JP2004330152A - 汚水の処理方法とその装置 - Google Patents

汚水の処理方法とその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004330152A
JP2004330152A JP2003132747A JP2003132747A JP2004330152A JP 2004330152 A JP2004330152 A JP 2004330152A JP 2003132747 A JP2003132747 A JP 2003132747A JP 2003132747 A JP2003132747 A JP 2003132747A JP 2004330152 A JP2004330152 A JP 2004330152A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
separated
sewage
solid
screen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003132747A
Other languages
English (en)
Inventor
Norihiro Yaide
乃大 矢出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Swing Corp
Original Assignee
Ebara Engineering Service Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Engineering Service Co Ltd filed Critical Ebara Engineering Service Co Ltd
Priority to JP2003132747A priority Critical patent/JP2004330152A/ja
Publication of JP2004330152A publication Critical patent/JP2004330152A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Abstract

【課題】生物反応槽に不活性物質を流入させないで、固液分離した有機物のみを生物処理に有効に利用する汚水の処理方法と装置を提供する。
【解決手段】汚水を固液分離し、分離液を生物処理する汚水の処理方法において、前記固液分離した分離汚泥から不活性物質を分離した後に、該分離汚泥を前記生物処理工程に添加することとしたものであり、前記不活性物質の分離は、スクリーン又は液体サイクロンで行い、前記分離汚泥からスクリーンで不活性物質を分離する際には、該分離汚泥に繊維を添加し、その繊維に不活性物質を捕捉させて分離するのがよく、また、前記不活性物質が除去された分離汚泥は、酸発酵させて有機酸を生成させた後に、前記生物処理工程に添加することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚水の処理に係り、特に、下水、し尿、産業排水などの汚水を浄化するための生物処理において、汚水やその固液分離汚泥から不活性物質を除去して生物処理する汚水の処理方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−237690号公報
【特許文献2】特開2002−301307号公報
下水、し尿、産業排水等の汚水に含まれる砂や繊維類などの不活性物質は、前処理なしに直接生物処理装置である生物処理槽や曝気槽などの生物反応槽に導入されて生物処理される場合、生物処理が継続されると徐々に生物反応槽内に不活性物質が蓄積され、不活性物質が堆積又は生物処理系内で循環するが、沈殿池などの固液分離装置より、汚水から砂や繊維類など不活性物質が除去される場合には、通常の処理においては問題が顕著化されにくい。
汚水に含まれる不活性物質は、返送汚泥ポンプなどの機器類の摩耗や閉塞の原因となる。また、不活性物質が生物処理系内に多量に存在すると生物処理系内の汚泥に対する活性汚泥の比率が低下し、系内の汚泥の活性化が低下する。生物処理系内で循環する不活性物質は、活性汚泥の活性度を低下させ、その活性度を補うためにMLSS濃度を高めに設定する必要がある。生物反応槽に不活性物質が溜まると、水槽の有効容量が低下し、生物処理が過負荷になり有機物除去の効率が低下する。さらに、生物反応槽液のDO濃度を維持するために、水槽底部に配備された曝気用空気配管が閉塞して、生物反応槽への空気が供給できなくなり生物処理が困難になる。
