JP3194902B2 - カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法 - Google Patents

カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原材料として酸性乳、
ペクチン及びカルシウム成分を含み、長期間保存時にお
いて乳蛋白質成分の凝集・沈殿を実質的に生じることが
なく、風味が良好で且つ糖類の含有割合が高いカルシウ
ム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厚生省の調査によれば、現在、カルシウ
ムの国民の平均摂取量は、所要量を満たしていない。牛
乳はカルシウムの良好な供給源であり、また、乳蛋白が
消化される過程でカルシウムの吸収を助けるペプチドが
生成されるといわれ、乳成分とカルシウムとを同時に摂
取することは、カルシウムの吸収性を高めると考えられ
る。
【0003】ことに、濃縮酸性乳飲料は、一般に、一度
製品を購入すれば何日にもわたって飲用すること、子供
の嗜好性が高いことから、子供が、成長期に必要な栄養
素であるカルシウムをコンスタントに摂取するために
は、優れた製品形態である。そこで、濃縮酸性乳飲料に
おいて、カルシウム含有量を増加させたものが求められ
ている。
【0004】しかしながら、発酵乳等酸性乳飲料におい
ては、乳蛋白質が酸性下において不安定なために、乳蛋
白質の凝集・沈殿を生じやすいが、この傾向は、カルシ
ウムを添加することにより、より増加する。特に濃縮酸
性乳飲料は、そのまま飲用するストレートタイプの酸性
乳飲料やいわゆるドリンクヨーグルトに比較して、製品
の糖度が高く、蛋白質安定化の条件も異なるため、乳蛋
白質の凝集・沈殿を生じる傾向が高い。凝集・沈殿を生
じた飲料は、著しく外観を損ねるばかりでなく、飲用時
に風味も変化して清涼感を損ねる。従って、濃縮酸性乳
飲料においては、製品の品質を損ねずにカルシウム含有
量を増加させることが困難である。
【0005】酸性下乳蛋白質の安定化については、例え
ば、ショ糖脂肪酸エステルを添加する方法(特公昭59
−41709号公報)、ペクチン又はペクチンとカラギ
ーナンを添加する方法(特公昭61−22928号公
報)、タマリンド種子多糖類及びグァーガムペクチンを
添加する方法(特公平1−25553号公報)、ペクチ
ンとフィチン酸を添加する方法(特開平4−99442
号公報)及び酸乳を加圧均質化する方法(特開平5−4
3号公報)等がある。これらの方法においては、原材料
はまとめて混合・溶解し、調製した液を均質化する方法
が開示されている。しかしながら、これらの方法におい
ては、カルシウムを含む濃縮酸性乳飲料において乳蛋白
質の凝集・沈殿を防止することについては記載しておら
ず、従って、飲用時100gあたりカルシウム100m
gとなる程度の高濃度のカルシウムを含有する乳酸性
濃縮飲料をこれらの方法で製造しようとしても、均質化
が不十分となり、乳蛋白質が凝集・沈殿しない飲料を製
造することはできない。
【0006】また、特開平8−56567号公報に記載
される、原材料添加・均質化の工程を2度に分け、酸乳
及びペクチンを混合して一旦均質化した後カルシウムを
添加するという方法を採用すると、カルシウム添加量を
多くした場合においても、最終製品の安定性を高めるこ
とができる。しかし、この方法には、乳酸性濃縮飲料
の糖類の含有量を増加させると、乳蛋白質が凝集・沈殿
しやすくなるという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸性
下において、乳蛋白質とカルシウム成分とが均質化して
おり、長期保存時においても乳蛋白質成分の凝集・沈澱
が実質的に生じることがなく、風味良好であり、且つ糖
類の含有割合が高いカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料、
及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題に鑑
み鋭意検討した結果、特定のpH値に調整した酸性乳、
ペクチン及び特定量以下の糖類の混合物を一旦均質化し
た後に、所望の含有量となるようにカルシウム及び糖を
添加することにより、得られる濃縮飲料の乳蛋白質成分
の凝集・沈殿を防止できることを見いだし、本発明を完
成した。
【0009】即ち、本発明によれば、酸性乳、ペクチ
ン、カルシウム成分及び糖類を含むカルシウム強化乳性
酸性濃縮飲料の製造方法であって、前記酸性乳及びペク
チンを含みpH3.0〜4.0に調整された1次混合物
を均質化する1次均質化の工程と、前記1次均質化によ
り得られた1次均質化物にカルシウム成分及び糖類を添
