JP2013237790A - 高分子化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】末端の構成単位が重水素原子を有する下記式に例示する高分子化合物の製造方法であって、該末端の構成単位は、重水素原子を有する末端封止剤により末端を封止することで形成される、高分子化合物の製造方法。
Figure 2013237790

【選択図】なし

Description

本発明は、高分子化合物の製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「発光素子」と言う。)は、高発光効率、低電圧駆動等の特性のため、ディスプレイの用途に好適に使用することが可能であり、盛んに研究開発が行われている。発光素子の製造には、発光材料や電荷輸送性材料が用いられる。発光材料や電荷輸送性材料としては、低分子化合物を使用する場合と、高分子化合物を使用する場合とがある。高分子化合物を使用する場合、インクジェット印刷法等の塗布法により均一な膜を形成することが可能であるため、特に大型ディスプレイを製造する場合に有利である。
近年、発光素子の製造に用いられる高分子化合物については、高分子化合物を構成する構成単位の構造や比率等に注目した研究開発が行われており(例えば、特許文献1および特許文献2)、高分子化合物を構成する末端の構造単位に注目した研究開発も行われている(例えば、特許文献3および特許文献4)。
国際公開第99/54385号 特開2008−56909号公報 特開2007−138145号公報 特開2007−51208号公報
しかしながら、上記の高分子化合物を用いて製造される発光素子は、その輝度寿命が必ずしも十分ではなかった。
そこで本発明は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物の製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、該製造方法で得られた高分子化合物を含有する組成物および有機薄膜、有機薄膜を用いた発光素子、並びに発光素子を用いた面状光源および表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の高分子化合物の製造方法、該製造方法で得られた高分子化合物を含有する組成物および有機薄膜、有機薄膜を用いた発光素子、並びに発光素子を用いた面状光源および表示装置を提供する。
[1] 末端の構成単位が重水素原子を有する高分子化合物の製造方法であって、
該末端の構成単位は、重水素原子を有する末端封止剤により末端を封止することで形成される、高分子化合物の製造方法。
[2] 前記高分子化合物の末端の構成単位以外の構成単位が、重合性基を2つ以上有する化合物の単独重合または共重合によって形成され、かつ、
前記末端封止剤が、該重合性基と反応しうる反応性基を1つだけ有する化合物である、[1]に記載の高分子化合物の製造方法。
[3] 前記末端封止剤が、下記式(1)で表される化合物である、[1]または[2]に記載の高分子化合物の製造方法。
Figure 2013237790
(1)
[式中、
は、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、
は、重合性基と反応しうる反応性基を表す。
ただし、Tは、重水素原子を有する。]
[4] 前記Tが、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ベンゾフルオレン、スピロビフルオレン、インデノフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、ピロール、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、インドールまたはカルバゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基(当該基は置換基を有していてもよい。)である、[3]に記載の高分子化合物の製造方法。
[5] 前記Tが、置換基を有していてもよいベンゼンから、環を構成する炭素原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基であることを特徴とする、[4]に記載の高分子化合物の製造方法。
[6] 前記重合性基と反応しうる前記反応性基が、遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合性基と反応しうる反応性基である、[2]〜[5]のいずれか一つに記載の高分子化合物の製造方法。
[7] 前記遷移金属触媒を用いるカップリング反応が、Suzuki反応、Buchwald反応またはYamamoto反応である、[6]に記載の高分子化合物の製造方法。
[8] 前記重合性基を2つ以上有する化合物が、下記式(3)で表される化合物である、[2]〜[7]のいずれか一つに記載の高分子化合物の製造方法。
Figure 2013237790
(3)
[式中、
およびXは、それぞれ独立に、重合性基を表す。
は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。]
[9] 前記Bが、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、クオターフェニル、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、インデン、フルオレン、ベンゾフルオレン、インデノフルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、ピレン、ペリレンまたはクリセンから、環を構成する炭素原子に直接結合する2個の水素原子を除いてなる基(当該基は置換基を有していてもよい。)である、[8]に記載の高分子化合物の製造方法。
[10] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の製造方法で得られた高分子化合物と、
正孔輸送性材料、電子輸送性材料および発光材料からなる群から選ばれる1種以上の材料と、を含有する組成物。
[11] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の製造方法で得られた高分子化合物と、溶媒と、を含有する組成物。
[12] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の製造方法で得られた高分子化合物を含有する、有機薄膜。
[13] 陽極と、陰極と、該陽極および該陰極の間に有機層と、を有し、
該有機層が、[12]に記載の有機薄膜である、発光素子。
[14] [13]に記載の発光素子を用いた、面状光源または表示装置。
本発明によれば、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該製造方法で得られた高分子化合物を含有する組成物および有機薄膜、有機薄膜を用いた発光素子、並びに発光素子を用いた面状光源および表示装置を提供することができる。
第1実施形態に係る発光素子の模式断面図である。 第2実施形態に係る発光素子の模式断面図である。 本実施形態に係る面状光源の模式断面図の一例である。
以下、本発明の高分子化合物の製造方法、該製造方法で得られた高分子化合物を含有する組成物、有機薄膜、発光素子、面状光源および表示装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
以下、本明細書において共通して用いられる用語について、必要に応じて例を挙げて説明する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位構造を意味する。「構成単位」は、「繰り返し単位(すなわち、高分子化合物中に2個以上存在する単位構造)」として高分子化合物中に含まれることが好ましい。
「重水素原子」とは、二重水素原子または三重水素原子のいずれであってもよいが、好ましくは二重水素原子である。
(高分子化合物の製造方法)
本発明の高分子化合物の製造方法は、末端の構成単位が重水素原子を有する高分子化合物の製造方法であって、該末端の構成単位は、重水素原子を有する末端封止剤により末端を封止することで形成される。
本実施形態の製造方法において、末端の構成単位以外の構成単位が、重合性基を2つ以上有する化合物の単独重合または共重合によって形成されることが好ましい。また、本実施形態の製造方法において、末端封止剤が、該重合性基と反応しうる反応性基を1つだけ有する化合物と組み合わせることがより好ましい。
「重合性基」は、重合反応条件下において、重合反応が進行するために必要な反応性基である。
本実施形態の製造方法において、前記重合反応条件と後述の末端封止反応条件は、同一であっても異なっていてもよい。
「末端の構成単位以外の構成単位」とは、重合性基を有する化合物同士が重合反応をすることによって形成される構成単位を意味する。
重合反応は、公知の重合反応を用いることができ、付加重合、縮合重合またはそれらの組み合わせが好ましく、縮合重合であることがより好ましい。
付加重合としては、アニオン重合、カチオン重合またはラジカル重合等の公知の重合方法を用いることができる
縮合重合としては、例えば、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いることができる。また、本発明の製造方法において、末端の構成単位以外の構成単位の重合性基を有する化合物として、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)等に記載の公知の化合物を用いることもできる。
縮合重合としては、Suzuki反応、Yamamoto反応およびBuchwald反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法、並びに、Gilch反応、Wittig反応およびKnoevenagel反応等の遷移金属触媒を用いない反応により重合させる方法が好ましく、遷移金属を触媒として用いるカップリング反応により重合させる方法がより好ましい。
本発明の製造方法により得られる高分子化合物は、ランダム共重合、ブロック共重合、交互共重合、グラフト共重合またはそれらの組み合わせのいずれであってもよい。
本発明の製造方法において、末端封止剤は、重合性基と反応しうる反応性基を1つだけ有する化合物であることが好ましい。末端封止剤としては、高分子化合物または低分子化合物のいずれであってもよいが、低分子化合物が好ましい。
本明細書において、低分子化合物の分子量は、通常、5000以下であり、好ましくは、2000以下である。
「重合性基と反応しうる反応性基」とは、末端封止反応条件下において、重合性基と反応することのできる反応性基を意味する。
「末端の構成単位」とは、重合性基を有する構成単位と、重合性基と反応しうる反応性基を有する末端封止剤と、が反応することにより、新たに形成される構成単位を意味する。
「重合性基と反応しうる反応性基」は、特に限定されないが、重合性基と付加反応または縮合反応をすることのできる反応性基であることが好ましく、重合性基と縮合反応をすることのできる反応性基であることがより好ましい。
付加反応としては、多重結合への直接的付加反応、ペリ環状反応、アニオン中間体を経る付加反応、カチオン中間体を経る付加反応、並びに、ラジカル中間体を経る付加反応等が例示される。
縮合反応としては、Suzuki反応、Yamamoto反応およびBuchwald反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応、並びに、フィッシャーエステル合成反応、Wittig反応およびKnoevenagel反応等の遷移金属触媒を用いない反応が好ましく、遷移金属触媒を用いるカップリング反応がより好ましい。
遷移金属触媒としては、均一系遷移金属触媒または不均一系遷移金属触媒のいずれであってもよい。
遷移金属触媒に含まれる遷移金属は、特に限定されないが、パラジウム、ニッケル、銅または鉄が好ましく、パラジウムまたはニッケルがより好ましい。
遷移金属触媒は、遷移金属に配位子が配位した錯体が好ましい。
配位子としては、遷移金属に配位可能な配位子であれば特に限定されないが、リン系配位子、窒素系配位子、酸素系配位子、炭素系配位子等が挙げられる。
リン系配位子としては、遷移金属に配位可能なリン原子を有する配位子であれば特に限定されないが、ホスフィン配位子が好ましく、3級ホスフィン配位子がより好ましい。
具体的には、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)、1,3―ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPPP)、1,2―ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE)、2,2''−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル(BINAP)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',6'−ジメトキシビフェニル(SPhos)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(XPhos)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2'−メチルビフェニル(MePhos)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2'−(ジメチルアミノ)ビフェニル(DavePhos)および2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル(JohnPhos)等が挙げられる。なお、該ホスフィン配位子は、第4級ホスホニウム塩で用いてもよい。
窒素系配位子としては、遷移金属に配位可能な窒素原子を有する配位子であれば特に限定制限されないが、ピリジン、ジメチルピリジン、ビピリジン、ターピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントロリン、N,N−ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)、ポリフィリン等の含窒素芳香族複素環を含む配位子およびその塩、アンモニア、アニリン、ジイソプロピルアミン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、N,N,N',N'−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン(TMEDA)等のアミン系配位子およびその第4級アンモニウム塩、並びに、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系配位子等が挙げられる。
