JP5891798B2 - 高分子化合物及びそれを用いた発光素子 - Google Patents

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本発明は、高分子化合物及びそれを用いた発光素子に関する。
発光素子に用いるための材料として、例えば、アリールアミンから誘導された構成単位と、フルオレンから誘導された構成単位とを含む高分子化合物(非特許文献1参照)が検討されている。
Advanced Materials 1999, 11, 241.
しかしながら、上記の高分子化合物を用いた発光素子は、その正孔輸送性が必ずしも十分ではない。
そこで、本発明は、正孔輸送性に優れる発光素子の製造に有用なる高分子化合物を提供することを目的とする。本発明はまた、当該高分子化合物を含む組成物、有機薄膜及び発光素子を提供することを目的とする。本発明はさらに、高分子化合物の原料化合物を提供することを目的とする。
本発明は第一に、下記式(1)で表される構成単位を含む高分子化合物を提供する。
Figure 0005891798
[式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
、R及びRCは、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
Ar及びArは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基、又は非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。
及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよい。
10、R11、R12及びR13のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R16、R17、R18及びR19のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。
ArとRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、ArとRCは互いに連結して環構造を形成していてもよい。]
上記式(1)で表される構成単位は、下記式(2)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0005891798
[式中、
、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R、R、RC、Ar及びArは前記と同義である。
、n、n及びnは、それぞれ独立に、1〜5の整数を示す。
21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示し、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28がそれぞれ複数存在するとき、複数存在するR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は互いに同一でも異なっていてもよい。
21、R22、R23及びR24のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R25、R26、R27及びR28のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。]
本発明の高分子化合物は、下記式(3)で表される構成単位をさらに含んでいることが好ましい。
Figure 0005891798
[式中、Arは非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。]
本発明の高分子化合物は、上記式(3)で表される構成単位として、非置換若しくは置換のフルオレンジイル基からなる構成単位を含んでいることが好ましく、非置換若しくは置換の2,7−フルオレンジイル基からなる構成単位を含んでいることがより好ましい。
本発明の高分子化合物は、上記式(3)で表される構成単位として、非置換若しくは置換のナフタレンジイル基からなる構成単位を含んでいることが好ましい。
本発明の高分子化合物は、下記式(4)で表される構成単位をさらに含んでいることが好ましい。
Figure 0005891798
[式中、
a及びaは、それぞれ独立に0又は1を示す。
Ar及びArは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基又は非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。
Ar 及びAr は、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基、又は、アリーレン基及び2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基(該基は、置換基を有していてもよい。)を示す。
D、RE及びRFは、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と互いに連結して環構造を形成していてもよい。]
本発明の高分子化合物は、上記式(4)で表される構成単位として、下記式(5)で表される構成単位を含んでいることが好ましい。
Figure 0005891798
[式中、
Gは、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基又は非置換もしくは置換の1価の複素環基を示す。
Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はC(Rを示し、Rは、水素原子、非置換もしくは置換のアルキル基又は非置換もしくは置換のアリール基を示し、2つのRは同一であっても異なっていてもよい。]
本発明の高分子化合物は、前記式(1)で表される構成単位の割合が、0.1〜50モル%であることが好ましい。正孔輸送性がより優れる発光素子が得られるためである。
本発明はまた、下記式(1M)で表される化合物を提供する。
Figure 0005891798
[式中、
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
、R及びRCは、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示し、
Ar及びArはそれぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基又は非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。
及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよい。
10、R11、R12及びR13のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R16、R17、R18及びR19のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。
ArとRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、ArとRCは互いに連結して環構造を形成していてもよい。
及びZはそれぞれ独立に、下記置換基群から選ばれる基を示す。
<置換基群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
−O−S(=O)41(R41は、アルキル基、又は、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子若しくはシアノ基で置換されていてもよいアリール基を示す。)で示される基、
−B(OR42(R42は、水素原子又はアルキル基を示し、2つのR42は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成していてもよい。)で示される基、
−BF(Qは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる1価の陽イオンを示す。)で示される基、
−MgY(Yは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で示される基、
−ZnY(Yは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で示される基、及び、
−Sn(R43(R43は、水素原子又はアルキル基を示し、3つのR43は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成していてもよい。)で示される基。]
上記式(1M)で表される化合物は、下記式(2M)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005891798
[式中、
、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R、R、RC、Ar、Ar、Z及びZは前記と同義である。
、n、n及びnは、それぞれ独立に、1〜5の整数を示す。
21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示し、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28がそれぞれ複数存在するとき、複数存在するR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は互いに同一でも異なっていてもよい。
21、R22、R23及びR24のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R25、R26、R27及びR28のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。]
本発明はまた、本発明の高分子化合物と、正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群より選ばれる少なくとも一種の材料と、を含有する組成物を提供する。
本発明はまた、本発明の高分子化合物を含有する有機薄膜を提供する。
本発明はまた、本発明の組成物を含有する有機薄膜を提供する。
本発明はまた、本発明の有機薄膜を備える発光素子を提供する。
本発明によれば、正孔輸送性に優れる発光素子の製造に有用な高分子化合物を提供することができる。本発明はまた、当該高分子化合物を含む組成物、有機薄膜及び発光素子を提供することができる。本発明はさらに、高分子化合物の原料化合物を提供することができる。
以下、本明細書において共通して用いられる用語について、必要に応じて例を挙げて説明する。
本明細書中、「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「Ph」はフェニル基を示し、「t−Bu」及び「tBu」はtert−ブチル基を示す。
本明細書中、「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位構造を意味する。「構成単位」は、「繰り返し単位」(すなわち、高分子化合物中に2個以上存在する単位構造)として高分子化合物中に含まれることが好ましい。
「C〜C」(x、yはx<yを満たす正の整数である。)という用語は、この用語の直後に記載された官能基名に該当する部分構造の炭素原子数が、x〜y個であることを意味する。すなわち、「C〜C」の直後に記載された有機基が、複数の官能基名を組み合わせて命名された有機基(例えば、C〜Cアルコキシフェニル基)である場合、複数の官能基名のうち「C〜C」の直後に記載された官能基名(例えば、アルコキシ)に該当する部分構造の炭素原子数が、x〜y個であることを意味する。例えば、「C〜C12アルキル基」は炭素原子数が1〜12個であるアルキル基を意味し、「C〜C12アルコキシフェニル基」は「炭素原子数が1〜12個であるアルコキシ基」を有するフェニル基を意味する。
本明細書中、「非置換若しくは置換の」という用語は、この用語の直後に記載された官能基が置換基を有していてもよいことを意味する。例えば、「非置換若しくは置換のアルキル基」は、「非置換のアルキル基若しくは置換基を有するアルキル基」を意味する。
本明細書中、「n価の複素環基」(nは1以上の整数である。)とは、複素環式化合物(芳香族性を持つ、芳香族複素環式化合物であることが好ましい。)からn個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。「複素環式化合物」とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、燐原子、ホウ素原子等のヘテロ原子を環内に含む化合物を意味する。「アリーレン基」とは、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた残りの原子団を意味し、縮合環を持つ基を含む。なお、独立したベンゼン環及び縮合環から選ばれる2個以上の環が直接結合した基は含まれない。「アリール基」とは、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた残りの原子団を意味し、縮合環を持つ基、独立したベンゼン環及び縮合環から選ばれる2個以上が直接結合した基を含む。
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。
[高分子化合物]
以下、好適な実施形態に係る高分子化合物について説明する。
本発明の高分子化合物は、下記式(1)で表される構成単位を含む。
Figure 0005891798
式(1)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
、R及びRCは、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
Ar及びArはそれぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。
、R、R、R、R、R、R及びRは、高分子化合物の製造が容易であり、かつ、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基又は非置換若しくは置換のアリール基であることが好ましく、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基又は非置換若しくは置換のアルコキシ基であることがより好ましい。
、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20としては、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基又は非置換若しくは置換のアリール基が好ましく、水素原子又は非置換若しくは置換のアルキル基がより好ましい。
式(1)においてR〜R20が示す非置換もしくは置換のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、直鎖状及び分岐状のアルキル基の炭素原子数は通常1〜50程度、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。環状のアルキル基の炭素原子数は通常3〜50程度、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−n−ヘキシル−デシル基、及び、これらの基における水素原子が、アリール基、アルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
〜R20が示す非置換もしくは置換のアリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜48、さらに好ましくは6〜30である。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
〜R20が示す非置換もしくは置換の1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常4〜60であり、好ましくは4〜20である。
前記1価の複素環基としては、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
なかでも、チエニル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピリミジル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基等で置換された基が好ましい。
〜R20が示す非置換もしくは置換のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよい。直鎖状及び分岐状のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常1〜40であり、好ましくは2〜20であり、より好ましくは4〜10である。環状のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常3〜40であり、好ましくは3〜20であり、より好ましくは4〜10である。
前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アリール基、アルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
〜R20が示す非置換もしくは置換のアリールオキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、通常6〜60であり、好ましくは7〜48である。
