JP6330420B2 - 印刷装置及びその記録液排出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のノズルより記録媒体に記録液を吐出する印刷装置に関する。
印刷中にジャムが生じると、そのジャムの解除後であって印刷の再開前に自動的に回復動作を行う印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、インクジェットヘッドのオリフィス面をキャップで密閉した状態で回復用ポンプが作動し、インクを各オリフィスより吸引する。この回復動作によって、ジャムに起因するオリフィスの目詰まりを解消し、印刷再開後の吐出不良の防止を図っている。
特開平2−78566号公報
複数種の記録液を用いた印刷を行える印刷装置では、各ノズルが複数種の記録液のうち予め割り当てられた一種の記録液のみを吐出する。ジャムを生じた記録媒体がノズル面に接触すると、ノズル面に付着した記録液又はノズル内の記録液が記録媒体に吸収され、記録液がノズル面と接触している記録媒体上で拡散していく可能性がある。このとき、前述の印刷装置では、吸収された記録液が、その記録液とは異なる種類の記録液を吐出するためのノズルに付着する可能性がある。別種の記録液を取り除けないまま印刷が再開すると、混色が生じる可能性がある。
特許文献1では、ジャムに起因する混色への対策がなされていない。そのため、特許文献1の回復動作を前述の印刷装置に適用しても、ノズルに付着した別種の記録液を取り除ききれず、印刷再開後に混色が生じる可能性がある。そうなると、利用者に不便を強いることにもなる。例えば、利用者は、印刷再開後に再び回復動作を行うように印刷装置に指令を与えて、その回復動作の完了を待機しなければならない。
混色を未然に防止できるように、記録液の排出量を一律に決めておくことも考えられる。しかし、ジャムが生じれば必ず記録液が記録媒体に吸収されるわけではない。このため、混色が生じるおそれがない場合には、記録液が過剰に排出される可能性がある。
そこで本発明は、ジャムが生じると印刷再開前に記録液を排出するように構成された印刷装置において、印刷再開後の印刷品質維持と、記録液の過剰排出抑制とを両立することを目的としている。
本発明の一形態に係る印刷装置は、給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行う排出手段と、前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出するためのジャム検出器と、前記搬送路に沿って搬送されている記録媒体に前記複数のノズルより記録液を吐出する印刷動作を行うように前記液体吐出ヘッドを制御し、印刷動作中に前記ジャム検出器からのジャム検出信号に基づいて前記搬送路上で記録媒体のジャムが生じているか否かを判断し、ジャムが生じていると判断した場合に印刷動作を停止し、ジャムの解除に関するジャム解除信号に基づいてジャムが解除されたと判断した後であって印刷動作の再開前に排出動作を行うように前記排出手段を制御するように構成される制御装置と、ジャムを生じた記録媒体による前記液体吐出ヘッドからの記録液の吸収を検出するための吸収検出器と、を備え、前記制御装置は、前記ジャム解除信号の入力前に前記吸収検出器からの吸収検出信号に基づいて記録液が記録媒体に吸収されているか否かを判断する吸収判断を実行し、前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合には、吸収されていないと判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を多くするように構成される。
本発明の一形態に係る印刷装置の記録液排出方法は、給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドを備える印刷装置の記録液排出方法であって、印刷中に前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出すると、印刷を停止し、ジャムの解除前に、前記液体吐出ヘッドよりジャムを生じた記録媒体への記録液の吸収を検出し、ジャムの解除後であって印刷の再開前に、前記複数のノズルより記録液を排出し、前記記録液を排出するときに、記録液の吸収が検出された場合には、検出されなかった場合と比べて、記録液の排出量を多くする。
前記構成及び方法によれば、印刷中にジャムが生じると、そのジャムの解除後であって印刷の再開前に、記録液がメンテナンスのため自動的に排出される。記録液が記録媒体に吸収されている場合は、吸収されていない場合と比べ、記録液の排出量が多い。このため、記録液が記録媒体に吸収されていて印刷再開後に混色が生じるおそれがあっても、これを未然に防止できる。よって、印刷再開後の印刷品質が維持され、利用者に不便を強いずに済む。一方、記録液が記録媒体に吸収されておらず印刷再開後に混色が生じるおそれがない場合には、記録液の過剰排出を抑制できる。
本発明によれば、ジャムが生じると印刷再開前に記録液を排出するように構成された印刷装置において、印刷再開後の印刷品質維持と、記録液の過剰排出抑制とを両立することができる。
図1(a)は、実施形態に係る印刷装置の模式図である。図1(b)は、図1(a)のb−b矢視図である。図1(c)は、図1(a)のc矢視図である。 図1(a)―(c)に示す印刷装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す印刷装置により実施される記録液排出方法の一例を部分的に示すフローチャートである。 図2に示す印刷装置により実施される記録液排出方法の一例を部分的に示すフローチャートである。 図2に示す印刷装置により実施される記録液排出方法の一例を部分的に示すフローチャートである。 図3−5に示す記録液排出方法における記録液の排出量の一例を示すグラフである。 図3−5に示す記録液排出方法における対向ノズルからの記録液の排出量及び非対向ノズルからの記録液の排出量の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。なお、同一の又は対応する要素には全ての図を通じて同一の符号を付して重複する詳細説明を省略する。
(構成)
―印刷動作―
図1(a)−(c)及び2を参照して本実施形態の印刷装置100の構成について説明する。印刷装置100は、搬送装置1、液体吐出ヘッド2、複数の記録液タンク3A,3B及び制御装置8を備えている。複数種の記録液が、複数の記録液タンク3A,3Bにそれぞれ分かれて貯留される。記録液の種類は、性状(例えば、色、顔料、染料等)で分類される。印刷装置100で使用される記録液の種数は、複数であればよく特に限定はない。印刷装置100は、記録液として顔料インク及び当該顔料インクと同色の染料インクを使用する単色プリンタでもよい(インク色は、例えばブラック)。印刷装置100は、記録液としてブラックインク及び1以上のカラーインクを使用するカラープリンタでもよい。カラープリンタは、ブラックインクとして、顔料インクのみ1種を使用しても、染料インクのみ1種を使用しても、顔料インク及び染料インクの2種を使用してもよい。カラープリンタは、カラーインクとして、例えばシアンシンク、マゼンタインク及びイエローインクの3種を使用してもよい。カラーインクは、顔料インクでも染料インクでもよい。
図1(a)に示すように、搬送装置1は、給紙トレイ11から排紙トレイ12に至る記録媒体9の搬送路10を形成している。搬送装置1は、搬送モータ19により駆動される給紙ローラ13及び排紙ローラ14と、記録媒体9の搬送方向において給紙ローラ13と排紙ローラ14との間に配置されるプラテン15とを備えている。プラテン15は、搬送路10を形成する部材の一つであり、搬送されている記録媒体10を支持する支持面15a、及び支持面15aに形成される案内溝15bを有している。案内溝15bは、所定方向に延在しており、所定方向と直交する方向の断面がV字形状である。
