JP3794332B2 - 焼結原料の造粒方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下方吸引のドワイドロイド式焼結機を用いて高炉用焼結鉱を製造する際に用いる焼結原料の造粒方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉用原料として用いられる焼結鉱は、一般に次のような焼結原料の処理工程を経て製造されている。すなわち図1に示すように、まず、粒径が10mm以下の鉄鉱石1、珪石,蛇紋岩またはニッケルスラグなどからなるSiO2含有粉原料2、石灰石などのCaO を含有する石灰石系粉原料3、および粉コークスまたは無煙炭などの熱源となる固体燃料系粉原料4をドラムミキサー5に装入して、さらに適当量の水分を添加して混合,造粒し、擬似粒子と呼ばれる造粒物を形成する。この造粒物(すなわち擬似粒子)からなる配合原料は、ドワイトロイド式焼結機のパレット上に適当な厚さ(たとえば 500〜700mm )になるように装入して表層部の固体燃料に着火し、着火後は下方に向けて空気を吸引しながら固体燃料系粉原料4を燃焼させ、その燃焼熱によって配合した焼結原料を焼結させて焼結ケーキとする。この焼結ケーキは破砕,整粒され、粒径が所定の値以上の焼結鉱を得る。一方、所定の値に満たない粒径を有するものは返鉱となり、焼結原料として再利用される。
【0003】
ここで、焼結鉱は、原料中のコークスを層内を通過する空気によって燃焼させて製造しているので、その生産性は、パレット上での擬似粒子の充填層の通気性(すなわち通過風量)によって決定される。その結果、図2に示すように、ドラムミキサー5で造粒される擬似粒子の粒径が大きくなるほど、通気性が向上し、焼結鉱の生産率が向上することが良く知られている。そのため、これまでに擬似粒子の粒径を大きくしようとする多くの試みがなされてきた。
【0004】
ドラムミキサー5での造粒は、水を架橋にして擬似粒子を付着させているため、焼結原料の水に対する濡れ性が大きな影響を及ぼすことが良く知られている。水との濡れ性が良い焼結原料の場合、擬似粒子の粒径は大きくできる。図3は、各種の鉄鉱石の接触角θと擬似粒子の充填層の通気性との関係を調査したものである。図3から明らかなように、水との接触角θが大きい(すなわち水に濡れ難い)ほど、造粒後の擬似粒子の充填層の通気性が低い(すなわち擬似粒子の粒径が小さい)ことが分かる。
【0005】
発明者は鉄鉱石の他に焼結原料として使用される各種原料に着目して、水との接触角θを調査した。 すなわち図4に示すように、表面を研磨した試料6に注射器で水滴7を与えて、側面から観察して接触角θを測定した。その結果、 コークスの接触角θの平均値は41°(測定回数:20回),石灰石の接触角θの平均値は23°(測定回数:13回),鉄鉱石の接触角θの平均値は16°(測定回数:14回)であり、コークスの濡れ性が最も劣っている。
【0006】
さらに発明者は、各種原料の粉体を円筒状(外径25mm,長さ250mm )のガラス管に充填して水の浸透高さを測定して、それぞれの濡れ性を評価した。 すなわち図5に示すように、 円筒状のガラス管8下端の開口部をガーゼ9で覆い、 次いでガラス管8内に各種原料の粉体9(粒径0.10〜0.25mm)を充填した後、 ガラス管8の下端から2mmの位置まで水11中に浸漬した。このようにして水11が、ガラス管8内に充填された粉体9の間隙に浸透して上昇する高さ(以下、 浸透高さという)を測定した。粉体9が水11に濡れ難いほど、浸透高さは低くなる。
【0007】
浸透高さh(cm)と接触角θ(°)は下記の (1)式の関係を有するから、浸透高さh(cm)の測定値を用いて接触角θ(°)を算出した。
h=〔(φRγ× cosθ)/(2η)〕1/2 ×t1/2 ・・・ (1)
h:水の浸透高さ(cm)
φ:係数(= 0.2)
R:粉体の平均粒径(cm)
γ:水の表面張力(= 72.25 dyn/cm)
θ:水の接触角(°)
η:水の粘度(= 0.0089 poise )
t:時間(秒)
