JP6330263B2 - 酸性液状食品組成物 - Google Patents

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本発明は、タンパク質を含有することを特徴とする液状食品組成物に関するものである。
効率的な栄養補給を目的として用いられる液状食品は、タンパク質、脂質、糖質、ミネラル、水分をバランスよく、十分量配合する必要がある。特に、嚥下困難な患者や寝たきりの高齢者に対し、タンパク質の欠乏により生じる栄養状態の悪化が近年問題視されている。このことを受けて、厚生労働省においても介護を受ける高齢者などに対して栄養状態を改善するための方針案が出されており(非特許文献1)、低用量でも十分量の栄養素が摂取できるような効率のよい栄養補給の重要性が認識されている。また、最近の健康志向に対する高い関心も相まり、医療現場だけでなく、健常人においても不足する栄養素を補給する食品やそれらを補給する手段に対する需要は高まっており、これらに関連した多くの商品が市販されている。
タンパク質は生命の維持に不可欠な物質であり、体の組織を構築するとともに、細胞骨格を形成し、骨格、筋肉、皮膚を構成している。また、酵素やホルモンとして代謝を調節したり、γ−グロブリンのような抗体として生体防御にも働いており、身体機能を維持、強化するための源である。さらに、タンパク質を構成しているアミノ酸は、タンパク質合成の素材であるだけでなく、神経伝達物質やビタミン、その他の重要な生理活性物質の前駆体ともなっている。
天然に種々存在するタンパク質の中でも栄養補給の観点から、動物性のタンパク質の摂取が近年重要であるとされており、液状食品に使用するタンパク質源としてはカゼイン類やホエイ類を含む乳タンパク質が一般的である。乳タンパク質の一般的な特徴の一つとして、pH4.0〜6.0の領域に等電点を有しているということが挙げられる。すなわち、等電点に近づくにしたがって電荷を失い、タンパク質間の反発力が奪われる結果、凝集や沈殿によって安定性が低下することから、既存の一般的な液状食品においては凝集や沈殿を避けるように、pH6.0〜7.5の中性領域で調製されるものが多い。しかし中性タイプの流動食を経管投与した場合、タンパク質が胃酸や腸内細菌の産生する酸と接触する際に等電点を通過せざるを得ないため、タンパク質は凝集し、チューブ先端付近に閉塞を生じてしまう(非特許文献2)。また、タンパク質の濃度を高めると凝集・沈殿が顕著になる。そこで、酸性条件でタンパク濃度および流動性の高い液状組成物を調製できれば低用量でも十分な栄養補給が可能になるだけでなく、チューブ閉塞、細菌汚染リスクを低減し、さらには風味に変化を持たせることも可能となる。
通常、配合するタンパク質の組成にかかわらず、タンパク質の濃度を高くすると凝集や沈殿が顕著になり、流動性が失われる。タンパク濃度の増加に伴う粘度の上昇を抑えた液状食品としては、ホエイタンパク分解物とコラーゲンペプチドを配合したもの(特許文献1)、コラーゲンペプチドと分解度が23〜35である乳ペプチドを配合したもの(特許文献2)、コラーゲンペプチドと重量平均分子量が1000〜5000の植物性ペプチドである酸性液状栄養組成物(特許文献3)、分散性微粒子タンパクとDE値が10〜25のデキストリンを配合し、粘度を抑えたものなどが報告されている(特許文献4)。タンパク質原料として使用しているホエイタンパク分解物や分散性微粒子蛋白は栄養価が高く、加工特性に優れた組成物 であるが、製造には特殊な工程や製法・設備を必要とするためコストがかかるものが多い。また、コラーゲンペプチドをタンパク源とした場合、必須アミノ酸であるトリプトファンを欠いており、コラーゲンペプチドだけでは必須アミノ酸を効率的に摂取することができない。さらに、コラーゲンペプチドには特有の臭気を有しており、経口で摂取する場合には果汁等の風味を添加する等、臭気を取り除く工夫が必要となる。
乳タンパク質を酸性下で安定化させる方法としては、高メトキシル化ペクチンや大豆多糖類、微結晶セルロースなどの増粘多糖類を添加することが挙げられる。これは等電点付近で不安定なカゼイン粒子を高メトキシル化ペクチン(HMペクチンともいう)などで覆うことで電気的反発力や物理障壁によって凝集を抑えることができ、安定に分散させることができるからである。従来から販売されている、タンパク質含有量が3重量%程度の果汁入りフルーツ牛乳やドリンクヨーグルトはペクチン類を利用することが多い。
一方、タンパク質含有量が3重量%を超える場合、凝集や沈殿の起こらない、安定な組成物を得るためには、ペクチン類の濃度も高くする必要がある。ペクチン類の濃度を高くしていくと、それ自体が粘性を増加させてしまうため、ざらつき等、喉ごしが悪いものとなり、これらの有用性は低くなる。以上の様な理由から、酸性領域で高濃度のカゼイン類や乳タンパク質をペクチンで安定化させることは困難であった。
乳タンパク質の持つ加工特性から、高濃度のタンパク質を含む酸性の液状栄養組成物の製造方法は確立されておらず、本発明者らの知る限り、このような製品はこれまで存在していない。
特開2012−196156号公報 特開2012−136471号公報 特開2012−135257号公報 特開平7−147932号公報
厚生労働省発表、「栄養改善マニュアル(平成21年3月)」 丸山道生、他、静脈経腸栄養、23、315−320(2008)
カゼイン類とホエイタンパク類を特定の比率で配合することにより、酸性であっても流動性が高く、経時安定性に優れている酸性液状食品組成物を提供すること。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ミセル性カゼイン類を9〜72重量%、ホエイタンパク類を28〜91重量%含有する乳タンパク質を用いることにより、流動性の高い液状食品を提供できることを見出し、本発明を完成した。特に、高濃度の乳タンパク質を含有し、かつ酸性下であっても流動性が高く、経時安定性に優れた液状栄養食品組成物を提供することが可能となった。
本発明として、例えば以下の液状栄養食品組成物をあげることができる。
(1)カゼイン類とホエイタンパク類の重量比が72:28〜9:91である乳タンパク質を特徴とする、酸性液状栄養食品組成物。
(2)乳タンパク質が牛乳由来のタンパク質である、上記(1)に記載の酸性液状栄養食品組成物。
(3)カゼイン類がミセル性カゼインである、上記(1)または(2)に記載の酸性液状栄養食品組成物。
(4)pHが3.6〜4.3である、上記(1)〜(3)のいずれかにに記載の酸性液状栄養食品組成物。
(5)タンパク質含量が8重量%以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の酸性液状栄養食品組成物。
(6)液状栄養食品組成物が流動食、医療食、経腸栄養剤、健康食品、機能性食品、または栄養補給食品である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の酸性液状栄養食品組成物。
(7)液状栄養食品組成物が流動食である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の酸性液状栄養食品組成物。