液体吐出ヘッド2は、ノズル面21を有している。ノズル面21は、給紙ローラ13と排紙ローラ14の間の搬送路10に沿って搬送されている記録媒体9と対向可能である。例えば、ノズル面21は、プラテン15の支持面15aと平行に配置され、搬送方向A及びノズル面21と直交する対向方向Bにおいて支持面15aと対向可能である。
図1(b)に示すように、複数のノズル22がノズル面21に開口している。複数のノズル22は、ノズル面21上で、搬送方向Aに間隔をおいて並べられ、また、搬送方向A及び対向方向Bに直交する走査方向Cに間隔をおいて並べられている。各ノズル22は、印刷装置100で使用される複数種の記録液のうち一種を吐出する。例えば、印刷装置100が第1種記録液及び第2種記録液の2種の記録液を使用できる場合、複数のノズル22は、第1種記録液のみを吐出するノズルで構成される第1ノズル群22Aと、第2種記録液のみを吐出するノズルで構成される第2ノズル群22Bとの2群に分かれる。使用可能な記録液の種類数が増えれば、その分ノズル群数が増える。
図2に示すように、液体吐出ヘッド2は、複数種の記録液各々と対応する複数の流路20A,20Bを形成する。各記録液タンク3A,3Bは、対応する流路20A,20Bの上流端に接続される。各流路20A,20Bは、液体吐出ヘッド2内で分岐して複数の下流端を形成する。各流路20A,20Bの複数の下流端が、対応するノズル群22A,22Bを構成するノズルである。複数のノズル群22A,22Bが単一のノズル面21に開口している。
液体吐出ヘッド2は、いわゆるオンデマンド式の複数の吐出エネルギー発生部29を有する。吐出エネルギー発生部29は、ピエゾ素子で構成されてもヒータで構成されてもよい。液体吐出ヘッド2内の各流路20A,20Bは、ノズル22各々と対応する複数のチャンバ23を含み、複数の吐出エネルギー発生部29は、複数のチャンバ23各々と対応しており、ひいては複数のノズル22各々と対応している。各吐出エネルギー発生部29が動作すると、対応するチャンバ23内の記録液に吐出エネルギーが付与され、記録液が対応するノズル22より吐出される。
図1(c)に示すように、印刷装置100は、いわゆるシリアル式であり、液体吐出ヘッド2を走査方向Cに移動させるヘッド移動装置4を備えている。ヘッド移動装置4は、液体吐出ヘッド2を搭載するキャリッジ41と、キャリッジ41を走査方向Cに移動させる移動機構42とを備え、移動機構42は、例えば、走査方向Cに離れた2つのプーリ43,44と、2つのプーリ43,44に巻き回されたタイミングベルト45とを有する。液体吐出ヘッド2は、ノズル面21が露出する状態で、キャリッジ41に搭載される。
キャリッジ41には、記録媒体9の先端後端や走査方向Cにおける両端部を検出するためのフォトセンサ72aと、フォトセンサ72aよりもプラテン15の近くに位置する保護部41aが設けられている。フォトセンサ72aは発光素子と受光素子を有している。保護部41aは、ジャムを生じた記録媒体9と接触して、記録媒体9がフォトセンサ72aに到達するのを防ぐ。フォトセンサ72aについては後段にて詳細を説明する。
キャリッジ41及びこれに搭載された液体吐出ヘッド2の可動域Dには、印刷領域D0が含まれる。液体吐出ヘッド2が印刷領域D0内に位置すると、ノズル面21は前述したように記録媒体9又は搬送路10(例えば、支持面15a)と対向する。
制御装置8は、印刷動作を行うように搬送装置1、液体吐出ヘッド2及びヘッド移動装置4を制御する。印刷動作では、搬送装置1の搬送モータ19が駆動され、1つの記録媒体9が、給紙トレイ11から搬送路10に導かれ、搬送路10に沿って排紙トレイ12へと搬送されていく。ヘッド移動装置4のキャリッジモータ49が駆動されてプーリ43が回転し、タイミングベルト45が走査方向Cに沿って走行する。プーリ44はタイミングベルト45の走行に伴い回転する。そして、液体吐出ヘッド2が、印刷領域D0内で走査方向Cにおける一方向と反対側の逆方向とに移動する、すなわち、走査方向Cに往復移動する。液体吐出ヘッド2の吐出エネルギー発生部29が適時に駆動され、記録液がノズル22より吐出され、それによりプラテン15の支持面15a上で支持され且つ搬送されている記録媒体9に記録液を着弾させる。印刷動作を行うことで、複数種の記録液を使用して記録媒体9への印刷が行われる。
印刷装置100は、両面印刷を行うことができるように構成されてもよい。その場合、搬送装置1は、印刷動作が開始すると、まず、記録媒体9を給紙トレイ11から搬送路10に沿って搬送する。この過程で記録媒体9の表面に記録液が着弾することで表面への印刷を終える。その後、搬送装置1は、記録媒体9を搬送路10に沿って逆走させる。この逆走時、記録媒体9は、給紙ローラ13と排紙ローラ14との間の搬送路10に沿って給紙ローラ13に向かって搬送される。搬送装置1は、給紙ローラ13の近傍には、搬送路10と繋がる図示しない反転経路を有している。逆走した記録媒体9が搬送路10から反転経路に入り、裏返しの状態で反転経路から搬送路10へ搬送される。そして、その記録媒体9を再度搬送路10に沿って排紙ローラ14に向かって搬送する。この過程で記録媒体9の裏面に記録液が着弾することで裏面への印刷を終える。このような搬送手法を用いて両面印刷を行う場合にあっては、記録媒体9は、給紙ローラ13側が必ずしも搬送方向Aにおける上流側とはならず、排紙ローラ14側が必ずしも搬送方向Aにおける下流側とならない。ただし、本書では説明の便宜のため、給紙ローラ13側を下流側、排紙ローラ14側を上流側として説明する。
―保守動作―
印刷装置100は、液体吐出ヘッド2の液体吐出性能を保守又は回復するための保守動作を行うメンテナンス装置5を備える。メンテナンス装置5は、キャップ51及び吸引ポンプ52を含む。キャップ51は、保守動作の一環としてキャッピング動作を行う。つまり、キャップ51は、ノズル面21に密着し、それにより各ノズル22近辺での記録液の乾燥固化を抑制する。
吸引ポンプ52は、保守動作の一環としてパージ動作を行う。つまり、吸引ポンプ52は、キャップ51がノズル面21と密着することで形成されるキャップ内空間に負圧を印加し、液体吐出ヘッド2内の記録液を複数のノズル22より強制的に排出させる。複数の吐出エネルギー発生部29は、印刷動作だけでなく、保守動作の一環としてフラッシング動作を行うこともできる。つまり、各吐出エネルギー発生部29は、記録媒体9への記録液の吐出と関係なく、対応するノズル22より記録液を排出させる。メンテナンス装置5は、フラッシング動作で排出される記録液を受けるためのフラッシング受け53を備える。
このように保守動作には、複数のノズル22より記録液を排出する排出動作が含まれる。排出動作には、パージ動作及びフラッシング動作が含まれ、印刷装置100は、排出動作を行う排出手段6として、吸引ポンプ52及び吐出エネルギー発生部29を備えている。複数のノズル22のうち一部又は全部がキャッピング動作で同一のキャップ内空間に封じ込められるので、パージ動作では、同一キャップ内空間に開口する複数のノズル22より記録液を一斉に排出させることができる。複数の吐出エネルギー発生部29は複数のノズル22各々と対応するので、フラッシング動作では、記録液を排出させるノズル22を選択でき、また、記録液を排出するノズル22ごとに排出量を調整できる。この排出動作により、ノズル22に付着した塵芥、ノズル22内の気泡及びノズル22内の増粘した記録液を除去でき、ノズル22に付着又は混入した別種の記録液を除去できる。
図1(c)に示すように、シリアル式の本印刷装置100では、キャップ51とフラッシング受け53とが、走査方向Cにおいて搬送路10を挟むように配置されている。他方、液体吐出ヘッド2の可動域Dには、第1及び第2メンテナンス領域D1,D2が含まれ、これら領域D1,D2は、走査方向Cにおいて印刷領域D0を挟むように配置されている。保守動作は、印刷動作待機時又は印刷動作開始直前に行われる。保守動作では、制御装置8が、液体吐出ヘッド2を第1又は第2メンテナンス領域D1,D2内に位置させるようにヘッド移動装置4を制御し、保守動作を行うようにメンテナンス装置5及び/又は吐出エネルギー発生部29を制御する。