酸素系配位子としては、遷移金属に配位可能な酸素原子を有する配位子であれば特に限定されないが、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよびジメトキシエタン等のエーテル系配位子、メタノール、エタノール、フェノールおよび1,1'-ビナフタレン−2,2'−ジオール等のアルコール系配位子、酢酸およびアセチルアセトン等のアシル系配位子、並びに、リン酸エステル、フェニルホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸エステル、トリフェニルホスフィンオキシドおよびトリメチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド系配位子等が挙げられる。
炭素系配位子としては、遷移金属に配位可能な炭素原子を有する配位子であれば特に限定されないが、エチレン、1−へキセン、シクロペンタジエン、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,5―シクロオクタジエン(COD)および2−フェニルエチニルベンゼン等の炭素−炭素多結合を含む配位子、シアノメチルイソシアニドおよびフェニルイソシアニド等のイソシアニド系配位子、N−ヘテロ環状カルベン等のカルベン配位子、並びに、一酸化炭素等が挙げられる。
アニオン配位子としては、遷移金属にアニオン性原子団で配位結合しているものであれば特に限定されない。アニオン性配位子の具体例としては、ヒドリド、ハロゲン化物イオン、シアノ化物イオン、メトキシ基、フェノキシ基、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、トリフルオロメタンスルホナート、アセテートおよびアセチルアセトナート等のオキシアニオン系配位子、並びに、メチル基、エチル基、ビニル基およびフェニル基のカルボアニオン系配位子等が挙げられる。
遷移金属触媒であるパラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)およびヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等のパラジウム錯体等、並びに、該パラジウム錯体に配位子が配位した錯体等が挙げられる。
ニッケル触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、[ビス(1,5−シクロオクタジエン)]ニッケル(0)、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル(II)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)ニッケル(II)およびハロゲン化ニッケル(II)等のニッケル錯体等、並びに、該ニッケル錯体に配位子が配位した錯体等が挙げられる。
銅触媒としては、酸化銅(I)、酸化銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、ハロゲン化銅(I)、ビス(2,4−ペンタンジオナト)銅(II)およびトリフルオロメタンスルホン酸銅(II)等の銅錯体等、並びに、該銅錯体に配位子が配位した錯体等が挙げられる。
鉄触媒としては、2価もしくは3価の酸化鉄、2価もしくは3価の酢酸鉄、2価もしくは3価のハロゲン化鉄、アセチルアセトン鉄(III)、トリス(2,4−ペンタンジオナト)鉄(III)および2価もしくは3価のトリフルオロメタンスルホン酸鉄等の鉄錯体等、並びに、該鉄錯体に配位子が配位した錯体等が挙げられる。
上述の触媒は、予め合成したものをそのまま用いてもよいし、遷移金属と配位子とを反応系中で調製した触媒を用いてもよい。配位子としては、リン系配位子、窒素系配位子、酸素系配位子または炭素系配位子が好ましく、リン系配位子または窒素系配位子がより好ましい。なお、これらの触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
触媒の使用量は、触媒としての有効量であればよく、例えば、重合性基および重合性基と反応しうる反応性基の合計100モル%に対して、遷移金属のモル数換算で通常0.0001〜300モル%であり、好ましくは0.001〜50モル%である。
上記の製造方法において、重合性基および重合性基と反応しうる反応性基のモル数は、該高分子化合物の合成時の仕込みモノマー比および合成された高分子化合物の数平均分子量から、推定される高分子化合物の構造を用いて、算出することができる。また、元素分析またはNMRを用いて、重合性基および重合性基と反応しうる反応性基のモル数を算出することもできる。
高分子化合物の重量平均分子量および数平均分子量は、通常SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定により決定される。SEC測定では高分子量成分ほど溶出時間が短く、低分子量成分ほど溶出時間が長くなるが、分子量既知のポリスチレン(標準試料)の溶出時間から算出した校正曲線を用いて、サンプルの溶出時間を分子量に換算することによって、重量平均分子量および数平均分子量を算出する。
パラジウム触媒を用いるカップリング反応としては、Suzuki反応、Stille反応、Buchwald反応、Hiyama反応、Heck反応、Negishi反応、Kumada反応、Sonogashira反応、Tsuji―Trost反応、脱炭酸的カップリング反応が例示される。
ニッケル触媒を用いるカップリング反応としては、Yamamoto反応、Kumada反応が例示される。
銅触媒をを用いるカップリング反応としては、Ullmann反応、Glaser反応が例示される。
鉄触媒を用いるカップリング反応としては、Kochi反応が例示される。
遷移金属触媒を用いるカップリング反応としては、Suzuki反応、Stille反応、Buchwald反応、Hiyama反応、Heck反応、Negishi反応、Kumada反応、Sonogashira反応、Yamamoto反応またはUllmann反応が好ましく、Suzuki反応、Stille反応、Buchwald反応、Hiyama反応、Negishi反応、Kumada反応またはYamamoto反応がより好ましく、Suzuki反応、Buchwald反応またはYamamoto反応がさらに好ましい。
本実施形態の製造方法において、使用する末端封止剤および重合性基を有する化合物は、予め合成し単離したものを用いてもよく、反応系中で合成してそのまま用いてもよい。
本実施形態の製造方法により得られる高分子化合物を発光素子の製造に用いる場合、その純度が発光素子の性能に影響を与えることがある。そのため、使用する末端封止剤および重合性基を有する化合物は蒸留、クロマトグラフィー、昇華精製、再結晶等の方法またはその組み合わせで精製されていることが好ましい。
遷移金属触媒を用いるカップリング反応において、塩基を用いる場合、塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基、ブチルリチウム、カリウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。また、前述の配位子を塩基として使用することもできる。
塩基の使用量は、重合性基および重合性基と反応しうる反応性基の合計100モル%に対して、通常10〜2000モル%である。
遷移金属触媒を用いるカップリング反応は、溶媒の非存在下で行っても、溶媒の存在下で行ってもよいが、通常、有機溶媒の存在下で行う。ここで有機溶媒としては、トルエン、キシレンおよびメシチレン等の芳香族炭化水素系の溶媒、ヘキサン、シクロヘキサンおよびデカリン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンおよびジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2-プロパノール、tert−ブチルアルコールおよびフェノール等のアルコール系溶媒、塩化メチレンおよびクロロホルム等のハロゲン系溶媒、アセトニトリルおよびベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、並びに、アセトン、酢酸、酢酸エチル、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN,N−ジメチルホルムアミド等のアシル系溶媒が挙げられる。一般的に、副反応を抑制するために、脱酸素処理を行った溶媒を用いることが望ましい。有機溶媒は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
有機溶媒の使用量は、末端封止剤、重合性基を有する化合物および高分子化合物の合計濃度が、0.01〜90重量%になる量であることが好ましく、1〜50重量%になる量であることがより好ましい。
遷移金属触媒を用いるカップリング反応の反応温度は、好ましくは−100〜200℃であり、より好ましくは−80〜150℃であり、さらに好ましくは0〜120℃である。また、反応時間は、通常、1時間以上であり、好ましくは2〜500時間である。
本発明の製造方法において、上記末端の構成単位以外の構成単位と、重水素原子を有する末端封止剤と、を反応させる時機は特に限定されない。
例えば、付加重合においては、開始剤および停止剤の少なくとも一方に重水素原子を有する末端封止剤を用いることができる。
また、付加重合により末端の構成単位以外の構成単位を形成した後、次いで重水素原子を有する末端封止剤を付加反応または縮合反応させることもできる。さらに、付加重合により末端の構成単位以外の構成単位を形成した後、次いで後述する後処理により処理した後、さらに重水素原子を有する末端封止剤を付加反応または縮合反応させることもできる。
例えば、縮合重合においては、末端の構成単位以外の構成単位を形成する化合物と重水素原子を有する末端封止剤との反応は、いつ行ってもよく、重合中または重合後が好ましい。
前記重合後は、上記縮合重合により末端の構成単位以外の構成単位を形成した後を意味し、後述する後処理により処理した後であってもよい。
本発明の製造方法において、例えば、縮合重合により末端の構成単位以外の構成単位を形成した後、該末端の構成単位以外の構成単位と重水素原子を有する末端封止剤とを付加反応または縮合反応させることができる。また、縮合重合により末端の構成単位以外の構成単位を形成した後、後述する後処理で処理を行い、末端の構成単位以外の構成単位と重水素原子を有する末端封止剤とを付加反応または縮合反応させることもできる。
本発明の製造方法において、重合反応後または末端封止反応後の後処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法や、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過、乾燥させる方法等を単独、または組み合わせて行うことができる。
本発明の製造方法により得られる高分子化合物の純度が低い場合には、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製すればよいが、本発明の製造方法で得られる高分子化合物を発光素子の製造に用いる場合、その純度が発光特性等の発光素子の性能に影響を与えることがあるため、縮合重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
本実施形態の製造方法において、重水素原子を有する末端封止剤は、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013237790
(1)
式(1)中、Tは、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ただし、Tは重水素原子を有する。
本明細書において、「アルキル基」は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基または環状アルキル基(シクロアルキル基)のいずれであってもよい。アルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常1〜60(環状アルキル基の場合、通常3〜60)であり、好ましくは1〜20(環状アルキル基の場合、好ましくは3〜20)である。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基またはドデシル基が好ましい。
で表されるアルキル基は、前述のアルキル基の定義や例と、同様である。ただし、Tで表されるアルキル基は重水素原子を有する。
本明細書において、「アリール基」とは、芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基を意味する。
アリール基は、置換基を有していてもよく、炭素原子数が、置換基の炭素原子数を含まないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48であり、より好ましくは6〜30である。
アリール基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン、フルオレン、ピレン、ペリレン、ビフェニル、ターフェニル、フェニルナフタレン、フェニルアントラセン、フェニルフルオレン、フェニルフェナントレンから、環を構成する炭素原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基(当該基は置換基を有していてもよい)が例示される。
アリール基は、下記に例示される芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に直接結合する1個の水素原子を取り除いた基であることが好ましい。なお、当該基は置換基を有していてもよい。
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で表されるアリール基は、前述のアリール基の定義や例と、同様である。ただし、Tで表されるアリール基は重水素原子を有する。
本明細書において、「1価の芳香族複素環基」とは、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基を意味する。「芳香族複素環式化合物」とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含むものであって、芳香族性を示す化合物である。
「芳香族複素環式化合物」は、置換基を有していてもよく、炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常2〜60であり、好ましくは3〜30である。
