JP6330536B2 - 焼結原料の事前処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結原料の事前処理方法に関する。特に、高炉で使用される焼結鉱の製造において、焼結用の原料(以下、焼結原料)を事前処理する方法に関し、さらに詳しくは、焼結原料の一部を15mm以上、20mm以下の粗大な粒子とすることで、それらを含む焼結原料により形成された充填層の通気性を上昇させた場合でも、成品歩留を悪化させることなく焼結鉱の生産性を向上させることができる焼結原料の事前処理方法に関する。
(慣用技術)
高炉で鉄源として使用される焼結鉱の製造は、一般的に、下記の方法により行われる。粉状の鉄鉱石である粉鉱石、石灰石等の副原料、炭材を所定の比率で配合して焼結原料とする。焼結原料に水分を添加し、混合、調湿および造粒処理を施し、粒子径が2〜5mm程度の造粒物(以下、「擬似粒子」とも称する)とする。造粒された焼結原料は焼結機のパレット上に装入され、パレット上で焼結原料充填層(以下、「充填層」とも略記する)を形成する。
こうして形成された充填層は、焼結機の点火炉においてその上部表面に着火され、充填層内に存在する炭材の燃焼が開始し、炭材の燃焼部分は燃焼帯を形成する。充填層は下方から吸引されていることから、燃焼帯は充填層の上部から下部に向かって次第に移行する。燃焼帯では、燃焼熱によって周囲の擬似粒子が昇温されて、擬似粒子が部分的に溶融し、その融液により擬似粒子間が架橋されて焼結し、充填層は最終的に焼結ケーキとなる。焼結ケーキは、焼結機から排鉱され、クラッシャーにより所定の粒度に破砕されて焼結鉱となる。
近年、SiO2やAl2O3等の脈石成分の含有率が低い良質な粉鉱石を産する鉱床の枯渇化が進行している。これに伴い、鉄品位が低く脈石成分を多量に含む鉱床から産出された原鉱石を粉砕し、その後に比重分離や磁力選鉱や浮遊選鉱といった選鉱処理を施すことによって鉄分と脈石成分を分離し鉄品位を高めた精鉱(コンセントレート)の焼結原料としての使用割合が増加している。
このような精鉱は、従来主にペレット用の原料として用いられてきたことから、ペレットフィードとも称される。その特徴は、選鉱処理によって鉄分が高められる結果、T.Fe(全鉄分含有量)が65.0質量%以上であり、篩目0.15mmの篩で篩った時の篩下比率が80質量%以上である微粉の鉄鉱石である。
しかし、焼結鉱の製造において、微粉鉱石の使用量を増加させると焼結原料中の微粉比率が増加する。その結果、造粒されることなく微粉のまま残留する粒子の全粒子に対する質量比率、いわゆる未造粒粉率が増加する。
未造粒の粒子は、造粒された擬似粒子を焼結機のパレット上に装入する際、充填層に形成される空隙を閉塞する。従って、その増加は、充填層の通気性を阻害する。その結果、燃焼帯が上部から下部に向かって移行する速度である焼成速度が低下し、焼結鉱の生産性が悪化する。
(造粒強化、ミニペレット添加法)
上記課題に対して、従来下記のような方法が提案されてきた。
特許文献1には、粉鉱石を篩分機により篩い分けた後、篩下の鉱石を高速攪拌ミキサーなどの混練機により水を添加しながら混練し、パンペレタイザーなどの造粒機を用いて直径2〜5mmに造粒し、ドラムミキサーにより篩上粉鉱石やその他の焼結原料と混合し造粒する方法が開示されている。また、特許文献2には、シンターフィードをペレットフィードに置換した焼結原料を焼結する際に、シンターフィードにベントナイトおよび水を添加して粒径2〜7mmのミニペレットとし、残りの原料と混合あるいは混合造粒する方法が開示されている。
しかし上記文献に示されている様なミニペレットの製造及び添加による焼結鉱の製造方法においては、充填層の通気性向上によって焼成速度および生産性は上昇するものの、成品歩留が低下する問題があった。
(先行技術)
そこで本発明者らは、下記着想を基にした、特許文献3を先に提案した。
その着想とは、粒径が3mm以上の粗大擬似粒子によって原料充填層の通気性を改善し、かつ粗大擬似粒子を少なくとも上記粗大擬似粒子の粒径またはそれ以上の粒径の焼結鉱として回収することにより、高い成品歩留を確保するという方法(以下、MEBIOS法とも記す。)である。