液体吐出ヘッド2が第1メンテナンス領域D1内に位置すると、ノズル面21は、搬送路10(例えば、支持面15a)から走査方向Cにおける第1方向(図1(c)において右方)に離れ、キャップ51と対向方向Bに対向する。このとき、キャップ51は、キャッピング動作を行うことができ、吸引ポンプ52は、キャッピング動作が行われている状態でパージ動作を行うことができる。液体吐出ヘッド2が第2メンテナンス領域D2内に位置すると、ノズル面21は、搬送路10(例えば、支持面15a)から走査方向Cにおいて前記第1方向とは逆の第2方向(図1(c)において左方)に離れ、フラッシング受け53と対向方向Bに対向する。吐出エネルギー発生部29は、フラッシング動作を行うことができ、排出される記録液がフラッシング受け53に受けられる。尚、フラッシング動作により排出される記録液が、フラッシング受け53に受けられるだけではなくキャップ51にも受けられるように、印刷装置100を構成してもよい。また、フラッシング受け53がなく、キャップ51のみ有する印刷装置100であってもよい。その場合、フラッシング動作により排出される記録液は、キャップ51が受ける。
上記構成の印刷装置100において、印刷動作中に、記録媒体9のジャムが不所望に生じることがある。ジャムは給紙トレイ11で生じることもあるし、給紙ローラ13と排紙ローラ14との間の搬送路10上で生じることもある。制御装置8は、ジャムが生じると印刷動作を停止し、ジャムが解除されるのを待機する。なお、ジャムは利用者により手動で解除される。
ジャムが給紙ローラ13と排紙ローラ14との間で生じると、そのジャムに起因して混色が生じる可能性がある。その経緯の一例を説明すると、ジャムを生じた記録媒体9の一部が搬送路10(例えば、支持面15a)から浮く可能性がある。すると、記録媒体9が液体吐出ヘッド2のノズル面21と接触し、液体吐出ヘッド2からの記録液(ノズル面21に付着していた記録液及び/又はノズル22内の記録液)が記録媒体9に吸収され、記録液が記録媒体9上で拡散していく可能性がある。記録媒体9に吸収された記録液が乾燥する前に記録媒体9がノズル面21と接触すると、或る種類の記録液が、記録媒体9を介して当該記録液とは別種の記録液を吐出するためのノズル22に付着又は混入する可能性がある。この付着又は混入した記録液が除去されずに印刷動作が再開すると、混色が生じる可能性がある。特に、液体吐出ヘッド2から記録液が記録媒体9に吐出されている最中にジャムが発生して記録媒体がノズル面21と接触した場合に、混色が生じやすい。なお、本書において「混色」は、色の異なる記録液が不所望に混合することのみならず、同色の顔料と染料とが不所望に混合することも含むこととする。
制御装置8は、ジャムの解除後であって印刷動作の再開前に保守動作として少なくとも排出動作を自動的に行うように排出手段6を制御する。これにより、ノズル22に付着又は混入した別種の記録液を除去し、混色が生じるのを未然に防ぐ。そのまま印刷動作が再開すれば混色が生じてしまう状況下で、この再開前に混色が生じるのを未然に防ごうとするには、比較的多量の記録液を排出する必要がある。一方、ジャムに起因して混色が生じる経緯に照らせば、ジャムが生じても記録媒体9がノズル面21から離れていれば又は記録媒体9がノズル面21と近接又は接触していても記録媒体9が記録液を吸収していなければ、そのまま印刷動作が再開されても混色が生じにくい。このような状況下では、液体吐出性能の保守に必要と考えられる記録液の排出量が、混色発生の未然防止を念頭においた記録液の排出量よりも少なくて済む。そのため、仮に印刷動作再開前の排出動作で常に混色発生の未然防止を念頭においた比較的多量の記録液を排出した場合に、記録液が過剰に排出される可能性がある。そこで本実施形態の印刷装置100は、以下に説明する記録液排出方法を実施することで、混色発生の未然防止による印刷再開後の印刷品質維持と、記録液の過剰排出抑制との両立を図る。
図2に示すように、印刷装置100は、記録液排出方法の実施に必要な情報を示す信号を出力する信号発生手段7を備えている。信号発生手段7には、ジャム検出器71、媒体検出器72、吸収検出器73、搬送量検出器74及びジャム解除信号発生器75が含まれる。制御装置8は、記録液排出方法を実施するためのモジュールとして、記憶部80、ジャム判断部81、媒体判断部82、吸収判断部83、ノズル選別部84、計時部85、メンテナンス制御部86、ヘッド吐出制御部87、ヘッド移動制御部88及び搬送制御部89を有する。
(記録液排出方法)
図3−5を参照して、信号発生手段7及び制御装置8の構成及び動作と共に、記録液排出方法について説明する。記録液排出方法は印刷動作の開始と共に開始する。
―ジャム発生判断―
図3に示すように、ジャム判断部81が、ジャム検出器71からのジャム検出信号SJに基づいて、印刷動作中に給紙ローラ13と排紙ローラ14との間の搬送路10(例えば、支持面15a)上でジャムが生じているか否かを判断する(S1)。
ジャム検出器71は、搬送路10上での記録媒体9のジャムを検出するための検出器である。一例として、ジャム検出器71は、キャリッジ41の走査方向Cにおける実位置を検出するためのエンコーダで構成され、ジャム検出信号SJは、エンコーダから出力される信号であってもよい。その場合、ジャム判断部81は、エンコーダからのジャム検出信号SJを参照してキャリッジモータ49を所定時間駆動した後のキャリッジ41の実位置を算出し、この実位置とヘッド移動制御部88で設定されるキャリッジ41の目標位置との偏差が所定値を超えたとき、又は偏差が所定時間所定値を超えたときに、ジャムが生じていると判断してもよい。給紙ローラ13と排紙ローラ14との間でジャムが生じた場合には、ジャムを生じた記録媒体9が液体吐出ヘッド2の移動を阻害しやすい。この点に照らし、ジャム判断部81は、エンコーダからの信号に基づいてジャムの有無を精度よく判断できる。シリアル式は、液体吐出ヘッド2の位置制御のためエンコーダを備えているのが通例であり、これをジャム検出器71に流用すれば印刷装置100の構成が複雑にならない。
ジャムが生じていないと判断している間(S1:NO)、印刷動作が継続する(S2:NO,S3)。ジャムが生じていないと判断し続けているまま印刷動作が終了すると(S2:YES)、記録液排出方法も終了する。
印刷動作中にジャムが生じていると判断した場合には(S1:YES)、制御部87〜89が印刷動作を停止させるように搬送装置1、液体吐出ヘッド2及びヘッド移動装置4を制御し(S4)、計時部85はジャムが生じてから解除されたと判断するまでの時間(以下、「ジャム時間TJ」という)の計測を開始する(S5)。そして、吸収判断S41(図4参照)又はその事前の処理(本実施形態ではS11)へと進む。
図4に示すように、本実施形態では、ジャムが生じていると判断した場合に、計時部85が待機時間TWの計測も開始する(S30)。待機時間TWは、吸収判断S41の事前に実行される後述のS31〜S34の処理で利用される。待機時間TWは、予め記憶されており、例えば5〜10分である。本実施形態では、待機時間TWの始期(計測開始)が、ジャムが生じていると判断したときであるが、ヘッド移動試行の結果液体吐出ヘッド2が移動できないと判断したとき(S12:NO)に変更されてもよいし、記録媒体9とノズル面21とが接触又は近接していると判断したとき(S21:YES)に変更されてもよい。
―移動試行―
次いで、ヘッド移動制御部88が、液体吐出ヘッド2を印刷動作の停止直前における向きとは逆向きに移動させるようにヘッド移動装置4を制御する(S11)。液体吐出ヘッド2が走査方向Cにおける前記一方向に移動しているなかでジャムが生じていると判断した場合には、この移動試行処理S11において、ヘッド移動制御部88が、走査方向Cにおける前記逆方向に液体吐出ヘッド2を移動させるようにヘッド移動装置4を制御する。例えば、一方向が前記第1方向であれば、液体吐出ヘッド2は逆方向である前記第2方向に移動されようとする。
