以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態が採用された室内ユニット1を説明する。
(1)全体構成
本実施形態の室内ユニット1は、空調対象空間である室内の天井に設置され、空気調和機の一部を構成している。この空気調和機は、室内ユニット1と、図示しない室外ユニットと、によって構成されている。室外ユニットには、圧縮機、室外熱交換器および膨張弁が設けられている。室内ユニット1には、室内熱交換器22が設けられている。そして、これらの圧縮機、室外熱交換器、膨張弁および室内熱交換器22が冷媒配管を介して互いに接続されることにより、冷媒が可逆的に流れて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を構成している。冷媒回路においては、室内熱交換器22が蒸発器として機能する冷房運転と、室内熱交換器22が凝縮器として機能する暖房運転とが行われる。
(2)室内ユニット1の構成
室内ユニット1の側面視概略構成図を図1に、上面視概略構成図を図2に、それぞれ示す。
室内ユニット1は、ケーシング10と、化粧パネル11と、ケーシング10の内部に配置された室内熱交換器22、ドレンパン23、室内ファン21、エアフィルタ30、フィルタ駆動部40、塵埃除去部50、塵埃貯留容器60、塵埃搬送部80、塵埃捕集箱90および制御部70を有している。
(2−1)室内ユニットの詳細
ケーシング10は、下側が開放された略直方体の箱状に形成されている。ケーシング10は、下部が天井板の開口に挿通する状態で設置される。
化粧パネル11は、平面視形状がケーシング10の平面視形状よりも一回り大きく形成された矩形の板状部材であり、室内に露出するようにしてケーシング10に取り付けられる。
化粧パネル11には、化粧パネル11の中央部に矩形状に形成された1つの吸込口13、および、化粧パネル11の各辺に沿うようにして細長い矩形状に形成された4つの吹出口14が形成されている。なお、この吸込口13には、スリット状に形成された吸込グリル12が嵌め込まれている。また、各吹出口14には、風向調整板15が配置されている。この風向調整板15は、回動することで吹き出し方向の調節を行う。
室内ファン21は、ケーシング10の中央付近であって吸込口13の上側に配置された、いわゆるターボファンである。室内ファン21は、ケーシング10の天板に固定されたファンモータ21aと、ファンモータ21aの回転軸に連結された羽根車21bを有している。室内ファン21の下側には、吸込口13に連通するベルマウス24が設けられている。このベルマウス24は、ケーシング10内において、室内熱交換器22の上流側の空間を室内ファン21側と吸込グリル12側とに区画している。室内ファン21は、ベルマウス24を介して下側から吸い込んだ空気を周方向へ吹き出すように構成されている。
室内熱交換器22は、平面視でロ字状であって室内ファン21の周囲を囲むように配置された、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内熱交換器22では、冷媒と室内ファン21によって送られる空気流れとの間で熱交換が行われる。
ドレンパン23は、室内熱交換器22において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるために、室内熱交換器22の下側に設けられている。
ベルマウス24の下方には、仕切板25が設けられている。この仕切板25は、ベルマウス24と吸込グリル12との間の空間を上下に仕切っている。つまり、仕切板25は、室内熱交換器22の上流側空間をベルマウス24を含む室内熱交換器22側と吸込グリル12側とに区画している。
仕切板25の中央には、吸込口13から吸い込まれた空気がベルマウス24へ流入するための通気孔26が形成されている。図3に示すように、この通気孔26は、円形孔がその径方向に延びる4つの径方向部材27によって扇形に仕切られている。各径方向部材27は、互いに円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸28が下方に突出している。フィルタ回転軸28は、エアフィルタ30が回転するための回転軸である。また、1つの径方向部材27には、フィルタ押さえ29が2つ設けられている。
(2−2)エアフィルタ30
図3に示すように、エアフィルタ30は、仕切板25の下方に配置され、ベルマウス24の入口を覆う大きさの円板状に形成されている。エアフィルタ30は、環状のフィルタ本体31とメッシュ部材37とを有している。フィルタ本体31の外周面には、ギア部32が設けられている。フィルタ本体31の環状中心部には、6つの径方向リブ34によって支持される円筒状の軸挿通部33が設けられている。つまり、各径方向リブ34は、軸挿通部33から放射状に延びている。また、フィルタ本体31の内円部には、該フィルタ本体31と同心の環状に形成された内側周方向リブ35および内側周方向リブ35よりも大径に形成された外側周方向リブ36が設けられている。メッシュ部材37は、フィルタ本体31の内円部全体に張られている。吸込口13から吸い込まれた空気は、エアフィルタ30のメッシュ部材37を通過してベルマウス24へ流入する。その際、空気中の塵埃がメッシュ部材37に捕捉される。また、エアフィルタ30は、上述したフィルタ押さえ29が各周方向リブ35、36に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ30が後述する塵埃除去部50の回転ブラシ51に押さえ付けられ、塵埃除去部50による除去効率を向上させている。
エアフィルタ30は、軸挿通部33が仕切板25のフィルタ回転軸28に嵌め込まれて取り付けられることで、フィルタ回転軸28を中心として回転自在になっている。エアフィルタ30の下方には、塵埃貯留容器60が配置されている。そして、エアフィルタ30が軸挿通部33に嵌め込まれた状態で、塵埃貯留容器60のフィルタ取付部68が仕切板25の軸挿通部33に止めネジ28aによって固定される。これにより、仕切板25と塵埃貯留容器60との間にエアフィルタ30が保持される。
(2−3)フィルタ駆動部40
