JPH06141770A - 乳性酸性飲料の製造方法 - Google Patents

乳性酸性飲料の製造方法

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JPH06141770A
JPH06141770A JP4296729A JP29672992A JPH06141770A JP H06141770 A JPH06141770 A JP H06141770A JP 4296729 A JP4296729 A JP 4296729A JP 29672992 A JP29672992 A JP 29672992A JP H06141770 A JPH06141770 A JP H06141770A
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JP
Japan
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skim milk
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acid
milk
saccharides
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JP4296729A
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English (en)
Inventor
Yasuhito Kato
康仁 加藤
Makoto Utena
誠 臺
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Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Calpis Food Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 脱脂乳に、糖類の添加に関係なく、酸を加え
て酸性とした後に均質化処理を行なうことを特徴とする
保存安定性良好な乳性酸性飲料の製造方法。 【効果】 本発明の製造方法では、糖類の添加量に関係
なく、均質化処理を行うことで得られる乳性酸性飲料の
保存安定性を良好にすることができるので、低カロリー
の乳性酸性飲料の製造に特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱脂乳を原料とする保
存安定性良好な乳性酸性飲料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】獣乳中の乳蛋白質カゼインは水溶液中で
複合体(カゼインミセル)を形成しており、獣乳蛋白の
安定性はカゼインミセルの安定性に基づいている。牛乳
中には平均直径1,500Åの大きなカゼインミセルが
安定な疎水性コロイドとして分散していることが知られ
ている。このコロイドの安定性はコロイド粒子間に働く
2つの力、すなわちファンデルワールス力と静電気的反
発力によることが報告されている。特に静電気的反発力
による影響が大きく、実際に牛乳中(pH6.7)では
カゼインミセルは全体として負に荷電しており、カゼイ
ンミセル同志の反発力として働き、カゼインミセルの会
合凝集を妨げるエネルギーを形成し、安定性に寄与して
いる。更に、カゼインミセルの安定性に関与している因
子として、界面活性機能がある。
【0003】一般に分子内に両親媒性構造を有する物質
は界面活性機能がある。乳蛋白質カゼインは両親媒性構
造を有しており、蛋白質分子内部に親水性領域と疎水性
領域が局在している。乳蛋白質カゼインは他の蛋白質に
比べて疎水性度が高いが、界面活性機能が認められてお
りカゼインミセル構造の安定化にも関係している。
【0004】酸性下においてはカゼインミセルが凝集す
るため以上の理論が適用できないところがあり、従って
報告例も非常に少く、例えば本出願人による特公昭51
−38780号公報において、脱脂乳に糖類を15重量
%以上添加後、更に酸を加えることにより安定化を図る
製造方法が知られる程度である。この方法では糖類を高
濃度添加し、糖類と乳蛋白質カゼインが親和性を有する
ことを利用してカゼインミセルの凝集を防ぎ、安定性を
高めている。
【0005】しかしながら、このような方法において
は、糖類の添加量を多くして保存安定性を保持している
ため、低カロリー製品には不向きである。
【0006】そこで、脱脂乳に酸を加えて酸性にする際
に糖類の添加量を15重量%未満とすることが考えられ
るが、このような少量の糖類の添加の場合には、カゼイ
ンミセルの凝集物が大きくなり、乳性酸性飲料製品は多
くの沈澱物が生じ外観および風味不良となり商品価値が