前記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
、R及びRCは、高分子化合物の安定性が良好になり、かつ、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基であることが好ましく、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基であることがより好ましく、非置換若しくは置換のアリール基であることがさらに好ましい。
、R及びRCで表される非置換もしくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で示される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基及び非置換若しくは置換の複素環基の定義や例と同じである。
、R及びRCで示される非置換もしくは置換のアリール基としては、高分子化合物の有機溶媒への溶解性と耐熱性とがバランス良く向上するので、フェニル基、アルキル基で置換されたフェニル基が好ましい。
、R及びRCで示されるアルキル基で置換されたフェニル基としては、2,6−ジメチル−4−n−ブチルフェニル基、2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−n−ブチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−n−ヘキシルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3−n−ヘキシル−5−メチルフェニル基、3,5−ジ−n−ヘキシルフェニル基等が挙げられる。
Ar及びArが示す非置換もしくは置換のアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜30、さらに好ましくは6〜18である。
Ar及びArで示されるアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基、2,7−フルオレンジイル、3,6−フルオレンジイル基、1,6−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基、3,9−ペリレンジイル基、3,10−ペリレンジイル基、6,12−クリセンジイル基、2,8−クリセンジイル基等が挙げられ、
1,4−フェニレン基、2,7−フルオレンジイル、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基、1,6−ピレンジイル基が好ましい。
Ar及びArが示す非置換もしくは置換の2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、好ましくは4〜60、より好ましくは4〜30、さらに好ましくは4〜15である。
Ar及びArで示される2価の複素環基としては、例えば、2,5−チオフェンジイル基、2,5−ピロールジイル基、2,5−フランジイル基、2,5−ピロールジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、2,7−フェノチアジンジイル基、2,8−フェノチアジンジイル基、4,6−フェノチアジンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基等が挙げられる。
Ar及びArで示される基は置換基を有していてもよい。置換基としては、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の1価の複素環基、シアノ基が挙げられ、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基が好ましい。
非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、非置換もしくは置換の複素環基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で表される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例と同じである。
式(1)中、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよい。
10、R11、R12及びR13のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R16、R17、R18及びR19のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。
ArとRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、ArとRCは互いに連結して環構造を形成していてもよい。
式(1)において、「R10、R11、R12及びR13のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい」とは、隣接位の炭素原子に結合する基同士が互いに連結して環構造を形成してもよいことを意味し、R10とR11とが連結して環構造を形成してもよいこと、R11とR12とが連結して環構造を形成してもよいこと、及び、R12とR13とが連結して環構造を形成してもよいことを意味する。
式(1)において、「R16、R17、R18及びR19のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい」とは、隣接位の炭素原子に結合する基同士が互いに連結して環構造を形成してもよいことを意味し、R16とR17とが連結して環構造を形成してもよいことR17とR18とが連結して環構造を形成してもよいこと、及び、R18とR19とが連結して環構造を形成してもよいことを意味する。
上記の形成された環構造は置換基を有していてもよく、置換基としては、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の1価の複素環基、シアノ基が挙げられる。
非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、非置換もしくは置換の1価の複素環基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で示される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例と同じである。
式(1)において、「ArとRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、ArとRは互いに連結して環構造を形成していてもよい」とは、ArとR(又はArとR)とが、単結合、又は、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−N(R29)−、−C(=O)−N(R29)−若しくは−C(R29−で示される基(R29は、非置換若しくは置換のアルキル基又は非置換若しくは置換のアリール基を示し、R29が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい)を介して結合し、環構造を形成していてもよいことを示す。これにより、通常5〜7員環が形成される。
上記の形成された環構造は置換基を有していてもよく、置換基としては、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の1価の複素環基、シアノ基が挙げられる。
非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基及び非置換もしくは置換の1価の複素環基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で示される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例と同じである。
式(1)で表される構成単位の割合は、得られる高分子化合物の安定性が優れるので、全構成単位の0.1〜50モル%であることが好ましく、0.1〜40モル%であることがより好ましく、0.1〜30モル%であることがさらに好ましい。
前記式(1)で表される構成単位は、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、好ましくは、下記式(2)で表される構成単位である。
Figure 0005891798
式(2)中、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R、R、RC、Ar及びArは前記と同義である。
、n、n及びnは、それぞれ独立に、1〜5の整数を示す。
21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、高分子化合物の製造が容易であり、かつ、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基又は非置換若しくは置換のアリール基であることが好ましく、水素原子又は非置換若しくは置換のアルキル基であることがより好ましい。
21〜R28で示される非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基及び非置換もしくは置換の1価の複素環基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で表される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例と同じである。
式(2)において、nが2〜5の整数であるとき、複数存在するR21は互いに同一でも異なっていてもよく、複数存在するR22は互いに同一でも異なっていてもよい。また、nが2〜5の整数であるとき、複数存在するR23は互いに同一でも異なっていてもよく、複数存在するR24は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R21、R22、R23及びR24のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。
式(2)において、nが2〜5の整数であるとき、複数存在するR25は互いに同一でも異なっていてもよく、複数存在するR26は互いに同一でも異なっていてもよい。また、nが2〜5の整数であるとき、複数存在するR27は互いに同一でも異なっていてもよく、複数存在するR28は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R25、R26、R27及びR28のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。
式(2)で表される構成単位においては、例えば、n及び/又はnが2以上の場合で置換基を有するときや、R21及びR22が互いに異なるときや、R23及びR24が互いに異なるときに、立体異性を生じ得る。また、n及び/又はnが2以上の場合で置換基を有するときや、R25及びR26が互いに異なるときや、R27及びR28が互いに異なるときに、立体異性を生じ得る。高分子化合物は、式(2)で表される構成単位として、同一の立体異性を有する構成単位のみを有していてもよく、互いに異なる立体異性を有する複数の構成単位を有していてもよい。立体異性としては、ジアステレオマー、エナンチオマーが挙げられる。
式(2)で表される構成単位の中に、例えば、下記式(1−A)で表されるジヒドロフェナントレン骨格部分が含まれる場合、その立体異性の例は、下記式(1−a)、式(1−b)、式(1−c)、式(1−d)で表される。なお、下記式中、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を示す。
Figure 0005891798
Figure 0005891798
式(1−a)で表される骨格部分、式(1−b)で表される骨格部分、式(1−c)で表される骨格部分及び式(1−d)で表される骨格部分は、互いにジアステレオマーの関係にある。
式(2)において、「R21、R22、R23及びR24のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。」とは、例えば、R21、R22、R23及びR24のうち同一の炭素原子に結合する基同士が互いに連結して環構造を形成してもよく、n及び/又はnが2以上のときに、隣接位の炭素原子に結合する基同士が互いに連結して環構造を形成してもよいことを意味する。
式(2)において、「R25、R26、R27及びR28のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい」とは、例えば、R25、R26、R27及びR28のうち同一の炭素原子に結合する基同士が互いに連結して環構造を形成してもよく、n及び/又はnが2以上のときに、隣接位の炭素原子に結合する基同士が互いに連結して環構造を形成してもよいことを意味する。
上記の形成された環構造は置換基を有していてもよく、置換基としては、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の1価の複素環基及びシアノ基が挙げられる。
非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、非置換もしくは置換の複素環基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で示される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例と同じである。
式(2)において、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、n、n、n及びnは3〜5の整数であることが好ましく、3又は4であることがより好ましく、3であることがさらに好ましい。
式(2)において、n及びnは互いに同一でも異なっていてもよいが、高分子化合物の製造が容易となるので、n及びnは互いに同一であることが好ましい。
式(2)において、n及びnは互いに同一でも異なっていてもよいが、高分子化合物の製造が容易となるので、n及びnは互いに同一であることが好ましい。
式(1)又は(2)で表される構成単位としては、例えば、下記式(1−1)〜(1−17)で表される構成単位が挙げられ、式(1−1)〜(1−4)で表される構成単位が好ましい。
Figure 0005891798
Figure 0005891798
本発明の高分子化合物は、式(1)又は式(2)で表される構成単位に加えて、下記式(3)で表される構成単位を更に含んでいることが好ましい。
Figure 0005891798
式(3)中、Arは非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。但し、式(3)で表される構成単位は、後述の式(5)で表される構成単位とは異なる。
Arが示す非置換もしくは置換のアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜30、さらに好ましくは6〜18である。
Arで示されるアリーレン基としては、例えば、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基、2,7−フルオレンジイル、3,6−フルオレンジイル基、1,6−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基、3,9−ペリレンジイル基、3,10−ペリレンジイル基、6,12−クリセンジイル基、2,8−クリセンジイル基が挙げられる。
Arで示されるアリーレン基としては、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、1,4−フェニレン基、2,7−フルオレンジイル、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、1,6−ピレンジイル基が好ましい。
Arが示す非置換もしくは置換の2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、好ましくは4〜60、より好ましくは4〜30、さらに好ましくは4〜15である。
Arで示される2価の複素環基としては、例えば、2,5−チオフェンジイル基、2,5−ピロールジイル基、2,5−フランジイル基、2,5−ピロールジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、2,7−フェノチアジンジイル基、2,8−フェノチアジンジイル基、4,6−フェノチアジンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基が挙げられる。
Arで示される基は置換基を有していてもよい。置換基としては、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の1価の複素環基及びシアノ基が挙げられ、非置換もしくは置換のアルキル基及び非置換もしくは置換のアリール基が好ましい。
非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基及び非置換もしくは置換の1価の複素環基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で表される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例と同じである。
式(3)で表される構成単位は、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、非置換若しくは置換のフルオレンジイル基からなる構成単位であることが好ましく、非置換若しくは置換の2,7−フルオレンジイル基からなる構成単位であることがより好ましい。