文献3によると、原料の一部を粗大化するとともに原料充填層の層厚を調整し、さらに粗大化した粒子の粒子径および混合比率を適正化することにより、生産性の向上と成品歩留りの維持とを両立させることのできる焼結鉱の製造方法を提供可能である。より具体的には、褐鉄鉱を含む鉄鉱石原料、副原料、石灰石、返鉱および凝結材を含む配合原料を造粒した後に焼結機のパレット上に供給して焼成する焼結鉱の製造方法において、前記配合原料の一部を、残りの配合原料を造粒してできる造粒後の粒子よりも粒子径の大きな3mm以上、20mm以下の粒子径となるように別系統で造粒した後、前記残りの配合原料を造粒してできた造粒後の粒子と前記粒子径の大きな造粒後の粒子とを、全配合原料に占める前記粒子径の大きな造粒後の粒子の混合比率が22質量%以下となるように混合し、焼結機パレット上に、配合原料充填層の層厚が530mm以上、730mm以下となるように装入して焼成することで可能である。
しかしながら、特許文献3においても、15mmから20mmまで粗大化させた擬似粒子の添加においては、前記粒子径の大きな造粒後の粒子を添加しない場合と比較して約4%の歩留低下が起こっており、粗大擬似粒子添加における成品歩留の低下を完全に解決するには更なる課題を残していた。
特開昭60−138020号 特開昭61−213328号 特許第4830728号(特開2008−57028号)
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、MEBIOS法における焼結原料の一部を15mm以上、20mm以下の粗大擬似粒子とし、該粗大擬似粒子を含む焼結原料により形成された充填層の通気性を上昇させた場合でも、成品歩留を悪化させることなく焼結鉱の生産性を向上させることにある。
本発明の目的は、成品歩留を悪化させることなく焼結鉱の生産性を向上させることができる焼結原料の事前処理方法の提供である。
上記課題解決の為、本発明者らは微粉鉱石を含む原料を圧縮成型処理することによる事前処理方法が有効であると考えた。そして圧縮成型に関して検討を行った結果、下記条件によって製造した15mm以上、20mm以下の成型物で成品歩留を維持可能であることを知見した。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)微粉鉱石を含む、焼結用原料の一部を球相当直径で15mm以上20mm以下の成型物とし、前記焼結用原料の残部を造粒して擬似粒子とした後、上下方向に稼働する軸を有する圧縮試験装置を用いて前記上下方向を前記成型物の圧縮成型方向に平行として計測した、前記成型物と前記擬似粒子をあわせて焼結機で用いる焼結原料の事前処理方法において、
圧縮成型法を用いて前記成型物を製造し、前記成型物の圧潰強度が、36.3N以上41.2N以下であることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
(2)前記微粉鉱石がマグネタイト系微粉鉱石である(1)に記載の焼結原料の事前処理方法。
(3)前記成型物の原料の一部にさらに製鋼スラグを含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の焼結原料の事前処理方法。
ここに、圧潰強度は、上下方向に稼働する軸を有する圧縮試験装置を用いて、前記上下方向を成型物の圧縮成型方向に平行として、計測した。具体的には、測定台の上に測定対象を静置し、もう一方から軸を一定速度で近づけていき、その荷重変化をロードセルで測定する。測定対象が崩壊する時に最大荷重を示すので、その荷重値を「圧潰強度」値とする
15mm〜20mmの成型物の圧潰強度が十分高いため、急速昇温急速冷却な焼結過程においても崩壊することなく、焼結充填層の高通気性を焼結終了まで確保されると共に、成型物自体が焼結によって焼結鉱として十分な強度を有するようになる。この結果、MEBIOS法において15mm〜20mmの成型物を用いた場合でも、焼結工程での成品歩留の低下が回避でき、成品歩留を悪化させることなく焼結鉱の生産性を向上させることができる焼結原料の事前処理方法を提供することができる。
ペレット成型による粗大擬似粒子が焼結生産性と歩留まりに及ぼす効果を示す図である。 本発明の実施様態である全体の処理プロセスフローを示す図である。
<本発明の特徴>
本発明者等は、微粉鉱石を含む、焼結用原料の一部を造粒、粗大擬似粒子とし、通気性を改善し、成品歩留を悪化させることなく焼結鉱の生産性を向上させる発明を開示した(MEBIOS法、特許文献3)。