図2に示すように、エアフィルタ30の近傍には、エアフィルタ30を回転ブラシ51(後述する)に接触した状態で回転駆動するためのフィルタ駆動部40が設けられている。つまり、このフィルタ駆動部40は、回転ブラシ51に対してエアフィルタ30を移動させる相対移動機構を構成している。
このフィルタ駆動部40は、図4に示すように、フィルタ駆動モータ41とリミットスイッチ44を備えている。フィルタ駆動モータ41の駆動軸には、駆動ギア42が設けられ、該駆動ギア42がフィルタ本体31のギア部32と噛み合っている。駆動ギア42の一端面には、突片であるスイッチ作動部43が設けられている。このスイッチ作動部43は、駆動ギア42の回転によりリミットスイッチ44のレバー44aに作用するようになっている。スイッチ作動部43がレバー44aに作用すると、リミットスイッチ44が検知する。つまり、スイッチ作動部43およびリミットスイッチ44は、駆動ギア42の回転位置を検出するためのものである。
そして、フィルタ駆動部40は、エアフィルタ30を回転ブラシ51に接触した状態で所定角度ずつ間欠的に回転させて、接した状態の回転ブラシ51によって塵埃を除去する動作を行う。
(2−4)塵埃除去部50
塵埃除去部50は、仕切板25やエアフィルタ30の下方に配置されており、エアフィルタ30に捕捉された塵埃を除去するためのものである。塵埃除去部50は、回転ブラシ51(ブラシ)および清掃用ブラシ52(ブラシ清掃部)と、ブラシ駆動部53(回転機構)とを有している。
図7に示すように、回転ブラシ51および清掃用ブラシ52は、後述する塵埃貯留容器60のブラシ用開口63に設けられている。
回転ブラシ51は、細長い円柱状のシャフト51aと、該シャフト51aの周方向の一部(周方向における90度程度の範囲)においてシャフト51aの長手方向にそうように設けられたブラシ51bとを有しており、他の部分は非ブラシ面となっている。ブラシ51bは、基布に毛(パイル糸)が織り込まれて成る有毛繊維であって毛足が比較的短い、いわゆるパイル織物によって構成されている。このパイル織物は、毛並みが一定方向に傾斜するように構成された傾斜パイルである。具体的には、ブラシ51bは、回転ブラシ51の軸から離れるにつれて清掃用ブラシ52側に向けて延びるようにして傾斜している。このため、エアフィルタ30の回転方向(移動方向)に対して対向した構成となっている。このように、エアフィルタ30がブラシ51bの毛並みに対して対向するように回転すると、メッシュ部材37の塵埃が効率よく掻き出される。一方、ブラシ51bの毛並みに対してその傾斜方向にエアフィルタ30が回転すると、メッシュ部材37の塵埃は掻き出されず、逆にブラシ51bに捕捉されている塵埃が除去される。
清掃用ブラシ52は、本体部52aと、ブラシ52bと、バネ部52cとを備えている。本体部52aは、板状部材であり、回転ブラシ51のシャフト51aの直径と略同じ長さに形成されている。本体部52aは、その板面が回転ブラシ51の外周面に対面して設けられている。また、本体部52aの上部は、回転ブラシ51のシャフト51aの外周面に対応する円弧部となっている。この本体部52aの円弧部には、シャフト51aの長手方向と平行な方向にそうようにブラシ52bが設けられている。バネ部52cは、本体部52aの下端に設けられて、塵埃貯留容器60の内壁に取り付けられている。つまり、本体部52aは、バネ部52cによって支持されている。
回転ブラシ51および清掃用ブラシ52は、エアフィルタ30の半径と同等以上の長さに形成されている。また、回転ブラシ51および清掃用ブラシ52は、エアフィルタ30の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。
回転ブラシ51は、回転するエアフィルタ30のメッシュ部材37にブラシ51bが接触し、メッシュ部材37が捕捉している集塵をブラシ51bが掻き取ることでエアフィルタ30を清掃するように構成されている。また、回転ブラシ51は、ブラシ駆動部53によって可逆に回転駆動される。図5および図6に示すように、ブラシ駆動部53は、ブラシ駆動モータ54と、互いに噛み合う駆動ギア55および従動ギア56とを有している。駆動ギア55はブラシ駆動モータ54の駆動軸に設けられ、従動ギア56は回転ブラシ51のシャフト51aの端部に設けられている。この構成により、回転ブラシ51がそのシャフト51aの軸心回りに回転駆動される。そして、ブラシ駆動部53は、回転ブラシ51を回転させてそのブラシ51bがエアフィルタ30に接触する状態と、エアフィルタ30から離隔する状態とに切り換えるように構成されている。
清掃用ブラシ52のブラシ52bは、回転ブラシ51のブラシ51bと同様に、基布に毛(パイル糸)が織り込まれて成る有毛繊維であって毛足が比較的短い、いわゆるパイル織物によって構成されている。このパイル織物も、毛並みが一定方向に傾斜するように構成された傾斜パイルである。具体的には、ブラシ52bは、毛先に向かうにつれて下方に位置するように傾斜して構成されている。すなわち、このブラシ52bの毛並みは、回転ブラシ51が図7において時計回りに回転する際に、その回転方向に対して対向するように傾斜している。回転ブラシ51がブラシ駆動部53によって回転すると、回転ブラシ51のブラシ51bと接触するように構成されている。この対向した傾斜形状および接触により、回転ブラシ51のブラシ51bが捕らえていた集塵が、清掃用ブラシ52のブラシ52bによって掻き取られることにより、回転ブラシ51のブラシ51bが清掃される。
(2−5)塵埃貯留容器60
塵埃貯留容器60は、仕切板25やエアフィルタ30の下方に配置されており、清掃用ブラシ52によって回転ブラシ51から除去された塵埃が貯留されるもの、即ち塵埃除去部50によって除去された塵埃を貯留するものである。塵埃貯留容器60は、上側部分がエアフィルタ30の塵埃が除去される除去部61であり、下側部分がエアフィルタ30から除去された塵埃が貯留される貯留部62となっている。