1価の芳香族複素環基としては、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン等のヘテロ原子を含む複素環自体が芳香族性を示す化合物、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロールおよびベンゾピラン等のヘテロ原子を含む複素環それ自体は芳香族性を示さなくとも、該複素環に芳香族炭化水素が縮環されている化合物が挙げられる。
1価の芳香族複素環基は、下記に例示される芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する1個の水素原子を取り除いた基であることが好ましい。なお、当該基は置換基を有していてもよく、当該基が有するヘテロ原子に直接結合する水素原子は、置換基で置換されていることが好ましい。
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で表される1価の芳香族複素環基は、前述の1価の芳香族複素環基の定義や例と、同様である。ただし、Tで表される1価の芳香族複素環基は重水素原子を有する。
は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ベンゾフルオレン、スピロビフルオレン、インデノフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、ピロール、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、インドールまたはカルバゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基であることがより好ましい。なお、これらの基は置換基を有してもよい。ただし、Tは重水素原子を有する。
は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ベンゾフルオレン、スピロビフルオレン、インデノフルオレン、フェナントレンまたはジヒドロフェナントレンから、環を構成する炭素原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基であることがさらに好ましい。なお、これらの基は置換基を有してもよい。ただし、Tは重水素原子を有する。
は、置換基を有してもよいベンゼンから、環を構成する炭素原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基であることが特に好ましい。なお、これらの基は置換基を有してもよい。ただし、Tは重水素原子を有する。
本明細書において、「置換基」とは、重水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−O−Rで表される基、−N(R)で表される基、−S−Rで表される基、−P(R)で表される基、−B(−O−R)で表される基、−Si(R)で表される基、アリール基および1価の芳香族複素環基を表し、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。ただし、該置換基は、重合反応条件下において、重合性基と実質的に反応しない基であり、かつ、末端封止条件下において、重合性基および重合性基と反応しうる反応性基と実質的に反応しない基が選ばれる。
は、水素原子、重水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表し、Rが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。Rは、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基が好ましい。
なお、RAで表されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基および1価の芳香族複素環基の定義や例は、後述の置換基であるアルキル基、アルケニル基、アルケニル基、アリール基および1価の芳香族複素環基の定義や例と、同様である。
置換基であるアルキル基、アリール基および1価の芳香族複素環基の定義や例は、上述のアルキル基、アリール基および1価の芳香族複素環基の定義や例と、同様である。
置換基であるアルケニル基は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルケニル基、分岐状アルケニル基および環状アルケニル基のいずれであってもよい。アルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20(環状アルケニル基の場合、好ましくは3〜20)である。
アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−へキセニル基、2−へキセニル基、3−へキセニル基、4−へキセニル基、5−へキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、2−オクテニル基、3−オクテニル基、4−オクテニル基、5−オクテニル基、6−オクテニル基、7−オクテニル基、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基または3−シクロヘキセニル基が好ましい。
置換基であるアルキニル基は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルキニル基、分岐状アルキニル基および環状アルキニル基のいずれであってもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、好ましくは2〜20(環状アルキニル基の場合、好ましくは3〜20)である。
「アルキニル基」としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、2−ヘプチニル基、3−ヘプチニル基、4−ヘプチニル基、5−ヘプチニル基、6−ヘプチニル基、1−オクチニル基、2−オクチニル基、3−オクチニル基、4−オクチニル基、5−オクチニル基、6−オクチニル基、7−オクチニル基、2−シクロヘキシニル基、3−シクロヘキシニル基またはシクロヘキシルエチニル基が好ましい。
置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましい。
が有してもよい、重水素原子以外の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−O−Rで表される基、−N(R)で表される基、−S−Rで表される基、アリール基または1価の芳香族複素環基が好ましく、アルキル基、−N(R)で表される基、アリール基または1価の芳香族複素環基がより好ましい。なお、これらの基はさらに置換基を有してもよい。
としては、下記の構造が例示される。なお、下記において、Dは重水素原子を表し、*はXとの結合位置を表し、Dとは、重水素原子X個を意味し、例えば、Dとは、重水素原子4個を意味する。
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式(1)中、Xは、重合性基と反応しうる反応性基を表す。
は、下記式(1x−1)〜(1x−21)で表される反応性基であることが好ましい。
Figure 2013237790
上記において、Rは、水素原子または置換基を表し、Rが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
は、Li、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる1価の陽イオンをし、Li、Na、KまたはCsが好ましい。
X1は、ハロゲン原子を表し、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましい。
nxは、1以上3以下の整数を表す。
は、F、Cl、Br、IまたはRを表す。ここで、Rは前記と同じ意味を表す。
は、上記式(1x−1)〜式(1x−10)で表される反応性基であることが好ましく、式(1x−1)〜式(1x−3)または式(1x−8)〜式(1x−10)で表される反応性基であることがより好ましく、式(1x−1)または式(1x−8)〜式(1x−10)で表される反応性基であることが更に好ましく、式(1x−1)または式(1x−8)で表される反応性基であることが特に好ましい。
上記式(1x−1)で表される構造としては、下記の構造が例示される。
Figure 2013237790
上記式(1x−3)で表される構造としては、下記の構造が例示される。
Figure 2013237790
Figure 2013237790
上記式(1x−4)で表される構造としては、下記の構造が例示される。
Figure 2013237790
上記式(1x−5)で表される構造としては、下記の構造が例示される。
Figure 2013237790
上記式(1x−9)で表される構造としては、下記の構造が例示される。
Figure 2013237790
上記式(1x−10)で表される構造としては、下記の構造が例示される。DおよびRは、前記と同じ意味を表す。
Figure 2013237790
上記式(1x−11)で表される構造としては、下記の構造が例示される。
Figure 2013237790
本発明の高分子化合物の製造方法において、末端封止剤は、下記式(2)で表される構造であることが好ましい。
Figure 2013237790
(2)
式(2)中、Rは置換基を表し、Rが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。Dは前記と同じ意味を表し、Xは前記と同じ意味を表す。m1およびn1は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。ただし、m1が0の場合、n1が1以上の整数であり、かつ、Rが重水素原子を有する。
で表される置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−O−Rで表される基、−N(R)で表される基、−S−Rで表される基、−P(R)で表される基、−B(−O−R)で表される基、−Si(R)で表される基、アリール基、1価の芳香族複素環基が好ましく、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−O−Rで表される基、−N(R)で表される基、−S−Rで表される基、アリール基、1価の芳香族複素環基がより好ましく、アルキル基、−N(R)で表される基、アリール基、1価の芳香族複素環基が特に好ましい。それらの定義および好ましい例は、前記の置換基で示した定義および例と同じである。また、Rは前記と同じ意味を表す。
は重水素原子で置換されていることが好ましい。
が有する水素原子がすべて重水素原子で置換されていることがより好ましい。
m1は1以上であることが好ましい。
本発明の高分子化合物の製造方法において、上記式(2)で表される末端封止剤として、下記の構造が例示される。なお、下記において、Dおよび*は、前記と同じ意味を表す。
Figure 2013237790
Figure 2013237790
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本発明の製造方法において、重合性基を2つ以上有する化合物は、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013237790
(3)
式(3)中、Bは、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
「アリーレン基」とは、芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いてなる基を意味する。
で表されるアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常6〜60であり、6〜48であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。
で表されるアリーレン基は、前述のアリール基において例示された芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基であることが好ましい。なお、当該基は置換基を有していてもよい。また、Bで表されるアリーレン基は、前述のアリール基において例示された芳香族炭化水素からなる群から選ばれる2個以上が直接結合してなる芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いた基であってもよい。なお、当該基は置換基を有していてもよい。
で表されるアリーレン基としては、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、クオターフェニル、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、インデン、フルオレン、ベンゾフルオレン、インデノフルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、ピレン、ペリレンまたはクリセンから、環を構成する炭素原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有してもよい。
で表されるアリーレン基は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ベンゾフルオレン、インデノフルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、ナフタセン、ピレン、ペリレンまたはクリセンから、環を構成する炭素原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基であることがさらに好ましく、これらの基は置換基を有してもよい。
で表されるアリーレン基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−O−Rで表される基、−N(R)で表される基、−S−Rで表される基、−P(R)で表される基、−B(−O−R)で表される基、−Si(R)で表される基、アリール基または1価の芳香族複素環基が好ましく、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−O−Rで表される基、−N(R)で表される基、−S−Rで表される基、アリール基または1価の芳香族複素環基がより好ましく、アルキル基、−O−Rで表される基、−N(R)で表される基、アリール基または1価の芳香族複素環基がさらに好ましい。なお、当該基は置換基を有していてもよい。
