JP6330210B2 - 排水処理設備 - Google Patents
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Description
沈澱池において分離された汚泥は固形物の濃度が2%〜5%程度であるが、汚泥脱水機により固形物濃度が15%〜30%程度となるように脱水され、更に汚泥乾燥機により固形物濃度が60%〜80%程度となるように、減容化されることが一般的である。固形物濃度が高められた乾燥汚泥に対しては、系外搬出、もしくは焼却処理が行われる。
本発明の排水処理設備は、処理液を生物処理する生物処理設備と、前記生物処理設備の上流及び下流の少なくとも一方にて処理液の汚泥を分離する汚泥分離設備と、前記汚泥分離設備にて分離される汚泥を貯留する汚泥貯留槽と、汚泥貯留槽の下流に配置され、汚泥を減容処理する汚泥減容設備と、を有する排水処理設備において、前記汚泥分離設備と前記汚泥貯留槽との間、前記汚泥貯留槽と前記汚泥減容設備との間、の少なくとも一方に砂除去装置を設け、前記砂除去装置の前段に、前記砂除去装置に導入される汚泥に二酸化炭素を吹き込む二酸化炭素供給装置を設け、前記砂除去装置の前段であって、前記二酸化炭素供給装置の上流側に、前記砂除去装置に導入される汚泥の水素イオン指数を向上させる水素イオン向上装置を設け、前記二酸化炭素供給装置及び前記水素イオン向上装置は、前記生物処理設備の上流に設けられた第一汚泥分離設備にて分離される第一汚泥が導入される第一汚泥ライン上に連続して設けられ、前記砂除去装置は、前記二酸化炭素供給装置で処理された前記第一汚泥が導入される液体サイクロンと、前記液体サイクロンの下部に接続され、鉛直方向に等しい直径で延在する円筒形状をなした濃縮管と、前記濃縮管の下部に接続されたロータリーバルブと、前記ロータリーバルブの下部に配置され、前記ロータリーバルブから排出される砂を含む濃厚処理液を液体成分と砂とに分離させる水切りタンクと、前記水切りタンクからオーバーフローされる前記液体成分を前記生物処理設備及び前記汚泥分離設備の上流側に送るオーバーフローラインと、前記水切りタンクの底部に接続され、前記砂を含有する前記濃厚処理液を受け入れ、少なくとも一部が前記水切りタンクの液面よりも高い位置に配置され、且つ、少なくとも一部が鉛直方向に向いて延びるパイプと、前記パイプの中に配置され、前記パイプとの間に空隙が生じる大きさであって、前記パイプの前記鉛直方向に向いて伸びる部分に形成される液面の下から前記液面の上方に、前記砂を進行方向側の面上に保持して掻き揚げる複数のブレードと、前記複数のブレードの各々が前記パイプの延在方向に対して垂直に配置されるように連結する牽引索と、前記牽引索を駆動する駆動装置と、前記パイプに設けられ、前記ブレードで掻き揚げられた前記砂を排出する排出口と、を備えたことを特徴とする。
また、生物処理設備に導入される処理液に対して砂を除去する手段を設ける構成と比較して、対象とする液量を低減することができる。即ち、より効率的に処理液に含まれる砂を除去することができる。
また、取り扱いが容易な液体サイクロンを用いて、汚泥に含まれる砂を安定的に分離することができる。
また、液体サイクロンから排出された濃厚処理液が一旦濃縮管に蓄積されるため、濃厚処理液に含まれる固形物が液体サイクロンの動作に影響を与えることを防止することができる。また、濃縮管を交換することによって、メンテナンスを容易に行うことができ、スケール成分による液体サイクロン内の閉塞を防止することができる。
また、汚泥に含まれる重金属やスケール成分を析出させ、析出された重金属やスケール成分を砂とともに除去することができる。
また、排水中にカルシウム、マグネシウムなどの硬度成分が含まれる場合においても、カルシウム、マグネシウムの炭酸塩を作り析出させ、砂とともに除去することができる。
上記構成によれば、第一汚泥分離設備よりも下流側に流れた砂を除去することができる。
また、生物処理設備に導入される処理液に対して砂を除去する手段を設ける構成と比較して、対象とする液量を低減することができる。即ち、より効率的に処理液に含まれる砂を除去することができる。
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の排水処理設備1の構成を説明する概略構成図である。本実施形態の排水処理設備1は、下水汚泥や工場排水などの窒素、リン若しくは有機性物質を含んだ有機性排水Wの処理設備である。
排水処理設備1の水処理系統は、有機性排水Wが導入される前処理設備2と、前処理設備2にて処理された排水から汚泥を分離する最初沈澱池3(第一汚泥分離設備)と、最初沈澱池3にて汚泥が分離された排水に対して生物処理を施す生物処理設備4と、生物処理が施された汚水から更に汚泥を分離する最終沈澱池5(第二汚泥分離設備)と、最終沈澱池5にて汚泥が分離された排水を高度処理する高度処理設備6と、を有している。
即ち、水処理系統においては、生物処理設備4の前段の最初沈澱池3及び生物処理設備4の後段の最終沈澱池5での固形分離により汚泥が発生する。有機性排水Wは、上記各設備を経て、河川に放流される。