その結果、 コークスの接触角θの算出値は84°,石灰石の接触角θの算出値は55°,鉄鉱石の接触角θの算出値は45°であり、コークスの濡れ性が最も劣っている。
【0008】
この結果から、発明者は、擬似粒子の充填層の通気性を向上する(擬似粒子径を大きくする)のために、焼結原料中から固体燃料系粉原料である粉コークスを除いて造粒する必要があることに着目したものである。
従来、固体燃料系粉原料である粉コークスを焼結原料から分離して造粒し、次いで造粒中に粉コークスを添加する技術としては以下のものがある。
【0009】
まず、焼結原料から固体燃料系粉原料である粉コークスの全量または一部を分離して、造粒後の擬似粒子に粉コークスを添加する技術として特開昭52−141402号公報、特開昭58−11746 号公報があり、特開昭52−141402号公報では、粉コークスをドラムミキサーの供給端と排出端から添加する技術が提案され、特開昭58−11746 号公報では、粉コークスの全量または一部をドラムミミサー排出端から気流搬送によって添加する技術が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開昭52−141402号公報では、ドラムミキサーの供給端と排出端から添加するため、焼結原料の擬似粒子化進行中に固体燃料系粉原料である粉コークスが内装化され、特開昭58−11746 号公報に提案された方法では、ドラムミキサーの排出端から添加するものの、ドラムミキサー入口側に粉コークスの微粉部分を、排出端では粉コークスの粗粒部分が存在するコークス粉の分布形態になるように気流搬送により添加することが行われるため、焼結原料の擬似粒子化進行中にコークス粉が内装化するという問題があった。
【0011】
すなわち、焼結原料から粉コークスを分離して造粒しても固体燃料系粉原料である粉コークスを添加する際に、焼結原料中に内装化され、内装化により焼結原料の擬似粒子の成長が進まないという問題である。
また特開昭61-163220 号公報には、粉コークスを配合せずペレットフィードを配合した焼結原料を1次ミキサーで調湿造粒し、次いでこの調湿造粒物に粉コークスを添加して2次ミキサーで転動造粒することを特徴とする焼結原料の事前処理方法が開示されている。この技術によればペレットフィードを配合した焼結原料を調湿造粒するに際し、2次ミキサー側で添加することにより従来の1次ミキサーで全量混合造粒したものに比べて大幅に造粒性,通気性,生産性が改善できるとしている。しかしながら特開昭61-163220 号公報に開示された技術で得られた焼結原料も必ずしも造粒性の向上に結びつかず、いまだ成功した例はない。
【0012】
なお、特開昭52-141402 号公報,特開昭61-163220 号公報に開示されているように、造粒に際し、1次ミキサー,2次ミキサーを使用して混合・造粒を行なう焼結原料の予備処理方法あるいは焼結原料の造粒方法では、基本的には1次ミキサー側で焼結原料の混合を主体とする混合・造粒を行ない、その後、 2次ミキサー側で造粒を主体とする、いわゆる転動造粒が行なわれる。このように1次ミキサーと2次ミキサーを有する(合計2台のミキサーを有する)場合、一般的には、焼結原料の1次ミキサーにおける混合・造粒時間は 120秒程度を確保しており、2次ミキサーにおける造粒時間は 180秒程度を確保して造粒することが通常行なわれる。
【0013】
また、特開昭58-11746号公報に開示されているように、造粒に際し、単一のミキサーを使用して混合・造粒を行なう焼結原料の予備処理方法あるいは焼結原料の造粒方法では、前記した1次ミキサー,2次ミキサーの合計の造粒時間を確保できるミキサー長として造粒することが通常行なわれる。