【0003】
汚泥処理においても、水槽底部に堆積した不活性物質の一部が、汚水処理から発生する汚泥に含まれると、この汚泥を脱水する脱水機の摩耗や閉塞が重大な問題になる。
水槽底部に堆積した不活性物質を除去するには、水槽の水を排出し、バキューム車や吸引装置を搭載したダンパー車により、堆積した不活性物質を、その他の汚泥や水と共に水槽から排出する清掃作業が、人手により行われている。しかしながら、既に水槽底部に堆積した不活性物質は、水槽容量の減少や散気装置の閉塞など、生物処理の運転に支障をきたすので、不活性物質の堆積は避けなければいけなし、水槽に不活性物質を流入させないのが肝心である。
本発明者は、更に砂を含む被処理物をスクリーンで、又は繊維を添加した被処理物をスクリーン分離する方法を提案した(特開2002−237690号公報)。また、繊維状薬剤の添加方法と装置において、凝集沈殿処理などの固液分離又は脱水処理前に繊維状薬剤を添加して、固液分離効率や脱水性能向上を図った(特開2002−301307号公報)。
【0004】
従来方法は、以下のような問題点がある。
(1)既に生物処理水槽に堆積した砂などの不活性物質の除去は、従来方法でも可能であるが、既に水槽底部に堆積した不活性物質により、水槽容量の減少や散気装置の閉塞など生物処理の運転に支障をきたすことがあった。したがって、不活性物質の堆積は避けなければならないが、水槽に不活性物質を流入させない
方法がなかった。
(2)事前に不活性物質だけを除去する方法は、雨天時下水の水量が膨大であるので遠心分離機による分離は非現実的である。
(3)固液分離された汚泥のうち、生物処理できる有機物を減らす方法がなく、すべて汚泥処理設備に送られて、汚泥処理量の増大や汚泥からの臭気発生が問題であった。
(4)汚水の窒素やリン除去において、固液分離された汚泥の有機物が利用されず、窒素除去の水素供与体として新たに外部から薬品を添加する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑み、生物反応槽に不活性物質を流入させないで、固液分離した有機物のみを生物処理に有効に利用することができる汚水の処理方法と装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、汚水を固液分離し、分離液を生物処理する汚水の処理方法において、前記固液分離した分離汚泥から不活性物質を分離した後に、該分離汚泥を前記生物処理工程に添加することを特徴とする汚水の処理方法としたものである。
前記処理方法において、不活性物質の分離は、前記分離汚泥に繊維を添加し、該繊維に不活性物質を捕捉させてスクリーンで行うことができ、また、前記不活性物質が除去された分離汚泥は、酸発酵させて有機酸を生成させた後に、前記生物処理工程に添加することができる。
【0007】
また、本発明では、汚水を固液分離する固液分離装置と、分離液を生物処理する生物反応槽とを備えた汚水の処理装置において、前記固液分離した分離汚泥から不活性物質を除去する除去装置を備え、該不活性物質を除去した分離汚泥を前記生物反応槽に供給する手段を有することを特徴とする汚水の処理装置としたものである。
前記処理装置において、除去装置がスクリーンであり、該除去装置には、前記分離汚泥に繊維を供給する繊維供給装置と、繊維を含有する分離汚泥を該スクリーンに供給する手段とを併設することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、汚水を固液分離後に分離液を生物処理する汚水の処理方法において、該固液分離汚泥をスクリーン又は液体サイクロンで不活性物質を分離した後に、該生物処理工程に添加する汚水の処理方法である。
本発明では、汚水から窒素やリンを生物学的に処理する方法において、生物反応槽で不足する有機物を汚水の固液分離時に発生する汚泥中の有機物で補うことができる。
また、汚水を固液分離するにあたり、発生する汚泥中の有機物を除去して、有機物の腐敗による臭気発生を防止することができる。
汚水とは、下水、雨天時下水、雨水、し尿、産業排水等で、生物処理により有機物や窒素やリンが除去される被生物処理水である。雨天時下水における下水と雨水の混合比率は任意である。