加する工程とを含むカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料の
製造方法が提供される。また本発明によれば、前記製造
方法により製造されてなるカルシウム強化乳性酸性濃縮
飲料であって、酸性乳、ペクチン、カルシウム成分及び
糖類を含み、且つ前記糖類の含有割合がカルシウム強化
乳性酸性濃縮飲料全量中30〜60重量%であることを
特徴とするカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料が提供され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のカルシウム強化乳性酸性
濃縮飲料(以下濃縮飲料と称す)の製造方法では、酸性
乳、ペクチン、カルシウム成分及び糖類を必須の原材料
として用いる。
【0011】前記原材料に用いる酸性乳は、乳を酸性化
したものである。前記酸性乳のpHは、後述する1次混
合物のpHを3.0〜4.0とするために、3.0〜
4.0の範囲とすることが好ましい。
【0012】該乳としては、牛乳が最も一般的である
が、動物、植物の由来を問わず用いることができる。具
体的には例えば牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳;大
豆乳等の植物乳が挙げられ、原料形態としては全脂乳、
脱脂乳あるいは乳清等を用いることができ、更には粉
乳、濃縮乳から還元した乳等も使用できる。これらの乳
は、酸性乳調製時において単独若しくは混合物として用
いることができる。
【0013】前記乳を酸性化して酸性乳とするには、公
知の乳酸菌等の微生物による有機酸の生成による方法、
有機酸類、無機酸類、果汁又はこれらの混合物等を乳に
添加する方法、あるいはこれらの方法を併用する方法等
により行うことができる。このような乳の酸性化は、得
られる酸性乳のpHが3.0〜4.0となるように調製
できれば公知の方法で行うことができる。前記乳に添加
し得る有機酸類としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、
酒石酸、グルコン酸、琥珀酸、フマル酸等を挙げること
ができ、前記無機酸類としては、リン酸等を挙げること
ができる。また果汁としては、リンゴ、オレンジ、ブド
ウ、グレープフルーツ、アセロラ、ストロベリー、パイ
ン、レモン等を挙げることができる。
【0014】前記原材料に用いるペクチンは、前記酸性
乳に作用してカゼイン−ペクチン複合体を形成し、乳蛋
白質成分を安定化させる作用等を有する原材料であっ
て、具体的には低メトキシルペクチン又は高メトキシル
ペクチンのいずれでも使用することができるが、高メト
キシルペクチンが特に好ましい。該高メトキシルペクチ
ンとしては、メトキシル基が65〜75%のものが好適
である。
【0015】前記原材料として用いるカルシウム成分と
しては、好ましくは水溶性カルシウム塩が好ましく、水
溶性の有機酸塩又は無機酸塩のいずれでも使用すること
ができる。具体的には例えば、乳酸カルシウム、クエン
酸カルシウム、フマル酸カルシウム、琥珀酸カルシウム
等の有機酸塩;塩化カルシウム等の無機酸塩等を好まし
く挙げることができる。これらは単独又は混合物として
用いることができる。
【0016】前記原材料として用いる糖類は、本発明の
濃縮飲料に甘味を与える物質をいい、例えばショ糖、ブ
ドウ糖、果糖、ガラクトース、乳糖、麦芽糖、各種オリ
ゴ糖等を挙げることができ、また、アスパルテーム、ス
テビア、グリチルリチン等を用いることもできる。これ
らは単独又は混合物として用いることができる。
【0017】本発明の濃縮飲料の製造方法では、まず、
前記酸性乳及び前記ペクチンを含むpH3.0〜4.0
に調整された1次混合物を均質化する1次均質化の工程
を行う。
【0018】乳蛋白質の主成分であるカゼインは、等電
点(pH4.6)以下では、構成アミノ酸残基に由来し
てプラス荷電したミセルとして存在する。一方、ペクチ
ンはpH2.5以上では、構成ガラクチュロン酸のカル
ボキシル基に由来するマイナスに荷電した可溶性多糖類
として存在する。従って、pH2.5〜4.6の範囲に
おいて酸性乳とペクチンとを混合すると、ペクチンが乳
蛋白質ミセル上のプラス荷電を隠蔽し、形成されたカゼ
イン−ペクチン複合体は、ペクチンが有する過剰なマイ
ナス荷電により複合体粒子間の反発が生じて、結果的に
安定化するものと考えられる。従ってpH3.0未満で
の混合では、ペクチンのカルボキシル基の解離度及びマ
イナス荷電が大きく減少し、カゼイン−ペクチン複合体
間の反発力が弱まって不安定化する。またpH4.0を
超えての混合では、清涼感が失われ、良好な風味が得ら