本発明は、上記のような問題を解消し、焼結鉱を製造するプロセスの事前処理として膨大な設備を必要とせず、固体燃料系粉原料を鉄鉱石,SiO2含有粉原料,石灰石系粉原料から分離して、鉄鉱石,SiO2含有粉原料,石灰石系粉原料を造粒し、次いで固体燃料系粉原料を添加することによって段階的に擬似粒子にすることにより、焼結用原料の造粒の際、造粒される擬似粒子の粒径を増加させ、固体燃料系粉原料の添加に際しては、擬似粒子の表層部に粉コークスなどの固体燃料系粉原料を適切に外装することができる焼結用原料の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するための本発明は、下方吸引のドワイトロイド式焼結機を用いて高炉用焼結鉱を製造するプロセスの事前処理として、鉄鉱石,SiO2含有粉原料,石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料からなる焼結原料をドラムミキサーを用いて造粒するに際し、ドラムミキサーの装入口から固体燃料系粉原料を除く焼結原料を装入して造粒すると共に、固体燃料系粉原料を除く焼結原料がドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間が10〜120 秒を満足する範囲となる下流側途中に設定した領域で固体燃料系粉原料を添加し、排出口に至る間に固体燃料系粉原料を焼結原料の外装部に付着,形成する焼結用原料の製造方法である。
【0015】
前記した発明においては、 好適態様として、ドラムミキサーを複数に分割し、複数のドラムミキサーのうちの最終のドラムミキサーの長さを、焼結原料が最終のドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間が10〜120 秒を満足する範囲に設定された長さとして、最終のドラムミキサーの装入側で固体燃料系粉原料を添加することが好ましい。
【0016】
なお、焼結原料がドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間とは、焼結原料が排出口に到達するまでの所要時間を指す。 たとえば滞留時間が60秒の場合、焼結原料がその位置を通過して60秒後に排出口に到達する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を完成するに至った経緯および本発明の具体的な実施の概要を図面に基づき詳細に説明する。
本発明者は、図6に示すように、固体燃料系粉原料である粉コークスを含む焼結原料の造粒実験(実験 No.1,2)を行なった。 実験 No.1では、鉄鉱石,返鉱,石灰石,生石灰およびコークスをドラムミキサーに装入して造粒(造粒時間: 360秒)した。その結果、 平均粒径1.52mmの擬似粒子が得られた。実験 No.2では、鉄鉱石,返鉱およびコークスをドラムミキサーに装入して造粒(造粒時間: 300秒)した後、石灰石,生石灰を添加してさらに造粒(造粒時間:60秒)した。その結果、 平均粒径1.46mmの擬似粒子が得られた。
【0018】
一方、図7に示すように、本発明を適用してコークスを分離した焼結原料(すなわち鉄鉱石,返鉱,石灰石および生石灰)の造粒実験を行ない、造粒開始後の経過時間と擬似粒子の平均粒径との関係を調査した。 その結果は、図8に示す通りである。
図8から明らかなように、固体燃料系粉原料(たとえば粉コークス)を除く焼結原料の造粒開始後 180秒以上経過すれば、擬似粒子の粒径が図6に示した造粒法に比較して十分に大きくなることが分かった。ただし本発明では、固体燃料系粉原料を鉄鉱石やSiO2含有粉原料,石灰石系粉原料等の他の焼結原料から分離して造粒するので、固体燃料系粉原料を除く焼結原料を造粒して得た擬似粒子に固体燃料系粉原料を、内装化させることなく添加する必要がある。
【0019】
そのためには本発明においては、分離した固体燃料系粉原料を造粒の後半の過程で添加して前半の過程で造粒した擬似粒子原料とさらに造粒することで、擬似粒子の外装部分へ固体燃料系粉原料を付着させることにより、焼結原料の擬似粒子の粒径を増大させ、焼結層内の通気性を改善し、焼結鉱の生産性を向上することを試行した。
【0020】
しかし、固体燃料系粉原料を焼結原料の外装部に付着,形成するために添加する時間の設定、すなわち、造粒されつつある焼結原料に固体燃料系粉原料のみを添加した後、その焼結原料がドラムミキサーの排出口に到達するまでの添加後の滞留時間、すなわち固体燃料系粉原料を焼結原料の外装部に付着,形成させるために添加した後の造粒時間(以降、単に外装時間と呼ぶ)の設定に応じて、大きく効果が異なることを見出した。