不活性物質とは、水に不溶の無機物と有機物である。有機物は、生物的に難分解物質で、生物処理で分解や可溶化が起こらない物質である。具体的には、砂や金属酸化物、金属粒子、陶器くずなどの無機物や、繊維、野菜屑、種子、毛髪、穀物、木片などの有機物であり、不活性物質の含有量、濃度に制限はない。
【0009】
汚水を固液分離後に生物処理する汚水の処理方法とは、汚水中の不活性物質を含む汚泥を生物処理工程の前段で固液分離して除去した後に、該分離液を生物処理する方法である。
また、固液分離した分離汚泥とは、下水処理などの最初沈殿池から排出される初沈汚泥や、沈砂池から排出される砂を含む汚泥、SS除去用のために設置される沈殿池、沈殿槽からの汚泥や、し尿や浄化槽汚泥に無機凝集剤を添加して固液分離された凝集汚泥などで、生物処理の前段に設置される重力沈殿池や浮上処理装置、遠心分離機などの濃縮装置から排出される汚泥である。
スクリーン又は液体サイクロンで不活性物質が分離された固液分離汚泥は、生物処理工程に添加されて、固液分離汚泥に含まれる有機物の除去や生物分解による減量、あるいは脱窒素工程における固液分離汚泥に含まれる有機物の水素供与体としての利用、生物脱リンにおける汚水の有機物を補うための固液分離汚泥に含まれる有機物の積極的な利用等に用いられるものである。
【0010】
図1に、公知の汚水を固液分離後に生物処理する生物処理方法の概略工程図を示す。
汚水は、最初沈殿池で不活性物質が除去される。ここでの懸濁物質の除去率は、概ね数十%である。汚水に沈降しやすい砂などの鉱物成分が含まれる場合には、懸濁物質より優先的に固液分離される。最初沈殿池又は沈殿槽に沈殿した汚泥は、初沈汚泥や汚泥と呼ばれ、引き抜かれて脱水など汚泥処理される。固液分離された汚水は、生物反応槽で生物処理されて、汚水から有機物の指標であるBODや窒素、リンが分解除去され、生物処理された汚水は、その処理水と活性汚泥である固形物を分離するために、最終沈殿池又は沈殿槽で固液分離される。固液分離された処理水は、生物処理水として放流されたり、凝集沈殿処理などさらに高度に処理される。最終沈殿池から排出される汚泥は、返送汚泥と余剰汚泥である。返送汚泥は、生物反応槽の活性汚泥濃度の維持のために、生物反応槽に返送される。余剰汚泥は、初沈汚泥と共に脱水など汚泥処理される。
【0011】
図2に、本発明の汚水を固液分離後に生物処理する生物処理方法の概略工程図を示す。
初沈汚泥には、汚水中の砂などの無機物以外に、生物処理可能な懸濁物質や、時間をかけることで固形状有機物が可溶化できる有機物が多量に含まれる。
初沈汚泥をスクリーンで、汚水中の砂などの無機物などで生物的に分解できない物質を分離し、その不活性物質除去後の汚泥を、生物反応槽に供給することで有機物を分解するものである。スクリーンから分離されたスクリーンし査は、大部分の有機物が除去されたために、腐敗による臭気の発生がなく、余剰汚泥と脱水処理される場合には、脱水助剤として作用し、脱水ケーキの含水率の低下など脱水性能に寄与する。
【0012】
次に、汚水から窒素やリンを生物学的に処理する方法について説明する。
図3に、公知の生物学的脱窒素処理方法の概略工程図を示す。
汚水に含まれる窒素の形態は、アンモニア性窒素と硝酸や亜硝酸性窒素と有機物と結合した有機体窒素である。アンモニア性窒素と硝酸や亜硝酸性窒素と有機体窒素は、曝気槽で生物処理される過程で、最終的に硝酸性窒素や亜硝酸性窒素に酸化される。これは硝化と呼ばれ、硝酸性窒素や亜硝酸性窒素を含む硝化液は、曝気槽から脱窒素槽に供給される。脱窒素槽では、汚水の有機物で硝酸性窒素や亜硝酸性窒素が生物学的に還元されて窒素ガスになり、汚水から窒素が除去される。脱窒素槽に流入する汚水の有機物濃度が低いと、脱窒素槽で硝酸性窒素や亜硝酸性窒素が還元されずに、処理水に硝酸性窒素や亜硝酸性窒素が残留する。最初沈殿池で硝酸性窒素や亜硝酸性窒素の還元に必要な有機物が除去されると、汚水の窒素処理性能が低下する。
また、流入する汚水の有機物濃度が低い場合には、最初沈殿池での有機物の除去量に関わらず、窒素処理のための有機物量が不足するために、窒素処理性能が低下する。
【0013】
図4に、公知の汚水からリンを生物学的に処理する方法の概略工程図を示す。無酸素状態の嫌気槽で活性汚泥中のリンを放出し、次工程の曝気槽では、先の嫌気槽で放出した以上のリンを活性汚泥中に取り込み、結果的に汚水に含まれるリンが除去される。
この生物学的リン除去には、有機物が必要で、最初沈殿池でリン除去に必要な有機物が除去されたり、流入する汚水の有機物濃度が低いとリン除去性能が低下する。