で表されるアリーレン基が有してもよい置換基が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
式(3)中、XおよびXは、それぞれ独立に、重合性基を表す。
およびXの定義や例は、Xの定義や例と、同様である。
本発明の製造方法において、重合性基を2つ以上有する化合物は、下記式(4)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2013237790
(4)
式(6)中、Bは、置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表す。XおよびXは、前記と同じ意味を表す。
「2価の芳香族複素環基」とは、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子に直接結合する2個の水素原子を除いてなる基を意味する。
で表される2価の芳香族複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めずに、通常2〜60であり、3〜30であることが好ましい。
で表される2価の芳香族複素環基は、前述の1価の芳香族複素環基において例示された芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基であることが好ましい。なお、当該基は置換基を有していてもよい。また、Bで表される2価の芳香族複素環基は、前述の1価の芳香族複素環基において例示された芳香族複素環式化合物からなる群から選ばれる2個以上が直接結合してなる芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いた基であってもよい。なお、当該基は置換基を有していてもよい。
で表される2価の芳香族複素環基は、前述のアリール基において例示されたで表される芳香族炭化水素からなる群から選ばれる1種以上と、前述の1価の芳香族複素環基において例示された芳香族複素環式化合物からなる群から選ばれる1種以上と、が直接結合してなる芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基であってもよい。なお、当該基は置換基を有していてもよい。
で表される2価の芳香族複素環基は、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、インドール、カルバゾール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ホスホール、ベンゾホスホール、ジベンゾホスホール、ボロール、ベンゾボロール、ジベンゾボロール、シロール、ベンゾシロール、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジンまたはベンゾチアジアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基であることが好ましく、こららの基は置換基を有していてもよい。
で表される2価の芳香族複素環基は、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、インドール、カルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジンまたはベンゾチアジアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する2個の水素原子を取り除いてなる基であることがより好ましく、こららの基は置換基を有していてもよい。
で表される2価の芳香族複素環基が有していてもよい置換基の定義や例は、Bで表されるアリーレン基が有していてもよい置換基の定義や例と、同様である。
本発明の製造方法において、重合性基を2つ以上有する化合物は、下記式(5)で表される化合物であってもよい。
Figure 2013237790
(5)
式(5)中、n2は、0以上の整数を表し、好ましくは3以下であり、n3は、0以上の整数を表し、好ましくは2以下である。
式(5)中、B、B、BおよびBは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有してもよい。BおよびBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
、B、BおよびBで表されるアリーレン基の定義や例は、Bで表されるアリーレン基の定義および例と、同様である。
、B、BおよびBで表される2価の芳香族炭化水素基の定義や例は、Bで表される2価の芳香族複素環基の定義や例と、同様である。
、B、BおよびBが有していもよい置換基の定義や例は、Bで表されるアリーレン基が有していてもよい置換基の定義や例と、同様である。
式(5)中、Rは、前記と同じ意味を表すが、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基が好ましく、これらは置換基を有してもよい。Rが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(5)中、XおよびXは、前記と同じ意味を表す。
式(5)で表される重合性基を2つ以上有する化合物としては、下記の化合物が例示される。XおよびXは、前記と同じ意味を表す。なお、当該化合物は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、Bで表されるアリーレン基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
Figure 2013237790
本発明の製造方法において、重合性基を2つ以上有する化合物の少なくとも1つは、下記式(6)で表される化合物であってもよい。
Figure 2013237790
(6)
式(6)中、n4は、0以上の整数を表し、好ましくは2以下である。
式(6)中、B、BおよびBは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の芳香族複素環基を表し、これらは置換基を有してもよい。Bが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
、BおよびBで表されるアリーレン基の定義や例は、Bで表されるアリーレン基の定義や例と、同様である。
、BおよびBで表される2価の芳香族炭化水素基の定義や例は、Bで表される2価の芳香族複素環基の定義や例と、同様である。
式(6)中、ZおよびZは、それぞれ独立に、−(R)C=C(R)−または−C≡C−を表し、Zが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。ここで、Rは前記と同じ意味を表すが、好ましくは、水素原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−O−Rで表される基、−N(R)で表される基、アリール基または1価の芳香族複素環基であり、これらの基はさらに置換基を有してもよい。ここで、Rは前記と同じ意味を表す。
本発明の製造方法において、末端の構成単位以外の構成単位は、上記の式(3)〜(6)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物の単独重合によって形成されていることが好ましい。
本発明の製造方法において、末端の構成単位以外の構成単位は、上記の式(3)〜(6)で表される化合物からなる群から選ばれる2種以上の化合物の共重合によって形成されていることが好ましい。
本発明の製造方法において、末端の構成単位以外の構成単位は、上記の式(3)で表される化合物および上記の式(4)で表される化合物の共重合によって形成されていることがより好ましい。
本発明の製造方法において、末端の構成単位以外の構成単位は、上記の式(3)で表される化合物および上記の式(5)で表される化合物の共重合によって形成されていてもよい。
本発明の製造方法において、末端の構成単位以外の構成単位は、上記の式(3)で表される化合物および上記の式(6)で表される化合物の共重合によって形成されていてもよい。
本発明の製造方法において、末端の構成単位以外の構成単位は、上記の式(3)で表される化合物、上記の式(4)で表される化合物および上記の式(5)で表される化合物の共重合によって形成されていてもよい。
本発明の製造方法で得られた高分子化合物は、共役系高分子化合物であることが好ましい。
本明細書において、「共役系高分子化合物」とは、二重結合(または三重結合)と単結合が交互に連なっている高分子化合物だけではなく、実質的に共役系の広がった高分子化合物も含める。
二重結合(または三重結合)と単結合が交互に連なっている高分子化合物としては、ポリフルオレン、ポリフェニレンといった2価の芳香族炭化水素基を構成単位とするポリアリーレン;ポリチオフェン、ポリジベンゾフランといった2価の芳香族複素環基を構成単位とするポリへテロアリーレン;ポリフェニレンビニレン等のポリアリーレンビニレン、または、それらの構成単位が組み合わされた共重合体が例示される。
実質的に共役系の広がった高分子化合物とは、二重結合と単結合が交互に連なっていないが、実質的に共役がつながっている高分子化合物を表す。具体的には、トリフェニルアミン等のへテロ原子を含む構成単位を含む高分子化合物が例示される。該高分子化合物は、二重結合と単結合が交互に連なっていないが、実質的に共役がつながっているため、共役系高分子化合物とみなす。
本発明の製造方法で得られた高分子化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、通常、1×10〜1×10であり、好ましくは5×10〜5×10である。また、本発明の製造方法で得られた高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常、1×10〜1×10であり、成膜性が良好になり、かつ、本発明の製造方法で得られた高分子化合物を用いて製造される発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは1×10〜1×10である。
発光素子を作製するための様々なプロセスに対する耐久性が優れ、かつ、発光素子の耐熱性が良好となるので、本発明の製造方法で得られた高分子化合物のガラス転移温度は、70℃以上であることが好ましい。
本発明の製造方法で得られた高分子化合物を用いた発光素子は、輝度寿命に優れた高性能の発光素子である。したがって、該発光素子は、液晶ディスプレイのバックライト、照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置等に有用である。さらに、本発明の製造方法で製造した高分子化合物は、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜等の伝導性薄膜用材料、蛍光や燐光を発する発光性薄膜材料としても用いることができる。
(重水素原子を有する末端封止剤の製造方法)
本発明の製造方法において、重水素原子を有する末端封止剤は、和光純薬工業、アルドリッチ(Aldrich)、CDN−アイソトープス(CDN−Isotopes)等から入手可能である。
また、上記以外の入手方法として、例えば、WO2009/096555、WO2008/066158、WO04/060831、WO04/011400、WO2009/005069、WO2002/47440、WO2010/114583等に記載の公知の方法により製造することも可能である。
(組成物)
本発明の組成物は、本発明の製造方法により得られた高分子化合物と、正孔輸送性材料、電子輸送性材料および発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料と、を含有する組成物である。
正孔輸送性材料としては、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体等が挙げられる。その他にも、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)に記載された正孔輸送性材料も挙げられる。
正孔輸送性材料の含有量は、組成物中の本発明の製造方法により得られた高分子化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部、より好ましくは5〜200重量部である。
電子輸送性材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、アントラセンおよびその誘導体が挙げられる。その他にも、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)に記載された電子輸送性材料も挙げられる。
電子輸送性材料の含有量は、組成物中の本発明の製造方法により得られた高分子化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部であり、より好ましくは5〜200重量部である。
発光材料としては、蛍光発光材料、燐光発光材料等が挙げられる。
蛍光発光材料の例としては、ナフタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメチン系色素、キサンテン系色素、クマリン系色素、シアニン系色素等の色素類、8−ヒドロキシキノリンを配位子として有する金属錯体、8−ヒドロキシキノリン誘導体を配位子として有する金属錯体、その他の蛍光性金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体、スチルベン系、含ケイ素芳香族系、オキサゾール系、フロキサン系、チアゾール系、テトラアリールメタン系、チアジアゾール系、ピラゾール系、メタシクロファン系、アセチレン系等の低分子化合物の蛍光性材料、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)等に記載の高分子化合物の蛍光材料が挙げられる。その他にも、特開昭57−51781号公報、特開昭59−194393号公報等に記載された発光材料も挙げられる。
燐光発光材料の例としては、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項発光錯体が挙げられる。
三重項発光錯体としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)、BtpIr(acac)、FIrpic、COM−1、COM−2、COM−3、COM−4、COM−5、COM−6、COM−7、COM−8、アメリカンダイソース社から市販されているADS066GE等のイリジウム錯体、白金を中心金属とするPtOEP等の白金錯体、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)phen等のユーロピウム錯体等の低分子化合物が挙げられる。これらの三重項発光錯体は、以下の化学式で表されるものである。