除去部61の上板には、その長手方向に延びるブラシ用開口63が形成され、図7に示すように、そのブラシ用開口63に回転ブラシ51および清掃用ブラシ52が設けられている。なお、除去部61の長手方向の一端には、エアフィルタ30との位置関係を定めるためのフィルタ取付部68が設けられている。また、ブラシ用開口63の後方側(即ち、清掃用ブラシ52側と反対側)の縁部61aは、回転ブラシ51の軸方向視において、エアフィルタ30側に向かうほど開口が狭くなる形状であり、端面が回転ブラシ51のブラシ51bに沿うように円弧状に形成されている。これにより、縁部61aと回転ブラシ51との隙間が限りなく小さくなる。したがって、万一回転ブラシ51によって除去されずに該回転ブラシ51を通過してしまったエアフィルタ30の塵埃は、直ぐ縁部61aに沿ってエアフィルタ30の移動方向へガイドされる。つまり、回転ブラシ51を通過した塵埃は、除去部61の上板に遮られることなくエアフィルタ30に付着した状態でスムーズに移動する。このように縁部61aを工夫することにより、回転ブラシ51と除去部61の上板との隙間において塵埃が停滞するのを防止することができる。停滞するとその塵埃が次第に成長して大きな固まりとなり、最終的にその隙間から弾き出されて室内等へ落下してしまうおそれがあるが、本実施形態によると、この問題を改善することができている。さらに、縁部61aと回転ブラシ51との隙間が小さくなるため、塵埃貯留容器60の密閉性(シール性)が高くなる。
貯留部62は、下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その貯留部62の円弧部には、清掃用ブラシ52によって回転ブラシ51から除去された塵埃が落下して貯留される。貯留部62は、長手方向における両端部66、67が開口している。その貯留部62の第1端部66には、後述する塵埃搬送部80のダンパボックス81が接続され、第2端部67には、後述する塵埃搬送部80の搬送用ダクト88が接続されている。
また、塵埃貯留容器60には、貯留部62の塵埃量(塵埃貯留量)を検出する貯留量検出部62aが設けられている。この貯留量検出部62aは、例えば、光度が所定値以下になったこと検知すると、貯留部62の貯留量が満杯になったと判断し、貯留している集塵を排出するための動作を開始することが可能になっている。
(2−6)塵埃搬送部80
塵埃搬送部80は、図1、図2、図6および図7に示すように、仕切板25やエアフィルタ30の下方に配置されており、上述したダンパボックス81および搬送用ダクト88と、導入用ダクト86と、吸引用ダクト87とを有している。
ダンパボックス81は、塵埃貯留容器60の貯留部62の長手方向に沿って延びる直方体状に形成されている。ダンパボックス81の長手方向における一端には、貯留部62の第1端部66が接続されている。図1に示すように、ダンパボックス81内には、通路開閉手段であるダンパ82が1つ設けられている。このダンパ82が閉まると、ダンパボックス81の内部空間が、エアフィルタ30の径方向外側端部の部分とその内側の部分に仕切られる。ダンパボックス81におけるこの内側の部分には、上述したように貯留部62の第1端部66が接続されている。
導入用ダクト86は、ダンパボックス81の上面のうちエアフィルタ30の径方向外側端部の部分に連通している。導入用ダクト86は、ダンパボックス81から鉛直上方に延びており、仕切板25およびベルマウス24を貫通している。このため、この導入用ダクト86は、図1に示すように、室内ファン21側の空間と連通して構成され、室内ファン21の吹出空気をダンパボックス81内へ導入することができるようになっている。なお、導入用ダクト86は、ダンパボックス81および塵埃貯留容器60と一体となって、導入用ダクト86の軸心を中心にして回動することができるように構成されている。
吸引用ダクト87は、一端がダンパボックス81の下面に連通しているフレキシブルチューブであり、ダンパボックス81外へ集塵を搬送する。より具体的には、吸引用ダクト87は、ダンパボックス81のうちダンパ82で仕切られるエアフィルタ30の径方向内側の空間に連通している。吸引用ダクト87の搬送先の端部は、化粧パネル11に形成された掃除機挿入口(図示せず)に接続されている。この掃除機挿入口は、掃除機のホース等が挿入されて吸引するための開口である。
搬送用ダクト88は、図1および図2に示すように、一端が塵埃貯留容器60における貯留部62の第2端部67(エアフィルタ30の中心近傍の端部)に接続され、他端が後述する塵埃捕集箱90に接続されている。この搬送用ダクト88はフレキシブルチューブで構成されている。
(2−7)集塵捕集箱90
塵埃捕集箱90は、図1および図2に示すように、塵埃貯留容器60と同様に仕切板25の下方に配置され、やや細長い略直方体状に形成されており、塵埃貯留容器60内の塵埃が搬送されて貯留されるものである。塵埃捕集箱90は、平面視においてエアフィルタ30に被らないようにエアフィルタ30側の側板がエアフィルタ30の外周に対応して円弧状に形成されており、仕切板25の一端辺に沿って配置されている。なお、塵埃捕集箱90は、搬送用ダクト88が接続される側とは反対側の端部に排気口91が設けられており、この排気口91の面積は他の部分よりも小さくなっている。この排気口91の部分は、ケーシング10を貫通して室内に連通しているため、吸込グリル12から吸入された空気は、塵埃捕集箱90の排気口91から室内に排出される。なお、塵埃捕集箱90内には、排気口91寄りにフィルタ92が設けられている。このため、塵埃貯留容器60から塵埃が搬送される場合であっても、塵埃が室内に流出することはない。なお、この排気口91の貫通部分にはシール部材93が設けられている。
なお、上述の集塵貯留容器60はエアフィルタ30の下方に配置されているため、空気流通の抵抗(邪魔)となりにくいように、塵埃貯留容器60はできるだけ容積を小さくしている。このため、塵埃貯留容器60には多量の塵埃を溜めることができない。しかし、本実施形態では、塵埃貯留容器60よりも容積が大きい塵埃捕集箱90を空気流通の抵抗とならない場所に設けて、塵埃貯留容器60から塵埃捕集箱90に塵埃を搬送するように構成している。
(2−8)制御部70等の構成
制御部70は、図1に示すように、室内ユニット1のケーシング10内に配置されており、各種センサや検知手段からの信号をもとに、各構成部材の動作を制御する。