ヘッド移動制御部88は、液体吐出ヘッド2が逆方向に移動できたか否かを判断する(S12)。一例として、ヘッド移動制御部88は、前記エンコーダからの信号が示すキャリッジ41の実位置とヘッド移動制御部88で設定されるキャリッジ41の目標位置との偏差が所定時間所定値を超えたときに、逆方向に移動できないと判断してもよい。
移動できる場合には(S12:YES)、ヘッド移動制御部88は、液体吐出ヘッド2を第1メンテナンス領域D1又は第2メンテナンス領域D2まで移動させるようにヘッド移動装置4を制御する(S13)。逆方向が前記第2方向であれば、液体吐出ヘッド2は第2メンテナンス領域D2まで移動する。逆方向が前記第1方向であれば、液体吐出ヘッド2は第1メンテナンス領域D1まで移動する。これにより、液体吐出ヘッド2は記録媒体9から回避でき、記録媒体9及びノズル面21の接触のおそれがほぼなくなる。第1メンテナンス領域D1に移動する場合には、キャップ51がキャッピング動作を行ってもよい。これにより、ジャムの解除まで時間を要したとしても、ノズル22近辺での記録液の乾燥固化を抑制でき、液体吐出性能の劣化を抑制できる。
移動できる場合には(S12:YES)、メンテナンス制御部86が、印刷動作の再開前に行われる排出動作での記録液の排出量Qを移動時排出量Q1に設定する(排出量設定処理S14)。そして、ジャム解除判断S6を経て排出動作S8(図5参照)へと進んでいく。移動時排出量Q1及びジャム解除判断S6については後述する。
移動できない場合には(S12:NO)、吸収判断S41又はその事前の処理(本実施形態ではS21)へと進む。
―接触近接判断―
次いで、媒体判断部82が、媒体検出器72からの信号に基づいて、ジャムを生じた記録媒体9がノズル面21に接触又は対向方向Bに近接しているか否かを判断する(S21)。換言すれば、記録媒体9がノズル面21の直下に位置するか否かを判断する。
媒体検出器72は、ジャムを生じた記録媒体9のノズル面21との接触又は近接を検出するための検出器である。一例として、媒体検出器72は、液体吐出ヘッド2又はキャリッジ41に取り付けられたフォトセンサ72aで構成されてもよい。フォトセンサ72aは、取付け位置から搬送路10(例えば、支持面15a)に向けて対向方向Bに検査光を射出し、反射光量に応じて変化する出力特性を有した信号を出力する。媒体判断部82は、フォトセンサ72aからの信号値を記憶部80に予め記憶された近接閾値と比較する。フォトセンサ72aの信号が反射光量が大きいほど信号値が高くなるとの出力特性を有する場合には、媒体判断部82は、信号値が近接閾値以上であるときに、記録媒体9がノズル面21と接触又は対向方向Bに近接していると判断してもよい。記録媒体9は通例白色であるので、ノズル面21と接触又は対向方向Bに近接していると、反射光量が大きくなる。この点に照らして、媒体判断部82は、フォトセンサ72aからの信号に基づき精度よく判断できる。支持面15aは、フォトセンサ72aの検査光の射出範囲内に、案内溝15bが形成されている。案内溝15bは、断面がV字状の為、フォトセンサ72aから射出された検査光を所定角度で反射する。この時の反射光量は、記録媒体9がプラテン15に支持されている場合の場合に比べて小さい。案内溝15b上で反射する場合にフォトセンサ72aの受光素子が受ける反射光量は、記録媒体9にブラックインクのベタ印刷がされている場合に比べても小さい。その為、フォトセンサ72aからの信号を利用した判断制度は高い。なお、支持面15aが非白色(好適な一例として、黒色)であれば、記録媒体9が存在せず検査光が支持面15a上で反射する場合の反射光量が低下するので、フォトセンサ72aからの信号を利用した判断精度が向上する。
ノズル面21と接触及び近接していないと判断した場合には(S21:NO)、メンテナンス制御部86が、印刷動作の再開前に行われる排出動作での記録液の排出量Qを非近接時排出量Q2に設定する(排出量設定処理S22)。そして、ジャム解除判断S6を経て排出動作S8(図5参照)へと進んでいく。非近接時排出量Q2及びジャム解除判断S6については後述する。ノズル面21と接触又は近接していると判断した場合には(S21:YES)、吸収判断S41又はその事前の処理(本実施形態ではS31,S32)へと進む。
―吸収判断の待機―
次いで、制御装置8は、待機時間TWが経過するのを待機しながら、ジャム解除信号発生器75からのジャム解除信号SRに基づいてジャムが解除されたか否かを判断する(S31,S32)。
待機時間TWが経過する前にジャムが解除された場合には(S31:NO,S32:YES)、計時部85がジャム時間TJの計測を終了し(S33)、メンテナンス制御部86が、印刷動作の再開前に行われる排出動作での記録液の排出量Qを早期解除時排出量Q3に設定する(排出量設定処理S34)。そして、排出動作S8(図5参照)へと進んでいく。早期解除時排出量Q3については後述する。ジャムが解除されることなく待機時間TWが経過した場合には(S31:YES)、吸収判断S41へと進む。
―吸収判断―
次いで、吸収判断部83が吸収判断S41を実行する。つまり、吸収判断部83が、吸収検出器73からの吸収検出信号SAに基づいて、液体吐出ヘッド2からの記録液(例えば、ノズル面21に付着していた記録液又はノズル21内の記録液)がジャムを生じた記録媒体9に吸収されているか否かを判断する。吸収判断S41は、制御装置8がジャム解除信号SRを入力する前に実行されることとなる。
吸収検出器73は、液体吐出ヘッド2からの記録液の記録媒体9への吸収を検出するための検出器である。一例として、吸収検出器73は、液体吐出ヘッド2に設けられた反射型フォトセンサで構成されてもよい。フォトセンサは、設置位置から搬送路10(例えば、支持面15a)に向けて対向方向Bに検査光を射出し、反射光量に応じて変化する出力特性を有した信号を吸収検出信号SAとして出力する。吸収判断部83は、吸収検出信号SAの信号値を記憶部80に予め記憶された吸収閾値と比較し、反射光量が所定量を下回る場合に記録液が記録媒体9に吸収していると判断してもよい。吸収検出信号SAが、反射光量が大きいほど信号値が高くなるように連続的に変化する出力特性を有する場合、吸収判断部83は、信号値が吸収閾値未満であるときに記録液が記録媒体9に吸収されていると判断してもよい。記録媒体9は通例白色で光反射率が高い一方、記録液が染み込むと光反射率が低下する。この点に照らして、吸収判断部73は、フォトセンサが出力する信号に基づいて記録媒体9による記録液の吸収を容易に非接触で検出できる。吸収検出信号SAは、反射光量が所定量未満であるときに信号値が高値及び低値の一方となり、反射光量が所定量以上であるときに信号値が高値及び低値の他方となる出力特性を有していてもよい。
吸収検出器73及び媒体検出器72がどちらもフォトセンサで構成される場合、同じフォトセンサ72aがこれら2つの検出器72,73に共用されてもよい。それにより、印刷装置100の構成が簡素になる。その場合、近接閾値と吸収閾値とは同じ値でも異なる値でもよい。
本実施形態では、ジャムが生じてから所定の待機時間TWが経過するまで吸収判断S41の実行を待機するように構成される。このため、ジャムを生じた記録媒体9がノズル面21に接触又は近接していて記録液が記録媒体9に吸収されやすい状況下にある場合に、吸収検出精度を確保するために必要な量の記録液を記憶媒体9へと意図的に吸収させたうえで吸収判断S41を実行できる。このため、吸収判断S41の精度が向上する。判断が性急となって吸収を看過するのを防ぐことができる。