Figure 2013237790
Figure 2013237790
また、燐光発光材料として、例えば、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)等に記載の高分子化合物の燐光発光材料も挙げられる。
発光材料の含有量は、組成物中の本発明の製造方法により得られた高分子化合物100重量部に対して、好ましくは1〜500重量部であり、より好ましくは5〜200重量部である。
本発明の組成物は、本発明の製造方法により得られた高分子化合物と、溶媒と、を含有する組成物(以下、「液状組成物」ということがある。)であってもよく、好ましくは本発明の製造方法により得られた高分子化合物を有機溶媒に溶解または分散させた組成物である。このような液状組成物は、インク、ワニスとも呼ばれる。本発明の液状組成物は、後述するように、発光素子に使用する有機薄膜を形成する際に好適に使用することができる。なお、本発明の液状組成物には、上記の正孔輸送性材料、電子輸送性材料および発光材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の材料を更に含有していてもよい。
本発明の組成物は、その他の物質が含有されていてもよい。その他の物質としては、酸化防止剤、粘度調整剤、界面活性剤等が挙げられる。
ここで、有機溶媒としては、本発明の製造方法により得られた高分子化合物が溶解または分散する限り、特に限定されないが、以下の有機溶媒(以下、「溶媒群」ということがある。)が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒:トルエン、キシレン(各異性体またはそれらの混合物)、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、2−フェニルブタン、tert−ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ネオペンチルベンゼン、イソアミルベンゼン、ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、3−プロピルトルエン、4−プロピルトルエン、1−メチル−4−プロピルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ジプロピルベンゼン、1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン、インダン、テトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)等。
脂肪族炭化水素系溶媒:n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、デカリン等。
芳香族系エーテル系溶媒:アニソール、エトキシベンゼン、プロポキシベンゼン、ブチロキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、シクロペンチルオキシベンゼン、ヘキシルオキシベンゼン、シクロヘキシルオキシベンゼン、ヘプチルオキシベンゼン、オクチルオキシベンゼン、2−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチルアニソール、4−エチルアニソール、4−プロピルアニソール、4−ブチルアニソール、4−ペンチルアニソール、4−ヘキシルアニソール、ジフェニルエーテル、4−メチルフェノキシベンゼン、4−エチルフェノキシベンゼン、4−プロピルフェノキシベンゼン、4−ブチルフェノキシベンゼン、4−ペンチルフェノキシベンゼン、4−ヘキシルフェノキシベンゼン、4−フェノキシトルエン、3−フェノキシトルエン、1,3−ジメトキシベンゼン、2,6−ジメチルアニソール、2,5−ジメチルアニソール、2,3−ジメチルアニソール、3,5−ジメチルアニソール等。
脂肪族エーテル系溶媒:テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等。
ケトン系溶媒:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等。
エステル系溶媒:酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エチルセルソルブアセテート等。
塩素化溶媒:塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等。
アルコール系溶媒:メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、フェノール等。
多価アルコールおよびその誘導体:エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等。
非プロトン性極性溶媒:ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等。
これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を用いた混合溶媒として使用してもよい。混合溶媒を用いる場合、上記の溶媒群における溶媒の二種または三種以上を組み合わせることが好ましいが、上記例示の同じ系の溶媒群から複数を組み合わせても、異なる系の溶媒群から1種以上ずつを組み合わせてもよい。その組成比は、各溶媒の物性、および、本発明の製造方法により得られた高分子化合物等の溶解性を考慮して決めることができる。
上記例示の同じ系の溶媒群から複数種を選んで組み合わせる場合の好ましい例としては、芳香族炭化水素系溶媒から複数種、芳香族エーテル系溶媒から複数種が挙げられる。
上記例示の異なる系の溶媒群から1種以上ずつを選んで組み合わせる場合の好ましい例としては、以下の組み合わせが挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒;芳香族炭化水素系溶媒と芳香族エーテル系溶媒;芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族エーテル系溶媒;芳香族炭化水素系溶媒と非プロトン性極性溶媒;芳香族エーテル系溶媒と非プロトン性極性溶媒等。
また、単独溶媒または混合有機溶媒に水を添加することもできる。
これらの有機溶媒のうち、ベンゼン環を含む構造を有し、融点が0℃以下であり、かつ、沸点が100℃以上である有機溶媒を一種以上含む単独溶媒または混合溶媒が、粘度および成膜性が良好であるので好ましく、なかでも芳香族炭化水素系溶媒、芳香族エーテル系溶媒を一種以上含む単独溶媒または混合溶媒がより好ましい。
有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を用いた混合溶媒として使用してもよいが、成膜性を制御することができるので、混合溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒は、必要に応じ、洗浄、蒸留、吸着剤への接触等の方法により精製を行ってから使用してもよい。
上記液状組成物によれば、本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機薄膜を容易に製造することができる。具体的には、上記液状組成物を基板上に塗布して、加熱、送風、減圧等により有機溶媒を留去することにより、本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機薄膜が得られる。有機溶媒の留去は、使用される有機溶媒に応じて条件を変更することができ、例えば、50〜150℃での加熱または10−3Pa程度での減圧等が条件として挙げられる。
塗布には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
上記液状組成物の好適な粘度は印刷法によっても異なるが、25℃において、好ましくは0.5〜1000mPa・sであり、より好ましくは0.5〜500mPa・sである。また、インクジェット印刷法のように上記液状組成物が吐出装置を経由する場合、吐出時の目詰まりや飛行曲がりを防止するために25℃における粘度は、好ましくは0.5〜50mPa・sであり、より好ましくは0.5〜20mPa・sである。液状組成物中の本発明の製造方法により得られた高分子化合物の濃度は、限定されないが、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましい。
(有機薄膜)
本発明の有機薄膜は、本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機薄膜である。本発明の有機薄膜は、上記液状組成物から容易に製造することができる。
本発明の有機薄膜の種類としては、発光性薄膜、導電性薄膜、有機半導体薄膜などが挙げられる。導電性薄膜としては、電子輸送性薄膜または正孔輸送性薄膜が挙げられる。
発光性薄膜は、発光素子の発光効率が良好になり得るので、発光量子収率が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、70%以上であることが特に好ましい。
導電性薄膜は、表面抵抗が1KΩ/□以下であることが好ましく、100Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□以下であることがさらに好ましい。導電性薄膜に、ルイス酸、イオン性化合物等をドープすることにより、電気伝導度を高めることができる。
有機半導体薄膜は、電子移動度または正孔移動度のいずれかが大きい方が、好ましくは、10−5cm/V/s以上であり、より好ましくは10−3cm/V/sであり、さらに好ましくは10−1cm/V/sである。また、有機半導体薄膜を用いて、有機トランジスタを作製することができる。具体的には、SiO等の絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板上に有機半導体膜を形成し、Au等でソース電極とドレイン電極を形成することにより、有機トランジスタとすることができる。
(有機トランジスタ)
本実施形態の有機トランジスタは、本実施形態の製造方法により得られた高分子化合物を含む有機トランジスタである。以下、有機トランジスタの一態様である電界効果型トランジスタを説明する。
本実施形態の製造方法により得られた高分子化合物は、高い電荷輸送性を持ち得るため、電界効果型トランジスタの材料として、中でも有機半導体層(活性層)として好適に用いることができる。電界効果型トランジスタの構造としては、通常は、ソース電極およびドレイン電極が本実施形態の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機半導体層(活性層)に接して設けられており、さらに有機半導体層(活性層)に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていればよい。
電界効果型トランジスタは、通常支持基板上に形成される。支持基板としては、ガラス基板やフレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板も用いることができる。
電界効果型トランジスタは、公知の方法、例えば、特開平5−110069号広報に記載の方法により製造することができる。
有機半導体層(活性層)を形成する際に、上記液状組成物を用いることが製造上有利であり好ましい。液状組成物(特に、本実施形態の製造方法により得られた高分子化合物を有機溶媒に溶解させた溶液)からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
電界効果型トランジスタを作製後、封止してなる封止電界効果型トランジスタが好ましい。これにより、電界効果型トランジスタが、大気から遮断され、電界効果型トランジスタの特性の低下を抑えることができる。
上記封止の方法としては、紫外(UV)硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜等でカバーする方法、ガラス板やフィルムをUV硬化樹脂、熱硬化樹脂等で張り合わせる方法等が挙げられる。大気との遮断を効果的に行うため電界効果型トランジスタを作製後、封止するまでの工程を大気に曝すことなく(例えば、乾燥した窒素ガス雰囲気中、真空中等で)行うことが好ましい。
(有機光電変換素子)
本実施形態の有機光電変換素子(例えば、有機太陽電池素子等)は、本実施形態の製造方法により得られた高分子化合物を含む有機光電変換素子である。
本実施形態の製造方法により得られた高分子化合物は、有機光電変換素子の材料として、中でも有機半導体と金属との界面を利用するショットキー障壁型素子の有機半導体層として、また、有機半導体と無機半導体あるいは有機半導体どうしの界面を利用するpnヘテロ接合型素子の有機半導体層として、好適に用いることができる。
さらに、ドナー・アクセプターの接触面積を増大させたバルクへテロ接合型素子における電子供与性高分子化合物、電子受容性高分子化合物として、また、高分子化合物・低分子化合物の複合系を用いる有機光電変換素子、例えば、電子受容体としてフラーレン誘導体を分散したバルクへテロ接合型有機光電変換素子の電子供与性高分子化合物として、好適に用いることができる。
有機光電変換素子の構造としては、例えば、pnヘテロ接合型素子では、オーム性電極、例えば、ITO上に、p型半導体層を形成し、さらに、n型半導体層を積層し、その上にオーム性電極が設けられていればよい。
有機光電変換素子は、通常は支持基板上に形成される。支持基板としては、ガラス基板や、フレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板も用いることができる。
有機光電変換素子は、公知の方法、例えば、Synth.Met.,102,982(1999)に記載の方法やScience,270,1789(1995)に記載の方法により製造することができる。
(発光素子)
次に、本発明の発光素子について説明する。
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、該陽極および該陰極の間に存在する有機層と、を備え、上記有機層に本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する。さらに、本発明の製造方法により得られた高分子化合物をそのまま含有する態様(有機薄膜)、本発明の製造方法により得られた高分子化合物が分子内または分子間で架橋した化合物を含有する態様(不溶化有機薄膜)がある。