具体的には、図9における制御部70を中心とするブロック構成図に示すように、制御部70は、フィルタ駆動モータ41、リミットスイッチ44、回転ブラシ51を回転駆動させるブラシ駆動部53、貯留量検出部62a、ダンパボックス81内のダンパ82、室内ファン21(ファンモータ21a)、および、図示しない圧縮機、室外ファン等と接続されている。
また、この制御部70は、図示しないリモコンと接続されており、ユーザの操作により、運転開始、運転停止、設定温度の変更、各種運転モードの選択、および、後述する「塵埃排出制御」の実行等の指示を受け付ける。
(3)通常運転およびフィルタ清掃運転の動作
室内ユニット1は、冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ30の清掃を行うフィルタ清掃運転と、集めた集塵を排出する集塵処理運転と、が切換可能に構成されている。
本実施形態における通常運転からフィルタ清掃運転等の処理についての概略を示すフローチャートを、図10に示す。
本実施形態では、まず、ステップS10において通常運転が行わる。
この通常運転が終了すると、次に、ステップS20においてフィルタ清掃運転が行われる。
このフィルタ清掃運転が終了したときに、ステップS30において、制御部70が、貯留量検出部62aが検出する光度が所定値以下になっているかどうか判断する。所定値以下になっている場合には貯留部62の貯留量が満杯になったと判断してステップS40に移行し、所定値以下になっていない場合には運転を停止して、通常運転が再開されるのを待つ。
ステップS40では、集塵処理運転が行われる。以後、これらの運転が繰り返される。
以下、ステップS10の通常運転、ステップS20のフィルタ清掃運転、および、ステップS40の集塵処理運転について、詳細に説明する。
(3−1)通常運転
冷暖房を行う通常運転の場合、エアフィルタ30が回転ブラシ51のブラシ51bに接触した状態で静止しており、ダンパボックス81のダンパ82が閉じられる。
この状態において、室内ファン21が駆動されと、室内ユニット1では、吸込口13から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ30を通過してベルマウス24へ流入する。空気がエアフィルタ30を通過する際、空気中の塵埃がエアフィルタ30のメッシュ部材37に捕捉される。ベルマウス24に流入した空気は室内ファン21から吹き出される。この吹出空気は、室内熱交換器22の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口14から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。
通常運転では、ダンパボックス81のダンパ82が閉じられているため、室内ファン21の吹出空気は、ダンパボックス81へ導入することがなく、ダンパボックス81から塵埃貯留容器60へ向かう空気流れも生じていない。
通常運転は、ユーザがリモコン等を用いて運転停止の指令を送ったり、タイマー設定運転が行われている場合に設定時間が経過したり設定時刻になった場合等に終了する。
(3−2)フィルタ清掃運転
フィルタ清掃運転では、通常運転が終了した直後に行われ、冷媒回路においては圧縮機が停止されて冷媒が循環しない状態で行われる。このフィルタ清掃運転では、「エアフィルタ清掃制御」と「ブラシ清掃制御」と「切り換え位置ずらし制御」が切換可能に構成されている。
「エアフィルタ清掃制御」は、図8に示すように、エアフィルタ30の塵埃を回転ブラシ51で除去させるために制御部70が行う制御である。
「ブラシ清掃制御」は、回転ブラシ51に捕捉された塵埃を清掃用ブラシ52で除去させるために制御部70が行う制御である。
「切り換え位置ずらし制御」は、「エアフィルタ清掃制御」と「ブラシ清掃制御」の一組を繰り返して行うことによりエアフィルタ30が360度回転しエアフィルタ30の全体を清掃した後に、フィルタ駆動部40によってエアフィルタ30を所定角度だけ回転させるために制御部70が行う制御である。
図11に、フィルタ清掃運転のフローチャートを示す。
ステップS21では、制御部70は、フィルタ駆動部40を駆動制御させることで「エアフィルタ清掃制御」を行う。具体的には、図13および図14に示すように、制御部70は、エアフィルタ30を回転ブラシ51に接触させた状態で、回転ブラシ51は回転したり移動したりしないように静止状態で維持させつつ、エアフィルタ30を反時計回りに所定角度である120度だけ回転させる、という部分清掃制御(エアフィルタ部分清掃制御)を行う。なお、図13を開始状態とすると、エアフィルタ30を120度だけ回転させることで、エアフィルタ30の領域(ここでは、領域A1)が回転ブラシ51によって清掃された状態となる(図14参照)。
エアフィルタ30は、回転ブラシ51のブラシ51bの毛並み(左向きに傾斜)に対向するように回転移動しているため、エアフィルタ30の塵埃が回転ブラシ51のブラシ51bに容易に捕捉されていく。
ここで、制御部70は、エアフィルタ30が所定角度である120度だけ回転したか否かをフィルタ駆動部40のリミットスイッチ44のレバー44aの作動回数によって把握し、フィルタ駆動モータ41を停止させてエアフィルタ30の回転を止める。これにより、エアフィルタ30において回転ブラシ51のブラシ51bを通過した領域の塵埃が除去される。
なお、ここでは、制御部70は、室内ファン21を静止させた状態にしている。
以上で、ステップS21の制御を一旦終えて、ステップS22の「ブラシ清掃制御」に移行する。
ステップS22では、制御部70は、「エアフィルタ清掃制御」から「ブラシ清掃制御」へ切り換える切り換え制御を行う。「ブラシ清掃制御」では、室内ファン21およびエアフィルタ30が静止した状態で、回転ブラシ51が図7において左回り(反時計回り)に回転する。その際、回転ブラシ51は、ブラシ51bに塵埃を捕捉したまま回転する。ここでは、回転ブラシ51のブラシ51bと清掃用ブラシ52のブラシ52bが互いに接触しながら、回転ブラシ51が左回り(反時計回り)に回転する。そして、回転ブラシ51は所定の回転角度だけ回転すると停止する。