特に、雨天時下水のように、下水が雨水で希釈される場合においては、有機物がリンに対して不足し、晴天時の処理に比べてリン除去性能が大幅に低下する。
【0014】
図5に、公知の汚水から窒素やリンを生物学的に処理する方法の概略工程図を示す。これは、図3と図4を組み合わせて、汚水から窒素とリンを同時に生物学的に処理する方法である。
汚水から窒素やリンを生物学的に処理する方法においては、窒素濃度やリン濃度に対する有機物濃度が重要である。一般的には、窒素処理おいては、有機物をBODとすると、BODと窒素の比率は3以上必要である。また、リン除去においては、BODとリンの比率は20以上必要である。
本発明は、これら不足する有機物を生物処理工程前段の固液分離された汚泥中の有機物を利用するものである。
つまり、固液分離された汚泥を、スクリーン分離又は液体サイクロンで不活性物質を除去し、分離された汚泥を脱窒素槽や嫌気槽に添加するものである。
【0015】
スクリーン分離又は液体サイクロンで不活性物質を除去された汚泥は、全量脱窒素槽や嫌気槽に添加してもよい。また、スクリーンなどで不活性物質を除去された汚泥を貯留槽に貯留し、その貯留槽を経由して定量的、又は、汚水中の窒素濃度やリン濃度や汚水量の変動に合わせて供給してもよい。
不活性物質を分離するスクリーンは、ドラムスクリーン、ウエッジワイヤーやバーススクリーンなど市販のものが使用できる。その目開きには制限が無いが、実用的な目開きは0.5〜5mmである。
液体サイクロンは、サイクロン内部で液体の回転力により、液体と分離対象物の質量差及び流速を利用して分離させるもので、市販品が使用できる。砂の分級装置であるサンドセパレーターと呼ばれる液体サイクロンも使用できる。分離性能は、砂を例にとると、砂の粒径が50μm以上である。
スクリーンや液体サイクロンから分離された不活性物質を含む固形物の脱水には、ベルトプレス型やスクリュープレス型、遠心分離フィルタープレス型などの脱水機が使用できる。
【0016】
本発明では、固液分離された分離汚泥に繊維を添加して、その繊維に不活性物質を捕捉させてスクリーンで不活性物質を分離後に、該生物処理工程に添加することができる。
固液分離汚泥である被処理物に繊維を添加して、不活性物質を繊維に強固に捕捉させてスクリーンで分離する。不活性物質を繊維に強固に捕捉させることにより、スクリーンから不活性物質が分離液にリークするのが防止できるので、不活性物質の除去性能が、繊維を添加することにより無添加時より向上する。
繊維の添加場所は、汚泥引き抜き配管からスクリーンヘの配管内又は配管途中に設けた混合槽である。
【0017】
繊維は、人造繊維、化学繊維、木綿などの天然繊維、パルプなどの木質繊維、植物遺体のピートモスなどすべての繊維や故紙などの繊維含有物が使用できる。再生繊維も使用でき、それらは化学繊維製造工程から廃棄されるポリエステル繊維やポリプロピレン繊維、アクリロニトリル繊維あるいはPETボトルから得られるポリエステル再生繊維等である。
繊維の形状は、好ましくは太さが数μm〜1mm程度、長さが0.1mm〜数cm程度である。繊維としては、各種繊維の混合物を使用することもできる。 市販されている化学合繊繊維を本発明に使う場合には、その太さは数〜数十μmが不活性物質を捕捉し易いので好適である。また、その長さもスラリー状にしたときの作業性やスクリーンでの分離性能を考慮すると、数mm〜1cmが好適である。
【0018】
繊維の添加率は、好ましくは不活性物質を含む固液分離汚泥あたり約0.01〜約3%とする。添加率約0.01%未満では、不活性物質の分離性能が得られない。添加率約3%を超えると、不活性物質は繊維に捕捉されるが、不活性物質を捕捉した繊維が塊状になり、移送等のハンドリングが困難になるためである。繊維と固液分離汚泥を混合する方法は、配管内の水流だけで混合できるし、より混合性能を高めるために、混合装置を使用するなら機械撹拌や空気撹拌装置、ラインミキサーも使用できる。
工業用水や汚水処理施設で容易に得られる処理水や汚水で、繊維をスラリー状にしてから固液分離汚泥に添加することもできる。
固液分離汚泥への添加方法は、繊維の形状を製造工程で均一にできるために、市販の定量ポンプなどが使用できる。
【0019】
また、本発明では、不活性物質が除去された固液分離汚泥を酸発酵工程で有機酸を生成させた後に、生物処理工程に添加することもできる。
図6に、本発明の不活性物質除去後の汚泥を酸発酵した後に、生物処理工程に添加する生物処理方法の概略工程図を示す。