式(3)で表される構成単位は、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、非置換若しくは置換のナフタレンジイル基からなる構成単位であることが好ましく、非置換若しくは置換の2,6−ナフタレンジイル基からなる構成単位であることがより好ましい。
本発明の高分子化合物は、式(3)で表される構成単位として、上記の構成単位を一種のみ含んでいてもよいし、異なる複数の構成単位を含んでいてもよい。
例えば、本発明の高分子化合物は、式(3)で表される構成単位として、非置換若しくは置換のフルオレンジイル基からなる構成単位と、非置換若しくは置換のナフタレンジイル基からなる構成単位と、を含んでいてもよい。また、例えば、本発明の高分子化合物は、式(3)で表される構成単位として、非置換若しくは置換のフルオレンジイル基からなる構成単位と、非置換若しくは置換のアントラセンジイル基からなる構成単位と、を含んでいてもよい。
式(3)で表される構成単位としては、例えば、下記式(3−1)〜(3−42)で表される構成単位が挙げられ、式(3−1)、(3−2)、(3−4)、(3−5)、(3−9)、(3−12)、(3−25)、(3−28)、(3−30)、(3−32)、(3−34)、(3−41)及び(3−42)が好ましい。高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるためである。
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
式(3)で表される構成単位の割合は、得られる高分子化合物の安定性が優れるので、全構成単位の0.1〜99.9モル%であることが好ましく、30〜99.9モル%であることがより好ましく、50〜99.9モル%であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物は、下記式(4)で表される構成単位を更に含んでいることが好ましい。
Figure 0005891798
式(4)中、a及びaは、それぞれ独立に、0又は1を示す。
Ar及びArは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基又は非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。
Ar 及びAr は、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基、又は、アリーレン基及び2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基(該基は、置換基を有していてもよい。)を示す。
D、RE及びRFは、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と互いに連結して環構造を形成していてもよい。
aは、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、1であることがより好ましい。
aは、本発明の高分子化合物の製造が容易であり、また、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、0であることが好ましい。
式(4)中、RD、RE及びRFは、高分子化合物の安定性が良好になり、かつ、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、正孔輸送性がより優れるので、置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基であることが好ましく、非置換若しくは置換のアリール基であることがより好ましい。
式(4)においてAr、Ar、Ar及びArで表される基は、非置換若しくは置換のアリーレン基であることが、高分子化合物の安定性が良好になり、また、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので好ましい。
Ar、Ar、Ar及びArが示す非置換もしくは置換のアリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、好ましくは6〜60、より好ましくは6〜30、さらに好ましくは6〜18である。
Ar、Ar、Ar及びArが示すアリーレン基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、1,5−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基、5,12−ナフタセンジイル基、2,7−フルオレンジイル、3,6−フルオレンジイル基、1,6−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基、3,9−ペリレンジイル基、3,10−ペリレンジイル基、6,12−クリセンジイル基、2,8−クリセンジイル基が挙げられ、1,4−フェニレン基、2,7−フルオレンジイル、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、2,7−フェナントレンジイル基、2,7−ジヒドロフェナントレンジイル基、1,6−ピレンジイル基が好ましく、1,4−フェニレン基、2,7−フルオレンジイルがさらに好ましい。
Ar、Ar、Ar及びArが示す非置換もしくは置換の2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含まないで、好ましくは4〜60、より好ましくは4〜30、さらに好ましくは4〜15である。
Ar、Ar、Ar及びArが示す2価の複素環基としては、例えば、2,5−チオフェンジイル基、2,5−ピロールジイル基、2,5−フランジイル基、2,5−ピロールジイル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基、2,7−フェノチアジンジイル基、2,8−フェノチアジンジイル基、4,6−フェノチアジンジイル基、ジベンゾフランジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基が挙げられる。
Ar及びArにおけるアリーレン基及び2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基としては、例えば、下記式(1a−1)、(1a−2)、(1a−3)、(1a−4)、(1a−5)、(1a−6)又は(1a−7)で表される基を選択することができ、上記式(1a−1)で表される基が好ましい。
Figure 0005891798
Ar、Ar、Ar及びArで示される基は置換基を有していてもよい。置換基としては、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の1価の複素環基及びシアノ基が挙げられ、非置換もしくは置換のアルキル基及び非置換もしくは置換のアリール基が好ましい。
非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアルコキシ基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、非置換もしくは置換の1価の複素環基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で表される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換のアリールオキシ基、非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例と同じである。
D、RE及びRFで示される非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例は、それぞれ、R、R及びRCで示される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基及び非置換若しくは置換の複素環基の定義や例と同じである。
式(4)の構成単位としては、例えば、下記式(3−a)、(3−b)、(3−c)及び(3−d)で表される構成単位が挙げられ、式(3−b)、(3−c)及び(3−d)で表される構成単位が好ましく、式(3−b)及び(3−c)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 0005891798
式(3−a)〜(3−d)中、R52は、R〜R20の定義や例と同じである。また、R52は、上記の基を表すかわりに、他のR52と一緒になって環を形成していてもよい。
式(4)で表される構成単位としては、例えば、下記式(4−1)〜(4−5)で表される構成単位が挙げられ、式(4−2)、(4−3)及び(4−4)で表される構成単位が好ましく、式(4−2)及び(4−3)で表される構成単位がさらに好ましい。
Figure 0005891798
式(4)で表される構成単位の割合は、得られる高分子化合物の安定性が優れるので、全構成単位の0.1〜70モル%であることが好ましく、0.1〜50モル%であることがより好ましく、0.1〜40モル%であることがさらに好ましい。
式(4)で表される構成単位は、下記式(5)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0005891798
Gは水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はC(Rを示し、Rは、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基又は非置換若しくは置換のアリール基を示し、2つのRは同一でも異なっていてもよい。
Gは、高分子化合物の安定性が良好になり、かつ、高分子化合物を発光素子の製造に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基であることが好ましく、非置換若しくは置換のアルキル基又は非置換若しくは置換のアリール基であることがより好ましく、非置換若しくは置換のアリール基であることがさらに好ましい。
Xは、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に、得られる発光素子の正孔輸送性がより優れるので、単結合又は酸素原子であることが好ましく、酸素原子であることがより好ましい。
で示される非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例は、それぞれ、R、R及びRで表される非置換若しくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基及び非置換若しくは置換の1価の複素環基の定義や例と同じである。
で示される非置換もしくは置換のアルキル基及び非置換もしくは置換のアリール基の定義や例は、それぞれ、R〜R20で表される非置換若しくは置換のアルキル基及び非置換もしくは置換のアリール基の定義や例と同じである。
式(5)で表される構成単位としては、例えば、下記式(5−1)〜(5−7)で表される構成単位が挙げられ、正孔輸送性の観点から、式(5−1)〜(5−5)で表される構成単位が好ましく、(5−4)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 0005891798
Figure 0005891798
本発明の高分子化合物における、上記の構成単位の組み合わせの例を、以下に示す。
Figure 0005891798
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Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
本発明の高分子化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と言う。)によるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、通常、1×10〜1×10であり、好ましくは1×10〜1×10である。また、高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常、2×10〜2×10であり、成膜性が良好になるので、好ましくは2×10〜2×10であり、より好ましくは3×10〜1×10であり、更に好ましくは5×10〜5×10である。
本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合に発光特性や輝度寿命が低下する可能性があるので、安定な基であることが好ましい。この末端基としては、主鎖と共役結合している基が好ましく、アリール基又は1価の複素環基(具体的には、特開平9−45478号公報に記載の基等)が挙げられる。
本発明の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
[高分子化合物の製造方法]
次に、本発明の高分子化合物の好ましい製造方法を説明する。
本発明の高分子化合物は、例えば、下記式(1M)で表される化合物(以下、場合により「化合物1M」という。)と、他のモノマー(例えば、下記式(3M)で表される化合物(以下、場合により「化合物3M」という。)及び/又は下記式(4M)で表される化合物(以下、場合により「化合物4M」という。))と、を縮合重合させることにより製造することができる。本明細書において、化合物1Mと化合物3Mと化合物4Mを総称して、「モノマー」ということがある。
Figure 0005891798
Figure 0005891798
Figure 0005891798
式(1M)中、n、n、n、n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、Ar、Ar、R、R及びRCは上記と同義であり、Z及びZは、それぞれ独立に、下記置換基群(下記置換基A群又は下記置換基B群)から選択される基を示す。
式(3M)中、Arは上記と同義であり、Z及びZは下記置換基A群又は下記置換基B群から選択される基を示す。
式(4M)中、a、a、Ar、Ar、Ar、Ar、RD、RE及びRFは上記と同義であり、Z及びZは下記置換基A群又は下記置換基B群から選択される基を示す。
<置換基A群>
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、−O−S(=O)41(R41は、アルキル基、又は、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子若しくはシアノ基で置換されていてもよいアリール基を示す。)で示される基。
<置換基B群>
−B(OR42(R42は水素原子又はアルキル基を示し、複数存在するR42は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成していてもよい。)で示される基、−BF(Qは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる1価の陽イオンを示す。)で示される基、−MgY(Yは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で示される基、−ZnY(Yは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で示される基、及び、−Sn(R43(R43は水素原子又はアルキル基を示し、複数存在するR43は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成していてもよい。)で示される基。
置換基A群から選ばれる基を有する化合物と置換基B群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により縮合重合して、置換基A群から選ばれる基及び置換基B群から選ばれる基と結合する炭素原子同士が結合することが知られている。そのため、置換基A群から選ばれる基を2個有する化合物Aと、置換基B群から選ばれる基を2個有する化合物Bと、を公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、化合物A及び化合物Bの縮合重合体を得ることができる。
例えば、化合物1MにおけるZ及びZが置換基A群から選ばれる基である場合、化合物3M(又は、化合物4M)におけるZ及びZ(又は、Z及びZ)としては、置換基B群から選ばれる基を選択することができる。また、化合物1MにおけるZ及びZが置換基B群から選ばれる基である場合、化合物3M(又は、化合物4M)におけるZ及びZ(又は、Z及びZ)としては、置換基A群から選ばれる基を選択することができる。
式(1M)、(3M)、(4M)で表される化合物は、予め合成し単離したものを用いることも、反応系中で調製してそのまま用いることもできる。
縮合重合の方法としては、式式(1M)、(3M)、(4M)で表される化合物を、適切な触媒や適切な塩基を用いて反応させる方法が挙げられる。
触媒としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリス−o‐メトキシフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[トリス(ジベンジリデンアセトン)]ジパラジウム、パラジウムアセテート等のパラジウム錯体、ニッケル[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ジクロロニッケル、[ビス(1,4−シクロオクタジエン)]ニッケル等のニッケル錯体等の遷移金属錯体と、必要に応じて、更にトリフェニルホスフィン、トリ(tert−ブチルホスフィン)、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィノプロパン、ビピリジル等の配位子とからなる触媒が挙げられる。触媒は、予め合成したものを用いることもできるし、反応系中で調製したものをそのまま用いることもできる。これらの触媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
