法により回転速度2050rpmで成膜した後、酸素濃度および水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素ガス雰囲気下で、150℃、10分間乾燥させ発光層とした。
次に、1.0×10−4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、前記発光層の上にフッ化ナトリウムを約3nm、次いで、フッ化ナトリウムの層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D10を作製した。得られた発光素子D10に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、赤色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率20.5cd/A、CIE色度座標(0.641,0.356)であった。結果を表7に示す。
<比較例CD5> 発光素子CD5の作製と評価
実施例D10において、高分子化合物P7および金属錯体M8を溶解させたキシレン溶液(1.8重量%、高分子化合物P7/金属錯体M8=92.5重量%/7.5重量%)に代えて、高分子化合物P7および金属錯体CM3を溶解させたキシレン溶液(1.8重量%)を用いて組成物CD5を作製し、かつ、該組成物を用いたスピンコート法の回転速度を2050rpmから1890rpmに代えたこと以外は、実施例D10と同様にして、発光素子CD5を作製した。得られた発光素子CD5に電圧を印加して素子を発光させ、発光輝度、効率、色度を測定したところ、赤色のEL発光が得られ、輝度1000cd/mにおいて、発光効率18.5cd/A、CIE色度座標(0.648,0.350)であった。結果を表7に示す。
Figure 0006331617

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表される金属錯体。
    Figure 0006331617
    [式(1)中、
    Mは、イリジウム原子を表す。
    n1は、1、2または3を表す。n2は、0、1または2を表し、n1+n2=3である
    −G−Aは、1価のアニオン性2座配位子を表し、Gは、AおよびAと共に2座配位子を構成する原子団を表す。AおよびAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表す。
    m1およびm2は、それぞれ独立に、3または4を表す。
    および 、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。 2 およびE は、炭素原子を表す。複数存在するE は、同一でも異なっていてもよい。Eが窒素原子の場合、RA1は存在しても存在しなくてもよい
    A1およびRA2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子または下記式(2)で表される基を表す。複数存在するRA1およびRA2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。隣接するRA1同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。隣接するRA2同士が結合して、それぞれが結合するE2とともに環を形成していてもよい。Eに隣接するEと結合するRA1と、Eに隣接するEと結合するRA2とが結合して、それぞれが結合するEおよびEとともに環を形成していてもよい。ただし、複数存在するRA1およびRA2の少なくとも1つは、下記式(2)で表される基である。
    環Aは、窒素原子、Eおよびm1個のEとで構成される、5員環または6員環の芳香族複素環を表す。
    環Bは、炭素原子、Eおよびm2個のEとで構成される、6員環の芳香族炭化水素環を表す。
    は、単結合、−N(R)−、−C(R−または酸素原子を表す。Rは、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 0006331617
    [式(2)中、
    は、単結合または下記群Iから選ばれる連結基を表す。
    は、下記式(3)で表される基を表す。]
    <群I>
    −O−、−[C(R−、下記式(I−a)で表される基、および、下記式(I−b)で表される基。
    は、水素原子またはアルキル基を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    jは1〜10の整数を表す。
    Figure 0006331617
    [式(I−a)および(I−b)中、
    〜Zは、それぞれ独立に、窒素原子または−C(R)=を表す。Rは前記と同じ意味を表す。]
    Figure 0006331617
    [式(3)中、
    〜Z13は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。Z〜Z13が窒素原子の場合、Z〜Z13とそれぞれ結合するRD1〜RD5は存在しない。ただし、Z〜Z13の少なくとも1つは炭素原子である。
    D1〜RD5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、下記式(4)で表される基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基を表す。ただし、RD1〜RD5の少なくとも一つは、下記式(4)で表される基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基である。]
    Figure 0006331617
    Figure 0006331617
    [式(5)中、
    E1〜RE5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RE1〜RE5の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
    Figure 0006331617
    [式(6)中、
    F1〜RF3は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。
    F4〜RF13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RF4〜RF13の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
  2. 前記式(3)で表される基が、下記式(7−1)で表される基、下記式(7−2)で表される基または下記式(7−3)で表される基である、請求項1に記載の金属錯体。
    Figure 0006331617
    [式(7−1)〜式(7−3)中、
    G1〜RG40は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。]
  3. 前記式(1)で表される金属錯体が、下記式(1−a)で表される金属錯体である、請求項1または2に記載の金属錯体。
    Figure 0006331617
    [式(1−a)中、
    M、E、E、環A、A、A、G、n1およびn2は、前記と同じ意味を表す。
    m3は、3または4を表す。
    A4は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。複数存在するRA4は、同一でも異なっていてもよい。隣接するRA4同士が結合して、それぞれが結合するEとともに環を形成していてもよい。
    A5〜RA8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン原子または前記式(2)で表される基を表す。ただし、RA5〜RA8の少なくとも1つは前記式(2)で表される基である。]