上記有機層としては、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層および電子注入層等が挙げられる。発光層は、発光する機能を有する層を意味する。正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する層を意味する。電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する層を意味する。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層といい、電子注入層と正孔注入層を総称して電荷注入層という。上記有機層は、発光層一層のみからなっていてもよく(すなわち、一層中にこれらの各層の機能が含まれる)、発光層、並びに正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層および電子注入層から選ばれる層からなる多層構造であってもよい。
本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機層は、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層および電子注入層からなる群より選ばれる1種以上の層であることが好ましい。
本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機層が発光層である場合には、発光層がさらに正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、添加剤等を含んでいてもよい。ここで、発光材料とは、蛍光または燐光を発する材料を意味する。
本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機層が、本発明の製造方法により得られた高分子化合物と正孔輸送性材料と、を含有する場合には、本発明の製造方法により得られた高分子化合物100重量部に対して、正孔輸送性材料の含有量は、通常1〜500重量部であり、好ましくは5〜200重量部である。
本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機層が、本発明の製造方法により得られた高分子化合物と電子輸送性材料とを含有する場合には、本発明の製造方法により得られた高分子化合物100重量部に対して、電子輸送性材料の含有量は、通常1〜500重量部であり、好ましくは5〜200重量部である。
本発明の製造方法により得られた高分子化合物を含有する有機層が、本発明の製造方法により得られた高分子化合物と発光材料とを含有する場合には、本発明の製造方法により得られた高分子化合物100重量部に対して、発光材料の含有量は、通常、1〜500重量部であり、好ましくは5〜200重量部である。
正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料は、公知の低分子量の化合物、三重項発光錯体、高分子量の化合物が使用できる。
高分子量の化合物としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開2001−181618号公報、特開2001−123156号公報、特開2001−3045号公報、特開2000−351967号公報、特開2000−303066号公報、特開2000−299189号公報、特開2000−252065号公報、特開2000−136379号公報、特開2000−104057号公報、特開2000−80167号公報、特開平10−324870号公報、特開平10−114891号公報、特開平9−111233号公報、特開平9−45478号公報に記載されているフルオレンジイル基を構成単位とする重合体および共重合体(以下、「(共)重合体」という。)、アリーレン基を構成単位とする(共)重合体、アリーレンビニレン基を構成単位とする(共)重合体、2価の芳香族アミン残基を構成単位とする(共)重合体等が挙げられる。
低分子量の化合物としては、ナフタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系等の色素類、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体が挙げられ、具体的には、特開昭57−51781号公報、特開昭59−194393号公報に記載されている化合物が挙げられる。
三重項発光錯体としては、上記の三重項発光錯体が使用できる。
発光層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmであり、さらに好ましくは50nm〜150nmである。
発光層の形成方法としては、上記液状組成物からの成膜による方法が挙げられる。液状組成物からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができるが、パターン形成や多色の塗分けが容易であるので、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
本発明の発光素子としては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた発光素子、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた発光素子、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた発光素子が挙げられる。本実施形態の発光素子において、本発明の製造方法により得られた高分子化合物は、発光層に含まれることが好ましい。
このような発光素子の構造としては、以下のa)〜d)の構造が例示される。なお、「/」は、その前後の層が隣接して積層していることを示す(例えば、「陽極/発光層」とは、陽極と発光層とが隣接して積層していることを示す。以下同じ。)。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
また、これら構造の各々について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接して正孔輸送層を設けてもよい。このような発光素子の構造としては、以下のa')〜d')の構造が例示される。
a')陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
b')陽極/正孔輸送層/正孔輸送層/発光層/陰極
c')陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
d')陽極/正孔輸送層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
本実施形態の発光素子が正孔輸送層を有する場合、正孔輸送層には、正孔輸送性材料が含まれる。正孔輸送性材料(高分子量の化合物、低分子量の化合物のいずれであってもよい。)としては、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体等や、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているものが例示される。
これらの中でも、高分子量の化合物としては、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体が好ましく、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体がより好ましい。
これらの中でも、低分子量の化合物としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が好ましい。これらの低分子量の化合物は、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
上記高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害せず、可視光に対する吸収が強くない化合物が好ましく、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンが例示される。
ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体は、例えば、ビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
ポリシランおよびその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサンおよびその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子量の正孔輸送性の構造を有する化合物が好ましく、正孔輸送性の芳香族アミン構造を側鎖または主鎖に有する化合物がより好ましい。
正孔輸送層の成膜の方法としては、低分子量の化合物を用いる場合には、高分子バインダーとの液状組成物からの成膜による方法が例示され、高分子量の化合物(本実施形態の高分子化合物を含む。)を用いる場合には、上記の液状組成物からの成膜による方法が例示される。
液状組成物からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解または均一に分散できるものが好ましい。溶媒としては、上記本発明の液状組成物の項目で説明したものが挙げられる。
液状組成物からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適切な値となるように選択すればよく、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2〜500nmであり、より好ましくは5〜200nmである。
本実施形態の発光素子が電子輸送層を有する場合、電子輸送層には、上記の電子輸送性材料(高分子量の化合物、低分子量の化合物のいずれであってもよい)が含まれる。電子輸送性材料としては、公知のものが使用できるが、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体等や、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載されている化合物が例示され、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては、低分子量の化合物を用いる場合には、粉末からの真空蒸着法、または液状組成物もしくは溶融状態からの成膜による方法が例示され、高分子量の化合物を用いる場合には、液状組成物または溶融状態からの成膜による方法が例示される。液状組成物または溶融状態からの成膜による方法では、上記高分子バインダーを併用してもよい。
液状組成物からの成膜に用いる溶媒は、電子輸送性材料と、必要に応じて高分子バインダーと、を溶解または均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒としては、上記本発明の液状組成物の項目で説明したものが挙げられる。
液状組成物または溶融状態からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
電子輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適切な値となるように選択すればよく、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2〜500nmであり、より好ましくは5〜200nmである。
正孔注入層、電子注入層は、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、発光素子の駆動電圧を下げる効果を有するものである。
電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して電荷注入層または絶縁層(通常、平均の厚さで0.5〜4.0nmであり、以下、同じである)を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数および各層の厚さは、発光素子の発光効率や素子寿命を勘案して調整すればよい。
電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた本実施形態に係る発光素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子が挙げられる。このような発光素子の構造としては、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
これらの構造の各々について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接して正孔輸送層を設ける構造も例示される。
電荷注入層としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層等が挙げられる。
電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、導電性高分子の電気伝導度は、1×10−5〜1×10S/cmであることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、1×10−5〜1×10S/cmがより好ましく、1×10−5〜1×10S/cmがさらに好ましい。通常、導電性高分子の電気伝導度をこのような範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンとしては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオン等が例示され、カチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが例示される。
電荷注入層に用いる材料としては、電極や隣接する層の材料との関係で選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体等の導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニン等)、カーボンが例示される。
絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。絶縁層を設けた発光素子としては、陰極に隣接して絶縁層を設けた発光素子、陽極に隣接して絶縁層を設けた発光素子が挙げられる。
このような発光素子の構造としては、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/絶縁層/陰極