触媒を用いる場合には、その使用量は、式(1M)、(3M)、(4M)で表される化合物のモル数の合計に対する遷移金属の量として、0.00001〜3モル当量が好ましく、0.00005〜0.5モル当量がより好ましく、0.0001〜0.2モル当量が更に好ましい。
塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基、フッ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基が挙げられる。これらの塩基は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
塩基を用いる場合には、その使用量は、式(1M)、(3M)、(4M)で表される化合物のモル数の合計に対して、0.5〜20モル当量が好ましく、1〜10モル当量がより好ましい。
縮合重合は、通常、有機溶媒等の溶媒の存在下で行うことができる。
有機溶媒は、式(1M)、(3M)、(4M)で表される化合物の種類や反応によって異なるが、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドである。副反応を抑制するために、これらの溶媒に対して、脱酸素処理を行うことが望ましい。これらの有機溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
有機溶媒の使用量は、式(1M)、(3M)、(4M)で表される化合物の合計濃度が、通常0.1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜30重量%となる量である。
縮合重合の反応温度は、好ましくは−100〜200℃であり、より好ましくは−80〜150℃であり、更に好ましくは0〜120℃である。反応時間は、反応温度等の条件によるが、通常1時間以上であり、好ましくは2〜500時間である。
重合反応において、本実施形態の高分子化合物の末端に重合性基(例えばZ、Z)が残存するのを避けるために、重合停止剤として、下記式(1T)で示される化合物を用いてもよい。これにより、末端がアリール基又は1価の複素環基(特には1価の芳香族複素環基)である高分子化合物を得ることができる。
−Ar (1T)
式(1T)中、Arは置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい1価の複素環基(特には1価の芳香族複素環基)を示し、Zは上記置換基A群及び上記置換基B群からなる群から選ばれる基を示す。Arにおけるアリール基及び1価の複素環基(特には1価の芳香族複素環基)としては、それぞれ上述のR〜R20として例示された非置換もしくは置換のアリール基、非置換もしくは置換の1価の複素環基(特には1価の芳香族複素環基)と同様のものが例示できる。
重合反応の後処理は、公知の方法で行うことができ、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法や、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応溶液を加えて、析出させた沈殿を濾過、乾燥させる方法などを単独、又は組み合わせて行うことができる。
本発明の高分子化合物の純度が低い場合には、再結晶、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製すればよいが、本発明の高分子化合物を発光素子に用いる場合、その純度が発光効率や輝度寿命等の発光素子の特性に影響を与えるため、縮合重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
前記縮合重合の方法としては、Suzuki反応により重合する方法(ケミカル・レビュー(Chem. Rev.),第95巻,2457頁(1995年))、Grignard反応により重合する方法(共立出版、高分子機能材料シリーズ第2巻、高分子の合成と反応(2)、432〜433頁)、山本重合法により重合する方法(プログレッシブ ポリマー サイエンス(Prog. Polym. Sci.),第17巻, 1153〜1205頁, 1992年)が挙げられる。
(化合物)
本発明の化合物は、下記式(1M)で表される化合物である。
Figure 0005891798
式(1M)中、n、n、n、n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、Ar、Ar、R、R及びRCは上記と同義であり、Z及びZは、それぞれ独立に、上記置換基群(上記置換基A群又は上記置換基B群)から選択される基を示す。
前記式(1M)で表される化合物は、得られる素子の正孔輸送性に優れるので、好ましくは、下記式(2M)で表される化合物である。
Figure 0005891798
式(2M)中、n、n、n、n、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、Ar、Ar、R、R及びRCは上記と同義であり、Z及びZは、それぞれ独立に、上記置換基群(上記置換基A群又は下記置換基B群)から選択される基を示す。
式(2M)で表される化合物としては、例えば、下記式(N−1)〜式(N−6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005891798
式(N−1)〜式(N−6)で表される化合物の製造方法について説明する。式(N−1)〜式(N−6)で表される化合物は、例えば、下記スキーム1に記載の方法で製造することができる。
Figure 0005891798
スキーム1
スキーム1中、Y1a及びY2aはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基A群から選ばれる基を示し、Z1a及びZ2aは水素原子又は置換基A群から選ばれる基を示し、R1aは水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。Ar、Ar、R、R及びRは上記と同義である。複数存在するR1aは互いに同一でも異なっていてもよい。
スキーム1においては、まず、式(6−1−1)で表される化合物(以下、「化合物(6−1−1)」という。他の化合物についても同様。)と所定のアミン化合物とのカップリング反応により化合物(6−1−2)が得られる。
スキーム1において、式(6−1−1)で表される化合物と所定のアミン化合物とのカップリング反応により化合物(6−1−3)が得られる。次いで、化合物(6−1−3)所定のアミン化合物とのカップリング反応により化合物(6−1−4)が得られる。
ここで、Y1a及びY2aが水素原子である場合には、化合物(6−1−1)をブロモ化反応等の反応に供して、Y1a及びY2aを置換基A群から選ばれる基に変換する。
次いで、化合物(6−1−2)と化合物(6−1−4)とのカップリング反応により、化合物(6−1−5)が得られる。化合物(6−1−5)におけるZ1a及びZ2aが水素原子である場合、化合物(6−1−5)をブロモ化反応等の反応に供することにより、該水素原子を置換基A群から選ばれる基に変換することができる。また、化合物(6−1−5)におけるZ1a及びZ2aが置換基A群から選ばれる基である場合、該基は公知の反応により置換基B群から選ばれる基に変換することができる。
式(N−1)で表される化合物は、例えば、下記スキーム1に記載の方法で製造することができる。
Figure 0005891798
スキーム2
化合物1と所定のアミン化合物とのカップリング反応により、化合物2を得る。さらに、化合物2と所定のアミン化合物とのカップリング反応により化合物3を得た後、最終的にブロモ化反応等の反応に供することにより、化合物4が得られる。
[組成物]
本発明の組成物は、本発明の高分子化合物と、正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と、を含有する組成物である。この組成物は、例えば、発光材料や電荷輸送材料(正孔輸送材料及び電子輸送材料を意味する。)として用いることができる。
正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料としては、後述する発光素子が有する有機層が含み得る正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料が挙げられる。
正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と本発明の高分子化合物との含有比率は、用途に応じて決めればよい。
本発明の組成物は、本発明の高分子化合物と、溶媒とを含有する組成物であってもよい。この組成物は、溶液、インク、インク組成物と呼ぶことがあり、以下、「本発明の溶液」と言う。
本発明の溶液は、インクジェットプリント法や印刷法等の塗布による発光素子の作製に有用である。また、本発明の溶液は、高分子化合物及び溶媒以外に、正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、安定剤、増粘剤(粘度を高めるための高分子量の化合物や貧溶媒)、粘度を下げるための低分子量の化合物、界面活性剤(表面張力を下げるためのもの)、酸化防止剤等を含んでいてもよい。
本発明の溶液における溶媒の含有比率は、本発明の高分子化合物100質量%に対して、通常0.1〜100000質量%であり、好ましくは100〜100000質量%であり、より好ましくは1500〜50000質量%であり、更に好ましくは2000〜20000質量%である。
本発明の溶液の粘度は、印刷法の種類によって調整すればよいが、インクジェットプリント法等の溶液が吐出装置を経由するものの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために、25℃において、1〜20mPa・sの範囲であることが好ましい
増粘剤として用いられる高分子量の化合物は、高分子化合物と同じ溶媒に可溶であり、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよい。例えば、高分子量のポリスチレン、高分子量のポリメチルメタクリレートを用いることができる。これらの高分子量の化合物は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が50万以上であることが好ましく、100万以上であることがより好ましい。
増粘剤として貧溶媒を用いることもできる。本発明の溶液中の固形分に対する貧溶媒を少量添加することで、粘度を高めることができる。この目的で貧溶媒を添加する場合、溶液中の固形分が析出しない範囲で、溶媒の種類と添加量を選択すればよい。保存時の安定性も考慮すると、貧溶媒の量は、溶液全体100質量%に対して、50質量%以下であることが好ましく、30質量%部以下であることが更に好ましい。
酸化防止剤は、本発明の溶液の保存安定性を向上させるためのものである。酸化防止剤は、高分子化合物と同じ溶媒に可溶であり、発光や電荷輸送を阻害しないものであればよい。フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が例示される。
本発明の溶液の溶媒は、溶液中の固形成分を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4−メチルアニソール等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
これらの中でも、高分子化合物等の溶解性、成膜時の均一性、粘度特性等を向上できるので、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1−メチルナフタレン、テトラリン、アニソール、4−メチルアニソール、エトキシベンゼン、シクロヘキサン、ビシクロヘキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、n−ヘプチルシクロヘキサン、n−ヘキシルシクロヘキサン、デカリン、安息香酸メチル、シクロヘキサノン、2−プロピルシクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、ジシクロヘキシルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノンがより好ましい。
溶媒は、成膜性等が良好になるので、2種以上を組み合わせて用いることが好ましく、2〜3種を組み合わせて用いることがより好ましく、2種を組み合わせて用いることが特に好ましい。
本発明の溶液中に2種の溶媒が含まれる場合、そのうちの1種の溶媒は25℃において固体状態のものでもよい。成膜性等が良好になるので、1種の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であることが好ましく、200℃以上の溶媒であることがより好ましい。また、良好な粘度が得られるので、2種の溶媒のいずれにも60℃において1質量%以上の濃度で高分子化合物が溶解することが好ましく、2種の溶媒のうちの1種の溶媒には、25℃において1質量%以上の濃度で高分子化合物が溶解することが好ましい。
本発明の溶液中に2種以上の溶媒が含まれる場合、粘度及び成膜性を良好に得るために、沸点が最も高い溶媒が、溶液中の全溶媒100質量%のうちの40〜90質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、65〜85質量%であることが更に好ましい。
本発明の溶液に含まれる本発明の高分子化合物は、1種でも2種以上でもよい。また、本発明の高分子化合物以外の高分子量の化合物を含んでいてもよい。
本発明の溶液には、水、金属及びその塩を重量基準で1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。金属としては、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、クロム、マンガン、コバルト、白金、イリジウム等が挙げられる。また、本発明の溶液は、ケイ素、リン、フッ素、塩素、臭素等を重量基準で1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。
[薄膜]
本実施形態の薄膜は、本発明の高分子化合物または本発明の組成物を含有するものである。本実施形態の薄膜は、例えば、発光性薄膜、導電性薄膜、有機半導体薄膜である。
本実施形態の薄膜は、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法により作製することができる。好ましくは、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、より好ましくは、インクジェットプリント法により作製することができる。
上述した本発明の溶液を用いて薄膜を作製する場合、溶液に含まれる本発明の高分子化合物のガラス転移温度が高いため、100℃以上の温度で加熱することが可能であり、130℃の温度で加熱しても素子特性の低下が小さい。また、高分子化合物の種類によっては、160℃以上の温度で加熱することもできる。
発光性薄膜は、発光素子の駆動電圧が良好になるため、発光量子収率が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましく、70%以上であることが特に好ましい。
導電性薄膜は、表面抵抗が1KΩ/□以下であることが好ましく、100Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□以下であることが更に好ましい。導電性薄膜に、ルイス酸、イオン性化合物等をドープすることにより、電気伝導度を高めることができる。
有機半導体薄膜は、電子移動度又は正孔移動度の大きい方が、1×10−5cm/V・s以上であることが好ましく、1×10−3cm/V・s以上であることがより好ましく、1×10−1cm/V・s以上であることが更に好ましい。SiO等の絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板上に有機半導体薄膜を形成し、Au等でソース電極とドレイン電極を形成することにより、有機トランジスタとすることができる。
[発光素子]
次に、本発明の発光素子について説明する。
本発明の発光素子は、陽極及び陰極からなる電極と、電極間に設けられた本発明の高分子化合物または本発明の組成物を含有する層とを有する発光素子である。
本発明の高分子化合物を含有する層は、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層及びインターレイヤー層の1種以上の層であることが好ましく、電子輸送層、電子注入層及び発光層のうちの1種以上の層であることがより好ましく、発光層であることがより好ましい。
発光層は、発光する機能を有する層を意味する。正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する層を意味する。電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する層を意味する。インターレイヤー層は、発光層と陽極との間で発光層に隣接して存在し、発光層と陽極、又は発光層と、正孔注入層若しくは正孔輸送層とを隔離する役割を担う層のことである。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と言い、電子注入層と正孔注入層を総称して電荷注入層と言う。発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層及びインターレイヤー層は、各々、一層のみからなるものでも二層以上からなるものでもよい。