特に、フォトセンサ72aが共用される場合には、媒体判断部82は反射光量が比較的大きいときに記録媒体9がノズル面21に接触又は近接していると判断し、吸収判断S41の実行に進む。吸収判断部83は、反射光が比較的小さいときに記録液が記録媒体9に吸収されていると判断する。このように、同じ検査範囲を対象として同じ仕様の検査光を用いる一方で、接触又は近接していると判断する場合の反射光量と、吸収していると判断する場合の反射光量とで大小関係が逆転する。このような場合において、待機時間TWが経過するまで吸収判断S41の実行を待機するので、判断精度の確保と装置簡素化とを好適に両立できる。
なお、吸収検出器73は、フォトセンサで構成されていなくてもよい。例えば、吸収検出器73は、記録媒体9での導電率を検出するセンサで構成されてもよい。記録液が記録媒体9に染み込んだ部位と記録媒体9に染み込んでいない部位とでは導電率が異なるので、このようなセンサからの信号に基づき吸収判断S41を実行してもよい。例えば、吸収検出器73は、記録液タンク3A,3B内の記録液の貯留量を検出するセンサで構成されてもよい。ノズル22内の記録液が記録媒体9に吸収されるとその分貯留量が減る可能性があるので、このようなセンサからの信号に基づき吸収判断S41を実行してもよい。
吸収判断S41において記録液が記録媒体9に吸収されていないと判断した場合には(S41:NO)、メンテナンス制御部86が、印刷動作の再開前に行われる排出動作S8での記録液の排出量Qを非吸収時排出量Q4に設定する(排出量設定処理S42)。そして、ジャム解除判断S6を経て排出動作S8へと進んでいく。非吸収時排出量Q4については後述する。吸収判断S41において記録媒体9に記録液が吸収されていると判断した場合には(S41:YES)、フラグ値が1に設定され(S50)、ジャム解除判断S6を経て、記録液の排出量Qを設定する処理へと進んでいく。
―ジャム解除判断―
ジャム解除判断S6では、制御装置8が、ジャム解除信号発生器75からのジャム解除信号SRに基づいてジャムが解除されたか否かを判断する。ジャム解除信号発生器75は、ジャムの解除に関するジャム解除信号SRを出力する。一例として、ジャム解除信号発生器75は、利用者がジャムを解除してから印刷動作の再開指令を入力するためのユーザインタフェイスであってもよく、ジャム解除信号SRは当該ユーザインタフェイスが利用者により操作された旨示す信号であってもよい。ジャムが解除されたと判断した場合には(S6:YES)、計時部85がジャム時間TJの計測を終了する(S7)。前述したS32でも同様である。
―エッジ判断―
図5に示すように、ジャム時間TJの計測後(S7又はS33)、フラグ値が1であるか否かが判断される(S51)。フラグ値が1でない場合には(S51:NO)、排出動作S8に進む。フラグ値が1である場合、すなわち、吸収判断S41において記録液が記録媒体9に吸収されていると判断した場合には(S51:YES)、記録液の排出量Qを設定するための処理へと進む。
ノズル選別部84が、搬送量検出器74からの信号に基づいて、記録媒体9の搬送方向Aにおける一方のエッジ9a,9bが、搬送路10のうちノズル面21と対向するノズル対向領域10a内に位置しているか否かを判断する(S52)。
搬送量検出器74は、記録媒体9の搬送量を検出するための検出器である。一例として、搬送量検出器74は、給紙トレイ11と給紙ローラ13の間に設けられる接触式のレジセンサと、給紙ローラ13の回転量を検出するロータリーエンコーダとで構成されてもよい。ノズル選別部84は、レジセンサからの信号を入力した時点からロータリーエンコーダからの信号を監視し、記録媒体9の給紙トレイ11からの搬送量を算出することができる。ノズル選別部84は、算出された記録媒体9の搬送量と記録媒体9の搬送方向Aにおけるサイズとに基づいて、記録媒体9の各エッジ9a,9bの搬送路10上での位置を求める。なお、記録媒体9のサイズは印刷動作を開始する指令が与えられるときに制御装置8に入力される。ノズル選別部84は、求められた各エッジ9a,9bの位置がノズル対向領域10a内にあるか否かを判断する。
エッジ9a,9bがどちらもノズル対向領域10a内に位置しない場合には(S52:NO)、メンテナンス制御部86が吸収時排出量Q5に設定する(排出量設定処理S53)。そして、排出動作S8へと進む。吸収時排出量Q5については後述する。
―ノズル選別―
一方のエッジ9a,9bがノズル対向領域10a内に位置すると判断した場合には(S52:YES)、ノズル選別部84が、複数のノズル22から、ジャムを生じた記録媒体9と対向方向Bに対向するノズル22である対向ノズル22αと、ジャムを生じた記録媒体9と対向方向Bに対向しないノズルである非対向ノズル22βとを選別する(S61)。
この点について、複数のノズル22は前述したとおり搬送方向Aに間隔をおいて並べられている。仮に2つのエッジ9a,9bのうち排紙ローラ14側のエッジがノズル対向領域10a内に位置する場合、複数のノズル22のうち当該エッジよりも搬送方向Aにおいて排紙ローラ14側に配置されているものが非対向ノズル22βとなり、当該エッジよりも搬送方向Aにおいて給紙ローラ13側に配置されているものが対向ノズル22αとなる(図7参照)。2つのエッジ9a,9bのうち給紙ローラ13側のエッジがノズル対向領域10a内に位置する場合には、この逆となる。
一例として、ノズル選別部84は、搬送量検出器74からの信号に基づいて求まるエッジ9a,9bの搬送方向Aにおける位置と、記憶部80に予め記憶されている各ノズル22の搬送方向Aにおける位置を示す情報とを比較することで、対向ノズル22αと非対向ノズル22βとを選別することができる。
次いで、メンテナンス制御部86が、印刷動作の再開前に行われる排出動作S8における対向ノズル22αからの記録液の排出量Qを第1選別時排出量Q6αに設定し、同排出動作S8における非対向ノズル22βからの記録液の排出量Qを第2選別時排出量Q6βに設定する(排出量設定処理S62)。そして、排出動作S8へと進む。これら排出量Q6α,Q6βについては後述する。
―排出動作―
本実施形態では、ジャムが生じていると判断されてから排出動作S8の実行に至るまでの流れが、主として6つの場合に分かれる。
第1は、移動試行の結果、液体吐出ヘッド2が逆方向に移動できたと判断した場合であり、排出量Qが移動時排出量Q1に設定される(S14)。第2は、接触近接判断で記録媒体9がノズル面21と接触及び近接していないと判断した場合であり、排出量Qが非近接時排出量Q2に設定される(S22)。第3は、吸収判断S41の実行を待機している間にジャムが解除された場合であり、排出量Qが早期解除時排出量Q3に設定される(S34)。第4は、吸収判断S41の実行に至ったものの記録液が記録媒体9に吸収されていないと判断した場合であり、排出量Qが非吸収時排出量Q4に設定される(S42)。
以上4つは、「記録液が記録媒体9に吸収されていないと判断した場合」に該当する。つまり、この場合には、吸収判断S41の実行に至らなかった場合も含まれる。逆に、以下2つは、「吸収判断S41において記録液が記録媒体9に吸収されていると判断した場合」に該当する。
第5は、エッジ9a,9bがどちらもノズル対向領域10a内に位置しないと判断した場合であり、排出量Qが吸収時排出量Q5に設定される(S53)。第6は、一方のエッジ9a,9bがノズル対向領域10a内に位置すると判断した場合であり、対向ノズル22αからの排出量Qが第1選別時排出量Q6αに設定されて非対向ノズル22βからの排出量Qが第2選別時排出量Q6βに設定される(S62)。
排出動作S8では、メンテナンス制御部86が、排出量設定処理S14,S22,S34,S42,S53,S62のうちこの排出動作S8に至るまでに通過した処理において設定された排出量の記録液を複数のノズル22より排出するように、排出手段6を制御する。排出動作S8が終了すると、記録液排出方法が終了する。その後適時に印刷動作が再開される。
―記録液の排出量―
図6及び7に排出量Qの一例を示している。排出量Q5,Q6α,Q6βは、排出量Q1,Q2,Q3,Q4よりも多い。つまり、制御装置8は、吸収判断S41において記録液が記録媒体9に吸収されていると判断した場合(前述の第5又は第6の場合)には、吸収されていないと判断した場合(前述の第1〜第4のいずれかの場合)と比べて、排出動作S8での記録液の排出量Qを多くするように構成されている。