  4. 前記環Aが、置換基を有していてもよいピリジン環、置換基を有していてもよいイミダゾール環、または、置換基を有していてもよいトリアゾール環である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属錯体。
  5. 前記式(1−a)で表される金属錯体が、下記式(1−b)で表される金属錯体である、請求項3または4に記載の金属錯体。
    Figure 0006331617
    [式(1−b)中、
    M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3、RA4およびDは、前記と同じ意味を表す。]
  6. 前記式(1−b)で表される金属錯体が、下記式(1−c)で表される金属錯体、下記式(1−d)で表される金属錯体または下記式(1−e)で表される金属錯体である、請求項5に記載の金属錯体。
    Figure 0006331617
    [式(1−c)中、
    M、A、A、G、n1、n2およびDは、前記と同じ意味を表す。
    A9〜RA12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。RA9とRA10が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RA10とRA11が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよく、RA11とRA12が結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
    Figure 0006331617
    [式(1−d)中、
    M、A、A、G、n1、n2およびDは、前記と同じ意味を表す。
    A13は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。
    A14は、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表す。]
    Figure 0006331617
    [式(1−e)中、
    M、A、A、G、n1、n2およびDは、前記と同じ意味を表す。
    A15は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の芳香族複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、置換アミノ基、置換カルボニル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基またはハロゲン原子を表す。
    A16は、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表す。]
  7. 前記式(1−b)で表される金属錯体が、下記式(1−f)で表される金属錯体である、請求項5に記載の金属錯体。
    Figure 0006331617
    [式(1−f)中、
    M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。
    は、下記式(8)で表される基を表す。]
    Figure 0006331617
    [式(8)中、
    〜Z13は、前記と同じ意味を表す。
    K1〜RK5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、前記式(5)で表される基または前記式(6)で表される基を表す。ただし、RK1〜RK5の少なくとも一つは、前記式(5)で表される基または前記式(6)で表される基である。]
  8. 1が3であり、n2が0である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属錯体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属錯体から誘導される基を構成単位として含む高分子化合物。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属錯体または請求項9に記載の高分子化合物と、
    正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を含有する組成物。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属錯体または請求項9に記載の高分子化合物と、溶媒を含有する液状組成物。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属錯体または請求項9に記載の高分子化合物を含有する有機薄膜。
  13. 陽極と、陰極と、該陽極と該陰極との間に設けられた有機層を備える発光素子であって、
    該有機層が請求項1〜8のいずれか一項に記載の金属錯体または請求項9に記載の高分子化合物を含有する発光素子。
  14. 下記式(9)で表される化合物。
    (但し、3,5−ビス(4−tert−オクチルフェニル)−4−メチルベンゼンボロン酸ピナコールエステルを除く。)
    Figure 0006331617
    [式(9)中、
    は、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。XおよびXは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基または−ORで表される基を表し、XとXが結合して、それぞれが結合するホウ素原子とともに環を形成していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
    〜Z13は、それぞれ独立に、窒素原子または炭素原子を表す。Z〜Z13が窒素原子の場合、Z〜Z13とそれぞれ結合するRK1〜RK5は存在しない。ただし、Z〜Z13の少なくとも1つは炭素原子である。
    K1〜RK5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、下記式(5)で表される基、または、下記式(6)で表される基を表す。ただし、RK1〜RK5の少なくとも2つは、下記式(5)で表される基または下記式(6)で表される基である。]
    Figure 0006331617
    Figure 0006331617
    [式(5)中、
    E1〜RE5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RE1〜RE5の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
    Figure 0006331617
    [式(6)中、
    F1〜RF13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基または前記式(4)で表される基を表す。ただし、RF1〜RF13の少なくとも一つは、前記式(4)で表される基である。]
  15. 請求項14に記載の前記式(9)で表される化合物と、下記式(10)で表される金属錯体を反応させる工程を含む、請求項7に記載の前記式(1−f)で表される金属錯体の製造方法。
    Figure 0006331617
    [式(10)中、
    M、E、E、環A、A、A、G、n1、n2、m3およびRA4は、前記と同じ意味を表す。
    は、−B(X)(X)で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。XおよびXは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基または−ORで表される基を表し、XとXが結合して、それぞれが結合するホウ素原子とともに環を形成していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。]
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