【0021】
次に、図9に示すように、固体燃料系粉原料(たとえば粉コークス)を除く焼結原料の造粒開始後 300秒経過した後、 粉コークスを添加して、さらに造粒を行ない、粉コークス添加後の外装時間と擬似粒子の平均粒径との関係を調査した。 その結果は、図10に示す通りである。
図10から明らかなように、外装時間が長くなるとともに、擬似粒子の粒径が減少することが分かる。擬似粒子の粒径が減少すると、焼結機に装入する際の原料層の通気性が低下するので、外装時間は 120秒以下(好ましくは90秒以下,望ましくは60秒以下)が望ましい。
【0022】
すなわち、ドラムミキサー内においては、原料の造粒とともに、破壊も同時に進行しているため、外装時間を 120秒(ドラムミキサーの回転数は18回転に相当)を超えて長くすると、ドラムミキサー内で擬似粒子が壊れ、粉コークスが擬似粒子内に取り込まれる。その結果、水と濡れ難くしかも造粒し難い粉コークスの内装化により擬似粒子の粒径が減少して、図6に示した固体燃料系粉原料(たとえば粉コークス)を含む焼結原料の造粒実験における擬似粒子の粒径と同等の値になっていることが確認された。つまり外装時間を長くとりすぎると、ドラムミキサー内では、造粒だけでなく擬似粒子の破壊も同時に進行しているので、外装のために添加した固体燃料系粉原料が破壊された擬似粒子の内部に取り込まれて、内外装ともに存在することになり、固体燃料系粉原料を含む焼結原料の混合,造粒と変わらないことになるのである。
【0023】
また別の実験によって、外装時間が10秒(ドラムミキサーの回転数は 1.5回転に相当)を下回ると、外装時間が不足して、添加した固体燃料系粉原料が焼結原料中の一部分に偏析を起こし、焼結の際に均一な焼結状態が得られないことが分かった。
したがって外装のための固体燃料系粉原料を添加するにあたって、外装時間は10〜120 秒の範囲内に維持しなければならない。本発明では前記したような外装時間の適性範囲を満たすことにより、固体燃料系粉原料も擬似粒子の内部に取り込まれることなく、外装化されることになる。
【0024】
本発明の外装時間の適性範囲を固体燃料系粉原料(たとえば粉コークス)の添加に適用する場合、得られる擬似粒子の外装部は固体燃料系粉原料となったものが得られる。したがって、固体燃料系粉原料としての粉コークスが内装化されないので、造粒し難い粉コークスによる擬似粒子の粒径の減少は生じない。 その結果、 造粒工程で得られる擬似粒子の粒径が増大する効果が得られ、生産性の向上が期待できる。
【0025】
そこで図11に示すように、固体燃料系粉原料(たとえば粉コークス)を除く焼結原料の造粒実験(実験 No.3,4,5)を行なった。 実験 No.3では、鉄鉱石および返鉱をドラムミキサーに装入して造粒(造粒時間: 300秒)した後、石灰石,生石灰,コークスを添加してさらに造粒(造粒時間:60秒)した。その結果、 平均粒径1.75mmの擬似粒子が得られた。実験 No.4では、鉄鉱石,返鉱および生石灰をドラムミキサーに装入して造粒(造粒時間: 300秒)した後、石灰石,コークスを添加してさらに造粒(造粒時間:60秒)した。その結果、 平均粒径1.81mmの擬似粒子が得られた。実験 No.5では、鉄鉱石,返鉱,生石灰および石灰石をドラムミキサーに装入して造粒(造粒時間: 300秒)した後、コークスを添加してさらに造粒(造粒時間:60秒)した。その結果、 平均粒径1.74mmの擬似粒子が得られた。
【0026】
つまり固体燃料系粉原料(たとえば粉コークス)を除く焼結原料の造粒実験によって得られた擬似粒子の粒径は、図6に示した固体燃料系粉原料を含む焼結原料の造粒実験における擬似粒子の粒径に比べて、15%以上増大している。
本発明になる固体燃料系粉原料である粉コークスを擬似粒子中に内装化させない造粒フローの例(方法A)について説明する。
【0027】