れない。前記ペクチンの混合は、ペクチンを水に希釈し
た状態で行うことができる。
【0019】前記1次混合物中の前記酸性乳の含有量
は、得られる本発明の濃縮飲料に含まれる乳蛋白質成分
の含有量が、0.1〜5.0重量%、好ましくは0.5
〜2.0重量%となるようにするのが望ましい。乳蛋白
質成分の含有量が0.1重量%未満では、得られる製品
において乳特有の風味が得られず、一方5.0重量%を
超える場合には、粘調性が増して清涼感が欠けた風味と
なり、更には乳蛋白質成分の凝集・沈殿が生じる恐れが
あるので好ましくない。また、前記1次混合物中の前記
ペクチンの含有量は、得られる濃縮飲料中の乳蛋白質及
びカルシウムの濃度によって左右されるので、前述のカ
ゼイン−ペクチン複合体を形成し、乳蛋白質成分を安定
化させる作用を発揮する量であれば特に限定されるもの
ではなく、適宜選択することができる。好ましくは得ら
れる濃縮飲料中のペクチン濃度が、0.05重量%〜
1.5重量%、特に0.25重量%〜0.7重量%とな
る含有量が好ましい。0.05重量%未満ではペクチン
による乳蛋白質の安定化の効果が得られない恐れがあ
り、一方1.5重量%を越えると粘度が高くなり過ぎて
糊感が生じ、清涼感が失われる恐れがあるので好ましく
ない。
【0020】前記1次混合物は必要に応じて、1次混合
物全量に対して40重量%以下、好ましくは35重量%
以下の糖類を含むことができる。ここでの糖類の含有割
合を40重量%以下とすることにより、得られる濃縮飲
料において乳蛋白質成分の凝集・沈殿を防ぐことができ
る。
【0021】前記1次混合物を均質化する1次均質化の
工程は、食品加工に一般的に用いられているホモゲナイ
ザー等の均質化処理装置を用いて行うことができる。均
質化処理条件は、特に限定されるものではないが、例え
ば高圧均質機の場合、好ましくは圧力100〜300k
g/cm2において行うことができる。
【0022】このような1次均質化処理を、後述するカ
ルシウム成分及び糖類の添加の工程に先立って行うこと
により、得られる濃縮飲料中の粒子の平均径を4.0μ
m以下とし、保存安定性を保持することができる。
【0023】本発明の濃縮飲料の製造方法では、続い
て、前記1次均質化により得られた1次均質化物にカル
シウム成分及び糖類を添加する工程を行う。
【0024】前記1次均質化物への前記カルシウム成分
の添加量は、得られる濃縮飲料に対し、カルシウムとし
て0.2〜1重量%、好ましくは0.3〜0.6重量%
含有されるような添加量が望ましい。得られる製品中の
カルシウムの含有量が0.2重量%未満では、濃縮飲料
を通常3〜6倍に希釈して飲用する場合において、飲用
時のカルシウム濃度が低くなり、目的とするカルシウム
強化効果が希薄になり、一方、1重量%を超えると良好
な風味が得られない恐れがあるので好ましくない。
【0025】前記1次均質化物への前記糖類の添加量
は、合計量、即ち全工程において添加する糖類の含有量
が、得られる濃縮飲料全量に対して30〜55重量%と
なる量であることが好ましい。例えば、前記1次混合物
に糖類を添加し、さらにこの工程においても糖類を添加
する場合、即ち2回に分けて糖類を添加する場合には、
これら2回の添加における添加量の合計が、得られる濃
縮飲料全量に対して30〜55重量%、好ましくは35
〜50重量%となる量であることが望ましい。30重量
%以上とすることにより、製品に十分な甘味を与えるこ
とができ、55重量%以下とすることにより、酸性乳中
にもともと含まれる糖類(最終製品に対して約5重量
%)との合計での糖類の含有割合を60重量%以下とす
ることができ、粘度の過度な上昇を防ぎ、製造時及び希
釈飲用時の取扱いを容易とすることができる。
【0026】前記カルシウム成分及び糖類の添加を行っ
た後、前記1次均質化と同様の操作で再度均質化処理を
行うことが好ましい。そして、常温流通製品とする場合
等は、必要に応じて殺菌処理を行い、最終製品とするこ
とができる。また、殺菌を行わずに、チルド流通製品と
することもできる。
【0027】本発明の濃縮飲料の製造方法では、所望に
より、前記酸性乳、前記ペクチン、前記カルシウム成分
及び前記糖類の必須の原材料に加えて、更に他の原材料
等を添加する工程を含むことができる。他の原材料とし
ては、風味及び外観を良くするための、果汁、野菜エキ
ス、香料、色素等を用いることができる。なお、これら
の他の原材料の添加は、本発明の効果を損ねない限りに
おいて、本発明の濃縮飲料の製造の任意の段階で行うこ
とができる。
【0028】本発明の濃縮飲料は、前記濃縮飲料の製造
方法により製造されてなる濃縮飲料であって、前記酸性
乳、前記ペクチン、前記カルシウム成分、前記糖類及び