図1に微粉鉱石を含む焼結用原料の一部を、高速撹拌ミキサーを用いて水と混連した後、パンペレタイザーを用いて造粒した場合の粗大擬似粒子の粒径の効果を示す(詳細は、特許文献3)。粗大擬似粒子の粒径が5mm〜15mmでは、生産率、成品歩留まりは良好であるが、15mm〜20mmでは、成品歩留まりの低下がみられた。粒子径が15mm〜20mmでは、成品歩留まりの低下する理由は以下考える。即ち、微粉鉱石を含む焼結用原料の一部を造粒し、粗大擬似粒子とすることにより通気性は向上するが、通気性の向上に伴い、原料充填層内の温度が1200℃以上に保持される十分な時間が確保できなくなる。その結果、充填層内で焼成が不十分となり、焼結鉱の強度低下と成品歩留まりの低下をきたしたものと考える。また、生産率が高い場合であっても、成品歩留りが低い場合には、成品焼結鉱の平均粒径が低下する場合が多い。焼結鉱の粒径の低下は、高炉内の通気性に悪影響を及ぼす可能性があるので、焼結鉱の成品歩留りが過度に低下する状態は避けるのが望ましい。
ここで、前記図1は、微粉鉱石を、パンペレタイザーを用いて造粒した場合である。ペレット成型法に替り、強制的に加圧する圧縮成型法を採用することにより、成型物の強度が高められ、急速昇温急速冷却する焼結過程においても崩壊することなく、焼結充填層の高通気性を焼結終了まで粒径が確保でき、その結果、成型物自体が焼結によって焼結鉱として十分な強度を有し、成品歩留まりも向上できると考えられる。そして、圧縮成型の場合、粒径が小さいと生産性が劣り、粒径は、15〜20mm程度が望ましい。一方、成型物の成型強度を強くしすぎると、ラミネーティング(成型物が中央部で破断する現象)による成型物の破断が懸念され、成型物は、適正な、圧潰強度が必要であると考えられる。
そこで、本発明者は、ペレットフィード等の微粉鉱石は、本ラインとは別途の副ラインで、圧縮成型により粒径が15mm〜20mmの成型物を製造し、本ラインの擬似粒子に混合して、焼結することにより、生産性に優れ、かつ、焼結歩留りの高い焼結製造方法が可能となると考えた。
本発明が特徴とするところは、(1)副ラインで、圧縮成型法を用いて微粉原料を成型すること、(2)粒径が15mm〜20mmの成型物であること、(3)成型物の圧潰強度が36.3N以上41.2N以下であること、を特徴としている。
(事前処理設備)
図2に本発明の実施様態である全体の処理プロセスフローを示す。
本発明のMEBIOS法における事前処理工程は、主ライン10と副ライン20を有する。主ライン10は、工程順に、主ライン用の原料槽11、原料槽11から所定比率で切り出された原料を集合する集合コンベア12、配合された原料を混合・造粒するドラム造粒機13からなり、ドラム造粒機13には造粒に必要な水40が添加される。一方、副ライン20は、工程順に、副ライン用の原料槽21、原料槽21から所定比率で切り出された原料を集合する集合コンベア22、配合された原料を添加水40とともに攪拌・混合する高速攪拌ミキサー23、混合された原料を次工程へ移送するコンベア26、そして圧縮成型機25からなる。原料は、主ライン10および副ライン20で処理されて、それぞれ擬似粒子および成型物となる。擬似粒子は、移送コンベア14を介して焼結機30まで運ばれる。成型物は、移送コンベア24で移送コンベア14上へ運ばれ、その合流点15で擬似粒子とあわされ、引き続いて移送コンベア14で焼結機30まで運ばれる。
(事前処理方法)
焼結用の原料は、粉鉱石、微粉鉱石などの鉄鉱石、石灰石、橄欖岩などの副原料およびコークス、無煙炭などの炭材を含む。焼結原料は、目標の成品成分や性状を得られるような所定の配合割合に調整される。このとき、微粉鉱石を含む原料の一部を副ライン20で直径15mm以上、20mm以下、圧潰強度36.3N以上41.2N以下の成型物とする。前記を除く原料は一般的な造粒系統である主ラインで造粒処理され擬似粒子を形成する。擬似粒子および成型物用原料の水分は、それぞれ、造粒および成型に適した水分範囲に事前調整する。造粒および成型に適した水分範囲は、使用する原料の粒度分布や保水性によって変化するので、適宜調整する。