高分子化合物を含有する層が発光層である場合には、発光層が更に正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも一種の材料を含んでいてもよい。ここで、発光材料とは、蛍光及び/又は燐光を示す材料(但し、本発明の高分子化合物とは異なる。)を意味する。
高分子化合物を含有する層が、本発明の高分子化合物と正孔輸送材料とを含有する場合には、本発明の高分子化合物100質量部に対して、正孔輸送材料の含有比率は、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
高分子化合物を含有する層が、本発明の高分子化合物と電子輸送材料とを含有する場合には、本発明の高分子化合物100質量部に対して、電子輸送材料の含有比率は、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
高分子化合物を含有する層が、本発明の高分子化合物と発光材料とを含有する場合には、本発明の高分子化合物100質量部に対して、発光材料の含有比率は、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
上記の正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料は、公知の低分子量の化合物、三重項発光錯体、高分子量の化合物が使用できる。
高分子量の化合物としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開2001−181618号公報、特開2001−123156号公報、特開2001−3045号公報、特開2000−351967号公報、特開2000−303066号公報、特開2000−299189号公報、特開2000−252065号公報、特開2000−136379号公報、特開2000−104057号公報、特開2000−80167号公報、特開平10−324870号公報、特開平10−114891号公報、特開平9−111233号公報、特開平9−45478号公報に記載されているフルオレンジイル基を構成単位とする重合体及び共重合体(以下、重合体と共重合体をまとめて「(共)重合体」と表記する。)、アリーレン基を構成単位とする(共)重合体、アリーレンビニレン基を構成単位とする(共)重合体、2価の芳香族アミン基を構成単位とする(共)重合体等が挙げられる。
低分子量の化合物としては、ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系等の色素類、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体、テトラフェニルブタジエン及びその誘導体が挙げられる。具体的には、特開昭57−51781号公報、特開昭59−194393号公報に記載されている化合物が挙げられる。
三重項発光錯体としては、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)、BtpIr(acac)、FIrpic、アメリカンダイソース社(American Dye Source, Inc)から市販されているADS066GE、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)phen等が挙げられる。具体的には、Nature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE−Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light−Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852 、Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995)に記載されている三重項発光錯体が挙げられる。
また、三重項発光錯体は、本発明の高分子化合物の主鎖、側鎖、末端に結合させて用いることもできる。
発光層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよい。通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、より好ましくは5nm〜200nmであり、更に好ましくは50nm〜150nmである。
発光層の形成方法としては、溶液からの成膜による方法が挙げられる。溶液からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。なかでも、パターン形成や多色の塗分けを容易にできるので、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、アニソール、4−メチルアニソール等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
発光素子としては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた発光素子、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた発光素子、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた発光素子が挙げられる。
このような発光素子の構造としては、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
また、これら構造の各々について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設けてもよい。このような発光素子の構造としては、以下のa’)〜d’)の構造が例示される。
a’)陽極/インターレイヤー層/発光層/陰極
b’)陽極/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/陰極
c’)陽極/インターレイヤー層/発光層/電子輸送層/陰極
d’)陽極/正孔輸送層/インターレイヤー層/発光層/電子輸送層/陰極
発光素子が正孔輸送層を有する場合、正孔輸送層には、通常、正孔輸送材料(高分子量の化合物、低分子量の化合物)が含まれる。正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体や、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているものが例示される。
これらの中でも、高分子量の化合物としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体が好ましく、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体がより好ましい。
また、低分子量の化合物としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が好ましい。これらの低分子量の化合物は、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害せず、可視光に対する吸収が強くない化合物が好ましい。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンが挙げられる。
ポリビニルカルバゾール及びその誘導体は、例えば、ビニルモノマーをカチオン重合又はラジカル重合することによって得られる。
ポリシラン及びその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物が例示される。その合成方法も、これらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサン及びその誘導体としては、シロキサンに由来する構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に低分子量の正孔輸送材料の構造を有する化合物が好ましく、正孔輸送性の芳香族アミンに由来する構造を側鎖又は主鎖に有する化合物がより好ましい。
正孔輸送層の成膜の方法としては、低分子量の化合物を用いる場合には、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。高分子量の化合物を用いる場合には、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、アニソール、4−メチルアニソール等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶液からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適切な値となるように選択すればよいが、ピンホールが発生しないような厚さが必要であるので、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2〜500nmであり、より好ましくは5〜200nmである。
発光素子が電子輸送層を有する場合、電子輸送層には、通常、電子輸送材料(高分子量の化合物、低分子量の化合物)が含まれる。電子輸送材料としては、公知のものが使用できる。例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体や、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報に記載されている化合物が例示される。なかでも、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンが更に好ましい。
電子輸送層の成膜法としては、低分子量の化合物を用いる場合には、粉末からの真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法が例示される。高分子量の化合物を用いる場合には、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が例示される。溶液又は溶融状態からの成膜による方法では、上記高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解又は均一に分散できる溶媒が好ましい。溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、アニソール、4−メチルアニソール等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶液又は溶融状態からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
電子輸送層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適切な値となるように選択すればよいが、ピンホールが発生しないような厚さが必要であるので、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2〜500nmであり、より好ましくは5〜200nmである。
正孔注入層、電子注入層は、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、発光素子の駆動電圧を下げる効果を有するものである。
電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して電荷注入層又は絶縁層(通常、平均厚さで0.5〜4.0nmであり、以下、同じである)を設けてもよい。また、界面の密着性向上や混合の防止のために、電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数及び各層の厚さは、発光効率や素子寿命を勘案して調整すればよい。
本実施形態において、電荷注入層を設けた発光素子としては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた発光素子が挙げられる。このような発光素子の構造としては、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
これらの構造の各々について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。なお、この場合、インターレイヤー層が正孔注入層及び/又は正孔輸送層を兼ねてもよい。
電荷注入層としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層等が挙げられる。
電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、導電性高分子の電気伝導度は、1×10−5〜1×10S/cmであることが好ましく、さらに発光画素間のリーク電流を小さくできるので、1×10−5〜1×10S/cmがより好ましく、1×10−5〜1×10S/cmが更に好ましい。通常、導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンとしては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが例示される。カチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが例示される。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で選択すればよい。電荷注入層に用いる材料としては、例えば、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニン等)、カーボンが例示される。
絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。絶縁層を設けた発光素子としては、陰極に隣接して絶縁層を設けた発光素子、陽極に隣接して絶縁層を設けた発光素子が挙げられる。
このような発光素子の構造としては、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/絶縁層/陰極
s)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
t)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
v)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/絶縁層/陰極
w)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
y)陽極/絶縁層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
z)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
ab)陽極/絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/絶縁層/陰極
これらの構造の各々について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤー層を設ける構造も例示される。なお、この場合、インターレイヤー層が正孔注入層及び/又は正孔輸送層を兼ねてもよい。
上述した構造a)〜ab)にインターレイヤー層を適用する場合、インターレイヤー層は、陽極と発光層との間に設けられ、陽極又は正孔注入層若しくは正孔輸送層と、発光層を構成する高分子化合物との中間のイオン化ポテンシャルを有する材料で構成されることが好ましい。
インターレイヤー層に用いる材料としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等の芳香族アミンを含むポリマーが例示される。
インターレイヤー層の成膜方法としては、高分子量の材料を用いる場合には、溶液からの成膜による方法が挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、インターレイヤー層に用いる材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、アニソール、4−メチルアニソール等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
溶液からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。
インターレイヤー層の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよい。通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2〜500nmであり、より好ましくは5〜200nmである。
インターレイヤー層を発光層に隣接して設ける場合、特に両方の層を塗布法により形成する場合には、2層の材料が混合して素子の特性等に対して好ましくない影響を与えることがある。インターレイヤー層を塗布法で形成した後、発光層を塗布法で形成する場合、2層の材料の混合を少なくする方法としては、インターレイヤー層を塗布法で形成し、このインターレイヤー層を加熱して発光層作製に用いる有機溶媒に対して不溶化した後、発光層を形成する方法が挙げられる。加熱の温度は、通常、150〜300℃である。加熱の時間は、通常、1分〜1時間である。この場合、加熱により溶媒不溶化しなかった成分を除くため、加熱後、発光層を形成する前に、インターレイヤー層を発光層形成に用いる溶媒でリンスすればよい。加熱による溶媒不溶化が十分に行われた場合は、リンスを省略できる。加熱による溶媒不溶化が十分に行われるためには、インターレイヤー層に用いる高分子量の化合物として分子内に重合可能な基を含むものを用いることが好ましい。更に、重合可能な基の数が、分子内の構成単位の数に対して5%以上であることが好ましい。