吸収判断S41において記録液が記録媒体9に吸収されていると判断した場合には、混色が生じるおそれが高い。排出量Qがより多量に設定されるので、印刷動作の再開後に混色が生じるのを未然に防ぐことができる。逆に、記録液が記録媒体9に吸収されていないと判断した場合には、印刷動作の再開後に混色が生じるおそれが低い。排出量Qがより少量に設定されるので、混色発生の未然防止を念頭においた排出量の記録液を排出する場合と対比して、記録液の過剰排出を抑制できる。
記録液が記録媒体9に吸収されていると判断した場合において、ジャム時間TJが長ければ記録液の吸収量及び/又は拡散範囲が大きくなる可能性がある。すると、混色が生じるノズルへの別種の記録液の付着量もしくは混入量、及び/又は混色が生じるノズルの数が大きくなり、混色の度合いが大きくなる可能性がある。
本実施形態では、ジャム時間TJが計測され、吸収時排出量Q5が、計測されたジャム時間TJに応じて変わる。このため、印刷再開後に混色の度合いが大きくなるおそれがあっても、そのような混色が生じるのを未然に防止できるように記録液を排出できる。印刷動作の再開後に混色が生じるおそれがあってもその度合いが小さいと考えられる場合には、そのような状況に適合した量の記録液を排出でき、記録液の過剰排出を抑制できる。
吸収時排出量Q5はジャム時間TJと正に相関する。このため、予測される混色の度合いが大きくなるにつれて記録液の排出量Qが多くなる。このため、混色発生の未然防止と記録液の過剰排出抑制との両立が図られる。図6は、この正相関の傾向の一例として、吸収時排出量Q5がジャム時間TJの増加に応じて線形に増加する場合を示しているが、この傾向は単なる一例である。吸収時排出量Q5は指数関数的に増加してもよく対数関数的に増加してもよく階段状に増加してもよい。
メンテナンス制御部86は、記憶部80に予め記憶されている対応関係に従って、吸収時排出量Q5をジャム時間TJに応じて設定する。対応関係は、吸収時排出量Q5のジャム時間TJに対する関係性を規定するものであればどのような形態であってもよく、例えばテーブルでもよく演算式でもよい。
記録液が記録媒体9に吸収されていても記録媒体9と対向していない非対向ノズル22βが存在する場合には(前述の第6の場合)、吸収された記録液が非対向ノズル22βに付着するおそれは低い。このため、非対向ノズル22βで混色が生じるおそれは低い。
本実施形態では、第1選別時排出量Q6αが第2選別時排出量Q6βよりも多い。つまり、混色が生じるおそれが高い対向ノズル22αでの排出量Qをより多量に設定し、混色が生じるおそれが低い非対向ノズル22βでの排出量Qをより少量に設定する。このため、混色発生の未然防止と、記録液の過剰排出抑制との両立が図られる。
本実施形態では、排出手段6に、ノズル22ごとに記録液の排出量を調整できるフラッシング動作を行う吐出エネルギー発生部29が含まれる。このため、排出動作S8において、対向ノズル22αと非対向ノズル22βとで記録液の排出量Qを異ならせることを容易に実現できる。ただし、図7に例示するパージ動作による排出とフラッシング動作による排出との排出量分担比率は適宜変更可能である。全量がフラッシング動作によるものであってもよいし、非対向ノズル22βではフラッシング動作が行われなくてもよい。
第1選別時排出量Q6αは、吸収時排出量Q5と同様に設定される。ジャム時間TJが同一である条件下で、第1選別時排出量Q6αが吸収時排出量Q5と等しくてもよい。
第2選別時排出量Q6βは、第1選別時排出量Q6αから所定量を減算した値でもよいし、第1選別時排出量Q6βを所定値で除算した値でもよい。第2選別時排出量Q6βはジャム時間TJに関わらず一定の値でもよい。ジャム時間TJが同一である条件下で、第2選別時排出量Q6βが、吸収時排出量Q5よりも少なくてもよい。ジャム時間TJが同一である条件下で、第2選別時排出量Q6βは、排出量Q1,Q2,Q3,Q4よりも多い。
待機時間TWが経過する前にジャムが解除されれば(前述の第3の場合)、それまでに記録液が記録媒体9に吸収されていたとしても、混色が生じにくい。本実施形態では、待機時間TWが経過するまでにジャムが解除されれば、排出量Qがより少量の早期解除時排出量Q3に設定される。このため、記録液の排出を抑制しながら液体吐出性能を良好に保守できる。
ジャムが生じても記録媒体9がノズル面21と接触していないのであれば(前述の第2の場合)、混色が生じにくい。本実施形態では、吸収判断S41の事前に、ジャムを生じた記録媒体9がノズル面21と接触又は近接しているか否かが判断される。記録媒体9がノズル面21に近接していなければ、排出量Qがより少量の非近接時排出量Q2に設定される。このため、記録液の排出を抑制しながら液体吐出性能を良好に保守できる。
ジャムが生じても液体吐出ヘッド2が記録媒体9から回避できれば(前述の第1の場合)、混色が生じにくい。本実施形態では、吸収判断S41の事前に、液体吐出ヘッド2が記録媒体9からの自己回避を試行する。回避できた場合には、排出量Qがより少量の移動時排出量Q1に設定される。このため、記録液の排出を抑制しながら液体吐出性能を良好に保守できる。
例えば、排出量Q1〜Q4は、ジャム時間TJに関わらず一定である。排出量Q1,Q2,Q3,Q4は、この順で多くなるように設定される。吸収時排出量Q5は、ジャム時間TJが待機時間TW以上である場合に設定され、ジャム時間TJが長いほど多い。このため、吸収時排出量Q5は、ジャム時間TJが待機時間TWと等しいときに最小値となる。第1選別時排出量Q6αについても同様である。この最小値が、排出量Q1,Q2,Q3,Q4よりも多い。
(変更例)
これまで実施形態について説明したが、上記構成及び方法は本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更、追加及び削除することができる。
排出量Q1〜Q4のうち少なくとも1つが、ジャム時間TJに応じて変わってもよい。ジャム時間TJが長くなるとノズル周辺での記録液の乾燥固化が促進される可能性がある。混色が生じるおそれがなくても、ジャム時間TJに応じて記録液の排出量Qを増やすことで、固化された記録液が除去されやすくなり、再開される印刷動作にて印刷品質を高く維持することができる。その場合、ジャム時間TJが同一である条件下で、吸収時排出量Q5及び第1選別時排出量Q6αが、排出量Q1〜Q4よりも多く設定される。排出量Q1〜Q4のうち少なくとも2つが同値でもよい。
移動時排出量Q1は、液体吐出ヘッド2が第1メンテナンス領域D1に移動してキャッピング動作が行われた状態でジャムの解除を待機する場合と、液体吐出ヘッド2が第2メンテナンス領域D2に移動してノズル22が周辺大気に晒された状態でジャムの解除を待機する場合とで、異ならせてもよい。その場合、前者の場合における排出量は、後者の場合における排出量よりも少なくなるように設定される。
ヘッド移動試行に係る処理群S11〜S14、接触近接判断に係る処理群S21,S22、待機に係る処理群S30〜S34、及びノズル選別に係る処理群S52,S61,S62のうち、少なくとも1つの処理群が省略されてもよい。
印刷装置は、いわゆるライン式でもよい。その場合、メンテナンス装置5の配置、ジャム検出器71の構成及びジャム判断部81での判断ロジックが変更され、ヘッド移動装置4及びヘッド移動試行に係る処理群S11〜S14が省略されてもよい。ジャム検出器71は、記録媒体9が搬送路10上の第1地点に到達するとこれを検知する第1通過センサと、記録媒体9が搬送路10上の第2地点に到達するとこれを検知する第2通過センサとの2つの通過センサで構成されてもよく、液体吐出ヘッド2は搬送方向Aにおいて第1及び第2地点間に位置する。公知のジャム検出技術のため詳細説明を省略するが、ジャム判断部81は印刷装置がライン式でもジャムの有無を精度よく判断できる。