以下に本発明を詳述する
本発明に係る「カゼイン類」とは、乳タンパク質に含まれるカゼイン画分の総称であり、α−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼインなどを含有している。産業的に生産されるカゼインの形態としては、例えば、脱脂乳に酸を加えカゼイン画分のみを回収した酸カゼインや、酸カゼインを各種アルカリで中和したカゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼインカルシウムなどのカゼイナート、脱脂乳中のカゼインを酸沈殿させずホエイタンパク質と共に濃縮したミセル性カゼインなどを挙げることができる。この「ミセル性カゼイン類」は乳中に含まれるミセル状のカゼイン類を変性させることなく抽出、乾燥することにより得られるものである。
本発明に係る「ホエイタンパク類」は、乳タンパク質に含まれ、上記カゼイン類以外のタンパク質のことであり、α-ラクトアルブミン(α−Laともいう)、β-ラクトグロブリン(β−Lgともいう)などを含有している。またこの際得られたホエイタンパク質を濃縮、分離、変性、分画等の処理を行って得られたホエイタンパク質についても用いることができる。具体的には、例えば、ホエイタンパク濃縮物(Whey Protein Concentrate 以下、WPCともいう)や、ホエイタンパク分離物(Whey Protein Isolate、WPIともいう)なども好ましく用いることができる。WPIとしては、例えば、ホエイタンパク質を約90重量%を含んだ素材であるエンラクトSAT(商品名、日本新薬社製)を挙げることができる。
本発明に係る「液状栄養食品組成物」は、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの全部、又は一部を含有する、ヒトへの栄養補給を目的とした液状の食品組成物であり、例えば、流動食、液状の医療食、液状の経腸栄養剤、液状の栄養補給食品、液状の健康食品、液状の機能性食品を挙げることができる。
本発明に係る「液状栄養食品組成物」に含まれるタンパク質としては上記乳タンパク質を挙げることができる。乳タンパク質としては、牛乳由来のミセル性カゼイン類及びホエイタンパク類を主成分としたタンパク質を挙げることができ、例えば、ミセル性カゼインが約92重量%及びホエイタンパク類が約8重量%からなる乳タンパク質を約80重量%含有する乳タンパク素材PRODIET85B(商品名、日本新薬社製)やミセル性カゼインが約90重量%及びホエイタンパク類が約10重量%からなる乳タンパク質を約80重量%含有する乳タンパク素材ミルカMCI80(商品名、日本新薬社製)を、上記WPIと適宜配合することにより液状栄養食品中のカゼイン類とホエイタンパク類の重量比を適宜調製することができる。
本発明に係る「水溶性多糖類」としてはペクチンやコーン、米、パーム、ヤシ、綿実、大豆等の種子に由来するヘミセルロース等の水溶性多糖類を挙げることができる。好ましい水溶性多糖類としてはタンパク質溶液を乳化する作用に優れ、かつ酸性条件で粘度の低いもの、例えば大豆種子由来の水溶性多糖類やHMペクチンを挙げることができる。
本発明に係る「液状栄養食品組成物」に含まれるミネラルとしては、例えば「カリウム」、「ナトリウム」、「マグネシウム」を挙げることができる。「カリウム」、「ナトリウム」、「マグネシウム」は食用に用いられるものであれば特に制限はないが、酸化物、水酸化物、無機酸塩、有機酸塩、等のいかなる形態で存在していてもよく、具体的には、水酸化カリウム、塩化カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、グルコン酸カリウム、グルタミン酸カリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸カリウム、ピロリン酸四カリウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、硫酸アルミニウムカリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、硫酸アルミニウムナトリウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアロイル乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、プロピオン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム等を挙げることができる。
本発明に係る液状栄養食品組成物は、咀嚼や嚥下が困難な患者や栄養管理目的で摂取する患者の栄養補給源としてだけでなく、健常人、例えば、乳幼児や運動選手、高齢者の栄養補給源としても有用である。また、本発明に係る液状栄養食品組成物は、従来の流動食に比べて各種栄養素をバランスよく、かつ効率的に摂取することができることから、入院患者の食事時間の短縮や、摂取行為にかかる負担を軽減することが期待できる。
本発明に係る液状栄養食品組成物は、一般に知られた方法により製造することができるが、例えば後述する実施例1〜23に記載の方法によっても製造することができる。
本発明に係る液状栄養食品組成物は、基本的に、水、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルからなる。そのバランスは「日本人の食事摂取基準(2010年度版):厚生労働省」等を参考に、個々の目的に応じて設定できる。前記日本人の食事摂取基準によれば、健常人のエネルギー必要量は1350〜2750kcal/日であるが、寝たきり患者等が使用する流動食では、基礎代謝量の低下を考慮して、800〜1500kcal/日と設定できる。
本発明の液状栄養食品組成物の熱量は、目的に応じて設定することができるが、タンパク質成分が4%程度の通常の流動食とする場合は1mLあたり1kcal程度である。
本発明にかかる液状栄養食品組成物に含まれるナトリウム含量としては、100mlあたり、0.1〜0.2gが好ましい。
本発明にかかる液状栄養食品組成物に含まれるカリウム含量としては、100mlあたり、0.15〜0.4gが好ましい。
本発明にかかる液状栄養食品組成物に含まれるマグネシウム含量としては、100mlあたり、0.014〜0.054gが好ましい。
本発明にかかる液状栄養食品組成物に含まれる塩化物含量としては、100mlあたり、0.038〜0.154gが好ましい。
本発明にかかる液状栄養食品組成物に含まれるカルシウム含量としては、100mlあたり、0.003〜0.172gが好ましい。
本発明にかかる液状栄養食品組成物に含まれるリン含量としては、100mlあたり、0.093〜0.195gが好ましい。
次に、本発明を実施例・比較例により詳細に説明する。以下の実施例・比較例においては、表1〜5に示す配合に従って各原材料を秤量した。なお、以下の実施例は、あくまで本発明の中に含まれる具体例をいくつか示したものに過ぎず、本発明は以下の実施例に限定にされるものではない。