所望により前記他の原材料を含む。
【0029】本発明の濃縮飲料中の前記糖類の含有割合
は、カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料全量中30〜60
重量%であり、好ましくは35〜55重量%である。3
0重量%以上とすることにより、製品に十分な甘味を与
えることができ、60重量%以下とすることにより、粘
度の過度な上昇を防ぎ、製造時及び希釈飲用時の取扱い
を容易とすることができる。
【0030】本発明の濃縮飲料中の粒子の平均径は、酸
性下において、好ましくは4.0μm以下であり、さら
に好ましくは3.0μm以下、特に好ましくは2.5μ
m以下の範囲内である。前記平均径を4.0μm以下と
することにより、乳蛋白質成分の凝集・沈殿が顕著に生
じることを防ぐことができ、得られる飲料の外観並びに
風味を良好なものとすることができる。
【0031】得られる本発明の濃縮飲料は、通常水等に
3〜6倍程度に希釈して飲用することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の濃縮飲料の製造方法では、特定
のpH値に調整した酸性乳、ペクチン及び一定量以下の
糖類の混合物を一旦均質化した後に、所望の含有量とな
るようにカルシウム及び糖を添加する工程を含むので、
乳蛋白質成分とカルシウム成分とが酸性下において、均
質分散されており、且つ飲用時のカルシウム含有量が牛
乳(可食部100g当たりカルシウム100mg:四訂
日本食品標準成分表)並みに強化されており、しかも乳
性酸性飲料の風味及び十分な甘味をも合わせ持つ濃縮飲
料を、容易に且つ工業的に製造することができる。
【0033】本発明の濃縮飲料は、乳蛋白質成分とカル
シウム成分とが酸性下において、均質分散されているの
で、飲用時のカルシウム含有量が牛乳並みに強化されて
おり、しかも乳性酸性飲料の風味及び十分な甘味をも合
わせ持っている。従ってカルシウム強化され且つ十分な
甘味を有する新規な乳性酸性飲料としての利用が期待で
きる。
【0034】
【実施例】以下実施例及び比較例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
【実施例1】水又は湯で4倍に希釈して飲用するための
濃縮飲料を、以下の方法により製造した。
【0036】固形分8.6重量%濃度の還元脱脂乳(タ
カナシ乳業)をラクトバチルス・ヘルベティカス菌で発
酵し、pH3.3の発酵乳を得た。この発酵乳を269
gづつ11に分け、それぞれ試料1〜11とした。試料
1〜11のそれぞれに表1の「加糖1」の欄に示された
量のグラニュウ糖を加糖した。次いで、それぞれ3重量
%ペクチン(商品名JM−150−J、コペンハーゲン
ペクチン社製)溶液を133g添加して、1次混合物と
した。この1次混合物を、それぞれホモゲナイザー(マ
ントンゴーリン社製)で圧力150kg/cm2にて1
次均質化し、1次均質化物1〜11とした。それぞれの
1次均質化物の糖度(Bx)を糖度計(RX−500
0、株式会社アタゴ製)により測定した。結果を表1に
示す。
【0037】次いで、それぞれの1次均質化物に、表1
の「加糖2」の欄に示された量のグラニュウ糖、15重
量%乳酸カルシウム水溶液160g及び酸度調整のため
の50重量%乳酸15gを添加し、さらに水を加えて全
量を1000gとした後、再びホモゲナイザーで圧力1
50kg/cm2にて2次均質化を行った。92℃まで
加温して殺菌し、90℃でガラス壜に充填して、製品1
〜11とした。製品1〜11の組成はいずれも無脂乳固
形分3.1重量%、グラニュウ糖40.8重量%、ペク
チン0.4重量%、及び乳酸カルシウム2.4重量%で
あった。また、製品1〜11のpHはいずれも3.8で
あった。
【0038】製品1〜11中の粒子の平均粒径を粒度分
布計(島津製作所社製)で測定した。また、製品1〜1
1を55℃で保存して加速保存試験(7日で室温1年に
相当)を行い、3日後及び7日後に外観を観察した。結
果を表1に示す。粒子の主な部分はカゼインミセルであ
り、その周囲をペクチンで覆ったものとなっていると思
われる。1次均質化物1〜11の糖度と製品1〜11中
の粒子径との関係を図1に示す。また、製品1〜11の
粘度を粘度計(芝浦システム(株)製)で測定した。測
定結果を、1次均質化物の時点での糖度との関係として
図2に示す。
【0039】1次均質化物の時点での糖度が40Bx以
下の場合、平均粒径3μm以下の安定した製品が得られ
たが、50Bxを超えると、平均粒径は急激に大きくな
り、粘度も上昇した。製品1と製品11との結果を比較
すると、製品11の平均粒径は製品1の10倍、粘度は
4倍近い値となった。また、加速保存試験においても、
