JP6330775B2 - 空調室内機 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態に係る空調室内機は、空気調和機を構成するために、屋外に設置される空調室外機(図示せず)と接続される。図1には、実施形態に係る空調室内機10を右斜め上から見た状態が描かれている。図2には、図1のI−I線に沿って空調室内機10を切断したときの断面が描かれている。以下の説明において、上、下、左、右、正面(前)、背面(後)といった方向を示す語句を用いているが、これらの方向は、特にことわりのない限り、図1に示されている方向を意味する。この空調室内機10は、室内RSの壁面WLなどに取り付けられる。空調室内機10の壁面WLに取り付けられている面が背面(後面)になる。図2に描かれている掃除ユニット40の位置は、空調室内機10が通常運転をしているときの待機位置である。空調室内機10は、ケーシング21と、エアフィルタ22と、室内熱交換器23と、室内ファン24と、複数の垂直フラップ25と、複数の水平フラップ26と、本体フレーム27と、底フレーム28と、掃除ユニット40を含む自動清掃機構90とを備えている。
(2‐1)ケーシング21
ケーシング21は、空調室内機10の横方向(左右方向)に細長い直方体状の箱形状を呈する。ケーシング21は、空調室内機10の天面部11、前面板12、背面板13、右側板14及び左側板15によって囲まれた立体空間を内部に有している。天面部11には、室内空気を吸込むための天面吸込口16が形成されている。図2の矢印Aは、天面吸込口16から室内熱交換器23を通って室内ファン24に吸込まれる空気の流れを表している。空調室内機10の正面を構成する前面板12は、その上端が天面部11にヒンジ(図示せず)で回転自在に支持されている。右側板14及び左側板15は、それぞれ空調室内機10の右側面及び左側面を構成する。背面板13は、空調室内機10の背面を構成しており、室内の壁面にビス止めして設置された取付板(図示せず)に係止される。
室内熱交換器23は、複数の放熱フィン23aと複数の伝熱管23bとで構成されている。室内熱交換器23は、底フレーム28に取り付けられ、ケーシング21の内部に収納されている。室内熱交換器23は、空調室内機10の運転状態に応じて蒸発器または凝縮器として機能し、伝熱管23bの中を流れる冷媒と隣接する放熱フィン23aの間を通過する空気との間で熱交換を行わせる。
室内ファン24は、ケーシング21の内部に位置しており、空調室内機10の長手方向(左右方向)に延びる細長い略円筒形状のクロスフローファンである。室内ファン24が稼働することによって、室内ファン24を上から下に向かって貫通して室内ファン24の上方から下方に向かう気流が発生する。その結果、室内空気が天面吸込口16あるいは天面吸込口16及び下面吸込口18の両方から吸い込まれて室内熱交換器23を通過する破線の矢印A,Bで示された気流と、室内ファン24から吹出流路28bを通過して吹出口17から室内RSへと吹出される破線の矢印Cで示された気流とが発生する。室内ファン24は、図8に示されている制御部60によって制御されたモータM5によって駆動される。
底フレーム28は、下面に露出した底部28cを有している。また、底フレーム28は、底部28cから上方に延びる流路形成壁28dを有しており、この流路形成壁28dの後方に吸込流路28aが形成されており、この流路形成壁28dの前方に吹出流路28bが形成されている。流路形成壁28dは、断面視において、室内ファン24の形状に沿って湾曲したスクロール形状を持っている。また、底フレーム28は、室内ファン24の前方斜め下に、舌部28eを有している。室内ファン24の前後において、室内熱交換器23の下方には、結露を受け止めるドレンパン28fが設けられている。前方のドレンパン28fの周辺の底フレーム28よりも上に、本体フレーム27の開口部下端27aが配置される。
図3には、図1の空調室内機10から前面板12が外された状態を右斜め上方から見た状態が示されている。図4には、前面板12が外された状態の空調室内機10を真上から見た状態が示されている。また、図5には、本体フレーム27とエアフィルタ22と掃除ユニット40とサブダストボックス50を含む組立体の分解斜視図が示されている。
図7に示されているエアフィルタ22は、左右に配置されて前後に伸びている縦フレーム22a,22bと前方に配置される横フレーム22cと後方に配置される横フレーム22dとで枠体が構成されている。これら縦フレーム22a,22bと横フレーム22c,22dに囲まれた領域に、2本の縦桟22eと4本の横桟22fが形成されている。これら縦フレーム22a,22b、横フレーム22c,22d、縦桟22e及び横桟22fに囲まれた領域にフィルタ本体22gが形成されている。フィルタ本体22gは、例えば、樹脂製の糸からなる網である。前述の縦フレーム22a,22b、横フレーム22c,22d、縦桟22e及び横桟22fも樹脂製であり、フィルタ本体22gと一体的に成形されている。