s)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
t)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
v)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
w)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
y)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
z)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
ab)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
これらの構造の各々について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接して正孔輸送層を設ける構造も例示される。
本発明の発光素子を形成する支持基板は、電極を形成し、有機層を形成する際に化学的に変化しないものであればよく、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン等の材料からなるものが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透明であることが好ましい。
本発明の発光素子が有する陽極および陰極の少なくとも一方は、通常、透明または半透明であるが、陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられ、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、および、それらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性化合物を用いて作製された膜、NESA、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。陽極として、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。陽極を2層以上の積層構造としてもよい。
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して選択することができるが、例えば、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは30〜500nmである。
陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボン等からなる層;金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる絶縁層を設けてもよい。
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、またはそれらのうち2種以上の合金、またはそれらのうち1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金、並びにグラファイトおよびグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して調整すればよく、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは50〜500nmである。
陰極の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、または、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機層との間に、導電性高分子からなる層、または金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均の厚さが2nm以下の層を設けてもよく、陰極形成後、発光素子を保護する保護層を装着していてもよい。発光素子を長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するための保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
保護層としては、高分子量の化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物等を用いることができる。保護カバーとしては、金属板、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板等を用いることができ、保護カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で発光素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、発光素子の損傷を防ぐことが容易である。空間に窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を空間内に設置することにより、発光素子の製造工程で吸着した水分または硬化樹脂を通り抜けて浸入する微量の水分が素子に損傷を与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、1種以上の方策を採ることが好ましい。
図1は、第1実施形態に係る発光素子(上記(p)の構成を有する発光素子)の模式断面図である。図1に示す発光素子100は、基板10と、該基板10上に形成された陽極11、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16および陰極17と、を有している。陽極11は、基板10と接するように基板10上に設けられており、陽極11の基板10とは反対側には、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16および陰極17が、この順で積層されている。正孔輸送層13には、本実施形態の高分子化合物が含まれる。
図2は、第2実施形態に係る発光素子(上記(h)の構成を有する発光素子)の模式断面図である。図2に示す発光素子110は、基板10と、該基板10上に形成された陽極11、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14および陰極17と、を有している。陽極11は、基板と接するように基板10上に設けられており、陽極11の基板10と反対側には、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14および陰極17が、この順で積層されている。正孔輸送層13には、本実施形態の高分子化合物が含まれる。
本実施形態の製造方法により得られた高分子化合物を含有する発光素子は、曲面状光源、平面状光源等の面状光源(例えば、照明);セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置(例えば、ドットマトリックスのフラットディスプレイ)、液晶表示装置(例えば、液晶表示装置、液晶ディスプレイのバックライト)等の表示装置等に有用である。また、本実施形態の製造方法により得られた高分子化合物は、これらの作製に用いられる材料として好適である以外にも、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜等の伝導性薄膜用材料、蛍光を発する発光性薄膜材料、高分子電界効果トランジスタの材料等としても有用である。
本実施形態の発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、上記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、陽極もしくは陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号等を表示できるセグメント表示装置が得られる。
さらに、ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等の表示装置として用いることができる。
図3は、本実施形態に係る面状光源の模式断面図の一例である。図3に示す面状光源200は、基板20と、陽極21と、正孔注入層22と、発光層23と、陰極24と、保護層25と、から構成されている。陽極21は、基板20と接するように基板20上に設けられており、陽極21の基板20と反対側には、正孔注入層22、発光層23および陰極24がこの順で積層されている。保護層25は、基板20上に形成された陽極21、電荷注入層22、発光層23および陰極24を全て覆うように、かつ、端部で基板20と接するように、形成されている。発光層23には、上記高分子化合物が含まれる。
図3に示した面状光源200は、発光層23以外の発光層をさらに複数有する構成とし、それぞれの発光層に赤色発光材料、青色発光材料および緑色発光材料を用い、それぞれの発光層の駆動を制御することで、カラー表示装置とすることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)を用いて以下の測定条件により求めた。測定する高分子化合物を、約0.05重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに10μL注入した。GPCの移動相としてテトラヒドロフランを用い、2.0mL/分の流速で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いた。
NMRの測定は、測定試料5〜20mgを約0.5mLの有機溶媒に溶解させて、NMR(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名:INOVA300)を用いて行った。
LC−MSの測定は、以下の方法で行った。測定試料を1〜10mg/mLの濃度になるように適切な有機溶媒(クロロホルム、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン等)に溶解させて、LC−MS(アジレント・テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)にて測定し、解析した。LC−MSの移動相には、イオン交換水、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはそれらの混合液を用い、必要に応じて酢酸を添加した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:4.6mm、長さ:250mm、粒子径3μm)を用いた。
化合物MT1および化合物MT2は、それぞれ、Aldrich社およびBoron Molecular社から購入した。
Figure 2013237790
<合成例1:化合物MB1の合成>
化合物MB1は、特開2010―189620号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 2013237790
<合成例2:化合物MB2の合成>
化合物MB2は、WO02/045184に記載の方法に従って合成した。
Figure 2013237790
<合成例3:化合物MB3の合成>
化合物MB3は、特開2010―189630号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 2013237790
<合成例4:化合物MB4の合成>
化合物MB4は、WO2002/045184に記載の方法に従って合成した。
Figure 2013237790
<合成例5:化合物MB5の合成>
化合物MB5は、WO2011/049241に記載の方法に従って合成した。
Figure 2013237790
<合成例6:化合物MB6の合成>
化合物MB6は、WO2002/045184に記載の方法に従って合成した。
Figure 2013237790
<合成例7:配位子ML1の合成>
化合物ML1は、特開2005―99481号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 2013237790
<合成例8:金属錯体ME1の合成>
Figure 2013237790
反応容器に、配位子ML1(20.00g、74.79mmol)および塩化イリジウム三水和物(11.93g、33.83mmol)を量り取り、反応容器内の気体をアルゴンガスで置換した。次いで、2−エトキシエタノール(180mL)および水(60mL)を加え、反応容器内をアルゴンガス気流下とした後、101〜102℃で20時間還流した。放冷後、得られた混合物をろ別し、残渣を水(400mL)、メタノール(200mL)、ヘキサン(200mL)の順で洗浄し、その後乾燥させることにより、金属錯体ME1−1(22.49g)を得た。
反応容器に、金属錯体ME1−1(22.49g、14.79mmol)および配位子ML1(19.77g、73.95mmol)を量り取り、反応容器内の気体をアルゴンガスで置換した。次いで、ジグライム(128mL)およびトリフルオロメタンスルホン酸銀(7.60g、29.58mmol)を加え、反応容器内をアルゴンガス気流下とした後、148〜150℃で5時間撹拌した。その後、トリフルオロメタンスルホン酸銀(7.60g、29.58mmol)を追加し、更に12時間攪拌した。放冷後、得られた反応混合物に水(600mL)を加え、生じた沈澱をろ別した。ろ別した沈澱をトルエン(500mL)に溶解させ、ろ過した。得られたろ液を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過、濃縮することで溶媒を留去した。得られた残渣をヘキサンとトルエンからなる混合溶媒(ヘキサン/トルエン=3/1(体積基準))に溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、溶媒を留去した。得られた残渣をメタノール(200mL)で洗浄し、その後乾燥させた。得られた固体を、トルエンとアセトニトリルからなる混合溶媒(トルエン/アセトニトリル=1.0/4.8(体積基準))を用いて結晶化させ、得られた結晶をろ別した。得られた固体をメタノールで洗浄し、その後乾燥させることにより、金属錯体ME1(14.30g、14.42mmol)を得た。
LC−MS(APCI, positive) m/z : 992([M+H])
H NMR(300MHz,CDCl);δ(ppm)=0.88(m,9H)、 1.22(m,30H)、 1.44(m,6H)、 2.35(t,J=7.5Hz,6H)、 6.69(m,6H)、 6.78(t,J=6.0Hz,3H)、 7.47(m,9H)、 7.77(d,J=6.0Hz,3H).