最初沈殿池からの初沈汚泥を、スクリーンで不活性物質を除去して得られる汚泥を、酸発酵工程に導き酸発酵させる。酸発酵の目的は、汚泥の可溶化と酢酸などの有機酸を生成させることである。有機酸を含む酸発酵後の汚泥は、脱窒素槽や脱リンの嫌気槽である生物反応槽に供給される。
砂などの異物がスクリーンで分離除去されているので、酸発酵後の汚泥の供給装置に障害を与えず、更に酸発酵時の発酵槽でのスカムの発生が防止でき、安定した発酵が維持できる。
酸発酵条件は、滞留時間や発酵温度に制限はない。例えば、酸発酵温度を30℃程度に維持できれば、滞留時間数時間で酢酸が主成分の有機酸が生成する。また、例えば、酸発酵温度を30℃で10日以上の滞留時間にすると、メタン発酵が起こり有機酸が消費される。
【0020】
発酵温度の維持が困難な場合には、滞留時間として数日必要である。以上より、滞留時間としては、好ましくは0.5〜5日、発酵温度は10〜35℃とするとよい。
発酵温度を維持するために、温水や蒸気などで間接加熱することができる。
酸発酵対象物質は、汚泥中のセルロースなどの有機繊維分や腐敗しやすいタンパク質や糖類である。これらが酸発酵により、脱窒素や脱リンに必要な有機物である有機酸を生産する。
酸発酵における酸生成菌の至適pH値は、4〜7である。この至適pH値に維持するため、酸生成によるpHの低下に対しては、苛性ソーダなどのアルカリ剤を添加するとよい。また、原料である固液分離汚泥に余剰汚泥を任意の割合で添加することで、pHに対する緩衝性が向上する。
酸発酵後の汚泥は、そのまま生物反応槽に供給してもよいし、遠心濃縮機などの濃縮装置により濃縮して、その分離液を生物反応槽に供給することができる。濃縮物は、汚泥処理設備で処理するとよい。
【0021】
さらに、本発明では、汚水の処理装置としたものであり、また、不活性物質を含む分離汚泥をスクリーンに供給する装置と、分離汚泥に繊維を供給する繊維供給装置と、スクリーンを有する汚水の処理装置である。
図8に、本発明の汚水を固液分離後に生物処理する生物処理装置の概略工程図を示す。
最初沈殿池からの引き抜き汚泥である初沈汚泥に、繊維供給装置から繊維を添加混合後、スクリーンで分離する。分離された汚泥は、生物反応槽へ送られて、汚泥中の溶解性有機物は容易に生物的に分解される。また、汚泥成分は、生物的に分解されて汚泥の減容化が図れる。スクリーンし渣は、汚泥処理設備へ移送される。
繊維供給装置は、任意の市販の装置が使用できる。例えば、繊維と水の混合物であるスラリーを、モーノポンプ輸送や繊維の空気輸送装置である。
スクリーンの分離前に、繊維を添加する水槽や混合用配管を具備することもできる。
不活性物質分離用スクリーンは、好ましくは目開き0.5〜5mm程度とし、ドラムスクリーンを用いるのが好適である。目開きは0.5mm未満では、目詰まりのために不活性物質分離が困難になる。目開き5mmを超えると、スクリーンから不活性物質がリークする可能性が高いためである。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
団地下水に、砂糖と尿素(試薬1級)とリン酸(試薬1級)とトイレットペーパーと有効径0.3mmの砂を加えて調製した模擬下水を対象に、図2の実験装置で実験を行った。
模擬下水の性状は、BOD250mg/l、溶解性BOD100mg/l、T−N40〜60mg/l、アンモニア性窒素30〜50mg/l、T−P10〜20mg/l、砂100mg/l、繊維100mg/l、SS250mg/l
である。
生物反応槽は、嫌気槽と脱窒素槽と曝気槽で各々1槽で直列に配備し構成され、1槽は水深1m、容量1mとした。曝気槽の底部には、散気管を配備して、曝気して曝気槽混合液の溶存酸素濃度を維持した。嫌気槽と脱窒素槽は、流量5m/時の水中ポンプで水槽内を撹拌した。
【0023】
水面積負荷は、最初沈殿池が20〜30m/m日、最初沈殿池が5〜7.5m/m日とした。最初沈殿池からの汚泥引く抜き配管にスクリーンを設置し、スクリーン分離汚泥を100リットルタンクに貯留し、供給ポンプで嫌気槽に供給した。スクリーンは目開き1mm、スクリーン面積0.5mのドラムスクリーンを使用した。スクリーン分離汚泥は、SS20g/l、VSS/SS 83%、有機酸0.1g/l酢酸換算値であった。
模擬下水を処理して、3.0m/日におけるBOD除去率、T−N除去率及びT−P除去率を調査した。生物処理条件は、水温が20〜25℃、汚泥濃度(MLSS)1〜3g/l、曝気槽混合液の溶存酸素濃度2〜3mg/l、曝気槽でのBOD汚泥負荷0.2kg/kg日である。