自動清掃機構90は、掃除ユニット40とサブダストボックス50とを含んでいる。この掃除ユニット40は、図8に示されているユニット駆動モータM4によって駆動される。そして、ユニット駆動モータM4は、例えばステッピングモータであり、制御部60から送信されるパルス信号のパルス数によって移動距離が制御される。このようなユニット駆動モータM4も自動清掃機構90に含まれる機器である。
(3−1)掃除ユニット40の構成の詳細
図13には、図11(a)のII-II線で切断された掃除ユニット40を斜めから見た状態が示されている。また、図14(a)には、掃除ユニット40のII-II線断面図が示され、図14(b)には毛材44及び毛材48の毛先の形状が示されている。さらに、図15には、図11(a)及び図11(b)に示されている清掃ブラシ43が配置されている側とは反対の側から見た掃除ユニット40が示されている。掃除ユニット40は、図15及び図16に示されているように、ダストボックスベース部材45と、ヒンジ45aを回動の中心として開閉可能なダストボックス蓋46とを有している。掃除ユニット40の中には、ダストボックスベース部材45とダストボックス蓋46とで囲まれた塵埃を貯留する回収スペースCSが形成されている。つまり、掃除ユニット40は、ダストボックスとしての機能も兼ね備えているということである。掃除ユニット40は、第1側面40aを空調室内機10の後方に向け、第2側面40bを空調室内機10の前方に向けて移動する(図17参照)。
図8に示されている制御部60がエアフィルタ22の清掃を行う制御をするときは、制御部60によって室内ファン24の運転が停止される。室内ファン24の運転が停止した後、制御部60は自動清掃機構90のユニット駆動モータM4を駆動させる。自動清掃機構90が清掃を始める前は、図3に示されているように、掃除ユニット40が、サブダストボックス50の中で待機している。なお、図3には、説明の便宜上右側の掃除ユニット40が背面側に移動した状態も二点鎖線で示されている。このように、空調室内機10の前方で待機している掃除ユニット40は、空調室内機10の前方から後方に向かって移動しながらエアフィルタ22の清掃を行う。
図8に示されている制御部60は、例えば内蔵されているタイマを用いてカウントすることにより、空調室内機10が空気調和運転(暖房運転及び冷房運転)を行った時間を運転積算量としてメモリ62に記憶している。空調室内機10は、この運転積算量に応じて念入り清掃モードで清掃を行うか、又は通常清掃モードで清掃を行うかを設定する。例えば、エアフィルタ22の清掃の指示が出た時点で、この運転積算量が閾値、例えば50時間を超えているか否かを判断する。そして、運転積算量が閾値を超えていれば、制御部60は、エアフィルタ22の汚れがひどくなっていると想定して、念入り清掃モードを選択する。もし、運転積算量が閾値を超えていなければ、制御部60は、エアフィルタ22に付着している塵埃が少ないと想定して、通常清掃モードを選択する。
図8に示されている制御部60は、例えば、リモートコントローラ61からの指示によって、通常運転を停止して清掃運転を開始する。通常は、エアフィルタ22の前端部22mから後端部22nまでの領域Ar1の全体の清掃を終えた時点で、清掃運転を終了して待機位置であるサブダストボックス50の中に移動する。ところが、清掃運転には所定時間例えば十数分の時間を要することから、領域Ar1の全体の清掃を終えるまでのタイミングで、リモートコントローラ61を用いてユーザから空気調和運転を再開するように指示される場合など、割り込みの命令が入る場合がある。
(4−1)変形例A
上記実施形態では、一回の往路でエアフィルタ22が清掃される場合について説明したが、一回の復路でエアフィルタ22が清掃されるように空調室内機10が構成されてもよい。一回の復路でエアフィルタ22が清掃されるようにするには、清掃ブラシ43の毛材44を露出させるための回転の向きと毛材44を掃除ユニット40の内部に収納するための回転の向きが上記実施形態とは逆になるように構成すればよい。
上記実施形態では、掃除ユニット40の前進と後進が前後方向について行われる場合について説明したが、掃除ユニット40の進行方向は前後方向に限られるものではなく、例えば掃除ユニット40が左右方向に進行するような場合でも左進と右進とを繰り返しながら進むように構成することで本発明を適用することは可能である。
上記実施形態では、清掃ブラシ43から塵埃を除去して清掃ブラシ43をリフレッシュするためのリフレッシュ手段として剥離ブラシ47を例に挙げて説明したが、リフレッシュ手段は剥離ブラシ47には限られない。例えば、櫛又は粘着テープなどのような塵埃除去部材をリフレッシュ手段として用いることもできる。
上記実施形態では、弾性片41cがベロ部材41の一部である場合について説明したが、例えば、基部41bを樹脂で成形して、樹脂製の基部に弾性片を嵌めこんでもよく、本発明を構成するための弾性片41cはベロ部材41の一部である場合には限られるものではない。
(5−1)