発光素子における基板は、電極を形成することができ、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよい。例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン等の材料からなるものが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
発光素子が有する陽極及び陰極の少なくとも一方は、通常、透明又は半透明であるが、陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及び、それらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性化合物を用いて作製された膜、NESA、金、白金、銀、銅等が用いられる。なかでも、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。陽極として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。また、陽極を2層以上の積層構造としてもよい。
陽極の厚さは、光の透過性と電気伝導度とを考慮して選択することができる。例えば、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは40〜500nmである。
陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボン等からなる層や、金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる絶縁層を設けてもよい。
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、又はそれらのうち2種以上の合金、又はそれらのうち1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金、並びにグラファイト及びグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して調整すればよい。通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、より好ましくは50〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、又は金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機層(即ち、本発明の高分子化合物を含むいずれかの層)との間に、導電性高分子からなる層、又は金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均厚さ2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、発光素子を保護する保護層を装着していてもよい。発光素子を長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
保護層としては、高分子量の化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物等を用いることができる。保護カバーとしては、金属板、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板等を用いることができる。例えば、保護カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子の損傷を防ぐことが容易である。この空間に窒素やアルゴンのような不活性ガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができる。更に、酸化バリウム等の乾燥剤をこの空間内に設置することにより、製造工程で吸着した水分又は硬化樹脂を通り抜けて浸入する微量の水分が素子に損傷を与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、1種以上の方策を採ることが好ましい。
発光素子は、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト等に有用である。
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。更に、ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等に用いることができる。
更に、面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は、面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[数平均分子量及び重量平均分子量の測定方法]
本実施例において、ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と言う。)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)により求めた。測定する高分子化合物は、約0.5重量%の濃度になるようテトラヒドロフラン(以下、「THF」と言うことがある。)に溶解させ、GPCに30μL注入した。GPCの移動相にはテトラヒドロフランを用い、0.6mL/分の流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いた。
[LC−MSの測定方法]
本実施例において、LC−MSの測定は、下記の方法で行った。測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させて、LC−MS(アジレント・テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、特に断りのない限り、アセトニトリルとテトラヒドロフランとを比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
[NMRの測定方法]
本実施例において、NMRの測定は、下記の方法で行った。測定試料5〜10mgを約0.5mLの重クロロホルム又は重テトラヒドロフランに溶解させて、NMR(バリアン(Varian)製、商品名:MERCURY 300、又はブルカー(Bruker)製、商品名:AVANCE600 TCI cryoprobe)を用いて測定した。
[正孔輸送性の評価]
正孔輸送性の評価について説明する。正孔輸送性の評価は、上記の発光素子における陰極材料を、仕事関数の大きい材料(例えば、金、銀、白金等)に変更した正孔輸送性の評価素子(「ホールオンリーデバイス」と呼ばれることがある。)を作製し、その電圧電流特性を測定することで行うことができる。正孔輸送性の評価素子では、陰極からの電子注入が抑制されるため、正孔に起因した電流を測定することができるためである。
上記の正孔輸送性の評価素子の構造としては、以下のHOD1〜HOD4が挙げられるが、本実施例においては、HOD4を用いて、陰極材料としては金を用いて、正孔輸送性の評価を行った。
HOD1)陽極/正孔輸送層/陰極
HOD2)陽極/発光層/陰極
HOD3)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
HOD4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
<合成例1:化合物2の合成>
まず、化合物1を用いて、下記のとおり化合物2を合成した。
Figure 0005891798
撹拌器を備えた1000mLの四つ口フラスコに、化合物1(61.5g)と、N−フェニル−N−(4−ブチル)−2,6−ジメチルフェニルアミン(19.0g)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.34g)と、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.85g)と、ナトリウムtert−ブトキシド(21.1g)を入れ、フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した。そこに、トルエン(760mL)を入れた後、100℃まで昇温し、3時間保温しながら撹拌した。
得られた反応液を室温まで冷却し、水を入れ、セライトをプレコートした濾過器により濾過し、残渣をトルエンで洗浄し、ろ液から水層を分離し、有機層を水で洗浄した。得られた有機層を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をトルエンで再結晶し、その後、シリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン/トルエン混合液)を用いて精製し、白色固体として化合物2を21.6g得た。
LC−MS(APCI、positive):[M+H]590
H−NMR(THF−d、600MHz):δ(ppm)=0.98(3H、t)、1.43(4H、m)、1.66(4H、m)、1.89(2H、m)、1.96(2H、m)、2.00(2H、m)、2.03(6H、s)、2.17(2H、m)、2.62(2H、t)、6.74(1H、d)、6.88(1H、t)、7.00(2H、d)、7.00(2H、s)、7.04(1H、s)、7.20(2H、t)、7.29(1H、d)、7.51(1H、s)、7.74(1H、d)、7.74(1H、d).
<合成例1:化合物3の合成>
次に、化合物2を用いて、下記のとおり化合物3を合成した。
Figure 0005891798
撹拌器を備えた300mLの四つ口フラスコに、化合物2(6.79g)と、2,6−ジメチル−tert−ブチルアニリン(1.00g)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.25g)と、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.32g)と、ナトリウムtert−ブトキシド(1.62g)とtert−ブタノール(6.0g)を入れ、フラスコ内の気体を窒素ガスで置換した。そこに、トルエン(150mL)を入れた後、100℃まで昇温し、4時間保温しながら撹拌した。
得られた反応液を室温まで冷却し、水を入れ、セライトをプレコートした濾過器により濾過し、残渣をトルエンで洗浄し、ろ液から水層を分離し、有機層を水で洗浄した。得られた有機層を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン/トルエン混合液)を用いて精製した。得られた溶液を濃縮し、イソプロパノールとトルエンの混合液で再結晶し、白色固体として化合物3を4.50g得た。
LC−MS(APCI、positive):[M+H]1195
<実施例1:化合物4の合成>
次に、化合物3を用いて、下記のとおり化合物4を合成した。
Figure 0005891798
撹拌器を備えた300mLの四つ口フラスコ内の気体を窒素ガスで置換し、化合物3(4.00g)、N,N−ジメチルホルムアミド(5.5mL)及びクロロホルム(85mL)を入れ、室温で溶解させた。その後、フラスコ全体を遮光し、室温でN−ブロモスクシンイミド(NBS)(1.18g)を複数回に分けて入れた。室温で4時間、保温しながら撹拌した後、水を入れ、次いで、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を臭素の色が消えるまで入れた。室温まで昇温後、得られた溶液に、クロロホルムを入れ、水層を分離した。有機層を水で2回洗浄し、濃縮することで粗生成物を得た。粗生成物をトルエンに溶解させ、70℃に昇温し、活性炭(0.4g)を入れ、その温度で30分保温しながら撹拌した。シリカゲルをプレコートした濾過器により濾過し、残渣をトルエンで洗浄した。得られた溶液を濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラム(展開溶媒 ヘキサン/トルエン混合液)を用いて精製した。得られた溶液を濃縮し、イソプロパノールとトルエンの混合液で再結晶し、白色固体として化合物4を3.29g得た。
LC−MS(APCI、positive):[M+H]1351
H−NMR(THF−d、600MHz):δ(ppm)=0.98(6H、t)、1.37(9H、s)、1.42(4H、m)、1.43(4H、m)、1.59(4H、m)、1.66(4H、m)、1.88〜2.08(16H、m)、2.06(12H、s)、2.07(6H、s)、2.62(4H、t)、6.66(2H、d)、6.71(2H、d)、6.86(4H、d)、7.01(4H、s)、7.09(2H、s)、7.21(2H、s)、7.22(2H、s)、7.31(4H、d)、7.65(4H、d).
<合成例3:化合物1Aの合成>
Figure 0005891798
4口フラスコ内の気体を窒素ガス置換し、該フラスコ内で、2,7−ジブロモフルオレノン(16.5g)をジフェニルエーテルに懸濁させた。懸濁液を120℃まで加熱し、2,7−ジブロモフルオレノンを溶解させた後、該溶液に水酸化カリウム(15.5g)を加え、160℃まで昇温し、2.5時間撹拌した。該溶液を室温まで放冷後、ヘキサンを加えて、ろ過し、得られた固形分をヘキサンで分液洗浄した。4口フラスコ内の気体を窒素置換し、該フラスコ内で、上記で得られたものを脱水N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」とする。)に溶解させた。該溶液を90℃に昇温し、反応を追跡しながらヨウ化メチル(53.0g)を加えた。反応時間は合計10時間であった。該溶液を室温まで放冷し、0℃に冷却した水の中に滴下し、反応生成物をヘキサンで2回抽出した。シリカゲルを敷いたグラスフィルターでろ過後、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物1A(13.3g)を得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ(ppm)=3.68(s,3H)、7.15(d,2H)、7.20(d,1H)、7.52(d,2H)、7.65(d,1H)、8.00(brs,1H).
<合成例4:化合物1Bの合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス雰囲気下とし、1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼン(20.0g)及びテトラヒドロフランを加え、均一溶液を調製し、−70℃まで冷却した。該溶液に、2.76Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼンに対して1モル当量)を−70℃で1.5時間かけて滴下し、さらに該溶液を、−70℃で1.5時間撹拌した。次いで、化合物1A(9.0g)とテトラヒドロフランからなる溶液を−70℃で1時間かけて滴下し、−70℃で2時間撹拌した。次いで、該溶液に−70℃にてメタノール、蒸留水を加え撹拌した後、室温まで昇温し、室温にて一晩撹拌した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、ヘプタン、水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。該油層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。油層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮し、化合物1Bを得た。
<合成例5:化合物2Bの合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス気流下とし、化合物1B(23.4g)及びジクロロメタンを加え、均一溶液を調製し、−30℃に冷却した。該溶液に、3フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(化合物1Bに対して1モル当量)を−30℃において30分間かけて滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、該反応溶液を−20℃に冷却し、蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を油層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を油層から除去した。得られた油層に10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌し、静置して分液した水層を油層から除去した。該油層を濃縮し溶媒を除去した。次いで、トルエン及びヘプタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、酢酸ブチルとメタノールを用い再結晶することにより、目的とする化合物2B(11.3g)を得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ(ppm)=0.85(t,12H)、1.25(m,24H)、1.50(m,8H)、2.46(t,8H)、6.72(s,4H)、6.86(s,2H)、7.45(dd,2H)、7.46(d,2H)、7.54(d,2H).