本発明は、給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体に複数のノズルより記録液を吐出することで記録媒体に印刷を行う印刷装置に利用可能である。
100…印刷装置、1…搬送装置、10…搬送路、10a…ノズル対向領域、13…給紙ローラ、14…排紙ローラ、2…液体吐出ヘッド、21…ノズル面、22…ノズル、22α…対向ノズル、22β…非対向ノズル、4…ヘッド移動装置、6…排出手段、71…ジャム検出器、72…媒体検出器、73…吸収検出器、74…搬送量検出器、8…制御装置、9…記録媒体、9a,9b…エッジ、S41…吸収判断、A…搬送方向、C…走査方向、Q…排出量、SA…吸収検出信号、SJ…ジャム検出信号、SR…ジャム解除信号、TJ…ジャム時間、TW…待機時間

Claims (9)

  1. 給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行う排出手段と、
    前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出するためのジャム検出器と、
    前記搬送路に沿って搬送されている記録媒体に前記複数のノズルより記録液を吐出する印刷動作を行うように前記液体吐出ヘッドを制御し、印刷動作中に前記ジャム検出器からのジャム検出信号に基づいて前記搬送路上で記録媒体のジャムが生じているか否かを判断し、ジャムが生じていると判断した場合に印刷動作を停止し、ジャムの解除に関するジャム解除信号に基づいてジャムが解除されたと判断した後であって印刷動作の再開前に排出動作を行うように前記排出手段を制御するように構成される制御装置と、
    ジャムを生じた記録媒体による前記液体吐出ヘッドからの記録液の吸収を検出するための吸収検出器と、を備え、
    前記制御装置は、前記ジャム解除信号の入力前に前記吸収検出器からの吸収検出信号に基づいて記録液が記録媒体に吸収されているか否かを判断する吸収判断を実行し、前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合には、吸収されていないと判断した場合と比べて、1回の前記排出動作での記録液の排出量を多くするように構成される、印刷装置。
  2. 給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行う排出手段と、
    前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出するためのジャム検出器と、
    前記搬送路に沿って搬送されている記録媒体に前記複数のノズルより記録液を吐出する印刷動作を行うように前記液体吐出ヘッドを制御し、印刷動作中に前記ジャム検出器からのジャム検出信号に基づいて前記搬送路上で記録媒体のジャムが生じているか否かを判断し、ジャムが生じていると判断した場合に印刷動作を停止し、ジャムの解除に関するジャム解除信号に基づいてジャムが解除されたと判断した後であって印刷動作の再開前に排出動作を行うように前記排出手段を制御するように構成される制御装置と、
    ジャムを生じた記録媒体による前記液体吐出ヘッドからの記録液の吸収を検出するための吸収検出器と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記ジャム解除信号の入力前に前記吸収検出器からの吸収検出信号に基づいて記録液が記録媒体に吸収されているか否かを判断する吸収判断を実行し、
    前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合に、吸収されていないと判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を多くすると共に、ジャムが生じてから解除されたと判断するまでのジャム時間を計測し、計測されたジャム時間に応じて前記排出動作での記録液の排出量を変えるように構成される印刷装置。
  3. 給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行う排出手段と、
    前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出するためのジャム検出器と、
    前記搬送路に沿って搬送されている記録媒体に前記複数のノズルより記録液を吐出する印刷動作を行うように前記液体吐出ヘッドを制御し、印刷動作中に前記ジャム検出器からのジャム検出信号に基づいて前記搬送路上で記録媒体のジャムが生じているか否かを判断し、ジャムが生じていると判断した場合に印刷動作を停止し、ジャムの解除に関するジャム解除信号に基づいてジャムが解除されたと判断した後であって印刷動作の再開前に排出動作を行うように前記排出手段を制御するように構成される制御装置と、
    ジャムを生じた記録媒体による前記液体吐出ヘッドからの記録液の吸収を検出するための吸収検出器と、
    記録媒体の搬送量を検出するための搬送量検出器と、を備え、
    前記複数のノズルは、前記ノズル面上で記録媒体の搬送方向に間隔をおいて並べられ、
    前記排出手段は、前記複数のノズル各々と対応するように前記液体吐出ヘッドに備えられた複数の吐出エネルギー発生部を含み、前記排出動作は、前記複数の吐出エネルギー発生部が対応するノズルより記録液を排出させるフラッシングを含み、
    前記制御装置は、
    前記ジャム解除信号の入力前に前記吸収検出器からの吸収検出信号に基づいて記録液が記録媒体に吸収されているか否かを判断する吸収判断を実行し、
    前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合に、吸収されていないと判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を多くすると共に、前記搬送量検出器からの信号に基づいて、ジャムを生じた記録媒体の前記搬送方向における一方のエッジが前記搬送路のうち前記ノズル面と対向するノズル対向領域内に存在しているか否かを判断し、
    記録媒体の前記一方のエッジが前記ノズル対向領域内に存在すると判断した場合に、前記搬送量検出器からの信号に基づいて、前記複数のノズルから、記録媒体と対向している対向ノズルと、記録媒体と対向していない非対向ノズルとを選別し、
    前記対向ノズルからの記録液の排出量が前記非対向ノズルからの記録液の排出量よりも多くなるようにして前記フラッシングを行うように前記複数の吐出エネルギー発生部を制御するように構成される印刷装置。
  4. 給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行う排出手段と、
    前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出するためのジャム検出器と、
    前記搬送路に沿って搬送されている記録媒体に前記複数のノズルより記録液を吐出する印刷動作を行うように前記液体吐出ヘッドを制御し、印刷動作中に前記ジャム検出器からのジャム検出信号に基づいて前記搬送路上で記録媒体のジャムが生じているか否かを判断し、ジャムが生じていると判断した場合に印刷動作を停止し、ジャムの解除に関するジャム解除信号に基づいてジャムが解除されたと判断した後であって印刷動作の再開前に排出動作を行うように前記排出手段を制御するように構成される制御装置と、
    ジャムを生じた記録媒体による前記液体吐出ヘッドからの記録液の吸収を検出するための吸収検出器と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記ジャム解除信号の入力前に前記吸収検出器からの吸収検出信号に基づいて記録液が記録媒体に吸収されているか否かを判断する吸収判断を実行し、
    前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合には、吸収されていないと判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を多くするように構成され、