返送汚泥の返送率100%で、最初沈殿池から嫌気槽に返送した。硝化液の循環量は、流入模擬下水あたり1Qとした
表1に、実施例1の結果を示す。スクリーン分離汚泥を嫌気槽に供給することで、BODの除去以外に、T−NやT−Pも良好に除去できた。模擬下水のT−N、T−P濃度が変動してもT−NやT−Pの除去性能が維持できた。
【0024】
【表1】
Figure 2004330152
【0025】
実施例2
実施例1のスクリーンの代わりに、液体サイクロンを使用した。液体サイクロンは、除去粒子径が30μm以上で、円筒部内径が300mm、円錐部長さが1000mmであった。
表2に、液体サイクロンの実施例2の結果を示す。液体サイクロン分離汚泥を嫌気槽に供給することで、BODの除去以外に、T−NやT−Pも良好に除去できた。模擬下水のT−N、T−P濃度が変動しても除去性能が維持できた。
【0026】
【表2】
Figure 2004330152
【0027】
比較例1
実施例1で、模擬下水を最初沈殿池を通さずに直接嫌気槽に供給したところ、約2週間で、MLSS/VSSが、実施例1の実験当初の86%から46%に低下したことにより、BOD除去率が50%に、T−N除去率が約20%に、T−P除去率が約10%に低下した。模擬下水の不活性物質によるVSS/SSの低下による活性汚泥の活性度の低下によって、除去率が減少した。
【0028】
比較例2
実施例1で最初沈殿池の引き抜き汚泥を、そのまま全量生物反応槽に添加したところ、約2週間で、MLSS/VSSが実施例1の実験当初の86%から45%に低下したことにより、BOD除去率が60%に、T−N除去率が約22%に、T−P除去率が約12%に低下した。
【0029】
実施例3
実施例1の最初沈殿池からの引き抜き汚泥、SS28g/l、VSS/SS62%に、繊維を添加してスクリーンで不活性物質を分離した後に、嫌気槽に供給した。
繊維は、長さ10mm〜15mm、太さ約10μmのPET再生繊維で、スクリーン手前に設けた機械式撹拌機を具備した容量約200リットルの中継水槽で、引き抜き汚泥と繊維を混合してスクリーンに供給した。表3に、繊維添加効果の結果を示す。
【表3】
Figure 2004330152
【0030】
表4に実施例3の結果を示す。繊維を添加率0.2%で添加してスクリーン分離した汚泥を、嫌気槽に供給することで、BODの除去以外に、T−NやT−Pも良好に除去できた。これは、スクリーン分離汚泥の供給により、VSS/SSが85〜90%になり、活性汚泥の活性度が向上したためである。
スクリーン分離汚泥からの有機物が供給されたために、模擬下水のT−N、T−P濃度が変動しても除去性能が維持できた。
繊維の添加により、模擬下水の繊維分が除去できたために、スカムの発生が抑えられた。
【0031】
【表4】
Figure 2004330152
【0032】
実施例4
実施例1の引き抜き汚泥(以下、実施例1汚泥)に、実施例3の繊維を0.2%添加後、スクリーン分離した汚泥(以下、実施例3汚泥)を酸発酵させた後に、嫌気槽に供給した。
容量20リットルの酸発酵槽は、内部に機械式撹拌装置を持ち、上記汚泥18リットルと嫌気性処理設備から採取した酸発酵種汚泥2リットルを仕込み、酸発酵させた後にその80%を排出し、残った酸発酵汚泥は、種汚泥として次回に使用した。酸発酵は、回分式で運転した。酸発酵条件は、温度15〜30℃、反応時間5〜24時間、酸発酵pHを6に苛性ソーダで調整した。酸発酵汚泥のSS、VSS/SSと酸発酵汚泥を孔径0.4μmのMFでろ過した
ろ液の有機酸(酢酸換算)を測定した。表5に酸発酵の結果を示す。
【0033】
【表5】
Figure 2004330152
【0034】
表6に実施例4の結果を示す。実施例3の汚泥、温度30℃、反応時間5時間、pH6の酸発酵条件の酸発酵汚泥を嫌気槽に供給することで、BODの除去以外に、T−NやT−Pも良好に除去できた。模擬下水のT−N、T−P濃度が変動してもT−NやT−Pの除去性能が維持できた。
【表6】
Figure 2004330152
【0035】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
(1)簡便な方法で効率よく、不活性物質の除去が可能である。
(2)汚水濃度や汚水量の変動に対しても窒素やリン除去性能が維持でき、安
定した運転ができる。
(3)汚水から砂などの不活性物質を除去することにより、VSS/SSが高まり、活性汚泥の活性度が高まる。より低濃度のMLSSでの運転が可能となり、運転管理が容易になる。