次に、回転ブラシ51は、上記とは逆回りである右回り(時計回り))に回転する。そうすると、回転ブラシ51のブラシ51bに付着していた塵埃が清掃用ブラシ52のブラシ52bに捕捉される。これは、清掃用ブラシ52のブラシ52bの毛並みが下向き、即ち毛並みが回転ブラシ51の回転方向に対向する向きに傾斜しているためである。
また、本体部52aは、バネ部52cによって回転ブラシ51側へ付勢された状態となっている。このため、双方のブラシ51b、52b同士が接触している状態において、清掃用ブラシ52の本体部52aが後方へ押されることになるが、バネ部52cの機能によりブラシ51b、52b同士が離隔することはなく、清掃用ブラシ52が適切に回転ブラシ51に押し付けられる。このようにして、回転ブラシ51のブラシ51bから塵埃がより確実に除去される。以上により、清掃用ブラシ52のブラシ52bに塵埃が捕捉される。回転ブラシ51は、元の状態(ステップS22を開始したときの状態)まで回転して停止する。
続いて、制御部70は、回転ブラシ51を、再び左回り(反時計回り)に所定の回転角度だけ回転する。そうすると、清掃用ブラシ52のブラシ52bに捕捉されていた塵埃が回転ブラシ51のブラシ51bによって掻き取られ、塵埃貯留容器60の貯留部62に落下する。これは、回転ブラシ51のブラシ51bの毛並みが回転方向に向かって傾斜しているためである。その際も、上記と同様に、バネ部52cによって清掃用ブラシ52が回転ブラシ51に適切に押し付けられるため、清掃用ブラシ52から塵埃がより確実に除去される。以上により、回転ブラシ51に捕捉された塵埃が除去され、塵埃貯留容器60の貯留部62に貯留される。その後、回転ブラシ51は再び右回り(時計回り)に回転して元の状態(ステップS22を開始したときの状態)まで戻す切り換え制御を行い、「ブラシ清掃制御」が一旦終了する。
以上のように、ステップS22においては、回転ブラシ51は、複数回往復するように回転制御されている(ここでは、2往復を例に挙げているが、3往復以上繰り返してもよい。)。そして、回転ブラシ51が図7において左回り(反時計回り)に回転するときには、回転ブラシ51は、清掃用ブラシ52のブラシ52bと接触しているだけでなく、エアフィルタ30とも接触している。このため、ステップS22の制御において回転ブラシ51が回転する度に、エアフィルタ30の接触している部分がよりいっそう清浄されている。
以上でステップS22を終え、ステップS23に移行する。
ステップS23では、制御部70は、フィルタ清掃運転を開始してからエアフィルタ30が回転した合計の角度が360度に達しているか否かを判定する。ここで、制御部70が360度に達していないと判断した場合には、ステップS21に戻って、再び上述した部分清掃制御等を繰り返す。なお、制御部70が360度に達していると判断した場合は、ステップS24に移行する。
すなわち、制御部70は、エアフィルタ30が360度回転した状態になるまで、「エアフィルタ清掃制御」、「ブラシ清掃制御」、および、「エアフィルタ清掃制御」と「ブラシ清掃制御」との切り換え制御、を繰り返し、所定の領域毎(図13、図14、図15の領域A1、B1、C1参照)に塵埃を除去していく。具体的には、図13の状態から図14の状態になるときに領域A1が清掃され、図14の状態から図15の状態になるときに領域B1が清掃され、図15の状態から再び図13の状態になるときに領域C1が清掃されている。そして、この再び図13の状態になった時に、制御部70は、エアフィルタ30が一回転したと判断して、ステップS24に移行する。
ステップS24では、制御部70は、フィルタ駆動部40によって図13で示す状態からさらにエアフィルタ30を所定角度だけ回転させることで「切り換え位置ずらし制御」を行い、フィルタ清掃運転を終える。
この「切り換え位置ずらし制御」では、図16に示すように、エアフィルタ30が360度回転した時には、図16の点線で示す位置において「エアフィルタ清掃制御」と「ブラシ清掃制御」との切り換え制御および「ブラシ清掃制御」が行われていたことになるが、さらに、所定角度だけエアフィルタ30を回転させて実線の位置まで移動させることで、次回以降の「エアフィルタ清掃制御」と「ブラシ清掃制御」との切り換え制御および「ブラシ清掃制御」が行われる位置をずらしている。すなわち、次回以降にステップS21でエアフィルタ30が120度回転させて部分清掃制御を行う際に清掃する部分は、図16において二点鎖線のハッチングで示す領域A2となる。その後、領域B2および領域C2が順に清掃されていくことになる。
この「切り換え位置ずらし制御」を行う際にエアフィルタ30を回転させる所定角度は、ステップS21の部分清掃制御でエアフィルタ30を回転させた120度とは異なる角度である。また、この「切り換え位置ずらし制御」を行う際の所定角度は、この120度の自然数倍の角度とも異なる角度である。具体的には、本実施形態では、「切り換え位置ずらし制御」を行う際の所定角度を、エアフィルタ30の径方向外側端部における回転ブラシ51の接触幅に相当する角度として、本実施形態では2度に設定している。
このように、部分清掃制御での回転角度とは無関係な角度だけエアフィルタ30と回転ブラシ51との位置関係をずらしておくことで、次回、再び、通常運転が行われてフィルタ清掃運転が行われる場合には、「エアフィルタ清掃制御」と「ブラシ清掃制御」との切り換え制御および「ブラシ清掃制御」が行われる際のエアフィルタ30と回転ブラシ51との位置関係を違えることができるようになるとともに、「エアフィルタ清掃制御」が行われるときの回転ブラシ51のエアフィルタ30上での位置を違えることができるようになる。これにより、エアフィルタ30をより均一に清掃させることができ、清掃ムラを低減させることができる。
(3−3)集塵処理運転
集塵処理運転は、上述したように、フィルタ清掃運転が終了した後に、制御部70が、貯留量検出部62aが検出する光度が所定値以下になっていることにより貯留部62の貯留量が満杯になっていると判断した場合に行われる運転である。
集塵処理運転では、「塵埃搬送制御」と「塵埃排出制御」が行われる。
「塵埃搬送制御」は、塵埃貯留容器60から塵埃捕集箱90に塵埃を搬送させる動作を制御部70が実行させる制御である。