図12に示すように、ドラムミキサー5の装入側からは、固体燃料系粉原料4である粉コークスを除く焼結原料が装入され、また、外装時間を制御するため、粉コークスは、ドラムミキサー5の排出側から添加される。焼結用原料が排出口に到達するまでの滞留時間が10〜120 秒範囲となるドラムミキサー5の下流側途中に設定した外装領域に合わせて、下流側排出口からドラムミキサー5内の長手方向に進退自在に配置したベルトコンベヤ12の先端位置を、例えば10秒〜120 秒範囲の中の60秒に相当する外装領域の中間位置に調整する。そして、ベルトコンベヤ12を介して固体燃料系粉原料4(たとえば粉コークス)を所定領域(ここでは外装領域の中間位置)に添加し、ドラムミキサー5内で外装領域に達するまでに造粒により形成された擬似粒子の周囲に、固体燃料系粉原料4を付着,形成させた外装部分を有する擬似粒子を造粒する。固体燃料系粉原料4は、平均粒径が 2.0mm以下、好ましくは 1.5mm以下とすることにより外装部分に付着し易くなり、その外表面を覆うことができる。この方法Aは、単一のドラムミキサー5を使用する例である。
【0028】
また図13に、ドラムミキサー5を長手方向に複数に分割して使用する本発明の造粒フローの例(方法B)とする。図13にはドラムミキサー5を2分割する例を示したが、本発明においては、ドラムミキサー5の分割数は特に限定しない。
図13の (a)では、固体燃料系粉原料4である粉コークスを除く焼結原料が装入して造粒し擬似粒子を得る第1ドラムミキサー51と、第1ドラムミキサー51で造粒された擬似粒子の周囲に固体燃料系粉原料4を付着させた外装部分を有する擬似粒子を造粒する第2ドラムミキサー52とを直列に配置する。第1ドラムミキサー51は、擬似粒子が造粒できる長さに設定され、また第2ドラムミキサー52は、擬似粒子の外周に固体燃料系粉原料を外装,付着できる長さに設定される。 すなわち第2ドラムミキサー52の長さは、排出口に到達するまでの擬似粒子の滞留時間が、10〜120 秒を満足する範囲になるような外装領域に相当する寸法に設定される。
【0029】
図13の (a)において、第1ドラムミキサー51の装入口から鉄鉱石1とSiO2含有粉原料2(珪石,蛇紋岩,Niスラグ等のSiO2を比較的に多く含有する原料)、石灰石系粉原料3とを装入する。第1ドラムミキサー51の装入口から排出口に到達するまでの過程で造粒と崩壊を繰り返しながら粗粒の鉄鉱石1を核として、その周囲に細粒の鉄鉱石,SiO2含有粉原料2および石灰石系粉原料3を付着させて擬似粒子が造粒される。その後、擬似粒子が第2ドラムミキサー52の装入口の装入される時に、固体燃料系粉原料4を、第2ドラムミキサー52の装入口に供給する。これにより第2ドラムミキサー52内で擬似粒子の周囲に固体燃料系粉原料4を外装,付着させる造粒が行われる。 図13の (b)は既存のドラムミキサーが2分割タイプである場合の本発明の適用例を示したもので、後半部分のドラムミキサー52の長さが、外装時間が 120秒に相当する長さより長い場合は、図12の例と同じく後半部分のドラムミキサー52の排出側からベルトコンベア12によって外装領域に固体燃料系粉原料4を供給,添加する。
【0030】
本発明の方法Aまたは方法Bによれば、粗粒の鉄鉱石1を核として、その周囲に細粒の鉄鉱石、SiO2含有粉原料2および石灰石系粉原料3が付着し、さらにその周囲の外装部に固体燃料系粉原料4(たとえば粉コークス)を付着,形成させることができる。
これにより、本発明の焼結用原料の製造方法では、熱源となる固体燃料系粉原料4を外装部に付着,形成させることができ、したがって、固体燃料系粉原料4としての粉コークスが内装化されないため、造粒し難い粉コークスによる造粒性悪化の影響がなく、造粒過程で得られる擬似粒子の粒径が増加する効果が得られる。その結果、生産性の向上が期待でき、さらに添加した固体燃料系粉原料4の燃焼性の向上を図ることができる。
【0031】
【実施例】
表1に示す配合割合の焼結原料を用いて、図11に示す実験No.5の方法で造粒した擬似粒子をドワイトロイド焼結機に輸送し、パレット上に装入した。これを発明例とする。