<酸性液状食品の調製>
各タンパク質を撹拌機を用いて、50℃の水に溶解し、完全に分散するまで液温を50℃に保持しながら撹拌した。次にショ糖、ミネラル(表1〜6のH〜K)溶液を順に添加し、60℃まで加温した。60℃に温めた大豆白絞油を添加した後、60℃で10分間保持した。この調合液をT.K.HOMOMIXER MarkIIf−model(特殊機化工業社製)を用いて9,000rpmで3分間ホモジナイズした。その後、70℃まで加温し、高圧ホモジナイザー(APV社製)を用いて600/50barでホモジナイズした。次に、撹拌しながら80℃の水に溶解させたペクチン及び大豆多糖類溶液を添加した。調合液を25℃まで冷却し、クエン酸・乳酸混合溶液を用いてpHを調製した。その後、85℃まで加温し、再び高圧ホモジナイザーを用いて600/50barでホモジナイズした。調合液を25℃まで冷却し、ラミネート袋に充填後、85℃の湯浴中で10分間加熱殺菌した。加熱殺菌後、冷却水に浸漬した。
総タンパク質含量が5.9g/100mLになるように、A〜Mを下記の表1〜表4に示す重量比率で適宜配合した後、上記の調製方法に従い各成分を調製した。
乳タンパク質として、PRODIET85BとエンラクトSATを用いた場合の結果を表1および表2、乳タンパク質として、ミルカMCI80とエンラクトSATを用いた場合の結果を表3および表4に示す。
乳タンパク質(PRODIET85B)とホエイタンパク質(エンラクトSAT)をタンパク質源として、ミセル性カゼイン:ホエイ=45:55、1.2kcal/mL、pH4.0、かつ表5に示すタンパク質含量となるように上記の調製方法に従い各成分を調製した(表5、実施例17、18)。また、乳タンパク質(PRODIET85B)とホエイタンパク質(エンラクトSAT)をタンパク質源として、ミセル性カゼイン:ホエイ=45:55、タンパク質含量が5.9g/100mL、熱量1.2kcal/ml、クエン酸と乳酸でpHを3.6、3.7、3.8、4.2、4.3に適宜調製した(表5および表6、実施例19〜23)。
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得られた液状組成物について、以下に示す評価方法で諸物性の評価を行った。評価項目は以下の通りである。
<1.粘度>
粘度は、DV−E VISCOMETER(英弘精機社製)を用いて測定した。20℃に冷却した検体をYULA−15Eローターを用いて測定した。粘度が150mPa・s以下であった場合、良好な粘度であると判定した。
<2.pH>
pHは、SM−50V pH METER(東亜DKK社製)を用いて測定した。20℃に冷却した検体のpHを測定した。
<3.性状>
目視にて検体中の凝集物・沈殿物の有無を確認した。凝集物・沈殿物のないものが良好であると判定した。