「塵埃排出制御」は、塵埃捕集箱90からケーシング10外へ塵埃を排出させる動作を制御部70が実行させる制御である。
図12に、集塵処理運転のフローチャートを示す。
ステップS41では、制御部70は、「塵埃搬送制御」を行う。「塵埃搬送制御」では、制御部70は、回転ブラシ51のブラシ51bがエアフィルタ30に接触した状態のままで、回転ブラシ51およびエアフィルタ30が静止状態とし、図1に示すように、ダンパボックス81のダンパ82を開状態とし、室内ファン21を駆動させる。
これにより、室内ファン21により生じる空気流れは、導入用ダクト86およびダンパボックス81を通じて塵埃貯留容器60へ向かい、搬送用ダクト88および集塵捕集箱90の排気口91を介して室内に向けて流出する。その結果、塵埃貯留容器60内の塵埃は、空気流れと共に搬送用ダクト88を通じて塵埃捕集箱90へ搬送され、集塵捕集箱90内に集められる。このようにして、塵埃貯留容器60内の塵埃の貯留量が減少していく。
このように、「塵埃搬送制御」では、吸引ファン等の搬送部を別途設けることなく、室内ファン21を駆動させるだけで、塵埃貯留容器60の塵埃を廃棄しやすい所定の場所まで簡易に移動させることができている。
ステップS42では、制御部70は、塵埃貯留容器60内の塵埃の貯留量が減少することで貯留量検出部62aの検出光度が設定値(上限値)以上になることで集塵の搬送を終了したか否かを判断する。集塵の搬送を終了できていない場合には、ステップS41に戻って繰り返す。集塵の搬送を終了できていると判断すると、「塵埃搬送制御」を終了し、ステップS43に移行する。
ステップS43では、制御部70は、リモコン等を介してユーザからの「塵埃排出制御」を行う旨の指示を受け付けたか否かを判断する。「塵埃排出制御」を行う旨の指示を受け付けている場合には、ステップS44に移行する。「塵埃排出制御」を行う旨の指示を受け付けていない場合には、集塵処理運転を終了する。
ステップS44では、制御部70は、「塵埃排出制御」を行う。「塵埃排出制御」では、制御部70は、上述した「塵埃搬送制御」と同様に、回転ブラシ51およびエアフィルタ30を静止状態としつつ、ダンパボックス81のダンパ82が閉状態とする。ユーザは、このような状態になっている際に、掃除機のホースを化粧パネル11の掃除機挿入口に挿入する。そして、掃除機のホース等を掃除機吸引口(図示せず)に接続して吸引させると、室内空気が排気口91を通じて塵埃捕集箱90内に流入し、搬送用ダクト88、ダンパボックス81および吸引用ダクト87を通過する空気流れが生じる。この空気流れにより、塵埃捕集箱90内に集められていた塵埃は、搬送用ダクト88、ダンパボックス81および吸引用ダクト87を通じて掃除機に吸引される。その結果、塵埃捕集箱90および塵埃貯留容器60の塵埃が減少していくことになる。以上により、集塵処理運転を終了する。
(4)特徴
本実施形態では、エアフィルタ30の部分清掃制御(「エアフィルタ清掃制御」を120度行う制御)を行う度に切り換え制御を行い、「ブラシ清掃制御」を実行することで、回転ブラシ51をこまめに清掃しているため、回転ブラシ51に集塵が付着し過ぎた状態のままでエアフィルタ30を回転させることを避けることができ、エアフィルタ30の集塵を回転ブラシ51が効率良く掻き取り続けることができるようになっている。
ここで、「ブラシ清掃制御」によって回転ブラシ51が往復回転される際には、回転ブラシ51が捕らえていた集塵が清掃用ブラシ52によって払い落とされるだけでなく、回転ブラシ51の一部がエアフィルタ30に接触していることで、エアフィルタ30の清掃も同時に行われている。このため、エアフィルタ30のうち「ブラシ清掃制御」が行われた際に回転ブラシ51が位置していた部分は、他の部分よりも清掃効果が著しくなっている。
このように、エアフィルタ30のうち、「ブラシ清掃制御」が行われた際に回転ブラシ51が位置していた部分とそうでない部分とでは、清掃効果に違いが生じているが、本実施形態では、フィルタ清掃運転の最後の「切り換え位置ずらし制御」を行うことで、エアフィルタ30の清掃ムラを低減させることができている。すなわち、次回のフィルタ清掃運転で「ブラシ清掃制御」が行われる際の回転ブラシ51の位置は、前回のフィルタ清掃運転で「ブラシ清掃制御」が行われた際の回転ブラシ51が位置と、異なるようになる。これにより、エアフィルタ30の清掃ムラを低減させて、エアフィルタ30の清掃を均一化させることが可能になっている。
また、本実施形態では、回転ブラシ51の周方向の一部のみにブラシ51bを設けた構成によって、清掃用ブラシ52によって回転ブラシ51のブラシ51bの塵埃を除去できるため、回転ブラシ51の除去能力を維持しつつも回転ブラシ51の材料費の低減を図ることができている。
(5)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更した形態についても含まれる。
(A)
上記実施形態では、フィルタ清掃運転を開始してからエアフィルタ30が回転した合計の角度が360度に達していると判断した場合に「切り換え位置ずらし制御」を行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
例えば、フィルタ清掃運転を開始してからエアフィルタ30が回転した合計の角度が360度の自然数倍の所定角度に達していると判断した場合に「切り換え位置ずらし制御」を行うようにしてもよい。
すなわち、フィルタ清掃運転において、「切り換え位置ずらし制御」が行われる前のエアフィルタ30のフィルタ清掃運転では、エアフィルタ30の全体を1回だけ清掃するのでなくエアフィルタ30の全体を複数回清掃するようにしてもよい。ここでは、エアフィルタ30の全体が複数回の清掃が行われる間は、エアフィルタ30のうち「ブラシ清掃制御」が行われた際に回転ブラシ51が位置していた部分が重なることがあっても、「切り換え位置ずらし制御」が行われる前後において「ブラシ清掃制御」が行われた際のエアフィルタ30に対する回転ブラシ51の位置を違えることができる。
この場合には、上記実施形態よりも、エアフィルタ30の清掃効果の均一性は若干落ちるものの、使用条件等においては、十分な均一性を確保することも可能である。