両系統で処理された成型物および擬似粒子は、合流したのちに焼結機に装入される。このとき、擬似粒子と成型物とは合流点15以降の移送過程、焼結機30のサージ槽(図不記)への投入時、サージ槽からシュート(図不記)を介して焼結機パレット(図不記)へ投入される操作によって十分混合される。また、上記成型物をドラム造粒機13以降に投入することによって、ドラム造粒機内での転動の衝撃による崩壊を防止できる。
<成型物製造の詳細>
(成型物に用いる原料)
成型物用の原料は、微粉鉱石を含む焼結原料を用いる。微粉鉱石はペレットフィードとも称され、大部分が粒径150μm以下で成型に適している。さらに、背景技術で上述したように、微粉鉱石による未造粒粉率の上昇を抑制することが焼結生産性にとって重要であり、通常の造粒処理では未造粒粉となりやすい微粉鉱石を優先的に成型化することで、未造粒粉率の低下効果が大きいと期待されるためである。
前記微粉原料は、マグネタイト系ペレットフィードであるのがよい。その理由は、マグネタイトは焼結過程においてヘマタイトへ酸化されるが、酸化熱が成型体の焼結を促進し、圧塊強度を高める効果を享受できることに依る。
成型化の対象となる原料に、製鋼スラグを含めるのがよい。その理由は、製鋼スラグには金属鉄やFeOを含有しているので、上記マグネタイトと同様に、酸化熱が享受できる。さらに、製鋼スラグはCaO成分およびSiO成分を含有するため、酸化鉄と1200〜1300℃の低温から融液を形成し、液相焼結によって成型体強度を高める効果がある。
(微粉鉱石の圧縮成型条件)
成型は、圧縮成型法を用いる。成型物の直径は15mm〜20mmとする。そして、成型物の圧潰強度を36.3N以上41.2N以下とする。これにより、従来15mm〜20mmの成型物を用いた場合の焼結工程での成品歩留の低下が回避できる。
圧縮成型を用いる理由は、造粒法による成型物よりも高い強度の成型物を製造できるためである。これによって、輸送・焼成時の崩壊が少なくなり、成品焼結鉱として残留しやすくなるためである。さらに、圧縮成型法は、成型時水分をパンペレタイザーなどの造粒法に比較して低くできる。これにより、焼結時の成型物の爆裂回避がより容易となる。
(成型物の粒度規定)
成型物の直径が15mm〜20mmのときに最も生産性が高くなるためである。これは、前記粒度範囲において、焼結ベッドの高い通気性を確保し、焼成速度、ひいては焼結鉱の生産性を向上する。
(成型機)
圧縮成型機の中では、特に、ダブルロール式のブリケットマシンが好ましい。これは、焼成時の爆裂の影響をさらに低減できるからである。すなわち、造粒によって作成された粗大擬似粒子の場合、焼結機内で燃焼帯が形成され中心付近の水分が急激に蒸発し始める時点において粗大擬似粒子が爆裂(バースティング)し、爆裂した粒子は成品以下のサイズとなってしまい歩留が低下する原因の一つとなっていた。これに対して、ダブルロール式のブリケットマシンによる圧縮成型の場合、2つのロール間の半球状のカップの接触部、すなわち成型物の中央部に比較的荷重が掛かりにくいことで発生した蒸気の逃げ場ができ、バースティングを起こしにくく、成品焼結鉱として残留しやすい為である。
(成型圧力)
成型物の前記所要の圧潰強度は、たとえば、成型時の成型圧を制御することで実現できる。ロール速度350cm/minの程度で、ロール荷重は線圧1.3×10N/cm以上3.9×10N/cm以下の範囲で調整する。実施例で後述するように、線圧1.3×10N/cm未満では圧力が不足し所要の強度に達しない。逆に、3.9×10N/cmを超えるとラミネーティング(成型物が中央部で破断する現象)が発生し、完全な成型物の見かけの圧潰強度はさらに若干増加するものの、実用範囲を超えて成型歩留が低下するためである。
MEBIOS法において、本発明による事前処理方法が焼結性に及ぼす効果を実証した実験例を示し、成型物の圧潰強度の決定根拠を示す。なお、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
(原料配合および水分調整工程)
参考例、比較例1〜6、実施例1〜4の合計11例で、実験した。
試験に供した原料およびその使用比率を表1に示す。
参考例は、事前処理が副ラインがなく主ラインのみの通常の焼結法である。実施例と比較例は、微粉原料の造粒のための副ラインを有する焼結法である。