評価結果を以下の表7〜12に示す。
Figure 0006330263
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<カゼイン類とホエイタンパク質の配合比率が粘度に与える影響>
上記の表7〜表10の結果から明らかなように、用いる乳タンパク質の種類にかかわらず、カゼイン類とホエイタンパク類の重量比が72:28〜9:91の範囲においては、ホエイの割合を高めると粘度が低下する傾向が確認された(表7〜表10、実施例1〜実施例16)。例えば、牛乳における一般的な重量比率である比較例3(表10、カゼイン:ホエイ=約80:20)では調製直後においても顕著に高い粘度であったが、実施例1〜16で得られる液状組成物においては、調製直後においても低い粘度であり、40℃30日保存後でも粘度の大幅な上昇や、凝集・沈殿も確認されず、使用に適する液状栄養組成物を得ることができた。
<タンパク質含量およびpHに対する粘度の影響>
上記の表11の結果から明らかなように、タンパク質含量を高くすると、粘度の上昇は見られたが十分な流動性を有していた(実施例18)。40℃30日保存後においても調製直後からの粘度の大幅な上昇や、凝集・沈殿なども確認されなかった。また、pH3.6〜4.3の液状組成物においても十分な流動性を有していた(表11および表12、実施例19〜23)。以上、実施例17〜23により得られる液状組成物は、十分に使用に適するものである。
以上に示したように、酸性下、ミセル性カゼイン類を9〜72重量%、ホエイを28〜91%重量%含有する乳タンパク質を用いた液状栄養組成物は、高濃度のタンパク質、脂質、糖質、ミネラルを含んでいても流動性が高く、しかも経時安定性を有する液状食品組成物として非常に有用である。

Claims (6)

  1. 乳タンパク、大豆多糖類、および、ペクチンを含有する酸性液状栄養食品組成物であって、乳タンパク中のカゼイン類とホエイタンパク類の重量比が72:28〜9:91であり、乳タンパク質含量が3重量%〜8重量%、pHが3.6〜4.3である、酸性液状栄養食品組成物。
  2. 前記酸性液状栄養食品組成物を40℃で30日保存した後の粘度が150mPa・s以下である、請求項1に記載の酸性液状栄養食品組成物。
  3. 乳タンパク質が牛乳由来のタンパク質である、請求項1または2に記載の酸性液状栄養食品組成物。
  4. カゼイン類がミセル性カゼイン類である、請求項1〜3のいずれかに記載の酸性液状栄養食品組成物。
  5. 液状栄養食品組成物が流動食、医療食、経腸栄養剤、健康食品、機能性食品、または栄養補給食品である、請求項1〜4のいずれかに記載の酸性液状栄養食品組成物。
  6. 液状栄養食品組成物が流動食である、請求項1〜5のいずれかに記載の酸性液状栄養食品組成物。


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