(B)
上記実施形態では、制御部70が、フィルタ清掃運転を開始してからエアフィルタ30が回転した合計の角度が360度に達していると判断した場合に「切り換え位置ずらし制御」を行ってフィルタ清掃運転を終える場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、フィルタ清掃運転の最後に「切り換え位置ずらし制御」を行うのではなく、フィルタ清掃運転の最初に「切り換え位置ずらし制御」を行うようにしてもよい。
この場合であっても、上記実施形態と同様に、エアフィルタ30を均一に清掃することができるようになる。
(C)
上記実施形態では、部分清掃制御の例として、「エアフィルタ清掃制御」を120度行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明では、部分清掃制御の際にエアフィルタ30を回転させる角度について、360度の約数の角度(120度等)に限定されるものではない。
例えば、図17に「X」で示すように、例えば、部分清掃制御の際に「エアフィルタ清掃制御」を行う角度は、360度の約数以外の数の角度(一周したときに元の位置に戻らない角度、例えば、170度等)であってもよい。この場合には、上記実施形態における「切り換え位置ずらし制御」のように、エアフィルタ30と回転ブラシ51の位置関係を積極的にずらす制御を行わなくてもよく、エアフィルタ30のうちの一部(170度ずつ回転させる例では、150度分)において重複した清掃を行ってフィルタ清掃運転を終了し、次の制御に移行させるようにしてもよい。
なお、このように、部分清掃制御として「エアフィルタ清掃制御」を170度ずつ行っていく例では、部分清掃制御によって「エアフィルタ清掃制御」を36回った時に、「ブラシ清掃制御」が行われる際に回転ブラシ51が位置する部分が初めて重なることになる。しかし、それまでのエアフィルタ30の全体が17回繰り返して清掃される間、「ブラシ清掃制御」が行われる際に回転ブラシ51が位置する部分は毎回異なった位置となっているため、エアフィルタ30の清掃ムラを十分に低減させることができている。
なお、上記170度の例以外にも、部分清掃制御の際に「エアフィルタ清掃制御」を行う角度の例として、例えば、365度等の360度を超えた角度としてもよい。
(D)
上記実施形態では、エアフィルタ30が円盤形状である場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
例えば、一定の周期で繰り返して清掃されるエアフィルタであれば、四角形状のエアフィルタであってもよい。
例えば、壁掛けタイプの室内ユニット内部に設けられるエアフィルタであって、巻き上げ機構等によって繰り返してエアフィルタの全体が清掃されるものについても、上記実施形態と同様にエアフィルタの清掃ムラを低減させる制御を行うことができる。
(E)
上記実施形態では、フィルタ清掃運転のエアフィルタ清掃制御に、エアフィルタ30を回転させる場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
例えば、エアフィルタ30に対して塵埃貯留容器60(回転ブラシ51および清掃用ブラシ52を含む)を回転移動させるようにしてもよい。この場合、塵埃貯留容器60がエアフィルタ30の軸挿通部33を中心にして公転させるようにしてもよい。
(F)
上記実施形態では、「エアフィルタ清掃制御」を終えた後に「ブラシ清掃制御」を行うまでの間、エアフィルタ30を回転させない場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
例えば、図18に示すように、「エアフィルタ清掃制御」を終えた後に「ブラシ清掃制御」を行う前(切り換え制御を行う前)に、室内ファン21を静止状態にしつつ、回転ブラシ51がエアフィルタ30に接触させたままで静止した状態を維持しながら、エアフィルタ30を所定角度だけ反転(「エアフィルタ清掃制御」を行う際の回転方向とは反対の回転方向に回転)させるようにしてもよい。すなわち、上記実施形態の図13の状態から、図18においてエアフィルタ30内に点線で示すように、エアフィルタ30を多少大きめに回転させた後に、所定角度だけ反転させるように制御部70がフィルタ駆動部40を制御するようにしてもよい(図18の矢印参照)。
これにより、回転ブラシ51のブラシ51bにおいて、エアフィルタ30から除去した塵埃がエアフィルタ30の「エアフィルタ清掃制御」の回転進行方向側に引き込まれて、集塵が偏在した状態になることがあっても、エアフィルタ30の反転制御によって塵埃を回転ブラシ51のブラシ51bの図7でいう左側に均一に付着させることができる。これにより、エアフィルタ30から除去された塵埃が固まりとなって室内等へ落下するのを防止できる。さらには、清掃用ブラシ52によって回転ブラシ51から塵埃を容易に掻き取る(除去する)ことができる。ここで、回転ブラシ51のブラシ51bについて、毛並みがエアフィルタ30の回転進行方向に対向する傾斜パイルを用いているため、エアフィルタ30の逆方向の回転により、上記効果を容易に得ることができる。
なお、このエアフィルタ30の反転制御を行う場合の上記実施形態における部分清掃制御としては、この反転制御を終えた後の角度が所定角度(上記実施形態でいう120度)になるようにエアフィルタ30を回転制御してもよい。すなわち、反転制御の角度が5度だとすると、一旦、所定角度(120度)に5度を加えた角度だけエアフィルタ30を回転させた後、反転角度としての5度分だけ反転させて、結果的に、所定角度(120度)だけ回転されているように制御してもよい。このようにしても、上記実施形態と同様にエアフィルタ30の清掃ムラを低減させることができる。
また、ここでの反転制御時には、回転ブラシ51を完全に固定することなく、少なくともエアフィルタ30に対して相対的に反転させるような制御を行ってもよい。
なお、エアフィルタ30を反転させるのと同時に回転ブラシ51を図7における右回転させて、回転ブラシ51の集塵の偏在をより効果的に低減させるようにしてもよい。