<合成例9:高分子化合物HT1の合成>
高分子化合物HT1は、WO2011/049241に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物HT1のポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれ、Mn=8.9×10およびMw=4.2×105であった。
Figure 2013237790
<実施例1:高分子化合物PM1−1の合成>
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MB1(1.4652g、2.94mmol)、化合物MB2(1.3163g、2.40mmol)、化合物MB3(0.3813g、0.60mmol)およびトルエン(40mL)を混合し、約80℃に加熱した。次いで、酢酸パラジウム(0.74mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.23mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.6g)を加えた後、オイルバスで更に加熱しながら、110℃の還流下において6時間攪拌した。その後、化合物MT1(76.2mg)、酢酸パラジウム(0.71mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.23mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.6g)を加え、110℃の還流下で17時間攪拌した。その後、5重量%N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム水溶液(16.9g)を加え、約85℃で2時間攪拌した。冷却後、得られた有機層を、3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で4回の順番で洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで生じた沈殿を濾取し、乾燥して固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、あらかじめトルエンを通液したシリカゲル/アルミナカラムに通液させた。得られた溶液をメタノールに滴下することで生じた沈殿をろ取した後、乾燥して、高分子化合物PM1−1を得た(1.76g)。
高分子化合物PM1−1のポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれ、Mn=4.82×10およびMw=1.27×10であった。
高分子化合物PM1−1の合成時の仕込みモノマーの比率、および、高分子化合物PM1−1の数平均分子量から、高分子化合物PM1−1の構造は、下記式(PM1−1)と推定される。
Figure 2013237790
<比較例1:高分子化合物PM1−2の合成>
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物MB1(1.4652g、2.94mmol)、化合物MB2(1.3163g、2.40mmol)、化合物MB3(0.3813g、0.60mmol)およびトルエン(40mL)を混合し、約80℃に加熱した。次いで、酢酸パラジウム(0.73mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.22mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.6g)を加えた後、オイルバスで更に加熱しながら、110℃の還流下において6時間攪拌した。その後、フェニルボロン酸(73.2mg)、酢酸パラジウム(0.71mg)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン(4.24mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(10.6g)を加え、110℃の還流下において17時間攪拌した。その後、5重量%N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム水溶液(16.9g)を加え、約85℃で2時間攪拌した。冷却後、得られた有機層を、3.6重量%塩酸で2回、2.5重量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で4回の順番で洗浄した。得られた有機層をメタノールに滴下することで生じた沈殿を濾取し、乾燥して固体を得た。得られた固体をトルエンに溶解させ、あらかじめトルエンを通液したシリカゲル/アルミナカラムにトルエン溶液を通液させた。得られた溶液をメタノールに滴下することで生じた沈殿を濾取した後、乾燥して、高分子化合物PM1−2を得た(2.46g)。
高分子化合物PM1−2のポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれ、Mn=5.11×10およびMw=1.34×10であった。
高分子化合物PM1−2の合成時の仕込みモノマーの比率、および、高分子化合物PM1−2の数平均分子量から、高分子化合物PM1−2の構造は、下記式(PM1−2)と推定される。
Figure 2013237790
<実施例2:液状組成物PM1−1Aの製造>
クロロベンゼン溶媒中に、高分子化合物PM1−1を1.0重量%の濃度で溶解させ、液状組成物PM1−1Aを調製した。
<比較例2:液状組成物PM1−2Aの製造>
クロロベンゼン溶媒中に、高分子化合物PM1−2を1.0重量%の濃度で溶解させ、液状組成物PM1−2Aを調製した。
<実施例3:液状組成物PM1−1Bの製造>
液状組成物PM1−1Aと、クロロベンゼン溶媒中に1.0重量%の濃度で溶解させた金属錯体ME1の溶液と、を重量比で、高分子化合物PM1−1:金属錯体ME1=70:30となるように混合して、液状組成物PM1−1Bを調製した。
<比較例3:液状組成物PM1−2Bの製造>
液状組成物PM1−2Aと、クロロベンゼン溶媒中に1.0重量%の濃度で溶解させた金属錯体ME1の溶液と、を重量比で、高分子化合物PM1−2:金属錯体ME1=70:30となるように混合して、液状組成物PM1−2Bを調製した。
<実施例4:発光素子1−1Aの製造と評価>
スパッタ法により45nmの厚みでITO膜を成膜したガラス基板に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により50nmの厚みで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱し、正孔注入層を形成した。
上記の正孔注入層上に、キシレン溶媒中に0.7重量%の濃度で溶解させた高分子化合物HT1の溶液をスピンコート法により20nmの厚みで成膜した。その後、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱し、正孔輸送層を形成した。
上記の正孔輸送層上に、液状組成物PM1−1Aをスピンコート法により80nmの厚みで成膜した。その後、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で130℃、10分間加熱し、発光層を形成した。
上記の発光層上に、陰極としてフッ化ナトリウムを約5nm、次いでアルミニウムを約120nm蒸着して、発光素子1−1Aを作製した。なお、真空度が、1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
発光素子1−1Aに電圧を印加したところ、この素子から主に高分子化合物PM1−1に由来する495nmにピークを有するEL発光が得られた。
発光素子1−1Aを、初期輝度が200cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命評価を行った。その結果を表1に示す。
<比較例4:発光素子1−2Aの製造と評価>
実施例4における液状組成物PM1−1Aに代えて、液状組成物PM1−2Aを用いたこと以外は、実施例4と同様にして、発光素子1−2Aを作製した。
発光素子1−2Aに電圧を印加したところ、この素子から主に高分子化合物PM1−2に由来する495nmにピークを有するEL発光が得られた。
発光素子1−2Aを、初期輝度が200cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2013237790
上記表1中、「相対輝度半減寿命A」とは、下記式(α−1)で表される。
(相対輝度半減寿命A)=(実施例4の輝度半減寿命時間)/(比較例4の輝度半減寿命時間) (α−1)
<実施例5:発光素子1−1Bの製造と評価>
実施例4における液状組成物PM1−1Aに代えて、液状組成物PM1−1Bを用いたこと以外は、実施例4と同様にして、発光素子1−1Bを作製した。
発光素子1−1Bに電圧を印加したところ、この素子から主に金属錯体ME1に由来する510nmにピークを有するEL発光が得られた。
発光素子1−1Bを、初期輝度が2000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命評価を行った。その結果を表2に示す。
<比較例5:発光素子1−2Bの製造と評価>
実施例4における液状組成物PM1−1Aに代えて、液状組成物PM1−2Bを用いたこと以外は、実施例4と同様にして、発光素子1−2Bを作製した。
発光素子1−2Bに電圧を印加したところ、この素子から主に金属錯体ME1に由来する510nmにピークを有するEL発光が得られた。
発光素子1−2Bを、初期輝度が2000cd/mとなるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度半減寿命評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2013237790
上記表2中、「相対輝度半減寿命B」とは、下記式(α−2)で表される。
(相対輝度半減寿命B)=(実施例5の輝度半減寿命時間)/(比較例5の輝度半減寿命時間) (α−2)
10…基板、11…陽極、12…正孔注入層、13…正孔輸送層、14…発光層、15…電子輸送層、16…電子注入層、17…陰極、20…基板、21…陽極、22…正孔注入層、23…発光層、24…陰極、25…保護層、100…発光素子、110…発光素子、200…面状光源。

Claims (14)

  1. 末端の構成単位が重水素原子を有する高分子化合物の製造方法であって、
    該末端の構成単位は、重水素原子を有する末端封止剤により末端を封止することで形成される、高分子化合物の製造方法。
  2. 前記高分子化合物の末端の構成単位以外の構成単位が、重合性基を2つ以上有する化合物の単独重合または共重合によって形成され、かつ、
    前記末端封止剤が、該重合性基と反応しうる反応性基を1つだけ有する化合物である、請求項1に記載の高分子化合物の製造方法。
  3. 前記末端封止剤が、下記式(1)で表される化合物である、請求項1または2に記載の高分子化合物の製造方法。
    Figure 2013237790
    (1)
    [式中、
    は、アルキル基、アリール基または1価の芳香族複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、
    は、重合性基と反応しうる反応性基を表す。
    ただし、Tは、重水素原子を有する。]
  4. 前記Tが、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ベンゾフルオレン、スピロビフルオレン、インデノフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、チオフェン、ピロール、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、インドールまたはカルバゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基(当該基は置換基を有していてもよい。)である、請求項3に記載の高分子化合物の製造方法。
  5. 前記Tが、置換基を有していてもよいベンゼンから、環を構成する炭素原子に直接結合する1個の水素原子を除いてなる基であることを特徴とする、請求項4に記載の高分子化合物の製造方法。
  6. 前記重合性基と反応しうる前記反応性基が、遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合性基と反応しうる反応性基である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の高分子化合物の製造方法。
  7. 前記遷移金属触媒を用いるカップリング反応が、Suzuki反応、Buchwald反応またはYamamoto反応である、請求項6に記載の高分子化合物の製造方法。
  8. 前記重合性基を2つ以上有する化合物が、下記式(3)で表される化合物である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の高分子化合物の製造方法。
    Figure 2013237790
    (3)
    [式中、
    およびXは、それぞれ独立に、重合性基を表す。
    は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。]
  9. 前記Bが、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、クオターフェニル、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、インデン、フルオレン、ベンゾフルオレン、インデノフルオレン、スピロビフルオレン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン、ピレン、ペリレンまたはクリセンから、環を構成する炭素原子に直接結合する2個の水素原子を除いてなる基(当該基は置換基を有していてもよい。)である、請求項8に記載の高分子化合物の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法で得られた高分子化合物と、
    正孔輸送性材料、電子輸送性材料および発光材料からなる群から選ばれる1種以上の材料と、を含有する組成物。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法で得られた高分子化合物と、溶媒と、を含有する組成物。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法で得られた高分子化合物を含有する、有機薄膜。
  13. 陽極と、陰極と、該陽極および該陰極の間に有機層と、を有し、
    該有機層が、請求項12に記載の有機薄膜である、発光素子。
  14. 請求項13に記載の発光素子を用いた、面状光源または表示装置。
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