(4)不活性物質が除去された分離汚泥を生物処理工程に添加することにより、窒素やリン除去性能を高めることができるから、安定した生物処理装置の運転が可能となった。
(5)有機物が不足する雨天時下水の処理において、窒素やリン除去性能を高めることができるので、安定した生物処理装置の運転が可能である。したがって、一時的に多量に流入する雨天時下水を生物処理施設に受け入れても、生物処理の運転に影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知の汚水を固液分離後に生物処理する生物処理方法の概略工程図。
【図2】本発明の汚水を固液分離後に生物処理する生物処理方法の概略工程図。
【図3】公知の生物学的脱窒素処理方法の概略工程図。
【図4】公知の汚水からリンを生物学的処理方法の概略工程図。
【図5】公知の汚水から窒素やリンを生物学的処理方法の概略工程図。
【図6】本発明の不活性物質除去後の汚泥を酵発酵した後に生物処理工程に添加する生物処理方法の概略工程図。
【図7】公知の汚水の生物処理方法の概略工程図。
【図8】本発明の汚水を固液分離後にの生物処理する生物処理装置の概略工程図。
ためである

Claims (5)

  1. 汚水を固液分離し、分離液を生物処理する汚水の処理方法において、前記固液分離した分離汚泥から不活性物質を分離した後に、該分離汚泥を前記生物処理工程に添加することを特徴とする汚水の処理方法。
  2. 前記不活性物質の分離は、前記分離汚泥に繊維を添加し、該繊維に不活性物質を捕捉させてスクリーンで行うことを特徴とする請求項1記載の汚水の処理方法。
  3. 前記不活性物質が除去された分離汚泥は、酸発酵させて有機酸を生成させた後に、前記生物処理工程に添加することを特徴とする請求項1又は2記載の汚水の処理方法。
  4. 汚水を固液分離する固液分離装置と、分離液を生物処理する生物反応槽とを備えた汚水の処理装置において、前記固液分離した分離汚泥から不活性物質を除去する除去装置を備え、該不活性物質を除去した分離汚泥を前記生物反応槽に供給する手段を有することを特徴とする汚水の処理装置。
  5. 前記除去装置がスクリーンであり、該除去装置には、前記分離汚泥に繊維を供給する繊維供給装置と、繊維を含有する分離汚泥を該スクリーンに供給する手段とを併設したことを特徴とする請求項4記載の汚水の処理装置。
JP2003132747A 2003-05-12 2003-05-12 汚水の処理方法とその装置 Pending JP2004330152A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003132747A JP2004330152A (ja) 2003-05-12 2003-05-12 汚水の処理方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003132747A JP2004330152A (ja) 2003-05-12 2003-05-12 汚水の処理方法とその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004330152A true JP2004330152A (ja) 2004-11-25

Family

ID=33507501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003132747A Pending JP2004330152A (ja) 2003-05-12 2003-05-12 汚水の処理方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004330152A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007275845A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 粒状微生物汚泥生成装置及び粒状微生物汚泥生成方法
JP2008284427A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 排水処理装置及び排水処理方法
JP2011206667A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Metawater Co Ltd 有機性廃水の処理方法及び処理装置