さらに、回転ブラシ51の反転制御を行うタイミングとしては、「エアフィルタ清掃制御」を終えた後であって「ブラシ清掃制御」を行う前ではなく、「エアフィルタ清掃制御」を終えた後であって切り換え制御が行われて一度回転ブラシ51を図7における左回転させた後であってもよい。
(G)
上記実施形態では、「エアフィルタ清掃制御」を終えた後に「ブラシ清掃制御」を行うまでの間、エアフィルタ30を回転させず、エアフィルタ30が360度回転させた後に切り換え位置をずらす制御を行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明は、これに限られるものではない。
例えば、図19のエアフィルタ清掃運転のフローチャートに示すように、「エアフィルタ清掃制御」を360度未満の所定角度だけ行う度に、「切り換え位置ずらし制御」と、エアフィルタ30を所定角度だけ反転させる制御と、切り換え制御と、「ブラシ清掃制御」と、の4つの制御を行うようにしてもよい。すなわち、ブラシ清掃制御を終えた後のエアフィルタ30の回転角度が、他の実施形態(C)で述べたような360度の約数以外の回転角度となるように制御しつつ、他の実施形態(F)で述べたように「ブラシ清掃制御」を行う前にエアフィルタ30を反転させる制御を行うようにしてもよい。具体的には、以下の流れで処理を行う。
ステップS221では、制御部70は、上記実施形態と同様に、フィルタ駆動部40を駆動制御させることで「エアフィルタ清掃制御」を行う。ここでは、回転角度のみが上記実施形態と異なり、エアフィルタ30を所定角度(本他の実施形態(G)では、例えば、40度)だけ回転ブラシ51に対して相対的に回転させる。これにより、エアフィルタ30の対象部分を清掃することができる。
ステップS222では、制御部70は、フィルタ駆動部40によってさらにエアフィルタ30を「ずらし角度」だけ回転させることで「切り換え位置ずらし制御」を行う。ここでの「ずらし角度」は、フィルタ清掃運転が開始される度に、変化するように制御部70が調節する。具体的には、制御部70は、フィルタ清掃運転が1回目である場合には、「ずらし角度」を4度とし、2回目である場合には、「ずらし角度」を8度とするように、(フィルタ清掃運転の回数n)×4度を「ずらし角度」として設定する。さらに、この「ずらし角度」は、ステップS221で「エアフィルタ清掃制御」を行う際の所定角度(本実施形態(G)では、40度)未満となるように設定されており、「エアフィルタ清掃制御」を行う際の所定角度(本実施形態(G)では、40度)と同じもしくは超えることになる場合には、再び、「ずらし角度」を0度に戻し、フィルタ清掃運転の回数に応じて4度ずつ増大させていく処理を繰り返す。
ステップS223では、制御部70は、「切り換え位置ずらし制御」を終えた後に、切り換え制御および「ブラシ清掃制御」を行う前に、室内ファン21を静止状態にしつつ、回転ブラシ51がエアフィルタ30に接触させたままで静止した状態を維持しながら、エアフィルタ30を所定角度(本他の実施形態では、例えば、1.5度)だけ反転(「エアフィルタ清掃制御」を行う際の相対的な回転方向とは反対の回転方向に回転)させる。これにより、エアフィルタ30から除去された塵埃が固まりとなって室内等へ落下するのを防止でき、清掃用ブラシ52によって回転ブラシ51から塵埃を容易に掻き取る(除去する)ことができる。
ステップS224では、制御部70は、回転ブラシ51がエアフィルタ30に接触している状態で反転させる動作を行う反転制御から、「ブラシ清掃制御」へ切り換え制御を行い、上記実施形態と同様の「ブラシ清掃制御」を実行する。これにより、回転ブラシ51に捕捉された塵埃が除去され、塵埃貯留容器60の貯留部62に貯留される。そして、回転ブラシ51は元の状態(ステップS224を開始したときの状態)に戻す切り換え制御が行われ、「ブラシ清掃制御」が一旦終了する。
ステップS225では、制御部70は、フィルタ清掃運転を開始してからエアフィルタ30が回転した合計の角度が360度以上になっているか否かを判定する。ここで、制御部70が360度以上になっていないと判断した場合には、ステップS221に戻って、再び上述した部分清掃制御等を繰り返す。なお、制御部70が360度以上回転していると判断した場合は、フィルタ清掃運転を一旦終了する。
以上のフローチャートによると、具体的には、以下のように処理が進められる。すなわち、エアフィルタ30は、回転ブラシ51に対する相対回転が1週目の場合には、ステップS221で+40度、ステップS222で+4度、ステップS223で−1.5度、それぞれ回転し、動作開始から合計で+42.5度だけ回転した状態でステップS224の「ブラシ清掃制御」が行われる。ステップS225では360度に達していないと判断されることで、ステップS221〜S224を繰り返し、合計の回転角度が+85.0度、+127.5度・・・+340.0度と増大していく。そして、さらに+42.5度だけ相対的に回転して、合計の回転角度が+382.5度になり、360度以上になると、フィルタ清掃運転を一旦終了することになる。その後、上記実施形態でいう通常運転が行われた後に、再度、本他の実施形態(G)のフィルタ清掃運転が行われることになるが、その際には、先のフィルタ清掃運転時の合計の回転角度である+382.5度をリセットして0度とし、フィルタ清掃運転が2回目になるのでステップS222での「ずらし角度」を2×4=8度とし、ステップS221〜S224の動作におけるエアフィルタ30の回転分を+40度+8度−1.5度=46.5度として処理を進めていく。このように、ステップS221〜S224の動作におけるエアフィルタ30の回転分は、360度の約数にはならないように設定されているため、ステップS224の「ブラシ清掃制御」が行われる際の回転ブラシ51とエアフィルタ30との相対位置を、フィルタ清掃運転を行う度に変化させることができる。これにより、エアフィルタ30をより均一に清掃することができるようになっている。
なお、ここでの「ずらし角度」は、フィルタ清掃運転が行われる度に変化させるのではなく、フィルタ清掃運転が複数回行われる度に変化させるようにしてもよい。また、「ずらし角度」は、エアフィルタ30が回転ブラシ51に対して相対的に360度回転する度に変化させるようにしてもよい。