<合成例6:化合物3Bの合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス雰囲気下とし、化合物2B(9.5g)、化合物3B−1(6.6g)、1,4−ジオキサン、酢酸カリウム(7.1g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf、0.lg)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体(PdCl(dppf)・CHCl、0.15g)を加え、100℃で5時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、セライト及びシリカゲルを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を濃縮して溶媒を除去した。次いで、ヘキサンを加えて調製した溶液に、活性炭を加え、ヘキサンが還流する温度にて1時間撹拌した。室温まで冷却後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を濃縮して溶媒を除去した。次いで、トルエン及びアセトニトリルで再結晶を行うことにより、目的とする化合物3B(10.1g)を得た。
H−NMR(300MHz/CDCl):δ(ppm)=0.85(t,12H)、1.27(m,46H)、1.48(m,8H)、2.43(t,8H)、6.81(s,6H)、7.79(m,6H).
<合成例7:化合物6の合成>
Figure 0005891798
反応容器を窒素ガス雰囲気下とし、1,5−ナフチルビス(トリフルオロメタンスルフォネート)(化合物5、25.0g)と、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメチレン付加体(0.24g)と、tert−ブチルメチルエーテル(410ml)を仕込み、10℃以下で2−エチルヘキシルマグネシウムブロマイド(1mol/L ジエチルエーテル溶液、173ml)を滴下し、室温にて4時間攪拌した。反応終了後、水(500ml)と2N塩酸(100ml)の混合液に反応液を注加し、酢酸エチルにより抽出、塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒ヘキサン)により精製を行い、化合物6を淡黄色油状物として21.3g得た。
MS(ESI、positive):[M]353
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=0.75−1.00(12H,m),1.10−1.50(16H,m),1.69−1.85(2H,m),2.90−3.05(4H,m),7.24−7.38(3H,m),7.35−7.44(3H,m),7.90−7.95(3H,m).
<合成例8:化合物7の合成>
Figure 0005891798
反応容器を窒素ガス雰囲気下とし、化合物6(21.3g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン)(46.0g)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジ−μ−メトキシジイリジウム(I)(0.24g)(アルドリッチ社製。合成方法は例えばJournal of Molecular Catalysis A:Chemical 187 (2002) 169に記載されている。)、4,4’−ジt−ブチル−2,2’−ジピリジル(0.19g)及びジオキサン(140ml)の混合物を、100℃で3時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却後、ジオキサンを減圧下留去し、残留物にメタノール(200ml)を加え析出した固体をろ取、乾燥させた。得られた固体をトルエン(250ml)に溶解させ、活性白土(20g)を加え60℃で30分撹拌後、シリカゲルをプレコートした濾過機にて熱時ろ過し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。濃縮残渣にメタノール(250ml)を加え、析出した固体をろ取、乾燥して化合物7を白色粉末固体として28.0g得た。
LC−MS(ESI、positive):[M]605
H−NMR(300MHz、CDCl):δ(ppm)=0.85−0.95(12H,m),1.24−1.50(16H,m),1.66−1.85(2H,m),2.90−3.18(4H,m),7.60(2H,s),8.47(2H,s).
<合成例9:化合物8の合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス雰囲気下とし、1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼン(58.4g)及びテトラヒドロフランを加え、均一溶液を調製し、−75℃まで冷却した。該溶液に2.5Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼンに対して1モル当量)(71.2ml)を−75℃で1.5時間かけて滴下し、さらに該溶液を−70℃で1.5時間撹拌した。次いで、2,7−ジブロモフルオレノン(55.2g)とテトラヒドロフランからなる溶液を−75℃で1時間かけて滴下し、反応溶液を室温まで昇温させ4時間撹拌した。次いで、該溶液を0℃まで冷却させ、アセトン、2mol%塩酸水をゆっくり加え撹拌した後、室温まで昇温し、室温にて静置した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、ヘキサン、水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。該油層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。油層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮し、化合物8(30.2)を得た。
<合成例10:化合物9の合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス気流下とし、化合物8(27.7g)及びトリフルオロ酢酸(36ml)を加えた。該溶液にトリメチルシラン(8.4ml)とヘキサン(25ml)の混合溶液を30分間かけて滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、該反応溶液を10℃に冷却し、ヘキサンと蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を油層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を油層から除去した。該油層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。油層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して、得られたろ液を濃縮した。次いで、ヘキサン及びジクロロメタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、メタノールで洗浄することにより、目的とする化合物9(12.1g)を得た。
<合成例11:化合物10の合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス気流下とし、化合物9(12.0g)、ジメチルスルホキシド(60ml)、水(2ml)及び水酸化カリウム(4.85g)を加えた。該溶液にヨウ化メチル(4.1ml)を滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、該反応溶液を室温にて、ヘキサンと蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を油層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を油層から除去した。該油層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。油層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して、得られたろ液を濃縮した。次いで、メタノールと酢酸ブチルを用いて再結晶することにより、目的とする化合物10(4.3g)を得た。
<合成例12:化合物11の合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス雰囲気下とし、化合物10(4.2g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ−1,3,2−ジオキサボロラン)(4.0g)、1,4−ジオキサン(45ml)、酢酸カリウム(4.2g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf、59mg)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体(PdCl(dppf)・CHCl、88mg)を加え、100℃で20時間撹拌した。次いで、得られた反応混合物を室温まで冷却した後、セライト及びシリカゲルを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を濃縮して溶媒を除去した。次いで、ヘキサンを加えて調製した溶液に、活性炭を加え、ヘキサンが還流する温度にて1時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却後、セライトを敷き詰めたろ過器でろ過し、得られたろ液を濃縮して溶媒を除去した。次いで、トルエン及びメタノールで再結晶を行うことにより、目的とする化合物11(3.9g)を得た。
<合成例13:化合物12の合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス雰囲気下とし、3−n−ヘキシルブロモベンゼン(111.1g)及びテトラヒドロフランを加え、均一溶液を調製し、−75℃まで冷却した。該溶液に2.5Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1−ブロモ−3,5−ジ−n−ヘキシルベンゼンに対して1モル当量)(176ml)を−75℃で1.5時間かけて滴下し、さらに該溶液を−70℃で1.5時間撹拌した。次いで、2,7−ジブロモフルオレノン(142g)とテトラヒドロフランからなる溶液を−75℃で1時間かけて滴下し、反応溶液を室温まで昇温させ4時間撹拌した。次いで、該溶液を0℃まで冷却させ、アセトン、2mol%塩酸水をゆっくり加え撹拌した後、室温まで昇温し、室温にて静置した。次いで、反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮し、ヘキサン、水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。該油層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。油層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して、得られたろ液を濃縮した。次いで、ヘキサン及びジクロロメタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、化合物12(162g)を得た。
<合成例14:化合物13の合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス気流下とし、化合物12(162g)及びトリフルオロ酢酸(245ml)を加えた。該溶液にトリメチルシラン(115ml)を30分間かけて滴下し、室温にて一晩撹拌した。次いで、該反応溶液を10℃に冷却し、ヘキサンと蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を油層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を油層から除去した。該油層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。油層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮した。次いで、ヘキサン及びジクロロメタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、メタノールで洗浄することにより、目的とする化合物13(138g)を得た。
<合成例15:化合物14の合成>
Figure 0005891798
反応容器をアルゴンガス気流下とし、化合物13(138g)、1−ブロモオクタン(75.4ml)、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:Aliquat(登録商標)336、アルドリッチ社製)(1.2g)及び40%水酸化カリウム(60ml)を加え、85℃にて一晩撹拌した。次いで、該反応溶液を室温に冷却させた後、ジクロロメタンと蒸留水を加え、1時間撹拌した後、静置して分液した水層を油層から除去した。次いで、水を加え撹拌し、静置して分液した水層を油層から除去した。該油層に飽和食塩水を加え撹拌し、静置して分液した油層から水層を除去した。油層に硫酸マグネシウムを加え撹拌し、ろ過して得られたろ液を濃縮した。次いで、ヘキサン及びジクロロメタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、濃縮して溶媒を除去した。次いで、メタノールとジクロロメタンを用いた再沈殿を行うことにより、目的とする化合物14(145g)を得た。
<合成例16:高分子化合物1の合成>
反応容器を不活性ガス雰囲気下とし、下記式:
Figure 0005891798
で表される化合物3B(2.6882g、2.96mmol)、下記式:
Figure 0005891798
で表される化合物15(0.4245g、0.75mmol)、下記式:
Figure 0005891798
で表される化合物16(1.6396g、1.80mmol)、特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した下記式:
Figure 0005891798
で表される化合物17(0.2377g、0.45mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)及びトルエン(62ml)を混合し、105℃に加熱した。
得られた反応液に、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(10ml)を滴下し、4.5時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(36.8mg)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.1mg)を加え、更に16.5間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下し、ろ取することで沈殿物を得た。
この沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌した後、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物1を3.12g得た。高分子化合物1のポリスチレン換算の数平均分子量は7.8×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.6×105であった。
高分子化合物1は、仕込み原料から求めた理論値では、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位とが、50:12.5:30:7.5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<実施例2:高分子化合物2の合成>
反応容器を不活性ガス雰囲気下とし、化合物4(0.2713g、0.2mmol)、下記式;
Figure 0005891798
で表される化合物7(1.1951g、1.97mmol)、下記式:
Figure 0005891798
で表される化合物14(1.0772g、1.80mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及びトルエン(47ml)を混合し、105℃に加熱した。反応溶液に20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5ml)を滴下し、3時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(25mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5ml)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)を加え、更に17時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(26ml)で2回、3重量%酢酸水溶液(26ml)で2回、水(26ml)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(310mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(63mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(310ml)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物2を1.13g得た。高分子化合物2のポリスチレン換算の数平均分子量は8.8×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.3×105であった。
高分子化合物2は、仕込み原料から求めた理論値では、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位とが、50:45:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<実施例3:高分子化合物3の合成>
反応容器を不活性ガス雰囲気下とし、化合物4(0.2713g、0.2mmol)、下記式;
Figure 0005891798