失われるという欠点が生じる。
【0007】従って、低カロリー製品の開発等にあた
り、脱脂乳に酸を加えて酸性にする際の糖類の添加量に
関係なく優れた保存安定性を示す乳性酸性飲料の製造方
法の開発が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、糖類
の添加量を抑え、且つ長期保存安定性が良好な乳性酸性
飲料の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、脱脂乳
に、必要に応じて糖類を15重量%未満添加し、酸を加
えて酸性とした後に均質化処理を行なうことを特徴とす
る保存安定性良好な乳性酸性飲料の製造方法が提供され
る。
【0010】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0011】本発明の製造方法では、脱脂乳に、酸を加
えて酸性とした後に均質化処理を行ないカゼインミセル
凝集粒子を微細化することにより、保存安定性良好な乳
性酸性飲料を製造することを特徴とする。
【0012】本発明において原料として用いる脱脂乳と
しては、牛、羊、馬等の脱脂乳、脱脂粉乳または脱脂濃
縮乳等が使用でき、使用に際しては単独または2種以上
混合して使用しても良い。
【0013】次いで本発明の製造方法では、酸を加える
前に糖類は特に存在していなくても良いが、必要に応じ
て糖類を添加することができる。糖類の添加量は、脱脂
乳と糖類との合計量に対して15重量%未満であるのが
好ましい。該糖類としては、ブドウ糖、ガラクトース、
果糖等の単糖類、庶糖、麦芽糖、乳糖等の2糖類、ラフ
ィノース糖の3糖類、スタキオース等の4糖類又はソル
ビトール、マンニトール、エリスリトール等の糖アルコ
ール等を挙げることができる。
【0014】次に、脱脂乳又は脱脂乳と糖類との混合物
を酸性にするには、例えば乳酸、クエン酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸等の有機酸、
リン酸等の無機酸等を添加することにより行うことがで
きる。この際カゼインミセルが等電点(pH4.6)付
近で長時間晒されることがないように、できるだけ素速
くpH調整を行なうのが望ましく、例えば前記酸の濃度
を10重量%程度に調整し、よく撹拌しながら素速く添
加するのが好ましい。
【0015】次いで本発明の製造方法では、得られた酸
性物を均質化処理する。この均質化処理は、飲用に好ま
しい濃度の糖類、香料、色素等を添加した後の最終製品
に対して行なってもよい。均質化処理は、例えばホモゲ
ナイザー等の均質化処理装置を用いて行うことができ、
この際の処理圧力は50kg/cm2以上、特に150
kg/cm2以上とするのが長期保存安定性のために好
ましい。また処理液の処理速度は、処理圧力が確保され
ていれば特に限定されるものではない。尚、ホモゲナイ
ザーの代わりにダイノーミル等の均質化処理装置を使用
することもできる。また得られる最終製品の無脂乳固形
分が0.6〜3.0重量%となるように均質化処理する
のが好ましく、温度については特に限定されないが通常
は室温程度で処理することができる。更にpHは3.0
〜4.0の範囲に調整するのが好ましく、特に好ましく
は3.3〜3.8に調整するのが風味の点からも望まし
い。
【0016】本発明の製造方法により得られる乳性酸性
飲料は、乳蛋白のpH中性領域での安定性保持の原理と
同様に酸性領域においても、ファンデルワールス力と静
電気的反発力が関与している部分があると考えられる
が、更に乳蛋白を均質化処理し微粒子化することによ
り、ストークスの法則から沈降速度は乳蛋白微粒子直径
の2乗に反比例するため一層保存安定性が高まるものと
推測される。
【0017】本発明の製造方法では、糖類の添加量に関
係なく保存安定性を向上させることができるので、低カ
ロリーで低糖濃度の乳性酸性飲料の製品化が可能とな
る。低糖濃度の製品甘味度を補うためには、例えば高甘
味度甘味料であるアスパルテーム、ステビア抽出物、グ
リチルリチン、アセスルファムK、サッカリン又はこれ
らの混合物等の低カロリー甘味料を、前記均質化処理の
前後に添加することができる。
【0018】更に本発明における均質化処理の後に、必
要に応じて炭酸ガスを添加することにより炭酸入り乳性
酸性飲料とすることもできる。
【0019】以上の処理を行なった後に、製品の微生物
汚染に対する保存性を確保するために通常の加熱殺菌を
行なっても、乳蛋白沈殿による保存安定性に影響を与え
ることなく製品化ができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の製造方法では、糖類の添加量に