製品11では明確な離水が見られた一方、製品1〜9に
おいては離水が見られなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【実施例2】水又は湯で4倍に希釈して飲用するための
濃縮飲料を、以下の方法により製造した。
【0042】固形分8.6重量%、pH3.3の発酵乳
8.1kgにグラニュウ糖2.2kgを溶解し、3重量
%ペクチン溶液を4kg添加し、1次混合物とした。こ
の1次混合物を、ホモゲナイザー(マントンゴーリン社
製)で圧力150kg/cm2にて1次均質化した。得
られた1次均質化物に、グラニュウ糖10kg、15重
量%乳酸カルシウム4.8kg、50重量%乳酸450
g、調合香料150gを添加し、さらに水を加えて全量
を30kgとした後、再びホモゲナイザーで圧力150
kg/cm2にて2次均質化を行った。92℃まで加温
して殺菌し、90℃でガラス壜に充填して、製品とし
た。
【0043】得られた製品の粒径を粒度分布計(島津製
作所社製)で測定したところ、平均粒径は1.89μm
であり、製造スケールを大きくしても粒子径に大きな変
化がないことが分かった。
【0044】18才から30才の男女43人に、得られ
た製品を水で4倍に希釈したものを飲用させ、全体の風
味、さわやかさ、後味の良さについて10段階で評価さ
せた。評価点数の平均を表2に示す。
【0045】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の製造方法により得られた濃縮
飲料中の粒子径と、1次均質化物の糖度との関係を示す
グラフである。
【図2】図2は、本発明の製造方法により得られた濃縮
飲料の粘度と、1次均質化物の糖度との関係を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−56567(JP,A) 特開 昭61−70961(JP,A) 特開 昭55−50885(JP,A) 特許89233(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 2/00 - 2/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性乳、ペクチン、カルシウム成分及び
    糖類を含むカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料の製造方法
    であって、 前記酸性乳及びペクチンを含みpH3.0〜4.0に調
    整された1次混合物を均質化する1次均質化の工程と、 前記1次均質化により得られた1次均質化物にカルシウ
    ム成分及び糖類を添加する工程とを含むカルシウム強化
    乳性酸性濃縮飲料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記カルシウム成分の添加量の合計量
    が、前記カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料全量に対し
    て、カルシウムとして0.2〜1重量%であることを特
    徴とする請求項1記載のカルシウム強化乳性酸性濃縮飲
    料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記糖類の添加量の合計量が、前記カル
    シウム強化乳性酸性濃縮飲料全量に対して30〜55重
    量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のカル
    シウム強化乳性酸性濃縮飲料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記1次混合物が、1次混合物全量に対
    して40重量%以下の糖類をさらに含む請求項1〜3の
    いずれか1項記載のカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の製造
    方法により製造されてなるカルシウム強化乳性酸性濃縮
    飲料であって、酸性乳、ペクチン、カルシウム成分及び
    糖類を含み、且つ前記糖類の含有割合がカルシウム強化
    乳性酸性濃縮飲料全量中30〜60重量%であることを
    特徴とするカルシウム強化乳性酸性濃縮飲料。
JP35982397A 1997-12-26 1997-12-26 カルシウム強化乳性酸性濃縮飲料及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3194902B2 (ja)

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