高度処理設備6としては、凝集分離装置、オゾン酸化装置、活性炭吸着塔などが挙げられる。
汚泥処理系統は、最初沈澱池3の汚泥を回収する第一汚泥ライン8と、最終沈澱池5の汚泥を回収する第二汚泥ライン9と、第一汚泥ライン8と第二汚泥ライン9とが合流するラインである混合汚泥ライン10と、混合汚泥ライン10の下流側に設けられている汚泥貯留槽11と、汚泥貯留槽11からの汚泥が導入される濃縮汚泥ライン12と、汚泥貯留槽11の下流側に設けられている汚泥減容設備13と、を有している。
また、第一汚泥ライン8上には、第一汚泥P1に含まれる砂を除去する砂除去装置16が設けられている。
例えば、遠心分離機は、高速回転するスクリューにて分離液と汚泥とを分離し、さらに汚泥をわずかに回転の遅いボール間との相対運動差により送り出すものである。また、スクリュープレス式の汚泥脱水機は、二本のスクリューを重ねて配置し、スクリュー羽根が互いにかみ合う構造とすることで、汚泥に剪断力を与えながら脱水するものである。
砂除去装置16は、液体サイクロン22の機構を採用した分級装置であって、第一汚泥ライン8を介して導入される第一汚泥P1に対して遠心分級を行って第一汚泥P1に含まれる砂を除去する装置である。
図2に示すように、砂除去装置16は、液体サイクロン22と、液体サイクロン22の下部に接続されている濃縮管23と、濃縮管23の下部に接続されているロータリーバルブ24と、ロータリーバルブ24から排出される水分を含んだ砂Sを受ける水切タンク25と、水切タンク25の下部に沈殿した砂Sを掻き揚げるパイプコンベア26と、を有している。
濃縮管23は、鉛直方向に等しい直径で延在する円筒形状をなしている。具体的には、濃縮管23の直径は45mm以上55mm以下とされている。
オーバーフロー液受け35の排出部には、オーバーフロー液受け35内の液体を前処理設備2に送るオーバーフローライン37が接続されている。
パイプ38は高低差をつけて配置され、排出口40は、少なくとも水切タンク25の液面41よりも高い位置に配置されている。水切タンク25とパイプコンベア26のパイプ38とは接続されているため、液体の液面41は、水切りタンクの内部に存在すると共に、パイプコンベア26のパイプ38の内部にも存在している。
まず、水処理系統における作用について説明する。
有機性排水Wは前処理設備2に導入され、夾雑物の除去などが行われる。次いで、有機性排水Wは、最初沈澱池3にて汚泥が分離され、生物処理設備4に導入される。次いで、有機性排水Wに対しては、生物処理設備4にて生物処理が施された後、最終沈澱池5にて生物を含め汚泥が分離される。そして、有機性排水Wは高度処理が施された後、放流される。
次いで、第一汚泥P1に対して二酸化炭素供給装置20にて二酸化炭素が吹き込まれる。
液体サイクロン22は、旋回流によって、第一汚泥P1に遠心力を作用させ、第一汚泥P1から砂Sを分離する。砂Sが除去された第一汚泥P1は、液体サイクロン22の上部出口29よりオーバーフローして排出され、砂Sを含む濃厚処理液は、旋回しながら液体サイクロン22のケーシング27の下方に移動して下部出口30より排出される。
一方、濃厚処理液の液面41がオーバーフロー液受け35の上端を越えると、オーバーフロー液受け35に液体成分が流れ込み、オーバーフローライン37を介して前処理設備2に送られる。オーバーフロー液受け35に流れ込む液体成分には、沈殿物である砂Sは含まれない。
また、パイプコンベア26のパイプ38内における砂Sの移送時において、砂Sが水切タンク25の液面41より掻き揚げられる際に砂Sに付随する液体成分が分離される。これにより、水切タンク25から排出される砂Sに液体成分が残っている場合においても、液体成分を除去することができる。
以下、本発明に第二実施形態の排水処理設備1Bを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の排水処理設備1Bは、砂除去装置16を混合汚泥ライン10に設けたことを特徴としている。即ち、砂除去装置16には、第一汚泥P1及び第二汚泥P2が導入される。砂除去装置16は、第一汚泥P1及び第二汚泥P2に含まれる砂を除去する。
以下、本発明に第三実施形態の排水処理設備1Cを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の排水処理設備1Cは、砂除去装置16を濃縮汚泥ライン12に設けたことを特徴としている。即ち、砂除去装置16には、汚泥貯留槽11から排出される汚泥が導入される。
以下、本発明に第四実施形態の排水処理設備1Dを図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上述した第一実施形態との相違点を中心に述べ、同様の部分についてはその説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態の排水処理設備1Dの汚泥貯留槽11は、汚泥貯留槽11内の汚泥を循環させる循環ライン44を有している。そして、砂除去装置16は、循環ライン44上に設けられている。循環ライン44には、汚泥を循環させるための循環ポンプ45が設けられている。循環ポンプ45の容量は、循環ライン44上で汚泥を循環させるのに十分な容量とされており、例えば、濃縮汚泥ライン12上の圧送ポンプ17よりも小容量とすることができる。