で表される化合物11(1.3346g、1.97mmol)、化合物14(1.0772g、1.80mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及びトルエン(47ml)を混合し、105℃に加熱した。反応溶液に20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5ml)を滴下し、4.3時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(25mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5ml)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)を加え、更に17時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(26ml)で2回、3重量%酢酸水溶液(26ml)で2回、水(26ml)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(310mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(63mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(310ml)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物3を1.17g得た。高分子化合物3のポリスチレン換算の数平均分子量は8.1×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.2×105であった。
高分子化合物3は、仕込み原料から求めた理論値では、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位とが、50:45:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<比較例1:高分子化合物4の合成>
反応容器を不活性ガス雰囲気下とし、化合物7(1.2030g、1.98mmol)、化合物14(1.0764g、1.80mmol)、下記式;
Figure 0005891798
で表される化合物18(0.1485g、0.20mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及びトルエン(47ml)を混合し、105℃に加熱した。反応溶液に20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5ml)を滴下し、3時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(25mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5ml)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)を加え、更に17時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(26ml)で2回、3重量%酢酸水溶液(26ml)で2回、水(26ml)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(310mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(63mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(310ml)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物4を1.25g得た。高分子化合物4のポリスチレン換算の数平均分子量は6.0×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.1×105であった。
高分子化合物4は、仕込み原料から求めた理論値では、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位とが、50:45:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<比較例2:高分子化合物5の合成>
反応容器を不活性ガス雰囲気下とし、化合物11(1.3464g、1.97mmol)、化合物14(1.0764g、1.80mmol)、下記式;
Figure 0005891798
で表される化合物18(0.1485g、0.20mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.4mg)及びトルエン(47ml)を混合し、105℃に加熱した。反応溶液に20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5ml)を滴下し、3時間還流させた。反応後、そこに、フェニルボロン酸(25mg)、20重量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(7.5ml)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.5mg)を加え、更に17時間還流させた。次いで、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた混合物を冷却後、水(26ml)で2回、3重量%酢酸水溶液(26ml)で2回、水(26ml)で2回洗浄し、得られた溶液をメタノール(310mL)に滴下、ろ取することで沈殿物を得た。この沈殿物をトルエン(63mL)に溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通すことにより精製した。得られた溶液をメタノール(310ml)に滴下し、撹拌した後、得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物5を1.42g得た。高分子化合物5のポリスチレン換算の数平均分子量は9.1×10であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は2.2×105であった。
高分子化合物5は、仕込み原料から求めた理論値では、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位と、下記式:
Figure 0005891798
で表される構成単位とが、50:45:5のモル比で構成されてなる共重合体である。
<実施例4:正孔輸送性評価素子1の作製と評価>
スパッタ法により45nmの厚さでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(H.C.Starck社、商品名:AI4083)を用いてスピンコートにより厚さ65nmの薄膜を成膜し、ホットプレート上で200℃で10分間加熱した。
次に、高分子化合物1をキシレンに溶解させ、0.7質量%のキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を用いてスピンコートすることにより、厚さ20nmの薄膜を成膜し、窒素雰囲気中において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱した。
次に、高分子化合物2をキシレンに溶解させ、1.3質量%のキシレン溶液を調製した。このキシレン溶液を用いてスピンコートすることにより厚さ65nmの薄膜を成膜し、窒素雰囲気中において、ホットプレート上で130℃、10分間加熱した後、陰極として金を約300nm蒸着して、正孔輸送性評価素子1を作製した。なお、真空度が、1×10−4Pa以下に到達した後に金の蒸着を開始した。
得られた正孔輸送性評価素子1の電圧電流特性を測定したところ、10mA/cmの電流密度が得られたのは、5.8Vであった。
<実施例5:正孔輸送性評価素子2の作製と評価>
実施例4の高分子化合物2に換えて、高分子化合物3を用いた以外は実施例4と同様の方法で、正孔輸送性評価素子2を作製した。
得られた正孔輸送性評価素子2の電圧電流特性を測定したところ、10mA/cmの電流密度が得られたのは、8.2Vであった。
<比較例3:正孔輸送性評価素子C1の作製と評価>
実施例4の高分子化合物2に換えて、高分子化合物4を用いた以外は実施例4と同様の方法で、正孔輸送性評価素子C1を作製した。
得られた正孔輸送性評価素子C1の電圧電流特性を測定したところ、10mA/cmの電流密度が得られたのは、8.6Vであった。
<比較例4:正孔輸送性評価素子C2の作製と評価>
実施例4の高分子化合物2に換えて、高分子化合物5を用いた以外は実施例4と同様の方法で、正孔輸送性評価素子C2を作製した。
得られた正孔輸送性評価素子C2の電圧電流特性を測定したところ、10mA/cmの電流密度が得られたのは、9.5Vであった。
上記の正孔輸送性評価素子に係る実施例及び比較例の結果を、表1にまとめた。
Figure 0005891798
上記の表1の結果より、本発明の高分子化合物は優れた正孔輸送性を示すことがわかった。

Claims (15)

  1. 下記式(1)で表される構成単位を含む高分子化合物。
    Figure 0005891798
    [式中、
    、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
    、R及びRCは、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示し、
    Ar及びArはそれぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基又は非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。
    及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよい。
    10、R11、R12及びR13のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R16、R17、R18及びR19のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。
    ArとRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、ArとRCは互いに連結して環構造を形成していてもよい。]
  2. 前記式(1)で表される構成単位が、下記式(2)で表される構成単位である、請求項1に記載の高分子化合物。
    Figure 0005891798
    [式中、
    、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R、R、RC、Ar及びArは前記と同義である。
    、n、n及びnは、それぞれ独立に、1〜5の整数を示す。
    21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示し、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28がそれぞれ複数存在するとき、複数存在するR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は互いに同一でも異なっていてもよい。
    21、R22、R23及びR24のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R25、R26、R27及びR28のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。]
  3. 下記式(3)で表される構成単位を更に含む、請求項1又は2に記載の高分子化合物。
    Figure 0005891798
    [式中、Arは非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。]
  4. 前記式(3)で表される構成単位の少なくとも1個が、非置換若しくは置換のフルオレンジイル基からなる構成単位である、請求項3に記載の高分子化合物。
  5. 前記式(3)で表される構成単位の少なくとも1個が、非置換若しくは置換の2,7−フルオレンジイル基からなる構成単位である、請求項4に記載の高分子化合物。
  6. 前記式(3)で表される構成単位の少なくとも1個が、非置換若しくは置換のナフタレンジイル基からなる構成単位である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  7. 下記式(4)で表される構成単位を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子化合物
    Figure 0005891798
    [式中、
    a及びaはそれぞれ独立に、0又は1を示す。
    Ar及びArは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基又は非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。
    Ar及びArは、それぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基、非置換若しくは置換の2価の複素環基、又は、アリーレン基及び2価の複素環基から選ばれる同一若しくは異なる2以上の基が連結した2価の基(該基は、置換基を有していてもよい。)を示す。
    D、RE及びRFは、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
    Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ、当該基が結合している窒素原子に結合している当該基以外の基と互いに連結して環構造を形成していてもよい。]
  8. 前記式(4)で表される構成単位の少なくとも1個が、下記式(5)で表される構成単位である、請求項7に記載の高分子化合物。
    Figure 0005891798
    [式中、
    Gは、水素原子、非置換もしくは置換のアルキル基、非置換もしくは置換のアリール基又は非置換もしくは置換の1価の複素環基を示す。
    Xは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はC(Rを示し、Rは、水素原子、非置換もしくは置換のアルキル基又は非置換もしくは置換のアリール基を示し、2つのRは同一であっても異なっていてもよい。]
  9. 前記式(1)で表される構成単位の割合が、0.1〜50モル%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物。
  10. 下記式(1M)で表される化合物。
    Figure 0005891798
    [式中、
    、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示す。
    、R及びRCは、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアリール基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示し、
    Ar及びArはそれぞれ独立に、非置換若しくは置換のアリーレン基又は非置換若しくは置換の2価の複素環基を示す。
    及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、R及びRは互いに連結して環構造を形成していてもよい。
    10、R11、R12及びR13のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R16、R17、R18及びR19のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。
    ArとRは互いに連結して環構造を形成していてもよく、ArとRCは互いに連結して環構造を形成していてもよい。
    及びZはそれぞれ独立に、下記置換基群から選ばれる基を示す。
    <置換基群>
    塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
    −O−S(=O)41(R41は、アルキル基、又は、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、フッ素原子若しくはシアノ基で置換されていてもよいアリール基を示す。)で示される基、
    −B(OR42(R42は、水素原子又はアルキル基を示し、2つのR42は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成していてもよい。)で示される基、
    −BF(Qは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる1価の陽イオンを示す。)で示される基、
    −MgY(Yは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で示される基、
    −ZnY(Yは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)で示される基、及び、
    −Sn(R43(R43は、水素原子又はアルキル基を示し、3つのR43は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに連結して環構造を形成していてもよい。)で示される基。]
  11. 前記式(1M)で表される化合物が、下記式(2M)で表される化合物である、請求項10に記載の高分子化合物。
    Figure 0005891798
    [式中、
    、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R、R、RC、Ar、Ar、Z及びZは前記と同義である。
    、n、n及びnは、それぞれ独立に、1〜5の整数を示す。
    21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子、非置換若しくは置換のアルキル基、非置換若しくは置換のアルコキシ基、非置換若しくは置換のアリール基、非置換若しくは置換のアリールオキシ基又は非置換若しくは置換の1価の複素環基を示し、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28がそれぞれ複数存在するとき、複数存在するR21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は互いに同一でも異なっていてもよい。
    21、R22、R23及びR24のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよく、R25、R26、R27及びR28のうち隣接する基同士は互いに連結して環構造を形成していてもよい。]
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の高分子化合物と、
    正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群より選ばれる少なくとも一種の材料と、を含有する組成物。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する有機薄膜。
  14. 請求項1に記載の組成物を含有する有機薄膜。
  15. 請求項13又は14に記載の有機薄膜を備える発光素子。
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