実施例4を除き、微粉原料は、微粉鉱石はペレットフィード(以下、PFと記す。)10.0質量%と脱硫スラグ3.0質量%を用いた。脱硫スラグは、PFと同等の粒度とすべく、0.15mm以下に粉砕した。実施例4では、副ラインでPF5質量%の他に脱硫スラグ1.0質量%を用いた。
主ラインのPFは、ブラジル産へマタイト系PFである。副ラインのPFも、ブラジル産へマタイト系PFとしたが、実施例3では、北米産マグネタイト系PFを用いた。
表2に、PFおよび脱硫スラグの化学成分を示す。
Figure 0006330536
Figure 0006330536
表3に試験に用いた事前処理方法を示す。
Figure 0006330536
(副ラインの圧縮成型)
実施例1,2,3,4および比較例3,4,5、6は、圧縮成型法で成型した例である。
PF(実施例4ではPFと脱硫スラグ)を、高速撹拌ミキサーを用いて水分量10質量%で1分間混合調湿した。次に、前記混合調湿された原料をダブルロール式のブリケットマシンを用いて圧縮成型した。圧縮成型に使用したブリケットマシンは、ロール寸法がロール径228mm及びロール幅76.2mm(有効幅38mm)、カップ形状が半アーモンド状、カップサイズが18mm×14mm×4.5mm厚さのロールを用いた。カップは両方のロールに存在しており、ロール間距離は約1mmに設定した。従って、ロール間を通過した原料は18mm×14mm×10mmのアーモンド状(単純な楕円体に比べると若干膨らんだ形状)の成型体となる。また、成型物中央部には、両ロールの接合部で圧縮された板状のバリが若干残る。最終的な成型物容積は約2.0cm(概ね、球相当径で15〜20mm)であった。成型機運転条件は、回転数が5rpm、加圧線圧は表4に示す如く、0.69×10N/cmから7.72×10N/cmまでの5水準の範囲に調整した。表4中の数値に幅があるのは、原料のロールへの噛み込み状況等によって圧縮荷重が常に一定とはならないことによる。
成型歩留は、成型後生成物の+5mm歩留とした。+5mm歩留とは、成型物を目開き5mmの篩に掛け、篩上の残留率を質量%で示したものである。すなわち、成型物に割れや欠けが多く発生した場合、+5mm歩留は低くなる。
圧潰強度は、1軸圧縮試験装置によって、成型物に圧縮力を徐々に加えていき、最大荷重を示した点の強度値を示したものである。
(副ラインのパンペレタイザー造粒)
比較例1,2は、上記の同じ原料配合および混合調湿を施した原料を、ブリケットマシンにかえて、パンペレタイザーを用いて成型した例である。パンペレタイザーは580mm径で、径斜角49度、回転速度31rpm、原料供給速度1kg/minで処理を行った。ただし、比較例1では、混合調湿工程での水分量を10質量%とし、比較例2では15質量%と変化させた。
比較例1の水分10質量%では、パン内に原料を投入しても内部を滑るだけで造粒が進行せず、従って所望の粒度の造粒物がほとんど得られなかった。従って、比較例1の圧潰強度の値は表4には記載していない。比較例2においては、水分を15%まで上昇することで、粗大造粒物を得ることはできた。
(主ラインのドラム造粒)
主ライン用原料は、600mm長、500mm径のドラム型ミキサーに投入し、2分間転動して各原料を混合した後、水分量が7.0%になるように、ミキサー内に所定量の水を注水しながら25rpmで4分間転動し、造粒を行った。
(主ラインと副ラインの原料の混合)
比較例および実施例においては、上記主ラインの造粒工程を施し、ミキサーから排出した擬似粒子に、上記副ラインの成型工程を施した成型物を添加し、スコップで軽く撹拌することで両者を軽く混合した。このとき、成型物と擬似粒子と配合比率は、表1に示したとおりである。
本操作は、ミキサーから排出されベルトコンベアで搬送されている擬似粒子の上に成型物が添加された後、更にベルトコンベアを数回乗り継ぐ過程で混合されることを想定している。
(焼結実験)
焼結プロセスを実験室規模でシミュレートが可能な焼結鍋試験により、成型物の有無および成型物の性状が焼結歩留および生産性に及ぼす影響を調査した。
焼結鍋試験とは、任意の面積及び高さを有する容器に焼結原料を装入し、容器内に形成された焼結原料層の表面を点火するとともに、容器下部に配置された風箱(ウインドボックス)からブロワーで空気を吸引することで、焼結プロセスをシミュレートする試験である。風箱とブロワーとの間に、オリフィス等を設置することで、風量もしくは負圧を計測並びに制御することができる。