比較のため鉄鉱石、SiO2含有粉原料、石灰石系粉原料、粉コークスを同時に混合する処理方法にて造粒した擬似粒子をドワイトロイド焼結機に輸送し、パレット上に装入した。これを比較例とする。
【0032】
発明例と比較例について、焼結機の生産率( ton/hr・m2 )と焼結鉱の歩留り(%)を調査した。 その結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
その結果、擬似粒子の粒径が増加し、歩留を低下させることなく、生産率を大幅に増加することができた。なお、通常は、焼結時間が短くなる(生産率が増加する)と、溶融時間が短くなるので、焼結鉱の強度が低下し、歩留の低下を生じる。しかし本発明ではコークスを外装化しているので、焼結鉱の歩留低下の割合は小さくてすんだ。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の焼結原料の製造方法によれば、擬似粒子がドラムミキサーの排出口に到達するまでの下流側途中に設定した外装領域で熱源となる固体燃料系粉原料を添加し、固体燃料系粉原料を焼結原料から分離させ、外装領域で添加することによって、粒径を大きくした擬似粒子の外装部分に固体燃料系粉原料を付着,形成した焼結用擬似粒子原料を製造することができ、焼結を鉱製造する際の生産性を大きく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の焼結原料の混合,造粒工程を示す系統図である。
【図2】擬似粒子の平均粒径と焼結機の生産率との関係を示すグラフである。
【図3】鉱石の接触角と擬似粒子充填層の通気性との関係を示すグラフである。
【図4】試料,水滴および接触角の関係を模式的に示す側面図である。
【図5】水の浸透高さを測定する装置を模式的に示す断面図である。
【図6】造粒実験の工程を示す系統図である。
【図7】造粒実験の工程を示す系統図である。
【図8】造粒開始後の経過時間と擬似粒子の平均粒径との関係を示すグラフである。
【図9】造粒実験の工程を示す系統図である。
【図10】コークス添加後の外装時間と擬似粒子の平均粒径との関係を示すグラフである。
【図11】造粒実験の工程を示す系統図である。
【図12】本発明の造粒フロー(方法A)を示す系統図である。
【図13】本発明の造粒フロー(方法B)を示す系統図である。
【符号の説明】
1 鉄鉱石
2 SiO2含有粉原料
3 石灰石系粉原料
4 固体燃料系粉原料
5 ドラムミキサー
6 試料
7 水滴
8 ガラス管
9 ガーゼ
10 粉体
11 水
12 ベルトコンベア
51 第1ドラムミキサー
52 第2ドラムミキサー
Claims (2)
- 下方吸引のドワイトロイド式焼結機を用いて高炉用焼結鉱を製造するプロセスの事前処理として、鉄鉱石、SiO2含有粉原料、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料からなる焼結原料をドラムミキサーを用いて造粒するに際し、前記ドラムミキサーの装入口から前記固体燃料系粉原料を除く焼結原料を装入して造粒すると共に、前記固体燃料系粉原料を除く焼結原料が前記ドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間が10〜120 秒を満足する範囲となる下流側途中に設定した領域で前記固体燃料系粉原料を添加し、前記排出口に至る間に前記固体燃料系粉原料を前記焼結原料の外装部に付着、形成することを特徴とする焼結用原料の製造方法。
- 前記ドラムミキサーを複数に分割し、前記複数のドラムミキサーのうちの最終のドラムミキサーの長さを、前記焼結原料が前記最終のドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間が10〜120 秒を満足する範囲に設定された長さとして、前記最終のドラムミキサーの装入側で前記固体燃料系粉原料を添加することを特徴とする請求項1に記載の焼結用原料の製造方法。
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