    ジャムが生じていると判断した場合に、所定の待機時間が経過するまで前記吸収判断の実行を待機するように構成され、前記待機時間が経過する前にジャムが解除されたと判断した場合に、前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を少なくするように構成される印刷装置。
  5. 給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行う排出手段と、
    前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出するためのジャム検出器と、
    前記搬送路に沿って搬送されている記録媒体に前記複数のノズルより記録液を吐出する印刷動作を行うように前記液体吐出ヘッドを制御し、印刷動作中に前記ジャム検出器からのジャム検出信号に基づいて前記搬送路上で記録媒体のジャムが生じているか否かを判断し、ジャムが生じていると判断した場合に印刷動作を停止し、ジャムの解除に関するジャム解除信号に基づいてジャムが解除されたと判断した後であって印刷動作の再開前に排出動作を行うように前記排出手段を制御するように構成される制御装置と、
    ジャムを生じた記録媒体による前記液体吐出ヘッドからの記録液の吸収を検出するための吸収検出器と、を備え、
    前記制御装置は、前記ジャム解除信号の入力前に前記吸収検出器からの吸収検出信号に基づいて記録液が記録媒体に吸収されているか否かを判断する吸収判断を実行し、前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合には、吸収されていないと判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を多くするように構成され、
    前記吸収検出器は、前記液体吐出ヘッドに設けられた反射型フォトセンサで構成され、前記吸収検出信号は、反射光量に応じて変化する出力特性を有し、
    前記制御装置は、前記吸収判断において、前記吸収検出信号の出力値に基づいて、反射光量が所定量を下回る場合に記録液が記録媒体に吸収されていると判断するように構成される印刷装置。
  6. 給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行う排出手段と、
    前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出するためのジャム検出器と、
    前記搬送路に沿って搬送されている記録媒体に前記複数のノズルより記録液を吐出する印刷動作を行うように前記液体吐出ヘッドを制御し、印刷動作中に前記ジャム検出器からのジャム検出信号に基づいて前記搬送路上で記録媒体のジャムが生じているか否かを判断し、ジャムが生じていると判断した場合に印刷動作を停止し、ジャムの解除に関するジャム解除信号に基づいてジャムが解除されたと判断した後であって印刷動作の再開前に排出動作を行うように前記排出手段を制御するように構成される制御装置と、
    ジャムを生じた記録媒体による前記液体吐出ヘッドからの記録液の吸収を検出するための吸収検出器と、
    ジャムを生じた記録媒体と前記ノズル面との接触又は近接を検出するための媒体検出器と、を備え、
    前記制御装置は、
    ジャムが生じていると判断した場合に、前記媒体検出器からの信号に基づいてジャムを生じた記録媒体が前記ノズル面と接触又は近接しているか否か判断し、
    記録媒体が前記ノズル面と接触又は近接していると判断した場合に、前記ジャム解除信号の入力前に前記吸収検出器からの吸収検出信号に基づいて記録液が記録媒体に吸収されているか否かを判断する吸収判断を実行し、
    前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合には、吸収されていないと判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を多くするように構成され、
    記録媒体が前記ノズル面と接触及び近接していないと判断した場合に、前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を少なくするように構成される印刷装置。
  7. 前記液体吐出ヘッドに設けられたフォトセンサが、前記媒体検出器及び前記吸収検出器に共用される、請求項に記載の印刷装置。
  8. 給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
    前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行う排出手段と、
    前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出するためのジャム検出器と、
    前記搬送路に沿って搬送されている記録媒体に前記複数のノズルより記録液を吐出する印刷動作を行うように前記液体吐出ヘッドを制御し、印刷動作中に前記ジャム検出器からのジャム検出信号に基づいて前記搬送路上で記録媒体のジャムが生じているか否かを判断し、ジャムが生じていると判断した場合に印刷動作を停止し、ジャムの解除に関するジャム解除信号に基づいてジャムが解除されたと判断した後であって印刷動作の再開前に排出動作を行うように前記排出手段を制御するように構成される制御装置と、
    ジャムを生じた記録媒体による前記液体吐出ヘッドからの記録液の吸収を検出するための吸収検出器と、
    前記液体吐出ヘッドを記録媒体の搬送方向に対して直交する走査方向に移動させるヘッド移動装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記印刷動作において前記液体吐出ヘッドを前記走査方向における一方向と反対側の逆方向とに移動させるように前記ヘッド移動装置を制御し、
    前記液体吐出ヘッドが前記一方向に移動しているときにジャムが生じていると判断した場合に、前記逆方向に前記液体吐出ヘッドを移動させるように前記ヘッド移動装置を制御し、
    前記液体吐出ヘッドが前記逆方向に移動しない場合に、前記ジャム解除信号の入力前に前記吸収検出器からの吸収検出信号に基づいて記録液が記録媒体に吸収されているか否かを判断する吸収判断を実行し、
    前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合には、吸収されていないと判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を多くするように構成され、
    前記液体吐出ヘッドが前記逆方向に移動した場合に、前記吸収判断において記録液が記録媒体に吸収されていると判断した場合と比べて、前記排出動作での記録液の排出量を少なくするように構成される印刷装置。
  9. 給紙ローラと排紙ローラの間の搬送路に沿って搬送される記録媒体と対向可能なノズル面、及び前記ノズル面に開口して複数種の記録液のうち一種をそれぞれ吐出する複数のノズルを有する液体吐出ヘッドを備える印刷装置の記録液排出方法であって、
    印刷中に前記搬送路上での記録媒体のジャムを検出すると、印刷を停止し、
    ジャムの解除前に、前記液体吐出ヘッドよりジャムを生じた記録媒体への記録液の吸収を検出し、
    ジャムの解除後であって印刷の再開前に、前記複数のノズルより記録液を排出する排出動作を行い
    前記記録液を排出するときに、記録液の吸収が検出された場合には、検出されなかった場合と比べて、1回の前記排出動作における記録液の排出量を多くする、印刷装置の記録液排出方法。
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