JP2012030232A (ja) * 2005-05-24 2012-02-16 Toshiba Corp 下水処理場リン除去装置
WO2015025533A1 (ja) * 2013-08-22 2015-02-26 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 排水処理設備

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012030232A (ja) * 2005-05-24 2012-02-16 Toshiba Corp 下水処理場リン除去装置
JP2007275845A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 粒状微生物汚泥生成装置及び粒状微生物汚泥生成方法
JP2008284427A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 排水処理装置及び排水処理方法
JP2011206667A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Metawater Co Ltd 有機性廃水の処理方法及び処理装置
WO2015025533A1 (ja) * 2013-08-22 2015-02-26 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 排水処理設備
JP2015039671A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 排水処理設備

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2692728C2 (ru) Способ и устройство для очистки сточных вод с использованием внешнего разделения
RU2454374C2 (ru) Способ удаления фосфора и магния при очистке сточных вод активированным илом и система выделения струвита
JP3442288B2 (ja) 有機性廃棄物のメタン発酵方法
WO2012133386A1 (ja) 排水処理方法及び排水処理システム
JP2016172236A (ja) 水処理装置及び水処理方法
JP2016511693A (ja) 廃水処理プロセス及びシステム
CN201908019U (zh) 一种焦化废水处理系统
JP6395877B2 (ja) 嫌気性消化処理方法及び嫌気性消化処理装置
JP2004330152A (ja) 汚水の処理方法とその装置
JP2003334584A (ja) 廃水処理方法及び装置
US20220112109A1 (en) Organic waste treatment process
KR20150066055A (ko) 고농도 유기성폐기물의 혐기성 소화 시스템
JP2007196081A (ja) 排水処理システム及びトイレ装置
JP3907152B2 (ja) 有機性排水の処理方法及び処理装置
JP2001070999A (ja) 廃水の処理方法および処理装置
JP2004249245A (ja) リン含有有機性汚水処理装置
TWI756126B (zh) 農牧業厭氧消化液的處理與回收系統及方法
JPH11285698A (ja) 生物学的脱リン方法
JP4192079B2 (ja) 汚泥処理装置及び汚泥処理方法
JP3270155B2 (ja) 下水処理方法及び処理装置
JP2004136220A (ja) 雨天時下水の生物処理方法とその装置
JP3731796B2 (ja) 有機物を含有する水の処理方法及び処理装置
JP3562760B2 (ja) ばっ気・発酵分解による排水処理方法と排水処理施設
JP2001070983A (ja) 廃水の処理方法および処理装置
JPH06170398A (ja) 活性汚泥処理における高炉水砕スラグ含有汚泥の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090330

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090817