以上説明したように、空調室内機10では、清掃ブラシ43によるエアフィルタ22の一回の往路の清掃の間に又は一回の復路の清掃の間に、清掃ブラシ43が前進(第1方向に移動する第1方向移動の例)と後進(第1方向とは逆の第2方向に移動する第2方向移動の例)とを繰り返しながら進むことによって所定箇所(上記実施形態ではエアフィルタ22の前端部22mから後端部22nの間)を2回以上にわたって清掃ブラシ43で清掃することができるよう構成されている。このように構成されているので、所定箇所を一度清掃した後清掃ブラシの清掃機能の低下が大きくなる前に所定箇所を再度続けて清掃でき、エアフィルタ22の所定箇所の清掃度合いを向上させることができる。
上記実施形態で図24を用いて説明したように、後進(第2方向移動の例)の移動距離L2が、前進(第1方向移動の例)の移動距離L1と後進の移動距離の差(L1-L2)よりも長いことから、一回の往路又は一回の復路の全領域Ar1にわたって2回清掃できている。領域Ar1の一部に3回清掃されている箇所があるが、これは2回の清掃を確実に行うための動作である。このように、後進の移動距離L2が、前進の移動距離と後進の移動距離の差(L1-L2)と同じかそれよりも長いことから、一回の往路又は一回の復路の全域にわたって少なくとも2回は清掃ブラシ43で清掃できるので、一回の往路又は一回の復路の清掃において1回だけしか清掃ブラシ43で清掃されない箇所を無くすことができ、清掃ムラを小さくすることができる。
空調室内機10は、清掃ブラシ43から塵埃を除去して清掃ブラシ43をリフレッシュするためのリフレッシュ手段として剥離ブラシ47を備えている。剥離ブラシ47は、清掃ブラシ43の後進のときに清掃ブラシ43のリフレッシュを行い、清掃ブラシ43は、前進のときに塵埃の除去を行なう。このような空調室内機10では、清掃ブラシ43が前進時に塵埃を除去する前に常に清掃機能が回復させられている状態となっており、前進と後進を繰り返しながらの清掃において、所定箇所の2回目の清掃前に一度はリフレッシュされるので、エアフィルタ22の清掃度合いを大幅に向上させることができる。
図23と図24を用いて説明したように、空調室内機10は、通常清掃モードと念入り清掃モードを設定可能に構成されている。これら通常清掃モードと念入り清掃モードでは、清掃ブラシの一回の往路又は一回の復路における前進と後進の繰り返し回数が異なっている。例えば、通常正常モードで5回の繰り返しで進む距離を、念入り清掃モードでは、10回繰り返さなければ進めないことになる。通常清掃モードと念入り清掃モードが選択できることで、一回の往路当たり又は一回の復路当たりの剥離ブラシ47によるリフレッシュ回数を増やしたり減らしたりすることができる。その結果、エアフィルタ22の汚れ度合いに合わせてリフレッシュ回数を加減してエアフィルタ22の汚れ度合いに合わせて清掃ブラシ43の清掃機能の回復を図ることができる。
空調室内機10では、制御部60により、清掃ブラシ43の一回の往路又は一回の復路における前進と後進の繰り返し回数が運転積算量に応じて設定されるように構成されている。運転積算量が多くて清掃ブラシに多くの塵埃が蓄積されていると想定されるときに一回の往路当たり又は一回の復路当たりの前進と後進の繰り返し回数の多い燃入り清掃モードを選択してリフレッシュ回数を多くすることができ、清掃ブラシ43の清掃機能の回復を十分に図ることができる。
22 エアフィルタ
43 清掃ブラシ
47 剥離ブラシ(リフレッシュ手段の例)
Claims (4)
- 空気調和のために吸込む室内空気から塵埃を除去するためのエアフィルタ(22)と、
前記エアフィルタに沿って移動しながら前記エアフィルタの塵埃を取り除くための清掃ブラシ(43)と
を備え、
前記清掃ブラシによる前記エアフィルタの一回の往路の清掃の間に又は一回の復路の清掃の間に、前記清掃ブラシが第1方向に移動する第1方向移動と前記第1方向とは逆の第2方向に移動する第2方向移動とを繰り返しながら進むことによって所定箇所を2回以上にわたって前記清掃ブラシで清掃するために、一組の前記第1方向移動と前記第2方向移動の移動動作について、前記第2方向移動の移動距離が前記第1方向移動の移動距離と前記第2方向移動の移動距離の差と同じかそれよりも長くなるように設定されている、空調室内機。 - 前記清掃ブラシから塵埃を除去して前記清掃ブラシをリフレッシュするためのリフレッシュ手段(47)をさらに備え、
前記リフレッシュ手段は、前記清掃ブラシの前記第2方向移動のときに前記清掃ブラシのリフレッシュを行い、
前記清掃ブラシは、前記第1方向移動のときに塵埃の除去を行なう、
請求項1に記載の空調室内機。 - 前記清掃ブラシの一回の前記往路又は一回の前記復路における前記第1方向移動と前記第2方向移動の繰り返し回数を設定可能に構成されている、
請求項2に記載の空調室内機。 - 前記清掃ブラシの一回の前記往路又は一回の前記復路における前記第1方向移動と前記第2方向移動の繰り返し回数が運転積算量に応じて設定される、
請求項3に記載の空調室内機。
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