例えば、上記各実施形態では、水処理系統における汚泥は、最初沈澱池3及び最終沈澱池5にて分離する構成であるが、生物処理設備4の底部に沈殿する汚泥を分離して汚泥処理系統に導入する構成としてもよい。
2 前処理設備
3 最初沈澱池(第一汚泥分離設備)
4 生物処理設備
5 最終沈澱池(第二汚泥分離設備)
6 高度処理設備
8 第一汚泥ライン
9 第二汚泥ライン
10 混合汚泥ライン
11 汚泥貯留槽
12 濃縮汚泥ライン
13 汚泥減容設備
14 汚泥脱水機
15 汚泥乾燥機
16 砂除去装置
17 圧送ポンプ
19 水素イオン向上装置
20 二酸化炭素供給装置
22 液体サイクロン
23 濃縮管
24 ロータリーバルブ
25 水切タンク
26 パイプコンベア
27 ケーシング
28 導入ダクト
29 上部出口
30 下部出口
31 ハウジング
32 ローター
33 搬送室
35 オーバーフロー液受け
36 開口
37 オーバーフローライン
38 パイプ
39 ブレード
40 排出口
41 液面
42 牽引索
43 駆動装置
44 循環ライン
45 循環ポンプ
P1 第一汚泥
P2 第二汚泥
S 砂
W 有機性排水(処理液)
Claims (4)
- 処理液を生物処理する生物処理設備と、
前記生物処理設備の上流及び下流の少なくとも一方にて処理液の汚泥を分離する汚泥分離設備と、
前記汚泥分離設備にて分離される汚泥を貯留する汚泥貯留槽と、
汚泥貯留槽の下流に配置され、汚泥を減容処理する汚泥減容設備と、を有する排水処理設備において、
前記汚泥分離設備と前記汚泥貯留槽との間、前記汚泥貯留槽と前記汚泥減容設備との間、の少なくとも一方に砂除去装置を設け、
前記砂除去装置の前段に、前記砂除去装置に導入される汚泥に二酸化炭素を吹き込む二酸化炭素供給装置を設け、
前記砂除去装置の前段であって、前記二酸化炭素供給装置の上流側に、前記砂除去装置に導入される汚泥の水素イオン指数を向上させる水素イオン向上装置を設け、
前記二酸化炭素供給装置及び前記水素イオン向上装置は、前記生物処理設備の上流に設けられた第一汚泥分離設備にて分離される第一汚泥が導入される第一汚泥ライン上に連続して設けられ、
前記砂除去装置は、前記二酸化炭素供給装置で処理された前記第一汚泥が導入される液体サイクロンと、
前記液体サイクロンの下部に接続され、鉛直方向に等しい直径で延在する円筒形状をなした濃縮管と、
前記濃縮管の下部に接続されたロータリーバルブと、
前記ロータリーバルブの下部に配置され、前記ロータリーバルブから排出される砂を含む濃厚処理液を液体成分と砂とに分離させる水切りタンクと、
前記水切りタンクからオーバーフローされる前記液体成分を前記生物処理設備及び前記汚泥分離設備の上流側に送るオーバーフローラインと、
前記水切りタンクの底部に接続され、前記砂を含有する前記濃厚処理液を受け入れ、少なくとも一部が前記水切りタンクの液面よりも高い位置に配置され、且つ、少なくとも一部が鉛直方向に向いて延びるパイプと、
前記パイプの中に配置され、前記パイプとの間に空隙が生じる大きさであって、前記パイプの前記鉛直方向に向いて伸びる部分に形成される液面の下から前記液面の上方に、前記砂を進行方向側の面上に保持して掻き揚げる複数のブレードと、
前記複数のブレードの各々が前記パイプの延在方向に対して垂直に配置されるように連結する牽引索と、
前記牽引索を駆動する駆動装置と、
前記パイプに設けられ、前記ブレードで掻き揚げられた前記砂を排出する排出口と、を備えたことを特徴とする排水処理設備。 - 前記砂除去装置は、前記生物処理設備の上流に設けられた第一汚泥分離設備にて分離される第一汚泥が導入される第一汚泥ライン上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排水処理設備。
- 前記生物処理設備の上流に設けられた第一汚泥分離設備から分離される汚泥が導入される第一汚泥ラインと、
前記生物処理設備の下流に設けられた第二汚泥分離設備から分離される汚泥が導入される第二汚泥ラインと、
前記第一汚泥ラインと前記第二汚泥ラインとが合流して前記汚泥貯留槽に接続される混合汚泥ラインと、を有し、
前記砂除去装置は、前記混合汚泥ライン上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排水処理設備。 - 前記汚泥貯留槽は、該汚泥貯留槽内の汚泥を循環させる循環ラインを有し、
前記砂除去装置は、前記循環ライン上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排水処理設備。
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