関係なく、均質化処理を行うことで得られる乳性酸性飲
料の保存安定性を良好にすることができるので、低カロ
リーの乳性酸性飲料の製造に特に有用である。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例に基づいて具
体的にするが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0022】
【実施例1】脱脂粉乳50gに水を加え還元脱脂乳と
し、これに蔗糖を5、10、20、30、50重量%に
なるようにそれぞれ添加して全量を1000gとしたも
の及び蔗糖を添加しないもの1000gを6水準調整し
た。これをよく撹拌しながら20重量%クエン酸溶液を
それぞれ50gずつ速やかに加えた。この酸性化乳をラ
ボ型マントンゴーリンホモゲナイザー(ゴーリン社)を
使用して圧力150kg/cm2で均質化処理を行って
酸性化乳210gをそれぞれ得た。得られた酸性化乳の
最終糖濃度が10重量%になるように蔗糖を適宜加え
て、水及び20重量%クエン酸溶液を添加し、pHを
3.45に調整し全量を1000gとして乳性酸性飲料
を調製した。次に、それぞれを80℃、10分間加熱後
壜に充填し、室温での静置保存を目視で観察した。その
結果を表1に示す。
【0023】
【比較例1】均質化処理を行わなかった以外は実施例1
と同様に乳性酸性飲料を調製し、室温での静置保存を目
視で観察した。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】均質化処理を施さない場合は、室温保存6
ヶ月後で酸性化時の糖濃度15重量%未満では乳蛋白質
の沈殿が多くみられた。しかし、酸性化後に均質化を施
した場合は、乳蛋白質の沈殿はほとんどみられなかっ
た。
【0026】
【実施例2】脱脂粉乳100gに水1,700gを加え
均一に溶解して還元脱脂乳とし、これに蔗糖200g加
えて全量を2,000gとした後、よく撹拌しながら2
0重量%クエン酸溶液100gを素速く加えた。次いで
水及び20重量%クエン酸溶液を添加して、pHを3.
45に調整し全量を10,000gとした後、ラボ型マ
ントンゴーリンホモゲナイザー(ゴーリン社)を使用し
て圧力50〜500kg/cm2の範囲で均質化処理を
行って乳性酸性飲料を調製した。得られた乳性酸性飲料
を80℃、10分間加熱後壜に充填し、乳蛋白質の粒度
分布をレーザー回折式粒度分布測定装置(型式SALD
−1100、島津製作所製)を用いて測定した。また実
施例1と同様に室温静置保存を観察した。その結果を表
2に示す。
【0027】
【比較例2】均質化処理を行わなかった以外は実施例2
と同様に乳性酸性飲料を調製し、各測定を行った。その
結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】均質化処理を施さない比較例2は乳蛋白質
の粒子が大きく沈殿も多く見られたが、均質化処理を行
なった実施例2では乳蛋白質の粒子が細かくなり沈殿が
ほとんどみられなかった。
【0030】
【実施例3】脱脂粉乳900gに水24.1kg加えて
均一に溶解して25kgの還元脱脂乳とした後、果糖ぶ
どう糖液4kgと1重量%アスパルテーム溶液2kg添
加した。次いで得られた溶液をよく撹拌しながら10重
量%クエン酸溶液2kgを素速く加えた。その後香料2
00gを添加し水及び20重量%クエン酸溶液を添加し
て、pHを3.45に調整し全量を100kgとした
後、ラボ型マントンゴーリンホモゲナイザー(ゴーリン
社)を使用して、圧力150kg/cm2で均質化処理
を行った。次に炭酸ガスを2Vol.となるように封入
した後、200mlの壜に充填した後、70℃、10分
間加熱殺菌を行った。
【0031】得られた乳性酸性炭酸飲料は風味が良く、
低カロリーであった。この飲料は室温保存において6ヶ
月以上の長期間乳蛋白質の凝集沈殿が認められず安定で
あった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱脂乳に、酸を加えて酸性とした後に均
    質化処理を行なうことを特徴とする保存安定性良好な乳
    性酸性飲料の製造方法。
  2. 【請求項2】 脱脂乳に酸を加える前に、糖類を15重
    量%未満添加することを特徴とする請求項1記載の乳性
    酸性飲料の製造方法。
JP4296729A 1992-11-06 1992-11-06 乳性酸性飲料の製造方法 Pending JPH06141770A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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