焼結試験装置(直径300mm、高さ500mmの円筒容器)に前記焼結原料を装入して、原料充填層を形成した。次に、負圧9.8kPaでの下方吸引を行いつつ、バーナーで原料層の表面を1分間点火することにより焼成を行った。風箱に配置した熱電対で排ガス温度を計測しその情報に基づいて、排ガス温度の最大値を示した時刻の3分後に下方吸引を停止して焼成を終了した。
焼結時間は、点火開始時刻から排ガス温度の最大値を示した時刻までに要した時間とした。
燃焼前線降下速度(FFS;Flame Front Speed)は、排ガス温度立上時刻を、排ガス温度70℃到達温度と定義し、点火開始時刻からの経過時間で、層厚を割って算出した。
成品歩留は以下で求めた。すなわち、焼成終了後に得られた焼結ケーキを、高さ2mから4回落下させた後、直径5mmの角型の篩で分級し、その篩上産物の重量から床敷鉱重量(2kg)を引いた値を成品焼結鉱重量とした。成品焼結鉱重量を、焼結ケーキ重量から床敷鉱重量(2kg)を引いた値に対する収率を成品歩留と評価した。
生産率は、成品焼結鉱重量を焼結時間で割り、さらに鍋試験装置の底面積で割って算出した。
以上の結果を表4に示す。
Figure 0006330536
(実験結果)
特許文献1の方法に相当する比較例2では、従来法の参考例に比較して、FFSは向上するが焼結の成品歩留は確かに低下した。これに対して、比較例3〜6および実施例1〜4の圧縮成型法の場合は、いずれも従来法(参考例)に比較して歩留、生産性が向上した。
比較例3〜6および実施例1,2の比較より、焼結の歩留が73%を超えて最も高くなる成型物の圧潰強度は36.3N以上41.2N以下の範囲であって、これ未満でも、これを超えても焼結の成品歩留は低下することが判明した。実施例4、5では、圧潰強度自体の値は、実施例1,2に比較して、さらに向上傾向が認められた。それにもかかわらず焼結の成品歩留が低下したのは、次に述べるように、ラミネーティングの影響で、成型物の実質的な強度が低下していたものと考えられる。
比較例5,6では、実施例1,2に比較して、成型工程における成型物の+5mm歩留が成型圧が高いにもかかわらず低下した。成型物の目視結果より、比較例5、6においては、成型物が中央部から半球状に2つに破断した状態で排出される、ラミネーティング現象が発生していた。ラミネーティング現象は、圧縮荷重が適正範囲よりも強すぎる場合に発生し易いことが知られており、この結果から、本発明における圧縮荷重の上限は、適正範囲は29.4×10N(線圧で3.92×10N/cm)、成型物の圧潰強度で41.2Nであると言える。
マグネタイト系PFを用いた実施例3では、ヘマタイト系PFである実施例1に比較して、さらに焼結の成品歩留と生産性の向上が確認できた。
製鋼スラグを成型物に混入した実施例4では、それのない実施例1に比較して、さらに焼結の成品歩留と生産性の向上が確認できた。
成品歩留を悪化させることなく焼結鉱の生産性を向上させることができる焼結原料の事前処理方法に利用することができる。
10………主ライン
20………副ライン
11、21…原料槽
12、22…集合コンベア
13………ドラム造粒機
23………高速攪拌ミキサー
25………圧縮成型機
26………コンベア
14、24…移送コンベア
30………焼結機
40………添加水

Claims (3)

  1. 微粉鉱石を含む、焼結用原料の一部を球相当直径で15mm以上20mm以下の成型物とし、前記焼結用原料の残部を造粒して擬似粒子とした後、前記成型物と前記擬似粒子をあわせて焼結機で用いる焼結原料の事前処理方法において、
    圧縮成型法を用いて前記成型物を製造し、上下方向に稼働する軸を有する圧縮試験装置を用いて前記上下方向を前記成型物の圧縮成型方向に平行として計測した、前記成型物の圧潰強度が、36.3N以上41.2N以下であることを特徴とする焼結原料の事前処理方法。
  2. 前記微粉鉱石がマグネタイト系微粉鉱石である請求項1に記載の焼結原料の事前処理方法。
  3. 前記成型物の原料の一部にさらに製鋼スラグを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焼結原料の事前処理方法。
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